(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-1179(P2017-1179A)
(43)【公開日】2017年1月5日
(54)【発明の名称】触覚通知通信システム
(51)【国際特許分類】
B25F 5/00 20060101AFI20161209BHJP
G05B 19/418 20060101ALI20161209BHJP
【FI】
B25F5/00 C
G05B19/418 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】25
【出願形態】OL
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2016-117691(P2016-117691)
(22)【出願日】2016年6月14日
(31)【優先権主張番号】14/739,002
(32)【優先日】2015年6月15日
(33)【優先権主張国】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
2.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】500390995
【氏名又は名称】イマージョン コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】IMMERSION CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【弁理士】
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120363
【弁理士】
【氏名又は名称】久保田 智樹
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 洋
(72)【発明者】
【氏名】ジュアン マニュエル クルズ−ヘルナンデス
(72)【発明者】
【氏名】アブデルウェアブ ヘマン
(72)【発明者】
【氏名】ロバート ラクロイ
【テーマコード(参考)】
3C100
【Fターム(参考)】
3C100AA38
3C100CC02
3C100CC03
3C100CC13
3C100CC14
(57)【要約】
【課題】触覚通知メッセージの通信を容易にするシステムを提供する。
【解決手段】本システムは、ネットワーク内の器具から触覚通知メッセージを受信する。この触覚通知メッセージは、器具がイベントを検出したことを示している。本システムは、この触覚通知メッセージがネットワーク内の少なくとも1つの触覚通知デバイスに送信されることを要する触覚通知メッセージであるか否かを更に判断する。本システムは、触覚通知メッセージが少なくとも1つの触覚通知デバイスに送信されることを要する触覚通知メッセージであるとの判断に応答して、ネットワークを用いて触覚通知メッセージを少なくとも1つの触覚通知デバイスに更に送信し、この少なくとも1つの触覚通知デバイスは、この触覚通知メッセージの受信に応答して触覚通知を生成する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサによって実行されると、該プロセッサに触覚通知メッセージの通信を容易にさせる命令が記憶されたコンピューター可読媒体であって、該容易にすることは、
ネットワーク内の1つ又は複数の器具のうちの一器具から触覚通知メッセージを受信することであって、該触覚通知メッセージは、該器具がイベントを検出したことを示すことと、
前記触覚通知メッセージが前記ネットワーク内の1つ又は複数の触覚通知デバイスのうちの少なくとも1つの触覚通知デバイスに送信されることを要する触覚通知メッセージであるか否かを判断することと、
前記触覚通知メッセージが少なくとも1つの触覚通知デバイスに送信されることを要する触覚通知メッセージであるとの判断に応答して、前記ネットワークを用いて前記触覚通知メッセージを前記少なくとも1つの触覚通知デバイスに送信することと、
を含み、
前記少なくとも1つの触覚通知デバイスは、前記触覚通知メッセージの受信に応答して触覚通知を生成する、コンピューター可読媒体。
【請求項2】
前記容易にすることは、
前記1つ又は複数の器具を前記ネットワークに登録することと、
前記1つ又は複数の触覚通知デバイスを前記ネットワークに登録することと、
を更に含む、請求項1に記載のコンピューター可読媒体。
【請求項3】
前記ネットワーク内の前記1つ又は複数の器具を前記登録することは、1つ又は複数の一意の器具識別子を前記1つ又は複数の器具に割り当てることを更に含み、
前記ネットワーク内の前記1つ又は複数の触覚通知デバイスを前記登録することは、1つ又は複数の一意の触覚通知デバイス識別子を前記1つ又は複数の触覚通知デバイスに割り当てることを更に含む、請求項2に記載のコンピューター可読媒体。
【請求項4】
前記触覚通知は触覚効果を含む、請求項1に記載のコンピューター可読媒体。
【請求項5】
前記触覚通知メッセージは通知識別子を含む、請求項4に記載のコンピューター可読媒体。
【請求項6】
前記触覚通知メッセージが少なくとも1つの触覚通知デバイスに送信されることを要する触覚通知メッセージであるか否かを前記判断することは、
前記通知識別子に基づいて前記触覚通知メッセージの通知タイプを判断することと、
前記通知タイプが1つ又は複数の通知タイプの所定のセット内にあるか否かを判断することと、
を更に含む、請求項5に記載のコンピューター可読媒体。
【請求項7】
前記触覚効果は前記通知タイプに基づいている、請求項6に記載のコンピューター可読媒体。
【請求項8】
前記触覚効果は、振動触覚効果、変形触覚効果、又は静電摩擦触覚効果のうちの1つを含む、請求項7に記載のコンピューター可読媒体。
【請求項9】
前記触覚通知メッセージは少なくとも1つの触覚通知デバイス識別子を含む、請求項1に記載のコンピューター可読媒体。
【請求項10】
前記触覚通知メッセージが少なくとも1つの触覚通知デバイスに送信されることを要する触覚通知メッセージであるか否かを前記判断することは、
前記少なくとも1つの触覚通知デバイスが前記少なくとも1つの触覚通知デバイス識別子に基づいて前記ネットワークに登録されているか否かを判断すること、
を更に含む、請求項9に記載のコンピューター可読媒体。
【請求項11】
前記器具も、該器具が前記イベントを検出したことに応答して触覚通知を生成する、請求項1に記載のコンピューター可読媒体。
【請求項12】
前記器具は、電気ドリル、電動ノコギリ、電動釘打ちガン、電動ナイフ、又は電動ハンマーのうちの1つを含む、請求項1に記載のコンピューター可読媒体。
【請求項13】
前記少なくとも1つの触覚通知デバイスは、触覚効果を生成するように構成されたモバイルデバイス、触覚効果を生成するように構成されたウェアラブルデバイス、又は別の器具のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のコンピューター可読媒体。
【請求項14】
前記イベントは、前記器具又は前記器具のコンポーネントの1つ又は複数の特性の変化、目標距離への前記器具の運動、前記器具の所定の距離内での物体の出現、前記器具の対象動作に対する前記器具のコンポーネントのサイズの不一致、又は前記器具の所定の距離内でのユーザーの出現のうちの1つを含む、請求項1に記載のコンピューター可読媒体。
【請求項15】
前記容易にすることは、前記ネットワークを用いて、前記触覚通知メッセージを前記1つ又は複数の器具のうちの少なくとも1つの他の器具に送信することを更に含み、
前記少なくとも1つの他の器具は、前記触覚通知メッセージの受信に応答して触覚通知を生成する、請求項1に記載のコンピューター可読媒体。
