【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を実現するために、本発明は、下記技術方案を採用する。
【0007】
式(I)に示される分子構造を有するホスファゼン化合物。
【0008】
【化1】
【0009】
(ただし、R
1は置換又は非置換の芳香族炭化水素基、もしくは置換又は非置換の脂肪族炭化水素基であり、R
2、R
3、R
6及びR
7はそれぞれ独立してその化学的環境に満足する任意の有機基であり、R
4、R
5はそれぞれ独立して任意の不活性求核基であり、Mはシクロトリホスファゼン基M
1、環数4以上のホスファゼン基M
2又は非環式のポリホスファゼン基M
3のいずれか1種又は2種以上の組合せであり、n、mはいずれも零以上の整数であり、且つnとmとは同時に零にはならなく、a、bはいずれも零以上の整数であり、且つ(a+b+2)はM基における燐原子数の2倍に等しい。)
【0010】
n、mはいずれも零を超える整数であり、例えば1、2、3、4、5、6、7等であり、且つnとmとは同時に零にはならない。
【0011】
a、bはいずれも零以上の整数であり、例えば0、1、2、3、4、5、6、7等であり、且つ(a+b+2)はM基における燐原子数の2倍に等しい。即ち、M基における燐原子は原子価が五価となる飽和状態となっている。
【0012】
本発明において、a、bはそれぞれR
4基、R
5基の個数を示し、R
4基、R
5基はいずれもM基における燐原子に連結される。
【0013】
本発明において、前記「その化学的環境に満足する」とは、その隣接する原子に連結して、安定な化学結合を形成することができることを意味している。
【0014】
好ましくは、R
1は置換又は非置換の直鎖状アルキレン基、置換又は非置換の分岐鎖状アルキレン基、置換又は非置換のシクロアルキレン基、置換又は非置換のアリーレン基、置換又は非置換のヘテロアリーレン基、置換又は非置換のアリーレンアルキレン基、置換又は非置換のアルキレンアリーレン基、置換又は非置換のシクロアルキレンアリーレン基、置換又は非置換のヘテロアリーレンアルキレン基、もしくは置換又は非置換のアルキレンヘテロアリーレン基のいずれか1種である。
【0015】
好ましくは、R
2とR
7はそれぞれ独立して置換又は非置換の直鎖状アルキレン基、置換又は非置換の分岐鎖状アルキレン基、置換又は非置換のシクロアルキレン基、置換又は非置換のアリーレン基、置換又は非置換のヘテロアリーレン基、置換又は非置換のアリーレンアルキレン基、置換又は非置換のアルキレンアリーレン基、置換又は非置換のシクロアルキレンアリーレン基、もしくは置換又は非置換のアルキレンヘテロアリーレン基のいずれか1種である。
【0016】
具体的に、R
1、R
2及びR
7はそれぞれ独立して、
【0017】
【化2】
【0018】
のいずれか1種であってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0019】
好ましくは、R
3とR
6はそれぞれ独立して置換又は非置換の直鎖状アルキル基又は分岐鎖状アルキル基、置換又は非置換のシクロアルキル基、置換又は非置換のアリール基、置換又は非置換のヘテロアリール基、置換又は非置換のアラルキル基、置換又は非置換のヘテロアリールアルキル基のいずれか1種である。
【0020】
好ましくは、R
4とR
5はそれぞれ独立して置換又は非置換のアルコキシ基、置換又は非置換のシクロアルコキシ基、置換又は非置換のアリールオキシ基、置換又は非置換のアリールアルコキシ基、置換又は非置換のアルキルアリールオキシ基、置換又は非置換のヘテロアリールアルコキシ基、置換又は非置換のアルキルヘテロアリールオキシ基、置換又は非置換のカルボン酸エステル基、置換又は非置換の炭酸エステル基、置換又は非置換のスルホン酸エステル基、もしくは置換又は非置換のホスホン酸エステル基のいずれか1種又は2種以上の組合せである。
【0021】
