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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-121119(P2017-121119A)
(43)【公開日】2017年7月6日
(54)【発明の名称】配線保護部材
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/30 20060101AFI20170609BHJP
   H01B 7/18 20060101ALI20170609BHJP
【FI】
   H02G3/30
   H01B7/18 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-256277(P2015-256277)
(22)【出願日】2015年12月28日
(71)【出願人】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】船倉 治朗
(72)【発明者】
【氏名】崔 相彦
【テーマコード(参考)】
5G313
5G363
【Fターム(参考)】
5G313AB10
5G313AC03
5G313AD08
5G313AE01
5G313AE08
5G363AA15
5G363DB09
(57)【要約】
【課題】壁や床面に配線が設置されても、配線が目立って美観が損なわれることを抑制する配線保護部材を提供する。
【解決手段】実施形態に係る配線保護部材1は、壁面10に設けられた配線20を壁面10に対向する方向から覆う透明部材30を備え、壁面10から透明部材30に入射した光51を、透明部材30の配線20側の面である内面33で反射させ、反射させた反射光を、壁面10に対向する方向に向かわせる。また、内面33における光51の入射角は臨界角よりも大きい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁面に設けられた配線を前記壁面に対向する方向から覆う透明部材を備え、
前記壁面から前記透明部材に入射した光を、前記透明部材の前記配線側の面である内面で反射させ、反射させた反射光を、前記壁面に対向する方向に向かわせる、
配線保護部材。
【請求項2】
前記内面における前記光の入射角は臨界角よりも大きい、
請求項1に記載の配線保護部材。
【請求項3】
前記内面に設けられた反射部材をさらに備える、
請求項1または2に記載の配線保護部材。
【請求項4】
前記内面と、前記壁面における前記内面と接した部分よりも外側の部分との間の角度は鈍角である、
請求項1〜3のいずれか一項に記載の配線保護部材。
【請求項5】
前記内面は、
前記配線の両側のうち一方側から前記配線を覆う第1の平面と、
前記配線の両側のうち他方側から前記配線を覆う第2の平面と、
を含む
請求項1〜4のいずれか一項に記載の配線保護部材。
【請求項6】
前記内面は、
前記配線の両側のうち一方側から前記配線を覆う第3の平面と、
前記配線の両側のうち他方側から前記配線を覆う第4の平面と、
をさらに含み、
前記内面と、前記内面で覆われる壁面とは、五角柱の形状を構成する、
請求項5に記載の配線保護部材。
【請求項7】
前記透明部材の前記配線と反対側の面である外面は、
前記配線の両側のうち一方側から前記配線を覆う第5の平面と、
前記配線の両側のうち他方側から前記配線を覆う第6の平面と、
を含む、
請求項5に記載の配線保護部材。
【請求項8】
前記外面は、
前記配線の両側のうち一方側から前記配線を覆う第7の平面と、
前記配線の両側のうち他方側から前記配線を覆う第8の平面と、
をさらに含み、
前記外面と、前記外面で覆われる壁面とは、五角柱の形状を構成する一部である、
請求項7に記載の配線保護部材。
【請求項9】
前記透明部材の前記配線と反対側の面である外面は湾曲している、
請求項1〜6のいずれか一項に記載の配線保護部材。
【請求項10】
壁面に設けられた配線を前記壁面に対向する方向から覆う反射部材を備え、
前記壁面から前記反射部材に入射した光を、前記反射部材で反射させ、反射させた反射光を、前記壁面に対向する方向に向かわせる、
配線保護部材。
【請求項11】
前記反射部材を覆う透明部材をさらに備える、
請求項10に記載の配線保護部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線保護部材に関し、例えば、壁に固定する配線を保護する配線保護部材に関する。
【背景技術】
【0002】
壁や床に設置された配線は、居室内の場所によっては目立ち、美観が損なわれることがある。そこで、配線の保護部材を、壁や床と同じ色にして、壁や床に同化させることが考えられる。しかしながら、壁や床は、いろいろな色で彩色することが考えられるので、それらすべての色に対応できるように、配線の保護部材の色を確保しておくことは困難である。
