【解決手段】本発明の実施例は低雑音増幅器(LNA)にバラン機能とミキサーの前置増幅器機能を具現して、低雑音増幅器(LNA)とミキサーの間の直線性を低下する要素を最小化させる低雑音増幅器(LNA)を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施例に関して、図面を用いて詳細に説明する。
本発明の実施例に係る低雑音増幅器(LNA)(100)は、単一入力(Single Input)により、差動出力(Differential Output)を発生する'バラン'形態の低雑音増幅器(LNA)である。ここで、'バラン'とは、バランス信号(Balanced Signal)をアンバランス信号(Unbalanced Signal)に変換し、またはアンバランス信号をバランス信号に変換する回路/構造物の総称である。換言すれば、'バラン'とは、特定素子を指称するのではなく、バランス−アンバランス(Balanced-Unbalanced)信号を変換しようとする全てのものを指称する。
図1は本発明に係る低雑音増幅器(LNA)を概略的に示す図である。
【0012】
本発明の実施例に係る低雑音増幅器(LNA)(100)は入力ポート(Input Port)(108)、信号入力部(110)、LNAコア(120)、及びミキサー(130)を含む。低雑音増幅器(LNA)に含まれる構成要素は必ずこれに限定されるものではない。
【0013】
入力ポート(108)は複数の周波数帯域に対する信号を入力するポートを備える。例えば、入力ポート(108)は極超短波(UHF Band)ポート、CATV(Wide Band)ポート、超短波(VHF Band)のような複数のポートを備える。入力ポート(108)は各ISDB-T/ISDB-Tmm/CATV用入力を有する。
【0014】
信号入力部(110)は入力ポート(108)に係るそれぞれのマッチングフィルター(Matching & Filter)を含む。信号入力部(110)内のマッチングフィルターの一端はそれぞれ入力ポート(108)に接続し、信号入力部(110)内のマッチングフィルターの他端はLNAコア(120)に接続される。
【0015】
LNAコア(120)は入力端(RF_IN)から入力されるそれぞれのマルチバンド(Multi-Band)の駆動信号に対応する複数の増幅段を含む増幅部を備える。複数の増幅段は各駆動信号を印加されて増幅した増幅信号を出力し、増幅信号を印加されて増幅した出力信号を出力する差動(Differential)出力で出力する。LNAコア(120)は複数の各増幅段の出力に並列に連結して、差動出力を互いに共有してLC負荷(Load)で使用する差動LC回路を含む。LC回路の出力端にはミキサー(130)が接続して、直線性を高めることができる。
【0016】
LNAコア(120)は可変抵抗、増幅部(122)、可変インダクター及び可変キャパシターを含む。増幅部(122)と関連する具体的な内容は
図3c、3dを用いて説明する。LNAコア(120)は入力ポート(108)から入力されたマルチバンド(Multi-Band)である'UHF_LNA'、'VHF_LNA'、'CATV_LNA'の出力が互いに共有してLC負荷(Load)を使用することができる。LNAコア(120)は差動出力で共有され、ミキサー(130)が低雑音増幅器(LNA)の出力に連結し、低雑音増幅器(LNA)が前置増幅器(Pre-Amplifier)の役割を果たす構造を有する。低雑音増幅器(LNA)(100)の構造は非線形要素(Non-Linear Factor)を発生させる能動回路(Active Circuit)がLNAコア(120)ブロック(Block)の一つのみであるため、直線性(Linearity)性能を最大にすることができる。LNAコア(120)は複数の回路を使用して出力ノードを共有する。共有される出力ノードにLC負荷を使用し、LNAコア(120)はLC負荷を変化させて利用することができる。
【0017】
ミキサー(130)はLNAコア(120)の出力に接続してLNAコア(120)の出力を受信してミキサーする。
図1では低雑音増幅器(LNA)(100)のLNA後段をミキサー(130)で示しているが、低雑音増幅器(LNA)(100)は必ずしもこれに制限されるものではない。
【0018】
