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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-114581(P2017-114581A)
(43)【公開日】2017年6月29日
(54)【発明の名称】シート巻取装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 19/26 20060101AFI20170602BHJP
   B65H 19/28 20060101ALI20170602BHJP
【FI】
   B65H19/26
   B65H19/28 Z
   B65H19/28 A
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-248425(P2015-248425)
(22)【出願日】2015年12月21日
(11)【特許番号】特許第6087418号(P6087418)
(45)【特許公報発行日】2017年3月1日
(71)【出願人】
【識別番号】000154130
【氏名又は名称】株式会社不二鉄工所
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】特許業務法人あーく特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】楠山 哲則
【テーマコード(参考)】
3F064
【Fターム(参考)】
3F064AA08
3F064CA04
3F064CA05
3F064CB01
3F064CB11
3F064DA03
3F064FA04
(57)【要約】
【課題】巻取軸の切替時においてシートを切断する際に、そのシートが逃げるのをより抑制することが可能なシート巻取装置を提供する。
【解決手段】シート巻取装置100は、巻取軸11が設けられたターレット機構1と、ガイドローラ45および刃43を有する切断巻付装置4と、切断されるシート150を支持する板状部材32とを備える。ガイドローラ45は、巻取位置P1の新しい巻取軸11から送り出されるシート150の搬送方向を規定する。板状部材32は、巻取位置P1の新しい巻取軸11の近傍に移動され、シート150を挟んでガイドローラ45と対向するように配置される。切断巻付装置4は、巻取位置P1の新しい巻取軸11と板状部材32との間に刃43を進入させることにより、板状部材32に支持されるシート150を切断するとともに、その切断されたシート150を巻取位置P1の新しい巻取軸11に巻き付ける。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
巻取軸にシートを巻き取るとともに、その巻取軸を切り替え可能に構成されたシート巻取装置であって、
複数の巻取軸が回転可能に設けられ、シート巻取時に巻取位置の巻取軸によりシートを巻き取るように構成されたターレット機構と、
巻取軸の切替時に、シートをガイドするガイドローラおよびシートを切断する刃を有する切断巻付装置と、
前記切断巻付装置により切断されるシートを支持する板状部材とを備え、
前記ターレット機構は、巻取軸の切替時に回動することにより、前記巻取位置の巻取軸を退避位置に退避させるとともに、前記巻取位置に新しい巻取軸を供給するように構成され、
前記ガイドローラは、巻取軸の切替時に、前記退避位置の巻取軸と前記巻取位置の新しい巻取軸との間でシートに接触するように移動されることにより、前記巻取位置の新しい巻取軸から送り出されるシートの搬送方向を規定するように構成され、
前記板状部材は、巻取軸の切替時に、前記巻取位置の新しい巻取軸の近傍に移動され、シートを挟んで前記ガイドローラと対向するように配置され、
前記切断巻付装置は、前記巻取位置の新しい巻取軸と前記板状部材との間に前記刃を進入させることにより、前記板状部材に支持されるシートを切断するとともに、その切断されたシートを前記巻取位置の新しい巻取軸に巻き付けるように構成されていることを特徴とするシート巻取装置。
【請求項2】
請求項1に記載のシート巻取装置において、
シート巻取時に前記巻取位置の巻取軸にシートを押圧する第1タッチローラを備え、
前記ターレット機構には、複数の第2タッチローラが設けられ、
