【解決手段】床部2と、床部2の両側面に設けられた手摺り部3,3とを備え、橋梁11の横桁14間に架設される検査路1において、添架物6を支持する添架物支持部5が、床部2に設けられているので、検査路1を設置する際に添架物6を設置でき、添架物6の設置作業にかかる負担を軽減できると共に、作業者が検査路1を歩きながら添架物6を補修・点検することができ、添架物6の補修・点検作業にかかる負担を軽減できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の検査路は、添架物と間隔を空けて配置されていた。そのため、検査路と添架物は、別々の支持部材を用いて橋梁に取り付けられており、設置作業に手間がかかっていた。また、作業者は、添架物を補修・点検する際に、足場を組んだり、高所作業車を使用する必要があり、補修・点検作業が繁雑だった。
【0005】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、添架物の設置作業や補修・点検作業にかかる負担を軽減できる検査路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、次のような構成を有している。
(1)床部と、前記床部の少なくとも一側面に設けられた手摺り部とを備え、橋梁の横桁間に架設される検査路において、添架物を支持する添架物支持部が、床部に設けられていること、を特徴とする。
【0007】
上記構成では、検査路の床部に設けられた添架物支持部に添架物が設置されるので、検査路を設置する際に、添架物も検査路と一体的に設置できる。また、作業者が、添架物を補修・点検する際に、足場や高所作業車を使用する必要がないので、添架物の補修・点検作業を容易に行える。
【0008】
(2)(1)に記載の構成において、前記添架物支持部が、前記横桁より上側に、前記添架物を支持する支持面を設けられていることが好ましい。
【0009】
上記構成では、添架物支持部が、横桁より上側に、添架物を支持する支持面を備えるので、横桁に遮られることなく添架物を橋軸に沿って敷設できる。よって、上記構成によれば、添架物を橋梁に設置しやすい。
【発明の効果】
【0010】
従って、本発明によれば、添架物の設置作業や補修・点検作業にかかる負担を軽減できる検査路を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明に係る検査路の実施形態について図面に基づいて説明する。
図1に、
図2に示す検査路1を備える橋梁11の断面図を示す。
図2に、検査路1の縦断面図を示す。
図3に、添架物支持部5の一部を上方から見た図を示す。
図4に、
図3に示す添架物支持部5のAA断面図を示す。
図5に、
図3に示す添架物支持部5のBB断面図を示す。
図6に、検査路1を横桁14に固定する固定構造を示す。尚、
図4及び
図5は、検査路との関係を説明するために、添架物支持部5を検査路1に取り付けた状態で記載している 。
【0013】
図1に示すように、橋梁11は、床版12が車両等から荷重を受ける。橋梁11は、一対の主桁13が橋軸方向に沿って配置され、床版12を支えている。一対の主桁13の間には、横桁14が架設され、主桁13が床版12から受ける荷重を分散させている。検査路1は、床版12の下方に配置されている。検査路1は、横桁14の間に橋軸方向に沿って架設されている。検査路1は、ガス管や水道管等の添架物6が内設されている。
【0014】
図2に示すように、検査路1は、床部2と、床部2の両側面に設けられた手摺り部3,3とを有する。検査路1は、添架物6を支持する添架物支持部5が床部2に設けられている。
【0015】
図2に示すように、床部2は、床材2Aの幅方向両端部に、断面コの字形の補強材2B,2Bが溶接されている。結合板2Dは、床部2と手摺り部3とを結合するように、補強材2Bの外側面に溶接されている。
図5に示すように、結合板2Dは、床材2Aから上方に突き出すように配置され、その突き出した部分に物止め板2Eがボルトで固定されている。
図6に示すように、補強材2B,2Bは、床材2Aの全長にわたって配置されている。補強材2B,2Bの長手方向両端部には、補強板2Cが溶接されている。
【0016】
図2に示すように、手摺り部3は、支柱3Aが結合板2Dに溶接され、床材2Aに垂設されている。支柱3Aは、床部2の長手方向に所定の間隔を空けて配設されている。これらの支柱3Aには、上端手摺り部材3Bと中間手摺り部材3Cと下端手摺り部材3Dが取付具3E,3F,3Gを介して取り付けられている。
【0017】
図2に示すように、添架物支持部5は、L字形をなし、一端が図中左側に位置する手摺り部3に固定され、他端が床部2に固定される。添架物支持部5は、支柱3Aに対応する位置に配置され、支持面59Aに添架物6を載置される。添架物支持部5は、床部2に立設される柱部材51と、支柱3Aと柱部材51との間に水平に設置される梁部材58と、梁部材58に固定されて、支持面59Aを形成する支持面形成部材59とを備える。
【0018】
図3及び
図4に示すように、柱部材51は、第1面51Aと第2面51Bと直角に設けたL形鋼板である。
図2及び
図4に示すように、床部2には、取付部材52が床材2Aの上面に垂設されている。取付部材52は、台形形状の取付板52Bに、直角三角形状の固定板52Aを垂直に固定したものであり、固定板52Aと取付板52Bが床材2Aに溶接されている。
図4に示すように、柱部材51は、第1面51Aが取付板52Bに当接され、ボルト54とナット(図示せず)で取付部材52に固定される。
