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特開2017-121879鉄道車両用幌における幌金枠に対する幌ひだの締結構造
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-121879(P2017-121879A)
(43)【公開日】2017年7月13日
(54)【発明の名称】鉄道車両用幌における幌金枠に対する幌ひだの締結構造
(51)【国際特許分類】
   B61D 17/20 20060101AFI20170616BHJP
【FI】
   B61D17/20 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2016-1959(P2016-1959)
(22)【出願日】2016年1月7日
(71)【出願人】
【識別番号】390021577
【氏名又は名称】東海旅客鉄道株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000004617
【氏名又は名称】日本車輌製造株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000147198
【氏名又は名称】株式会社成田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100101535
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 好道
(74)【代理人】
【識別番号】100161104
【弁理士】
【氏名又は名称】杉山 浩康
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 一
(72)【発明者】
【氏名】藤井 忠
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 恭平
(72)【発明者】
【氏名】北山 茂
(72)【発明者】
【氏名】加藤 修
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 正
(72)【発明者】
【氏名】米澤 琢朗
(72)【発明者】
【氏名】横井 裕
(57)【要約】
【課題】従来の構造に比べて幌金枠に対する幌ひだの組立て及び分解時における作業手間と作業時間の低減を図るとともに、気密性も容易に確保できる鉄道車両用幌における幌金枠に対する幌ひだの締結構造を提供する。
【解決手段】車体の妻面側に分離可能に付設される直線状で長尺の幌金枠5と、該幌金枠5に付設される直線状で長尺の押え部材30を有する。幌金枠5は、付設される幌ひだの基部4cの一方の面に沿った長尺の基板21を有し、押え部材30は、付設される幌ひだの基部4cの他方の面に沿った長尺の押え部31を有する。押え部材を幌金枠に対して長手方向の一方から他方へ所定量移動して付設できるようにし、一方から他方へ移動することにより押え部材30を、前記幌金枠の基板側へ移動させ基板21と押え部31によって、これらの間に介在した幌ひだの基部4cを加圧挟持する。
【選択図】 図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体の妻面側に分離可能に付設される直線状で長尺の幌金枠と、該幌金枠に付設される直線状で長尺の押え部材を有し、
前記幌金枠は、付設される幌ひだの基部の一方の面に沿った長尺の基板を有し、
前記押え部材は、前記付設される幌ひだの基部の他方の面に沿った長尺の押え部を有し、
前記押え部材を前記幌金枠に対して長手方向の一方から他方へ所定量移動して付設できるようにし、
前記幌金枠と前記押え部材には、該押え部材を前記のように長手方向の一方から他方へ移動することにより押え部材を、前記幌金枠の基板側へ移動させる誘導手段を設けて、該誘導手段により前記基板と押え部によって、これらの間に介在した幌ひだの基部を加圧挟持するようにしたことを特徴とする鉄道車両用幌における幌金枠に対する幌ひだの締結構造。
【請求項2】
前記押え部材を、前記押え部と、該押え部に直交して一方向に形成した被誘導部と、直交して他方向に延びた係止片で形成し、幌金枠には、前記押え部材の被誘導部が移動可能に嵌合する案内溝と、前記係止片が移動可能に嵌合する係合溝を設けたことを特徴とする請求項1記載の鉄道車両用幌における幌金枠に対する幌ひだの締結構造。
【請求項3】
前記幌金枠と前記押え部材に、前記押え部材を前記幌金枠に対して所定量移動した位置において、その押え部材の抜け移動を阻止する抜け防止手段を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の鉄道車両用幌における幌金枠に対する幌ひだの締結構造。
【請求項4】
