【解決手段】タイミングコントローラでは、特殊データ抽出回路が、受信データから、垂直同期信号の開始のタイミングに同期して、垂直ブランキング期間中に一度だけ送信される特殊データを抽出する。ライン先頭抽出回路が、受信データから、液晶パネルの各ラインの画像データが送信される期間の先頭を表すライン先頭データを抽出する。特殊データが抽出された場合に、出力IF起動回路が、ラインカウンタのカウントを開始させ、ラインカウンタが、ライン先頭データが抽出された回数をカウントする。出力IF起動回路は、ラインカウンタのカウント値がカウント数設定回路に設定されたカウント数に到達した場合に、出力IF回路を起動させる。
さらに、前記外部デバイスが前記特殊データを前記タイミングコントローラへ送信するタイミングを制御する制御データを保持する制御データ保持回路を備える請求項1に記載のタイミングコントローラ。
前記制御データ保持回路は、前記垂直ブランキング期間の長さ、前記垂直ブランキング期間の開始から前記垂直同期信号の開始までのフロントポーチ期間の長さ、前記垂直同期信号の長さ、および、前記垂直同期信号の終了から前記垂直ブランキング期間の終了までのバックポーチ期間の長さのうち、前記垂直ブランキング期間の長さおよび前記フロントポーチ期間の長さのみが異なる2つの画像タイミングデータを前記制御データとして保持する請求項2に記載のタイミングコントローラ。
前記外部デバイスは、前記制御データ保持回路から受信した前記2つの画像タイミングデータに基づいて、前記垂直ブランキング期間の長さを変動させる場合に、前記フロントポーチ期間の長さのみが可変であると判断し、前記垂直ブランキング期間の長さの可変範囲および前記フロントポーチ期間の長さの可変範囲を検出し、前記垂直ブランキング期間の長さの可変範囲および前記フロントポーチ期間の長さの可変範囲内で前記垂直ブランキング期間の長さおよび前記フロントポーチ期間の長さを変動させ、前記垂直ブランキング期間の長さおよび前記フロントポーチ期間の長さが変動された後の垂直同期信号の開始のタイミングに同期して前記特殊データを前記タイミングコントローラへ送信する機能を持つ、請求項3に記載のタイミングコントローラ回路。
前記制御データ保持回路は、前記垂直ブランキング期間の長さ、前記垂直ブランキング期間の開始から前記垂直同期信号の開始までのフロントポーチ期間の長さ、前記垂直同期信号の長さ、および、前記垂直同期信号の終了から前記垂直ブランキング期間の終了までのバックポーチ期間の長さのうち、前記フロントポーチ期間の長さが可変で、前記垂直ブランキング期間の長さも変更されることを表す可変期間データ、および、前記フロントポーチ期間の長さを表す2つのフロントポーチ期間データを前記制御データとして保持する請求項2に記載のタイミングコントローラ。
前記外部デバイスは、前記制御データ保持回路から受信した前記可変期間データに基づいて、前記垂直ブランキング期間の長さを変動させる場合に、前記フロントポーチ期間の長さのみが可変であると判断し、前記制御データ保持回路から受信した前記2つのフロントポーチ期間データに基づいて、前記垂直ブランキング期間の長さの可変範囲および前記フロントポーチ期間の長さの可変範囲を検出し、前記垂直ブランキング期間の長さの可変範囲および前記フロントポーチ期間の長さの可変範囲内で前記垂直ブランキング期間の長さおよび前記フロントポーチ期間の長さを変動させ、前記垂直ブランキング期間の長さおよび前記フロントポーチ期間の長さが変動された後の垂直同期信号の開始のタイミングに同期して前記特殊データを前記タイミングコントローラへ送信する機能を持つ、請求項5に記載のタイミングコントローラ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
画像表示期間から遡って画像表示期間の開始前に起動信号を出力するには、ラインバッファ等を設けて、
図6のタイミングチャートに示すように、画像表示期間自体を遅延させる必要がある。この例では、遅延後の画像表示期間の開始前に、遅延前の画像表示期間の開始のタイミングで起動信号が生成されている。しかし、この手法では、ラインバッファ等が必要となるため、回路規模および消費電力の増加となる。
【0006】
一方、
