【解決手段】ケーブルカバー4は、コネクタ2の外部に向けて延びるケーブル3a,3b,3cの向きを案内するために用いられる。ケーブルカバー4は、一対の分割体21,22と、ケーブル通路27と、受け部58と、を有している。一対の分割体21,22は、互いに合わせられる一対の合わせ面23,24を有している。ケーブル通路27は、ケーブル3a,3b,3cの曲げ部9を収容する曲げ通路部43を含んでいる。受け部58は、曲げ通路部43におけるケーブル3a,3b,3cの進行方向に沿って曲面状に延び且つ曲げ部9における曲げの内側部分を受けることが可能に構成されている。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。尚、本発明は、電気コネクタから延びるケーブルの少なくとも一部を覆うケーブルカバーとして、種々の用途に広く適用することができる。
【0023】
図1は、本発明の一実施形態に係るコネクタユニット1の斜視図であり、ケーブル3a,3b,3cの図示を省略している。
図2は、コネクタユニット1の一部を示す正面図である。
図3は、コネクタユニット1の一部を示す側面図である。
図4は、コネクタユニット1の底面図である。
図5は、コネクタユニット1の斜視図であり、ケーブル3a,3b,3cの一部の図示、および、ケーブルカバー4の第2分割体22の図示を省略している。
【0024】
図6は、コネクタユニット1の側面図であり、ケーブル3a,3b,3cの一部の図示、および、ケーブルカバー4の第2分割体22の図示を省略している。
図7は、コネクタユニット1の背面図であり、ケーブルカバー4の第2分割体22の図示を省略している。
図8は、
図2のVIII−VIII線に沿う断面図である。
図9は、
図3のIX−IX線に沿う断面図である。
図10は、ケーブルカバー4の第1分割体21の斜視図である。
図11は、ケーブルカバー4の第2分割体22の斜視図である。
図12は、ケーブルカバー4の第2分割体22の側面図である。
【0025】
図1〜
図5を参照して、コネクタユニット1は、たとえば、電源回路(図示せず)と、電源(図示せず)とを接続するために用いられる。コネクタユニット1は、図示しない相手側コネクタに接続されることで、上記の電源回路と電源とを電気的に接続するように構成されている。また、コネクタユニット1は、振動および水分の少なくとも一方を受ける箇所への配置に好適な構成を有している。
【0026】
コネクタユニット1は、たとえば、自動車のエンジンルームなどに配置される。本実施形態のコネクタユニット1は、当該コネクタユニット1の組立時における不具合としてのケーブル噛み込みを抑制することが可能に構成されている。
【0027】
コネクタユニット1は、電気コネクタ2と、複数のケーブル3a,3b,3cと、ケーブルカバー4と、コルゲートチューブ5と、を有している。
【0028】
なお、本実施形態では、ケーブルカバー4の長さ方向X1を、単に「長さ方向X1」という。また、ケーブルカバー4の高さ方向Y1を、単に「高さ方向Y1」という。また、ケーブルカバー4の厚み方向Z1を、単に「厚み方向Z1」という。また、特に説明無き場合、電気コネクタ2にケーブルカバー4が取付けられた状態を基準として説明する。
【0029】
電気コネクタ2(以下、単にコネクタ2ともいう)は、たとえば、電源回路に電気的に接続された相手側電気コネクタ(図示せず)と接続されるとともに、ケーブル3a,3b,3cを介して電源に接続されるように構成されている。コネクタ2は、本実施形態では、3極のコネクタであり、3本のケーブル3a,3b,3cに接続されている。本実施形態では、コネクタ2は、厚み方向Z1に対称な形状に形成されている。
【0030】
また、本実施形態では、ケーブル3a,3b,3cは、コネクタ2の極数と同じ数設けられている。各ケーブル3a,3b,3cは、被覆電線である。各ケーブル3a,3b,3cの一端部は、コネクタ2内に配置されている。各ケーブル3a,3b,3cは、コネクタ2のハウジング11内からハウジング11の外部に向けて延びている。各ケーブル3a,3b,3cは、可撓性を有しており、曲げ変形が可能である。
【0031】
各ケーブル3a,3b,3cは、絶縁材料で形成された筒状の被覆部6と、この被覆部6によって被覆された電線7と、を有している。電線7の一端部は、ハウジング11内において、被覆部6の一端部から露出している。電線7の他端部は、電源の電極などに接触している。各ケーブル3a,3b,3cの電線7は、一端部と他端部以外の中間部分が、被覆部6に覆われている。
【0032】
各ケーブル3a,3b,3cは、コネクタ2に隣接する第1直線状部8と、第1直線状部8に連続する曲げ部9と、曲げ部9に連続する第2直線状部10と、を有している。
【0033】
第1直線状部8は、コネクタ2の内部から高さ方向Y1に沿って外部に向けて延びている。曲げ部9は、略90°に曲げられた曲線形状に形成されている。第2直線状部10は、長さ方向X1に沿って延びている。上記の構成により、各ケーブル3a,3b,3cは、コネクタ2の近傍において、L字状に配置されている。
【0034】
コネクタ2は、ハウジング11と、ハウジング11に保持された複数のコンタクト12(コンタクト12は
図4にのみ図示)と、を有している。
【0035】
コンタクト12は、コネクタ2の極数と同じ数(本実施形態では、3つ)設けられている。コンタクト12は、厚み方向Z1に横並びに配置されている。各コンタクト12は、導電性を有する導電部材であり、対応するケーブル3a,3b,3cの電線7に接触することで当該電線7と電気的に接続されている。各コンタクト12は、たとえば、表面にめっき層が形成された金属材料に打ち抜き加工および曲げ加工などを施すことで形成された導電部材である。各コンタクト12の全体が、ハウジング11内に配置されている。
【0036】
ハウジング11は、合成樹脂等の絶縁材料を用いて形成されている。ハウジング11は、射出成形等によって、全体が単一の部材で一体に形成された、一体成形品である。本実施形態では、ハウジング11は、ブロック状に形成されている。