本発明において、前記「不活性求核基」とは、一般的な反応条件下で化学反応性が低く、他の物質と反応し難い基を意味し、これらの反応性基によって炭素鎖をブロックすることが可能であり、よって「ブロック基」とも呼ばれる。例えば本発明において、前記不活性求核基は―OCH
3、―Ph(ベンゼン環)又は―COOCH
3等であってもよい。
【0022】
本発明はノンハロゲンホスファゼン化合物を提供するものであるので、本発明の式(I)に示される構造において、あらゆる基及び基における置換基がハロゲンを含まない。
【0023】
本発明において、前記「求核試薬」とは、ハロゲン化ホスファゼンと求核置換反応できる求核試薬を意味する。求核置換の反応過程では、求核試薬から脱離基が脱離し、求核基がハロゲン化ホスファゼンにおけるハロゲン原子に攻撃し、求核基がM基に連結する。例えば、メタノールCH
3OHを求核試薬として用いてハロゲン化ホスファゼンと求核置換反応させる場合に、CH
3OHからH
+が脱離し、求核基であるメトキシ基CH
3O―がハロゲン化ホスファゼンにおけるハロゲン原子を置換し、ホスファゼンにおける―Pに連結する。
【0024】
本発明において、置換又は非置換の直鎖状アルキル基又は分岐鎖状アルキル基としては、置換又は非置換の炭素数1〜12個のC1〜C12(例えばC1、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8、C9、C10又はC11)直鎖状アルキル基又は分岐鎖状アルキル基が好ましく、C1〜C8直鎖状アルキル基又は分岐鎖状アルキル基が更に好ましく、炭素数が1である場合はメチル基となり、炭素数が2である場合はエチル基となる。
【0025】
置換又は非置換のシクロアルキル基としては、置換又は非置換の炭素数3〜12個のC3〜C12(例えばC4、C5、C6、C7、C8、C9、C10又はC11)のシクロアルキル基が好ましい。
【0026】
置換又は非置換のアルコキシ基としては、置換又は非置換の炭素数1〜12個のC1〜C12(例えばC2、C3、C4、C5、C6、C7、C8、C9、C10又はC11)のアルコキシ基が好ましい。
【0027】
置換又は非置換のシクロアルコキシ基としては、置換又は非置換の炭素数3〜12個のC3〜C12(例えばC4、C5、C6、C7、C8、C9、C10又はC11)のシクロアルコキシ基が好ましい。
【0028】
置換又は非置換のアリール基としては、炭素数7〜13個のC7〜C13(例えばC8、C9、C10、C11又はC12)のアリール基が好ましい。好ましくは、フェニル基、ナフチル基、或いは、
【0029】
【化3】
【0030】
等である。フェニル基の実例としては、ビフェニル基、テルフェニル基、ベンジル基、フェネチル基又はフェニルプロピル基等が挙げられる。
【0031】
置換又は非置換のヘテロアラルキル基としては、炭素数7〜13個のC7〜C13(例えばC8、C9、C10、C11又はC12)のヘテロアラルキル基が好ましく、より好ましくは五員環又は六員環ヘテロアリール基であり、更に好ましくは置換又は非置換のフラニル基又はピリジル基である。
【0032】
置換又は非置換のアラルキル基としては、炭素数7〜13個のC7〜C13(例えばC8、C9、C10、C11又はC12)のアラルキル基が好ましい。
【0033】
置換又は非置換のヘテロアラルキル基としては、炭素数7〜13個のC7〜C13(例えばC8、C9、C10、C11又はC12)のヘテロアラルキル基が好ましい。
【0034】
置換又は非置換のアリールオキシ基としては、炭素数7〜13個のC7〜C13(例えばC8、C9、C10、C11又はC12)のアリールオキシ基が好ましい。
【0035】
置換又は非置換のアリールアルコキシ基としては、炭素数7〜13個のC7〜C13(例えばC8、C9、C10、C11又はC12)のアリールアルコキシ基が好ましい。
【0036】
置換又は非置換のアルキルアリールオキシ基としては、炭素数7〜13個のC7〜C13(例えばC8、C9、C10、C11又はC12)のアルキルアリールオキシ基が好ましい。
【0037】
置換又は非置換のヘテロアリールアルコキシ基としては、炭素数7〜13個のC7〜C13(例えばC8、C9、C10、C11又はC12)のヘテロアリールアルコキシ基が好ましい。