図7のタイミングチャートに示すように、前フレームの画像表示期間の終了のタイミングから一定の期間の後に起動信号を生成することが考えられる。この場合、出力IF回路の停止期間を長くするために、起動信号を生成するタイミングは次のフレームの画像表示期間の開始のタイミングに近づけられる。この手法では、ラインバッファは必要ないが、垂直ブランキング期間の長さが変動する場合に対応できないという問題がある。
【0007】
ここで、液晶パネルは、画像更新の周波数(リフレッシュレート)を下げた方が消費電力を低減できるため、静止画や動きが小さい動画を表示する時に垂直ブランキング期間の長さを増加させ、この周波数を下げる場合がある。その一方で、リフレッシュレートを下げた場合に、動きが大きい動画を表示する時には、垂直ブランキング期間の長さを減少させて、結果的にリフレッシュレートを上げる必要が生じる。
【0008】
しかし、垂直ブランキング期間の長さを減少させると、
図7のタイミングチャートに示すように、次のフレームの画像表示期間の開始のタイミングが起動信号の出力タイミングよりも早くなった場合、前述のように、起動信号を出力できないという問題があった。
【0009】
本発明の第1の目的は、従来技術の問題点を解消し、ラインバッファを設けることなく、液晶パネルのドライバ回路の動作を制御する出力IF回路を確実に起動させることができるタイミングコントローラを提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、上記第1の目的に加えて、垂直ブランキング期間の長さを変動させた場合でも、出力IF回路を確実に起動させることができるタイミングコントローラを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明は、液晶パネルの動作を制御するタイミングコントローラであって、
外部デバイスから受信した受信データから抽出された画像データに応じて前記液晶パネルを駆動するドライバ回路の動作を制御する出力インタフェイス回路と、
前記受信データから、垂直同期信号の開始のタイミングに同期して、垂直ブランキング期間中に一度だけ送信される特殊データを抽出する特殊データ抽出回路と、
前記受信データから、前記液晶パネルの各ラインの画像データが送信される期間の先頭を表すライン先頭データを抽出するライン先頭抽出回路と、
前記ライン先頭データが抽出された回数をカウントしてカウント値を出力するラインカウンタと、
前記ラインカウンタがカウントするカウント数を設定するカウント数設定回路と、
前記特殊データが抽出された場合に、前記ラインカウンタのカウントを開始させ、前記カウント値が前記カウント数に到達した場合に、前記出力インタフェイス回路を起動させる出力インタフェイス起動回路とを備えることを特徴とするタイミングコントローラを提供するものである。
【0011】
さらに、前記外部デバイスが前記特殊データを前記タイミングコントローラへ送信するタイミングを制御する制御データを保持する制御データ保持回路を備えることが好ましい。
【0012】
また、前記制御データ保持回路は、前記垂直ブランキング期間の長さ、前記垂直ブランキング期間の開始から前記垂直同期信号の開始までのフロントポーチ期間の長さ、前記垂直同期信号の長さ、および、前記垂直同期信号の終了から前記垂直ブランキング期間の終了までのバックポーチ期間の長さのうち、前記垂直ブランキング期間の長さおよび前記フロントポーチ期間の長さのみが異なる2つの画像タイミングデータを前記制御データとして保持することが好ましい。
【0013】
また、前記外部デバイスは、前記制御データ保持回路から受信した前記2つの画像タイミングデータに基づいて、前記垂直ブランキング期間の長さを変動させる場合に、前記フロントポーチ期間の長さのみが可変であると判断し、前記垂直ブランキング期間の長さの可変範囲および前記フロントポーチ期間の長さの可変範囲を検出し、前記垂直ブランキング期間の長さの可変範囲および前記フロントポーチ期間の長さの可変範囲内で前記垂直ブランキング期間の長さおよび前記フロントポーチ期間の長さを変動させ、前記垂直ブランキング期間の長さおよび前記フロントポーチ期間の長さが変動された後の垂直同期信号の開始のタイミングに同期して前記特殊データを前記タイミングコントローラへ送信する機能を持つことが好ましい。
