【解決手段】経皮経管的血管形成装置10が、血管形成バルーン18よりも遠位の位置でカテーテルシャフト14に取り付けられた塞栓フィルタ20を含む。これによりフィルタ20は、閉塞部から下流に存在させることができ、かつ、血管形成処置を実施することができるように血流へ放出することができる塞栓粒子を捕獲するために適切に配置することができる。塞栓フィルタ20は、装置10の手術部位への導入及び手術部位からの引き抜きを容易にするべくカテーテルシャフト14に対して通常非展開とすることができる。しかし、いったん血管形成バルーン18を適切に配置することができると、塞栓フィルタ20と操作的に関連する手段を作動させることで、当該フィルタ20を起立させて血管の管腔の全体にフィルタメッシュ28を配置することができる。
前記ワイヤが前記基準線閉又は折畳位置にある場合、前記ワイヤメッシュフレームのワイヤと前記ワイヤメッシュフレームの長手方向軸とがなす編組角度が、前記ワイヤと前記中心軸とがなす角度の、約1.5倍から4倍までの倍数である、請求項2に記載の経皮経管的血管形成装置。
前記ワイヤが前記基準線閉又は折畳位置にある場合、前記ワイヤメッシュフレームのワイヤと前記ワイヤメッシュフレームの長手方向軸とがなす編組角度が、前記ワイヤと前記中心軸とがなす角度の、約1.7倍から3倍までの倍数である、請求項2に記載の経皮経管的血管形成装置。
前記ワイヤが前記基準線閉又は折畳位置にある場合、前記ワイヤメッシュフレームのワイヤと前記ワイヤメッシュフレームの長手方向軸とがなす編組角度が、前記ワイヤと前記中心軸とがなす角度の、約2倍の倍数である、請求項2に記載の経皮経管的血管形成装置。
前記ワイヤメッシュフレームは、前記フィルタメンブレンの中への血液の流れを許容するべく開にされた場合に相対的に幅広のメッシュを形成する、請求項2に記載の経皮経管的血管形成装置。
近位端及び遠位端を有する細長いカテーテルであって、前記カテーテルが前記カテーテルの近位端に近接する位置から、前記介入装置よりも遠位の位置まで延びる管腔を含むカテーテルと、
前記カテーテルに対し前記遠位端に隣接して取り付けられた介入装置と、
前記介入装置と前記カテーテルの遠位端との間において前記細長いカテーテルに取り付けられたフィルタであって、前記カテーテルの遠位端の血液血管への挿入及び除去を目的として折り畳むことができ、かつ、前記介入装置の操作によって血流に放出された塞栓を捕獲するべく拡張位置まで拡張することができるフィルタと、
近位端及び遠位端を有しかつ前記カテーテルの管腔を通って延びる作動ワイヤと
を含み、
前記フィルタは、
前記カテーテルに可動に取り付けられた可動リング部と、
前記カテーテルに非可動に取り付けられた固定リング部であって、前記可動リング部が前記固定リング部に対して可動である固定リング部と、
形状記憶材料で形成されたワイヤメッシュフレームと、
前記ワイヤメッシュフレームの一部を覆うフィルタメッシュと
を含み、
前記形状記憶材料は、前記フィルタメッシュをリブに応じて基準線閉又は折畳位置へと促し、
前記ワイヤメッシュフレームの遠位端が前記可動リング部に結合され、かつ、前記ワイヤメッシュフレームの近位端が前記固定リング部に結合され、
前記作動ワイヤの近位端は、前記カテーテルの近位端に近接する位置まで延び、
前記作動ワイヤの遠位端は、前記介入装置よりも遠位の位置において前記カテーテルの側壁を通って前記管腔から抜け出て、かつ、前記可動リング部に取り付けられ、
前記フィルタが折畳位置にある場合、前記ワイヤの近位端を引っ張ることにより、前記可動リング部には、前記可動リング部を前記固定リング部に向けて動かす力が及ぼされ、かつ、前記ワイヤメッシュフレームは前記拡張位置まで外側に曲げられる経皮経管的血管形成装置。
前記作動ワイヤの遠位端は、前記近位リング部よりも遠位の位置において前記カテーテルの側壁を通って前記管腔から抜け出る、請求項19に記載の経皮経管的血管形成装置。
前記ワイヤが前記基準線閉又は折畳位置にある場合、前記ワイヤメッシュフレームのワイヤと前記ワイヤメッシュフレームの長手方向軸とがなす編組角度が、前記ワイヤと前記中心軸とがなす角度の、約1.5倍から4倍までの倍数である、請求項18に記載の経皮経管的血管形成装置。
【図面の簡単な説明】
【0016】
添付する図面は、本明細書の一部に組み込まれ一部をなし、説明とともに実施形態を示し、方法及びシステムの原理を説明する役割を果たす。
【0017】
【
図1】開示された本発明の第1の実施形態に係る血管形成バルーン及び塞栓フィルタが非展開位置にある経皮経管的血管形成装置の部分破断側面図を示す。
【
図2】展開位置の血管形成バルーン及び塞栓フィルタを示す
図1の経皮経管的血管形成装置の部分破断側面図を示す。
【
図3】
図1の線3−3に沿って取られた断面図を示す。
【
図4】
図1の線4−4に沿って取られた断面図を示す。
【
図5】
図1の線5−5に沿って取られた断面図を示す。
【
図6】作動バルーンが塞栓フィルタの近位側に存在することができ、フィルタが異なる方向から展開されることで
図1及び2の経皮経管的血管形成術と異なる本発明に係る経皮経管的血管形成装置の第2の実施形態を示す。
【
図7】膨張した血管形成バルーン及び展開された塞栓フィルタを示す
図6の経皮経管的血管形成装置の図を示す。
【
図8】経皮経管的血管形成装置の第3の実施形態を示し、塞栓フィルタ展開手段を蛇腹とすることができる点で前記の実施形態と異なる。
図8は非展開位置の血管形成バルーン及び塞栓フィルタを示す。
【
図9】展開位置の血管形成バルーン及び塞栓フィルタを示す
図8の経皮経管的血管形成装置の他の図を示す。
【
図10】塞栓フィルタを上下させるために蛇腹を用いる本開示に係る経皮経管的血管形成装置の他の実施形態を示す。
図10の実施形態は蛇腹がフィルタの遠位端に配置することができ、その結果、フィルタが逆方向から展開される点で
図8及び9の実施形態と異なる。
図10は非展開位置の血管形成バルーン及び塞栓フィルタを示す。
【
図11】血管形成バルーン及び展開された塞栓フィルタを示す
図10の経皮経管的血管形成装置の他の図を示す。
【
図12】カテーテルシャフトとリブとの間に挿入されたバルーンがリブを上方へ動かし、これにより塞栓フィルタを展開させる本発明に係る経皮経管的血管形成装置の他の実施形態を示す。