前記幌ひだのコーナ部の両側に位置する前記直線状の幌金枠間にコーナ幌金枠を配置し、該コーナ幌金枠に、幌ひだのコーナ部の基部の内周面に配置される基板を設け、前記コーナ部の両側に位置した直線状の幌金枠間に、幌ひだのコーナ部の基部の外周面全長に亘るコーナ押え部を配置するとともに、該コーナ押え部を、前記幌金枠の基板側へ加圧し、該コーナ押え部と、前記コーナ幌金枠の基板とで、幌ひだのコーナ部の基部を圧着挟持するようにしたことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の鉄道車両用幌における幌金枠に対する幌ひだの締結構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道車両用幌における幌金枠に対する幌ひだの締結構造に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道車両における車体相互間に設けられる渡り通路の外周部を囲繞する幌ひだを車体間に架設する構造として、従来図44〜48に示す構造が知られている。
【0003】
この図44〜48に示す従来構造について説明する。
連結された一方の車体101の妻面102には、幌座103を介して固定側幌金枠104が固設され、他方の車体105の妻面106には、幌座107を介して開放側金枠108が固設されている。
【0004】
前記両妻面102,106間の中央部には、中央幌金枠109が配設され、該中央幌金枠109は、渡り通路110の軸方向X−Xに、第1中央幌金具111と第2中央幌金具112を有する。
【0005】
そして、前記固定側幌金枠104と前記第1中央幌金枠111間に第1の幌ひだ113が分離可能に架設され、前記開放側幌金枠108と前記第2中央幌金枠112間に第2の幌ひだ114が分離可能に架設されている。
【0006】
更に、前記各幌金枠104,108,111,112と幌ひだ113,114とは、図46,47に示す構造で締結されている。この締結構造を図46〜48により説明する。
【0007】
固定側幌金枠104は断面L形に形成されているとともにネジ挿通穴119が形成され、その保持板104aが前記幌座103にボルト及びナット115で固着され、基板104bが幌ひだ113側へ突出している。
【0008】
前記幌ひだ113の基部113aは肉厚に形成され、該基部113aを前記基板104bに重ね合せ、押え金116を介して小ネジ117とナット118で、基部113aを基板104bに取外し可能に締結している。なお、前記開放側幌金枠108及び中央幌金枠109と幌ひだ113,114の締結構造も前記の締結と同様である。
【0009】
更に、最近の高速鉄道車両に使用される幌においては、気密性が要求されるため、前記幌ひだ113,114の基部を幌金枠に締結する小ネジ117及びナット118を、幌ひだの周方向において、図45に示すように、小間隔に多数設けて気密性を高めている。例えば、1枚の幌ひだにおける片側の基部113aの全周で約70本の小ネジ117を使用する場合には、2枚の幌ひだの両基部を締結するには、総計(70×4)で約280本の小ネジ117とナット118で締結することになる。
【0010】
ところで、車体間に架設された幌ひだが経年劣化した場合や損傷が生じた場合には、幌ひだを取外して幌を修理する必要がある。
【0011】
このような修理の場合には、前記の幌においては、先ず、多数本の前記小ネジ117を切断するか或いはナットを取外して分解し、幌ひだを幌金枠より外し、新たな幌ひだを、これに多数のネジ挿通孔119を形成して新たな多数本の小ネジで幌金枠に取り付ける必要があり、その幌の分解と組付けに作業の手間と時間が多くなる。
【0012】
更に、幌ひだを新設する場合においても、前記のように、多数本の小ネジで117とナット118で締結することから、作業の手間と時間が多くなる。
【0013】
更に、小ネジ117を、幌ひだの基部113aの外側から内側に貫通させる締結構造であるため、気密性を高めるために、図48に示す小ネジ117の頭部やネジ挿通孔119にシール材120を充填する場合には、そのシール作業に手間がかかる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
そこで、本発明は、前記従来の構造に比べて幌金枠に対する幌ひだの組立て及び分解時における作業手間と作業時間の低減を図るとともに、気密性も容易に確保できる鉄道車両用幌における幌金枠に対する幌ひだの締結構造を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記の課題を解決するために、請求項1記載の発明は、車体の妻面側に分離可能に付設される直線状で長尺の幌金枠と、該幌金枠に付設される直線状で長尺の押え部材を有し、
前記幌金枠は、付設される幌ひだの基部の一方の面に沿った長尺の基板を有し、
前記押え部材は、前記付設される幌ひだの基部の他方の面に沿った長尺の押え部を有し、
前記押え部材を前記幌金枠に対して長手方向の一方から他方へ所定量移動して付設できるようにし、
前記幌金枠と前記押え部材には、該押え部材を前記のように長手方向の一方から他方へ移動することにより押え部材を、前記幌金枠の基板側へ移動させる誘導手段を設けて、該誘導手段により前記基板と押え部によって、これらの間に介在した幌ひだの基部を加圧挟持するようにしたことを特徴とするものである。
【0016】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記押え部材を、前記押え部と、該押え部に直交して一方向に形成した被誘導部と、直交して他方向に延びた係止片で形成し、幌金枠には、前記押え部材の被誘導部が移動可能に嵌合する案内溝と、前記係止片が移動可能に嵌合する係合溝を設けたことを特徴とするものである。
