【解決手段】エンジン2により駆動され交流電流を発電するオルタネータ3と、オルタネータ3が発電した交流電流を直流電流に変換するコンバータ4と、コンバータ4で変換された直流電流を電荷として蓄電するキャパシタ5と、キャパシタ5に充電された電荷を任意の周波数の交流電流に変換し負荷に供給するインバータ6とを有する発電機1において、エンジン2が備える始動用バッテリ8が、双方向DC/DCコンバータ7を介して、キャパシタ5に接続されており、負荷20が始動するときの突入電力を、キャパシタ5及び始動用バッテリ8から供給するようにする。
エンジンにより駆動され交流電流を発電するオルタネータと、前記オルタネータが発電した交流電流を直流電流に変換するコンバータと、前記コンバータで変換された直流電流を電荷として蓄電するキャパシタと、前記キャパシタに充電された電荷を任意の周波数の交流電流に変換し負荷に供給するインバータとを有する発電機において、
前記エンジンが備える始動用バッテリが、双方向DC/DCコンバータを介して、前記キャパシタに接続されていること、
前記負荷が始動するときの突入電力を、前記キャパシタ、及び前記始動用バッテリから供給すること、
を特徴とする発電機。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の発電機の一実施の形態について、図面を参照しながら、詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る発電機1の回路構成を説明する図である。
発電機1は、負荷20に接続している。負荷20は、例えば建設現場の送風機や排水ポンプのように、商用電力の受電が困難な場所で使用され、発電機を内蔵しないものである。発電機1は、エンジン2、オルタネータ3、コンバータ4、キャパシタ5、三相インバータ6(インバータの一例)、双方向DC/DCコンバータ7、始動用バッテリ8、セルモータ9、ECU10、及び、制御装置11を備え、負荷20に電力を供給する。
【0011】
具体的に説明すると、発電機1は、エンジン2の駆動軸にオルタネータ3が接続している。エンジン2には、セルモータ9が接続している。セルモータ9は、発電機1がON状態にされたときに、始動用バッテリ8から電力を供給されてエンジン2に始動時の回転力を付与する。セルモータ9とエンジン2には、エンジン制御装置であるECU10が接続している。ECU10には、制御装置11が接続し、セルモータ9やエンジン2の動作を制御する。
オルタネータ3には、コンバータ4が接続している。オルタネータ3は、エンジン2の回転数に比例して電気を発生し、その交流電流がコンバータ4により直流電流に変換される。コンバータ4には、直流電流を電荷として蓄電するキャパシタ5、及び、直流電流を任意の周波数の交流電流に変換し、負荷20に供給する三相インバータ6が接続している。キャパシタ5は、三相インバータ6にも接続している。
双方向DC/DCコンバータ7は、コンバータ4と三相インバータ6と始動用バッテリ8に接続している。コンバータ4から出力される直流電圧は、例えば350Vであるのに対し、始動用バッテリ8のバッテリ電圧は例えば100Vである。そのため、双方向DC/DCコンバータ7は、始動用バッテリ8から三相インバータ6へ電流を流す場合には、始動用バッテリ8から出力される電圧を約350Vに昇圧する。また、双方向DC/DCコンバータ7は、コンバータ4から始動用バッテリ8に電流を流す場合には、コンバータ4から出力される電圧を約100Vに降圧する。更に、双方向DC/DCコンバータ7は、キャパシタ5に接続し、キャパシタ5に蓄電された電荷を始動用バッテリ8に供給する経路を形成する。
制御装置11は、キャパシタ5と双方向DC/DCコンバータ7とECU10に接続している。制御装置11は、制御手段11aを有している。
【0012】
次に、制御手段11aの内容を説明する。
図2は、制御手段11aの内容を示すフローチャートである。ステップ1(以下「S1」と略記する。)において、発電機1がONされると、制御装置11が起動する。S2において、制御装置11は、キャパシタ5の蓄電量を確認し、キャパシタ5の蓄電量が所定値未満であるか否かを判断する。ここで、所定値とは、負荷20が始動するときに、オルタネータ3が発電する電力だけでは不足する電力を供給するのに必要な蓄電量をいう。