図12は血管形成バルーン及び塞栓フィルタが非展開配置にある装置を示す。
【
図13】展開配置の血管形成バルーン及び塞栓フィルタを示す
図12の経皮経管的血管形成装置の他の図を示す。
【
図14】本発明に係る経皮経管的血管形成装置の他の実施形態を示す。本実施形態はバルーンがフィルタの逆端部に配置することができる点で
図12及び13の実施形態と異なる。それにもかかわらず、膨張すると、バルーンはリブをシャフトから離れて弓状位置となるまで動かし、これにより塞栓フィルタが展開する。
図14は血管形成バルーンが展開されず、塞栓フィルタがカテーテルシャフトに対して後退した実施形態を示す。
【
図15】膨張した血管形成バルーン及び展開された塞栓フィルタを示す
図14の実施形態の他の図を示す。
【
図16】さらに本発明に係る経皮経管的血管形成装置の他の実施形態を示す。本実施形態は塞栓フィルタの遠位リングに取り付けることができる患者の外側から操作可能な引張りワイヤを用いる。医師がワイヤに張力を作用させると、遠位リングを近位に変位させることができ、それを近位リングに近づけ、リブを外側に曲げ、これにより塞栓メッシュフィルタを展開させる。
図16は血管形成バルーンが収縮し、塞栓フィルタがカテーテルシャフトに対する非展開の装置を示す。
【
図17】
図16の実施形態の異なる図を示し、膨張した血管形成バルーン及び展開された塞栓フィルタを示す。
【
図18】は非展開状態の血管形成バルーン及び塞栓フィルタを示す本発明に係る経皮経管的血管形成装置の他の実施形態を示す。場合によっては、基準又は無歪み形状記憶が基準線開位置又は基準線閉位置にある形状記憶材料から開示された塞栓フィルタを形成することができる。
【
図19】膨張した血管形成バルーン及び開位置に立ち上げられた塞栓フィルタを示す
図18の実施形態の他の図を示す。
【
図20】さらに非展開配置の血管形成バルーン及び塞栓フィルタを示す本発明に係る経皮経管的血管形成装置の他の実施形態を示す。
【
図21】膨張した血管形成バルーン及び展開された塞栓フィルタを示す
図20の実施形態の他の図を示す。
【
図23】ガイドワイヤが冠動脈及び狭窄部に送られた
図20の冠動脈を示す。
【
図24】
図23のガイドワイヤ上に通され、血管形成バルーンを狭窄部内に配置することができるように配置された
図1の装置を示す。
【
図25】狭窄部を減少させるため展開配置の血管形成バルーン、及び血管形成処置の結果として血流に放出され得るいずれの塞栓粒子も捕獲するべく展開された塞栓フィルタを示す。
【
図26】非展開位置に示された血管形成バルーン及び塞栓フィルタを、血液が逆方向に流れる末梢血管の用途のためカテーテルシャフト上で逆転させることができる装置の実施形態の部分破断側面図を示す。
【
図27】展開位置の血管形成バルーン及び塞栓フィルタを示す
図26の装置の部分破断側面図を示す。
【
図28】本発明の他の実施形態に係る塞栓フィルタの側面図を示す。
【
図29】膨張バルーン及び塞栓フィルタが展開配置にある
図28の塞栓フィルタの側面図を示す。内部詳細を示すためフィルタメッシュは取り外されて示されている。
【
図30】膨張バルーンが収縮した
図28の塞栓フィルタの側面図を示す。内部詳細を示すためフィルタメッシュは取り外されて示されている。
【
図31】フィルタを畳むためカテーテルの前端部に後退している
図28の塞栓フィルタの側面図を示す。内部詳細を示すためフィルタメッシュは取り外されて示されている。
【
図32】フィルタが展開され、フィルタメッシュが示された
図28の塞栓フィルタの側面図を示す。
【
図33】非展開配置の血管形成バルーン及び塞栓フィルタを示す血管形成装置の他の実施形態の破断側面図を示す。
【
図34】血管形成バルーン及び展開された塞栓フィルタを示す
図33の血管形成装置の破断側面図を示す。
【
図35】フレームが非展開配置にある場合、サックを形成するようにフィルタメッシュがリブの端部より延びる血管形成装置の実施形態の側面図をさらに示す。
【
図36】フレームが非展開配置にある場合の
図35の血管形成装置の側面図を示す。
【
図37】広げられ平らにされて示された一般に円筒のフィルタフレームを示す。
【
図38】フィルタメンブレンを有せず展開配置で示された
図37の一般に円筒のフィルタフレームを示す。
【
図39】フィルタメンブレンを有して展開配置で示された
図37の一般に円筒のフィルタフレームを示す。
【
図40】広げられ平らにされて示された一般に円筒である代替のフレーム設計を示す。
【
図41】広げられ平らにされて示された一般に円筒である他の代替のフレーム設計を示す。
【
図42】漏斗形状に形成されたフィルタメンブレンの実施形態の上面図を示す。
【
図43】広げられ平らにされて示された一般に円筒である代替のフレーム設計の側面図を示す。
【
図44】形成されると一般に円筒である広げられ平らにされて示された代替的なフレーム設計の斜視図を示す。
【
図45】心棒上で引き伸ばされて実質的に円筒の形状を形成することが示された
図45の代替的なフレーム設計を示す。
【
図46】長手方向に細長い所望の長さを形成するため切り詰められたフレームのそれぞれの端部を示す
図45の代替的なフレーム設計を示す。切り詰められた円筒形状フレーム設計は、形成された位置に形状記憶を設定するべく熱処理され、又は、オプションとして、切り詰められたフレームは所望の寸法まで圧縮された後に、形成された位置(基準線閉位置)に形状記憶を設定するべく熱処理され、若しくは、所望の寸法まで拡張された後に、形成された位置(基準線開位置)に形状記憶を設定するべく熱処理され得る。
【
図47】
図45の代替的なフレーム設計を示す。これは、例としてかつ限定する意図なしに、外部作業者による軸方向圧縮の適用時において形状記憶を基準線閉位置に設定するべく熱処理された、切り詰められた円筒形状フレーム設計を示す。外部作業者は、切り詰められた円筒形状フレーム設計の中央部が、基準線閉位置のフレーム設計の当初の直径の倍数である所望の直径まで制御可能で拡張するべく、引張りワイヤを引っ張る。
【0018】