【0003】
特許文献1には、配線の保護部材を、透明エポキシ樹脂等の透明な材料から形成することが開示されている。特許文献1では、配線の保護部材を透明とすることにより、配線保護部材を壁の彩色と同化させている。これにより、配線を目立たなくしている。
【0004】
また、特許文献2には、防犯センサー用として使用する配線の保護部材を透明にし、目立たなくすることが開示されている。特許文献3には、配線を固定する固定部材を透明な樹脂部材により形成することで、配線の色や模様によらずに目立つことがなく、居室内の美観が損なわれないようにすることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−200135号公報
【特許文献2】特開2003−244826号公報
【特許文献3】特開2011−188554号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
配線の保護部材を透明にしても、内部に含まれる配線は、配線保護部材を通して見ることができる。よって、居室内の場所によっては配線が依然として目立ってしまい、美観が損なわれるものとなっていた。
【0007】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、壁や床面に配線が設置されても、配線が目立って美観が損なわれることを抑制する配線保護部材を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明にかかる配線保護部材は、壁面に設けられた配線を前記壁面に対向する方向から覆う透明部材を備え、前記壁面から前記透明部材に入射した光を、前記透明部材の前記配線側の面である内面で反射させ、反射させた反射光を、前記壁面に対向する方向に向かわせる。このような構成とすることにより、配線保護部材に壁面が映し出されるので、配線が目立って美観が損なわれることを抑制することができる。
【0009】
また、前記内面における前記光の入射角は臨界角よりも大きい。このような構成とすることにより、透明部材に入射した光を内面で全反射することができるので、反射率を向上させることができる。
【0010】
さらに、前記内面に設けられた反射部材をさらに備える。このような構成とすることにより、透明部材に入射した光を内面における入射角に関係なく内面で反射することができる。
【0011】
また、前記内面と、前記壁面における前記内面と接した部分よりも外側の部分との間の角度は鈍角である。このような構成とすることにより、壁面から透明部材に入射させた光を確実に壁面に対向する方向に向かわせることができる。
【0012】
さらに、前記内面は、前記配線の両側のうち一方側から前記配線を覆う第1の平面と、前記配線の両側のうち他方側から前記配線を覆う第2の平面と、を含む。このような構成とすることにより、配線の近傍両の壁面が配線保護部材に映し出されるので、より目立たなくすることができる。
【0013】
前記内面は、前記配線の両側のうち一方側から前記配線を覆う第3の平面と、前記配線の両側のうち他方側から前記配線を覆う第4の平面と、をさらに含み、前記内面と、前記内面で覆われる壁面とは、五角柱の形状を構成する。このような構成とすることにより、配線保護部材の幅をコンパクトにしつつ、内面における入射角を制御することができる。
【0014】
前記透明部材の前記配線と反対側の面である外面は、前記配線の両側のうち一方側から前記配線を覆う第5の平面と、前記配線の両側のうち他方側から前記配線を覆う第6の平面と、を含む。このような構成とすることにより、配線保護部材の幅をコンパクトにしつつ、内面における入射角を制御することができる。
【0015】
前記外面は、前記配線の両側のうち一方側から前記配線を覆う第7の平面と、前記配線の両側のうち他方側から前記配線を覆う第8の平面と、をさらに含み、前記外面と、前記外面で覆われる壁面とは、五角柱の形状を構成する一部である。このような構成とすることにより、保護部材における配線を覆う容積を大きくすることができる。
【0016】
前記透明部材の前記配線と反対側の面である外面は、湾曲している。このような構成とすることにより、配線保護部材の外面に尖端部分がないので、安全に使用することができる。
【0017】
また、本発明にかかる配線保護部材は、壁面に設けられた配線を前記壁面に対向する方向から覆う反射部材を備え、前記壁面から前記反射部材に入射した光を、前記反射部材で反射させ、反射させた反射光を、前記壁面に対向する方向に向かわせる。このような構成とすることにより、配線保護部材に壁面が映し出されるので、配線が目立って美観が損なわれることを抑制することができる。
【0018】