【0017】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記幌金枠と前記押え部材に、前記押え部材を前記幌金枠に対して所定量移動した位置において、その押え部材の抜け移動を阻止する抜け防止手段を設けたことを特徴とするものである。
【0018】
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3の何れか1項に記載の発明において、前記幌ひだのコーナ部の両側に位置する前記直線状の幌金枠間にコーナ幌金枠を配置し、該コーナ幌金枠に、幌ひだのコーナ部の基部の内周面に配置される基板を設け、前記コーナ部の両側に位置した直線状の幌金枠間に、幌ひだのコーナ部の基部の外周面全長に亘るコーナ押え部を配置するとともに、該コーナ押え部を、前記幌金枠の基板側へ加圧し、該コーナ押え部と、前記コーナ幌金枠の基板とで、幌ひだのコーナ部の基部を圧着挟持するようにしたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、押え部材を、その長手方向に移動することにより、誘導手段によって基板側へ移動させ、幌金枠に設けた長尺の基板と、押え部材に設けた長尺の押え部によって幌ひだの基部を加圧挟持するようにしたことにより、前記従来構造のような多数本の小ネジを用いて幌ひだを取り付けるものと比較して、幌ひだの取付、取外しが容易になり、幌の組付け、分解の作業手間と作業時間の低減を図ることが出来るとともに、締結のバラつきを低減できる。更に、幌ひだの基部に、前記従来のような小ネジ挿通用の穴を設けないので幌ひだの気密性の確保を図るとともに、前記のようなシール作業も不要となる。
【0020】
請求項2記載の発明によれば、押え部材の被誘導部と係合片が案内溝と係合溝に嵌合して、該押え部材の移動時及び移動後において傾くことを防止できる。
【0021】
請求項3記載の発明によれば、押え部材を所定量移動して幌ひだの基部を圧着挟持した状態において、押え部材の抜け移動を防止できる。
【0022】
請求項4記載の発明によれば、幌ひだのコーナ部においても、前記従来のような小ネジを用いることなくコーナ部を加圧挟持できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の実施例1を示すもので、車体間に幌ひだを架設した状態の側断面図。
図2図1のC−C線断面図。
図3図1における上部と下部の拡大断面図。
図4図1におけるD−D線拡大断面図。
図5図1において固定側幌金枠側を見た図。
図6図1において開放側幌金枠側を見た図。
図7図1において中央幌金枠側を見た図。
図8図1におけるE部の拡大断面図。
図9】本発明の実施例1に用いる幌座と幌金枠と押え部材とコーナ押え部材を示す正面図。
図10】本発明の実施例1に用いる幌金枠の一部を示す正面図。
図11図10のF−F線断面図。
図12図10のG−G線断面図。
図13図10のH−H線断面図。
図14図10のJ−J線断面図。
図15図10のK−K線断面図。
図16】本発明の実施例1に用いる幌金枠を示す正面図。
図17】本発明の実施例1に用いる押え部材を示す正面図。
図18図16の幌金枠に対する押え部材の初期位置を示す正面図。
図19図18の状態から押え部材を若干移動した状態の正面図。
図20図19の状態から押え部材を幌金枠の案内溝内へ所定位置まで挿入した状態の正面図。
図21】本発明の実施例1に用いる幌金枠と押え部材を示す斜視図。
図22】本発明の実施例1に用いる幌金枠の案内溝内に固設する誘導部材の斜視図。
図23】本発明の実施例1に用いる幌金枠と押え部材で幌ひだを挟持した斜視図。
図24】本発明の実施例1に用いる押え部材30において、係止片33と係合溝26がない場合の押え部材30の傾きを示す図。
図25】本発明の実施例1に用いる幌金枠と押え部材とコーナ押え部材の幌ひだ挟持位置関係を示す正面図。
図26図25の一部拡大図。
図27図26のL−L線断面図。
図28図26のM−M線断面図。
図29図26のN−N線断面図。
図30図26のO−O線断面図。
図31図26のP−P線断面図。
図32】本発明の実施例1に用いる抜け防止手段を示す正面図。
図33図32の側断面図。
図34】本発明の実施例2に用いる抜け防止手段を示す正面図。
図35図34の側断面図。
図36】本発明の実施例3に用いる抜け防止手段を示す正面図。
図37図36の側断面図。
図38】本発明の実施例4に用いるコーナ押え部材を示すもので、(a)は正面図、(b)は横断面図。
図39】本発明の実施例5に用いるコーナ押え部材を示す正面図。
図40図39の実施例に使用する押え部の一部を示す図。
図41】本発明の実施例6に用いるコーナ押え部材を示す正面図。
図42】本発明の実施例7に用いるコーナ押え部材を示すもので、(a)は正面図、(b)は横断面図。
図43】本発明の実施例8に用いるコーナ押え部材を示すもので、(a)は正面図、(b)は横断面図。
図44】従来の幌ひだの取付構造を示す略側面図。
図45図44のR−R線断面図。
図46図45のU−U線における上部と下部の拡大断面図。
図47図44のS−S線拡大断面図。
図48図46における要部拡大断面図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明を実施するための形態を図に基づいて説明する。
[実施例1]
図1乃至図33は、本発明の実施例1を示す。
【0025】