本発明は以下の詳細説明、実施例、図面及び請求項、並びにこれらの前記及び以下の説明を参照してさらに容易に理解することができる。しかし、本装置、システム及び/又は方法が開示され、記載される前に、本発明は別段の指示がない限り開示された特定の装置、システム及び/又は方法に限定されず、例えば、当然、変えることができることがわかる。さらに本明細書に使用される専門用語は詳細な実施形態のみを記載する目的のためであり、限定されることを意図しないことがわかる。
【0019】
以下の本発明の説明は、最も良い現在知られる実施形態で本発明を教示可能とするものとして提供される。この目的では、関連当業者は本明細書に記載された有益な結果をなお得ながら本明細書に記載された本発明の種々の実施形態に多くの変更を行うことができると認識及び理解する。さらに他の特徴を利用しないで本明細書に記載されたいくつかの特徴を選択することによって本明細書に記載されたいくつかの所望の利点を得ることができることは明白である。したがって、当業者にとって本発明に多くの変更及び改造が可能であり、さらに特定の環境で好ましいものとすることができ、本明細書に記載された一部であると理解する。したがって、以下の説明は本明細書に記載された原理の実例として提供され、限定されるものではない。
【0020】
本発明の1つ又は複数の実施態様の種々の実施形態を記載する図面が参照される。わかることだが、図面は1つ又は複数の実施態様の模式的に表したもの及び図示したものであり、本開示を限定するものではない。さらに、種々の図面が1つ又は複数の実施態様にとって機能できると考えられる縮尺で提供されるとしても、図面は考えられる実施態様のすべての縮尺に引き伸ばす必要はない。したがって、図面は例示的縮尺を表すが、図面から必要な縮尺のすべては推論されないことがわかる。
【0021】
以下の説明では、本明細書に記載された理解を通じて提供するために多くの特定の詳細が記載される。しかし、本開示がこれらの特定の詳細なしで実施することができることは当業者には明らかである。他の例では、経皮経管的血管形成装置及び塞栓フィルタのよく知られる実施形態は開示された実施態様の実施形態を不必要に不明瞭にすることを避けるために特定の詳細で記載されていない。
【0022】
本明細書及び添付された特許請求の範囲で使用される場合、文脈が明らかに別段の指示をしない限り、単数形「a」、「an」及び「the」は複数の指示物を含む。本明細書で範囲は「約」1つの特定の値から、及び/又は「約」他の特定の値までを表すことができる。かかる範囲が表される場合、他の実施形態は1つの特定の値から及び/又は他の詳細な値までを含む。同様に、値が概算を表す場合、先行語「約」の使用によって、特定の値が他の実施形態を形成するものとする。さらに範囲のそれぞれの端点は他の端点と関連して、及び他の端点と独立して、ともに重要であるものとする。
【0023】
「オプションの」又は「オプションとして」はその後に記載された事象又は環境が生じる可能性がある、又は可能性がない、及びこの説明は前記事象又は環境が生じる例及び生じない例を含むことを意味する。
【0024】
本明細書の説明及び特許請求の範囲を通じて、単語「comprise」及びこの単語の変形、例えば、「comprising」及び「comprises」は、「含むが限定されない」を意味し、例えば、他の添加剤、成分、整数又はステップを除外することを意図しないことを意味する。「例示的」は「の例」を意味し、好ましい又は理想的な実施形態を指すことを意図しない。「例えば」は制限的意味で使用されず、説明の目的で使用される。
【0025】
次に、同一の数字が種々の図を通じて同一の要素を指し示す図面を参照すると、
図1及び2は本発明に係る経皮経管的血管形成装置10の第1の実施形態を示す。装置10は近位端(示されない)及び遠位端16を含むシャフト14を有する細長いカテーテル12を含む。カテーテル12の遠位端16から近位側に短い間隔を空けて従来の設計の血管形成バルーン18を存在させることができる。
図1において血管形成バルーン18は収縮又は非展開状態で示すことができる。
図2において血管形成バルーン18は膨張又は展開状態で示すことができる。
【0026】
カテーテル12の血管形成バルーン18と遠位先端14との間に、折り畳むことができるフィルタ20を配置することができる。フィルタ20は近位リング部22及び遠位リング部24を含むことができる。複数の細長いリブ26は一般に近位及び遠位リング22、24間で長手方向に延びる。このリブは形状記憶材料、例えば、ニチノールで作製することができ、その基準線位置で、このリブは非展開とすることができる。フィルタメッシュ28はリブ26の遠位部を覆う。
図1及び2の実施形態において、遠位リング24は近位リング22に向かって及び近位リング22から離れるように動くことができる。遠位リング24が近位リング22に向けて移動すると、リブ26は外側に曲がる。リブ26が外側に曲がると、リブを覆っているフィルタメッシュ28は展開させることができる。
図1は非展開状態のフィルタ20を示し、一方、
図2は展開状態のフィルタを示す。
【0027】
図1及び2に示された装置10のフィルタ20を展開させ及び折り畳む手段34を含むことができる。特にバルーン36はカテーテル12のシャフト14に接合されたその遠位端38を有することができる。
図1に示されたとおり、遠位リング24が後退位置にある場合、バルーン36の本体はカテーテル12のシャフト14上で前方へ折りたたむことができる。
図2に示されたとおり、バルーン36が展開される場合、バルーン36は近位側に拡張することができ、遠位リング24を近位方向に押して、リブ26を外側に曲げ、これによりフィルタ20を展開させる。バルーン32が収縮すると、形状記憶リブはまっすぐに伸びて遠位リング24を遠位方向に促し、フィルタ20を、カテーテル12のシャフト14の近くにある非展開配置まで折り畳むことができる。
【0028】
図3、4及び5はその長さに沿った種々の位置での装置10の断面を示す。最初に
図3を参照すると、カテーテルシャフト12は3つの管腔、すなわち2つの小径管腔及び大径主管腔を有する。2つの小径管腔は膨張管腔、すなわち、フィルタ20を制御する血管形成バルーン18用の1つの管腔40、及びバルーン36用の1つの管腔42とすることができる。大径主管腔44は、ガイドワイヤ(示されていない)を受容するべく使用することができる。ガイドワイヤ上を装置10が前進して血管形成処置を実施するため装置を配置することができる。