【請求項16】
触覚通知メッセージの通信を容易にするコンピューター実施方法であって、該コンピューター実施方法は、
ネットワーク内の1つ又は複数の器具のうちの一器具から触覚通知メッセージを受信することであって、該触覚通知メッセージは、該器具がイベントを検出したことを示すことと、
前記触覚通知メッセージが前記ネットワーク内の1つ又は複数の触覚通知デバイスのうちの少なくとも1つの触覚通知デバイスに送信されることを要する触覚通知メッセージであるか否かを判断することと、
前記触覚通知メッセージが少なくとも1つの触覚通知デバイスに送信されることを要する触覚通知メッセージであるとの判断に応答して、前記ネットワークを用いて前記触覚通知メッセージを前記少なくとも1つの触覚通知デバイスに送信することと、
を含み、
前記少なくとも1つの触覚通知デバイスは、前記触覚通知メッセージの受信に応答して触覚通知を生成する、コンピューター実施方法。
【請求項17】
前記触覚通知は触覚効果を含み、
前記触覚通知メッセージは通知識別子を含み、
前記触覚通知メッセージが少なくとも1つの触覚通知デバイスに送信されることを要する触覚通知メッセージであるか否かを前記判断することは、
前記通知識別子に基づいて前記触覚通知メッセージの通知タイプを判断することと、
前記通知タイプが1つ又は複数の通知タイプの所定のセット内にあるか否かを判断することと、
を更に含む、請求項16に記載のコンピューター実施方法。
【請求項18】
前記触覚効果は、前記通知タイプに基づいており、
前記触覚効果は、振動触覚効果、変形触覚効果、又は静電摩擦触覚効果のうちの1つを含む、請求項17に記載のコンピューター実施方法。
【請求項19】
前記触覚通知メッセージは少なくとも1つの触覚通知デバイス識別子を含み、
前記触覚通知メッセージが少なくとも1つの触覚通知デバイスに送信されることを要する触覚通知メッセージであるか否かを前記判断することは、
前記少なくとも1つの触覚通知デバイス識別子に基づいて前記少なくとも1つの触覚通知デバイスが前記ネットワークに登録されているか否かを判断することと、
を更に含む、請求項16に記載のコンピューター実施方法。
【請求項20】
前記ネットワークを用いて、前記触覚通知メッセージを前記1つ又は複数の器具のうちの少なくとも1つの他の器具に送信することを更に含み、
前記少なくとも1つの他の器具は、前記触覚通知メッセージの受信に応答して触覚通知を生成する、請求項16に記載のコンピューター実施方法。
【請求項21】
触覚通知メッセージの通信を容易にするシステムであって、
触覚通知通信モジュールを記憶するように構成されたメモリと、
前記メモリに記憶された前記触覚通知通信モジュールを実行するように構成されたプロセッサと、
を備え、
前記プロセッサは、前記触覚通知通信モジュールを実行すると、ネットワーク内の1つ又は複数の器具のうちの一器具から触覚通知メッセージを受信するように構成され、前記触覚通知メッセージは、前記器具がイベントを検出したことを示し、
前記プロセッサは、前記触覚通知通信モジュールを実行すると、前記触覚通知メッセージが前記ネットワーク内の1つ又は複数の触覚通知デバイスのうちの少なくとも1つの触覚通知デバイスに送信されることを要する触覚通知メッセージであるか否かを判断するように更に構成され、
前記プロセッサは、前記触覚通知通信モジュールを実行すると、前記触覚通知メッセージが少なくとも1つの触覚通知デバイスに送信されることを要する触覚通知メッセージであるとの判断に応答して、前記ネットワークを用いて前記触覚通知メッセージを前記少なくとも1つの触覚通知デバイスに送信するように更に構成され、
前記少なくとも1つの触覚通知デバイスは、前記触覚通知メッセージの受信に応答して触覚通知を生成する、システム。
【請求項22】
前記触覚通知は触覚効果を含み、
前記触覚通知メッセージは通知識別子を含み、
前記プロセッサは、前記触覚通知通信モジュールを実行すると、前記通知識別子に基づいて前記触覚通知メッセージの通知タイプを判断するように更に構成され、
前記プロセッサは、前記触覚通知通信モジュールを実行すると、前記通知タイプが1つ又は複数の通知タイプの所定のセット内にあるか否かを判断するように更に構成されている、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記触覚効果は、前記通知タイプに基づいており、
前記触覚効果は、振動触覚効果、変形触覚効果、又は静電摩擦触覚効果のうちの1つを含む、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記触覚通知メッセージは、少なくとも1つの触覚通知デバイス識別子を含み、
前記プロセッサは、前記触覚通知通信モジュールを実行すると、前記少なくとも1つの触覚通知デバイスが前記少なくとも1つの触覚通知デバイス識別子に基づいて前記ネットワークに登録されているか否かを判断するように更に構成されている、請求項21に記載のシステム。
【請求項25】
前記プロセッサは、前記触覚通知通信モジュールを実行すると、前記ネットワークを用いて、前記触覚通知メッセージを前記1つ又は複数の器具のうちの少なくとも1つの他の器具に送信するように更に構成され、
前記少なくとも1つの他の器具は、前記触覚通知メッセージの受信に応答して触覚通知を生成する、請求項21に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1つの実施の形態は、包括的には、システムを対象とし、より詳細には、通知メッセージをデバイスに通信するシステムを対象とする。
【背景技術】
【0002】
電動器具を伴う状況において、電動器具は、その環境内のイベントを検出し、当該電動器具のユーザーにそのイベントを通知する機能を有することができる。例えば、電気ドリルは、そのバッテリーがまもなく切れることを検出することができ、視覚通知(電気ドリルの取っ手内に視覚表示を表示すること等)又は聴覚通知(可聴ビープ雑音を出力すること等)を用いて低バッテリーをユーザーに通知することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、通知をユーザーに提供することは、そのユーザー及び現在そのユーザーの手にある特定の電動器具に非常に限定されたものとなる可能性がある。さらに、通知を必要とするそれぞれ異なるユーザー嗜好、それぞれ異なる器具、及びそれぞれ異なるイベントが存在するときに、問題が生じる可能性がある。様々な通知を配信及び出力のために抽象化することは困難である可能性がある。さらに、これらの問題は、電動器具によってその環境内で検出されたイベントを複数のユーザーに同時に通知することが必要である場合に、より複雑になる可能性がある。さらにまた、聴覚通知又は視覚通知がユーザーに役立たない状況(例えば、騒音環境又はそれ以外の混沌とした環境)が存在する可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
1つの実施の形態は、触覚通知メッセージの通信を容易にするシステムである。本システムは、ネットワーク内の器具から触覚通知メッセージを受信する。この触覚通知メッセージは、器具がイベントを検出したことを示している。本システムは、この触覚通知メッセージがネットワーク内の少なくとも1つの触覚通知デバイスに送信されることを要する触覚通知メッセージであるか否かを更に判断する。本システムは、触覚通知メッセージが少なくとも1つの触覚通知デバイスに送信されることを要する触覚通知メッセージであるとの判断に応答して、ネットワークを用いて触覚通知メッセージを少なくとも1つの触覚通知デバイスに更に送信し、この少なくとも1つの触覚通知デバイスは、この触覚通知メッセージの受信に応答して触覚通知を生成する。