【0014】
また、前記制御データ保持回路は、前記垂直ブランキング期間の長さ、前記垂直ブランキング期間の開始から前記垂直同期信号の開始までのフロントポーチ期間の長さ、前記垂直同期信号の長さ、および、前記垂直同期信号の終了から前記垂直ブランキング期間の終了までのバックポーチ期間の長さのうち、前記フロントポーチ期間の長さが可変で、前記垂直ブランキング期間の長さも変更されることを表す可変期間データ、および、前記フロントポーチ期間の長さを表す2つのフロントポーチ期間データを前記制御データとして保持することが好ましい。
【0015】
また、前記外部デバイスは、前記制御データ保持回路から受信した前記可変期間データに基づいて、前記垂直ブランキング期間の長さを変動させる場合に、前記フロントポーチ期間の長さのみが可変であると判断し、前記制御データ保持回路から受信した前記2つのフロントポーチ期間データに基づいて、前記垂直ブランキング期間の長さの可変範囲および前記フロントポーチ期間の長さの可変範囲を検出し、前記垂直ブランキング期間の長さの可変範囲および前記フロントポーチ期間の長さの可変範囲内で前記垂直ブランキング期間の長さおよび前記フロントポーチ期間の長さを変動させ、前記垂直ブランキング期間の長さおよび前記フロントポーチ期間の長さが変動された後の垂直同期信号の開始のタイミングに同期して前記特殊データを前記タイミングコントローラへ送信する機能を持つことが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明では、受信データから、垂直同期信号の開始のタイミングに同期して、垂直ブランキング期間中に一度だけ送信される特殊データが抽出され、それから一定の期間の後に出力インタフェイス回路が起動される。
【0017】
これにより、本発明によれば、特殊データが垂直同期信号の開始のタイミングに同期して送信されるため、ラインバッファを設けることなく、特殊データに基づいて出力インタフェイス回路を確実に起動させることができる。ラインバッファを設ける必要がないため、回路規模および消費電力を削減することができる。
また、垂直ブランキング期間の長さを変動させた場合でも、特殊データが垂直同期信号の開始のタイミングに同期して送信されるため、フロントポーチ期間の長さのみを変動させることにより垂直ブランキング期間の長さを変動させる場合には、特殊データに基づいて出力インタフェイス回路を確実に起動させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、添付の図面に示す好適実施形態に基づいて、本発明のタイミングコントローラを詳細に説明する。
【0020】
図1は、本発明に係るタイミングコントローラの構成を表す第1の実施形態のブロック図である。同図に示すタイミングコントローラ10は、液晶パネルの動作を制御するものであり、シンク(Sink)回路12と、出力データ構成回路14と、パラレルシリアル変換回路16と、出力IF(インタフェイス)回路18と、制御データ保持回路20とを備えている。また、同図には、ソース(Source)回路(外部デバイス)22が表示されている。
【0021】
ソース回路22およびシンク回路12は、それぞれ、ディスプレイポート(DisplayPort)の出力側のデバイスおよび入力側のデバイスであり、ディスプレイポートのメインリンク(Main Link)および補助チャンネル(AUX CH)によって接続されている。
ソース回路22は、PC(パーソナルコンピュータ)、映像機器等であり、シンク回路12は、液晶表示装置、プロジェクタ等である。
【0022】
ディスプレイポートは、パソコンや映像機器等を表示装置に接続するためのインタフェイス規格の1つであり、映像信号のインタフェイス規格に関する標準化団体VESA(Video Electronics Standards Association)によって策定されたものである。ディスプレイポートでは、最大4レーンのメインリンクと、補助チャンネルとを使用して、ソース回路22とシンク回路12との間が接続される。
【0023】
メインリンクは、画像データ、垂直ブランキング期間を表すデータ、垂直同期信号を表す、垂直ブランキング期間中に一度だけ送信される特殊データ、各ラインの画像データが送信される期間の先頭を表すライン先頭データ等を、ソース回路22からシンク回路12へ送信するためのチャンネルである。