【0037】
ハウジング11は、コネクタ接続部13と、カバー接続部14と、を有している。
【0038】
コネクタ接続部13は、筒状の開口部13aを有している。この開口部13aには、前述した相手側電気コネクタが挿入されるように構成されている。そして、開口部13aに相手側電気コネクタが接続されることで、相手側電気コネクタに含まれる複数のコンタクト(図示せず)が、対応するコンタクト12に接触する。コネクタ接続部13とは高さ方向Y1に並ぶようにして、カバー接続部14が配置されている。カバー接続部14は、ケーブルカバー4を受けるとともに、当該ケーブルカバー4が固定される部分として設けられている。
【0039】
図1、
図5〜
図8を参照して、カバー接続部14は、筒状の周壁部15と、この周壁部15の外周部に形成された対向縁部16と、周壁部15の内側に形成されたケーブル通過部17と、周壁部15とケーブル通過部17との間に配置された補強リブ18と、を有している。
【0040】
周壁部15は、高さ方向Y1に沿ってケーブルカバー4側を向く部分であり、ハウジング11の一端部の一部を形成している。周壁部15は、本実施形態では、細長い四角筒状に形成されている。
【0041】
周壁部15は、厚み方向Z1に延びる一対の第1側壁部15a,15aと、これら一対の第1側壁部15a,15aとは直交するようにして長さ方向X1に延びる一対の第2側壁部15c,15cと、を有している。
【0042】
一対の第1側壁部15a,15aは、互いに平行に延びている。また、一対の第2側壁部15c,15cは、互いに平行に延びている。一対の第2側壁部15c,15cは、周壁部15の外側に向けて突出する一対の係合凸部15e,15eを有している。
【0043】
対向縁部16は、周壁部15の基端部を、周壁部15の周方向の全域に亘って取り囲むように形成されている。対向縁部16は、高さ方向Y1と直交する平面状に形成されている。
【0044】
ケーブル通過部17は、ケーブル3a,3b,3cの数と同じ数設けられており、1つのケーブル通過部17にケーブル3a,3b,3cの何れかが通されている。各ケーブル通過部17は、円筒状に形成されて、高さ方向Y1に延びている。各ケーブル通過部17は、ハウジング11のうち、対応するコンタクト12が収容されている空間に開放されているとともに、ハウジング11の外部の空間に開放されている。ケーブル通過部17は、厚み方向Z1に等ピッチで配置されている。また、ケーブル通過部17は、周壁部15で囲まれた区間の略中央に配置されている。
【0045】
また、ケーブル通過部17と周壁部15との結合強度を高めるための補強リブ18が設けられている。補強リブ18は、ケーブル通過部17と周壁部15との間に配置された壁状部分である。補強リブ18は、一方の第1側壁部15aから厚み方向Z1の両端の何れかのケーブル通過部17の中心へ向けて直線状に延びる2つの壁部と、他方の第1側壁部15aから厚み方向Z1の両端の何れかのケーブル通過部17の中心へ向けて直線状に延びる2つの壁部と、一方の第2側壁部15cから各ケーブル通過部17の中心へ向けて直線状に延びる1つの壁部と、他方の第2側壁部15cから各ケーブル通過部17の中心へ向けて直線状に延びる1つの壁部と、を含んでいる。周壁部15、各ケーブル通過部17、および、補強リブ18の先端部は、高さ方向Y1における位置が揃えられており、面一に並んでいる。
【0046】
上記の構成を有するコネクタ2のカバー接続部14に、ケーブルカバー4が固定されている。
【0047】
ケーブルカバー4は、コネクタ2から当該コネクタ2の外部に向けて延びる各ケーブル3a,3b,3cの向きを案内するために設けられている。より具体的には、ケーブルカバー4は、各ケーブル3a,3b,3cの第1直線状部8の一部と、曲げ部9の全部と、第2直線状部10の一部と、を覆う部材として設けられている。
【0048】
換言すれば、ケーブルカバー4は、ケーブル3a,3b,3cの曲げ部9の曲げ形状を維持するとともに、ケーブル3a,3b,3cのうちコネクタ2から突出する部分の一部を保護するように設けられている。ケーブルカバー4は、本実施形態では、全体としてL字状に形成されており、各ケーブル3a,3b,3cを、コネクタ2のケーブル通過部17とコルゲートチューブ5の一端部5aとの間で覆っている。
【0049】
コルゲートチューブ5は、ケーブルカバー4から延びる、可撓性を有する筒状部材であり、各ケーブル3a,3b,3cの第2直線状部10など、各ケーブル3a,3b,3cの一部を収容している。コルゲートチューブ5は、合成樹脂等の絶縁材料を用いて形成されている。コルゲートチューブ5は、射出成形等によって、全体が単一の部材で一体に形成された、一体成形品である。
【0050】
コルゲートチューブ5は、円筒状の大径部5bと、この大径部5bの直径よりも小さい直径を有する小径部5cと、が交互に配置された形状に形成されており、これにより、コルゲートチューブ5の可撓性が確保されている。コルゲートチューブ5の一端部5aと、コネクタ2との間に、ケーブルカバー4が配置されることとなる。
【0051】
ケーブルカバー4は、一対の分割体としての第1分割体21および第2分割体22を含んでいる。
【0052】
ケーブルカバー4は、第1分割体21と第2分割体22とが、ケーブル3a,3b,3cを挟むように互いに組み合わされることで形成されている。
【0053】
図5〜
図8、および、
図10〜
図12を参照して、第1分割体21は、第1側壁21aと、第2側壁21bと、底壁21cと、を有している。
【0054】
第1側壁21aおよび第2側壁21bは、各ケーブル3a,3b,3cを挟むようにして互いに離隔して延びる側壁部として設けられており、厚み方向Z1と略平行に延びている。第1側壁21aは、ハウジング11のカバー接続部14側からケーブル3a,3b,3cと高さ方向Y1に沿って延び、その後、曲げ部9と向かい合うようにしつつ高さ方向Y1に沿ってカバー接続部14から離隔しながら第2直線状部10に沿って長さ方向X1の一方側に延びる傾斜状に延び、その後、第2直線状部10に沿って長さ方向X1と略平行に延びている。