【0005】
更なる実施形態、詳細、利点、及び変更は、添付図面とともに取り入れられる好ましい実施形態の以下の詳細な説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本発明の1つの実施形態による触覚通知通信システムを示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態による電動器具と触覚通知デバイスとの間の通信を示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態による触覚通知通信モジュールの機能のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
1つの実施形態では、触覚通知通信システムが提供される。この触覚通知通信システムは、電動器具が、通知(すなわち、「触覚通知」)としての機能を果たすことができる触覚効果をユーザーに提供するために、当該電動器具の1人又は複数人のユーザーと通信することができる相互接続された電動器具の枠組みを提供することができる。触覚通知は、触覚通知デバイス又は電動器具自体を用いてユーザーに提供することができる。触覚通知通信システム、電動器具及び/又は触覚通知デバイスは、コンピューターネットワーク又は他の或るタイプのデータネットワーク等のネットワークを介して互いに動作可能に接続することができる。電動器具は、それらの環境を検出することができるとともに、ネットワークを介して触覚通知メッセージを触覚通知通信システムに更に提供することができる「知的」電動器具とすることができる。
【0008】
触覚通知通信システムは、その後、触覚通知メッセージを触覚通知デバイスに送信することができ、触覚通知デバイスは、振動触覚効果、変形触覚効果、又は静電摩擦触覚効果等の触覚効果を生成することができる。代替的に又は付加的に、触覚通知通信システムは、触覚通知メッセージを他の電動器具に送信することができ、これらの他の電動器具も、振動触覚効果、変形触覚効果、又は静電摩擦触覚効果等の触覚効果を生成することができる。触覚通知通信システムは、電動器具から受信された触覚通知メッセージが触覚通知デバイス及び/又は電動器具に伝播されるべきタイプの触覚通知メッセージであるか否かを更に判断することができる。触覚通知通信システムは、触覚通知メッセージがどの触覚通知デバイス及び/又は電動器具に伝播されるのかも判断することができる。
【0009】
したがって、1つの実施形態では、第1の電動器具が、当該第1の電動器具が通知を第1のユーザー及び第2のユーザーに提供すべきイベントを検出する。第1のユーザー及び第2のユーザーはそれぞれ、ネットワークに登録されたデバイスを有する。一例として、第1のユーザーは、ネットワークに登録された第2の電動器具を有し、第2のユーザーは、ネットワーク内で登録されたウェアラブルデバイスを有する。第1の電動器具は、第1のユーザーの第2の電動器具と第2のユーザーのウェアラブルデバイスとに触覚通知メッセージを送信する。第2の電動器具及びウェアラブルデバイスはそれぞれ、触覚通知メッセージを受信し、触覚通知メッセージ内に含まれる通知識別子を識別し、触覚通知(例えば、触覚効果)を生成する。第1のユーザーは、第2の電動器具を通じてこの触覚通知を体験し、第2のユーザーは、ウェアラブルデバイスを通じてこの触覚通知を体験する。
【0010】
例えば、一例示の実施形態によれば、電動器具(例えば、電気ドリル)は、そのバッテリーの電力がまもなく切れることを検出する。電動器具は、ネットワークを介して触覚通知メッセージを触覚通知通信システムに送信する。この触覚通知メッセージは、電動器具のバッテリーの電力がまもなく切れることをユーザーに通知し、この触覚通知メッセージは、第1のユーザー及び第2のユーザーに送信されるように意図されている。触覚通知通信システムは、この触覚通知メッセージが第1のユーザー及び第2のユーザーに伝播されるべきタイプの触覚通知メッセージであると判断することができる。触覚通知通信システムは、第1のユーザー及び第2のユーザーがそれぞれ、ネットワーク上で登録された触覚通知デバイスを有すると更に判断することができ、第1のユーザーは、ウェアラブルデバイスである触覚通知デバイスから触覚通知を受け取ることを好み、第2のユーザーは、モバイルデバイスである触覚通知デバイスから触覚通知を受け取ることを好む。
【0011】
触覚通知通信システムは、その後、ネットワークを介して触覚通知メッセージを第1のユーザーに送信し、第1のユーザーは、ウェアラブルデバイスである触覚通知デバイスを介して触覚通知を受け取る。より具体的に言えば、ウェアラブルデバイスは、触覚通知メッセージを受信し、この受信された触覚通知メッセージに基づいて触覚効果を生成し、この触覚効果は、検出されたイベントを第1のユーザーに通知する。触覚通知通信システムは、ネットワークを介して触覚通知メッセージを第2のユーザーに更に送信し、第2のユーザーは、モバイルデバイスである触覚通知デバイスを介して触覚通知を受け取る。より具体的に言えば、モバイルデバイスは、触覚通知メッセージを受信し、この受信された触覚通知メッセージに基づいて触覚効果を生成し、この触覚効果は、検出されたイベントを第2のユーザーに通知する。
【0012】
別の例として、別の例示の実施形態によれば、電動器具(例えば、電気パン)は、当該電動器具が始動されてから所定の所要時間(例えば、10分)が経過したことを検出する。電動器具は、ネットワークを介して触覚通知メッセージを触覚通知通信システムに送信する。この触覚通知メッセージは、所定の所要時間が満了したことをユーザーに通知するとともに、電動器具がオフにされない場合には食物が焦げるおそれがあることを更に示し、この触覚通知メッセージは、第1のユーザー及び第2のユーザーに送信されるように意図されている。
【0013】
触覚通知通信システムは、上記触覚通知メッセージが第1のユーザー及び第2のユーザーに伝播されるべきタイプの触覚通知メッセージであると更に判断することができる。触覚通知通信システムは、ネットワークを介して触覚通知メッセージを第1のユーザーに送信し、第1のユーザーは、ウェアラブルデバイスである触覚通知デバイスを介して触覚通知を受け取る。より具体的に言えば、ウェアラブルデバイスは、触覚通知メッセージを受信し、この受信された触覚通知メッセージに基づいて触覚効果を生成し、この触覚効果は、検出されたイベントを第1のユーザーに通知する。触覚通知通信システムは、ネットワークを介して触覚通知メッセージを第2のユーザーに更に送信し、第2のユーザーは、触覚通知を別の電動器具(例えば、電動ナイフ(electric knife:電気メス)を介して受け取る。より具体的に言えば、電動器具は、触覚通知メッセージを受信し、この受信された触覚通知メッセージに基づいて触覚効果を生成し、この触覚効果は、検出されたイベントを第2のユーザーに通知する。
【0014】
別の例として、別の例示の実施形態によれば、第1の作業者が、電動器具(例えば、電気ドリル)を用いて木材の内部に穴を作製している。この木材は、予想されるほど厚くなく、電動器具のコンポーネント(例えば、電気ドリルのドリルビット)は、木材をまもなく貫通するところである。さらに、第2の作業者が、その木材の背後に立っている。電動器具は、触覚通知メッセージをネットワークに送信し、当該電動器具及び第2のユーザーのウェアラブル触覚通知デバイスに触覚通知を生成させる。第1の作業者及び第2の作業者の双方が触覚通知を受け取る。第1の作業者は、電動器具を介して触覚通知を受け取る。第2の作業者は、ウェアラブル触覚通知デバイスを介して触覚通知を受け取る。
【0015】