【0029】
次に、
図4を参照すると、この断面は血管形成バルーン18より遠位の位置を示す。したがって、血管形成バルーン膨張管腔40は終端し、もはや目視できない。このため、
図4は2つの管腔、すなわち、ガイドワイヤを受けるための主管腔44及びフィルタバルーン36用の小径膨張管腔42のみを示す。
【0030】
次に、
図5を参照すると、この断面はフィルタバルーン36より遠位の位置を示し、これにより主管腔44のみ目視することができる。
【0031】
図6及び7は本発明に係る経皮経管的血管形成装置110の他の実施形態を示す。この装置は前記の装置10と同様とすることができるが、この場合、フィルタ120が固定されたその遠位リング124を有し、フィルタ120の近位リング122は遠位リングに向けて及び遠位リングから離れて移動することができるので、リブ126が外側に曲がり又はまっすぐに伸びる。バルーン136はフィルタ120の近位側に配置することができ、バルーン136が膨張することができる場合、近位リング122を遠位方向に押す。
【0032】
次に、
図8及び9を参照すると、さらに経皮経管的血管形成装置210の他の代替の実施形態を示すことができる。この装置は、フィルタ220を展開させる手段をバルーンのかわりに蛇腹236としたこと以外は
図1及び2に示された装置と同様とすることができる。
図8において、蛇腹236は収縮させることができ、ひいては非展開状態にして、フィルタ220のリブ226が非展開状態のカテーテル212のシャフト214に対してまっすぐ伸びることを許容する。
図9において、蛇腹236は膨張し、近位リング222を遠位方向に押し、リブ236を外に曲げ、フィルタメッシュ238を展開させる。
【0033】
図10及び11はさらに経皮経管的血管形成装置310の他の実施形態を示す。この装置は、蛇腹336をフィルタ320の遠位側に配置したこと以外は
図8及び9に示された装置と同様とすることができる。したがって、蛇腹336が膨張することができる場合、それは遠位リング324を近位方向に近位リング322に向けて移動させ、これによりリブ326を外側に曲げ、フィルタメッシュ338を展開させる。
【0034】
図12及び13は経皮経管的血管形成装置410の他の実施形態を示す。この装置においてフィルタ展開手段はフィルタ420の固定された遠位リング424に隣接してカテーテルシャフト414とリブ426との間に配置されたバルーン436を含む。バルーン436は、膨張することができる場合、リブ426をカテーテルシャフト414から離れるように外側に押しやり、ひいては当該リブを曲げ、フィルタ420の近位リング422を遠位方向に引っ張る。リブ426が外側に曲がると、フィルタメッシュ428を展開させることができ、これによりフィルタ420が立ち上がる。
【0035】
図14及び15は、バルーン536をフィルタ520の近位リング522に隣接するようにカテーテルシャフト512とリブ526との間に配置することができること以外は、
図12及び13に示されたものと同様の装置510を示す。装置510において、遠位リング524はカテーテルシャフト512に沿ってスライド自在とすることができ、その結果、バルーン536が膨張し、リブ526を外側に曲げることができる場合、遠位リング524は近位方向にスライドし、
図15に示された矢印539に示されるように、フィルタ520を展開させる。
【0036】
図16及び17に示された実施形態610はフィルタ620を展開させるための種々の手段を用いる。実施形態610において引張りワイヤ650を使用することができる。引張りワイヤ650はフィルタバルーン膨張管腔644として前記で使用されたものを通じて延びることができ、引張りワイヤ650の遠位652を遠位リング624に取り付けることができる。医師がフィルタ620を展開させたい場合、医師は矢印653に示されるようにワイヤ650に張力を作用させ、これにより矢印655に示される近位方向に、近位リング622に向けて遠位リング624を引く。リブ626は外側に曲がり、
図17に示されるようにフィルタメッシュ628を展開させる。
【0037】
図18及び19に示された装置710において、押しワイヤ750の遠位端752を近位リング722に取り付けることができる。したがってワイヤ750を矢印753によって示された方向に押すことができる場合、近位リング722を遠位側に、遠位リング724に向けて矢印755に示された方向に前進させることができ、リブ726を外側に曲げ、これにより
図19に示されたとおりフィルタ720を展開させる。場合によっては、基準又は無歪み形状記憶が基準線開位置又は基準線閉位置にある形状記憶材料から開示された塞栓フィルタを形成することができる。
【0038】
1つの実施形態において、塞栓フィルタが基準線開配置にある場合、ワイヤを近位方向に可動なカラーの一部に取り付ける配置とすることができる。本実施形態において、カテーテルが身体に挿入されると結合されたワイヤは張力を保持し、所望の程度の最小の横断面積をもたらすと理解される。その後、塞栓フィルタが患者の血管内の所望の位置に配置されると、張力を選択的に減少させ又は解くことができ、形状記憶材料が塞栓フィルタをその基準線開位置に促し又は付勢するように塞栓フィルタの拡張又は開放を可能にする。一度外科的な処置が完了すると、すなわち、典型的な血管形成処置が実施されると、ワイヤは張力下に配置され、後退させることができ、近位カラーを近位側に引っ張り、これにより塞栓フィルタを閉じることを意図する。
【0039】
同様の実施形態において、塞栓フィルタが基準線閉位置にある場合、カテーテルが身体に挿入されると結合されたワイヤは張力を保持する必要がなく所望の程度の最小断面積をもたらすと理解される。塞栓フィルタが患者の血管内の所望の位置に配置されると、ワイヤはアクティベーションワイヤを前方又は遠位方向に前進させるべく圧縮状態に置かれ、フィルタの所望の開放を生じさせ、塞栓フィルタを基準線閉位置へと促す付勢力に逆らって作動する。本実施形態において、一度外科的な処置が完了すると、外部からワイヤに加えられる圧縮力を解くことができ、塞栓フィルタの形状記憶が塞栓フィルタをその基準線閉位置に促す又は付勢することを可能にし、これにより塞栓フィルタを閉じることを意図する。