【0038】
置換又は非置換のアルキルヘテロアリールオキシ基としては、炭素数7〜13個のC7〜C13(例えばC8、C9、C10、C11又はC12)のアルキルヘテロアリールオキシ基が好ましい。
【0039】
置換又は非置換の直鎖状アルキレン基としては、炭素数1〜12個のC1〜C12(例えばC2、C3、C4、C5、C6、C7、C8、C9、C10又はC11)の直鎖状アルキレン基が好ましい。
【0040】
置換又は非置換の分岐鎖状アルキレン基としては、炭素数1〜12個のC1〜C12(例えばC2、C3、C4、C5、C6、C7、C8、C9、C10又はC11)の分岐鎖状アルキレン基が好ましい。
【0041】
置換又は非置換のアリーレン基としては、炭素数6〜13個のC6〜C13(例えばC7、C8、C9、C10、C11又はC12)のアリーレン基が好ましい。
【0042】
置換又は非置換のヘテロアリーレン基としては、炭素数5〜13個のC5〜C13(例えばC6、C7、C8、C9、C10、C11又はC12)のヘテロアリーレン基が好ましい。
【0043】
置換又は非置換のアルキレンアリーレン基としては、炭素数7〜13個のC7〜C13(例えばC8、C9、C10、C11又はC12)のアルキレンアリーレン基が好ましい。
【0044】
置換又は非置換のアリーレンアルキレン基としては、炭素数7〜13個のC7〜C13(例えばC8、C9、C10、C11又はC12)アリーレンアルキレン基が好ましい。
【0045】
置換又は非置換のアルキレンヘテロアリーレン基としては、炭素数6〜13個のC6〜C13(例えばC7、C8、C9、C10、C11又はC12)のアルキレンヘテロアリーレン基が好ましい。
【0046】
置換又は非置換のヘテロアリーレンアルキレン基としては、炭素数6〜13個のC6〜C13(例えばC7、C8、C9、C10、C11又はC12)のヘテロアリーレンアルキレン基が好ましい。
【0047】
本発明に用いられる専門用語「置換」とは、指定された原子が正常な原子価を超えずに置換後の結果として安定な化合物が生成する条件下で、前記指定された原子におけるいずれか一つ又は複数の水素原子が指定された群から選ばれる置換基で置換されることを意味する。置換基がオキソ基又はケトン基(即ち=O)である場合は、原子における2つの水素原子が置換される。芳香環にケトン置換基が存在しない。「安定な化合物」とは、反応混合物から有効な純度まで強力に分離して有効な化合物を調製できることを意味する。
【0048】
本発明において、好ましくは、M
1の構造は、
【0049】
【化4】
【0050】
M
2の構造は、
【0051】
【化5】
【0052】
ただし、xは4以上の整数である。
【0053】
M
3の構造は、
【0054】
【化6】
【0055】
ただし、yは3以上の整数である。
【0056】
なお、M
1、M
2の構造式において、
【0057】
【化7】
【0058】
は「環状」という構造を模式的に示すものに過ぎない。
【0059】
また、M
1、M
2及びM
3において、
【0060】
【化8】
【0061】
におけるP原子に連結される結合は、三者中P原子に置換基が連結されていることを示し、メチル基を示すものではない。
【0062】
好ましくは、Mは、主に不飽和結合をもつ燐原子と不飽和結合をもつ窒素原子によって構成される燐-窒素不飽和結合骨格を有するホスファゼン基を有する基を示す。具体的には、Mは50wt%以上のシクロトリホスファゼン基M
1、48wt%以下の環数4以上のホスファゼン基M
2及び48wt%以下の非環式のポリホスファゼン基M
3を含む。
【0063】
本発明において、M
1の含有量は50wt%以上であり、即ち、M
1の含有量は50wt〜100wt%であってもよく、M
1は必須成分である。M
1の含有量が100wt%である場合、M
2とM
3を含まない。本発明において、M