前記第2タッチローラは、シート巻取時に、前記巻取位置の巻取軸に巻き取られるシートを前記第1タッチローラとで挟み込むように押圧し、かつ、巻取軸の切替時に、前記巻取位置の巻取軸が前記退避位置に移動する際にその巻取軸に巻き取られるシートを押圧しながら巻取軸とともに移動するように構成されていることを特徴とするシート巻取装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のシート巻取装置において、
シートが不織布であることを特徴とするシート巻取装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1つに記載のシート巻取装置において、
前記切断巻付装置は、切断されたシートを前記巻取位置の新しい巻取軸にガイドするガイド部と、切断されたシートを前記巻取位置の新しい巻取軸に吹き付けるエア吐出部とを含むことを特徴とするシート巻取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート巻取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、巻取軸にシートを巻き取るとともに、その巻取軸を切り替え可能に構成されたシート巻取装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
このようなシート巻取装置は、複数の巻取軸が回転可能に設けられたターレット機構を備え、シート巻取時に巻取位置の巻取軸によりシートを巻き取るように構成されている。そして、巻取軸の切替時には、巻取位置の巻取軸を退避させるとともに、新しい巻取軸を巻取位置に供給し、シートを切断して新しい巻取軸に巻き付けるようになっている。
【0004】
ここで、巻取軸の切替時におけるシートの切断性を向上させるために、特許文献1の巻取機では、シートを2点でピンチするとともに、そのピンチ間のシートに高い張力が加えられる。そして、張力が高いシートが新巻芯(新しい巻取軸)と受けローラとの間に架け渡されており、その新巻芯と受けローラとの間にカッタが進入することによりシートが切断される。これにより、カッタの進入の際に、シートがそのカッタの進入方向に逃げるのを抑制することができるので、シートの切断性の向上を図ることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第2514537号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記した従来の巻取機では、カッタによるシートの切断時にシートが逃げるのをより抑制することが困難である。具体的には、新巻芯から受けローラに送られるシートの長さ(新巻芯と受けローラとの間において空中を走行するシートの長さ)として、カッタを進入させるための新巻芯と受けローラとの間の距離に加えて、新巻芯の半径分および受けローラの半径分の距離が必要であることから、シートが切断される際に空中を走行する部分の長さを短くすることが困難である。
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、巻取軸の切替時においてシートを切断する際に、そのシートが逃げるのをより抑制することが可能なシート巻取装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によるシート巻取装置は、巻取軸にシートを巻き取るとともに、その巻取軸を切り替え可能に構成されている。シート巻取装置は、複数の巻取軸が回転可能に設けられ、シート巻取時に巻取位置の巻取軸によりシートを巻き取るように構成されたターレット機構と、巻取軸の切替時に、シートをガイドするガイドローラおよびシートを切断する刃を有する切断巻付装置と、切断巻付装置により切断されるシートを支持する板状部材とを備える。ターレット機構は、巻取軸の切替時に回動することにより、巻取位置の巻取軸を退避位置に退避させるとともに、巻取位置に新しい巻取軸を供給するように構成されている。ガイドローラは、巻取軸の切替時に、退避位置の巻取軸と巻取位置の新しい巻取軸との間でシートに接触するように移動されることにより、巻取位置の新しい巻取軸から送り出されるシートの搬送方向を規定するように構成されている。板状部材は、巻取軸の切替時に、巻取位置の新しい巻取軸の近傍に移動され、シートを挟んでガイドローラと対向するように配置される。切断巻付装置は、巻取位置の新しい巻取軸と板状部材との間に刃を進入させることにより、板状部材に支持されるシートを切断するとともに、その切断されたシートを巻取位置の新しい巻取軸に巻き付けるように構成されている。
