【解決手段】本発明の一実施形態によれば、内部電極及び誘電体層を含むセラミックボディと、上記セラミックボディの少なくとも一面に形成され、上記内部電極と電気的に接続する電極層と、上記電極層上に形成され、複数の金属粒子とベース樹脂を含む伝導性樹脂層と、を含み、上記電極層は表面が粗く形成されて上記伝導性樹脂層と接続し、上記電極層の表面粗度は1μm以上、表面粗度の大きさは上記電極層の厚さの20%以下を満たす積層セラミック電子部品を提供することができる。
【背景技術】
【0002】
セラミック電子部品のうち積層セラミックキャパシタは、積層された複数の誘電体層、誘電体層を挟んで対向配置される内部電極、上記内部電極に電気的に接続された外部電極を含む。
【0003】
積層セラミックキャパシタは、小型でありながらも高容量が保障され実装が容易であるという長所により、コンピュータ、PDA、携帯電話などの移動通信装置の部品として広く用いられている。
【0004】
最近では、電子製品の小型化及び多機能化に伴い、チップ部品も小型化及び高機能化する傾向にあるため、積層セラミックキャパシタにおいてもその大きさが小さく且つ容量が大きい高容量製品が求められている。
【0005】
このために、誘電体層及び内部電極層の厚さを薄くして多数の誘電体層を積層した積層セラミックキャパシタが製造されており、外部電極も薄層化されている。
【0006】
また、自動車や医療機器のように高信頼性を求める分野における多くの機能が電子化され需要が増加するにつれて、積層セラミックキャパシタにも高信頼性が求められている。
【0007】
このような高信頼性において問題となる要素としては、めっき工程時に発生するめっき液の浸透、外部衝撃によるクラック発生などがある。
【0008】
よって、上記問題を解決するための手段として、外部電極の電極層とめっき層の間に伝導性物質を含有する樹脂組成物を塗布して、外部衝撃を吸収し、めっき液の浸透を防ぎ、信頼性を向上させている。
【0009】
しかしながら、伝導性物質を含有する樹脂組成物を塗布した伝導性樹脂層の場合、樹脂が硬化後に固まって下部の電極層と結合するが、これは、焼成型の電極に比べて低い結合力を有する。
【0010】
上記のように伝導性樹脂層と下部の電極層の間の接着力が足りない場合は、後工程が進む過程で電極層が分離され得るという問題があり、基板への実装時、電子部品の特性上、加わる熱などによって電極間の分離が起こり得る。
【0011】
よって、伝導性樹脂層と下部電極層の間の界面分離現象及び電極間の分離を改善した積層セラミックキャパシタが求められている。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張されることがある。
【0019】
以下、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明する。また、以下では、積層セラミック電子部品を積層セラミックキャパシタを一例として説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0020】
積層セラミック電子部品
図1は、本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品を示す斜視図である。
【0021】
図2は、
図1のI−I'線に沿った断面図である。
【0022】
図1及び
図2を参照すると、本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品100は、積層セラミックキャパシタであり得、セラミックボディ110及び外部電極131、132を含む。
【0023】
上記セラミックボディ110は、キャパシタの容量形成に寄与する部分としての活性層と、上下マージン部であって活性層の上下部にそれぞれ形成された上部及び下部カバー層を含むことができる。上記活性層は、誘電体層111と内部電極121、122を含み、誘電体層111を挟んで複数の第1及び第2の内部電極121、122が交互に形成されることができる。
【0024】
本発明の一実施形態において、セラミックボディ110は、形状に特に制限はないが、実質的に六面体形状であり得る。チップの焼成時のセラミック粉末の焼成収縮と内部電極パターンの存否による厚さの差異及びセラミックボディのエッジ部の研磨によって、セラミックボディ110は、完全な六面体形状ではないが、実質的に六面体に近い形状を有することができる。
【0025】