【0055】
第2側壁21bは、ハウジング11のカバー接続部14側から各ケーブル3a,3b,3cと高さ方向Y1に沿って延び、その後、第2直線状部10に沿って長さ方向X1と略平行に延びている。底壁21cは、厚み方向Z1における第1側壁21aの一端部と第2側壁21bの一端部とを繋ぐ壁部として設けられている。底壁21cは、高さ方向Y1に沿ってカバー接続部14から離隔するように真っ直ぐに延びた後、高さ方向Y1に沿ってハウジング11から離隔しながら第2分割体22側に延びる傾斜状に延び、その後、高さ方向Y1と略平行に延びている。
【0056】
第2分割体22は、第1側壁22aと、第2側壁22bと、底壁22cと、を有している。
【0057】
第1側壁22aおよび第2側壁22bは、各ケーブル3a,3b,3cを挟むようにして互いに離隔して延びる側壁部として設けられており、厚み方向Z1と略平行に延びている。第1側壁22aは、ハウジング11のカバー接続部14側から各ケーブル3a,3b,3cと高さ方向Y1に沿って延び、その後、曲げ部9と向かい合うようにして高さ方向Y1に沿ってカバー接続部14から離隔しながら長さ方向X1の一方側に延びる傾斜状に延び、その後、第2直線状部10に沿って長さ方向X1と略平行に延びている。第1分割体21と第2分割体22の第1側壁21a,22aは、厚み方向Z1に略真っ直ぐに並んでいる。
【0058】
第2側壁22bは、ハウジング11のカバー接続部14側から各ケーブル3a,3b,3cと高さ方向Y1に沿って延び、その後、第2直線状部10に沿って長さ方向X1と略平行に延びている。第1分割体21と第2分割体22の第2側壁22a,22bは、厚み方向Z1に略真っ直ぐに並んでいる。底壁22cは、厚み方向Z1における第1側壁22aの一端部と第2側壁22bの一端部とを繋ぐ壁部として設けられている。底壁22cは、高さ方向Y1に沿ってカバー接続部14から離隔するように真っ直ぐに延びた後、高さ方向Y1に沿ってハウジング11から離隔しつつ第1分割体21側に延びる傾斜状に延び、その後、高さ方向Y1と略平行に延びている。
【0059】
第1分割体21と第2分割体22は、厚み方向Z1におけるケーブルカバー4の略中央で互いに分かれるように配置されている。より具体的には、第1分割体21は、第1合わせ面23を有している。また、第2分割体22は、第2合わせ面24を有している。そして、これらの合わせ面23,24が、一対の合わせ面23,24を形成している。第1分割体21と第2分割体22とが組み合わされることで、これらの合わせ面23,24が互いに接触する。
【0060】
第1分割体21および第2分割体22は、対応する合わせ面23,24から窪んだ形状に形成されていることで、各ケーブル3a,3b,3cを収容可能に構成されている。また、第1分割体21および第2分割体22は、各ケーブル3a,3b,3cを保持する構成、および、分割体21,22同士を固定する構成を有している。
【0061】
各合わせ面23,24は、厚み方向Z1と直交する方向に延びている。各合わせ面23,24は、互いに平行である。合わせ面23,24は、全体として、コネクタ2のハウジング11側から高さ方向Y1に沿ってハウジング11から離隔するように延び、その後、長さ方向X1に沿って延びる形状に形成されている。
【0062】
第1合わせ面23は、複数の部分としての第1部分23a〜第9部分23iを有している。また、第2合わせ面24は、複数の部分としての第1部分24a〜第9部分24iを有している。そして、第1合わせ面23の第n(nは1〜9までの自然数)部分23nと第2合わせ面24の第n部分24nとが互いに接触するように構成されている。
【0063】
第1合わせ面23の第1部分23a〜第5部分23eは、第1分割体21の第1側壁21aに形成されている。また、第1合わせ面23の第6部分23f〜第9部分23iは、第1分割体21の第2側壁21bに形成されている。同様に、第2合わせ面24の第1部分24a〜第5部分24eは、第2分割体22の第1側壁22aに形成されている。また、第2合わせ面24の第6部分24f〜第9部分24iは、第2分割体22の第2側壁21bに形成されている。
【0064】
各第1部分23a,24aは、ハウジング11のカバー接続部14の対向縁部16に隣接する部分であり、対向縁部16と平行に延びている。各第1部分23a,24aから対応する第2部分23b,24bが延びている。
【0065】
各第2部分23b,24bは、高さ方向Y1に沿ってハウジング11から離隔するように真っ直ぐに延びている。そして、各第2部分23b,24bのうち、第1部分23a,24a寄りの部分から、第3部分23c,24cが、第1部分23a,24aと平行に延びている。各第2部分23b,24bの一端部に、対応する第4部分23d,24dが接続されている。
【0066】
各第4部分23d,24dは、高さ方向Y1において対応する第3部分23c,24cから離隔するに従い、長さ方向X1の一方側であるコルゲートチューブ5側に進む直線状に形成されている。各第4部分23d,24dの長さは、対応する第3部分23c,24cの長さよりも短い。また、第1分割体21の第1側壁21aのうち、第2部分23bおよび第4部分23dに隣接する箇所に、防水壁25が形成されている。
【0067】
防水壁25は、合わせ面23,24間からケーブルカバー4内へ雨水などの水分が浸入することを抑制するために設けられている。防水壁25は、第1側壁21aの内側面から第2分割体22側に突出する部分である。この防水壁25は、たとえば、厚み方向Z1から見て略V字状に形成されており、第2分割体22の第1側壁22aの対応する箇所における内側面に接触可能である。防水壁25は、後述する保持凹部51と長さ方向X1に並んでいる。各第4部分23d,24dの一端部に、対応する第5部分23e,24eが接続されている。