図1は、本発明の1つの実施形態による触覚通知通信システム10の図を示している。触覚通知通信システム10は、以下でより詳細に説明するように、触覚通知メッセージの通信を容易にする機能を提供するサーバー等の任意のタイプのコンピューターシステムとすることができる。単一のシステムとして示されているが、触覚通知通信システム10の機能は、分散システムとして実施することができる。触覚通知通信システム10は、情報を処理するように構成されたプロセッサ11を備え、プロセッサ11は、情報を通信するように構成されたバス又は他の通信メカニズム(
図1に図示せず)に結合することができる。プロセッサ11は、任意のタイプの汎用プロセッサ又は専用プロセッサとすることができる。触覚通知通信システム10は、情報と、プロセッサ11によって実行される命令とを記憶するメモリ14を更に備える。メモリ14は、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)、読み出し専用メモリ(「ROM」)、磁気ディスク若しくは光ディスク等のスタティック記憶装置、又は他の任意のタイプのコンピューター可読媒体の任意の組み合わせで構成することができる。
【0016】
コンピューター可読媒体は、プロセッサ11がアクセスすることができる任意の利用可能な媒体とすることができ、揮発性媒体及び不揮発性媒体の双方、着脱可能媒体及び着脱不能媒体の双方、通信媒体、並びに記憶媒体を含むことができる。通信媒体は、コンピューター可読命令、データ構造体、プログラムモジュール、又は搬送波等の変調データ信号若しくは他の搬送メカニズムによる他のデータを含むことができ、当該技術分野において知られている他の任意の形態の情報配信媒体を含むことができる。記憶媒体は、RAM、フラッシュメモリ、ROM、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(「EPROM」)、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(「EEPROM」)、レジスタ、ハードディスク、着脱可能ディスク、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(「CD−ROM」)、又は当該技術分野において知られている他の任意の形態の記憶媒体を含むことができる。
【0017】
1つの実施形態では、メモリ14は、プロセッサ11によって実行されると機能を提供するソフトウェアモジュールを記憶する。これらのモジュールは、以下でより詳細に開示するように、触覚通知メッセージの通信を容易にする触覚通知通信モジュール16を含む。幾つかの特定の実施形態では、触覚通知通信モジュール16は、複数のモジュールを含むことができ、各モジュールは、触覚通知メッセージの通信を容易にする特定の個別の機能を提供する。触覚通知通信システム10は、通常、Immersion CorporationによるIntegrator(商標)ソフトウェア等の追加の機能を含む1つ又は複数の追加のアプリケーションモジュール18を含む。
【0018】
触覚通知通信システム10は、赤外線通信、無線通信、Wi−Fi通信、又はセルラーネットワーク通信等のモバイル無線ネットワーク通信を提供するネットワークインターフェースカード等の通信デバイス19を更に備える。他の実施形態では、通信デバイス19は、イーサネット接続又はモデム等の有線ネットワーク接続を提供する。
【0019】
触覚通知通信システム10は、ネットワーク20に動作可能に更に結合されている。ネットワーク20は、インターネットに直接接続することができるコンピューターネットワーク、インターネットに間接接続することができるコンピューターネットワーク、又はインターネットに全く接続することができないコンピューターネットワークである。ネットワーク20は、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)、ワイドエリアネットワーク(「WAN」)、パーソナルエリアネットワーク(「PAN」)、ホームエリアネットワーク(「HAN」)、キャンパスエリアネットワーク(「CAN」)、メトロポリタンエリアネットワーク(「MAN」)、グローバルエリアネットワーク(「GAN」)、ストレージエリアネットワーク(「SAN」)、仮想プライベートネットワーク(「VPN」)、無線ネットワーク、無線LAN、HomePNA、電力線通信ネットワーク、G.hnネットワーク、Bluetoothネットワーク、光ファイバーネットワーク、イーサネットネットワーク、アクティブネットワーキングネットワーク、クライアントサーバーネットワーク、ピアツーピアネットワーク、バスネットワーク、スターネットワーク、リングネットワーク、メッシュネットワーク、スターバスネットワーク、ツリーネットワーク、階層トポロジーネットワーク、又は当該技術分野において知られている他の任意のタイプのコンピューターネットワークとすることができる。
【0020】
図示した実施形態によれば、電動器具30、40、及び50も、ネットワーク20に動作可能に結合されている。電動器具30、40、及び50は、電力源又は電気的メカニズム等の非手動の電力源又はメカニズムによって作動されるように構成されているとともに、外部又は内部のイベントを検出するように更に構成されている電動器具である。電動器具30、40、及び50は、ネットワーク20内で触覚通知メッセージを送信するように更に構成することができる。電動器具の例は、電気ドリル、電動ノコギリ、電動釘打ちガン、電動ナイフ、電動ハンマー、電気パン等を含むことができる。電動器具は、「器具」又は「デバイス」として識別することもできる。電動器具は、
図2とともに以下でより詳細に更に説明される。当業者であれば、ネットワーク20に動作可能に結合された電動器具の数がこの例示の実施形態による一例示の数であり、代替の実施形態では、任意の数の電動器具をネットワーク20に動作可能に結合することができることを容易に理解するであろう。
【0021】
図示した実施形態によれば、触覚通知デバイス60及び70も、ネットワーク20に動作可能に結合されている。触覚通知デバイス60及び70は、これらの触覚通知デバイスが、ユーザーへの触覚通知としての機能を果たすことができる触覚効果を生成するメカニズムを備えることを意味する「触覚的にイネーブルにされる」デバイスである。触覚通知デバイス60及び70は、ネットワーク20を介して電動器具30、40、及び50から触覚通知メッセージを受信し、これらの触覚通知メッセージに応答してかつこれらの触覚通知メッセージに基づいて触覚通知を生成するように更に構成することができる。1つのタイプの触覚通知デバイスは、モバイルデバイスとすることができる。モバイルデバイスの例は、スマートフォン、タブレット、ラップトップコンピューター、パーソナルコンピューター、携帯情報端末(「PDA」)等を含むことができる。別のタイプの触覚通知デバイスは、ウェアラブルデバイスとすることができる。ウェアラブルデバイスの例は、リストバンド、ヘッドバンド、眼鏡、リング、レッグバンド、衣服に一体化されたアレイ、ユーザーが身体に着用することができるか又はユーザーによって保持することができる他のタイプのデバイス等を含むことができる。触覚通知デバイスは、
図2とともに以下でより詳細に更に説明される。当業者であれば、ネットワーク20に動作可能に結合された触覚通知デバイスの数がこの例示の実施形態による一例示の数であり、代替の実施形態では、任意の数の触覚通知デバイスをネットワーク20に動作可能に結合することができることを容易に理解するであろう。さらに、代替の実施形態では、触覚通知デバイスは、電動器具に取り替えることができ、この電動器具は、電動器具30、40、及び50からネットワーク20を介して触覚通知メッセージを受信し、この触覚通知メッセージに応答してかつこの触覚通知メッセージに基づいて触覚通知を生成するように構成されている。