【0013】
キャパシタ5の蓄電量が所定値未満である場合には(S2:YES)、負荷20を始動させることができない恐れがある。そこで、S3において、制御装置11は、ECU10にエンジン2の始動指令を出し、セルモータ9を始動させた後、S4において、エンジン2を始動させる、その後、S5において、オルタネータ3が発電した交流電流によるキャパシタ5への充電を行う。この動作は、エンジン2が始動した後にオルタネータ3が発電した交流電流を、コンバータ4が制御することにより行う。キャパシタ5の蓄電量が所定値を超えていない場合(S6:NO)、充電を継続する。
【0014】
キャパシタ5の蓄電量が所定値を超えた場合には(S6:YES)、S7において、始動用バッテリ8の蓄電量が所定値未満であるか否かを判断する。ここで、所定値とは、負荷20が始動するときに、オルタネータ3が発電する電力だけでは不足する電力を供給するのに必要な蓄電量をいう。
【0015】
始動用バッテリ8の蓄電量が所定値未満である場合には(S7:YES)、負荷20を始動させることができない恐れがある。そこで、S8において、エンジン2が動作中であるか否かを判断し、動作中でない場合には(S8:NO)、S9において、制御装置11はECU10に対してエンジン2の始動指令を出し、セルモータ9を始動させた後、S10において、エンジン2を始動させる。その後、S11において、オルタネータ3が発電した交流電流による始動用バッテリ8への充電を行う。この動作は、オルタネータ3が発電した交流電流を、コンバータ4および双方向DC/DCコンバータ7が制御することにより行う。始動用バッテリ8の蓄電量が所定値を超えていない場合(S12:NO)、充電を継続する。
【0016】
始動用バッテリ8の蓄電量が所定値を超えた場合には(S12:YES)、S13において、制御装置11が負荷始動許可表示を行う。これにより、作業者は、負荷20を始動できる状態であることを認識する。負荷始動許可表示は、例えば、ランプの点灯やメッセージ表示等により行う。また、表示に変えて、或いは、表示と共に、負荷始動が許可された旨をブザー音や音声メッセージにより報知するようにしても良い。
【0017】
エンジン2が動作中である場合(S14:YES)、S15において時間のカウントを行い、S16において負荷20が始動されているか否かを判断する。負荷20が始動されていなかった場合には(S16:NO)、エンジン2を停止する。これにより、燃料消費量が低減される。ここで、カウントする時間は、負荷始動許可表示後すぐに負荷20を始動することを想定した場合に、作業者が余裕をもって操作を行える程度の時間とする。一方、時間のカウント中に負荷20が始動された場合には(S16:YES)、エンジン2の動作を継続する。
よって、発電機1は、キャパシタ5と始動用バッテリ8が発電機1をONされる前に自然放電等により蓄電量を低減している場合でも、負荷20が始動する前に、エンジン2を始動して負荷20の始動に必要な電力をキャパシタ5と始動用バッテリ8に充電するので、負荷20を確実に始動させることができる。
【0018】
次に、負荷始動後の電力状態を説明する。
図3は、電力状態を説明するフローチャートである。
S21において、例えば作業者が負荷始動許可表示を見て負荷20を始動させると、S22において、キャパシタ5から三相インバータ6を介して負荷20に電力が供給される。エンジン2が動作中の場合(S23:YES)、S24において、オルタネータ3が発電した電力が、三相インバータ6を介して負荷20に供給され、更に、S28において、始動用バッテリ8から負荷20へ電力が供給される。一方、S23において、エンジン2が停止中であれば(S23:NO)、S25からS26において、制御装置11が、ECU10に対してエンジン2の始動指令を出し、セルモータ9が始動用バッテリ8から電力を供給されて始動し、エンジン2を始動させる。このようにエンジン2が始動した場合には(S26:YES)、S27において、オルタネータ3の発電電力をコンバータ4、三相インバータ6を介して負荷20へ電力を供給し、更に、S28において、キャパシタ5とオルタネータ3では不足する電力を始動用バッテリ8から負荷20へ供給する。なお、始動用バッテリ8から三相インバータ6へ電力を供給する場合、双方向DC/DCコンバータ7が100Vのバッテリ電圧を350Vまで昇圧するので、負荷20が安定して駆動する。