【0009】
このように構成することによって、刃でシートを切断するときに、そのシートを板状部材により支持することができるので、シートが逃げるのをより抑制することができる。
【0010】
上記シート巻取装置において、好ましくは、シート巻取時に巻取位置の巻取軸にシートを押圧する第1タッチローラを備え、ターレット機構には、複数の第2タッチローラが設けられ、第2タッチローラは、シート巻取時に、巻取位置の巻取軸に巻き取られるシートを第1タッチローラとで挟み込むように押圧し、かつ、巻取軸の切替時に、巻取位置の巻取軸が退避位置に移動する際にその巻取軸に巻き取られるシートを押圧しながら巻取軸とともに移動するように構成されている。
【0011】
上記シート巻取装置において、好ましくは、シートが不織布である。
【0012】
上記シート巻取装置において、好ましくは、切断巻付装置は、切断されたシートを巻取位置の新しい巻取軸にガイドするガイド部と、切断されたシートを巻取位置の新しい巻取軸に吹き付けるエア吐出部とを含む。
【発明の効果】
【0013】
本発明のシート巻取装置によれば、巻取軸の切替時においてシートを切断する際に、そのシートが逃げるのをより抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態によるシート巻取装置の概略構成を示した模式図である。
図2図1のシート巻取装置において巻取位置の巻取軸にシートが巻き取られた状態を示した図である。
図3図2のシート巻取装置においてターレット機構が回動された状態を示した図である。
図4図3のシート巻取装置において切断巻付装置およびシート支持装置が回動した状態を示した図である。
図5図4のシート巻取装置においてシートが切断される直前の状態を示した図である。
図6図5のシート巻取装置においてシートが切断された状態を示した図である。
図7図6のシート巻取装置において切断巻付装置およびシート支持装置が元の位置に戻った状態を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0016】
−構成−
まず、図1を参照して、本発明の一実施形態によるシート巻取装置100の構成について説明する。なお、図1において、Y2方向側が上流側であり、Y1方向側が下流側である。
【0017】
シート巻取装置100は、図1に示すように、巻取軸11にシート150を巻き取るとともに、その巻取軸11を切り替え可能に構成されている。このシート巻取装置100には、前工程(上流側)からシート150が供給され、そのシート150は、たとえば不織布からなる帯状シートである。
【0018】
具体的には、シート巻取装置100は、ターレット機構1と、タッチローラ機構2と、シート支持装置3と、切断巻付装置4とを備えている。
【0019】
ターレット機構1には、巻取軸11と、タッチローラ機構12と、ガイドローラ13および14とが設けられ、それらが複数組設けられている。本実施形態では、巻取軸11、タッチローラ機構12、ガイドローラ13および14が2組設けられ、ターレット機構1の回動軸1aに対して対称に配置されている。ターレット機構1は、回動軸1aを中心にしてR1方向(図2参照)に回動可能に構成されている。
【0020】
巻取軸11は、ターレット機構1に着脱可能に取り付けられ、ターレット機構1に取り付けられた状態で回転可能に構成されている。巻取軸11は、巻取位置P1に配置されるとともに、退避位置P2に配置されている。なお、巻取軸11は、円筒状の巻芯11aが嵌め込まれ、その巻芯11aにシート150を巻き取るように構成されている。
【0021】
このシート巻取装置100では、シート巻取時に、巻取位置P1の巻取軸11によりシート150を巻き取るように構成されている。そして、巻取軸11の切替時には、ターレット機構1が回動されることにより、巻取位置P1の巻き取りを行っている巻取軸11が退避位置P2に退避されるとともに、巻取位置P1に新しい巻取軸11が供給されるようになっている。
【0022】
なお、新しい巻取軸11とは、シート150が巻き付けられていない空の巻芯11aが嵌め込まれた巻取軸である。また、巻取位置P1は、上流側から供給されるシート150を主に巻き取るための位置である。退避位置P2は、巻取軸11の切替時に、新しい巻取軸11を巻取位置P1に移動させるために、巻取位置P1で巻き取りを行っている巻取軸11を巻取位置P1から退避させるための位置である。この退避位置P2は、巻取位置P1よりも下流側であり、巻取軸11を取り外して巻芯11aを交換するための位置である。