【0022】
一実施形態によれば、触覚通知通信システム10は、一意の電動器具識別子を電動器具30、40、及び50に割り当てることによって、電動器具30、40、及び50をネットワーク20に登録することができる。1つの実施形態では、この一意の電動器具識別子は、電動器具のインターネットプロトコル(「IP」)アドレスとすることができる。さらに、この実施形態によれば、触覚通知通信システム10は、一意の触覚通知デバイス識別子を触覚通知デバイス60及び70に割り当てることによって、触覚通知デバイス60及び70をネットワーク20に更に登録することができる。1つの実施形態では、この一意の触覚通知デバイス識別子は、触覚通知デバイスのIPアドレスとすることができる。
【0023】
さらに、一実施形態によれば、触覚通知通信システム10は、電動器具30、40、及び50と触覚通知デバイス60及び70との間の触覚通知メッセージの通信を容易にすることができる。より具体的に言えば、触覚通知通信システム10は、電動器具30、40、及び50によってネットワーク20を介して送信される触覚通知メッセージを受信することができる。触覚通知通信システム10は、触覚通知メッセージがネットワーク20内の他のエンティティ(例えば、電動器具30、40、及び50、並びに触覚通知デバイス60及び70のうちの任意のもの)に伝播されるか又は別の方法で送信されることを要するか否かを更に判断することができる。1つの実施形態では、各触覚通知メッセージは、通知タイプを含み、触覚通知通信システム10は、各触覚通知メッセージの通知タイプを判断することができる。触覚通知通信システム10は、各触覚通知メッセージの判断された通知タイプを通知タイプの所定のセットと更に比較することができる。この通知タイプの所定のセットは、ネットワーク20内の他のエンティティのうちの1つ、幾つか、又は全て(例えば、電動器具30、40、及び50、並びに触覚通知デバイス60及び70のうちの任意のもの)にネットワーク20を介して送信されることを要する触覚通知メッセージのセットを規定する。触覚通知メッセージが送信されることを要するとの判断に応答して、触覚通知通信システム10は、ネットワーク20内の他のエンティティのうちの任意のもの(例えば、電動器具30、40、及び50、並びに触覚通知デバイス60及び70のうちの任意のもの)にネットワーク20を介して触覚通知メッセージを更に送信することができる。この触覚通知メッセージの通信は、
図2とともに以下でより詳細に更に説明される。
【0024】
この実施形態によれば、触覚通知通信システムは、触覚通知メッセージのフォーマットを介して通信プロトコルを確立することができる。1つの実施形態では、触覚通知メッセージのフォーマットは、触覚通知メッセージを一意に識別する一意の識別子である通知識別子を含むことができる。さらに、この実施形態によれば、通知識別子は、触覚通知メッセージの通知タイプを識別する通知タイプ識別子を含むことができる。さらに、1つの実施形態では、触覚通知メッセージのフォーマットは、触覚通知メッセージの対象受信者を識別する1つ又は複数の触覚通知デバイス識別子を更に含むことができる。これらの対象受信者は触覚通知デバイスである。付加的に又は代替的に、触覚通知メッセージのフォーマットは、触覚通知メッセージの対象受信者を識別する1つ又は複数の電動器具識別子を更に含むことができる。これらの対象受信者は他の電動器具である。触覚通知メッセージのフォーマットは、
図2とともに以下でより詳細に更に説明される。
【0025】
1つの実施形態では、前述したように、触覚通知通信システム10は、各触覚通知メッセージの判断された通知タイプを通知タイプの所定のセットと比較することができる。この実施形態によれば、触覚通知通信システム10は、ユーザーの注意を要する可能性がある電動器具を伴うイベントをユーザーに通知する通知のタイプを含むように通知タイプのセットを規定することができる。触覚通知通信システム10が通知タイプの所定のセットとして規定することができる一例示の通知タイプのセットは、1つの例示の実施形態では、次の通知、すなわち、電動器具のステータス(例えば、バッテリー切れ、電動器具オーバーヒート等)の通知、電気ドリル若しくは他の或る電動器具が目標距離に到達した後に穿孔若しくは他の或る動作の実行を停止する通知、ユーザーが電動器具を用いて動作を行うこと(例えば、ネジのネジ山をすり減らすこと等)を防止する通知、安全に基づく通知(例えば、電動器具がまもなく故障する、ユーザーの親指が電動器具に近すぎる等)、電動器具のコンポーネント(例えば、ビット、ノコギリ等)が鈍いとの通知若しくはそれ以外に交換する必要があるとの通知、電動器具のコンポーネント(例えば、ネジ等)が対象動作に正しいサイズでない(例えば、長すぎる等)との通知、障害物(例えば、節、釘等)が電動器具によって検出されたとの通知、又は電動器具のコンポーネント(例えば、ビット、ネジ、ノコギリ等)がオーバーヒートしているとの通知を含むことができる。通知タイプの所定のセットは、
図2とともに以下でより詳細に更に説明される。
【0026】
さらに、この実施形態によれば、ネットワーク20内のエンティティ(例えば、電動器具30、40、及び50、並びに触覚通知デバイス60及び70のうちの任意のもの)は、受信された触覚通知メッセージに基づいて、ユーザーへの適切な触覚通知(例えば、適切な触覚効果)を生成することができる。エンティティは、触覚通知メッセージを受信し、この触覚通知メッセージの通知識別子を判断することができる。エンティティは、この触覚通知メッセージの通知タイプを更に判断することができる。この通知タイプは、通知識別子内に含めることができる。エンティティは、その後、判断された通知タイプに基づいて適切な触覚通知(例えば、適切な触覚効果)を選択することができ、次いで、ユーザーへの選択された触覚通知(例えば、選択された触覚効果)を生成することができる。この触覚通知の生成は、
図2とともに以下でより詳細に更に説明される。
【0027】
図2は、本発明の一実施形態による電動器具210と触覚通知デバイス220との間の通信の図を示している。電動器具210は、
図1とともに前述したとおりの電動器具である。1つの実施形態では、電動器具210は、
図1の電動器具30、40、又は50のうちの1つと同一とすることができる。電動器具210は、情報を処理するように構成されたプロセッサ211を備え、プロセッサ211は、情報を通信するように構成されたバス又は他の通信メカニズム(
図2に図示せず)に結合することができる。プロセッサ211は、任意のタイプの汎用プロセッサ又は専用プロセッサとすることができる。電動器具210は、赤外線通信、無線通信、Wi−Fi通信、又はセルラーネットワーク通信等のモバイル無線ネットワーク通信を提供するネットワークインターフェースカード等の通信デバイス212を更に備える。他の実施形態では、通信デバイス212は、イーサネット接続又はモデム等の有線ネットワーク接続を提供する。
【0028】
電動器具210は、センサー213を更に備える。センサー213は、或る形態のエネルギー又は他の物理的性質を検出するように構成することができる。この物理的性質は、音、運動、加速度、生体信号、距離、流量、力/圧力/応力変形/屈曲、湿度、線形位置、方位/勾配、無線周波数、回転位置、回転速度、スイッチの操作、温度、振動、又は可視光強度等であるが、これらに限定されるものではない。センサー213は、検出されたエネルギー又は他の物理的性質を、電気信号又は仮想センサー情報を表す任意の信号に変換するように更に構成することができる。センサー213は、任意のデバイスとすることができ、この任意のデバイスは、加速度計、心電計、脳電計、筋電計、眼電計、電気口蓋計、電気皮膚反応センサー、静電容量センサー、ホール効果センサー、赤外線センサー、超音波センサー、圧力センサー、光ファイバーセンサー、撓みセンサー(又は屈曲センサー)、力検知抵抗器、ロードセル、LuSense CPS