図1は、連結された車体1A,1B間に、渡り通路3の外周部を囲繞するように幌ひだ4a,4bを架設した状態の幌の側断面図で、A側が上部、B側が下部である。図2図1におけるC−C線断面図である。図3図1の上部と下部の拡大側断面で、中間部は省略されている。図4図1におけるD−D線拡大断面図である。図5図1において固定側幌金枠5側を見た図、図6図1において開放側幌金枠6側を見た図、図7図1において中央幌金枠7側を見た図、図8図1におけるE部の拡大断面図である。
【0026】
図に示す実施例は、連結した車体1A,1B間に2枚の幌ひだ4a,4bを架設した実施例を示すもので、固定側幌取付部10と、開放側幌取付部11と、中央側幌取付部12で2枚の幌ひだ4a,4bを取付けている。
【0027】
先ず、前記固定側幌取付部10について説明する。
図1〜4、図8図9において、連結された車体1A,1B間における幌ひだ4aの固定側となる一方の車体1Aの妻面1aには、車体1Aの通路用開口部1bの外周において、幌座13が固設されており、該幌座13は、図9に示すように、水平方向に配置した上部幌座部13A及び下部幌座部13Bと垂直方向に配置した左側幌座部13C及び右側幌座部13Dと、4隅に配置したコーナ幌座部13Eとからなり、全体として方形の環状に形成されている。
【0028】
前記幌座13の幌ひだ取付側面には、固定側幌金枠5が、渡り通路3の外周を囲繞するように配置されている。該固定側幌金枠5は、前記上部幌座部13Aに対応して水平方向に配置された直線状で長尺の上部幌金枠5Aと、前記下部幌座部13Bに対応して水平方向に配置された直線状で長尺の下部幌金枠5Bと、前記左側幌座部13Cに対応して垂直方向に配置された直線状で長尺の左側幌金枠5Cと、前記右側幌座部13Dに対応して垂直方向に配置された直線状で長尺の右側幌金枠5Dと、前記4隅のコーナ幌座部13Eに対応して配置された1/4円の円弧状のコーナ幌金枠5Eを一体に連結して全体として方形の環状に形成されている。
【0029】
そして、前記固定側幌金枠5の左右の幌金枠5C,5Dには、図4及び図5に示すように、その基板21から内側へ突出する取付片15が一体に設けられ、該取付片15と前記幌座13とをボルト及びナット16で連結することにより、該幌金枠5の全体を前記幌座13に分離可能に取付けるようになっている。
【0030】
開放側幌金枠6は、図4及び図6に示すように、締金17により幌座13に対して分離可能に取付けられるようになっている。
【0031】
次に、上部幌金枠5Aにおける幌ひだ4aの締結構造について説明する。
上部幌金枠5Aは、その長手方向と直交する横断面形状が、図3,8に示すように、渡り通路3の軸X−X方向と平行するように形成された幌受け部材である板状の基板21と、幌ひだ4aの配置側と反対側に偏位して基板21より、幌ひだ4aの基部4cよりも外側へ立上がる保持板22と、該保持板22の先端から幌ひだ4a側へ折り返した案内板23とからなり、これは金属材で一体に形成されている。
【0032】
前記基板21と前記保持板22は、該上部幌金枠5Aの長手方向全長に亘って直線状に設けられ、前記案内板23は図9,16,21に示すように、該上部幌金枠5Aの長手方向において、間欠的に等間隔で複数設けられており、その長手方向における案内板23の長さL1は案内板23が無い欠除部24の長さL2と略同長に設定されている。
【0033】
前記の構成により、保持板22の外面22aと案内板23の内面23aとの間には、長手方向の両端が開口し、かつ、下端が開口する案内溝25が形成され、該案内溝25は、幌ひだ4aの基部4cよりも外側に形成されている。
【0034】
前記基板21の外側面には、前記保持板22より幌ひだ4a側に位置し、かつ、前記案内溝25に対向して係合溝26が長手方向全長に亘って形成されている。
【0035】
前記保持板22の外面22aと、前記係合溝26の奥側面26a、すなわち、幌ひだ4aと対向する面は同一面で形成されている。
【0036】
前記各案内溝25内には、図22に示す誘導部材27が挿入されて溶接等で固設されており、該誘導部材27にはその下面に、後述する押え部材30の挿入側から他端側に向かって、すなわち、矢印Y方向に向かって下降するテーパ面27aが形成されている。
【0037】
次に、上部幌金枠5Aに使用する押え部材30について、図17,21及び23により説明する。
【0038】
該押え部材30は、その長手方向と直交する方向の横断面形状が、前記上部幌金枠5Aの基板21と並行する板状の押え部31と、該押え部31と直交して一方向へ起立する板状の被誘導部32と、押え部31と直交して他方向、すなわち、前記被誘導部32と反対側へ突出する板状の係止片33とからなり、前記上部幌金枠5Aの略全長に亘る直線状に形成されている。
【0039】
前記押え部31は、図17に示すように、押え部材30の長手方向全長に亘って形成されている。
【0040】
前記被誘導部32は、押え部材30の長手方向において間欠的に等間隔で複数設けられており、隣接する被誘導部32,32間には、欠除部34が形成されている。前記各被誘導部32の長さL3は前記上部幌金枠5Aの案内板23の長さL1より若干短く形成され、隣接する被誘導部32,32相互間の欠除部34の長さL4は前記上部幌金枠5Aの案内板23の長さL1より若干長く形成されている。
【0041】