また、前記反射部材を覆う透明部材をさらに備える。このような構成とすることにより、透明部材の屈折を利用することができるので、配線保護部材に壁面を映し出す方法の選択の幅を拡げることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明により、壁や床面に配線ケーブルが施工されても、表面に壁面が映し出されるので、配線が目立って美観が損なわれることを抑制する配線保護部材を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】実施形態1に係る配線保護部材を例示した斜視図である。
図2】実施形態1に係る配線保護部材を例示した断面図である。
図3】実施形態1に係る配線保護部材を例示した正面図である。
図4】実施形態1に係る配線保護部材の一部を例示した拡大図である。
図5】実施形態2に係る配線保護部材を例示した断面図である。
図6】実施形態2に係る配線保護部材を例示した断面図である。
図7】実施形態2に係る配線保護部材の一部を例示した拡大図である。
図8】実施形態2に係る配線保護部材を例示した図であり、(a)〜(d)は、視野角がそれぞれ(a)0°の場合、(b)10°の場合、(c)20°の場合、(d)30°の場合である。
図9】実施形態3に係る配線保護部材を例示した断面図である。
図10】実施形態3に係る配線保護部材の一部を例示した拡大図である。
図11】実施形態4に係る配線保護部材を例示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(実施形態1)
実施形態1に係る配線保護部材の構成を説明する。図1は、実施形態1に係る配線保護部材を例示した斜視図である。図2は、実施形態1に係る配線保護部材を例示した断面図である。図3は、実施形態1に係る配線保護部材を例示した正面図である。図1図3に示すように、配線保護部材1は、壁面10に設けられた配線20を覆っている。壁面10は、例えば、住居の居室内の壁の面である。
【0022】
配線保護部材1は、配線20に沿って延設された部分を有している。配線保護部材1は、透明部材30を備えている。透明部材30も配線20に沿って延設された部分を有している。
【0023】
ここで、図1図3において、説明の便宜上、XYZ直交座標系を導入する。壁面10に対向する方向をZ軸方向とする。Z軸方向のうち、壁面10から配線20へ向かう方向を+Z軸方向、その反対方向を−Z軸方向とする。壁面10に平行な面内における任意の方向、例えば、配線保護部材1または透明部材30が延設された方向をX軸方向とする。X軸方向のうち、任意の方向を+X軸方向、その反対方向を−X軸方向とする。Z軸方向及びX軸方向に対向する方向をY軸方向とする。+Z軸方向から+X軸方向にネジを回転させたときにネジが進む方向を+Y軸方向、その反対方向を−Y軸方向とする。また、特に述べない限り、配線20を中心にして、配線20に近づく方向を内側、配線20から遠ざかる方向を外側という。
【0024】
配線20は、例えば、壁面10において、X軸方向に延びるように配置されている。配線20は、例えば、電力を供給するケーブルである。配線20は、断面が円形のX軸方向に延びたコードの形状をしている。配線20は、例えば、導電性の線材を含んでいる。配線20は、導電性の線材の周りが絶縁性のカバーで覆われたものである。なお、配線は電力ケーブルに限らず、信号線でもよい。配線20の断面は円形でなくてもよい。また、配線20は絶縁性のカバーのない導電性の線材だけでもよい。
【0025】
透明部材30は、可視光を透過させる部材である。例えば、透明部材30は、透明な樹脂またはガラスを材料として含んでいる。透明部材30は、配線20に沿って設けられている。透明部材30は、壁面10に設けられた配線20を壁面10に対向する方向から覆っている。透明部材30のYZ平面における断面は、図2に示すように、V字を横にした形状をしている。V字の開いた部分が壁面10に接している。配線20の+Y軸方向側及び配線20の−Y軸方向側で壁面10に接した部分を端部35とする。透明部材30の端部35と壁面10とは所定の幅をもって接している。透明部材30のV字の尖った部分を頂部36とする。なお、以下の実施形態において、透明部材30の壁面10に接する部分を端部35とし、透明部材30の最も+Z軸方向側の部分を頂部36とする。
【0026】
透明部材30は、外面31及び内面33を有している。内面33は、透明部材30の配線20側の面である。外面31は、透明部材30の配線20と反対側の面である。
【0027】
