【解決手段】 標識柱1は、軟質樹脂の本体ポール部10とカセットリング部20と、硬質樹脂のベース部30とを備える。線状突起部11を有する本体ポール部10が、カセットリング部20の上面の第1の溝部21に固定され、本体ポール部10が固定されたカセットリング部20が、ベース部30の上面の第2の溝部31に差し込まれる。ベース部30の側面の挿通孔33とベース部30に差し込まれたカセットリング部20の側面の挿通孔23とに固定用部材50を疎通させることで、本体ポール部10とベース部30とを接合させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来から、軟質樹脂のポール部とベース部が硬質樹脂で形成された標識柱は、ポール部が弾性変形可能な軟質樹脂で形成されるため、硬質樹脂のベース部との接合部分の強度が十分ではない。
【0007】
従来の一体型の標識柱は、ポール部とベース部とを接着等で固定しているため、分離型に比べて接合部の強度があるが、ポール部が破損、摩耗等した場合に、標識柱全体を交換する必要がある。そのため、一体型の標識柱は、部品(ポール部)の交換に比べて交換品(標識柱)の材料費が高くなる。さらに、通常では標識柱が路面等に固定されて設置されているため、破損品の撤去作業と交換品の再設置作業とが必要となり、新設時よりも作業費が高くなる。したがって、一体型の標識柱は、標識柱の維持コストが大きい。
【0008】
一方、従来の分離型の標識柱は、ポール部をベース部から取り外して分離できるため、ポール部が破損、摩耗等した場合にポール部のみを交換することができる。しかし、ポール部とベース部の接合部分は、ピン、ネジ等による螺止または凹凸構造による嵌合であり、一体型の標識柱に比べて接合部分の強度が劣る。例えばポール部とベース部とがピンで固定された標識柱では、ピン穴が裂けて接合部分が破損しやすい。
【0009】
従来、軟質樹脂のポール部と硬質樹脂のベース部の接合部分の強度を維持することと、維持コストを考慮してポール部とベース部とを着脱可能にすることの両立を図ることを想定したものは存在しなかった。
【0010】
そこで、本発明の目的は、標識柱の維持コストを低減するために、従来の一体型の標識柱の接合部分の強度と同程度もしくは以上の強度を保持しつつ、ポール部とベース部とが着脱可能に構成される標識柱を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る標識柱は、本体ポール部とカセットリング部とベース部とを備える。前記本体ポール部は、軟質樹脂を用いて円筒形に形成され、円筒形の外周面に長手方向すなわち垂直方向に線状突起部を有する。
【0012】
前記カセットリング部は、硬質樹脂を用いて環状形に形成され、環状形の複数の部分の厚みが他の部分より肉厚である。カセットリング部は、環状形の上面に、本体ポール部の水平断面形状に対応した形状の窪みに形成された第1の溝部を有し、環状形の他の部分より肉厚な複数の部分に、第1の溝部を貫通して固定用部材を挿通させるリング側挿通孔を有する。
【0013】
前記ベース部は、硬質樹脂を用いて設置面が反対側の上面より広い台形に形成されている。ベース部は、台形の上面に、カセットリング部の下部の形状に対応した形状の窪みに形成された第2の溝部と、第2の溝部の内周側の上面に、補強ポール部の水平断面形状に対応した形状の窪みに形成された第3の溝部とを有し、台形の側面から設置面方向に向けて第3の溝部を貫通して固定用部材を挿通させる管状に形成されたベース側挿通孔を有する。さらに、本発明に係る標識柱は、第1の溝部に本体ポール部の下端が固定されたカセットリング部の下部が第2の溝部に挿入され、本体ポール部が固定されたカセットリング部のリング側挿通孔とベース部のベース側挿通孔とに固定用部材を挿通させることにより、ベース部にカセットリング部と本体ポール部とを接合させるように構成されている。
【発明の効果】
【0014】
従来の軟質樹脂のポール部と硬質樹脂のベース部でなる標識柱において、ポール部とベース部の接合部分の強度不足は、ポール部の軟質樹脂の引っ張り方向と捩れ方向に対する強度不足が原因であると考察した。
【0015】
本発明に係る標識柱は、本体ポール部の下端が第1の溝部に固定されたカセットリング部がベース部の上部に挿入され、軟質樹脂で形成された本体ポール部の下端が硬質樹脂で形成されたカセットリング部に覆われるように構成する。