【0023】
タッチローラ機構12は、基端がターレット機構1に連結されたアーム12aと、アーム12aの先端に回転可能に設けられた2つのタッチローラ12bとを含んでいる。タッチローラ機構12は、巻取位置P1の巻取軸11に巻き取られるシート150に対してタッチローラ12bを接触させるように構成されている。なお、タッチローラ12bは、本発明の「第2タッチローラ」の一例である。
【0024】
具体的には、巻取位置P1の巻取軸11に巻き取られるシート150に対して、2つのタッチローラ12bが下側から接触している。このため、タッチローラ12bは、シート巻取時に、巻取位置P1の巻取軸11に巻き取られるシート150を後述するタッチローラ22とで挟み込むように押圧している。また、タッチローラ12bは、巻取軸11の切替時に、巻取位置P1の巻取軸11が退避位置P2に移動する際にその巻取軸11に巻き取られるシート150を押圧しながら巻取軸11とともに移動するように構成されている。
【0025】
ガイドローラ13および14は、ターレット機構1に回転可能に設けられている。このガイドローラ13および14は、巻取軸11の切替時に、巻取位置P1の新しい巻取軸11から退避位置P2の巻取軸11に向かうシート150の搬送経路を規定するために設けられている。
【0026】
タッチローラ機構2は、基端がフレーム(図示省略)に連結されたアーム21と、アーム21の先端に回転可能に設けられたタッチローラ22と、タッチローラ22にシート150を巻き掛けるためのニップローラ23とを含んでいる。タッチローラ機構2は、巻取位置P1の巻取軸11に巻き取られるシート150に対してタッチローラ22を接触させるように構成されている。なお、タッチローラ22は、本発明の「第1タッチローラ」の一例である。
【0027】
具体的には、タッチローラ22は、巻取位置P1の巻取軸11の上方に配置され、その巻取軸11にシート150を押圧するために設けられている。ニップローラ23は、タッチローラ22に対してシート150が接触する角度範囲(タッチローラ22の周方向においてシート150が接触する部分の長さ)を大きくするために設けられている。このニップローラ23は、図示省略したアームに回転可能に設けられ、そのアームは、アーム21に設けられている。
【0028】
シート支持装置3は、巻取軸11の切替時においてシート150が切断される際に、そのシート150を支持するために設けられている。シート支持装置3は、フレームに設けられた第1アーム(図示省略)と、第1アームに設けられた第2アーム31と、第2アームに設けられた板状部材32とを含んでいる。
【0029】
第1アームは、基端がフレームに回動可能に連結され、先端に第2アーム31が設けられている。第2アーム31は、基端の回動軸31aが第1アームに連結され、先端に板状部材32が設けられている。板状部材32は、板状に形成され、巻取軸11の軸方向(図1の紙面に対する垂直方向)に延びるように形成されている。具体的には、板状部材32は、シート150の幅方向における長さと対応するように形成されている。
【0030】
そして、シート支持装置3は、シート巻取時に板状部材32を巻取位置P1の上方に配置するとともに、巻取軸11の切替時に板状部材32を巻取位置P1の新しい巻取軸11の近傍に移動させるように構成されている。
【0031】
切断巻付装置4は、巻取軸11の切替時に、シート150を切断するとともに、その切断したシート150を巻取位置P1の新しい巻取軸11に巻き付けるために設けられている。この切断巻付装置4は、第1アーム41と、第2アーム42と、刃43と、ガイドローラ44および45と、押さえローラ46と、帯電装置47と、エア吐出部48と、切断端ガイド部49とを含んでいる。なお、切断巻付装置4は、シート巻取時には、刃43などが巻取位置P1の斜め下方に配置されるようになっている。
【0032】
第1アーム41は、フレームに設けられており、回動軸41aを中心にして回動可能である。第2アーム42は、基端の回動軸42aが第1アーム41に連結され、第1アーム41に対して回動可能に設けられている。第2アーム42の先端には、刃43と、エア吐出部48と、切断端ガイド部49とが設けられている。
【0033】