2155、小型圧力トランスデューサー、圧電センサー、応力変形ゲージ、湿度計、線形位置タッチセンサー、線形ポテンショメーター(又はスライダー)、線形可変差動変圧器、コンパス、傾斜計、磁気タグ(又は無線周波数識別タグ)、ロータリーエンコーダー、ロータリーポテンショメーター、ジャイロスコープ、オンオフスイッチ、温度センサー(サーモメーター、熱電対、抵抗温度検出器、サーミスタ、又は温度変換集積回路等)、マイクロフォン、光度計、高度計、生体モニター、カメラ、又は光依存抵抗器等であるが、これらに限定されるものではない。代替の実施形態では、器具210は、センサー213に加えて、1つ又は複数の追加のセンサー(
図2に図示せず)を備えることができる。これらの実施形態のうちの幾つかでは、センサー213及び1つ又は複数の追加のセンサーは、センサーアレイ又はセンサーの他の或るタイプの集合体の一部とすることができる。
【0029】
1つの実施形態では、電動器具210は、アクチュエーター214を更に備えることができる。プロセッサ211は、生成された触覚効果と関連付けられた触覚信号をアクチュエーター214に送信することができ、このアクチュエーターは、次に、振動触覚効果、静電摩擦触覚効果、又は変形触覚効果等の触覚効果を出力する。アクチュエーター214は、アクチュエーター駆動回路を備える。アクチュエーター214は、例えば、電気モーター、電磁気アクチュエーター、ボイスコイル、形状記憶合金、電気活性ポリマー、ソレノイド、偏心回転質量モーター(「ERM」)、線形共振アクチュエーター(「LRA」)、圧電アクチュエーター、高帯域幅アクチュエーター、電気活性ポリマーアクチュエーター(「EAPアクチュエーター」)、マクロファイバー複合アクチュエーター(「MFCアクチュエーター」)、静電摩擦ディスプレイ、又は超音波振動ジェネレーターとすることができる。代替の実施形態では、器具210は、アクチュエーター214に加えて、1つ又は複数の追加のアクチュエーター(
図2に図示せず)を備えることができる。アクチュエーター214は、触覚出力デバイスの一例であり、触覚出力デバイスは、駆動信号に応答して振動触覚効果、静電摩擦触覚効果、又は変形触覚効果等の触覚効果を出力するように構成されたデバイスである。代替の実施形態では、アクチュエーター214は、他の或るタイプの触覚出力デバイスに取り替えることができる。
【0030】
触覚通知デバイス220は、
図1とともに前述したように、触覚的にイネーブルにされ、受信された触覚通知メッセージに応答してかつこれらの触覚通知メッセージに基づいて触覚通知を生成するデバイスである。1つの実施形態では、触覚通知デバイス220は、
図1の触覚通知デバイス60又は70のうちの一方と同一とすることができる。触覚通知デバイス220は、情報を処理するように構成されたプロセッサ221を備え、プロセッサ221は、情報を通信するように構成されたバス又は他の通信メカニズム(
図2に図示せず)に結合することができる。プロセッサ221は、任意のタイプの汎用プロセッサ又は専用プロセッサとすることができる。触覚通知デバイス220は、赤外線通信、無線通信、Wi−Fi通信、又はセルラーネットワーク通信等のモバイル無線ネットワーク通信を提供するネットワークインターフェースカード等の通信デバイス222を更に備える。他の実施形態では、通信デバイス222は、イーサネット接続又はモデム等の有線ネットワーク接続を提供する。
【0031】
1つの実施形態では、触覚通知デバイス220は、グラフィカル表現又はユーザーインターフェースをユーザーに表示する液晶ディスプレイ(「LCD」)等のディスプレイ223を備えることができる。ディスプレイ223は、プロセッサ221に対して信号を送受信するように構成されたタッチ画面等のタッチセンシティブ入力デバイスとすることができ、マルチタッチタッチ画面とすることができる。
【0032】
触覚通知デバイス220は、アクチュエーター224を更に備える。プロセッサ221は、生成された触覚効果と関連付けられた触覚信号をアクチュエーター224に送信することができ、このアクチュエーターは、次に、振動触覚効果、静電摩擦触覚効果、又は変形触覚効果等の触覚効果を出力する。代替の実施形態では、触覚通知デバイス220は、アクチュエーター224に加えて、1つ又は複数の追加のアクチュエーター(
図2に図示せず)を備えることができる。アクチュエーター224は、触覚出力デバイスの一例であり、触覚出力デバイスは、駆動信号に応答して振動触覚効果、静電摩擦触覚効果、又は変形触覚効果等の触覚効果を出力するように構成されたデバイスである。代替の実施形態では、アクチュエーター224は、他の或るタイプの触覚出力デバイスに取り替えることができる。
【0033】
一実施形態によれば、電動器具210のセンサー213は、イベントを検出するように構成することができる。より具体的に言えば、センサー213は、電動器具210の環境を検出するように構成することができ、その環境内で発生するイベントを検出するように更に構成することができる。このイベントは、電動器具210の外部又は電動器具210の内部のものとすることができる。電動器具210のセンサー213が検出することができる例示のイベントのリストは、1つの例示の実施形態では、以下のイベント、すなわち、電動器具210若しくは電動器具210のコンポーネントの1つ若しくは複数の特性の変化(例えば、電動器具210のバッテリー切れ、電動器具210のオーバーヒート、電動器具210がまもなく故障すること等)、電動器具210の目標距離への運動、電動器具210の所定の距離内での物体の出現、電動器具210の対象動作に対する電動器具210のコンポーネントのサイズの不一致、又は電動器具210の所定の距離内でのユーザーの出現を含むことができる。
【0034】
一例示の実施形態による例示のイベントの拡張リストを以下に提供する。
【0035】
【表1】
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【0036】
センサー213によって検出されたイベントに応答して、電動器具210は、触覚通知メッセージ230を生成することができる。触覚通知メッセージ230は、電動器具210のセンサー213が特定のイベントを検出したことを示すメッセージである。一実施形態によれば、触覚通知メッセージ230は、当該触覚通知メッセージ230を一意に識別する通知識別子を含むことができる。この実施形態によれば、通知識別子は、触覚通知メッセージ230の通知タイプを識別する通知タイプ識別子を含むことができ、通知タイプは、電動器具210によって検出されたイベントのタイプを識別し、通知タイプは、ユーザーに通信される通知のタイプを更に識別する。さらに、一実施形態によれば、触覚通知メッセージ230は、対象受信者である1つ又は複数の触覚通知デバイスを一意に識別する1つ又は複数の触覚通知デバイス識別子を含むことができる。付加的に又は代替的に、触覚通知メッセージ230は、対象受信者である1つ又は複数の電動器具を一意に識別する1つ又は複数の電動器具識別子を含むことができる。一例示の実施形態による触覚通知メッセージ230の一例示のフォーマットを以下に提供する。
[通知識別子(通知タイプ識別子を含む)
触覚通知デバイス識別子1
触覚通知デバイス識別子2
...
触覚通知デバイス識別子x
電動器具識別子1
電動器具識別子2
...