また、前記被誘導部32の板厚は、前記案内溝25に挿入できる厚みに設定され、前記係止片33の板厚は前記係合溝26に係合できる厚みに形成されている。
【0042】
前記各被誘導部32における挿入側面は、前記誘導部27のテーパ面27aに沿った、すなわち、挿入方向Y側に至るにつれて下降するテーパ状の被誘導面32aに形成されている。
【0043】
前記の構造により、押え部材30の各被誘導部32を、先ず、図18に示すように、上部幌金枠5Aの各欠除部24に位置させ、その後、押え部材30を図19に示すように、矢印Y方向へ移動させることにより、図20,23に示すように、各被誘導部32を、上部幌金枠5Aの各案内溝25内に挿入することができるようになっている。
【0044】
また、押え部材30を、前記案内溝25内へ所定量挿入することにより、被誘導面32aが、誘導部材27の前端に当たり押え部材30が下方へ所定量移動し、押え部31と前記上部幌金枠5Aの基板21との間に介在した幌ひだ4aの基部4cを所定加重で加圧して挟持するようになっている。例えば、幌ひだ4aをゴムで形成した場合、その基部4cを約0.5mm圧縮するように設定されている。前記被誘導部32と誘導部材27により誘導手段39を構成しているとともに加圧手段を構成している。
【0045】
なお、誘導手段39は、前記被誘導部32と誘導部材27のいずれか一方にテーパ面、曲面などの誘導面を有すればよい。また、前記誘導部材27を設けることなく、前記被誘導面27aが案内溝25の頂部の壁に当接するようにしてもよい。
【0046】
前記のように、押え部材30を挿入し、幌ひだ4aの基部4cを所定量加圧した図20の状態を保持するため、上部幌金枠5Aと押え部材30との間に、押え部材30の抜け防止手段44が設けられている。この抜け防止手段44として、図25,32,33に示すように、押え部材30を図20の状態まで挿入した場合に、前記案内板23に貫通形成したピン穴45と前記被誘導部32に貫通形成したピン穴46が合致するようにし、両ピン穴45,46に1本のピン47を抜き外し可能に挿入して、押え部材30のY方向と反対方向へのズレや抜け外れを防止するようになっている。該抜け止め手段44は、各幌金枠5A〜5Dにおいて所定位置に設けられている。
【0047】
図8に示すように、前記幌金枠5Aの基板21における外面、すなわち、幌ひだ4aの基部4c側の面には嵌合凹部21aが基板21の全長に亘って形成され、該嵌合凹部21a内に、幌ひだ4aの基部4cに形成した嵌合凸部4dが嵌合するようになっている。
【0048】
次に、前記下部幌金枠5Bにおける幌ひだ4aの締結構造について説明する。
この締結構造は、前記上部幌金枠5Aと押え部材30による幌ひだの締結構造を上下逆向きにした構造であるため、この各部材について前記と同一部材に前記と同一符号を付して説明を省略する。また、下部の押え部材30の挿入方向は、図9に示すY方向である。
【0049】
次に、前記左側幌金枠5C及び右側幌金枠5Dにおける幌ひだ4aの締結構造について説明する。
【0050】
この締結構造は、前記上部幌金枠5Aと押え部材30を、その長手方向を垂直方向に配置して設けたものであるため、この各部材について前記と同一部材に前記と同一符号を付して説明を省略する。また、該左右の押え部材30は、左右の幌金枠5C,5Dの略全長に亘る直線状に形成されている。また、左右の押え部材30の挿入方向は、図9に示すY方向である。
【0051】
次に、前記コーナ部における幌ひだ4aの締結構造について説明する。
前記各押え部材30の両端に図9,17,26,32に示すように、連結片40が設けられており、該連結片40は、図に示すように、L状に形成されその一方41を押え部材30における押え部31の外面にビス42等で固着し、他方を外側方向へ曲折して取付部43に形成している。
【0052】
前記各コーナ幌金枠5Eにおける各基板21の外周部には、図9,26,28に示すコーナ押え部材50が配置されている。
【0053】
該コーナ押え部材50は、金属等の帯状材(バンド状材)からなる押え部51と、その長手方向の両端に固設した連結部材52,52とからなる。
【0054】
前記押え部51は、その長手方向において可撓性を有し、図26に示すように、前記コーナ幌金枠5Eにおける円弧状の基板21の外周に配置した幌ひだ4aの基部4cの外周面に押え部51を重合して湾曲させた場合に、該押え部51の両端が、前記のように、固定側幌金枠5Aに挿入し、抜け防止手段44で固定された押え部材30の端部との間に若干の隙間を有して近接するように押え部51の長手方向の長さが設定されている。
【0055】
また、前記押え部51は、図29に示すように、その長手方向と直交する方向幅L6の長さが、幌ひだ4aの基部4cの幅L7と略同長に設定されている。
【0056】
更に、前記連結部材52,52は、図に示すように、L状に形成され、その一方53を押え部51の外面に固着し、他方を外側方向へ曲折して取付部54に形成されている。
【0057】
そして、前記のように、幌ひだ4aの基部4cの外周面に押え部51を重合して湾曲させた場合に、対向するコーナ押え部材50側の取付部54と、前記押え部材30側の取付部43との間に、図26に示すように所定の隙間が生じるようになっている。
【0058】
更に、前記両取付部54,43には、夫々ボルト挿通穴が相互に対向して形成され、取付部54のボルト挿通穴にはナット56が固設されており、ボルト57を両ボルト挿通穴に挿通するとともにナット56に螺合することにより、帯状の押え部51を、長手方向に引き幌ひだ4aの基部4cの外面に締め付けるようになっている。