透明部材の内面33は、平面34a(第1の平面)及び平面34b(第2の平面)を含んでいる。平面34aは、内面33の+Y軸方向側に配置されている。平面34aは、配線20の両側のうち+Y軸方向側(一方側)から配線20を覆っている。例えば、平面34aの一端は、壁面10に接している。平面34aの他端は、例えば、平面34bと接している。平面34bは、内面33の−Y軸方向側に配置されている。平面34bは、配線20の両側のうち−Y軸方向側(他方側)から配線20を覆っている。例えば、平面34bの一端は、壁面10に接している。平面34bの他端は、例えば、平面34aと接している。これにより、透明部材30における内面33と、壁面10における内面33で覆われた部分11とは、三角柱の形状を構成している。配線20は、三角柱の内部に配置されている。
【0028】
平面34aと、壁面10における平面34aと接している部分より+Y軸方向側の面(以下、+Y軸方向側の外側の壁面10という。)と、のなす角度は、鈍角となっている。また、平面34bと、壁面10における平面34bと接している部分より−Y軸方向側の面(以下、−Y軸方向側の外側の壁面10という。)と、のなす角度は、鈍角となっている。
【0029】
透明部材30の内面33、すなわち、平面34a及び平面34bには反射部材41が設けられている。例えば、透明部材30の内面33には、反射部材41がコーティングされている。これにより、内面33は、壁面10から透明部材30に入射した光51を反射する。光51の方向を逆にしていえば、内面33は、壁面10に対向する方向から透明部材30に入射した光51を反射する。よって、反射部材41が設けられた透明部材30の内面33は、透明部材30に入射した光51の反射面40となっている。
【0030】
なお、透明部材30の内面33の傾きによっては、透明部材30に入射した光51が内面33において全反射する場合がある。例えば、内面33における透明部材30に入射した光51の入射角が臨界角よりも大きいときは、光51は、内面33において全反射する。この場合には、内面33に反射部材41が設けられていなくてもよい。
【0031】
透明部材30の外面31は、平面32a(第5の平面)及び平面32b(第6の平面)を含んでいる。平面32aは、透明部材30の+Y軸方向側に配置されている。平面32aは、配線20の両側のうち+Y軸方向側(一方側)から配線20を覆っている。平面32aの一端は、例えば、壁面10に接している。平面32aの他端は、直接または頂部36を介して平面32bと接続している。平面32bは、透明部材30の−Y軸方向側に配置されている。平面32bは、配線20の両側のうち−Y軸方向側(他方側)から配線20を覆っている。平面32bの一端は、例えば、壁面10に接している。平面32bの他端は、直接または頂部36を介して平面32aと接続している。これにより、透明部材30における外面31と、壁面10における外面31で覆われた部分12とは、三角柱の形状を構成している。
【0032】
次に、実施形態1の配線保護部材1の動作を説明する。
図4は、実施形態1に係る配線保護部材の一部を例示した拡大図である。図2及び図4に示すように、壁面10から透明部材30の外面31、例えば平面32aに入射した光51は、透明部材30に入射する。このとき、透明部材30の界面で光51は屈折する。透明部材30の屈折率は、空気の屈折率よりも大きいので、屈折角r1は、入射角i1よりも小さくなっている。
【0033】
透明部材30に入射した光51は、内面33、例えば、平面34aに到達する。平面34aの表面には反射部材41が設けられている。よって、平面34aに到達した光51は、平面34aにおいて反射する。平面34aにおける光51の入射角i2と、反射角j2とは同じ角度である。なお、平面34aにおける光51の入射角i2が臨界角よりも大きい場合には、光51は平面34aにおいて全反射する。よって、平面34aの表面に反射部材41が設けられていなくてもよい。なお、全反射する場合に、反射部材41が設けられていてもよい。
【0034】
平面34aで反射した光51は壁面10に対向する方向へ向かう。平面34aで反射し、壁面10に対向する方向へ向かう光51は、透明部材30の平面32aから出射する。このとき、透明部材30の界面で光51は屈折する。透明部材30の屈折率は、空気の屈折率よりも大きいので、屈折角r3は、入射角i3よりも大きくなっている。透明部材30から出射した光51は壁面10に対向する方向へ向かう。例えば、光51は、+Z軸方向へ向かう。このように、実施形態に係る配線保護部材1は、壁面10から透明部材30に入射した光51を、透明部材51の内面33で反射させ、反射させた反射光を、壁面10に対向する方向に向かわせる。内面33、例えば、平面34aと、壁面10における平面34aと接した部分よりも外側の部分との間の角度は鈍角となっている。鈍角となっていれば、透明部材30の屈折を利用することによって、反射光を壁面10に対向する方向に向かわせることができる。
【0035】