電動器具識別子x]
【0037】
図示した実施形態では、触覚通知メッセージ230は、触覚通知デバイス220を一意に識別する触覚通知デバイス識別子を含むことができる。
【0038】
触覚通知メッセージ230を生成した後、電動器具210の通信デバイス212は、触覚通知メッセージ230を触覚通知通信システム(
図2に図示せず)にネットワーク(同じく
図2に図示せず)を介して送信することができる。電動器具210及び触覚通知デバイス220は、ネットワークに登録されている。触覚通知メッセージ230を受信した後、触覚通知通信システムは、触覚通知メッセージ230が、触覚通知デバイス220等の、ネットワーク内で登録された1つ又は複数のデバイスに送信されるべきであるか否かを判断することができる。
【0039】
1つの実施形態では、触覚通知通信システムは、触覚通知メッセージ230の通知識別子から通知タイプ識別子を取り出すことができ、この受信された通知タイプ識別子に基づいて触覚通知メッセージ230の通知タイプを更に判断することができる。触覚通知通信システムは、触覚通知メッセージ230の判断された通知タイプを通知タイプの所定のセットと更に比較することができる。この通知タイプの所定のセットは、ネットワークを介して触覚通知デバイス(触覚通知デバイス220等)に送信されるべき触覚通知メッセージのセットを規定する。1つの実施形態では、触覚通知デバイスに送信されるべき触覚通知メッセージのセットは、触覚通知を1人又は複数人のユーザーに送信することを要する重要なイベントとみなされる電動器具のセンサー(例えば、電動器具210のセンサー213)によって検出されたイベントをユーザーに通知する触覚通知メッセージを含むことができる。そのような重要なイベントは、上記で前述した例示のイベントを含むことができ、このため、触覚通知メッセージのセットは、上記で前述した例示のイベントをユーザーに通知する触覚通知メッセージを含むことができる。判断された通知タイプが通知タイプの所定のセット内にある場合、触覚通知通信システムは、触覚通知メッセージ230が1つ又は複数のデバイスに送信されるべきであると判断することができる。判断された通知タイプが通知タイプの所定のセット内にない場合、触覚通知通信システムは、触覚通知メッセージ230が1つ又は複数のデバイスに送信されるべきでないと判断することができる。
【0040】
さらに、触覚通知メッセージ230が1つ又は複数のデバイスに送信されるべきである場合、触覚通知通信システムは、ネットワーク内に登録されているどのデバイス(複数の場合もある)が触覚通知メッセージ230を受信すべきかも判断することができる。幾つかの特定の実施形態では、触覚通知通信システムは、触覚通知メッセージ230内に含まれる1つ又は複数の触覚通知デバイス識別子を取り出すことができ、1つ又は複数の触覚通知デバイス識別子によって一意に識別される1つ又は複数の触覚通知デバイスに触覚通知メッセージ230を送信するものと更に判断することができる。図示した実施形態では、触覚通知通信システムは、触覚通知デバイス220を一意に識別する触覚通知デバイス識別子を触覚通知メッセージ230から取り出すことができ、触覚通知メッセージ230を触覚通知デバイス220に送信するものと判断することができる。付加的に又は代替的に、触覚通知通信システムは、触覚通知メッセージ230内に含まれる1つ又は複数の電動器具識別子を取り出すことができ、1つ又は複数の電動器具識別子によって一意に識別される1つ又は複数の電動器具に触覚通知メッセージ230を送信するものと更に判断することができる。代替の実施形態では、触覚通知通信システムは、受信された通知タイプ識別子に基づいて触覚通知メッセージ230の通知タイプを更に判断することができ、触覚通知メッセージの通知タイプに基づいて1つ又は複数の触覚通知デバイス及び/又は1つ又は複数の電動器具に触覚通知メッセージ230を送信するものと更に判断することができる。図示した実施形態では、触覚通知通信システムは、触覚通知メッセージの通知タイプを識別する通知タイプ識別子を触覚通知メッセージ230から取り出すことができ、通知タイプが、触覚通知メッセージが触覚通知デバイス220に送信されるべきであることを示すものと更に判断することができ、触覚通知メッセージ230を触覚通知デバイス220に送信するものと更に判断することができる。
【0041】
触覚通知通信システムは、触覚通知メッセージ230が触覚通知デバイス220に送信されるべきであると判断すると、触覚通知メッセージ230を触覚通知デバイス220にネットワークを介して送信する。触覚通知デバイス220は、通信デバイス222を介して触覚通知メッセージ230を受信すると、ユーザーが体験することができる触覚通知を生成する。より具体的に言えば、触覚通知デバイス220のプロセッサ221は、触覚信号を生成し、この触覚信号をアクチュエーター224に送信し、アクチュエーター224に1つ又は複数の触覚効果を生成させる。例示の触覚効果は、触覚通知デバイス220内に振動を引き起こす振動触覚効果、触覚通知デバイス220内に変形を引き起こす変形触覚効果、又は触覚通知デバイス200に印加される力を引き起こす静電摩擦触覚効果を含む。1つの実施形態では、プロセッサ221は、触覚通知メッセージ230の通知タイプに基づいて、アクチュエーター224に1つ又は複数の特定の触覚効果を生成させることができる。
【0042】
代替の実施形態では、電動器具210は、通信デバイス212を介して触覚通知メッセージ230を送信するのではなく、受信することができる。この代替の実施形態では、電動器具210は、ユーザーが体験することができる触覚通知を生成することができる。より具体的に言えば、電動器具210のプロセッサ211は、触覚信号を生成し、この触覚信号をアクチュエーター214に送信し、アクチュエーター214に1つ又は複数の触覚効果を生成させる。例示の触覚効果は、電動器具210内(例えば、電動器具210のモーター内又は取っ手内)に振動を引き起こす振動触覚効果、電動器具210内(例えば、電動器具210の取っ手内)に変形を引き起こす変形触覚効果、又は電動器具210(例えば、電動器具210の取っ手内)に印加される力を引き起こす静電摩擦触覚効果を含む。1つの実施形態では、プロセッサ211は、触覚通知メッセージ230の通知タイプに基づいて、アクチュエーター214に1つ又は複数の特定の触覚効果を生成させることができる。
【0043】
このため、一例示の実施形態によれば、複数のユーザーが特定のネットワークに登録される。この登録は、ネットワークの指定されたカバレッジ内にそれらのユーザーが存在することに基づいて行うことができる。より具体的に言えば、各ユーザーは、そのユーザーの好ましい触覚通知デバイス(例えば、モバイルデバイス、ウェアラブルデバイス等)を通じて登録することができる。各ユーザーは、対応する触覚通知デバイスを所有し、各触覚通知デバイスは、一意の触覚通知デバイス識別子を用いてネットワークに登録される。ユーザーが作業しているとき、電動器具(例えば、ジャックハンマー)によって引き起こされる安全上の問題も、当該電動器具によって検出される。電動器具は、この安全上の問題に関してユーザーに警告する触覚通知メッセージを、ネットワークに登録されたユーザーに送信することができる。ネットワーク内に登録された各ユーザーは、この安全上の問題をユーザーに知らせる触覚通知を自身の好ましい触覚通知デバイス上で受け取ることができる。
【0044】
別の例示の実施形態によれば、第1のユーザー、第2のユーザー、及び第3のユーザーが、建設現場内で単一の電動器具(例えば、電動ノコギリ)を共有することができる。これらの第1のユーザー、第2のユーザー、及び第3のユーザーはそれぞれ、ネットワークに登録された触覚通知デバイスも所有する。電動器具のバッテリーが切れかかっていることを当該電動器具が検出すると、電動器具は、ネットワーク内の第1のユーザー、第2のユーザー、及び第3のユーザーの触覚通知デバイスに触覚通知メッセージを送信することができる。各触覚通知デバイスは、第1のユーザー、第2のユーザー、及び第3のユーザーによって体験される触覚通知を生成することができる。
【0045】