【0016】
これにより、本発明に係る標識柱では、本体ポール部がベース部に固定される際に本体ポール部の軟質樹脂に固定用部材の挿通穴が生じるが、この挿通穴にかかる引っ張り捩れを硬質樹脂のカセットリング部が補強するため、本体ポール部の引っ張り強度と捩れ強度とをより強くすることができる。
【0017】
さらに、本体ポール部の水平断面形状が複数の突起を有する形状であって、本体ポール部とカセットリング部との接合部分に段差が生じるため、接合部分の横方向への引っ張り強度と捩れ強度を、より強くすることができる。
【0018】
同様に、カセットリング部が肉厚の部分を有する形状であって、カセットリング部とベース部との接合部分にも段差が生じるため、接合部分の横方向への引っ張り強度と捩れ強度を、より強くすることができる。
【0019】
さらに、本体ポール部とベース部とが、カセットリング部とベース部とを貫通するように設けられた2つの挿通孔に固定用部材を挿通させて接合され、固定用部材の取り外しによって接合が解除される。そのため、本体ポール部のみを交換することができ、交換作業にかかる材料費を安く抑えることができる。さらに、標識柱全体の再設置に比べて本体ポール部の交換作業がより簡単であり、作業負担を軽減することができる。
【0020】
以上のように、本発明に係る標識柱によれば、本体ポール部とカセットリング部との接合部分の引っ張り強度や捩れ強度を、従来の一体型の標識柱と同程度に保持することができる。
【0021】
また、本発明に係る標識柱によれば、本体ポール部の内側に補強ポール部を設けることが可能であるため、本体ポール部の復元強度を高めて破損を軽減、抑止することが期待できる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一態様として開示する標識柱について説明する。
【0024】
図1は、本発明の一実施例における標識柱の斜視図である。
【0025】
標識柱1は、本体ポール部10とカセットリング部20とベース部30と固定用部材50とで構成される。標識柱1は、キャップ部40を備える構成であってもよい。
【0026】
本体ポール部10は、標識柱1の存在を効率的に視認させるための柱状の部材である。カセットリング部20は、
図1に図示されてないが、本体ポール部10とベース部30とを着脱可能に接合させるための部材である。ベース部30は、標識柱1を路面等に接地させ、カセットリング部20を介して本体ポール部10を直立させるための部材である。キャップ部40は、本体ポール部10の内側を保護するための部材である。固定用部材50は、本体ポール部10が固定されたカセットリング部20をベース部30に接合させ、接合を解除させるための部材である。
【0027】
標識柱1の材料として、本体ポール部10、キャップ部40は、例えばウレタンエラストマー樹脂等の復元性のある硬度の低いものが採用される。これにより、標識柱1の本体ポール部10は、車両等が接触したり踏み付けたりした場合に柔軟に屈曲変形し、加重がなくなると復元することができる。
【0028】
カセットリング部20、ベース部30は、例えばウレタン系エラストマー樹脂等であって、本体ポール部10、キャップ部40に採用される樹脂よりも硬度が高いものであればよい。これにより、本体ポール部10の強度を高め、設置時に標識柱1を安定して直立させることができる。
【0029】
図2は、本実施例における標識柱のより詳細な構成例を説明するための図である。
【0030】
本体ポール部10は、中空の円筒状に形成されている。本体ポール部10は、円筒形の外周面に、長手方向すなわち設置時の垂直方向の線状突起部11を複数有する。
【0031】
カセットリング部20は、環状(リング状)に形成されている。カセットリング部20は、リングの厚みが他の部分より肉厚となる肉厚部22が複数設けられている。さらに、上部側に本体ポール部10の下端が差し込まれる第1の溝部21と、肉厚部22の側面に固定用部材50を挿通させる挿通孔23とが備えられている。
【0032】
ベース部30は、路面等に設置される接地面側が反対側である上面より十分に広い台形に形成され、上部の中央が、カセットリング部20を装着するために円盤状もしくは低円柱状に形成されている。さらに、上部側に、カセットリング部20の下部が差し込まれる第2の溝部31と、本体ポール部10の内側に設けられる任意の部材である補強ポール部60の下端が差し込まれる第3の溝部32と、側面に固定用部材50を挿通させる挿通孔33とが備えられている。