【0068】
各第5部分23e,24eは、コルゲートチューブ5側に向けて、長さ方向X1に沿って延びる直線状に形成されている。各第5部分23e,24eの長さは、対応する第4部分23d,24dの長さよりも長い。各第5部分23e,24eの一端部は、ケーブルカバー4のチューブ用開口部26に連続している。上記の構成により、第1合わせ面23の第1部分23a〜第5部分23eによって、略L字状の合わせ面が形成されている。同様に、第2合わせ面24の第1部分24a〜第5部分24eによって、略L字状の合わせ面が形成されている。
【0069】
各合わせ面23,24の第6部分23f,24fは、ハウジング11のカバー接続部14の対向縁部16に隣接する部分であり、長さ方向X1に沿って延びている。各第6部分23f,24fは、対応する第1部分23a,24aと長さ方向X1に沿って一直線上に並んでいる。各第6部分23f,24fから対応する第7部分23g,24gが延びている。
【0070】
各第7部分23g,24gは、高さ方向Y1に沿ってハウジング11から離隔するように真っ直ぐに延びており、各第3部分23c,24cと平行である。そして、各第7部分23g,24gのうち、第6部分23f,24f寄りの部分から、第8部分23h,24hが延びている。各第8部分23h,24hは、対応する第3部分23c,24cと長さ方向X1に沿って一直線上に並んでいる。各第7部分23g,24gの一端部に、対応する第9部分23i,24iが接続されている。
【0071】
各第9部分23i,24iは、コルゲートチューブ5側に向けて、長さ方向X1に沿って延びる直線状に形成されている。各第9部分23i,24iの長さは、対応する第5部分23e,24eの長さよりも長い。各第9部分23i,24iの一端部は、ケーブルカバー4のチューブ用開口部26に連続している。上記の構成により、第1合わせ面23の第6部分23f〜第9部分23iによって、略L字状の合わせ面が形成されている。同様に、第2合わせ面24の第6部分24f〜第9部分24iによって、略L字状の合わせ面が形成されている。そして、これら第1合わせ面23および第2合わせ面24が互いに合わされることで形成された空間に、ケーブル3a,3b,3cを収容するためのケーブル通路27が形成されている。
【0072】
また、第1合わせ面23および第2合わせ面24が互いに合わされた状態では、ケーブルカバー4は、コネクタ2のハウジング11に固定される。
【0073】
ケーブルカバー4は、ケーブル3a,3b,3cが配置されるケーブル通路27と、ハウジング11のカバー接続部14に固定される固定部28と、固定部28に隣接してケーブル通路27に配置される通路区画部29と、コルゲートチューブ5に隣接してケーブル通路27に配置されるケーブルサポート部30と、ケーブルサポート部30に隣接して配置されるチューブ保持部31と、分割体21,22の互いの嵌合状態を確認するための嵌合孔部32と、水抜き孔部33a,33bと、を有している。
【0074】
固定部28は、ケーブルカバー4のうち、高さ方向Y1の一端側部分に設けられている。固定部28は、コネクタ2のハウジング11に対して着脱可能に構成されている。
【0075】
固定部28は、コネクタ2のハウジング11の対向縁部16に受けられる、ケーブルカバー4の一端面としての第1接触面34a,34b,34c,34dと、コネクタ2の周壁部15の先端部に受けられる第2接触面35a,35bと、コネクタ2の周壁部15の外側面に受けられる第3接触面36a,36bと、コネクタ2の周壁部15の係合凸部15e,15eに嵌合する係合孔部37a,37bと、を含んでいる。
【0076】
第1接触面34a,34b,34c,34dは、平坦面であり、ハウジング11の周壁部15を取り囲んでいる。第1接触面34a,34bは、第1分割体21に形成されている。これらの第1接触面34a,34bは、長さ方向X1に離隔して配置されてL字状に形成されており、厚み方向Z1に沿って延びている。
【0077】
また、第1接触面34c,34dは、第2分割体22に形成されている。これらの第1接触面34c,34dは、長さ方向X1に離隔して配置されてL字状に形成されており、厚み方向Z1に沿って延びている。第1接触面34c,34dは、対応する第1接触面34a,34bと長さ方向X1に沿って直線上に並んでいる。
【0078】
第2接触面35aは、第1分割体21に形成されている。この第2接触面35aは、第1分割体21のうち、第1合わせ面23の第3部分23cに隣接するリブ状部分38a、第8部分23hに隣接するリブ状部分38b、および、第1分割体21に形成されこれらのリブ状部分38a,38bの一端部同士を接続するリブ状部分38cに形成されており、周壁部15側を向いている。この第2接触面35aは、U字状に形成されており、周壁部15の第1側壁部15a,15aのうちの長さ方向X1の略半分の先端面と、一方の第2側壁部15cの先端面に接触している。
【0079】
第2接触面35bは、第2分割体22に形成されている。この第2接触面35bは、第2分割体22のうち、第2合わせ面24の第3部分24cに隣接するリブ状部分38d、第8部分24hに隣接するリブ状部分38e、および、第2分割体22に形成されこれらのリブ状部分38d,38eの一端部同士を接続するリブ状部分38fに形成されており、周壁部15側を向いている。この第2接触面35bは、U字状に形成されており、周壁部15の第1側壁部15a,15aのうちの長さ方向X1の残りの略半分の先端面と、他方の第2側壁部15cの先端面に接触している。
【0080】
上記の構成により、第2接触面35a,35bは、全体として周壁部15の先端面の形状に合致する矩形状の平坦面を形成しており、当該先端部に受けられている。高さ方向Y1において、第1接触面34a,34b,34c,34dと第2接触面35a,35bとの間に、第3接触面36a,36bが配置されている。
【0081】