補助チャンネルは、出力側のデバイスおよび入力側のデバイスの動作を制御するためのデータを、ソース回路22とシンク回路12との間で双方向に送受信するためのチャンネルである。
【0024】
ソース回路22とシンク回路12との間では、パケット化されたシリアルデータの送信データおよび受信データが送受信される。
【0025】
シンク回路12は、入力IF回路24と、シリアルパラレル変換回路26と、MSA抽出回路28と、ライン先頭抽出回路30と、ラインカウンタ32と、タイミング設定レジスタ34と、出力IF起動信号生成回路36と、画像データ抽出回路38と、入出力IF回路40とを備えている。
【0026】
シリアルパラレル変換回路26には、ソース回路22から出力された送信データがメインリンクを介して送信され、入力IF回路24によって受信されたシリアルデータの受信データが入力される。
シリアルパラレル変換回路26は、受信データを、シリアルデータからパラレルデータに変換するものである。
シリアルパラレル変換回路26からは、パラレルデータの受信データが出力される。
【0027】
MSA抽出回路(本発明の特殊データ抽出回路)28には、シリアルパラレル変換回路26からパラレルデータの受信データが入力される。
MSA抽出回路28は、パラレルデータの受信データから、垂直同期信号の開始のタイミングに同期して、垂直ブランキング期間中に一度だけ送信される特殊データとしてMSA(Main Stream Attribute)を抽出するものである。
MSA抽出回路28からは、MSAが抽出されたタイミングを表すMSAタイミング信号が出力される。
【0028】
MSAは、画像データの属性を表すデータであり、例えば、1ラインの画素数、1フレームのライン数、水平同期信号の長さ、垂直同期信号の長さ、水平同期信号から水平表示期間までの長さ、垂直同期信号から垂直表示期間までの長さ等のデータが含まれる。
【0029】
ライン先頭抽出回路30には、シリアルパラレル変換回路26からパラレルデータの受信データが入力される。
ライン先頭抽出回路30は、パラレルデータの受信データから、液晶パネルの各ラインの画像データが送信される期間の先頭を表すライン先頭データを抽出するものである。
ライン先頭抽出回路30からは、ライン先頭データが抽出されたタイミングを表すライン先頭信号が出力される。
【0030】
ラインカウンタ32には、ライン先頭抽出回路30からライン先頭信号と、出力IF起動信号生成回路36から後述するカウントスタート信号とが入力される。
ラインカウンタ32は、カウントスタート信号によってカウントの開始が指示された場合に、ライン先頭信号に基づいて、ライン先頭データが抽出された回数をカウントして、そのカウント値を出力するものである。
ラインカウンタ32からは、カウント値を表すライン番号信号が出力される。
【0031】
タイミング設定レジスタ(本発明のカウント数設定回路)34は、ラインカウンタ32がカウントするカウント数を設定するものである。
タイミング設定レジスタ34からは、設定されたカウント数が起動信号タイミング設定値として出力される。
【0032】
出力IF起動信号生成回路(本発明の出力インタフェイス起動回路)36には、MSA抽出回路28からMSAタイミング信号と、ラインカウンタ32からライン番号信号と、タイミング設定レジスタ34から起動信号タイミング設定値とが入力される。
出力IF起動信号生成回路36は、MSAタイミング信号に基づいて、受信データから特殊データとしてMSAが抽出されたことを検出した場合に、つまり、受信データから特殊データが抽出された場合に、ラインカウンタ32のカウントを開始させるカウントスタート信号を生成するものである。
また、出力IF起動信号生成回路36は、ライン番号信号および起動信号タイミング設定値に基づいて、ラインカウンタ32によってカウントされたカウント値が、タイミング設定レジスタ34に設定されたカウント数に到達したことを検出した場合に、つまり、ラインカウンタ32のカウント値が、タイミング設定レジスタ34のカウント数に到達した場合に、出力IF回路18を起動させる起動信号を生成する。