【0033】
キャップ部40は、本体ポール部10の上端の形状に対応させた開口部を有し、本体ポール部10に差し込まれるように形成されている。
【0034】
以下、標識柱1を構成する各部をより詳細に説明する。
【0035】
図3は、本実施例における本体ポール部の断面図である。
【0036】
本体ポール部10は、外周面に複数の線状突起部11を有する。
図3は、
図2に示す一点鎖線A−A’における水平方向断面の本体ポール部10の形状を示している。
【0037】
本実施例では、本体ポール部10の外周面に、8つの線状突起部11が等間隔に設けられている。各線状突起部11は、例えば、2〜6ミリメートル[mm]の高さの突起であるが、本体ポール部10の直径に応じて任意の高さの突起であってもよい。
【0038】
図4は、本実施例におけるカセットリング部の構造例を示す図である。
【0039】
図4(A)は、カセットリング部20の上面図、
図4(B)は、カセットリング部20の側面図、
図4(C)は、
図4(A)に示す一点鎖線B−B’における垂直方向の切断端面図である。
【0040】
図4(A)に示すように、第1の溝部21は、カセットリング部20の内周もしくは外周に沿ったリング状の溝であり本体ポール部10の水平方向の断面形状に対応させて、線状突起部11各々に対する窪みが外周側に設けられている。この形状により、本体ポール部10と第1の溝部21の接合面に段差が生じ、横方向への引っ張りや捩れに対する強度が増加する。
【0041】
さらに、カセットリング部20には、肉厚部22が複数形成されている。本実施例では、4方向に設けられている。肉厚部22により、カセットリング部20自体の厚みに厚薄が生じ、ベース部30の第2の溝部31との接合面に段差が生じて、横方向への引っ張りや捩れに対する強度が増加する。
【0042】
さらに、
図4(B)に示すように、挿通孔23が、肉厚部22のほぼ中央部に設けられ、
図4(C)に示すように、挿通孔23は、肉厚部22の外周側の側面から内周側の下部方向へ向かう角度がつけられた孔として形成される。
【0043】
挿通孔23は、1以上の肉厚部22に設けられればよい。しかし、カセットリング部20とベース部30との接合部分の強度維持のために、相対する1組の肉厚部22にそれぞれ設けられることが好ましく、カセットリング部20に設けられた肉厚部22全てに挿通孔23が設けられることがより好ましい。本実施例では、
図4(A)に示すように、4つの肉厚部22に4つの挿通孔23が設けられている。
【0044】
図5は、本実施例におけるベース部の構造例を示す図である。
【0045】
図5(A)は、ベース部30の上面図、
図5(B)は、
図5(A)に示す一点鎖線C−C’における垂直方向の切断端面図である。
【0046】
図5(A)、(B)に示すように、ベース部30は、接地面である下面から上部に向かってなだらかな勾配がつけられた台形に形成される。ベース部30は、本体ポール部10を直立させて安定的に設置できる程度の接地面を有していればよく、その外周形状は、円形、矩形等であってよい。
【0047】
第2の溝部31は、カセットリング部20の水平断面の形状に対応するリング状の窪み(溝)に形成されている。すなわち、カセットリング部20の4カ所の肉厚部22に対応して4カ所の溝幅が広く形成されている。この形状により、カセットリング部20と第2の溝部31の接合面に段差が生じ、横方向への引っ張りや捩れに対する強度が増加する。
【0048】
第3の溝部32は、第2の溝部31の内側に、補強ポール部60の水平方向断面の形状に対応する形状のリング状の窪み(溝)に形成されている。
【0049】
挿通孔33は、カセットリング部20の挿通孔23と同数設けられ、各挿通孔33が、挿通孔23の角度と対応させた角度がついた孔として形成される。すなわち、ベース部30の第2の溝部31にカセットリング部20が挿入された場合に、挿通孔33と挿通孔23とが貫通孔となって固定用部材50を挿通可能とするように形成されている。
【0050】