なお、図2及び図4においては、配線保護部材1に壁面10を映し出させる動作を、壁面10から透明部材30に入射した光51を、透明部材30の内面33で反射させ、反射させた反射光を、壁面10に対向する方向に向かわせるとして説明したが、光51の経路をこれと逆方向にしてもよい。すなわち、壁面10に対向する方向から透明部材30に入射した光を、透明部材30の内面33で反射させ、反射させた反射光を、壁面10に到達させるとしてもよい。
【0036】
本実施形態に係る配線保護部材1によれば、壁面10から透明部材30に入射した光51を、透明部材30の配線20側の面である内面33で反射させ、反射させた反射光を、壁面10に対向する方向に向かわせている。したがって、壁面10に対向する方向から配線保護部材1を見ると、配線保護部材1の外面31には、配線保護部材1の側面側の壁面10が映し出されている。よって、配線20は目立つことがない。これにより、壁面10に配線20が設けられても、配線が目立って美観が損なわれることを抑制することができる。
【0037】
また、配線保護部材1が内面33に設けられた反射部材41をさらに備えた場合には、内面33における入射角に関係なく、反射させることができる。よって、配線保護部材1に、確実に壁面10を映し出させることができる。なお、内面33において、透明部材30に入射した光51の入射角が、臨界角よりも大きい場合には、光51は、内面33において全反射する。よって、内面33に反射部材41を設けなくてもよい。これにより、反射部材41を設けるためのコストを低減することができる。さらに、全反射により、反射率を向上させることができる。
【0038】
このように、本実施形態では、配線20が存在する部分に壁面10の一部を映し出すような光学設計を施すことによって、配線20の存在を目立たなくすることができる。従来方法、例えば、配線保護部材を、壁面と同じ色にして、壁面に同化させる方法と比較すると、本実施形態の配線保護部材1は、実際の壁面10の色が映し出されているので、格段に目立たなくなっている。また、壁面10の色に依存しないので、従来方法のように、カラーバリエーションを不要とすることができる。
【0039】
内面33、例えば、平面34aと、壁面10における平面34aに接した部分よりも外側の部分との間の角度を鈍角としている。これにより、配線の両側の壁面10を配線保護部材1に映し出すことができるので、配線が目立って美観が損なわれることを抑制することができる。
【0040】
また、配線保護部材1の内面33は、平面34a及び平面34bを有している。そして、平面34a、平面34b及び壁面10とで三角柱の形状を構成している。また、外面31は、平面32a及び平面32bを有している。そして、平面32a、平面32b及び壁面10とで三角柱の形状を構成している。このように、内面33及び外面31を三角柱の形状とすることにより、配線保護部材1の強度を大きくすることができる。
【0041】
また、外面31において、平面32aと平面32bとのなす角度を変えることにより、壁面10に対向する方向から見たときの、配線が隠れて見える視野角を制御することができる。平面32aと平面32bとのなす角度を小さくすることにより視野角を大きくすることができる。
【0042】
なお、実施形態1の変形例として、配線20を反射部材41のみで覆ってもよい。すなわち、変形例に係る配線保護部材1aは、壁面10に設けられた配線20を壁面10に対向する方向から覆う反射部材41を備え、壁面10から反射部材41に入射した光51を、反射部材41で反射させ、反射させた反射光を、壁面10に対向する方向に向かわせている。また、配線保護部材1aは、反射部材41を覆う透明部材30をさらに備えていてもよい。
【0043】
このような構成とすることによっても、配線が目立って美観が損なわれることを抑制することができる。また、反射部材41上を透明部材30で覆うことで、透明部材30の屈折を利用することができる。これにより、配線保護部材1に壁面を映し出す方法の選択の幅を拡げることができる。
【0044】
(実施形態2)
次に、実施形態2に係る配線保護部材2を説明する。本実施形態の配線保護部材2は、プリズム状にした透明部材30を有している。
図5及び図6は、実施形態2に係る配線保護部材を例示した断面図である。図5及び図6に示すように、配線保護部材2の透明部材30は、+Y軸方向側及び−Y軸方向側からプリズム状の透明部材30で覆った形状となっている。透明部材30は、例えば、アクリルを含んでいる。屈折率は、例えば、光の波長が587.56nmのときに、1.49である。透明部材30の外面31は、平面32a(第5の平面)、平面32b(第6の平面)、平面32c(第7の平面)及び平面32d(第8の平面)を有している。内面33は、平面34a(第1の平面)及び平面34b(第2の平面)である。
【0045】
