特開2017-115287(P2017-115287A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-115287(P2017-115287A)
(43)【公開日】2017年6月29日
(54)【発明の名称】睾丸保護パンツ
(51)【国際特許分類】
   A41B 9/02 20060101AFI20170602BHJP
【FI】
   A41B9/02 H
   A41B9/02 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】書面
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2015-257880(P2015-257880)
(22)【出願日】2015年12月25日
(71)【出願人】
【識別番号】598095042
【氏名又は名称】株式会社森林研究所
(72)【発明者】
【氏名】曽我部 俊教
【テーマコード(参考)】
3B128
【Fターム(参考)】
3B128EA01
3B128EB12
3B128EB13
3B128EB14
3B128EB15
3B128EB18
3B128EB23
3B128EB31
3B128EC02
3B128EC11
3B128EC12
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本発明は、睾丸が股に挟さまれるのを解消するために実施されたものである。男性体の構造上、従来技術のパンツでは椅子に座った時や正座をした時に、睾丸や陰茎が太腿に挟まれて、圧迫されることがある。特に高齢化すると睾丸が垂れてはさまれやすくなるため、これを解消しようとするものである。
【解決手段】硬質の合成樹脂を、U字型、V字型または又はこれらを組み合わせた形にした睾丸保護体を得、これを数倍幅の布袋に封入し、横端に固定し、その両端に長さ調節器具を取り付けたゴム紐を接続した睾丸保護具を睾丸下に配して履くものである。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
睾丸を股に挟まない商品であり、図1図2で示すように、変形しても復元する性質を有する硬質合成樹脂をU字又はV字形又はそれらを組み合わせた形にしたことが特徴の睾丸保護体を得、これを幅が数倍の布袋に納め、横端に固定し、長さ調節器具が付いたゴム紐を両端に接続した構造が特徴の図3図4で示すような睾丸保護具である。
睾丸保護体の幅は5〜30mm望ましくは10〜20mm、成型前の長さは80〜220mm望ましくは120〜180mm、厚さは0.7〜5mm望ましくは1.0〜2.4mmである。布袋の幅は30〜80mm望ましくは40〜70mm、長さは100〜220mm望ましくは140〜200mm。
【請求項2】
図5で示すように、パンツの左右2箇所を支点として、ゴム紐でパンツと睾丸保護具を一体化した構造が特徴の睾丸保護パンツである。支点となる位置は、パンツを履いた時ゴム下1〜100mmの間で太腿付け根が交わるパンツ裏面の左右2個所である。
パンツに睾丸保護具を取り付ける方法は、支点に直接ゴム紐を接続して睾丸保護具を取り付ける方法や、パンツにゴム紐通しを設けてゴム紐を通す方法や腰回りにゴム紐を縫製する方法があるが、いずれの方法でもよい。また、ゴム紐先端にフックを設けて取り付けてもよい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【001】
本発明は、睾丸が股に挟まれない商品とパンツに関するものである。
【背景技術】
【002】
従来技術では、パンツを履かなければ睾丸を持ち上げる機能を得ることができないため、パンツが下がるとその機能が果たせない。しかしパンツの構造上履いていれば必ず下がる。このように、どのような姿勢でも確実に睾丸を持ち上げ、股に挟まれない商品はない。