【0040】
図20及び21に示された装置810は引張りワイヤ850を使用してフィルタ820を起立させる。引張りワイヤ850は固定遠位リング824の開口851まわりに巻き付くことができ、かつ、引張りワイヤの遠位端852を取り付けることができる近位リング822に向かって後方に延びることができる。したがって張力を引張りワイヤ850に、矢印853に示された方向に作用させることができる場合、近位リング822を遠位側に、遠位リング824に向けて矢印855に示された方向に引くことができ、リブ826を外側に曲げ、これにより
図21に示されたとおりフィルタ820を展開させる。
【0041】
次に、
図22〜25に関して装置10の動作を説明し、わかることだが、他の装置は実質的に同じ原理で動作する。
図22は、上下壁902、904と、分岐血管905と、血小板又は他の物質が動脈壁に蓄積され、動脈内腔径を狭め、それにより動脈内の血流を制限することにより形成される狭窄部又は閉塞部906とを有する血管構造(例えば、冠動脈、伏在静脈移植片、腎動脈、頚動脈、表在大腿動脈等)900を示す。
【0042】
図23において、ガイドワイヤ908は、大腿動脈を通す等により医師によって挿入されており、血管構造900の狭窄部906を通るまで血管系中を導かれている。
【0043】
次に、
図24を参照すると、装置10はガイドワイヤ908によって挿入され、血管形成バルーンが狭窄部906内に存在する位置まで前進している。塞栓フィルタ20は血管形成位置から数センチメートル遠位側又は下流にある。
図24において、血管形成バルーン及び塞栓フィルタはいずれも、非展開配置にあることが示される。
【0044】
図25において、塞栓フィルタ20はフィルタバルーン36を膨張させることによって展開しており、遠位リング22をカテーテルシャフト12に沿って近位方向に摺動させる。リブ26が外側に曲がると、リブによって支持されているメッシュフィルタ材料28が広がり、実質的に動脈内腔全体を覆う。血管形成バルーン18は次に展開することができる。バルーン18が膨張すると、それは狭窄部906を形成する組織及び血小板を外側に押し、狭窄部を開き、その過程で塞栓粒子を潜在的に放出させる。血流中に放出されたかかる塞栓粒子はすべて、塞栓フィルタ20によって捕獲され、これにより患者に損傷を引き起こし得る位置への進行が妨げられる。
【0045】
図25は狭窄部906に対してフィルタ20が展開することができる近接性を示す。狭窄部906と分岐血管905との間の領域として画定される「着地領域」が短いにもかかわらず、フィルタ20は分岐血管の上流で塞栓粒子を捕獲するために展開することができる。
【0046】
冠動脈から装置10を除去する場合、好ましい処置として、塞栓フィルタ20を折り畳む前に、最初に血管形成バルーン18を収縮させることができる。このようにして、血管形成バルーン18が収縮するときに放出されるいずれの塞栓粒子もフィルタ20によって捕獲することができる。その後、塞栓フィルタバルーン20を収縮させ、カテーテル12のシャフト14に対してリブ26及びフィルタメッシュ28を折り畳むことができる。メッシュ28によって捕獲されたいずれの塞栓粒子もシャフト14に捕捉しておくことができる。その後、装置10をガイドワイヤ908の上から引き抜き、患者の身体から除去することができる。
【0047】
種々の末梢血管での使用例において、血流方向と反対にカテーテルを挿入する必要があり得る(例えば、大動脈)。
図26及び
図27は血管形成バルーン1018と塞栓フィルタ1020とがカテーテル1012のシャフト1014上で逆転している装置1000を示す。したがって、血液が血管を矢印1080によって示された方向に流れていると、塞栓フィルタ1020は血管形成バルーン1018よりも近位側にあり、このように配置して血管形成バルーンによって追い出すことができるいずれの塞栓粒子も捕獲することができる。
【0048】
図26及び
図27の実施形態1000は
図1〜3の実施形態10と同じ塞栓フィルタ展開方法及び装置を用いているが、前記の他の実施形態の塞栓フィルタ展開方法及び装置も、塞栓フィルタ及び装置先端の間に血管形成バルーンが配置された実施形態の装置1000のような配置に対して同様に適用することができることがわかる。
【0049】
図28〜32は、血管形成バルーンと共に使用する塞栓フィルタのさらなる他の実施形態1120を示す。
図28〜32は塞栓フィルタ1120のみを示し、血管形成バルーンを示さないが、塞栓フィルタは前記に開示された実施形態と同じ方法の血管形成バルーンと同じカテーテル1114上に配置することができることがわかる。さらに、
図29〜31は図示を明確にするためにフィルタメッシュ1128のない塞栓フィルタ1120を示す。
【0050】
図28において、塞栓フィルタ1120は、カテーテル1112のシャフト1114に近接するように折り畳むことができる。フィルタ1120のリブ1126は、近位リング部1122と遠位リング部1124との間に延びる。遠位リング部1124は、カテーテル1112のシャフト1114に摺動可能に取り付けることができ、近位リング部1122はカテーテルのシャフトに対して固定することができる。
図29において、塞栓フィルタバルーン1136は膨張しており、塞栓フィルタのリブ1126が拡張している。リブが拡張すると、遠位リング部1124は矢印1188に示される近位方向に摺動する。いったん拡張すると、リブ1126はその形状を維持し、その結果、
図30に示されるように塞栓フィルタバルーン1136が収縮しても、塞栓フィルタ1120は拡張したままである。
【0051】
塞栓フィルタ1120を後退させるべく、
図31に示されるように、第2の外側カテーテル1190を、カテーテル1112を覆うように前進させ、塞栓フィルタが外側カテーテル1190の前方端の中に引き込まれるようにリブ1126を折り畳む。リブ1126が折り畳まれると、遠位リング部1124が遠位方向に摺動する。いったん外側カテーテル1190の前方端内への塞栓フィルタ1120の後退が完了すると、外側及び内側カテーテルを同時に引き抜くことができる。
【0052】
図32は、フィルタメッシュ1128がリブ1126を覆うように配置された塞栓フィルタ1120を示す。