刃43は、シート150を切断するために設けられ、巻取軸11の軸方向に延びるように形成されている。具体的には、刃43は、シート150の幅方向における長さと対応するように形成されている。
【0034】
エア吐出部48は、刃43によるシート150の切断時に、シート150の切断端(シート150の流れ方向における上流側の切断端)にエアを吹き付けることにより、その切断端を巻取位置P1の新しい巻取軸11に巻き付けるために設けられている。このエア吐出部48は、刃43によってシート150が切断される際に、刃43に対してシート150の流れ方向における上流側に配置されるように構成されている。エア吐出部48は、巻取軸11の軸方向に沿うように設けられている。
【0035】
切断端ガイド部49は、シート150が切断されたときに、その切断端(上流側の切断端)を巻取位置P1の新しい巻取軸11にガイドするために設けられている。この切断端ガイド部49は、刃43とエア吐出部48との間に配置され、湾曲するように形成されている。また、切断端ガイド部49は、刃43と対応するように、巻取軸11の軸方向に延びるように形成されている。
【0036】
ガイドローラ44および45は、巻取軸11の切替時に、退避位置P2の巻取軸11と巻取位置P1の新しい巻取軸11との間でシート150に接触するように構成されている。このため、ガイドローラ44および45は、巻取位置P1の新しい巻取軸11から送り出されるシート150の搬送方向を規定するように構成されている。ガイドローラ44は、第1アーム41に回転可能に設けられている。ガイドローラ45は、図示省略した第3アームに回転可能に設けられ、その第3アームは、第1アーム41に設けられている。
【0037】
押さえローラ46は、巻取軸11の切替時に、巻取位置P1の新しい巻取軸11にシート150を押さえ付けるために設けられている。具体的には、押さえローラ46は、巻取位置P1の新しい巻取軸11の下側からシート150をその巻取軸11に押し付けるようになっている。この押さえローラ46は、図示省略した第4アームに回転可能に設けられ、その第4アームは、第1アーム41に設けられている。
【0038】
帯電装置47は、巻取軸11の切替時に、シート150を帯電させることにより、巻取位置P1の新しい巻取軸11にシート150の切断端が吸着しやすくするために設けられている。この帯電装置47は、第1アーム41に設けられるとともに、巻取軸11の軸方向に沿うように設けられている。
【0039】
−動作−
次に、図1図7を参照して、本実施形態によるシート巻取装置100の動作について説明する。
【0040】
[シート巻取時]
まず、図1に示すように、前工程(上流側)から供給されるシート150が、巻取位置P1の巻取軸11とタッチローラ22との間に搬送される。そして、巻取位置P1の巻取軸11が図1の反時計回りに回転されることにより、その巻取軸11の巻芯11aにシート150が巻き取られる。
【0041】
このとき、タッチローラ22が巻取位置P1の巻取軸11の上方に配置されるとともに、タッチローラ12bが巻取位置P1の巻取軸11の下方に配置される。このため、巻取位置P1の巻取軸11に巻き取られるシート150が、タッチローラ22および12bによって挟み込まれるように押圧される。このため、シート150が不織布であっても、巻取軸11にシート150を硬く巻くことが可能である。
【0042】
ここで、ニップローラ23は、シート150を介してタッチローラ22に接触されており、タッチローラ22に対するシート150の接触する角度範囲が大きくなっている。そして、シート150の搬送速度に応じてタッチローラ22を駆動回転させるとともに、巻取位置P1の巻取軸11およびタッチローラ12bを補助的に駆動回転させる。
【0043】
なお、シート支持装置3および切断巻付装置4は、それぞれ初期位置に配置される。また、ターレット機構1の下流側(Y1方向側)に配置されるタッチローラ機構12では、タッチローラ12bが上側(Z1方向側)に配置されており、そのタッチローラ12bが退避位置P2の新しい巻取軸11から離間されている。
【0044】
そして、シート150の巻き取りに起因して巻径が増大すると、図2に示すように、その巻径の増大に応じて、タッチローラ22が上方(Z1方向)に移動されるとともに、タッチローラ12bが下方(Z2方向)に移動される。
【0045】
[巻取軸の切替時]