本発明の実施例に係る低雑音増幅器(LNA)は、単一入力(Single Input)を受けて、差動出力(Differential Output)を作成するバラン形態のマルチバンドをサポートする高直線性の性能を有する低雑音増幅器(LNA)である。最近、モバイル環境でのTV−チューナーチップの場合、LTE/CDMA/隣接チャンネルなどのジャマー周波数の影響を最小化するために高直線性の性能を有する低雑音増幅器(LNA)が求められてきた。IIP2(Second-order Input Intercept Point)の性能を改善するために入力の際にバランを用いると雑音指数(NF)維持の役に立つことが難しくなり、マルチバンド(Multi-Band)も必要になるとすると追加費用が発生する場合がある。従って、単一入力を受けて、単一出力を生じる低雑音増幅器(LNA)を用いて単一出力を差動(Differential)にするための他の回路を増設する必要がある。単一出力で差動にする回路は通常、ミキサーを駆動するための前置増幅器を共有して使用し、前置増幅器を共有する部分でIIP3(Third-order Input Intercept Point)の低下が発生する。従って、本発明の実施例は低雑音増幅器(LNA)をバランの機能とミキサーを駆動するための前置増幅器として同時に使用して、直線性を低下させる要素を最大限に減少し、高直線性を発揮することができる構造を有する。更に、UHF(470 MHz〜810 MHz)またはVHF(170 MHz〜280 MHz)のバンド、若しくは、CATV(90 MHz〜810 MHz)のようなワイドバンド周波数等のマルチバンドをサポートする低雑音増幅器(LNA)が必要な場合、一つの出力にまとめ、一つのみのミキサーを使用して、アプリケーション(Application)をサポートする構造を有する。
【0019】
図2は、本発明の実施例に係る低雑音増幅器(LNA)のチャンネル環境(Channel Environment)を示す図である。
【0020】
図2はモバイルTV −チューナーのチャンネル環境の実施例で希望チャンネル(Desire-Channel)の電力(Power)が小さく、周辺チャンネルの電力が大きいため、電力問題を改善するために周辺チャンネルの倍音(Harmonic Tone)が希望チャンネルに影響を与えないように低雑音増幅器(LNA)の直線性の性能が向上されることが望ましい。
【0021】
図3a、
図3bは通常のLNAコアの回路を示す図である。
図3aは通常のCS(Common Source)低雑音増幅器(LNA)構造を示す図である。
図3aに示される低雑音増幅器(LNA)は通常の低雑音増幅器(LNA)としてRCフィードバック(Feed-Back)を有するCS(Common Source)増幅器である。通常の低雑音増幅器(LNA)は非常に多く使用される構造として雑音指数(NF)の性能が良い。
【0022】
図3aに示されるCS低雑音増幅器(LNA)は第1増幅回路、第2増幅回路、RCフィードバック回路を含む。
第1増幅回路は第1増幅器(MN
1)と第2増幅器(MN
2)を含む。第1増幅器(MN
1)と第2増幅器(MN
2)は直列に接続する。第1増幅器(MN
1)は第1入力端、第1電流引込部、第1電流引出部を含む。第1入力端は入力端(RF_IN)に接続する。第1電流引込部は第2増幅器(MN2)に接続する。第1電流引出部は接地に接続する。
【0023】
第2増幅器(MN
2)は第2入力端、第2電流引込部、第2電流引出部を含む。第2入力端は接地に接続する。第2電流引込部は出力端(RF_OUT)に接続する。第2電流引出部は第1キャパシター(C
1)に接続する。
【0024】
RCフィードバック回路は第1抵抗(R
1)と第1キャパシター(C
1)を含む。第1抵抗(R
1)と第1キャパシター(C
1)は直列して接続する。RCフィードバック回路の一端は入力端(RF_IN)に接続し、RCフィードバック回路の他端は出力端(RF_OUT)に接続する。第1抵抗(R
1)の一端は入力端(RF_IN)と第1入力端の接点に接続する。第1抵抗(R
1)の他端は第1キャパシター(C
1)の一端に接続する。第1キャパシター(C
1)の一端は第1抵抗(R
1)の他端に接続する。第1キャパシター(C
1)の他端は第2電流引込部と出力端(RF_OUT)の接点に接続する。
【0025】
図3bは通常のCSCG(Common Source Common Gate)低雑音増幅器(LNA)構造を示す。差動出力を生じるために
図3bに示されるように、CSCG(Common Source Common Gate)形態の差動増幅器を増設する必要がある。
図3bに示される回路は通常の低雑音増幅器(LNA)の次のステージ(Stage)に差動出力を生じるための用途とミキサーの前置増幅器(Pre-Amplifier)の機能を利用して、ミキサーの雑音指数(NF)を改善させる役割を果たしている。