【0053】
図33及び
図34は、塞栓フィルタ1220を血管形成バルーン1218とは異なる担持部材上に配置することができる経皮経管血管形成装置のさらなる実施形態1210を示す。具体的には、血管形成バルーン1218を外側カテーテル1294上に配置することができ、塞栓フィルタ1220を内側カテーテル1295の前方端に配置することができる。(図示を明確にするために、
図33及び
図34は塞栓フィルタ1220のフィルタメッシュを図示していない。)外側カテーテルは、好ましくは、3つの管腔を有し、1つは血管形成バルーン1218の膨張用、1つはガイドワイヤの収容用(示されていない)、1つは内側カテーテル1295及び塞栓フィルタ1220の受け入れ用である。内側カテーテル1295を外側カテーテル1294内に摺動可能に入れ子式で配置することができる。塞栓フィルタ1220のリブ1226はニチノール等の形状記憶金属から形成することができ、通常は、「開」配置をとるように構成することができる。塞栓フィルタのリブ1226は、外側カテーテル1294の前方端内に後退すると、折り畳まれる。
【0054】
経皮血管形成装置1210を使用するべく内側カテーテルを外側カテーテルの中に挿入することができ、その結果、
図33に示されるように、塞栓フィルタ1220が装置の遠位端内に存在する。外側及び内側カテーテル1294、1295は共に、大腿動脈等を通るようにガイドワイヤによって挿入されて血管系を、収縮した血管形成バルーン1218が狭窄部内に存在する位置まで前進される。好適な医療用画像技術によっていったん狭窄部内の血管形成バルーン1218の位置が確認されると内側カテーテルが前進され、塞栓フィルタ1220が外側カテーテル1294の前方端を超えるように動かされる。塞栓フィルタ1220が外側カテーテル1294の範囲から抜け出ると、リブは拡張構成をとることにより、塞栓フィルタを展開させることができる。その後、血管形成バルーン1218を展開させて、狭窄部を処置することができ、処置中に放出されたいずれの塞栓も、狭窄部の下流で塞栓フィルタ1220によって捕獲することができる。
【0055】
血管形成処置が完了すると、血管形成バルーン1218を収縮させることができ、塞栓フィルタ1220を外側カテーテル1294の前方端に引き込んでフィルタを折り畳むことができる。その後、外側及び内側カテーテル1294、1295を共に患者から引き抜くことができる。
【0056】
前記の実施形態において、塞栓フィルタ1220の担持手段として、内側カテーテル1295の代わりにワイヤを用いることができる。
【0057】
図35及び
図36は、フィルタメッシュ1328が、リブ1326の端部を超えるように遠位側に延びて遠位リング1324の遠位端に取り付けられることを除き、装置10と同一とすることができる血管形成装置1310を示す。フィルタ1320が非展開の場合、
図36に示されるように、塞栓粒子を収容するのに役立つサック1398を形成することができ、これにより、リブ1326がフィルタから粒子を搾り出す可能性を最小化する。
【0058】
次に、
図37〜39を参照して、フィルタ1400の他の実施形態を示す。
図37は円筒投影図とすることができ、すなわち、一般に円筒のフィルタフレーム1402は広げられ平らにされて示すことができる。フレーム1402はニチノール等の可撓性材料で作製することができる。支持フレーム1402は一端に近位リング1404かつ反対端に遠位リング1604を有する一般的な管形状を含むことができる。ストラット1410を端リング1404、1406間に取り付けることができる。いくつかの図において、ストラットはストラットとその間にある空間とを区別するべく黒一色で示される。
【0059】
さらに具体的には、フレーム1402のストラット1410は、フレームの各端部に複数の長手方向ストラット1412及び複数の接続中間ストラット1414を含む。中間ストラット1414は蛇行状パターンを形成する。フレーム1402を制御的に曲げることを容易にする戦略的位置において、ストラット1410に弱点1420を形成することができる。本実施形態において、この弱点は断面積が減少する箇所を含む。さらに、本実施形態において、この弱点はリングと長手方向ストラットとの接続点、及び長手方向ストラットと蛇行パターンのストラットとの接続部に形成することができる。接続点での幅の狭さゆえに、長手方向ストラットは径方向に開くように広げることができ、同時に蛇行ストラットも径方向に拡張させる。
【0060】
近位及び遠位リング1404、1406が、例えば、本明細書の前記の機構のいずれかによって互いに向かって動くと、フィルタフレーム1402は、
図38に示される展開配置をとることができる。長手方向ストラットが径方向外側へと枢動することができる一方、蛇行ストラットは周方向への拡張を許容するようにばらばらに広がることができる。
【0061】
図39はフィルタメンブレン1430に覆われたフィルタフレーム1402を示す。フィルタメンブレンの遠位端は、塞栓粒子がフィルタに入ることを許容するべく開くことができる。当該粒子はここで、フィルタメンブレンによって捕捉され得る。
【0062】
図40及び41は他のフレーム設計を示す円筒投影図である。
図40において、フレーム1500は、蛇行パターンを形成することができる二組の中間ストラット1502を含むことができる。二組の中間ストラット1502は接続部材1504によって接合することができる。戦略的位置において、例えば、長手方向ストラットとび中間ストラットとの接合部及び中間ストラットと接続部材1504との接合部において、弱点を形成することができる。
【0063】
図41はストラット1604の長手方向軸を横切る円形又は楕円形切り抜き部1602によって弱点を形成することができるフレーム1600の他の実施形態を示す。この型の構造物1602は、フレーム1600の開閉を容易にする結果をもたらす柔軟性を与えることができる。この構造物1604はさらに、応力に引き起こされる永続的な塑性変形を減少させることができ、これによりフレーム1600がその当初の形状まで後退することが許容される。楕円形及び/又は円形の構造物1602はさらに、フィルタフレームが開くように促すことができるのに十分な長手方向剛性をもたらすことができる。