そして、巻取軸11の切り替えが開始されると、まず、ターレット機構1が回動軸1aを中心にしてR1方向に180度回動される。これにより、図3に示すように、巻取位置P1に位置していた巻取軸11が退避位置P2に退避されるとともに、退避位置P2に位置していた新しい巻取軸11が巻取位置P1に供給される。このように、巻取位置P1の巻取軸11が退避位置P2に移動する際に、その巻取軸11に巻き取られるシート150を押圧するタッチローラ12bも移動する。すなわち、タッチローラ12bにより巻き取られるシート150が押圧された状態で、巻取位置P1から退避位置P2に巻取軸11が移動される。
【0046】
ここで、この巻取軸11の切替時において、シート150が巻取位置P1の新しい巻取軸11の巻芯11aに巻き付けられるまでは、退避位置P2の巻取軸11によりシート150が巻き取られる。すなわち、前工程(上流側)から供給されるシート150の搬送が停止されることなく、巻取軸11の切り替えが行われる。なお、退避位置P2の巻取軸11により巻き取られるシート150はタッチローラ12bによって押圧し続けられる。
【0047】
また、巻取位置P1の新しい巻取軸11にシート150が接触され、その新しい巻取軸11から退避位置P2の巻取軸11に向かうシート150がガイドローラ13および14によってガイドされる。これにより、上流側に配置されるタッチローラ12bを避けたシート150の搬送経路が形成される。
【0048】
なお、シート150が接触するガイドローラ14は、巻取位置P1の新しい巻取軸11よりも下方に配置されるとともに、上流側のタッチローラ12bよりも上流側に配置される。また、シート150が接触するガイドローラ13は、上流側のタッチローラ12bよりも下方に配置されるとともに、シート150が接触するガイドローラ14よりも下流側に配置される。
【0049】
次に、図4に示すように、シート支持装置3では、第1アーム(図示省略)が回動されることにより、第2アーム31が下方に移動され、切断巻付装置4では、第1アーム41が回動軸41aを中心にして回動されることにより、巻取位置P1の新しい巻取軸11とガイドローラ14との間のシート150にガイドローラ44および45が接触される。
【0050】
その後、図5に示すように、シート支持装置3では、第2アーム31が回動軸31aを中心にして回動されることにより、板状部材32が巻取位置P1の新しい巻取軸11の近傍に配置される。また、切断巻付装置4では、ガイドローラ45を支持する第3アーム(図示省略)が回動されることにより、ガイドローラ45が板状部材32の近傍に配置され、押さえローラ46を支持する第4アーム(図示省略)が回動されることにより、押さえローラ46がシート150を介して巻取位置P1の新しい巻取軸11に接触される。
【0051】
このとき、巻取位置P1の新しい巻取軸11に対して上方にタッチローラ22が配置され、そのタッチローラ22がシート150を介して新しい巻取軸11に接触される。また、巻取位置P1の新しい巻取軸11に対して下方に押さえローラ46が配置され、その押さえローラ46がシート150を介して新しい巻取軸11に接触される。また、巻取位置P1の新しい巻取軸11の上流側(Y2方向側)の近傍に帯電装置47が配置され、その帯電装置47により新しい巻取軸11に巻き掛けられるシート150が帯電される。
【0052】
また、ガイドローラ45は、巻取位置P1の新しい巻取軸11の下流側の近傍に配置される。なお、ガイドローラ45は、巻取位置P1の新しい巻取軸11とほぼ同じ高さ位置に配置される。このため、巻取位置P1の新しい巻取軸11からガイドローラ45に向けてシート150が下流側に斜め上方に向けて搬送される。つまり、ガイドローラ45は、巻取位置P1の新しい巻取軸11から送り出されるシート150の搬送方向を規定するために設けられている。また、ガイドローラ44は、ガイドローラ45の下方に配置されるとともに、第2アーム42の先端よりも下流側に配置される。このため、刃43などを避けたシート150の搬送経路が形成される。なお、巻取位置P1の新しい巻取軸11から送り出されるシート150は、ガイドローラ45、44、14および13を介して退避位置P2の巻取軸11に搬送される。
【0053】
また、板状部材32は、シート150を挟んでガイドローラ45と対向する位置に配置される。板状部材32の表面はガイドローラ45の近傍に配置されており、その板状部材32の表面に対して搬送されるシート150が僅かに離間されている。また、板状部材32は、先端が巻取位置P1の新しい巻取軸11の近傍に配置される。すなわち、板状部材32の先端がシート150の切断位置の近傍に配置される。なお、切断位置は、シート150の搬送方向における巻取位置P1の新しい巻取軸11と板状部材32との間である。