平面32a及び平面32cは、透明部材30の+Y軸方向側に配置されている。例えば、平面32cの一端は、壁面10に接している。平面32cの他端は、平面32aと接している。平面32aの一端は、例えば、平面32cに接している。平面32aの他端は、直接または頂部36を介して平面32bに接続している。
YZ平面の断面において、平面32aと平面32cとのなす角度は97°である。平面32cと平面34aとのなす角度は、40°である。平面32aと平面34aとのなす角度は、43°である。
【0046】
平面32b及び平面32dは、透明部材30の−Y軸方向側に配置されている。例えば、平面32dの一端は、壁面10に接している。平面32dの他端は、平面32bと接している。平面32bの一端は平面32dに接している。例えば、平面32bの他端は、直接または頂部36を介して平面32aに接している。これにより、透明部材30の外面31と、壁面10における外面31に覆われた部分12とは、五角柱の形状を構成するものとなっている。また、内面33には、反射部材41が設けられていない。
【0047】
YZ平面の断面において、平面32bと平面32dとのなす角度は97°である。平面32dと平面34bとのなす角度は、40°である。平面32bと平面34bとのなす角度は、43°である。
【0048】
透明部材30は、平面32a、平面32c及び平面34aからなるプリズム状の三角柱と、平面32b、平面32d及び平面34bからなるプリズム状の三角柱が、それぞれ+Y軸方向側及び−Y軸方向側から配線20を覆った形状となっている。
【0049】
配線20は、平面34a、平面34b及び壁面10の部分11で覆われている。平面34aと平面34bとのなす角度は、54°である。平面34aと壁面10の部分11とのなす角度は、63°である。平面34bと壁面10の部分11とのなす角度は、63°である。
【0050】
壁面10から頂部36までの長さは、例えば、11.8mmである。壁面10に透明部材30が接している+Y軸方向側の部分及び−Y軸方向側の部分の間の長さは、例えば、11.6mmである。
その他の構成は、実施形態1と同様であるので説明を省略する。
【0051】
次に、実施形態2の配線保護部材2の動作を説明する。
図7は、実施形態2に係る配線保護部材の一部を例示した拡大図である。図5及び図7に示すように、壁面10から透明部材30の外面31、例えば平面32cに入射した光51は、透明部材30に入射する。このとき、透明部材30の界面で光51は屈折する。透明部材30の屈折率は、空気の屈折率よりも大きいので、図7に示すように、屈折角r1は、入射角i1よりも小さくなっている。
【0052】
透明部材30に入射した光51は、内面33、例えば、平面34aに到達する。平面34aにおける光51の入射角i2は、臨界角よりも大きくなっている。よって、光51は、平面34aにおいて全反射する。入射角i2と、反射角j2とは、同じ角度である。よって、平面34aには反射部材41が設けられていない。ただし、全反射する場合であっても、反射部材41は設けられてもよい。
【0053】
平面34aで反射した光51は壁面10に対向する方向へ向かう。平面34aで反射し、壁面10に対向する方向に向かう光51は、透明部材30の平面32aから出射する。このとき、透明部材30の界面で光51は屈折する。透明部材30の屈折率は、空気の屈折率よりも大きいので、屈折角r3は、入射角i3よりも大きくなっている。透明部材30から出射した光51は壁面10に対向する方向に向かう。例えば、光51は、+Z軸方向に向かう。
【0054】
図8は、実施形態2に係る配線保護部材を例示した図であり、(a)〜(d)は、視野角がそれぞれ(a)0°の場合、(b)10°の場合、(c)20°の場合、(d)30°の場合である。
【0055】
図8(a)及び(b)に示すように、視野角が0°〜10°の場合には、配線保護部材2の外面31には、配線保護部材2の側面側の壁面10が映し出されている。よって、配線20は目立つことがない。これにより、壁面10に配線20が設けられても、配線が目立って美観が損なわれることを抑制することができる。
【0056】
図8(c)に示すように、視野角が20°の場合には、配線20の一部が映り込んでいるが、それほど目立つことがない。よって、壁面10に配線が設けられても、配線が目立って美観が損なわれることを抑制することができる。
【0057】
一方、図8(d)に示すように、視野角が30°を超えると、配線20が、配線保護部材20の外面31に映り込むようになる。よって、視野角が30°以上だと、配線20が目立つことを抑制することができない。その場合には、透明部材30の形状を変える、または、透明部材30の配置を変える等の処置が必要となる。
【0058】
なお、本実施形態における図5及び図7における動作の説明でも、前述の実施形態1と同様に、光51の経路を逆方向にして、壁面10に対向する方向から透明部材30に入射した光を、透明部材30の内面33で反射させ、反射させた反射光を、壁面10に到達させるとしてもよい。