本発明の実施例を明確に説明するために六面体の方向を定義すると、図面上に表示されたL、W及びTはそれぞれ長さ方向、幅方向及び厚さ方向を示す。ここで、厚さ方向は、誘電体層が積層された積層方向と同一の概念で用いられることができる。
【0026】
上記内部電極は第1及び第2の内部電極121、122からなり、第1及び第2の内部電極は上記誘電体層111を挟んで互いに対向するように配置されることができる。
【0027】
第1及び第2の内部電極121、122は、互いに異なる極性を有する一対の電極であり、誘電体層111上に所定の厚さで伝導性金属を含む伝導性ペーストを印刷して、誘電体層111の積層方向に沿ってセラミックボディ110の両端面に交互に露出するように形成され、中間に配置された誘電体層111によって互いに電気的に絶縁されることができる。
【0028】
即ち、第1及び第2の内部電極121、122は、セラミックボディ110の両端面に交互に露出する部分を介して外部電極とそれぞれ電気的に連結されることができる。上記外部電極は第1の外部電極131及び第2の外部電極132を含み、第1の内部電極121は第1の外部電極131と、第2の内部電極122は第2の外部電極132とそれぞれ電気的に連結されることができる。
【0029】
したがって、第1及び第2の外部電極131、132に電圧を印加すると、互いに対向する第1及び第2の内部電極121、122の間に電荷が蓄積され、このときの積層セラミックキャパシタ100の静電容量は第1及び第2の内部電極121、122の互いに重なる領域の面積に比例する。
【0030】
このような第1及び第2の内部電極121、122の厚さは用途に応じて決定されることができ、例えば、セラミックボディ110の大きさと容量を考慮して0.2〜1.0μmの範囲内にあるように決定されることができるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0031】
また、第1及び第2の内部電極121、122に含まれる伝導性金属は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、又はこれらの合金であり得るが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0032】
このとき、誘電体層111の厚さは積層セラミックキャパシタの容量設計に合わせて任意に変更することができ、セラミックボディ110の大きさと容量を考慮して一層の厚さは焼成後に0.1〜10μmとなるように構成することができるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0033】
また、誘電体層111は、高誘電率を有するセラミック粉末、例えば、チタン酸バリウム(BaTiO
3)系又はチタン酸ストロンチウム(SrTiO
3)系粉末を含むことができるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0034】
上部及び下部カバー層は、内部電極を含まないことを除いては誘電体層111と同一の材質及び構成を有することができる。上部及び下部カバー層は、単一の誘電体層又は2個以上の誘電体層を活性層の上下面にそれぞれ上下方向に積層して形成されたものであり、基本的に物理的又は化学的ストレスによる第1及び第2の内部電極121、122の損傷を防止する役割を行うことができる。
【0035】
外部電極131、132は、上記内部電極121、122と電気的に接続する電極層131a、132aと、上記電極層131a、132a上に形成され、複数の金属粒子とベース樹脂を含む伝導性樹脂層131b、132bを含む。
【0036】
上記第1の外部電極131は第1の電極層131a及び伝導性樹脂層131bを含み、上記第2の外部電極132は第2の電極層132a及び伝導性樹脂層132bを含むことができる。
【0037】
また、上記第1及び第2の外部電極131、132は、伝導性樹脂層131b、132b上に形成されるめっき層をさらに含むことができる。
【0038】
上記第1及び第2の電極層131a、132aは、第1及び第2の内部電極121、122と直接的に連結されて外部電極と内部電極間の電気的導通を確保する。
【0039】
上記第1及び第2の電極層131a、132aは伝導性金属を含み、上記伝導性金属はニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、金(Au)又はこれらの合金であり得るが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0040】