【0054】
次に、図6に示すように、切断巻付装置4では、第2アーム42が回動軸42aを中心にして回動されることにより、巻取位置P1の新しい巻取軸11とガイドローラ45との間におけるシート150の搬送方向とほぼ直交する方向に刃43が移動する。このため、刃43が巻取位置P1の新しい巻取軸11と板状部材32との間に進入することにより、その刃43によってシート150が切断される。ここで、刃43によってシート150が切断されるときに、切断されるシート150が板状部材32側に押し付けられ、そのシート150が板状部材32により支持される。
【0055】
また、シート150の切断時には、刃43とともにエア吐出部48および切断端ガイド部49が巻取位置P1の新しい巻取軸11の近傍に移動される。エア吐出部48は、刃43に対してシート150の流れ方向における上流側に配置され、切断端ガイド部49は、刃43とエア吐出部48との間に配置される。そして、エア吐出部48からエアが吐出され、シート150の上流側の切断端が巻取位置P1の新しい巻取軸11に吹き付けられる。また、切断端ガイド部49が巻取位置P1の新しい巻取軸11に対して僅かに離間した状態でその巻取軸11の外周に沿うように配置されており、エア吐出部48から吐出されるエアとともにシート150の切断端が新しい巻取軸11と切断端ガイド部49との間に案内される。そして、切断されたシート150が巻取位置P1の新しい巻取軸11に巻き付けられる。なお、シート150の下流側の切断端は、退避位置P2の巻取軸11に巻き取られる。
【0056】
そして、図7に示すように、シート支持装置3および切断巻付装置4が初期位置に戻る。その後、上流側に配置されるタッチローラ12bが上昇され、そのタッチローラ12bにより巻取位置P1の巻取軸11が押圧される。また、退避位置P2において巻き上がったロール160が排出される。具体的には、退避位置P2の巻取軸11がターレット機構1から取り外され、その巻取軸11からロール160が抜き取られる。そして、巻取軸11に新しい巻芯11aが嵌め込まれ、その新しい巻取軸11が退避位置P2に取り付けられる。
【0057】
以上の動作が繰り返し行われることにより、巻取軸11の切り替えを行いながら、シート150が連続的に巻き取られる。
【0058】
−効果−
本実施形態では、上記のように、板状部材32を含むシート支持装置3を設けることによって、刃43でシート150を切断するときに、そのシート150を板状部材32により支持することができるので、シート150が逃げるのをより抑制することができる。すなわち、巻取位置P1の新しい巻取軸11と板状部材32との間で、空中を走行するシート150の長さを短くすることができるので、シート150の切断性を向上させることができる。したがって、シート150が不織布であり、切断しにくい場合であっても、適切に切断することができる。
【0059】
また、本実施形態では、ターレット機構1にタッチローラ機構12を設けることによって、巻取軸11の切替時にも巻き取られるシート150を押圧することができる。また、シート150が不織布であっても、巻取軸11にシート150を硬く巻くことができる。
【0060】
−他の実施形態−
なお、今回開示した実施形態は、すべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、本発明の技術的範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0061】
1 ターレット機構
4 切断巻付装置
11 巻取軸
12b タッチローラ(第2タッチローラ)
22 タッチローラ(第1タッチローラ)
32 板状部材
43 刃
45 ガイドローラ
48 エア吐出部
49 切断端ガイド部(ガイド部)
100 シート巻取装置
150 シート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2016年12月21日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
巻取軸にシートを巻き取るとともに、その巻取軸を切り替え可能に構成されたシート巻取装置であって、