【先行技術文献】
【特許文献1】特開2006−322120
【003】
睾丸の移動を抑制し、吸湿性向上を目的とした、トランクスタイプのパンツの内部に、睾丸や陰茎を下部側から吊り上げるように覆うためのサポート帯が設けられていることを特徴とする男性用パンツが開示されている。
【特許文献2】特開2012−132136
【004】
睾丸を受け止めて少し引き上げ常に股のすぐ上の位置に保つ、ハンモック形状の睾丸吊りを取り付けた男性用パンツが開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【005】
パンツのゴムは腹部を巻くように取り付けられているため、睾丸や陰茎を有する男性が履くと構造上下がる。従来技術のパンツでは、ゴムの取り付け位置に革新性がないため下にズレて、椅子に座った時や正座をした時に、睾丸や陰茎が太腿に挟まれて、圧迫されることがある。そして、睾丸が圧迫されることで、大変重苦しくなる時がある。特に高齢化すると睾丸が垂れてはさまれやすくなり、車を運転する時など、睾丸の位置を変えないと、気分が悪くなる時がある。
【課題を解決するための手段】
【006】
睾丸が圧迫されたり、股に密着して心地が悪い時に、手で睾丸を少し上に引き上げると、睾丸や陰茎が心地よくなるが、股部分は人目が気になる所なので常に手を差し込んで睾丸を引き上げることはできない。そこで、機械的にこの仕組みをつくれば、睾丸が太腿の外に位置し挟まれないと考えた。
【007】
人間は刻々と姿勢が変化する。睾丸が股に挟まれないようにするには、常に睾丸を持ち上げる仕組みが簡単であるが、手以外で持ち上げると、睾丸を圧迫して幾分の違和感と伴に、不快感を強く感じる。発明者はフェルト、スポンジ、布など様々な柔軟素材を用い、形は三角形、球形、四角形などの袋状やハンモック状、平状にして使用感を較べた。しかし、睾丸を一時的に持ち上げることはできるが、本発明の目的である、継続した快適な使用感を得ることができなかった。多くの試作品での使用結果から、布で睾丸を持ち上げようとすると、様々に変化する姿勢によって布位置がずれて安定しない結論に至った。そして、布では加わる力によって容易に変形して、定型を得ることが困難であるため、布の使用に捕らわれると、睾丸が股に挟まれない商品の制作はできないと考えた。
【008】
数多くの試作品から、快適な使用感を得るためには常に睾丸根元に留まり、睾丸全体を均等な力で持ち上げる必要があることが判明した。そして、(1)睾丸根元に留まる形と材料。(2)引っ張る位置。(3)適切な張力。(4)睾丸全体を圧迫なく持ち上げる仕組みの4項目の課題を解決することが必要であると考えた。
【009】
そこで、発明者は従来の下着の概念から外れているが、睾丸根元に順応して定着する形を得るために、硬質の材料を使用した。図1で示すよう、通常の使用では変形し難く、変形しても復元する性質を有する厚さ1.7mm、幅15mm、全長170mmの合成樹脂をU字又はV字型または又はこれらを組み合わせた形にして睾丸保護体を得、これを睾丸根元に配置して、両端にゴム紐を取り付けて履くと、ゴム紐は太腿の付け根に沿うように配され、様々な姿勢でも睾丸根元に定着し、違和感も少ないことが判明した。この時使用したゴム紐は4mm幅の丸ゴムである。
【010】
更に厚さが0.8mmと5mmを加えて試したところ、0.8mm厚では姿勢によって柔軟に変形復元して違和感がなく快適であるが、股の圧迫によって変形する場合がある。0.8、5mm厚共に睾丸根元に定着して持ち上げようとする機能は果たすが、5mm厚は変形しにくいため使用始めや椅子に座った時に少し違和感がある。このように、厚さは多くの機能に直接関わらないが1.7±0.7mmが使い心地に優れている。この時のゴム紐は太腿の付け根に沿うように配された4mm径の丸ゴムである。
【011】