出力IF起動信号生成回路36からは、カウントスタート信号および起動信号が出力される。
【0033】
画像データ抽出回路38には、シリアルパラレル変換回路26からパラレルデータの受信データが入力される。
画像データ抽出回路38は、パラレルデータの受信データから、液晶パネルの各ラインの画像データを抽出するものである。
画像データ抽出回路38からは、液晶パネルの各ラインの画像データが出力される。
【0034】
出力データ構成回路14には、画像データ抽出回路38から画像データが入力される。
出力データ構成回路14は、画像データに対して、例えば、画像補正、複数のドライバ回路の各々への振り分け、タイミング調整等の処理を行って、液晶パネルへの出力データを構成(生成)するものである。
出力データ構成回路14からは、出力データが出力される。
【0035】
パラレルシリアル変換回路16には、基準クロックと、出力データ構成回路14から出力データとが入力される。
パラレルシリアル変換回路16は、基準クロックに同期して、出力データを、パラレルデータからシリアルデータに変換するものである。
パラレルシリアル変換回路16からは、シリアルデータの出力データが出力される。
【0036】
出力IF回路18には、パラレルシリアル変換回路16からシリアルデータの出力データと、出力IF起動信号生成回路36から起動信号とが入力される。
出力IF回路18は、シリアルデータの出力データ、つまり、受信データから抽出された画像データに応じて液晶パネルを駆動するドライバ回路の動作を制御するものである。
出力IF回路18は、垂直ブランキング期間が開始した後、つまり、前フレームの画像表示期間が終了した後に停止され、起動信号により起動される。
出力IF回路18からは、ドライバ回路の動作を制御する制御信号が出力される。
【0037】
制御データ保持回路20は、ソース回路22が特殊データとしてMSAをタイミングコントローラ10へ送信するタイミングを制御する制御データとして2つの画像タイミングデータ1,2を保持するものである。
制御データ保持回路20からは、2つの画像タイミングデータ1,2が制御データとして出力される。
制御データ保持回路20から出力される画像タイミング1,2は、タイミングコントローラ10のシンク回路12へ入力され、入出力IF回路40から出力され、補助チャンネルを介してソース回路22へ送信される。
【0038】
画像タイミングデータ1,2は、前フレームの画像表示期間の終了のタイミングからその次のフレームの画像表示期間の開始のタイミングまでの垂直ブランキング期間の長さ、垂直ブランキング期間の開始から垂直同期信号の開始までのフロントポーチ期間の長さ、垂直同期信号の長さ、および、垂直同期信号の終了から垂直ブランキング期間の終了までのバックポーチ期間の長さのうち、垂直ブランキング期間の長さおよびフロントポーチ期間の長さのみが異なるデータである。
【0039】
本実施形態の場合、画像タイミングデータ1,2は、ディスプレイポートのEDID(Extended Display Identification Data)として保持される。EDIDには、液晶パネルが受信可能な特殊データの送信タイミングが定義された画像タイミングデータを複数格納することが可能である。このように、タイミングコントローラ10の外部に既に配置されているEDIDが保持される保持回路を、制御データ保持回路20として利用することにより、回路規模を削減することができる。
【0040】
次に、
図2〜
図4に示すタイミングチャートを参照しながら、タイミングコントローラ10の動作を説明する。
【0041】
本実施形態の場合、出力IF回路18は、垂直ブランキング期間が開始した後に停止され、ドライバ回路の動作を制御する制御信号を出力する出力IF回路18のバッファ等への電力の供給が停止されるものとする。
【0042】
まず、ソース回路22により、補助チャンネルを介して、制御データ保持回路20に保持された制御データとして画像タイミングデータ1,2が受信される。
【0043】
ソース回路22は、制御データ保持回路20から受信した2つの画像タイミングデータ1,2に基づいて、2つの画像タイミングデータ1,2の垂直ブランキング期間の長さおよびフロントポーチ期間の長さのみが異なることから、ソース回路22が垂直ブランキング期間の長さを変動させる場合に、フロントポーチ期間の長さのみが可変であると判断する。