さらに、ベース部30は、挿通孔23、33に挿入された固定用部材50の挿通抑止部分(例えばボルトやネジの頭部分)が、ベース部30の外形の勾配から突出しないように、挿通孔33が設けられた各箇所に溝が設けられていることが好ましい。本実施例では、ベース部30の4つの挿通孔33の各位置に、中心から外側への溝が設けられている。
【0051】
なお、ベース部30は、図示しないが、標識柱1を設置した路面等に固定させるための設置孔を備えていてもよい。
【0052】
図6は、本実施例における補強ポール部の例を示す図である。
【0053】
補強ポール部60は、本体ポール部10より高さ(長さ)と半径とが短い中空の円筒形に形成されている。補強ポール部60は、ベース部30の第3の溝部32に差し込まれ固定される。補強ポール部60は、本体ポール部10の内側に設けられることにより、本体ポール部10の復元性を高めることができる。
【0054】
標識柱1は、カセットリング部20とベース部30とが着脱可能な構造であり、いったん標識柱1を設置した後でも、カセットリング部20を取り外して補強ポール部60を追加することができる。したがって、設置環境の変化により耐久性が高い標識柱1が必要となった場合に、補強ポール部60の追加により適切な耐久性の標識柱1を設置することができる。
【0055】
固定用部材50は、一般的なネジ、ピン、ボルト等で実施できるために図示しない。本実施例では、セルフタップネジを採用する。カセットリング部20をベース部30に固定する際に、固定用部材50をカセットリング部20に固定された本体ポール部10にタップ穴を形成して螺進させ、挿通孔33と挿通孔23とを挿通させる。
【0056】
図7は、本実施例における本体ポール部とカセットリング部と接合例を示す図である。
【0057】
図7(A)は、本体ポール部10をカセットリング部20に接合させた状態の斜視図であり、
図7(B)は、
図7(A)に示す状態における本体ポール部10中心での垂直方向の切断端面図である。
【0058】
本体ポール部10は、下端がカセットリング部20の第1の溝部21に差し込まれて接着される。本体ポール部10が挿通孔23を備えるカセットリング部20と一体化されることにより、軟質樹脂の本体ポール部10の引っ張り強度や捩れ強度が補強され、かつベース部30への着脱が可能な構造となる。
【0059】
なお、本実施例では、本体ポール部10の上端にキャップ部40が差し込まれる構成となる。キャップ部40により、本体ポール部10の上部が覆われ、標識柱1内部への雨水の浸入を防ぎ、標識柱1の劣化を防止することができる。
【0060】
図8は、本実施例における補強ポール部が追加される場合の構成例を示す図である。
【0061】
図8(A)は、補強ポール部60をベース部30に取り付けた状態の斜視図であり、
図8(B)は、
図8(A)に示す状態におけるベース部30の中心での垂直方向の切断端面図である。
【0062】
補強ポール部60は、その下端がベース部30の第3の溝部32に差し込まれて固定される。補強ポール部60は、本体ポール部10より径が小さい円筒形であり、本体ポール部10と干渉することなく、ベース部30の上部で直立する。
【0063】
図9は、本実施例における標識柱の各部材の関係を示す図である。
図9は、
図1に示す標識柱1のおける中心での垂直方向の切断端面図である。
【0064】
本実施例において、標識柱1は、本体ポール部10が固定されたカセットリング部20がベース部30の上部に、補強ポール部60が本体ポール部10の内側の位置でベース部30の上部に、キャップ部40が本体ポール部10の上部に、それぞれ差し込まれて固定される。
図9に示す状態に組み立てられた標識柱1が、ベース部30の下面が接地面となって所定の場所に設置される。
【0065】
以下、本実施例における標識柱1の組み立て作業を説明する。
【0066】
標識柱1を新規設置する場合には、以下の作業を行う。
【0067】
まず、補強ポール部60をベース部30の第3の溝部32へ挿入し接着する。本体ポール部10をカセットリング部20の第1の溝部21へ挿入し接着する。次に、本体ポール部10が接着されたカセットリング部20を補強ポール部60の上部から被せてベース部30の第2の溝部31へ挿入し、固定用部材50を挿通孔33、23に挿通させて固定する。
【0068】
既に設置された標識柱1の本体ポール部10を交換する場合には、以下の作業を行う。
【0069】