【0059】
他のコーナ部の構成は、前記のコーナ部の構成と同様である。
前記開放側幌取付部11と、中央側幌取付部12の構成も前記固定側幌取付部10の構成と略同様であるため、前記と同様の部材に前記と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0060】
なお、中央側幌取付部12は、2枚の幌ひだ4a,4bを1個の幌金枠7で保持する構成になっており、また、前記の幌座はない。
【0061】
前記幌ひだ4a,4bは、ゴム等の可撓性を有する部材で形成され、かつ、図2に示すように渡り通路3の外周を囲繞する方形の一連の環状に形成されており、その渡り通路3の軸方向X−Xにおける両端側の基部4cが前記幌金枠に形成した方形の基板21の外面に嵌合するように形成されている。
【0062】
次に、幌ひだ4a,4bの組付け手順について説明する。
先ず、車体に連結されていない固定側幌金枠5における上下、左右の幌金枠5A〜5Dに押え部材30を、図18に示すように、その被誘導部32が幌金枠5A〜5Dの欠除部24に嵌合するように位置させ、次いで、図19に示すように、Y方向に移動させて、被誘導部32を幌金枠5A〜5Dの案内溝25内へ、その中間位置まで挿入する。この状態は、押え部材30がフリーの状態であり、幌金枠5A〜5Dの基板21と、押え部材30の押え部31との間隙寸法Dが幌ひだ4aの基部4cの厚み寸法よりも大きい状態である。
【0063】
次に、幌ひだ4aの一方の基部4cを上下、左右の幌金枠5A〜5Dの基板21と押え部材30の押え部31との間に嵌入する。なお、幌ひだ4aにおけるコーナ部の基部4cは、コーナ幌金枠5Eの基板21の外面に嵌合する。
【0064】
その後、更に各幌金枠5A〜5Dにおいて、図20に示すように、各押え部材30を矢印Y方向へ所定位置まで挿入移動させる。これにより、幌金枠5A〜5Dにおける誘導部材27の前端に案内されて押え部材30が幌ひだ4aの基部4c側へ移動し、その押え部31と幌金枠5A〜5Dの基板21が幌ひだ4aの基部4cに圧着し、基部4cが気密的に挟持される。
【0065】
そして、前記のように各押え部材30を所定位置まで挿入移動した後、ピン47を両ピン穴45,46に挿入し、その押え部材30を幌金枠5A〜5Dに対してズレないように固定する。
【0066】
次に、前記幌ひだ4aにおけるコーナ部の基部4cの外周にコーナ押え部材50を配置し、そのコーナ押え部材50の両端部に固設した連結部材52の取付部54を、夫々、隣接する両幌金枠の取付部43に対向させ、夫々ボルト挿通穴を通じてボルト57をナット56に螺合する。そして、両ナット57を締め付けることにより、コーナ押え部材50の押え部51が、図に示すように、幌ひだ4aの基部4cの外面に沿って湾曲するとともに両端側へ引っ張られて、幌ひだ4aのコーナ部の基部4cに圧着し、該基部4cが押え部51とコーナ幌金枠5Eの基部21とにより気密的に挟持される。前記連結部材52,ボルト57,ナット56などにより、加圧手段58を構成している。該加圧手段58と押え部51は、幌ひだの基部4cの外側に配置されている。
【0067】
この押え部51の引張り時には、隣接する両幌金枠における押え部材30が前記のようにピン47によりズレ防止されているため、押え部51の両端側への引張りが確実に行える。
【0068】
各コーナ部における幌ひだの締結構造も同様である。
次に、幌ひだ4aの他方の側の基部4cを、中央幌金枠7の一方側に、前記と同様の手順により取付け、次に、他方の幌ひだ4bにおける一方の側の基部4cを、中央幌金枠7の他方側に前記と同様の手順により取付け、次に、他方の幌ひだ4bにおける他方の側の基部4cを、解放側幌金枠6の他方側に前記と同様の手順により取付ける。
【0069】
そして、前記のように組付けた後、その固定側幌金枠5を一方の車体1Aの幌座13にボルト及びナット16で連結し、解放側幌金枠6を締金17で他方の車体1Bに連結し、両幌ひだ4a,4bを、車体1A,1B間に架設する。
【0070】
また、前記のように架設された両幌ひだ4a,4bを修理、交換する場合には、前記組付手順とは逆の手順で両幌ひだ4a,4bを車体1A,1bより取外し、分解する。
【0071】
前記実施例1によれば、次のような、作用、効果を奏する。
本実施例1によれば、上下、左右の幌金枠5A〜5Dに対し、夫々、押え部材30を嵌合して一方向へスライドさせることにより、該押え部材30の押え部31と幌金枠5A〜5Dの基板21により、幌ひだ4a,4bの上下、左右の基部4cの全長を圧着的に挟持することが出来る。
【0072】
したがって、前記従来の構造のような多数の小ネジを用いて幌ひだを締結するものと比較して、幌ひだの幌金枠への組付け、分解作業の手間と時間を低減できると共に、締結のバラつきを低減できる。
【0073】
更に、前記押え部31と加圧手段を、幌ひだの基部4cの外側に設けたので、幌ひだの基部には前記従来構造のような小ネジ挿通用の穴を形成する必要がなく、幌ひだの気密性を容易に高めることができる。
【0074】
更に、押え部51の加圧手段を、幌ひだの基部4cの外側に設けたので、幌ひだのコーナ部における基部4cも、これに小ネジ挿通用の穴を形成する必要がなく、コーナ押え部材50の押え部51とコーナ幌金枠5Eの基板21で圧着挟持できるため、このコーナ部においても気密性を容易に高めることができる。