別の例示の実施形態によれば、第1のユーザーは、電動器具(例えば、電気ドリル)を用いて木片に電動で穴を開けており、第2のユーザーは、この木片を他方の側面から着色しており、この電動器具、第1のユーザー、及び第2のユーザーは、ネットワーク内で接続されている。電動器具は、木片の厚さを検出することができ、電動器具のコンポーネント(例えば、ドリルビット)が木片の他方の側面まで貫通する前に、木片の端に到達するときを判断することができる。電動器具までの2人のユーザーの近接性に基づいて、電動器具は、木片の他方の側面にまもなく貫通しようとしているとき、2人のユーザーに触覚通知メッセージを送信することを決定することができる。電動器具は、この触覚通知メッセージをネットワーク上の他のユーザーに送信する必要はないと判断することができる。なぜならば、電動器具に対する他のユーザーの近接性は、それらの他のユーザーが、電動器具が木片の他方の側面に貫通することによる影響を受けるほどのものではないからである。この触覚通知メッセージに基づいて、第1のユーザーは、電動器具の取っ手を介して触覚通知を受け取ることができ、第2のユーザーは、ウェアラブルデバイスを介して別個の触覚通知を受け取ることができる。この例示の実施形態では、第1のユーザーは、この触覚通知の受け取りに応答して穴開けを停止することができ、第2のユーザーは、この触覚通知の受け取りに応答して、ドリルビットが木片の他方の側面に到達した場合の事前の措置を講じることができる。
【0046】
図3は、本発明の一実施形態による触覚通知通信モジュール(
図1の触覚通知通信モジュール16等)の機能のフロー図を示している。1つの実施形態では、
図3の機能は、メモリ又は他のコンピューター可読媒体若しくは有形媒体に記憶され、プロセッサによって実行されるソフトウェアによって実施される。他の実施形態では、この機能は、ハードウェアによって(例えば、特定用途向け集積回路(「ASIC」)、プログラマブルゲートアレイ(「PGA」)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(「FPGA」)等の使用によって)実行することもできるし、ハードウェア及びソフトウェアの任意の組み合わせによって実行することもできる。幾つかの特定の実施形態では、機能の一部は省略することができる。
【0047】
フローが開始し、310に進む。310において、1つ又は複数の電動器具がネットワークに登録される。幾つかの特定の実施形態では、1つ又は複数の一意の電動器具識別子をこれらの1つ又は複数の電動器具に割り当てることができる。さらに、これらの実施形態のうちの幾つかでは、電動器具識別子は、電動器具のIPアドレスとすることができる。またさらに、これらの実施形態のうちの幾つかでは、電動器具は、電気ドリル、電動ノコギリ、電動釘打ちガン、電動ナイフ、又は電動ハンマーのうちの1つとすることができる。フローは、その後、320に進む。
【0048】
320において、1つ又は複数の触覚通知デバイスがネットワークに登録される。幾つかの特定の実施形態では、1つ又は複数の一意の触覚通知デバイス識別子をこれらの1つ又は複数の触覚通知デバイスに割り当てることができる。さらに、これらの実施形態のうちの幾つかでは、触覚通知デバイス識別子は、触覚通知デバイスのIPアドレスとすることができる。またさらに、これらの実施形態のうちの幾つかでは、触覚通知デバイスは、触覚効果を生成するように構成されたモバイルデバイス、触覚効果を生成するように構成されたウェアラブルデバイス、又は別の電動器具のうちの1つとすることができる。フローは、その後、330に進む。
【0049】
330において、触覚通知メッセージが、ネットワーク内の1つ又は複数の電動器具のうちの一電動器具から受信され、この触覚通知メッセージは、電動器具がイベントを検出したことを示す。幾つかの特定の実施形態では、触覚通知メッセージは、通知識別子を含むことができる。さらに、それらの実施形態のうちの幾つかでは、触覚通知メッセージは、少なくとも1つの触覚通知デバイス識別子を更に含むことができる。またさらに、幾つかの特定の実施形態では、電動器具は、当該電動器具がイベントを検出したことに応答して触覚通知を生成することもできる。幾つかの実施形態では、このイベントは、電動器具若しくは電動器具のコンポーネントの1つ若しくは複数の特性の変化、電動器具の目標距離への運動、電動器具の所定の距離内での物体の出現、電動器具の対象動作に対する電動器具のコンポーネントのサイズの不一致、又は電動器具の所定の距離内でのユーザーの出現のうちの1つとすることができる。フローは、その後、340に進む。
【0050】
340において、触覚通知メッセージがネットワーク内の1つ又は複数の触覚通知デバイスのうちの少なくとも1つの触覚通知デバイスに送信されることを要する触覚通知メッセージであるか否かが判断される。幾つかの特定の実施形態では、触覚通知メッセージの通知タイプを、触覚通知メッセージ内に含まれる通知識別子に基づいて判断することができる。さらに、通知タイプが1つ又は複数の通知タイプの所定のセット内にあるか否かを判断することができる。またさらに、幾つかの実施形態では、触覚通知メッセージ内に含まれる少なくとも1つの触覚通知デバイス識別子に基づいて、少なくとも1つの触覚通知デバイスがネットワークに登録されているか否かを判断することができる。フローは、その後、350に進む。
【0051】
350において、触覚通知メッセージが少なくとも1つの触覚通知デバイスに送信されることを要する触覚通知メッセージであるとの判断に応答して、この触覚通知メッセージは、ネットワークを用いて少なくとも1つの触覚通知デバイスに送信される。少なくとも1つの触覚通知デバイスは、触覚通知メッセージの受信に応答して触覚通知を生成する。幾つかの特定の実施形態では、触覚通知は触覚効果を含む。さらに、これらの実施形態のうちの幾つかでは、触覚効果は通知タイプに基づくことができる。またさらに、これらの実施形態のうちの幾つかでは、触覚効果は、振動触覚効果、変形触覚効果、又は静電摩擦触覚効果のうちの1つとすることができる。さらに、幾つかの実施形態では、触覚通知メッセージは、ネットワークを用いて1つ又は複数の電動器具のうちの少なくとも1つの他の電動器具に送信することができる。これらの実施形態では、この少なくとも1つの他の電動器具は、触覚通知メッセージの受信に応答して触覚通知を生成することができる。フローは、その後、終了する。
【0052】
このように、一実施形態によれば、触覚通知通信システムが、1つ又は複数の電動器具によって生成された触覚通知メッセージのネットワークを介した1つ又は複数のデバイスへの通信を容易にするとともに、1つ又は複数のデバイスを用いて1人又は複数人のユーザーによって体験される触覚通知を容易にする枠組みを提供することができる。本触覚通知通信システムは、1つ又は複数の電動器具による特定のイベントの検出に基づいて特定のデバイスへの触覚通知メッセージの伝播を更に制御することができる。1つの実施形態では、本触覚通知通信システムは、電動器具のユーザーがより容易に協働作業することを可能にすることができる。例えば、同じプロジェクトに取り組んでいるが、互いに大きく離れた距離に位置しているそれぞれ異なるユーザーは、自身の作業環境が騒がしく、口頭での伝達が実施可能でないときであっても協働作業することができ、作業をいつ開始又は停止するかについて互いに協調することができる。さらに、複数の電動器具をユーザーは容易に用いることができる。なぜならば、あらゆる新しい電動器具をネットワークに接続し、特定のユーザーと関連付けることができるからである。このように、本触覚通知通信システムは、散在した異なるロケーションにある複数の電動器具の使用を容易にすることができる。
【0053】
本明細書全体を通じて説明した本発明の特徴、構造、又は特性は、1つ又は複数の実施形態において任意の適した方法で組み合わせることができる。例えば、本明細書全体を通じて、「1つの実施形態」、「幾つかの実施形態」、「或る特定の実施形態」、「幾つかの特定の実施形態」、又は他の同様の文言が用いられている場合、これは、その実施形態に関して説明した特定の特徴、構造、又は特性を本発明の少なくとも1つの実施形態に含めることができることを指している。このように、本明細書全体を通じて「1つの実施形態」、「幾つかの実施形態」、「或る特定の実施形態」、「幾つかの特定の実施形態」というフレーズ、又は他の同様の文言が登場している場合、これは、必ずしも全て同じ実施形態のグループを指しているとは限らず、説明した特徴、構造、又は特性は、1つ又は複数の実施形態において任意の適した方法で組み合わせることができる。
【0054】
当業者であれば、上記で論述した本発明は、異なる順序のステップ及び/又は開示したものと異なる構成による要素を用いて実施することができることを容易に理解するであろう。したがって、これらの好ましい実施形態に基づいて本発明を説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲内にあることを保ちつつ、幾つかの特定の変更、変形、及び代替の構成が明らかであるが当業者には明白であろう。したがって、本発明の境界及び範囲を判断するには、添付の特許請求の範囲が参照されるべきである。