まず、設置された標識柱1の挿通孔23、33から固定用部材50を引き抜き、本体ポール部10をベース部30から取り外す。交換用の本体ポール部10を交換用のカセットリング部20の第1の溝部21へ挿入して接着する。次に、交換用のカセットリング部20をベース部30の第2の溝部31へ挿入し、固定用部材50を挿通孔33、23に挿通させて固定する。
【0070】
また、既に設置された標識柱1に補強ポール部60を追加する場合には、以下の作業を行う。
【0071】
本体ポール部10をベース部30から取り外すまでの工程は、本体ポール部10の交換と同様である。次に、本体ポール部10が取り外された状態のベース部30の第3の溝部32へ補強ポール部60を挿入し接着する。取り外しておいた本体ポール部10付きのカセットリング部20をベース部30の第2の溝部31に挿入し、固定用部材50を挿通孔33、23に挿通させて固定する。
【0072】
以上説明した実施例では、第3の溝部32の深さが第2の溝部31に比べて浅く形成され、固定用部材50が、カセットリング部20に固定された本体ポール部10のみを固定するように構成されている。
【0073】
別の実施例として、標識柱1は、第3の溝部32が第2の溝部31と同程度の深さ、かつ挿通孔33が第3の溝部32を貫通するように形成されていてもよい。その場合には、カセットリング部20をベース部30に固定する際に、固定用部材50が、カセットリング部20に固定された本体ポール部10と第3の溝部32に固定された補強ポール部60とにタップ穴を形成しつつ螺進し、挿通孔33、23に挿通する。
【0074】
図10は、本実施例における、本体ポール部の表面に反射シートを貼り付けた場合の標識柱の外観例を示す図である。
【0075】
標識柱1の本体ポール部10は、外表面の1または複数の箇所に反射部12を設けることにより、標識柱1の視認性を高めることができる。
図10に示す標識柱1は、本体ポール部10の表面に3カ所の反射部12が設けられている。反射部12は、既存のシート状に形成された反射素材を貼付けて実施している。
【0076】
以下に、本発明に係る標識柱1の効果を列挙する。
【0077】
本発明に係る標識柱1によれば、本体ポール部10とカセットリング部20との接合部分が接着により固定されている。そのため、横方向の引っ張り強度、捩れに対する強度が、従来の一体型と同程度に強い。
【0078】
さらに、本体ポール部10とカセットリング部20との接合部分は、本体ポール部10の線状突起部11とカセットリング部20の第1の溝部21の窪みの形状により表面に傾斜が生じるため、さらに強い強度を得ることができる。
【0079】
本発明に係る標識柱1によれば、本体ポール部10が接合されたカセットリング部20が、第2の溝部31に挿入され、挿通孔33と挿通孔23とに1つの固定用部材50が挿通されてベース部30に固定される。そのため、固定用部材50の取り付け/取り外しにより、本体ポール部10とベース部30とを固定/分離させることができる。
【0080】
よって、破損や摩耗しやすい本体ポール部10のみの交換が可能となり、維持コストを削減することができる。さらに、本体ポール部10の交換作業が従来作業に比べて容易であり、交換にかかる作業負担を軽減することができる。
【0081】
本発明に係る標識柱1によれば、ベース部30に補強ポール部60を固定する第3の溝部32が設けられている。そのため、補強ポール部60により本体ポール部10の復元強度が高められ、本体ポール部10の破損を抑止することができる。
【0082】
さらに、設置環境に応じて、本体ポール部10のみの標識柱1もしくは本体ポール部10と補強ポール部60を設けた標識柱1の実施が可能である。そのため、耐久性の異なる複数の標識柱1を在庫する必要がなく、維持コストを抑止することができる。
【0083】
さらに、設置後の標識柱1に補強ポール部60を追加することができる。そのため、設置後の環境変化に対応する作業コストを抑止することができる。
【0084】
以上のように、本発明に係る標識柱1は、従来の一体型の標識柱と同等かそれ以上の引っ張り強度、捩れ強度を保持しつつ、破損や摩耗が生じやすい本体ポール部10のみの交換や本体ポール部の補強部材(補強ポール部60)の追加が可能な構成を実現し、標識柱1の維持コストを低下させるという顕著な効果を奏するものである。