【0059】
本実施形態の配線保護部材2によれば、内面33において、光51を全反射させることができる。よって、内面33に反射部材41を設けなくてもよい。これにより、反射部材41を設けるためのコストを低減することができる。さらに、全反射により、反射率を向上させることができる。
【0060】
また、外面31における平面32aと平面32bとのなす角度が大きいので、配線保護部材2の頂部36の尖端はゆるやかになっている。これにより、配線保護部材2を安全に使用することができる。それ以外の効果は実施形態1と同様である。
【0061】
(実施形態3)
次に、実施形態3を説明する。実施形態3は、外面31の断面形状を湾曲させた配線保護部材3の例である。図9は、実施形態3に係る配線保護部材を例示した断面図である。図9に示すように、透明部材30は、YZ面の断面形状において、湾曲した外面31を有している。したがって、湾曲した透明部材30の外面31と、壁面10における外面31で覆われた部分12とでD字状の断面を有した柱状体となっている。
【0062】
透明部材30のYZ面の断面形状において、外面31における接線と、+Y軸方向側の外側の壁面10とのなす角度(以下、接線の角度という)は、場所により変化している。接線の角度は、端部35においては、90°に近い角度である。頂部36に近づくとともに、接線の角度は、大きくなる。頂部36において、接線の角度は180°となっている。また、内面33における端部35に近い部分には反射部材41が設けられている。その他の構成は、実施形態1と同様である。
【0063】
次に、実施形態3の配線保護部材3の動作を説明する。
図10は、実施形態3に係る配線保護部材の一部を例示した拡大図である。図9及び図10に示すように、壁面10から透明部材30の外面31に入射した光51a及び光51bは、透明部材30に入射する。光51aは、透明部材30の頂部36と端部35の中間部分に入射し、光51bは、透明部材30の端部35に近い部分に入射する。このとき、透明部材30の界面で光51a及び光51bは屈折する。透明部材30の外面31のYZ平面における断面は湾曲している。よって、外面31における入射角及び屈折角は、外面31に接する界面の法線との関係で決定される。
【0064】
透明部材30に入射した光51aにおいて、透明部材30の屈折率は、空気の屈折率よりも大きいので、屈折角r1は、入射角i1よりも小さくなっている。光51は、内面33、例えば、平面34aに到達する。平面34aにおける光51aの入射角i2は、臨界角よりも大きくなっている。よって、光51aは、平面34aにおいて全反射する。よって、平面34aの表面に反射部材41が設けられていなくてもよい。ただし、全反射する場合であっても、反射部材41は設けられていてもよい。
【0065】
平面34aで反射した光51aは、壁面10に対向する方向へ向かう。平面34aで反射し、壁面10に対向する方向に向かう光51aは、透明部材30の外面31から出射する。このとき、透明部材30の界面で光51aは屈折する。屈折角r3は、入射角i3よりも大きくなっている。透明部材30から出射した光51aは壁面10に対向する方向に向かう。例えば、光51aは、+Z軸方向へ向かう。
【0066】
一方、透明部材30の端部35に近い部分に入射した光51bは、透明部材30に入射する。このとき、透明部材30の界面で光51bは屈折する。屈折角r4は、入射角i4よりも小さくなっている。
【0067】
透明部材30に入射した光51bは、内面33、例えば、平面34aに到達する。平面34aにおける光51bの入射角i5は、臨界角よりも小さくなっている。よって、光51bは、平面34aにおいて全反射しない。平面34aの端部35側には反射部材41が設けられているので、光51bは、反射部材41によって反射する。
【0068】
平面34aで反射した光51bは壁面10に対向する方向へ向かう。平面34aで反射し、壁面10に対向する方向に向かう光51bは、透明部材30の外面31から出射する。このとき、透明部材30の界面で光51bは屈折する。屈折角r6は、入射角i6よりも大きくなっている。透明部材30から出射した光51bは壁面10に対向する方向に向かう。例えば、光51bは、+Z軸方向に向かう。
【0069】
なお、本実施形態における図9及び図10における動作の説明でも、前述の実施形態1及び2と同様に、光51の経路を逆方向にして、壁面10に対向する方向から透明部材30に入射した光を、透明部材30の内面33で反射させ、反射させた反射光を、壁面10に到達させるとしてもよい。
【0070】