図3bの構造を低雑音増幅器(LNA)として使用する場合、パルス信号(S11)を−10 dB以下にマッチングするためにCG(Common Gate)増幅器が1/gm = 50Ωになるように設計する必要があり、雑音指数(NF) > 2.8 dBで雑音指数(NF)の性能が低下する。
【0026】
図3bに示されるCSCG低雑音増幅器(LNA)は第1増幅回路、第2増幅回路、RCフィードバック回路を含む。
第1増幅回路は第2増幅器(MN
2)を含む。第2増幅器(MN
2)は第2入力端、第2電流引込部、第2電流引出部を含む。第2入力端は接地に接続する。第2電流引込部は出力端(RF_OUTM)に接続する。第2電流引出部は第2キャパシター(C
2)の一端、入力端(RF_IN)、インダクターの一端に接続する。インダクターの他端は接地に接続する。
【0027】
第2増幅回路は第3増幅器(MN
3)と第4増幅器(MN
4)を含む。第3増幅器(MN
3)と第4増幅器(MN
4)は直列に接続する。第3増幅器(MN
3)は第3入力端、第3電流引込部、第3電流引出部を含む。第3入力端は第2キャパシター(C
2)の他端に接続する。第3電流引込部は第4電流引出部と接続する。第3電流引出部は接地に接続する。第4増幅器(MN
4)は第4入力端、第4電流引込部、第4電流引出部を含む。第4入力端は接地に接続する。第4電流引込部は出力端(RF_OUTP)に接続する。第4電流引出部は第3電流引込部に接続する。
【0028】
第2キャパシター(C
2)の一端は第1増幅回路に接続し、第2キャパシター(C
2)の他端は第2増幅回路に接続する。第2キャパシター(C
2)の一端は第2増幅器(MN
2)の第2電流引出部に接続し、第2キャパシター(C
2)の他端は第3増幅器(MN
3)の第3入力端に接続する。
【0029】
図3c、
図3dは本発明の実施例に係るLNAコアの回路を示す図である。
図3cは本発明の実施例に係るバラン低雑音増幅器(LNA)構造を示す。
図3cに示されるようにCS増幅器で'1−ステージ'低雑音増幅器(LNA)として使用し、第1 N型増幅器(MN
1)の電流(Current)出力をRCフィードバック(Feed-Back)してIM3(Third Inter-Modulation)高調波(Harmonic)成分を除去(Cancelation)して、直線性を向上させて、雑音指数(NF) = 1.4 dBレベルの低雑音増幅器(LNA)構造を有する。'1−ステージ'CS低雑音増幅器(LNA)の出力にCSCG増幅器を'2−ステージ'で使用して、バラン形態の低雑音増幅器(LNA)を作成することができる。バラン形態の低雑音増幅器(LNA)でCG部分(MN
2)の1/gmは
図3bに示される回路のように'50Ω'に制限されないため、低いインピーダンス(Impedance)を有するように設計されてMN
1の出力ノード(Node)での電流スイング(Current Swing)を小さく必要として、直線性を改善することができる。
【0030】
図3cに示される低雑音増幅器(LNA)は第1増幅回路(310)、第2増幅回路(320)、RCフィードバック回路(330)、及び第2キャパシター(C2)を含む。
【0031】
第1増幅回路(310)は駆動信号を印加して増幅した増幅信号を出力する。第1増幅回路(310)は第1増幅器(MN
1)と第2増幅器(MN
2)を含む。第1増幅器(MN
1)と第2増幅器(MN
2)は直列に接続する。第1増幅器(MN
1)は第1入力端、第1電流引込部、第1電流引出部を含む。第1入力端は第1抵抗(R
1)と接続し、第1電流引込部は第1キャパシター(C
1)と接続し、第1電流引出部は接地に接続する。第2増幅器(MN
2)は第2入力端、第2電流引込部、第2電流引出部を含む。第2入力端は接地に接続し、第2電流引込部は出力端に接続し、第2電流引出部は第2キャパシター(C
2)の一端に接続する。
【0032】
第2増幅回路(320)は増幅信号を印加して増幅された出力信号を出力する。第2増幅回路(320)は第3増幅器(MN
3)と第4増幅器(MN
4)を含む。第2増幅回路(320)は第3増幅器(MN
3)と第4増幅器(MN
4)が直列に接続する。第3増幅器(MN
3)は第3入力端、第3電流引込部、第3電流引出部を含む。第3入力端は第2キャパシター(C
2)の他端に接続し、第3電流引込部は第3キャパシター(C
3)の他端に接続し、第3電流引出部は接地に接続する。第4増幅器(MN
4)は第4入力端、第4電流引込部、第4電流引出部を含む。第4入力端は接地に接続し、第4電流引込部は出力端に接続し、第4電流引出部は第3キャパシター(C
3)の他端に接続する。
【0033】
RCフィードバック回路(330)は第1抵抗(R
1)と第1キャパシター(C
1)を含む。第1抵抗(R
1)と第1キャパシター(C