硬質の合成樹脂中で最適な材質を探るため、PE樹脂、PV樹脂、PP樹脂などを使用したが、違いは認められなかった。よって、復元力があり通常の使用で変形しなければ、材質は特定しなくても良い。断面の形には長方形、三角形、楕円形があるが、いずれを用いても機能に大きくは関わらないので特定しなくても良い。またV字型とU字型の使用感は概ね同じであり、大きな違いは認められなかったので、厳密に形を特定しなければならないわけではない。
【012】
ここに(1)睾丸根元に留まる形と材料(2)引っ張る位置は前記のように解決した。また、(3)適切な張力は例えばコードストッパーのような長さ調節器具を使用すれば容易に得れるので、課題4項目中3項目は解決できた。
【013】
睾丸保護体に一定以上の曲げ強度を有する布、例えば縦15mm、横160mmの睾丸保護体を縦60mm、横180mmのフェルト製の布袋に封入して横端に固定した場合、睾丸保護体部分約15mmが股と睾丸の間に定着し、布部分の約45mmが睾丸を抱くようにして持ち上げる力が生まれることを発見し、併せて布袋に睾丸保護体を固定することで、さらに持ち上げる力が増加することも発見した。持ち上げる力は睾丸保護体から離れるに従って次第に減少して、睾丸への圧迫感がなくなる。また、ゴム紐の取り付け方法や取り付け位置によっても、持ち上げる力が変化することも発見した。
【014】
そこで、図3で示すように、この睾丸保護体を全長180mm、幅が70mmの布袋に封入し、横端に固定して、両端に長さが調節できる器具付きのゴム紐、例えばコードストッパー付きゴム紐を接続した構造が特徴の睾丸保護具を得た。ゴム紐の接続場所は睾丸保護体近傍が望ましく、図4で示すように一個所に取り付けてもよい。長さはパンツの種類や体形によって相違するので、適度な張力を保つための長さ調節器具を取り付けるが、その場所や種類は問わない。ゴム紐は平ゴム、丸ゴムのいずれでもよいが、睾丸や腰回りに負担が少ない、張力の弱いゴム紐が望ましく、例えば丸ゴムの場合は3〜6mmが適当である。布袋に使用する布はフェルトや樹脂塗装布のように厚みと曲げ強度があるものが望ましいが、睾丸を支える形を保つ強度があればどのような材質でもよく、肌への刺激を抑制するために角を取って曲線にしてもよい。また、布袋に滑りにくく吸水性に優れた布や発砲ゴムを被せてもよい。
【015】
睾丸保護具を履くと、概ね太腿の付け根に沿うようにゴム紐が配されて、その方向から睾丸を持ち上げようとする力が架かり、横上からの張力と睾丸から受ける力との相互作用で睾丸保護具が睾丸根元に定着する。そして睾丸保護体の形と、これを封入して固定した数倍の幅からなる布袋の構造によって、睾丸保護体がない布部分に均等に睾丸を持ち上げる力が生まれ、折れ曲がらずに睾丸を心地よく持ち上げる。
【016】
ここに、(1)睾丸根元に留まる形と材料。(2)引っ張る位置。(3)適切な張力。(4)睾丸全体を圧迫なく持ち上げる仕組みの4項目の課題の全てが解決して、本発明の目的が達成できた。
【017】
この睾丸保護具をパンツに一体化するために、発明者は、パンツの左右2箇所を支点として、ゴム紐でパンツと睾丸保護具を接続した構造を特徴とした睾丸保護パンツを得た。支点となる位置は、パンツを履いた時にゴム紐が太腿の付け根に沿って配される位置であり、睾丸保護具を単独で履いた時と同じが望ましい。この場所はゴム部下1〜50mmの間と、太腿の付け根に沿った位置が交わるパンツ裏面の左右2個所である。この位置が姿勢の変化に最適に順応する場所で、ここが睾丸保護具を引き上げる支点となる。
【018】
パンツにゴム紐を取り付ける方法は、支点にゴム紐通しを設けて、これにゴム紐を通して一体化する方法、ゴム紐を直接支点に接続する方法、腰後ろから支点までゴム紐を縫製する方法などが考えられ、これらを実施したが、睾丸保護具を単独で使用するのと同様に快適な使用感を得ることができた。
【019】