【0044】
また、ソース回路22は、2つの画像タイミングデータ1,2に基づいて、垂直ブランキング期間の長さの可変範囲およびフロントポーチ期間の長さの可変範囲を検出する。例えば、垂直ブランキング期間の長さの可変範囲を、画像タイミングデータ1の垂直ブランキング期間の長さから、画像タイミングデータ2の垂直ブランキング期間の長さまでの範囲とする。フロントポーチ期間の長さの可変範囲も同様にして決定することができる。
【0045】
ソース回路22は、垂直ブランキング期間の長さの可変範囲およびフロントポーチ期間の長さの可変範囲内で垂直ブランキング期間の長さおよびフロントポーチ期間の長さを変動させて、タイミングコントローラ10へ送信する。つまり、ソース回路22は、フロントポーチ期間の長さのみを変動させることによって垂直ブランキング期間の長さを変動させることができる。
【0046】
また、ソース回路22は、垂直ブランキング期間の長さおよびフロントポーチ期間の長さが変動された後の垂直同期信号の開始のタイミングに同期して特殊データとしてMSAをタイミングコントローラ10へ送信する。
【0047】
本実施形態の場合、垂直同期信号は、
図2のタイミングチャートに示すように、フロントポーチ期間の終了のタイミングから一定の期間、ローレベルとなる。また、MSAは、垂直同期信号の開始のタイミングから一定の期間、ハイレベルとなる。
また、詳細は後述するが、起動信号は、受信データからMSAが抽出されてから一定の期間の後に、一定の期間、ハイレベルとなる。
【0048】
また、
図3上部のタイミングチャートに示す、垂直ブランキング期間におけるフロントポーチ期間、垂直同期信号の期間、バックポーチ期間を標準とすると、
図3中央部のタイミングチャートに示すように、フロントポーチ期間の長さを増加させた場合、フロントポーチ期間の長さの増加に応じて、垂直ブランキング期間の長さが増加する。
一方、
図3下部のタイミングチャートに示すように、フロントポーチ期間の長さを減少させた場合、フロントポーチ期間の長さの減少に応じて、垂直ブランキング期間の長さが減少する。
フロントポーチ期間の長さを増加させた場合も減少させた場合も、垂直同期信号の期間の長さおよびバックポーチ期間の長さは変わらず同じ長さである。
【0049】
また、
図3のタイミングチャートに示すように、フロントポーチ期間の長さの変動に応じて垂直同期信号の開始のタイミングが変動するが、特殊データのMSAは、変動された垂直同期信号の開始のタイミングに同期して送信される。
【0050】
続いて、シリアルパラレル変換回路26により、ソース回路22から受信した受信データが、シリアルデータからパラレルデータに変換され、パラレルデータの受信データが出力される。
【0051】
続いて、MSA抽出回路28により、パラレルデータの受信データから、垂直同期信号の開始のタイミングに同期して、垂直ブランキング期間中に一度だけ送信される特殊データとしてMSAが抽出され、MSAが抽出されたタイミングを表すMSAタイミング信号が出力される。
【0052】
本実施形態の場合、MSAタイミング信号は、
図4のタイミングチャートに示すように、MSAが抽出されたタイミングで一定の期間、ハイレベルとなる。
【0053】
また、ライン先頭抽出回路30により、パラレルデータの受信データから、液晶パネルの各ラインの画像データが送信される期間の先頭を表すライン先頭データが抽出され、ライン先頭データが抽出されたタイミングを表すライン先頭信号が出力される。
【0054】
本実施形態の場合、ライン先頭信号は、
図4のタイミングチャートに示すように、ライン先頭データが抽出されたタイミングで一定の期間、ハイレベルとなる。
【0055】
続いて、出力IF起動信号生成回路36により、MSAタイミング信号に基づいて、受信データから特殊データとしてMSAが抽出されたことを検出した場合に、ラインカウンタ32のカウントを開始させるカウントスタート信号が生成される。
【0056】
本実施形態の場合、カウントスタート信号は、
図4のタイミングチャートに示すように、MSAタイミング信号がハイレベルとなった後に一定の期間、ハイレベルとなる。