1)は直列に接続する。RCフィードバック回路(330)の一端は入力端(RF_IN)及び第1増幅器(MN
1)の入力端に接続する。RCフィードバック回路(330)の他端は第1増幅器(MN
1)と前記第2増幅器(MN
2)の接点に接続する。
【0034】
第2キャパシター(C
2)の一端は第1増幅器(MN
1)と第2増幅器(MN
2)の接点に接続し、他端は第3増幅器(MN
3)の入力端に接続する。
図3dは
図3cに示される構造で直線性を向上させるための手段(Scheme)を適用したバラン形態の低雑音増幅器(LNA)構造を示す。
【0035】
図3dは
図3cの低雑音増幅器(LNA)構造から第3 N型増幅器(MN
3)の出力ノードを第2 N型増幅器(MN
2)のゲートでフィードバックすることによりCSCGでもIM3(Third Inter-Modulation)を除去することができる。
図3dに示される回路は
図1に図示される回路の各バンドの低雑音増幅器(LNA)構造を使用し、'RF_OUTM'と'RF_OUTP'はLNAコア(120)で共有される。各低雑音増幅器(LNA)のバンドは入力マッチング(Input Matching)と低雑音増幅器(LNA)の出力で共有するLC値(Value)に従って使用されるバンドを設定することができる。CATVの場合、ワイドバンドをサポートする必要があるため、第1抵抗(R
1)の値を他の低雑音増幅器(LNA)より小さく設定して、ワイド マッチング(Wide-Matching)する。
【0036】
図3dに示される低雑音増幅器(LNA)は第1増幅回路(310)、第2増幅回路(320)、RCフィードバック回路(330)、第2キャパシター(C
2)及び第3キャパシター(C
3)を含む。
【0037】
第1増幅回路は駆動信号を印加して増幅された増幅信号を出力する。第1増幅回路(310)は第1増幅器(MN
1)と第2増幅器(MN
2)を含む。第1増幅器(MN
1)と第2増幅器(MN
2)は直列に接続する。第1増幅器(MN
1)は第1入力端、第1電流引込部、第1電流引出部を含む。第1入力端は第1抵抗(R
1)に接続し、第1電流引込部は第1キャパシター(C
1)に接続し、第1電流引出部は接地に接続する。第2増幅器(MN
2)は第2入力端、第2電流引込部、第2電流引出部を含む。第2入力端は接地に接続し、第2電流引込部は出力端に接続し、第2電流引出部は前記第2キャパシター(C
2)の一端に接続する。
【0038】
第2増幅回路(320)は増幅信号を印加して増幅された出力信号を出力する。第2増幅回路(320)は第3増幅器(MN
3)と第4増幅器(MN
4)を含む。第2増幅回路(320)は第3増幅器(MN
3)と第4増幅器(MN
4)が直列して接続する。第3増幅器(MN
3)は第3入力端、第3電流引込部、第3電流引出部を含む。第3入力端は第2キャパシター(C
2)の他端に接続し、第3電流引込部は第3キャパシター(C
3)の他端に接続し、第3電流引出部は接地に接続する。第4増幅器(MN
4)は第4入力端、第4電流引込部、第4電流引出部を含む。第4入力端は接地に接続し、第4電流引込部は出力端に接続し、第4電流引出部は第3キャパシター(C
3)の他端に接続する。
【0039】
RCフィードバック回路(330)は第1抵抗(R
1)と第1キャパシター(C
1)を含む。第1抵抗(R
1)と第1キャパシター(C
1)は直列に接続する。RCフィードバック回路(330)の一端は入力端(RF_IN)及び第1増幅器(MN
1)の入力端に接続する。RCフィードバック回路(330)の他端は第1増幅器(MN
1)と第2増幅器(MN
2)の接点に接続する。
【0040】
第2キャパシター(C
2)の一端は第1増幅器(MN
1)と第2増幅器(MN
2)の接点に接続し、他端は第3増幅器(MN
3)の入力端に接続する。第3キャパシター(C
3)の一端は第2増幅器(MN
2)の入力端に接続し、他端は第3増幅器(MN
3)と第4増幅器(MN
4)の接点に接続する。第3キャパシター(C
3)により第2増幅回路(320)の出力信号が第2増幅器(MN
2)の入力端にフィードバックされる。
【0041】
以上の説明は本発明の実施例の技術思想を例示するための説明に過ぎず、本発明の実施例で当業者は、本発明の実施例の本質的な特徴から離れない範囲で様々な修正及び変形を行うことができる。従って、本発明の実施例は本発明の実施例の技術思想を限定するものではなく、説明するためであり、このような実施例により、本発明の実施例の技術思想の範囲が限定されるものではない。本発明の実施例の保護範囲は特許請求の範囲によって、解釈されるべきであり、それと同等な範囲内の全ての技術思想は本発明の実施例の権利範囲に含まれると解釈するべきである。