第3接触面36a,36bは、全体として、周壁部15の外側面を取り囲む形状に形成されている。第3接触面36aは、第1分割体21に形成されている。この第3接触面36aは、U字状に形成されており、周壁部15の第1側壁部15a,15aのうちの長さ方向X1の略半分の部分の外側面と、一方の第2側壁部16cの外側面に接触している。
【0082】
第3接触面36bは、第2分割体22に形成されている。この第3接触面36bは、U字状に形成されており、周壁部15の第1側壁部15a,15aのうちの長さ方向X1の残りの略半分の部分の外側面と、他方の第2側壁部16cの外側面と接触している。
【0083】
係合孔部37a,37bは、厚み方向Z1におけるケーブルカバー4の両端部に形成されている。係合孔部37aは、第1分割体21の底壁21cに形成されてケーブルカバー4を貫通している。また、係合孔部37bは、第2分割体22の底壁22cに形成されてケーブルカバー4を貫通している。係合孔部37a,37bは、長さ方向X1に細長く形成されている。各係合孔部37a,37bは、周壁部15の対応する係合凸部15e,15eに挿入されることで、これらの係合凸部15e,15eに嵌合している。
【0084】
上記の構成により、第1分割体21の第1合わせ面23と第2分割体22の第2合わせ面24とが互いに接触するようにこれらの分割体21,22が組み合わされると、ケーブルカバー4は、コネクタ2のハウジング11に固定される。このとき、固定部28の第1接触面34a,34b,34c,34dがカバー接続部14の対向縁部16に受けられるとともに、第2接触面35a,35bがカバー接続部14の周壁部15の上端部に受けられる。また、第3接触面36a,36bが周壁部15の外側面に嵌合する。さらに、係合孔部37a,37bがカバー接続部14の対応する係合凸部15e,15eに嵌合している。このように、固定部28は、周壁部15を取り囲むとともに、コネクタ2の係合孔部37a,37bに嵌合することで、コネクタ2のカバー接続部14に固定される。
【0085】
ケーブルカバー4内には、固定部28からチューブ保持部31にかけて、各ケーブル3a,3b,3cの少なくとも一部を収容するケーブル通路27が形成されている。ケーブル通路27は、第1分割体21と第2分割体22の双方に形成されており、各分割体21,22を、対応する合わせ面23,24から窪んだ形状に形成することで、当該ケーブル通路27が設けられている。ケーブル通路27は、厚み方向Z1に並ぶ各ケーブル3a,3b,3cが当該ケーブル通路27内での位置調整を可能な大きさに形成されている。
【0086】
ケーブル通路27は、第1通路部41と、第2通路部42と、曲げ通路部43と、を有している。
【0087】
第1通路部41は、各ケーブル3a,3b,3cの第1直線状部8のうち、ケーブルカバー4内に位置する部分を収容するために設けられている。この第1通路部41は、第1分割体21および第2分割体22の合わせ面23,24の第2部分23b,24bと、第7部分23g,24gと、の間に形成されている。第1通路部41は、高さ方向Y1に沿って延びている。第1通路部41のうち、高さ方向Y1の一端部が、ケーブルカバー4の外部に開放されており、ケーブル3a,3b,3cを受容れる開口部を形成している。第1通路部41には、通路区画部29が設けられている。
【0088】
通路区画部29は、第1通路部41の一部を形成するために設けられている。また、通路区画部29は、ケーブルカバー4に振動が作用したときに、第1分割体21と第2分割体22との間で振動が生じることを抑制するために設けられている。通路区画部29は、第1通路部41のうち固定部28に隣接している。
【0089】
通路区画部29は、一対の凸部44a,44bと、これら一対の凸部44a,44bに圧入などによって嵌合する一対の凹部45a,45bと、を有している。
【0090】
一対の凸部44a,44bは、一対の分割体21,22の何れか一方としての第2分割体22に形成されている。一方の凸部44aは、第2分割体22の第1側壁22aの内側面から第1分割体21側に延びている。他方の凸部44bは、第2分割体22の第2側壁22bの内側面から第1分割体21側に延びている。各凸部44a,44bは、高さ方向Y1に細長い凸条に形成されている。
【0091】
一対の凹部45a,45bは、一対の分割体21,22の何れか他方としての第1分割体21に形成されている。一方の凹部45aは、第1分割体21の第1側壁21aに形成されている。より具体的には、第1分割体21には、第1側壁21aの内側面に、U字状の囲い部46aが形成されており、この囲い部46aと第1側壁21aとで、一方の凹部45aが形成されている。囲い部46aは、第1分割体21の底壁21cから第2分割体22側に向けて延びている。また、囲い部46aは、コネクタ2のリブ18に受けられている。
【0092】
他方の凹部45bは、第1分割体21の第2側壁21bに形成されている。より具体的には、第1分割体21には、第2側壁21bの内側面に、U字状の囲い部46bが形成されており、この囲い部46bと第2側壁21bとで、他方の凹部45bが形成されている。囲い部46bは、第1分割体21の底壁21cから第2分割体22側に向けて延びている。また、囲い部46bは、コネクタ2のリブ18に受けられている。上記の構成を有する第1通路部41は、曲げ通路部43に連続している。
【0093】
曲げ通路部43は、各ケーブル3a,3b,3cの曲げ部9が収容される部分として設けられている。この曲げ通路部43は、第1分割体21および第2分割体22の合わせ面23,24における第4部分23d,24dと、第7部分23g,24gと、第8部分23h,24hと、の間に形成されている。曲げ通路部43は、略90°曲がったL字状の通路を形成している。上記の構成を有する曲げ通路部43は、第2通路部42と連続している。
【0094】