【0075】
更に、図8に示すように、前記押え部材30に係止片33を形成し、これを溝26に嵌合するようにしたことにより、押え部材30の挿入時及び挿入後において、押え部材30の傾きを防止できる。すなわち、前記の係止片33と溝26が無い構造においては、図24に示すように、押え部材30が傾く恐れがあるが、前記のように係止片33を溝26にスライド可能に嵌合することにより押え部材30の傾きを防止できる。
【0076】
[実施例2]
図34及び図35は実施例2を示す。
【0077】
本実施例2は、前記実施例1における押え部材30の抜け防止手段44の他例を示すものである。
【0078】
すなわち、前記実施例1のピン47の代わりに、図34に示すように、押え部材30の被誘導部32を幌金枠5A〜5Dの案内溝25に所定位置まで挿入した後に、止板55を被誘導部材32の後端部に配置し、該止板55を幌金枠5A〜5Dの保持板22に、ピン56等で抜き外し可能に固着して、該止板55で押え部材30の抜け外れを防止したものである。
【0079】
その他の構造及び手順は、前記実施例1と同様であるため、同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。
本実施例2においても前記実施例1と同様の作用、効果を奏する。
【0080】
[実施例3]
図36及び図37は実施例3を示す。
【0081】
本実施例3は、前記実施例1における押え部材30の抜け防止手段44の他例を示すものである。
【0082】
すなわち、前記実施例1のピン47の代わりに、図37に示すように、押え部材30の被誘導部32を幌金枠5A〜5Dの案内溝25に所定位置まで挿入した後に、ピン57を被誘導部材32の後端部に係合するように配置して、幌金枠5A〜5Dの保持板22に形成したピン穴に抜き外し可能に固着し、該ピン57の突出部で押え部材30の抜け外れを防止したものである。
【0083】
その他の構造及び手順は、前記実施例1と同様であるため、同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。
本実施例3においても前記実施例1と同様の作用、効果を奏する。
【0084】
[実施例4]
図38は実施例4を示す。
【0085】
本実施例4は、前記実施例1〜3の各コーナ部におけるコーナ押え部材50の他例を示すものである。
【0086】
該コーナ押え部材50は、前記実施例1と同様の帯状材からなる押え部51と、その長手方向の一端に形成した固定部51aと、他端に固設した前記実施例1と同様のL状の連結部材52とからなる。
【0087】
前記固定部51aは、該固定部51aと対応する側の幌金枠、例えば、幌金枠5Aにおける押え部31の外側にビス51bで分離可能に連結され、前記連結部材52の取付部54と対応する側の幌金枠、例えば、幌金枠5Dにおける押え部材30の押え部31に固設された前記取付部43に前記と同様にボルト及びナット56,57で連結されている。
【0088】
前記両取付部43,54間には隙間を有し、幌ひだ4aの基部4cの外面に押え部51を重合し、両取付部43,54を、前記ボルト及びナット56,57で締め付けることにより、押え部51を幌ひだ4aの基部4cに圧着し、前記実施例1と同様に、基板21と押え部51で幌ひだ4aの基部4cを圧着挟持するようになっている。
【0089】
その他の構造及び手順は、前記実施例1〜3と同様であるため、同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。
本実施例4においても前記実施例1と同様の作用、効果を奏する。
【0090】
[実施例5]
図39,40は実施例5を示す。
【0091】
本実施例5は、前記実施例1〜3の各コーナ部におけるコーナ押え部材50の他例を示すものである。
【0092】
該コーナ押え部材50は、前記実施例1と同様の帯状材からなる押え部51と、加圧手段である締金59とからなり、締付バンド様のものである。
【0093】
前記押え部51の長手方向の一端はビス51bで幌金枠、例えば、幌金枠5Aにおける押え部31の外側に連結され、他端側部には、押え部51の長手方向と直交する方向に長い係止穴60が押え部51の長手方向において多数本並行して形成されている。
【0094】
前記締金59は、前記押え部51を連結した幌金枠、例えば、幌金枠5Aと隣接する幌金枠5D側における押え部31の端部外面に固設されている。該締金59は、前記押え部51の他端側を挿通できる挿通部(図示せず)と、該挿通部に挿通された押え部51の係止穴60に噛合するねじを有するボルト61と、該ボルト61に形成した頭部62とからなり、押え部51の他側を前記挿通部に挿通し、ボルトの頭部62を締め回転することにより、係止穴60に係止したボルト61のネジ山が回転して、押え部51を締金59の後方へ引張り、押え部51が幌ひだ4aの基部4cに圧着するようになっている。
【0095】
その他の構造及び手順は、前記実施例1〜3と同様であるため、同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。
本実施例5においても前記実施例1と同様の作用、効果を奏する。
【0096】
[実施例6]