【0019】
図4に示すように、梁部材58は、水平板58Aに垂直板58Bを溶接したT字形状をなす。
図2及び
図4に示すように、梁部材58は、垂直板58Bの一端が柱部材51の第2面51Bにボルト55とナット61で固定される。また、
図2及び
図5に示すように、梁部材58は、垂直板58Bの他端が支柱3Aに溶接された取付支持板56に、ボルト57とナット62で固定される。
【0020】
図2及び
図5に示すように、支持面形成部材59は、平板形状をなし、梁部材58の水平板58Aにボルト60とナット63で固定されて支持面59Aを形成している。支持面形成部材59は、両端部に屈曲部59B,59Bが設けられ、床部2を歩行する作業者が添架物支持部5にぶつかった際の衝撃を緩和している。支持面形成部材59は、梁部材58の垂直板58Bの両側に配置され、支持面59Aの面積を広げて添架物6を安定して支持できるようにしている。
【0021】
図6に示すように、検査路1は、横桁14に固定される。横桁14は、上フランジ14Aと下フランジ14Bを腹板14Cで結合したI字形をなす。下フランジ14Bには、連結部材15が吊り下げられるようにして溶接されている。連結部材15は、一対の張り出し部15A,15Aが側方に張り出すように設けられている。検査路1は、床部2の補強材2Bが張り出し部15Aに載置された状態で溶接される。よって、検査路1は、両端部が連結部材15を介して横桁14に支えられた状態で、横桁14の間に架設される。
【0022】
図1に示すように、検査路1は、添架物支持部5の支持面59Aが、横桁14の上フランジ14Aより上側に設けられている。そのため、添架物6は、横桁14と床版12との間に形成される空間に配置されている。
【0023】
次に、検査路1の設置方法を説明する。まず、床部2に手摺り部3を取り付け、検査路1を組み立てる。この組み立て方法は周知であるので、説明を省略する。その後、
図2に示すように、添架物支持部5を床部2に設置する。添架物支持部5の取付支持板56は、手摺り3の支柱3Aに溶接する(
図2、
図4参照)。そして、その支柱3Aの側方に位置する床材2Aに、取付部材52を溶接する。その後、取付部材52に柱部材51をボルト54とナット(図示せず)で固定し(
図4参照)、梁部材58を取付支持板56と柱部材51にボルト55,57とナット61,62で固定する(
図4、
図5参照)。それから、支持面形成部材59を梁部材58に載せ、ボルト60とナット63で固定する(
図3、
図5参照)。その後、組み立てた検査路1をクレーン等でつり上げ、横桁14に固定した連結部材15に補強材2Bを当接させる(
図6参照)。そして、連結部材15と補強材2Bとを溶接し、検査路1を横桁14に固定する。添架物支持部5は、L字形鋼板の柱部材51やT字形鋼板の梁部材58やコの字形の支持面形成部材59を組み立てることで強度を確保しつつ、軽量にされている。そのため、検査路1は、添架物支持部5を内設しても、重量増加が抑制され、設置しやすい。
【0024】
添架物支持部5は、支持面59Aが横桁14の上フランジ14Aより上側に位置している。そのため、添架物6は、床版12と横桁14との間の空間を利用して橋軸方向に設置されるので、作業者は添架物6を設置し易い。また、作業者は、検査路1を設置する際に、検査路1を歩きながら添架物6を添架物支持部5に設置できるので、検査路1の外側に添架物6を設置する場合と比べ、添架物6の設置作業にかかる負担を軽減できる。
【0025】
次に、添架物6の点検方法を説明する。添架物6は、床部2に設置された添架物支持部5に設置されている。そのため、作業者は、足場や高所作業車を使用しなくても、検査路1の床部2を歩きながら、検査路1内の添架物6を補修・点検できる。
【0026】
以上説明したように、本実施形態の検査路1は、床部2と、床部2の両側面に設けられた手摺り部3,3とを備え、橋梁11の横桁14間に架設される検査路1において、添架物6を支持する添架物支持部5が、床部2に設けられているので、検査路1を設置する際に、添架物6も検査路1と一体的に設置できる。また、作業者が、添架物6を補修・点検する際に、足場や高所作業車を使用する必要がないので、添架物6の補修・点検作業を容易に行える。
【0027】
また、本実施形態の検査路1は、添架物支持部5が、横桁14より上側に、添架物6を支持する支持面59Aを設けられているので、横桁14に遮られることなく添架物6を橋軸に沿って敷設できる。よって、上記構成によれば、添架物6を橋梁11に設置しやすい。
【0028】
従って、本実施形態によれば、添架物6の設置作業や補修・点検作業にかかる負担を軽減できる検査路1を提供することができる。
【0029】
尚、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、色々な応用が可能である。
例えば、添架物支持部5を箱形状にしても良い。
例えば、柱部材51と梁部材58と支持面形成部材59とを溶接しても良い。
例えば、検査路1を主桁13に沿って設ける場合には、床部2の主桁13と反対側に位置する側面だけに手摺り部3を設けても良い。添架物支持部5は、上記実施形態と同様にして手摺り部3側に設けても良いし、床部2の手摺り部3と反対側に設けても良い。後者の場合、添架物支持部5は、例えば、床部2の手摺り部3と反対側に位置する側面に取り付け専用の支柱を溶接やボルト接合等により固定し、その取り付け専用の支柱に梁部材58を固定すれば良い。また、梁部材58を取り付けるための専用金具を主桁13に固定しても良い。