【0019】
上記のように、発電機1は、エンジン2の動作時に、キャパシタ5と別に始動用バッテリ8から負荷20へ電力供給可能するので、キャパシタ5をコンパクトにできる。また、エンジン2及びオルタネータ3の大きさを負荷20の定常運転に必要な負荷電力に合わせて選定できる。よって、上記発電機1によれば、装置サイズがコンパクトになり、設置スペースを小さくできる。また、発電機1は、キャパシタ5の大電流を瞬間的に放出できる特性と始動用バッテリ8の少電流を時間をかけて放出する特性の双方を活かし、ピーク時の突入電力をキャパシタ5で補い、ピーク時以降の突入電力を始動用バッテリで補うことで、負荷20が始動するときの電力不足を回避できる。
【0020】
その後、S29において、制御装置11が、三相インバータ6から負荷20に出力する電圧を検出し、負荷20が定常運転を開始したか否かを確認する。負荷20が定常運転を開始するまでは(S29:NO)、オルタネータ3と始動用バッテリ8から負荷20に電力を供給する。
【0021】
一方、負荷20が定常運転を開始した場合には(S29:YES)、S30において、制御装置11が、双方向DC/DCコンバータ7を制御し、始動用バッテリ8から負荷20への給電を停止する。この時点において、エンジン2は始動時運転し、オルタネータ3が負荷20の定常運転に必要な電力より大きい電力を発電している。そのため、オルタネータ3が発電する電力が余る。一方、キャパシタ5は、突入電力を供給したことにより蓄電量が減少している。そのため、S31において、余剰電力は、コンバータ4からキャパシタ5に供給され、電荷としてキャパシタ5に充電される。これにより、キャパシタ5の電圧が上昇する。
【0022】
そして、S32において、制御装置11は、キャパシタ5の電圧を検出し、キャパシタ5がフル充電されたか否かを確認する。この動作は、制御装置11がキャパシタ5の電圧を監視することにより行う。制御装置11は、キャパシタ5の電圧がコンバータ4の最大出力電圧より小さい場合には、キャパシタ5がフル充電されていないので(S32:NO)、エンジン2に始動時運転を継続させ、キャパシタ5に充電し続ける。
【0023】
一方、キャパシタ5の電圧がコンバータ4の最大出力電圧に一致すると、キャパシタ5がフル充電されているので(S32:YES)、その時点で、キャパシタ5が充電されなくなる(S33)。そこで、S34において、制御装置11は、双方向DC/DCコンバータ7を制御し、余剰電力をコンバータ4から始動用バッテリ8に供給して始動用バッテリ8を充電する。このとき、双方向DC/DCコンバータ7が、始動用バッテリ8に印加される電圧を制御するため、始動用バッテリ8が破損しない。始動用バッテリ8は、双方向DC/DCコンバータ7が始動用バッテリのフル充電を検出するまでの間(S35:NO)、充電を継続される。
【0024】
一方、制御装置11は、双方向DC/DCコンバータ7を介して始動用バッテリ8がフル充電されたことを検出すると(S35:YES)、S36において、双方向DC/DCコンバータ7を待機状態にし、始動用バッテリ8の充電を停止する。そして、S37において、制御装置11は、ECU10に対してエンジン2の回転数を下げる指令を出力する。これにより、エンジン2は、始動時運転を行う場合より回転数が下がった状態で、定常運転する。定常運転時の回転数は、負荷20が定常運転するのに必要な電力をオルタネータ3が発電するように設定される。
【0025】
次に、上記構成を有する発電機1の作用及び効果について説明する。
図4に、発電機1の運転状態の一例を説明する図を示す。
図5に、
図1に記載する発電機の運転状態の別例を説明する図を示す。
図4及び
図5の(a)の縦軸は、負荷20が必要とする負荷電力を示し、横軸は、時間を示す。