第2通路部42は、各ケーブル3a,3b,3cの第2直線状部10の一部が収容される部分として設けられている。この第2通路部42は、各合わせ面23,24の第5部分23e,24eと、第9部分23i,24iとの間に形成されている。第2通路部42は、長さ方向X1に沿って延びている。第2通路部42のうち、長さ方向X1の一端部が、チューブ用開口部26を形成している。第2通路部42には、チューブ保持部31が形成されている。そして、第2通路部42は、コルゲートチューブ5に収容された状態の各ケーブル3a,3b,3cの第2直線状部10を収容している。
【0095】
チューブ保持部31は、第2通路部42のチューブ用開口部26側に配置されている。チューブ保持部31は、複数の環状部47を有している。
【0096】
環状部47は、コルゲートチューブ5の小径部5cが嵌め込まれる部分として設けられている。環状部47は、複数(本実施形態では、たとえば、3つ)設けられており、これらの環状部47が長さ方向X1に離隔して並んでいる。各環状部47は、第1分割体21に形成された半円状部47aと、第2分割体22に形成された半円状部47bと、を有しており、これらの半円状部47a,47bが互いに組合わされることで環状部47が形成されている。
【0097】
各半円状部47aは、第1分割体21の第1側壁21a、第2側壁21b、および、底壁21cで囲まれた空間に配置されており、これら第1側壁21a、第2側壁21b、および、底壁21cによって支持されている。同様に、各半円状部47bは、第2分割体22の第1側壁22a、第2側壁22b、および、底壁22cで囲まれた空間に配置されており、これら第1側壁22a、第2側壁22b、および、底壁22cによって支持されている。
【0098】
1つの環状部47は、ケーブルカバー4の一端に配置されており、コルゲートチューブ5が通過するチューブ用開口部26を形成している。各環状部47に、コルゲートチューブ5の対応する小径部5cが嵌め込まれている。上記の構成を有するチューブ保持部31に隣接して、ケーブルカバー4にケーブルサポート部30が設けられている。
【0099】
ケーブルサポート部30は、各ケーブル3a,3b,3cのうち、曲げ部9と、第2直線状部10のうち曲げ部9に隣接する箇所として曲げ隣接部10aと、を受けるために設けられている。ケーブルサポート部30は、長さ方向X1において、概ね、1つのケーブル3a,3b,3cの直径の約2倍程度の長さを有している。
【0100】
図5、
図6、
図9〜
図12を参照して、ケーブルサポート部30は、保持凹部51と、保持凹部51に嵌められる押さえ部52と、保持凹部51に隣接するようにして第1通路部41に配置される直線ガイド部53と、を有している。
【0101】
保持凹部51は、本実施形態では、一対の分割体21,22の一方としての第1分割体21に設けられている。保持凹部51は、ケーブル通路27のうち曲げ通路部43と第2通路部42との境界近傍に配置されている。保持凹部51は、長さ方向X1に沿って見たときにおいて、U字状に形成され第2分割体22側に向けて開放されている。保持凹部51は、チューブ保持部31と長さ方向X1に並んでいる。
【0102】
保持凹部51は、底部55と、内側柱部56と、外側柱部57と、これら底部55、内側柱部56および外側柱部57に形成された受け部58と、を有している。
【0103】
底部55は、第1分割体21の第1側壁21a、第2側壁21b、および、底壁21cに取り囲まれており、これら第1側壁21a、第2側壁21b、および、底壁21cに支持されている。底部55は、半円状に窪んだ形状に形成されている。底部55の一部は、各ケーブル3a,3b,3cの曲げ部9の湾曲形状の内側部分に配置されている。底部55のうち、高さ方向Y1の一端部から、内側柱部56が第2分割体22側に延びている。
【0104】
内側柱部56は、分割体21,22の合わせ面23,24のうち第7部分23g,24gの間、および、第9部分23i,24iの間に各ケーブル3a,3b,3cが挟まれることを抑制するために設けられている。また、内側柱部56は、各分割体21,22とコルゲートチューブ5の一端部5aとの間に各ケーブル3a,3b,3cが挟まれることを抑制するために設けられている。内側柱部56は、第1分割体21の第1合わせ面23の第9部分23iに隣接しており、この第9部分23iから第2分割体22側に突出している。
【0105】
内側柱部56は、各ケーブル3a,3b,3cの曲げ部9に対して、曲げ中心(曲率中心)が配置されている内側に配置されている。すなわち、内側柱部56は、各ケーブル3a,3b,3cの曲げ部9の曲げ形状の内側部分に配置されており、曲げ部9に接触している。また、内側柱部56とコルゲートチューブ5の一端部5aとの間の隙間は、コルゲートチューブ5の直径未満に設定されている。この内側柱部56は、コネクタ2へケーブルカバー4が取り付けられた状態において、ケーブル3a,3b,3cの曲げ部9および曲げ隣接部10aに接触するように配置されている。外側柱部57と、内側柱部56とは、高さ方向Y1において、ケーブル3a,3b,3cの直径よりも大きい距離を隔てて並んでいる。
【0106】
厚み方向Z1から見て、内側柱部56は、外側柱部57と高さ方向Y1に対称に配置されている。外側柱部57は、底部55のうち、高さ方向Y1の他端部から、第2分割体22側に延びている。
【0107】
外側柱部57は、分割体21,22の合わせ面23,24の第5部分23e,24e間に各ケーブル3a,3b,3cが挟まれることを抑制するために設けられている。また、外側柱部57は、各分割体21,22とコルゲートチューブ5の一端部5aとの間に各ケーブル3a,3b,3cが挟まれることを抑制するために設けられている。外側柱部57は、第1分割体21の第1合わせ面23の第5部分23eに隣接しており、この第5部分23eから第2分割体22側に突出している。
【0108】
外側柱部57は、各ケーブル3a,3b,3cの曲げ部9に対して、曲げ中心(曲率中心)が配置されている内側とは反対側の外側に配置されている。外側柱部57とコルゲートチューブ5の一端部5aとの間の隙間は、コルゲートチューブ5の直径未満に設定されている。底部55からの内側柱部56の突出量は、底部55から外側柱部57の突出量よりも大きい。