睾丸保護具が接続したパンツを履き、睾丸保護具を睾丸下に配すると、いずれの方法でも全ての課題は解決できた。
【発明の効果】
【020】
男性は睾丸や陰茎が太腿に挟まれやすい構造になっている。特に高齢化すると睾丸が垂れてきて、椅子に座る場合に挟まれやすくなる。挟まれると睾丸が圧迫されて気分が悪くなる場合がある。本発明品を着用すれば、立っている時は、睾丸を少し持ち上げて股との仕切りとして働き、睾丸の根元部が引き上げられるような力が働いて、睾丸と太ももの間が仕切られると同時に隙間ができ、通気性がよく、汗をかいても布が吸収する。このように立っている時は、睾丸が少し上に移動して、太腿との間が仕切られて隙間ができて蒸れを防止して心地がよく、座った時は睾丸が股の上に移動して太腿に挟まれないように働く。汗をかいても布に吸収されて蒸れない。更に睾丸と伴に尿管も持ち上げられるため、失禁も減少する。そして太腿間に隙間ができるため、悪臭や雑菌の発生を防ぐことができ、男性性器の温度調節もできて、高温化による男性ホルモンの分泌を阻害しない。
【発明を実施するための形態】
【021】
以下、本発明の実施の形態を図1図6に基づいて説明する。
【022】
図1は断面が長方形で1.2×16mm、長さ160mmの硬質PP樹脂を角度90度の変形V字型に成形した睾丸保護体であり、図2は断面が三角形で底辺16mm、高さ5mm、長さ=150mmの硬質PV樹脂を内径が60mmの変形U字型に成形した睾丸保護体である。
【023】
(1)幅120mm、長さ170mmのフェルト布を2つ折りして幅60mmの長方形の重ね布を得、横と縦の一方を縫製して袋状にする。
(2)上記(1)に図1で示す変形V字型に成形した睾丸保護体を入れ、動かないよう睾丸保護体固定紐で横端に固定する。
(3)両横端にコードストッパーが付いたゴム紐を接続して、図3で示す睾丸保護具を得る。この時のゴム紐接続点は睾丸保護体の近傍である。
(4)図6は、これを使用している状態の概略姿図である。
【024】
図4は睾丸保護体近傍の左右1か所にゴム紐接続点を有す、図2を封入した睾丸保護具である。
【025】
(1)図5で示すように、パンツゴム下1〜20mm位置で、パンツ裏の真横より少し前側に太腿の付け根位置を見つけて左右の支点とし、ゴム紐通しを取り付ける。
(2)支点外の後ろ部分に複数個のゴム紐通しを設ける。
(3)ゴム紐通しに睾丸保護具のゴム紐を通して、睾丸保護パンツを得る。
【026】
(1)図7は商品とし、綺麗さと肌への刺激を抑制するために角を取った睾丸保護具である。
【図面の簡単な説明】
【027】
図1】は断面が長方形で変形V字形に成形した睾丸保護体の概略姿図である。
図2】は断面が三角形でU字形に成形した睾丸保護体の概略姿図である。
図3】は左右それぞれ2か所にゴム紐の接続箇所を有する、睾丸保護具の概略姿図である。
図4】は左右それぞれ1か所にゴム紐の接続箇所を有する、睾丸保護具の概略姿図である。
図5】は、睾丸保護パンツを履いている概略姿図である。
図6】は、睾丸保護具を履いている概略姿図である。
図7】は角を取って実用的な形にした睾丸保護具の概略姿図である。
【符号の説明】
【028】
睾丸保護体はU字又はV字型又はそれらを組み合わせた形に合成樹脂を成形したものである。
【029】
睾丸保護体固定紐は睾丸保護体を布袋に固定するものである。
【030】
布袋は睾丸保護体を封入しゴム紐を取り付ける本発明の主要な機能を果たすものである。
【031】
ゴム紐は睾丸保護具を引っ張るためのものである。
【032】
コードストッパーはゴム紐の長さを調節するものである。
【033】
ゴム紐通しはゴム紐を通すものであり、図5で示すゴム紐通しは支点となる位置である。
【034】
パンツは全ての男性パンツである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7