1の含有量の代表例としては、50wt%、51wt%、55wt%、58wt%、60wt%、65wt%、70wt%、74wt%、75wt%、80wt%、85wt%、90wt%、92wt%、95wt%、98wt%又は100wt%が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0064】
本発明において、M
2の含有量は30wt%以下であり、即ち、M
2の含有量は0〜30wt%であってもよい。M
2の含有量が0wt%である場合、即ち、M
2を含まない。本発明において、M
2の含有量の代表例として、0wt%、2wt%、5wt%、8wt%、11wt%、14wt%、16wt%、17wt%、19wt%、20wt%、22wt%、25wt%、27wt%、28wt%又は29wt%が挙げられるが、これらに限定されない。
【0065】
本発明において、M
3の含有量は30wt%以下であり、即ち、M
3の含有量は0〜30wt%であってもよい。M
3の含有量が0wt%である場合、即ち、M
3を含まない。本発明において、M
3の含有量の代表例として、0wt%、2wt%、5wt%、8wt%、10wt%、12wt%、14wt%、16wt%、18wt%、20wt%、23wt%、25wt%、27wt%、28wt%、30wt%、32wt%、35wt%、38wt%、40wt%、43wt%又は45wt%が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0066】
本発明において、M
1、M
2及びM
3の質量百分率の合計は、100%である。
【0067】
本発明において、M
1の含有量が50wt%未満、又はM
2の含有量が30wt%を超える場合、エポキシ樹脂と反応させて得られた生成物は、使用時に耐熱性、耐水性及び機械的性質が損なわれる。M
3の含有量が45%を超えると、エポキシ樹脂と反応させて得られた生成物は、使用時、粘度が大きくなり過ぎることによって使用が困難になる恐れがある。さらに、分子量が高くなりすぎることによって性能が損なわれる等の悪い結果をもたらす恐れがある。
【0068】
好ましくは、本発明に係る前記ホスファゼン化合物は、下記構造を有する化合物の1種又は2種以上の組合せである。
【0069】
【化9】
【0070】
ただし、Mはシクロトリホスファゼン基である。
【0071】
本発明の式(I)中、封鎖基としてのR
3、R
4、R
5、R
6は、いずれも芳香族封鎖基であってもよい。例えば、R
4、R
5は、
【0072】
【化10】
【0073】
等の基であってもよく、R
3、R
6はフェニル基、ビフェニル基、ベンジル基等であってもよい。例えば、式(I)に示される化合物は、
【0074】
【化11】
【0075】
等である。ただし、Mはシクロトリホスファゼン基である。
【0076】
本発明の第2態様では、優れた耐熱性、機械的性質及び低誘電率を有するホスファゼン化合物の製造方法を提供するものである。
【0077】
上記ホスファゼン化合物の製造方法は、塩化ホスホニトリルとカルボン酸類及びフェノール又はアルコール系求核試薬とを求核置換反応させてホスファゼン化合物を得ることである。
【0078】
塩化ホスホニトリルとは、
【0079】
【化12】
【0080】
であり、求核試薬とは、式(I)におけるM基に連結された基に対応する求核試薬であり、例えば、R
1が、
【0081】
【化13】
【0082】
である場合、塩化ホスホニトリルと求核置換反応させて、
【0083】
【化14】
【0084】
をM基における燐原子に連結させる求核試薬は、
【0085】
【化15】
【0086】
であり、R
3が―CH
2CH
2―である場合、塩化ホスホニトリルと求核置換反応させて―O―CH
2CH
2―O―をM基における燐原子に連結させる求核試薬は、OHCH
2CH
2OHであってもよく、同様に、R
2、R
5、R
6、R
7とM基における燐原子との連結を実現できる。
【0087】
