(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-116637(P2017-116637A)
(43)【公開日】2017年6月29日
(54)【発明の名称】看板
(51)【国際特許分類】
G09F 7/18 20060101AFI20170602BHJP
G09F 15/00 20060101ALI20170602BHJP
【FI】
G09F7/18 Y
G09F15/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-249551(P2015-249551)
(22)【出願日】2015年12月22日
(71)【出願人】
【識別番号】315019539
【氏名又は名称】株式会社ネオテックジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100181250
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 信介
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 修也
(57)【要約】
【課題】分割可能な構成で乗用車の荷台に載せて運搬可能となる看板を提供する。
【解決手段】2枚以上の平板10,20の1つの端面同士を突き合わせて、固定部30で固定することにより、表示面3と裏面5とを有する1つの平面60を形成する。形成された1つの平面60の裏面5において、突き合わされた端面近傍に、端面に平行に設けた補強材40a,41bと、補強材40a,41bの間に挟み込むことによって、2枚の平板10,20を突き合わされた端面同士を密着させる密着用部材50a,50bを備えた看板。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2枚以上の平板と、
前記2枚以上の平板の1つの端面同士を突き合わせて固定することにより、表示面と裏面とを有する1つの平面を形成する固定部と、
を備えたことを特徴とする看板。
【請求項2】
請求項1に記載の看板において、
前記固定部は、
前記突き合わされた端面以外の端面のうち前記2枚以上の平板の端面で1つの端面を形成する部分を、前記突き合わされた端面が分離しないように固定することを特徴とする看板。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の看板において、
前記固定部により、前記2枚以上の平板を突き合わせて1つの平面を形成した場合に、前記形成された1つの平面の裏面において、前記突き合わされた端面近傍に、前記突き合わされた端面に平行に設けた補強材と、
前記固定部で前記2枚以上の平板を固定したとき、前記2枚以上の平板を突き合わされた端面近傍の前記補強材の間に挟み込むことによって、前記2枚以上の平板を突き合わされた端面同士を密着させる密着用部材と、
を備えたことを特徴とする看板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送を容易にできるようにした看板に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、表示面のある主脚と、自立するための控えとなる副脚を有する自立折り畳み式立て看板であって、看板一組となる主脚と副脚にまたがる側面に表示面の内容が明示されている自立折り畳み式立て看板があった。この自立折り畳み式立て看板を横向きに立て掛けて収納した場合、目的の看板を容易に探すことができ、更に抜き出して取り出す時に主脚と副脚の組を瞬時に明瞭に区別でき取り出し易いものである(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特願2014−224918号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記自立折り畳み式立て看板では、折り畳んだ状態では、主脚と副脚とを一体化、つまり表示面とそれを支える副脚とを一体化することはできるが、看板が縦長の場合には、表示面の部分が大きい。したがって、折り畳んだ状態であっても、表示面の部分が大きすぎて、乗用車などの荷台に乗せて運搬することができないという問題があった。
【0005】
本発明は、こうした問題に鑑みなされたもので、分割可能な構成で乗用車の荷台に載せて運搬可能となる看板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例として実現することが可能である。なお、本欄における括弧内の参照符号や補足説明等は、本発明の理解を助けるために、後述する実施形態との対応関係を示したものであって、本発明を何ら限定するものではない。