【0057】
続いて、ラインカウンタ32により、カウントスタート信号によってカウントの開始が指示された場合に、ライン先頭信号に基づいて、ライン先頭データが抽出された回数がカウントされ、そのカウント値を表すライン番号信号が出力される。
【0058】
続いて、出力IF起動信号生成回路36により、ライン番号信号および起動信号タイミング設定値に基づいて、ラインカウンタ32によってカウントされたカウント値が、タイミング設定レジスタ34に設定されたカウント数に到達したことを検出した場合に、出力IF回路18を起動させる起動信号が生成される。
【0059】
本実施形態の場合、
図4のタイミングチャートに示すように、起動信号タイミング設定値は‘03’であるとする。
この場合、ラインカウンタ32のカウント値は、‘00’、‘01’、‘02’、‘03’の順に順次アップカウントされ、カウント値が起動信号タイミング設定値と同じ‘03’になると、起動信号が出力される。
起動信号は、ラインカウンタ32のカウント値が‘03’となった後にハイレベルとなり、一定の期間の後に、
図4のタイミングチャートでは、次のライン先頭信号がハイレベルとなってローレベルとなるタイミングでローレベルとなる。
起動信号が出力されると、ラインカウンタ32のカウント値は‘00’にリセットされ、ラインカウンタ32は以後同様に動作する。
【0060】
出力IF回路18は、起動信号によって起動される。出力IF回路18が起動されると、ドライバ回路の動作を制御する制御信号を出力する出力IF回路18のバッファ等に電力が供給され、出力IF回路18とドライバ回路との間等で通信を行うために必要な初期化コードの出力等が行われて動作状態となる。
【0061】
続いて、次のフレームの画像表示期間になると、画像データ抽出回路38により、パラレルデータの受信データから、液晶パネルの各ラインの画像データが抽出される。
【0062】
続いて、出力データ構成回路14により、画像データに対して、画像補正、複数のドライバ回路の各々への振り分け、タイミング調整等の処理が行われ、ドライバ回路の動作を制御する出力データが構成される。
【0063】
続いて、パラレルシリアル変換回路16により、基準クロックに同期して、出力データが、パラレルデータからシリアルデータに変換される。
【0064】
そして、出力IF回路18により、シリアルデータの出力データに応じてドライバ回路の動作を制御する制御信号が出力され、ドライバ回路により、制御信号に基づいて、液晶パネルが駆動される。
【0065】
上記のように、タイミングコントローラ10では、受信データから、垂直同期信号の開始のタイミングに同期して、垂直ブランキング期間中に一度だけ送信される特殊データが抽出され、それから一定の期間の後に出力IF回路18が起動される。
【0066】
これにより、タイミングコントローラ10では、特殊データが垂直同期信号の開始のタイミングに同期して送信されるため、ラインバッファを設けることなく、特殊データに基づいて出力IF回路18を確実に起動させることができる。ラインバッファを設ける必要がないため、回路規模および消費電力を削減することができる。
また、垂直ブランキング期間の長さを変動させた場合でも、特殊データが垂直同期信号の開始のタイミングに同期して送信されるため、フロントポーチ期間の長さのみを変動させることにより垂直ブランキング期間の長さを変動させる場合には、特殊データに基づいて出力IF回路18を確実に起動させることができる。
【0067】
なお、制御データ保持回路20として、ディスプレイポートのEDIDが保持される保持回路を利用したが、同様に、ディスプレイポートのDPCD(DisplayPort Configuration Data)が保持される保持回路を利用することもできる。
【0068】
図5は、本発明に係るタイミングコントローラの構成を表す第2の実施形態のブロック図である。同図に示すタイミングコントローラ50は、
図1に示す第1の実施形態のタイミングコントローラ10の制御データ保持回路20の代わりに、制御データ保持回路60を備えるものである。これ以外の構成要素は同じであるから、同一の構成要素には同一の符号を付けて、その詳細な説明を省略する。
【0069】
