特開2017-115438(P2017-115438A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社 林物産発明研究所の特許一覧

特開2017-115438貯留槽の周囲に管材を配設し浸透槽とした貯留浸透兼用槽
<>
  • 特開2017115438-貯留槽の周囲に管材を配設し浸透槽とした貯留浸透兼用槽 図000003
  • 特開2017115438-貯留槽の周囲に管材を配設し浸透槽とした貯留浸透兼用槽 図000004
  • 特開2017115438-貯留槽の周囲に管材を配設し浸透槽とした貯留浸透兼用槽 図000005
  • 特開2017115438-貯留槽の周囲に管材を配設し浸透槽とした貯留浸透兼用槽 図000006
  • 特開2017115438-貯留槽の周囲に管材を配設し浸透槽とした貯留浸透兼用槽 図000007
  • 特開2017115438-貯留槽の周囲に管材を配設し浸透槽とした貯留浸透兼用槽 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-115438(P2017-115438A)
(43)【公開日】2017年6月29日
(54)【発明の名称】貯留槽の周囲に管材を配設し浸透槽とした貯留浸透兼用槽
(51)【国際特許分類】
   E03F 1/00 20060101AFI20170602BHJP
   E03B 3/03 20060101ALN20170602BHJP
   E03B 3/02 20060101ALN20170602BHJP
   E03B 11/14 20060101ALN20170602BHJP
【FI】
   E03F1/00 A
   E03F1/00 Z
   E03B3/03 B
   E03B3/02 Z
   E03B11/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2015-252226(P2015-252226)
(22)【出願日】2015年12月24日
(71)【出願人】
【識別番号】306024805
【氏名又は名称】株式会社 林物産発明研究所
(72)【発明者】
【氏名】林 慎一郎
(72)【発明者】
【氏名】林 和志郎
(72)【発明者】
【氏名】林 宏三郎
(72)【発明者】
【氏名】林 加奈子
【テーマコード(参考)】
2D063
【Fターム(参考)】
2D063AA01
2D063AA11
(57)【要約】
【課題】本発明は、テーブル状部材を使用する貯留浸透兼用槽にあって、貯留空間の外周部に使用すべき壁材の必要のない兼用槽の提案にある。
【解決手段】本発明は、地下に帯水材を複数配列しそれをシートで包んだ貯留浸透兼用槽において、その中心部に平盤部と平盤部に開口する筒部からなるテーブル状部材を複数配列しそれを遮水シートで包んだ貯留槽を設け、貯留槽の外周部に存在するテーブル状部材の開口部を管材を周囲に配設して塞ぎ且つ浸透槽とした貯留浸透兼用である。貯留槽の周囲に管材を配設することで、必要な壁材を不用にした。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地下に帯水材を複数配列しそれをシートで包んだ貯留浸透兼用槽において、その中心部に平盤部と平盤部に開口する筒部からなるテーブル状部材を複数配列しそれを遮水シートで包んだ貯留槽を設け、貯留槽の外周部に存在するテーブル状部材の開口部を周囲に配設した管材で塞ぎ且つ浸透槽とした貯留浸透兼用槽。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯水材を配列しそれをシートで包んだ雨水流出抑制施設に関する。
【背景技術】
【0002】
帯水材として樹脂製のテーブル状部材を複数地下に配列し貯留空間を形成し、その貯留空間の周囲をシート類で覆った雨水等の流出抑制施設が普及している。その中に、雨水利用を図る貯留槽と地下水の涵養などを図る浸透槽を兼用した貯留浸透兼用槽がある。
例えば貯留浸透兼用槽としては特開H09-041470、特開2008-133598があり、前者は槽を上下に分け上部を浸透槽、下部を貯留槽としている。また後者は槽の中心部を貯留槽としその周囲を浸透槽としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開H09-041470
【特許文献2】特開2008-133598