図41は実施例6を示す。
【0097】
本実施例6は、前記実施例1〜3の各コーナ部におけるコーナ押え部材50の他例を示すものである。
【0098】
該コーナ押え部材50は、前記実施例1と同様の帯状材からなる押え部51と、締金59とからなる。
【0099】
前記押え部51は、その長手方向において二分割され、その一方の分割押え部51dの一端側が幌金枠、例えば、幌金枠5A側における押え部材30の押え部31の端部外面にビス51bで分離可能に連結され、他端の分割押え部51eの他端側が隣接する幌金枠、例えば、幌金枠5D側における押え部材30の押え部31の端部外面にビス51bで分離可能に連結されている。
【0100】
更に、前記一方の分割押え部51dの他端側部には、前記実施例5と同様の多数の係止穴60が形成され、前記他方の分割押え部51dの一端部の外側には前記実施例5と同様の締金59が固設されている。
【0101】
そして、前記と同様に、一方の分割押え部51dの他端側を締金59の挿通穴に挿通し、前記実施例5と同様にボルトの頭部62を締め回転することにより、両分割押え部51d,51eが相互に締め方向に移動し、幌ひだ4aの基部4cに圧着するようになっている。
【0102】
その他の構造及び手順は、前記実施例1〜3と同様であるため、同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。
本実施例6においても前記実施例1と同様の作用、効果を奏する。
【0103】
[実施例7]
図42は実施例7を示す。
【0104】
本実施例7は、前記実施例1〜3の各コーナ部におけるコーナ押え部材50の他例を示すものである。
【0105】
コーナ押え部材50は、前記コーナ幌金枠5Eの保持板22に沿って外方へ突出する1/4円の円弧状の取付片70と、前記コーナ幌金枠5Eの基板21の外面と並行に形成した略1/4円に湾曲する円弧状の押え部31とからなり、該取付片70をビス又はボルト71により保持板22に分離可能に取付けるようになっている。更に、前記取付片70を取付けた場合に、その押え部31と前記基板21との間に嵌合介在した幌ひだ4aの基部4cが、前記のように所定量、例えば0.5mm圧縮されるようになっている。
【0106】
なお、前記コーナ押え部材50の取付け方法は、先ず、基板21の外周面に幌ひだの基部4cを嵌合し、次いで、コーナ押え部材50を、その押え部31が幌ひだの基部4cを圧縮するように万力等で加圧移動させ、前記所定量の加圧状態で取付片70をビス又はネジ71により保持板22に取外し可能に固定する。
【0107】
また、前記コーナ押え部材50における押え部31の長手方向の両端31a,31aは、図42に示すように、コーナ押え部材50に隣接する幌金枠、例えば、幌金枠5A,5Dに前記のように挿入された押え部材30,30の長手方向端部30a,30aと対向して近接するように形成されている。
【0108】
これにより、所定位置まで挿入された押え部材30の長手方向のズレが防止され、前記実施例1〜3に示す抜け防止手段44をコーナ押え部材50とは別個に設ける必要が無い。
【0109】
その他の構造及び手順は、前記実施例1〜3と同様であるため、同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。
本実施例7においても前記実施例1と同様の作用、効果を奏する。
【0110】
[実施例8]
図43は実施例8を示す。
【0111】
本実施例8は、前記実施例1〜3の各コーナ部におけるコーナ押え部材50の他例を示すものである。
【0112】
本実施例8は、前記図42に示すコーナ押え部材50の取付を、前記ビス又はネジ71の変わりに、押え部31と幌ひだの基部4cに取付穴31d,4gを形成し、コーナ幌金枠5Eの基板21にネジ穴21dを形成し、ねじ80を、前記取付穴31d,4gに挿通して、ネジ穴21dに螺合することにより、押え部31を幌ひだの基部4cに圧着して、その基部4cを押え部31と基板21で圧着挟持するようにしたものである。
【0113】
本実施例8においては、前記取付穴31d,4g,ねじ穴21d及びネジ80の頭部にシール材を充填して気密性を確保する。
【0114】
その他の構造及び手順は、前記実施例1〜3と同様であるため、同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。
【0115】
本実施例8においても、コーナ部以外の幌金枠部については、前記実施例と同様に、気密性、作業性の向上を図ることができる。
【符号の説明】
【0116】
4a,4b 幌ひだ
4c 基部
5(5A〜5D) 幌金枠
5E コーナ幌金枠
21 基板
25 案内溝
26 係合溝
30 押え部材
31 押え部
32 被誘導部
33 係止片
44 抜け防止手段
51 コーナ押え部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
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図26
図27
図28
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図42
図43
図44
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図48