上記第1及び第2の電極層131a、132aは、伝導性金属を含むペーストの焼成によって形成される焼成型電極であり得る。
【0041】
上記第1及び第2の電極層131a、132a上には伝導性樹脂層131b、132bが配置されることができる。即ち、上記第1及び第2の電極層の外側には伝導性樹脂層が配置されることができる。
【0042】
また、図示されてはいないが、上記伝導性樹脂層131b、132bの外側にはめっき層が配置されることができる。
【0043】
本明細書において、セラミックボディ110が存在する方向を外部電極131、132の内側、セラミックボディ110が存在しない方向を外部電極131、132の外側と定義する。
【0044】
図3は、
図2のA領域を拡大して示した図である。
【0045】
A領域は第1の外部電極131の端部を拡大して示したものであり、第1の外部電極は第1の内部電極と電気的に接続し、第2の外部電極は第2の内部電極と接続するという点だけが異なり、第1の外部電極と第2の外部電極の構成は類似するため、以下では、第1の外部電極131を基準に説明するが、これは、第2の外部電極132に関する説明も含むものである。
【0046】
図3に示されたように、上記伝導性樹脂層131bは複数の金属粒子11とベース樹脂12を含み、上記ベース樹脂12は熱硬化性樹脂を含むことができる。上記熱硬化性樹脂は、これに制限されるものではないが、エポキシ樹脂であり得る。
【0047】
上記金属粒子11は、銅、銀、ニッケル及びこれらの合金のうち一つ以上を含み、上記金属粒子11は、銀でコーティングされた銅を含むことができる。上記複数の金属粒子11の一部は、上記伝導性樹脂層の表面から外部に露出することができる。
【0048】
本発明の一実施形態によれば、上記電極層131a、132aは、表面が粗く形成されて上記伝導性樹脂層131b、132bと接続する。
【0049】
最近では、積層セラミックキャパシタに高信頼性が求められており、このような高信頼性において問題となる要素としては、めっき工程時に発生するめっき液の浸透、外部衝撃によるクラック発生などがある。
【0050】
よって、上記問題を解決するための手段として、外部電極の電極層とめっき層の間に伝導性物質を含有する樹脂組成物を塗布して、外部衝撃を吸収し、めっき液の浸透を防ぎ、信頼性を向上させている。
【0051】
伝導性物質を含有する樹脂組成物を塗布した伝導性樹脂層の場合、樹脂が硬化後に固まって下部の電極層と結合するが、これは、焼成型の電極に比べて低い結合力を有する。
【0052】
上記のように伝導性樹脂層と下部の電極層の間の接着力が足りない場合は、後工程が進む過程で電極層が分離され得るという問題があり、基板への実装時、電子部品の特性上、加わる熱などによって電極間の分離が起こり得る。
【0053】
本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタの電極層131a、132aは、表面が粗く形成されて伝導性樹脂層131b、132bと接続することにより、伝導性樹脂層と下部電極層の間の界面分離現象及び電極間の分離を改善することができる。
【0054】
また、上記伝導性樹脂層131b、132bの複数の金属粒子11は、上記表面が粗く形成された電極層131a、132aと接続することができる。
【0055】
本発明の一実施形態によれば、上記電極層131a、132aの表面が粗く形成されるため、一般的な積層セラミックキャパシタの電極層に比べて比表面積が増加し、伝導性樹脂層131b、132bの複数の金属粒子11が電極層とより多く接続することができる。
【0056】
これにより、本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタの外部電極の伝導性が改善されることができる。
【0057】
上記電極層131a、132aの表面を粗く形成する方法としては、特に制限されず、例えば、エッチング又はサンドブラスト方法が行われることができる。
【0058】
具体的には、上記セラミックボディ110の焼成が完了した後に人為的に上記銅(Cu)を含む電極層131a、132aの表面粗度を形成し調節するためにサンドブラスタ(sand blaster)工法を適用することができる。
【0059】