【0064】
図42〜44はフィルタメンブレン1700の実施形態を示す。フィルタメンブレン1700は漏斗形状に形成することができる。漏斗の円錐表面1702には、複数の穴1704を形成することができる。フィルタメンブレン1700はナイロン又はPebaxT(登録商標)等の半弾性材料を含むことができるか、又は、熱可塑性エラストマー又は熱硬化性エラストマー等の伸縮性材料を含むことができる。他の実施形態において、フィルタメンブレンは、複数の織られた金属又は高分子のワイヤを含むワイヤメッシュから形成することができるワイヤメッシュフィルタを含むことができる。熱硬化性エラストマーのいくつかの例としてポリウレタン及びコポリマーが挙げられるが、限定されない。Pellathane(登録商標)、Tecothane(登録商標)、Chronofles(登録商標)等。これらの材料は、互いに近接した穴1704の配置を許容し得る。1つの例示的実施形態において、穴1704のサイズは約40ミクロンとすることができ、穴1704は約40ミクロン離して配置することができる。
【0065】
次に、
図44〜47を参照すると、フレームが編み組みワイヤから形成され、ワイヤメッシュフレーム1800を形成するフレームの他の実施形態がさらに示される。
図44は広げられかつ平らにされて示された代替フレーム設計の斜視図を示す。本実施形態において、ワイヤメッシュフレーム1800は、形成されると一般に円筒の形状となることがわかる。
図45は心棒上で引き伸ばされて実質的に円筒の形状を形成する未形成ワイヤメッシュを示し、
図46は、所望の細長い長手方向長さを形成するべく切り詰められた形成フレーム設計のそれぞれの端を示す。種々の任意の実施形態において意図されるのは、得られた切り詰められた円筒形状フレーム設計は、形成された位置に形状記憶を設定するべく熱処置され、又は、オプションとして、切り詰められたフレームは所望の寸法に圧縮された後に、形成された位置(基準線閉位置)に形状記憶を設定するべく熱処置され、若しくは、所望の寸法まで拡張された後に、形成された位置(基準線開位置)に形状記憶を設定するべく熱処理され得ることである。
【0066】
本実施形態において、当業者はステント、閉鎖デバイス、血管内デバイス等を製造するべく使用されるのと同様の技法であるワイヤ編み組み技法を用いてワイヤメッシュフレーム1800を形成することができると認識することができる。ワイヤは、例としてかつ限定することなしに、金属ワイヤ、高分子ワイヤ等を含むことができる。1つの実施形態において、フレームは約12本から約16本までのワイヤを含むワイヤ編み組みから形成することができる。他の実施形態において、ワイヤメッシュフレームの非展開直径1802は約0.8から約1.0mmとすることができ、カテーテルシャフト直径に摺動嵌合するように適合させることができる。ワイヤメッシュを含むワイヤ間のリード角度は、ワイヤメッシュフレーム1800を開くための相対的に小さな直径から展開された場合の相対的に大きな直径までから選択することができる。この展開直径1806は約4〜7mmとすることができる。ワイヤメッシュフレームを含むワイヤの断面は丸まった外形とすることができる。ワイヤメッシュフレームを含むワイヤの直径はさらに約0.002インチ〜約0.003インチ(約0.05mm〜約0.08mm)とすることができるか、又は、代替的にワイヤは平らとすることができる。ワイヤを平らにすることが選択されると、ワイヤメッシュフレームの外形を減少させるべくワイヤの断面はさらに、約0.001インチ×0.003インチ(約0.03mm×約0.08mm)とすることができる。
【0067】
1つの実施形態において、編み組みワイヤメッシュフレーム1800は、直径60ミクロン及び最大展開直径に相当する7mmシャフトで約150度の編組角度1804を有する14ニチノール又はコバルト−クロムの円形ワイヤから形成することができる。本実施形態において、編組角度はワイヤと中心軸とがなす角度の2倍と定義することができる。オプションとして、編組角度は約1.5倍から4倍又は1.7倍から3倍とすることができることが意図される。本実施形態において意図されるのは、編み組みワイヤメッシュフレーム1800がその後、約1mmの非展開直径1802まで圧縮され、当該形状が形状設定されるように熱処理がされることである。すなわち、基準又は元のままの形状記憶が基準線閉位置に設定される。当然、さらに意図されることだが、編み組みワイヤメッシュフレーム1800は、基準又は元のままの形状記憶を基準線開位置に設定するべく熱処理することができる。ワイヤメッシュフレームは、血液をフィルタメンブレンに流すべく開にされた場合に相対的に幅広のメッシュを形成することができることが意図される。ワイヤメッシュフレームはさらに、血流の所望の抑制又は欠如に応じて12本未満のワイヤ又は16本以上のワイヤを含み得ることが意図される。
【0068】
図16に示されるように、ワイヤメッシュフレーム1800は、ワイヤメッシュフレームの遠位端1808を遠位リングに接合することによって装置に組み込むことができる。1つの実施形態において、ワイヤメッシュフレームの遠位端は高分子又は金属遠位リングに熱接合することができる。遠位リングはカテーテルシャフトに摺動嵌合するように適合させることができる。ワイヤメッシュフレームの近位端1810は、前記のように熱接合することによって又は当業者に知られる他の方法によって、近位リングに取り付けることができる。遠位及び近位リングは任意の長さ及び直径とすることができるが、1つの実施形態において、近位及び遠位端双方とも長さを約0.5から約2.0mmとすることができる。
【0069】
1つの例示的実施形態において、
図47は、軸方向圧縮の適用時において形状記憶を基準線閉位置に設定した例示的な切り詰められた円筒形状フレーム設計を示す。例としてかつ限定する意図なしに、適用される軸方向圧縮は、外部作業者が、制御可能に切り詰められた円筒形状フレーム設計の中央部を所望の直径に拡張するべく引張りワイヤを引っ張ることによって及ぼすことができる。この所望の直径は基準線閉位置でフレーム設計の当初直径の倍数である。
【0070】