【0109】
上記の構成を有する内側柱部56、底部55、および、外側柱部57は、全体として、ケーブル3a,3b,3c側を向くU字状の内側面59を形成している。このU字状の内側面59においては、当該U字形状に沿って、内側柱部56から底部55を通って外側柱部57に至る進行方向の各部において、当該進行方向と直交する断面形状が、同一に形成されている。
【0110】
保持凹部51の内側面59は、受け部58を含んでいる。受け部58は、各ケーブル3a,3b,3cの曲げ部9および第2直線状部10を受けるために設けられている。この受け部58は、曲げ通路部43における各ケーブル3a,3b,3cの進行方向に沿って曲面状に延び、且つ、曲げ部9における曲げ形状の内側部分を受けることが可能に構成されている。受け部58は、厚み方向Z1(すなわち、合わせ面23,24が対向する対向方向)において、第1分割体21の第1合わせ面23から第2分割体22に向けて突出している。
【0111】
また、厚み方向Z1から見て、受け部58は、第1合わせ面23の位置から、ケーブル通路27の内側に進んだ箇所に配置されている。より具体的には、受け部58は、第1合わせ面23のうち第7部分23gおよび第9部分23iで区切られたL字状部分に対して、ケーブル通路27の内側に配置されている。
【0112】
受け部58は、曲線状部61と、直線状部62と、を含んでいる。
【0113】
曲線状部61は、各ケーブル3a,3b,3cの曲げ部9に接触可能な部分として設けられている。曲線状部61は、受け部58のうち内側柱部56から底部55を通って外側柱部57へ向かう進行方向と直交する断面において、ケーブル3a,3b,3cの曲げ部9における曲げの内側部分における曲率半径と略同じ曲率半径を有する、1/4円形状に形成されている。これにより、各ケーブル3a,3b,3cのうち受け部58の曲線状部61に受けられている部分は、略90°の曲げ形状に維持されている。そして、曲線状部61のうちチューブ保持部31寄りの端部が、直線状部62に連続している。
【0114】
直線状部62は、長さ方向X1に沿って真っ直ぐに延びる部分として設けられている。直線状部62は、ケーブル3a,3b,3cの第2直線状部10の曲げ隣接部10aの外周面を受けている。この構成により、ケーブル3a,3b,3cは、コルゲートチューブ5内の空間にスムーズに入ることができる。上記の構成を有する保持凹部51に隣接して、直線ガイド部53が設けられている。
【0115】
直線ガイド部53は、内側柱部56に隣接して配置されたL字状のL字状の柱部分63の表面に形成された部分である。第1合わせ面23からの柱部分63の高さは、第1合わせ面23からの内側柱部56の高さよりも低く設定されている。直線ガイド部53は、第1合わせ面23から突出するようにして第2分割体22側に向けて延びている。直線ガイド部53は、長さ方向X1と平行に延びる平坦面に形成されている。この直線ガイド部53は、各ケーブル3a,3b,3cの第1直線状部8のうち曲げ部9の近傍の箇所を受けるように構成されている。
【0116】
また、保持凹部51の内側柱部56と外側柱部57との間に、押さえ部52が配置されている。押さえ部52は、各ケーブル3a,3b,3cのうち保持凹部51に収容された部分が保持凹部51から外れないようにするために設けられている。保持凹部51は、第2分割体22の底壁22cのうち、保持凹部51と向かい合う部分に設けられた突起状部分である。押さえ部52のうち、保持凹部51側を向く先端面は、底壁22c側に向けて窪んだ円弧状に形成されている。
【0117】
図1、
図3、
図6および
図9を参照して、上記の構成を有する保持凹部51の内側柱部56の先端部は、第2分割体22に形成された嵌合孔部32に嵌合される。嵌合孔部32は、第2分割体22のうち内側柱部56と対向する箇所に形成されており、厚み方向Z1から見て、内側柱部56の外形形状に対応する形状に形成されている。各分割体21,22の合わせ面23,24が互いに合わされた状態において、内側柱部56は、嵌合孔部32に圧入固定されている。なお、内側柱部56と嵌合孔部32とは、すきまばめによって嵌合されていてもよい。また、外側柱部57の先端部は、第2分割体22の第1側壁22aと押さえ部52との間に挟まれている。
【0118】
また、ケーブルカバー4には、ケーブル通路27内に水分が浸入したときに当該水分を排出するための水抜き孔部33a,33bが形成されている。水抜き孔部33aは、第1分割体21の底壁21cのうち、保持凹部51と長さ方向X1に並ぶように配置されており、本実施形態では、高さ方向Y1に細長く延びる貫通孔によって形成されている。この水抜き孔部33aは、第1側壁21aに隣接している。この水抜き孔部33aと厚み方向Z1に並ぶようにして、水抜き孔部33bが配置されている。水抜き孔部33bは、第2分割体22の底壁22cに形成されており、本実施形態では、高さ方向Y1に細長く延びる貫通孔によって形成されている。
【0119】
ケーブルカバー4は、一対の分割体21,22を互いに固定するロック機構65を有している。
【0120】
ロック機構65は、第2分割体22に形成された複数のロック爪部66a〜66eと、第1分割体21に形成され対応するロック爪部66a〜66eに結合されるロック片部67a〜67eと、を有している。
【0121】
各ロック爪部66a〜66eは、たとえば、U字状に形成されており、第1分割体21側に向けて延びる一対の片部と、これら一対の片部の先端部間を繋ぐ先端部と、を有している。ロック爪部66a〜66eは、厚み方向Z1から見て、第2分割体22の外周部に間隔を隔てて配置されている。ロック爪部66a,66bは、それぞれ、固定部28に隣接する箇所において、第1側壁21aおよび第2側壁21bに設けられている。ロック爪部66cは、第1側壁22aのうち、第1合わせ面23の第4部分23dが形成されている箇所に隣接している。ロック爪部66d,66eは、それぞれ、チューブ保持部31に隣接する箇所において、第1側壁22aおよび第2側壁22bに設けられている。