【0007】
[適用例1]
2枚以上の平板(10,20)と、前記2枚以上の平板(10,20)の1つの端面同士を突き合わせて固定することにより、表示面(3)と裏面(5)とを有する1つの平面(60)を形成する固定部(30)と、を備えたことを要旨とする。
【0008】
このような看板(1)では、固定部(30)により、2枚以上の平板(10,20)の1つの端面同士を突き合わせて固定することにより、表示面(3)と裏面(5)とを有する1つの平面(60)を形成する。
【0009】
つまり、2枚以上の平板(10,20)によって、表示面(3)と裏面(5)とを有する1つの平面(60)を形成している。
つまり、1つの平面(60)を2枚以上の平板(10,20)で形成しているので、看板(1)を搬送する場合には、小さな2枚以上の平板(10,20)とし、看板として使用する場合には、大きな1枚の平面(60)とすることができる。
【0010】
換言すれば、2枚以上の平板(10,20)の大きさを適切なものにすることで、乗用車の荷台に載せて運搬可能となる看板(1)とすることができる。
[適用例2]
適用例1に記載の看板において、前記固定部(30)は、前記突き合わされた端面以外の端面のうち前記2枚以上の平板(10,20)の端面で1つの端面(14)を形成する部分を、前記突き合わされた端面が分離しないように固定することを要旨とする。
【0011】
このような看板(1)では、2枚以上の平板(10,20)によって1つの平面(60)が形成される。このとき、固定された2枚以上の平板(10,20)の端面のうち突き合わされた端面以外の端面が形成されるが、このうち2枚以上の平板(10,20)で1つの端面(14)が形成される。
【0012】
そして、固定部(30)により、この端面(14)を、突き合わされた端面が分離しないように固定することにより、簡易な構成で1つの平面(60)を形成し固定することができる。
【0013】
[適用例3]
適用例1又は適用例2に記載の看板(1)において、前記固定部(30)により、前記2枚以上の平板(10,20)を突き合わせて1つの平面(60)を形成した場合に、前記形成された1つの平面(60)の裏面(5)において、前記突き合わされた端面近傍に、前記突き合わされた端面に平行に設けた補強材(40a,41b)と、前記固定部(30)で前記2枚以上の平板(10,20)を固定したとき、前記2枚以上の平板(10,20)を突き合わされた端面近傍の前記補強材(40a,41b)の間に挟み込むことによって、前記2枚以上の平板(10,20)を突き合わされた端面同士を密着させる密着用部材(50a,50b)と、を備えたことを要旨とする。
【0014】
つまり、固定部(30)で固定する場合、2枚以上の平板(10,20)の突き合わされた端面に、表示面(3)から見た場合に隙間ができ、表示内容が明確に視認できない場合がある。
【0015】
そこで、このように、補強材(40a,41b)を裏面(5)側の突き合わせ端部の近傍に、突き合わされた端面に平行に設け、固定部(30)により固定したときに、補強材(40a,41b)の間に密着用部材(50a,50b)を挟み込むことによって、密着用部材(50a,50b)を回転中心として、突き合わされた端面の表示面(3)側の端部端面同士が押されて密着し、端部の端面同士の隙間がなくなる。
【0016】
つまり、表示面(3)から見た場合の隙間がなくなり、表示内容を明確に視認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図3】看板の固定部、密着用部材の概略の構造を説明するための裏面側から見た拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明が適用された実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【0019】
[第1実施形態]
(看板1の構造)
まず、
図1、
図2及び
図3に基づいて看板1の構造について説明する。
図1は、看板1の概略の外観を示す斜視図である。
図2は、看板1の概略の構造を示す三面図であり、
図2(a)は正面図、
図2(b)は裏面図、
図2(c)は側面図である。
図3は、看板1の固定部30、密着用部材50a,50bの概略の構造を説明するための裏面側から見た、固定部30近傍の拡大図である。
【0020】
図1に示すように看板1は、2枚の平板10,20、固定部30を備えている。