本実施形態の配線保護部材3によれば、配線保護部材3の外面31が湾曲しているので、頂部36は尖端となっていない。よって、配線保護部材2を安全に使用することができる。また、配線保護部材3に入射する位置によって、内面33における入射角を変化させている。これにより、例えば、頂部36に近い部分に入射した光51を全反射させ、端部35に近い部分に入射した光は反射部材41により反射させることができる。したがって、壁面10に対向する方向から見たときは、全反射により壁面10が映し出され、正面からずれた方向から見たときは、反射部材41により壁面10が映し出される。よって、視野角を大きくすることができる。
【0071】
(実施形態4)
次に、実施形態4を説明する。図11は、実施形態4に係る配線保護部材を例示した断面図である。図11に示すように、本実施形態の配線保護部材4の内面33は、平面34a(第1の平面)、平面34b(第2の平面)、平面34c(第3の平面)及び平面34d(第4の平面)を含んでいる。
【0072】
平面34a及び平面34cは、透明部材30の+Y軸方向側に配置されている。例えば平面34cの一端は、壁面10に接している。平面34cの他端は、平面34aと接している。平面34aの一端は平面34cに接している。例えば、平面34aの他端は、平面34bに接している。
【0073】
平面34b及び平面34dは、透明部材30の−Y軸方向側に配置されている。例えば、平面34dの一端は、壁面10に接している。平面34dの他端は、平面34bと接している。平面34bの一端は平面34dに接している。平面34bの他端は、例えば、平面34aに接している。このような構成により、内面33と、内面33で覆われる壁面10とは、五角柱の形状を構成している。
【0074】
また、平面34aの端部35側及び平面34bの端部35側には、反射部材41が設けられている。平面34c及び平面34dには、反射部材41が設けられていない。そのほかの構成は、実施形態3と同様であるので説明を省略する。
【0075】
次に、実施形態4の配線保護部材4の動作を説明する。
図11に示すように、透明部材30の外面31における入射及び出射については、実施形態3と同様であるので説明を省略する。平面34aにおける光51は、実施形態3と同様に、頂部36に近い方では全反射し、端部35に近い方では反射部材41により反射する。また、平面34c及び平面34dにおいては全反射する。内面33において反射した反射光は、壁面10に対向する方向に向かう。
【0076】
なお、本実施形態における図11における動作の説明でも、前述の実施形態1〜3と同様に、光51の経路を逆方向にしてもよい。
【0077】
本実施形態の配線保護部材4によれば、内面33に平面34c及び平面34dが付加されているので、配線保護部材4における配線20を覆う容積を大きくすることができる。その他の効果は、実施形態1及び3と同様である。
【0078】
以上に記載した実施の形態1〜4は、適宜組み合わせることができる。また、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、透明部材30の形状として、実施形態1の外面31と、実施形態4の内面33を組み合わせてもよいし、実施形態2の外面31と、実施形態4の内面33を組み合わせてもよい。また、内面33における平面34a及び平面34bの傾きを適宜変更して、全反射及び反射材による反射を自由に組み合わせることができる。また、内面33と壁面10とで構成される形状は、三角柱、五角柱に限るものではなく、任意の多角柱としてもよい。さらに、内面33を曲面にしてもよい。外面31についても、任意の多角形としてもよいし、任意の曲面としてもよい。
【0079】
また、各実施形態の動作の説明で、壁面10から透明部材30に入射する光51を説明したが、これに限らない。例えば、壁面10に対向する方向から透明部材30に入射する光51を考慮してもよい。すなわち、本実施形態に係る配線保護部材は、壁面10に設けられた配線20を壁面10に対向する方向から覆う透明部材30を備え、壁面10に対向する方向から透明部材30に入射した光を、透明部材30の配線20側の面である内面33で反射させ、反射させた反射光を、壁面10に到達させる。また、他の実施形態に係る配線保護部材は、壁面10に設けられた配線20を壁面10に対向する方向から覆う反射部材41を備え、壁面10に対向する方向から反射部材41に入射した光を、反射部材41で反射させ、反射させた反射光を、壁面10に到達させる。
【符号の説明】
【0080】
1、1a、2、3、4 配線保護部材
10 壁面
11 部分
12 部分
20 配線
30 透明部材
31 外面
32a、32b、32c、32d 平面
33 内面
34a、34b、34c、34d 平面
35 端部
36 頂部
40 反射面
41 反射部材
51、51a、51b 光
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11