【0122】
各ロック片部67a〜67eは、第1分割体21の外側面に形成された突起状部分であり、対応するロック爪部66a〜66eの先端部を受けることで、当該ロック爪部66a〜66eに結合されている。
【0123】
以上説明したように、本実施形態によると、一対の分割体21,22が互いに組み合わされる際、ケーブル3a,3b,3cは、受け部58に受けられた状態で、一対の分割体21,22内に配置されることが可能である。これにより、一対の分割体21,22が互いに組み合わされる際、一対の合わせ面23,24の間に各ケーブル3a,3b,3cが配置されてしまうことを抑制できる。よって、ケーブルカバー4の組立時に各ケーブル3a,3b,3cが噛み込まれてしまうことを抑制できる。また、受け部58は、曲げ通路部43における各ケーブル3a,3b,3cの進行方向に沿って曲面状に延び且つ曲げ部9における曲げの内側部分を受けることが可能に構成されている。このように、受け部58は、各ケーブル3a,3b,3cの曲げ形状に沿って延びるように配置される。よって、各ケーブル3a,3b,3cと受け部58とが接触したときにおいて、受け部58は、各ケーブル3a,3b,3cの曲げ部9のより広い範囲を受けることができるので、各ケーブル3a,3b,3cの曲げ部9に高い応力が生じることを抑制できる。これにより、受け部58から各ケーブル3a,3b,3cに作用する負荷を低減できる。以上の次第で、ケーブルカバー4の組立時に各ケーブル3a,3b,3cを噛み込むことを抑制するとともに、ケーブルカバー4内において各ケーブル3a,3b,3cに作用する負荷を低減できる。
【0124】
また、本実施形態によると、受け部58は、第1分割体21に形成されるとともに、第1分割体21の第1合わせ面23から第2分割体22側に突出している。この構成によると、一対の分割体21,22が互いに組み合わされる際、比較的早いタイミングで、受け部58が第2分割体22側の空間に進入することとなる。これにより、一対の合わせ面23,24が互いに合わせられるタイミングよりも早いタイミングで、受け部58が、一対の合わせ面23,24間へのケーブル3a,3b,3cの進入を抑制する障壁として機能することができる。その結果、一対の合わせ面23,24によってケーブル3a,3b,3cが挟まれてしまうことを、より確実に抑制できる。
【0125】
また、本実施形態によると、受け部58は、第1合わせ面23の位置からケーブル通路27の内側に進んだ箇所に配置されている。この構成によると、受け部58は、各合わせ面23,24からより離隔された箇所において、各ケーブル3a,3b,3cを受けることができる。これにより、各ケーブル3a,3b,3cが一対の合わせ面23,24間に挟まれることを、より確実に抑制できる。
【0126】
また、本実施形態によると、一対の合わせ面23,24が互いに合わされた状態において、受け部58が形成された内側柱部56は、第2分割体22の嵌合孔部32に嵌合される。すなわち、一対の分割体21,22が正常に組み合わされたときに、内側柱部56が嵌合孔部32に嵌合されることとなる。一方、一対の分割体21,22の合わせ面23,24間にケーブル3a,3b,3cの何れかが挟まったときなどにおいては、一対の分割体21,22を正常に組み合わせることができず、内側柱部56が嵌合孔部32に対して正規の位置での嵌合を不能となる。よって、内側柱部56と嵌合孔部32との嵌合状態の確認を通じて、一対の分割体21,22が正常に組み合わされているか否かを、たとえば作業員が目視で確認できる。すなわち、一対の合わせ面23,24の間にケーブル3a,3b,3cが噛み込まれるなどの不正常な組み付け状態が発生した場合に、この不具合を、より確実に作業員に報知できる。
【0127】
また、本実施形態によると、内側柱部56は、嵌合孔部32に圧入固定されている。この構成によると、受け部58が形成されている内側柱部56と嵌合孔部32との嵌合によって、一対の分割体21,22の結合強度をより高くできる。
【0128】
また、本実施形態によると、ケーブルカバー4の通路区画部29における凸部44a,44bと対応する凹部45a,45bとの嵌合によって、一対の分割体21,22の結合強度をより高くできる。また、凸部44a,44bと対応する凹部45a,45bとの嵌合によって、一対の分割体21,22のうち、互いに接触する部分をより多くできる。これにより、一対の分割体21,22間で振動が生じることをより確実に抑制できる。よって、特に、振動が生じる箇所に好適なケーブルカバー4を実現できる。
【0129】
以上、本発明の実施形態について説明したけれども、本発明は上述の実施の形態に限られず、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能である。たとえば、次のように変更して実施してもよい。
【0130】
(1)上述の本実施形態では、各ケーブル3a,3b,3cが約90°曲げられた状態で配置される形態であったけれども、この通りでなくてもよい。各ケーブル3a,3b,3cの曲げ角度は、90°未満であってもよいし、90°より大きくてもよい。
【0131】
(2)また、上述の実施形態では、ケーブルカバー4がコネクタ2のハウジング11に固定される形態を例に説明した。しかしながら、この通りでなくてもよい。たとえば、ケーブルカバー4は、コネクタ2に固定されていなくてもよい。
【0132】
(3)また、受け部58を、第1分割体21に代えて第2分割体22に形成してもよい。
【0133】
(4)また、通路区画部29の凸部44a,44bを第1分割体21に形成するとともに、凹部45a,45bを第2分割体22に形成してもよい。
【0134】
(5)また、上述の実施形態では、ケーブルカバー4に種々の構成が備えられている形態を例に説明した。しかしながら、この通りでなくてもよい。ケーブルカバーは、少なくとも、一対の分割体と、ケーブル通路と、受け部と、を含んでいればよい。