図2に示すように、平板10は、ベニヤ板などの薄手の木製の板材やステンレスなどの薄手の金属の板材であり、それぞれ長方形の板材である。また、平板10の4つの端面のうち長手方向の両端部の裏面には補強材40a,40b、また、短手方向の両端部裏面には、補強材40c,40dが配置されている。本実施形態において、この補強材40a,40b,40c,40dは、木製である。
【0021】
また、平板10の下端の短手辺の一端(外側端)に、長手方向に平行の脚部12aが設けられている。この脚部12aが看板1のいわゆる脚となり、看板1を立て看板とすることができる。脚部12aは、補強材40a〜40dと同じ材料(本実施形態では木製)で形成されている。
【0022】
図2に示すように、平板20は、平板10と同様に、ベニヤ板などの薄手の木製の板材やステンレスなどの薄手の金属の板材であり、それぞれ縦長の板材である。また、平板20の4つの端面のうち長手方向の両端部裏面には補強材41a,41b、また、短手方向の両端面には、補強材41c,41dが配置されている。
【0023】
また、平板20の一の短手辺の一端(外側端)に、長手方向に平行の脚部22bが設けられている。この脚部22bが看板1のいわゆる脚となり、看板1を立て看板とすることができる。脚部22bは、補強材41a〜41dと同じ材料(本実施形態では木製)で形成されている。
【0024】
さらに、平板10,20には、それぞれ支柱13,23が設けられている。支柱13は、木製の2本の平行に配置された縦部材13a,13bと、縦部材13a,13bの長さの約1/2の部分で縦部材13a,13bに渡された横部材13cとでH字形状に形成されている。
【0025】
支柱13の縦部材13a,13bの一端(上端)の端部近傍が、平板10の長手方向の両端面に配置されている補強材40c,40dの上端から約1/3の位置に、蝶番13d、13eで回動可能に取り付けられている。
【0026】
この縦部材13a,13bの他端(下端)と脚部12aの下端部との距離が約30cmとなるように開いた状態で脚部12aの下端部と縦部材13a,13bの下端部を地表面に接地させることにより、看板1を立て看板として使用できるようになっている。
【0027】
支柱23も支柱13と同様に、支柱23の縦部材23a,23bの一端(上端)の端部近傍が、平板20の長手方向の両端面に配置されている補強材41c,41dの上端から約1/3の位置の側面に、蝶番23d、23eで回動可能に取り付けられている。
【0028】
この縦部材23a,23bの他端(下端)と脚部22bの下端部との距離が約30cmとなるように開いた状態で脚部22bの下端部と縦部材23a,23bの下端部を地表面に接地させることにより、看板1を立て看板として使用できるようになっている。
【0029】
図2及び
図3に示すように、固定部30は、2枚の平板10,20の1つの端面同士を突き合わせて固定することにより、表示面3と裏面5とを有する1つの平面60を形成する部分であり、突き合わされた端面以外の端面のうち2枚の平板10,20の端面で1つの端面14を形成する部分を、突き合わされた端面が分離しないように固定する。
【0030】
具体的には、固定部30は、固定用部材31及び2本のボルト32を備えている。固定用部材31は、鉄などの金属の板材を、断面がコの字形状となるように形成した部材であり、コの字の凹部が、平板10,20の短手側の補強材40c,41cに嵌まり込むように、換言すれば、補強材40c,41cの上面及び前後面をコの字の凹部で覆うように取り付ける。
【0031】
また、固定用部材31の上面(コの字形状の底面)の2箇所にボルト32を通すための穴31a,31bが穿たれている。
さらに、短手側の補強材40c,41cには、固定用部材31に穿たれた2箇所の穴31a,31bに対応する位置(補強材40c,41cに固定用部材31を装着したときに、2箇所の穴31a,31bに対応する位置)にボルト32を通す穴40e,41eが穿たれている。
【0032】
このように、短手側の補強材40c,41cに固定用部材31を装着し、2本のボルト32を固定用部材31の穴31a,31bと穴40e,41eに通し、ナット33で締め付けることにより、固定用部材31を補強材40c,41cに固定し、2枚の平板10,20を1つの平面60とする。
【0033】
また、補強材40a,41bは、固定部30により、2枚の平板10,20を突き合わせて1つの平面60を形成した場合に、形成された1つの平面60の裏面5において、突き合わされた端面近傍に、突き合わされた端面に平行に設けた部材である。