前記求核置換反応において、塩化ホスホニトリルにおける塩素原子が置換される。求核反応は、本分野における公知の方法によって行われることができ、例えば、「ポリホスファゼンの研究の進展,張宏偉等,材料導報2010年第24巻第7期」を参照できる。求核反応に使用される触媒の具体例としては、塩化亜鉛、塩化マグネシウム、塩化アルミニウム等の金属塩化物、三フッ化ホウ素及びその錯体、水酸化ナトリウム等のルイス塩基(Lewis base)が挙げられる。これらの触媒は1種を使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよく、本発明では特に限定されるものではない。ここで、「塩化ホスホニトリル」とは、式(I)におけるM基がClに連結されて得られた化合物である。塩化ホスホニトリルとしては、公知の溶媒、触媒を使用して公知の反応経路に基づいて合成してもよく、五塩化燐と塩化アンモニウムを使用して公知方法に基づきクロロホスファゼン化合物を合成した後、物理的方法により精製し、或いは精製せずに直接製造してもよく、その反応式は、
PCl
5+NH
4Cl→1/n(NPCl
2)n+4HCl
であり、該反応生成物には、主に三量体(PNCl
2)
3(即ち、ヘキサクロロシクロトリホスファゼン)と四量体(PNCl
2)
4が含まれており、反応生成物を60℃の真空で緩慢に昇華して高純度のヘキサクロロシクロトリホスファゼンを得る。環数4以上のクロロホスファゼンと非環式のクロロポリホスファゼンとは、先行技術により製造されることもできる。
【0088】
求核試薬と塩化ホスホニトリルとの反応において、先ず1種の求核試薬と塩化ホスホニトリルとを反応させ、塩化ホスホニトリルにおける一部の塩素原子を置換させた後、他の1種の求核試薬と塩化ホスホニトリルとを反応させて、式(I)に示される構造を有するホスファゼン化合物が得られる。更に、物質同士の物質量関係を制御することにより、一つ以上のM基を有する構造のホスファゼン化合物が得られる。
【0089】
本発明の第3態様では、低誘電特性、優れた耐熱性及び機械的性質を有するエポキシ樹脂組成物を提供する。
【0090】
該エポキシ樹脂組成物は本発明に記載のホスファゼン化合物を含む。
【0091】
エポキシ樹脂組成物におけるエポキシ樹脂、硬化剤、他のフィラーとして、公知のものが用いられてもよい。
【0092】
前記エポキシ樹脂組成物は、上記ホスファゼンを含むポリエステル以外、ほかのポリエステルが含まれても良い。
【0093】
本発明の第4態様では、上記エポキシ樹脂組成物を基材に含浸又は塗布してなるプリプレグを提供するものである。
【0094】
前記基材は、ガラス繊維基材、ポリエステル基材、ポリイミド基材、セラミック基材又は炭素繊維基材等であってもよい。
【0095】
ここで、含浸又は塗布の具体的なプロセス条件は、特に限定されるものではない。「プリプレグ」も当業者が熟知している「接着シート」である。
【0096】
複合金属基板は、一枚以上の上記プリプレグを含み、順に表面金属層被覆、積層、ラミネートを行ってなるものである。
【0097】
ここで、表面被覆金属層の材質は、アルミニウム、銅、鉄及びそれらを任意に組合せた合金である。
【0098】
複合金属基板の具体例としては、CEM―1銅張積層板、CEM―3銅張積層板、FR―4銅張積層板、FR―5銅張積層板、CEM―1アルミ基板、CEM―3アルミ基板、FR―4アルミ基板又はFR―5アルミ基板が挙げられる。
【0099】
フレキシブル銅張積層板は、一枚以上の前記プリプレグ及びラミネートされたプリプレグの片側又は両側に被覆された銅箔を含むものである。
【0100】
プリント基板は、上記複合金属基板の表面で回路を加工してなるものである。
【0101】
エポキシ樹脂組成物の原料を複合金属基板に硬化させて優れた低誘電特性及び耐熱性を有するコーティングを形成することにより、プリント基板の応用範囲を広げることができる。例えば、電子産業、電気・電器産業、交通輸送、航空エアロスペース、おもちゃ産業等のプリント基板を必要とする機器、装置、メータ、計器等の産業への応用範囲を広げることができる。
【0102】
上記用語「×××基又は基」とは、「×××化合物」の分子構造から一つ以上の水素原子、もしくは他の原子又は原子団を脱離させた後に残った部分を意味する。