図4及び
図5の(b)の縦軸は、オルタネータ3が発電する発電電力を示し、横軸は、時間を示す。
図4及び
図5の(c)の縦軸は、キャパシタ5に充電され、又は、キャパシタ5から供給される電力を示し、横軸は時間を示す。
図4及び
図5の(d)の縦軸は、始動用バッテリ8に充電され、又は、始動用バッテリ8から供給される電力を示し、横軸は時間を示す。
図4及び
図5の(a)〜(d)の縦軸に示す電力は、突入電力のピーク値を100%とした場合の割合で示している。
【0026】
まず、エンジン2が停止した状態で負荷20を始動する場合について、
図4を参照して説明する。
t1は、負荷20が始動するタイミングを示す。例えば、負荷20が停止状態から始動すると、突入電力が例えば7〜8秒間流れる。突入電力は、負荷20の始動直後にピークとなり、その後徐々に減少する。ピーク時の突入電力は、キャパシタ5から100%供給されている。
【0027】
t2は、始動用バッテリ8がアシストを開始するタイミングを示す。始動用バッテリ8は、負荷20が始動するときにセルモータ9に電力を供給するので、エンジン2の始動後に、双方向DC/DCコンバータ7を介して負荷20へ電力を供給する。つまり、オルタネータ3と始動用バッテリ8は、ほぼ同時に負荷20への給電を開始する。キャパシタ5が電力を供給できる状態では、負荷20の突入電力は、オルタネータ3とキャパシタ5と始動用バッテリ8から供給される。その後、キャパシタ5が電力供給できない状態になると、負荷20の突入電力はオルタネータ3と始動用バッテリ8から供給される。よって、負荷20は、安定して始動できる。
【0028】
t3は、負荷20が定常運転を開始するタイミングを示す。例えば、負荷20は、定常運転を開始すると、負荷電力が突入電力のピーク値に対して10%程度になる。これに対して、オルタネータ3が発電する電力は、突入電力のピーク値に対して20%程度である。よって、負荷20が定常運転を開始すると、オルタネータ3が発電する電力が余る。そこで、オルタネータ3の余剰電力(突入電力のピーク値に対して10%程度の電力)を電荷としてキャパシタ5に充電する。
【0029】
t4は、キャパシタ5への充電を終了するタイミングを示す。キャパシタ5がフル充電されると、キャパシタ5への充電が終了し、オルタネータ3の余剰電力が始動用バッテリ8に充電される。尚、始動用バッテリ8は、必ずキャパシタ5より後に充電される。なぜなら、キャパシタ5にはオルタネータ3の余剰電力が勝手に流れ込むため、負荷電力が小さくなった時点で充電が始まっており、その結果、余剰電力がキャパシタ5に充電されていることが、オルタネータ3の出力に余裕がある判断基準となるためである。また、キャパシタ5の充電状態が三相インバータ6の入力電圧に関わるので、三相インバータ6の最低入力電圧以上を余裕を持って維持するためである。
【0030】
t5は、始動用バッテリ8への充電を終了するタイミングを示す。始動用バッテリ8の充電が終了すると、エンジン2の回転数が下げられ、オルタネータ3が発電する電力が、定常運転する負荷20が必要とする負荷電力とほぼ一致する。よって、負荷20が定常運転する場合の燃料消費量が抑制される。
【0031】
次に、エンジン2の動作中に負荷20が始動する場合について、
図5を参照して説明する。
t11は、負荷始動前にキャパシタ5に充電するタイミングを示す。
例えば、発電機1は、エンジン2の停止中に、キャパシタ5と始動用バッテリ8が自然放電する。この状態で負荷20をONすると、発電機1から負荷20に突入電力を供給できない恐れがある。そこで、エンジン2を始動させる。キャパシタ5の蓄電量が低下しているため、オルタネータ3が発生する電力がキャパシタ5に供給され、キャパシタ5が充電される。
【0032】
t12は、負荷始動前に始動用バッテリ8に充電するタイミングを示す。
キャパシタ5の蓄電量が所定値以上になると、キャパシタ5の充電が終了する。始動用バッテリ8の蓄電量も低下しているので、エンジン2が動作する状態で、双方向DC/DCコンバータ7が始動用バッテリ8への充電を開始する。
【0033】
t13は、始動用バッテリ8の充電を終了するタイミングを示す。