図5に示す制御データ保持回路60は、制御データとして可変期間データおよび2つのフロントポーチ期間データ1,2を保持するものである。
制御データ保持回路60からは、可変期間データおよび2つのフロントポーチ期間データ1,2が制御データとして出力される。
制御データ保持回路60から出力される可変期間データおよびフロントポーチ期間データ1,2は、入出力IF回路40から出力され、補助チャンネルを介してソース回路22へ送信される。
【0070】
可変期間データは、垂直ブランキング期間の長さ、フロントポーチ期間の長さ、垂直同期信号の長さ、および、バックポーチ期間の長さのうち、フロントポーチ期間の長さが可変で、垂直ブランキング期間の長さも変更されることを表すデータである。フロントポーチ期間データ1,2は、それぞれ異なるフロントポーチ期間の長さを表すデータである。
【0071】
本実施形態の場合、可変期間データおよびフロントポーチ期間データ1,2は、ディスプレイポートのDPCDのSink Device Specific Fieldに保持される。DPCDのSink Device Specific Fieldは、シンク回路12が独自のデータを追加可能な領域である。このように、タイミングコントローラ10の内部に既に配置されているDPCDが保持される保持回路を、制御データ保持回路60として利用することにより、回路規模を削減することができる。
【0072】
次に、タイミングコントローラ50の動作を説明する。
【0073】
まず、ソース回路22により、補助チャンネルを介して、制御データ保持回路60に保持された制御データとして可変期間データおよびフロントポーチ期間データ1,2が受信される。
【0074】
ソース回路22は、制御データ保持回路60から受信した可変期間データに基づいて、垂直ブランキング期間の長さを変動させる場合に、フロントポーチ期間の長さのみが可変であると判断する。
【0075】
また、ソース回路22は、2つのフロントポーチ期間データ1,2に基づいて、垂直ブランキング期間の長さの可変範囲およびフロントポーチ期間の長さの可変範囲を検出する。例えば、フロントポーチ期間の長さの可変範囲を、フロントポーチ期間データ1のフロントポーチ期間の長さから、フロントポーチ期間データ2のフロントポーチ期間の長さまでの範囲とする。垂直ブランキング期間の長さの可変範囲は、フロントポーチ期間の長さの可変範囲に応じて決定される。
【0076】
ソース回路22は、垂直ブランキング期間の長さの可変範囲およびフロントポーチ期間の長さの可変範囲内で垂直ブランキング期間の長さおよびフロントポーチ期間の長さを変動させて、タイミングコントローラ10へ送信する。つまり、ソース回路22は、フロントポーチ期間の長さのみを変動させることによって垂直ブランキング期間の長さを変動させることができる。
【0077】
また、ソース回路22は、垂直ブランキング期間の長さおよびフロントポーチ期間の長さが変動された後の垂直同期信号の開始のタイミングに同期して、特殊データとしてMSAをタイミングコントローラ10へ送信する。
【0078】
これ以後の動作は、タイミングコントローラ10の場合と同様であるから省略するが、タイミングコントローラ50は、タイミングコントローラ10の場合と同様の効果を得ることができる。
【0079】
なお、上記実施形態では、ソース回路22とシンク回路12との間がディスプレイポートで接続される場合の例を挙げて説明したが、本発明は、ディスプレイポートに限定されるものではない。
【0080】
また、シンク回路12、ソース回路22、出力データ構成回路14、パラレルシリアル変換回路16、出力IF回路18、制御データ保持回路20、60、入力IF回路24、シリアルパラレル変換回路26、MSA抽出回路28、ライン先頭抽出回路30、ラインカウンタ32、タイミング設定レジスタ34、出力IF起動信号生成回路36、画像データ抽出回路38、入出力IF回路40等の具体的な回路構成は何ら限定されない。
【0081】
上記実施形態では、制御データ保持回路20、60として既存の保持回路を利用する場合を例に挙げて説明したが、それぞれ専用の制御データ保持回路20,60を設けてもよい。
【0082】
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。