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、テーブル状部材を使用する貯留浸透兼用槽にあって、貯留空間の外周部に使用すべき壁材の必要のない兼用槽の提案にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、地下に帯水材を複数配列しそれをシートで包んだ貯留浸透兼用槽において、その中心部に平盤部と平盤部に開口する筒部からなるテーブル状部材を複数配列しそれを遮水シートで包んだ貯留槽を設け、貯留槽の外周部に存在するテーブル状部材の開口部を管材を周囲に配設して塞ぎ且つ浸透槽とした貯留浸透兼用である。貯留槽の周囲に管材を配設することで、壁材を不用にした。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、貯留槽の周囲に管材を配設したため、テーブル状部材を使用する貯留空間の最外部周囲に必要な壁材が不要となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】は、本発明のテーブル状部材を使用する貯留槽と管材を使用する浸透槽からなる貯留浸透兼用槽の貯留空間を示す概念図である。
図2】は、テーブル状部材からなる従来の貯留浸透兼用槽の貯留空間を示す概念図である。
図3】は、テーブル状部材の一例を示す概念図である。
図4】は、管材の一例を示す概念図である。
図5】は、テーブル状部材の開放部の壁材を管材で置き換える概念図である。
図6】は、本発明の貯留浸透兼用槽を用いる雨水流出抑制施設の概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を図により詳細に説明する。
図1に示す通り、本発明は、中心部を貯留を目的とする貯留槽、その外周部を浸透を目的とする浸透槽とする貯留浸透兼用の雨水等の流出抑制施設である。中心の貯留槽はテーブル状部材を配設して得られた貯留空間を遮水シートで囲い、雨水の貯留が可能となっている。貯留槽の外周部は管材を配設し透水シートで囲い浸透槽を形成している。
図では貯留槽部・浸透槽部全体を透水シートで包んでいる。
【0009】
図2は、上記と同じ構成を有する、従来の雨水流出抑制施設の貯留空間である。
貯留槽、浸透槽何れもテーブル状部材で形成されている。この場合貯留槽、浸透槽部分の最外周には壁材を試用して、貯留槽部分の水圧による遮水シートの膨張、また浸透槽部分にあっては土砂の流入防止・土圧の影響を受けないようにしている。
【0010】
図3aはテーブル状部材の一例を示す図である。図3bはテーブル状部材の使用例を示す。テーブル状部材は図に示すように平盤部と平盤部に開口する筒状の脚部からなる。脚部の形状は円筒状、梅鉢状その他の形状が利用可能である。また脚部の数も任意に決定される。一般に貯蔵運搬の利便性から入れ子状とするため脚部にはテーパが設けられ、底部は開口部に比較して小さくなっている。また図3bに示すように2つのテーブル状部材をその脚部底面を対向させた状態のユニットとして使用されることが多い。
本来テーブル状部材は貯留空間を形成するとその外周部に大きな開放部を生じる。そため図2図5bに示すように遮水シートの水圧による膨張を防止する目的で壁材を使用して開放部を閉鎖している。本発明では、図5に示すようにその壁が管材により代替されている。ここで図5aは壁が管材に置き換わった状態を示し、図5bは従来の壁が用いられた例を示す。
【0011】
管材は、土管・浸透管など断面が円形・楕円形・矩形などの形状を有するものが利用できる。管材は好ましくは図4に示すように表面に穴を開けた環状の物を使用し、貯留された雨水の上下左右への流通が可能なものがよい。また上記開放部をふさぐため長手方向を開放部に平行に並べることが好ましい。
また管材の表面の孔の形状・大きさ・数も任意に設定できる。管材を半割りにし、使用時に管とするようにしても良い。
【0012】
本雨水流出抑制施設においては、浸透槽部に貯留した水が地中に浸透する場合周囲に対する影響を均一にするため、貯留槽は浸透槽の中心部に設けられることが好ましい。
雨水は泥だめ枡を介し貯留槽に導入し、貯留槽からの溢流水を浸透槽部に移すようにしても、また貯留槽、浸透槽同時に導入してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0013】
図6に示すように、雨水の流出抑制施設として利用可能であり、貯留槽の水は散水などの雨水利用、浸透槽は地下水の涵養などに利用することが可能である。
【符号の説明】
【0014】
1 貯留空間
2 貯留槽
3 浸透槽
4 テーブル状部材
5 管材
6 壁材
7 遮水シート
8 透水シート
図1
図2
図3
図4
図5
図6