始動用バッテリ8の蓄電量が所定値以上になると、双方向DC/DCコンバータ7が始動用バッテリ8への充電を終了する。この時点では、キャパシタ5と始動用バッテリ8の充電が終了し、負荷20が始動していないため、エンジン2が動作していても、オルタネータ3の出力電力はゼロになる。
【0034】
t14は、エンジン2が動作している状態で負荷20が始動するタイミングを示す。
エンジン2は、キャパシタ5と始動用バッテリ8の充電が終了した後、所定時間が経過するまで動作し続ける。負荷20が、その所定時間内に始動すると、オルタネータ3の発電電力(例えば突入電力のピーク値に対して20%の電力)が負荷20に供給される。また、オルタネータ3だけでは不足する電力(例えば突入電力のピーク値に対して80%の電力)がキャパシタ5から供給される。
【0035】
t15は、始動用バッテリ8がアシストを開始するタイミングを示す。
始動用バッテリ8は、双方向DC/DCコンバータ7が始動する分、オルタネータ3より遅れて負荷20に給電を開始する。始動用バッテリ8は、キャパシタ5とオルタネータ3だけでは不足する電力を負荷20に供給する。
t16〜t18は、
図4のt3〜t5と同様であるので、説明を省略する。
【0036】
ところで、例えば、建設現場の送風機や排水ポンプは、現場を移動する場合、数週間から数ヶ月に渡って長期保管されることがある。この場合、始動用バッテリ8及びキャパシタ5は、エンジン2の停止時にはフル充電されていても、長期保管中に自然放電してしまう恐れがある。
【0037】
始動用バッテリ8は、蓄電量が低下した場合、劣化してしまう恐れがある。一方、キャパシタ5は、蓄電量が低下しても劣化が起こらない。そこで、発電機1は、保管中に自然放電により始動用バッテリ8の蓄電量が劣化の恐れのある領域まで低下する前に、双方向DC/DCコンバータ7によりキャパシタ5から始動用バッテリ8に充電を行う。そのため、発電機1は、長期保管後であっても、セルモータ9を駆動してエンジン2を始動させることができる。
【0038】
以上説明したように、本実施形態の発電機1は、エンジン2により駆動され交流電流を発電するオルタネータ3と、オルタネータ3が発電した交流電流を直流電流に変換するコンバータ4と、コンバータ4で変換された直流電流を電荷として蓄電するキャパシタ5と、キャパシタ5に充電された電荷を任意の周波数の交流電流に変換し負荷に供給する三相インバータ6とを有する発電機1において、エンジン2が備える始動用バッテリ8が、双方向DC/DCコンバータ7を介して、キャパシタ5に接続されていること、負荷20が始動するときの突入電力を、キャパシタ5及び始動用バッテリ8から供給すること、を特徴とするので、負荷20の突入電力に対して始動用バッテリ8の電力を活用できるため、キャパシタ5の容量を比較的小さくでき、コストダウンを実現できる。また、始動用バッテリ8の充電を双方向DC/DCコンバータ7を介してキャパシタ5から行うことができるため、始動用バッテリ8の充電のための専用のオルタネータが不要となり、コストダウンを実現できる。
【0039】
また、本実施形態の発電機1は、発電機1が保管状態にあって、エンジン2が長時間非稼働状態の時に、キャパシタ5が始動用バッテリ8を充電すること、を特徴とするので、発電機1を長期間保管している場合でも、始動用バッテリ8の電圧を所定電圧以上に保つことができるため、始動用バッテリ8が自然放電により劣化するのを防止することができる。
【0040】
本発明の発電機は、上記実施の形態に限定されることなく、色々な応用が可能である。
例えば、上記実施形態では、始動時運転及び定常運転時に一定の電圧を出力するようにしたが、エンジン2を負荷20に追従して運転するようにしても良い。この場合、キャパシタ5及び始動用バッテリ8がフル充電されるまでは、オルタネータ3が負荷20の定常運転に必要な負荷電力より大きい電力を発電するようにエンジン2の出力を設定することが好ましい。
例えば、上記実施形態では、キャパシタ5がフル充電された後に始動用バッテリ8の充電を開始したが、キャパシタ5の電圧が一定値以上に回復した時点で始動用バッテリ8の充電を開始しても良い。