サンドブラスタ工法も、銅(Cu)を含む電極層131a、132aの表面粗度のみを高めることができるため、積層セラミック電子部品の信頼性には影響を与えない。
【0060】
図4は、
図3のB領域を拡大して示した図である。
【0061】
図4を参照すると、上記電極層131aの表面粗度trは1μm以上、表面粗度trの大きさは上記電極層131aの厚さteの20%以下を満たすことができる。
【0062】
本発明の一実施形態によれば、上記電極層131aの表面粗度trが1μm以上、表面粗度trの大きさは上記電極層131aの厚さteの20%以下を満たすように形成することにより、伝導性樹脂層131b、132bと下部電極層131a、132aの間の結合力を向上させることができる。
【0063】
上記電極層131aの表面粗度trが1μm未満の場合には、表面粗度が小さすぎて、伝導性樹脂層131b、132bと下部電極層131a、132aの間の結合力の向上効果が足りない可能性がある。
【0064】
上記電極層131aの表面粗度trの大きさが上記電極層131aの厚さteの20%を超える場合には、厚さが相対的に小さいコーナー部分が露出して耐湿信頼性が低下する可能性がある。
【0065】
積層セラミック電子部品の製造方法
図5は、本発明の他の実施形態による積層セラミック電子部品の製造方法を示す製造工程図である。
【0066】
図5を参照すると、本実施形態による積層セラミックキャパシタの製造方法は、誘電体層及び内部電極を含むセラミックボディを形成する段階と、上記内部電極の一端と電気的に連結されるように上記セラミックボディの端面に電極層を形成する段階と、上記電極層の表面を粗く形成する段階と、上記表面を粗く形成した電極層上に導電性金属粒子及び熱硬化性樹脂を含む伝導性樹脂組成物を塗布して伝導性樹脂層を形成する段階と、を含む。
【0067】
以下では、本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品の製造方法について説明するが、これに制限されるものではなく、積層セラミックキャパシタを一例として説明する。
【0068】
また、本実施形態の積層セラミックキャパシタの製造方法に関する説明のうち上述の積層セラミックキャパシタと重複する説明は省略する。
【0069】
本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタの製造方法では、まず、チタン酸バリウム(BaTiO
3)などの粉末を含んで形成されたスラリーをキャリアフィルム(carrier film)上に塗布し乾燥して複数個のセラミックグリーンシートを製造し、これにより、誘電体層及びカバー層を形成することができる。
【0070】
上記セラミックグリーンシートは、セラミック粉末、バインダー、溶剤を混合してスラリーを製造し、上記スラリーをドクターブレード法で数μmの厚さを有するシート(sheet)状にして製作されることができる。
【0071】
次に、ニッケル粉末を含む内部電極用伝導性ペーストを製造することができる。
【0072】
上記グリーンシート上に上記内部電極用伝導性ペーストをスクリーン印刷工法で塗布して内部電極を形成した後、内部電極が印刷されたグリーンシートを複数層積層し、積層体の上下面に内部電極の印刷されていないグリーンシートを複数積層した後に焼成してセラミックボディ110を製造することができる。
【0073】
上記セラミックボディは内部電極121、122、誘電体層111及びカバー層を含み、上記誘電体層は内部電極が印刷されたグリーンシートが焼成されて形成されたものであり、上記カバー層は内部電極が印刷されていないグリーンシートが焼成されて形成されたものである。
【0074】
上記内部電極は、第1及び第2の内部電極で形成されることができる。
【0075】
上記第1及び第2の内部電極とそれぞれ電気的に連結されるようにセラミックボディの外部面に第1及び第2の電極層131a、132aが形成されることができる。上記第1及び第2の電極層は、伝導性金属及びガラスを含むペーストの焼成によって形成されることができる。
【0076】
上記伝導性金属は、特に制限されるものではないが、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)及びこれらの合金からなる群から選択された一つ以上であり得る。
【0077】
上記ガラスとしては、特に制限されるものではなく、一般的な積層セラミックキャパシタの外部電極の製作に用いられるガラスと同一の組成の物質を用いることができる。