複数の巻取軸が回転可能に設けられ、シート巻取時に巻取位置の巻取軸によりシートを巻き取るように構成されたターレット機構と、
前記巻取位置の巻取軸にシートを上方から押圧する第1タッチローラと、
巻取軸の切替時に、シートをガイドするガイドローラおよびシートを切断する刃を有する切断巻付装置と、
前記切断巻付装置により切断されるシートを支持する板状部材とを備え、
前記ターレット機構は、巻取軸の切替時に回動することにより、前記巻取位置の巻取軸を退避位置に退避させるとともに、前記巻取位置に新しい巻取軸を供給するように構成され、かつ、複数の第2タッチローラが設けられ、
前記第2タッチローラは、シート巻取時に、前記巻取位置の巻取軸に巻き取られるシートを前記第1タッチローラとで挟み込むように押圧し、かつ、巻取軸の切替時に、前記巻取位置の巻取軸が前記退避位置に移動する際にその巻取軸に巻き取られるシートを押圧しながら巻取軸とともに移動するように構成され、
前記ガイドローラは、巻取軸の切替時に、前記退避位置の巻取軸と前記巻取位置の新しい巻取軸との間でシートに接触するように移動されることにより、前記巻取位置の新しい巻取軸から送り出されるシートの搬送方向を規定するように構成され、
前記板状部材は、巻取軸の切替時に、前記巻取位置の新しい巻取軸の近傍に移動され、シートを挟んで前記ガイドローラと対向するように配置され、
前記切断巻付装置は、巻取軸の切替時に前記巻取位置の新しい巻取軸にシートを下方から押さえ付ける押さえローラを有しており、その押さえローラによりシートが押さえ付けられた状態で、前記巻取位置の新しい巻取軸と前記板状部材との間にシートの下面側から前記刃を進入させることにより、前記板状部材によって上面側が支持されるシートを切断するとともに、その切断されたシートを前記巻取位置の新しい巻取軸に巻き付けるように構成されていることを特徴とするシート巻取装置。
【請求項2】
請求項1に記載のシート巻取装置において、
シートが不織布であることを特徴とするシート巻取装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のシート巻取装置において、
前記切断巻付装置は、切断されたシートを前記巻取位置の新しい巻取軸にガイドするガイド部と、切断されたシートを前記巻取位置の新しい巻取軸に吹き付けるエア吐出部とを含むことを特徴とするシート巻取装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本発明によるシート巻取装置は、巻取軸にシートを巻き取るとともに、その巻取軸を切り替え可能に構成されている。シート巻取装置は、複数の巻取軸が回転可能に設けられ、シート巻取時に巻取位置の巻取軸によりシートを巻き取るように構成されたターレット機構と、巻取位置の巻取軸にシートを上方から押圧する第1タッチローラと、巻取軸の切替時に、シートをガイドするガイドローラおよびシートを切断する刃を有する切断巻付装置と、切断巻付装置により切断されるシートを支持する板状部材とを備える。ターレット機構は、巻取軸の切替時に回動することにより、巻取位置の巻取軸を退避位置に退避させるとともに、巻取位置に新しい巻取軸を供給するように構成され、かつ、複数の第2タッチローラが設けられている。第2タッチローラは、シート巻取時に、巻取位置の巻取軸に巻き取られるシートを第1タッチローラとで挟み込むように押圧し、かつ、巻取軸の切替時に、巻取位置の巻取軸が退避位置に移動する際にその巻取軸に巻き取られるシートを押圧しながら巻取軸とともに移動するように構成されている。ガイドローラは、巻取軸の切替時に、退避位置の巻取軸と巻取位置の新しい巻取軸との間でシートに接触するように移動されることにより、巻取位置の新しい巻取軸から送り出されるシートの搬送方向を規定するように構成されている。板状部材は、巻取軸の切替時に、巻取位置の新しい巻取軸の近傍に移動され、シートを挟んでガイドローラと対向するように配置される。切断巻付装置は、巻取軸の切替時に巻取位置の新しい巻取軸にシートを下方から押さえ付ける押さえローラを有しており、その押さえローラによりシートが押さえ付けられた状態で、巻取位置の新しい巻取軸と板状部材との間にシートの下面側から刃を進入させることにより、板状部材によって上面側が支持されるシートを切断するとともに、その切断されたシートを巻取位置の新しい巻取軸に巻き付けるように構成されている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】削除
【補正の内容】