フィルタメンブレン1700及び1800は、前記のフレーム1400、1500又は1600等の支持フレームに取り付けることができ、その結果、それはフレームの一端及び中央に配置された蛇行ストラット構造物を覆う。フィルタフレームの長手方向ストラットの組は剥き出しのままとすることができる。フィルタメンブレン1700はフレームの外側又はフレームの内側に取り付けることができる。さらに意図されるのは、メンブレンの遠位端は、遠位リングで終端させ得ること、又はカテーテルのシャフトに遠位リングよりも遠位で取り付けられるように当該リングを超えて拡張させ得ることである。
【0071】
ワイヤメッシュフレーム1800の特定の場合には、フィルタメンブレンは、カテーテルシャフトに配置されるワイヤメッシュフレームの近位端及び遠位端間でおよそ等距離の位置にフレーム1800を含むワイヤに取り付けることができる。さらに実施形態において、
図16に示された及び対応する文章に記載された装置の配置はワイヤメッシュフレーム1800と共に用いることができる。ここで、引張りワイヤは、塞栓フィルタの遠位リングに取り付けられ得る患者の外側から操作可能である。医師がワイヤに張力を及ぼすと、遠位リングは近位側に変位して近位リングに近づき、リブが外側に曲がることにより塞栓メッシュフィルタが展開する。ワイヤメッシュフレーム1800は、メンブレン端部の血液血管壁への接触を促すべく拡張することができ、これにより血液を方向づけメンブレンを通して流して血流から塞栓粒子のすべてを濾過する。この処置の後に、引張りワイヤは、患者からの装置除去を容易にするべくワイヤメッシュフレームがその非展開状態に戻るように圧縮することが許容されるように進行させることができる。
【0072】
前記の開示を考慮して、当業者はレーザーカットフレームと比較して編み組みワイヤメッシュフレーム1800の利点を認識することができる。編み組みワイヤメッシュフレームは可撓性とすることができ、曲がりくねった解剖学的構造を通る標的部位までのナビゲーションの容易さが増す。編み組みワイヤメッシュフレームはさらに、非展開状態においてカテーテルシャフトにさらに堅く着座することができ、かつ、曲がりくねった解剖学的構造を通り又は以前に展開されたステント若しくは他の血管装置を通る装置の送出又は引き抜き中に、カテーテルシャフトからフレームを潜在的に係合解除し得るストラット又はいずれの他の突起も存在しない。編み組みフレームは、まっすぐな又は曲がった血管位置で拡張することにより血管周縁の血管壁にメンブレンを密着させる多数の圧縮点をもたらすか否かにかかわらず、メンブレン端部と共に丸まった密着端部をもたらすべく拡張することができる。さらに、編み組みワイヤメッシュフレームは、拡張後にさらに容易に小直径まで圧縮されるので、引き抜きの容易さが増す。
【0073】
本明細書に示されたフィルタは、使用されるカテーテルシャシーの型に応じて作動ワイヤを引っ張り若しくは押すこと、又は作動バルーンを膨張させることによって展開させることができる。フィルタが展開されると、蛇行ストラットは周方向に拡張する。こうしてフィルタメンブレンは展開される。作動力を除去すると、フィルタはその通常閉位置まで後退することができる。
【0074】
フィルタ材料の利点は、その生来の形状が閉又は非展開状態となり得ることにある。フィルタ材料は、フィルタが展開すると伸び、フレームが後退するとその通常状態に折り畳むことができる。したがって、メンブレンは貯蔵中の永続的な塑性変形がなくかつ常に適正なサイズまで拡張することができる。さらに、フィルタがフィルタ材料の弾性のもとで折り畳まれるため、フィルタは復元シースを必要としない。しかし、必要であれば、シースを使用して、復元前に塞栓デブリを収容するフィルタをさらに折り畳むことができる。
【0075】
オプションの実施形態において、開示された実施形態のフィルタは、大きな面積にわたり血管壁と対向する長いフィルタ本体を特徴とし得る。これによりフィルタと血管壁との間の漏れの可能性が減少する。
【0076】
前記の実施例のそれぞれにおいて、血管形成バルーンは血管の狭窄部を除去する唯一の手段とすることができることがわかる。血管形成バルーンの代わりにステント、機械的血栓除去装置、又は他の好適な器具を用いて塞栓フィルタよりも近位の位置のカテーテル上に配置することができる。これによりステント又は機械的血栓除去装置によって放出されたいずれの塞栓も、血管形成バルーンに関する前記と同じ方法で塞栓フィルタによって捕獲することができる。
【0077】
前記に開示された実施形態は、ニチノール等の形状記憶金属のフィルタリブを含むが、同様の結果が、好適な弾性材料を使用することによって得ることができることがわかる。リブはまっすぐに形成され、バルーンによって開にされ、及び構造物の弾性の結果としてその通常形状に戻る。または、
図33及び34の実施形態の場合において、リブは最初に開位置に形成され、外側カテーテル内に嵌合するように内向きに変形され、及び、外側カテーテルの範囲から解放されるとその通常開位置に戻る。
【0078】
さらにフィルタの設計を変形することができることを意図する。例えば、フィルタ20のリブ26の両端をリング22、24に取り付けることができる一方、フィルタの固定端におけるリブの端部をカテーテルシャフトに直接取り付けることもできることがわかる。
【0079】
これにより、前記の実施態様は種々の好ましい特徴をもたらす。例えば、本開示は、狭窄部処置手段にきわめて近い塞栓フィルタの設置を許容する。これはフィルタの「着地領域」を最小化する効果があり、さらに、
図22〜25に示されるように、側分岐部を保護することができる。
【0080】
これにより本発明はその趣旨又は不可欠な特徴から逸脱することなく他の特定の形態で具体化することができる。記載された実施形態はあらゆる面において、例示的であって、制限的ではないとのみみなすべきである。本発明の範囲は、したがって、前記の説明より添付の特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲の意味及び等価範囲に収まる変更はすべて、その範囲内に包含される。
前記フィルタが前記拡張位置に向かって動かされた場合、前記作動ワイヤへの張力を解放することにより、前記編み組みワイヤ管の形状記憶が前記フィルタを前記折畳位置に向かうように促すことが許容される、請求項1又は12に記載の方法。