【0078】
次に、上記電極層の表面を粗く形成する段階が行われることができる。
【0079】
上記電極層の表面を粗く形成する段階は、特に制限されるものではなく、例えば、エッチング又はサンドブラスト(Sand Blast)方法により行われることができる。
【0080】
上記電極層を別の処理なしに一般的な方法で形成したため、電極層の内部の緻密度には問題がなく、したがって、密封(Hermatic Sealing)を具現することができる。
【0081】
また、上記電極層の表面を粗く形成したため、後述の段階である、表面を粗く形成した第1及び第2の電極層の外側に複数の導電性金属粒子及び熱硬化性樹脂を含む伝導性樹脂組成物を塗布し硬化して伝導性樹脂層131b、132bを形成する場合、従来に比べて熱硬化性樹脂との結合力が上昇することができる。
【0082】
また、伝導性樹脂組成物内には粉末状のフィラーが存在し、このようなフィラー、即ち、複数の導電性金属粒子と電極層の表面が接触する比表面積が増加して伝導性が改善されるという効果がある。
【0083】
上記電極層の表面粗度は1μm以上、表面粗度の大きさは上記電極層の厚さの20%以下を満たすように形成することができる。
【0084】
上記電極層の表面粗度が1μm以上、表面粗度の大きさが上記電極層の厚さteの20%以下を満たすように形成することにより、伝導性樹脂層131b、132bと、下部に配置された電極層131a、132aの間の結合力を向上させることができる。
【0085】
次に、上記表面を粗く形成した第1及び第2の電極層の外側に複数の導電性金属粒子及び熱硬化性樹脂を含む伝導性樹脂組成物を塗布し硬化して伝導性樹脂層131b、132bを形成することができる。
【0086】
上記導電性金属粒子は、銅、銀、ニッケル、これらの合金及び銀でコーティングされた銅のうち一つ以上を含むことができるが、これに制限されるものではない。
【0087】
上記熱硬化性樹脂は、特に制限されず、例えば、エポキシ樹脂を含むことができる。
【0088】
上記熱硬化性樹脂としては、これに限定されるものではないが、ビスフェノールA樹脂、グリコールエポキシ樹脂、ノボラックエポキシ樹脂又はこれらの誘導体のうち分子量が小さくて常温で液状である樹脂を例に挙げられる。
【0089】
次に、上記伝導性樹脂層131b、132b上にめっき層をさらに形成することもできる。
【0090】
実験例
下記表1は、電極層の表面粗度値及び電極層の塗布厚さに対する粗度値(%)による電極層と伝導性樹脂層の間の接着性テスト及び耐湿信頼性テストの結果を示す。
【0091】
上記接着性テストは一般的なテスト方法であるテープテスト(Tape Test)により行われ、耐湿信頼性テストは8585テストで85℃、湿度85%、2時間及び1Vr電圧条件で行われた。
【0092】
上記接着性テストは積層セラミックキャパシタのサンプル100個に対して電極脱落不良数を確認する方法で行われ、耐湿信頼性テストは積層セラミックキャパシタのサンプル400個に対して故障発生キャパシタの数を確認する方法で行われた。
【0093】
表1においてREFは、電極層に粗度を形成していない一般的な積層セラミックキャパシタの構造を有するサンプルを意味する。
【0094】
【表1】
OK:接着性テスト不良数10個未満、耐湿信頼性テスト不良発生せず
NG:接着性テスト不良数10個以上、耐湿信頼性テスト不良発生
【0095】
上記表1を参照すると、電極層の表面粗度が1μm以上、表面粗度の大きさが上記電極層の厚さの20%以下を満たす場合には、接着性テスト及び耐湿信頼性テスト全てにおいて良好な結果が得られることが分かる。
【0096】
即ち、電極層の表面粗度が1μm以上、表面粗度の大きさが上記電極層の厚さの20%以下を満たす場合には、伝導性樹脂層と下部電極層の間の結合力が向上すると共に信頼性に優れていることが分かる。
【0097】
これに対し、上記電極層の表面粗度trが1μm未満の場合及び表面粗度の大きさが電極層の塗布厚さに対して20%を超える場合には、伝導性樹脂層と電極層の間の結合力の向上効果が足りない可能性がある。
【0098】
特に、上記電極層の表面粗度trの大きさが電極層の塗布厚さに対して20%を超える場合には、耐湿不良率が増加することが分かる。
【0099】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。