【0034】
密着用部材50a,50bは、固定部30で2枚の平板10,20を固定したとき、2枚の平板10,20を突き合わされた端面近傍の補強材40a,41bの間に挟み込むことによって、2枚の平板10,20を突き合わされた端面同士を密着させる部材である。
【0035】
密着用部材50a,50bは、直方体のゴム製の部材であり、密着用部材50aは、補強材40aの上部に接着剤で固定され、密着用部材50bは、補強材41bの下部に接着剤で固定されている。
【0036】
(看板1の使用方法)
次に、以上のような構成の看板1の使用法について
図2及び
図3に基づき説明する。
(1)
図2(c)に示すように、平板10の支柱13及び平板20の支柱23を開き、平板10と平板20を地表面に立てる。
【0037】
(2)
図2(a)及び
図3に示すように、平板10及び平板20の長手方向の端面を突き合わせ、平板10と平板20との長手方向の端面を突き合わせて1つの平面60となるようにした場合に形成される1つの上端面14側の補強材40c,41c上面及び前後面を覆うように被せる。
【0038】
(3)
図3に示すように、固定用部材31の上面(コの字形状の底面)の2箇所の穴31a,31bと補強材40c,41cの2箇所の40e,41eにそれぞれボルト32通し、ナットで締め付けることにより、固定用部材31を補強材40c,41cに固定し、2枚の平板10,20を1つの平面60とする(
図1、
図2参照)。
【0039】
(看板1の特徴)
以上のような看板1では、1つの平面60を2枚の平板10,20で形成しているので、看板1を搬送する場合には、平面60に比べて小さな2枚の平板10,20とし、看板として使用する場合には、大きな1枚の平面60とすることができる。
【0040】
換言すれば、2枚の平板10,20の大きさを適切なものにすることで、乗用車の荷台に載せて運搬可能となる看板1とすることができる。
また、2枚の平板10,20で1つの端面14(上端面)が形成される。この端面14を固定部30により、突き合わされた端面が分離しないように固定することにより、簡易な構成で1つの平面60を形成し固定することができる。
【0041】
また、固定部30で固定する場合、2枚の平板10,20の突き合わされた端面に、表示面3から見た場合に隙間ができ、表示内容が明確に視認できない場合がある。
しかし、補強材40a,41bを裏面5側の突き合わせ端部の近傍に、突き合わされた端面に平行に設け、固定部30により固定したときに、補強材40a,41bの間に密着用部材50a,50bを挟み込んでいる。
【0042】
したがって、密着用部材50a,50bを回転中心として、突き合わされた端面の表示面3側の端部端面同士が押されて密着し、端部の端面同士の隙間がなくなる。
つまり、表示面3から見た場合の隙間がなくなり、表示内容を明確に視認することができる。
【0043】
[その他の実施形態]
(1)上記実施形態では、看板1を形成する平板10,20を2枚としたが、3枚以上の平板を用いてもよい。この場合には、両端の平板の外側端の下部に脚部12aを設ければよい。
【0044】
(2)上記実施形態では、平板10,20を、木製や金属製の薄板の4端部分を補強材40a〜40d,41a〜41dで補強していたが、木製や金属製の縦長の四角い枠を形成し、その枠に、木製や金属製の薄板あるいは塩化ビニールなどの樹脂の薄膜を取り付けるようにしてもよい。
【0045】
(3)2枚の平板10,20が突き合わされた端面部分を折返線として折り畳み可能に連結する連結部70を備えるようにしてもよい。このようにすると、2枚の平板10,20が常に連結され、さらに、連結部70によって、折り畳み可能な構成となり、2枚の平板10,20の大きさを適切なものにすることで、乗用車等の荷台に載せて運搬可能となる利便性のよい看板1とすることができる。
【0046】
なお、連結部70としては、蝶番を平板10と平板20の突き合わせ端を連結するように、上下2箇所程度取り付ける。
【符号の説明】
【0047】
1… 看板 3… 表示面 5… 裏面 10… 平板 12a… 脚部 13… 支柱 13a,13b… 縦部材 13c… 横部材 13d… 蝶番 14… 端面 20… 平板 22b… 脚部 23… 支柱 23a,23b… 縦部材 23c… 横部材 23d… 蝶番 30… 固定部 31… 固定用部材 31a,31b… 穴 32… ボルト 33… ナット 40a,40b,40c,40d… 補強材 41a,41b,41c,41d… 補強材 40e,41e… 穴 50a,50b… 密着用部材 60… 平板 70… 連結部。