【解決手段】画面表示された地図画像に対してユーザが注視している視点位置にあるコンテンツを特定するコンテンツ特定部7と、コンテンツ検索モードが設定されている間、順次特定されたコンテンツの表示態様を変更する表示態様変更部8とを備え、ユーザが地図画像上のコンテンツを注視すると、その注視したコンテンツの表示態様が変わるようにすることで、画面表示された地図画像上から所望のコンテンツを目視により探す際に、ユーザが既に見たコンテンツとまだ見ていないコンテンツとを容易に識別可能とし、地図画像上の同じコンテンツを何度も繰り返し見てしまう不効率を回避できるようにする。
上記表示態様変更部は、上記コンテンツ検索モードの設定中に上記コンテンツ特定部により特定されるコンテンツの種類に基づいて、ユーザが探しているコンテンツの種類を推定し、当該推定した種類のコンテンツのみを対象として表示態様を変更することを特徴とする請求項1に記載の地図表示装置。
上記コンテンツ検索モードを設定して上記コンテンツ特定部により上記コンテンツが特定される度に、特定されたコンテンツの種類を履歴情報として履歴情報記憶部に記憶させる履歴管理部を更に備え、
上記表示態様変更部は、上記履歴情報記憶部に記憶されている上記履歴情報に基づいて、過去に特定された頻度が高いコンテンツの種類を特定し、当該特定した種類のコンテンツのみを対象として表示態様を変更することを特徴とする請求項1に記載の地図表示装置。
上記コンテンツの種類毎に、地図画像上に表示されるコンテンツの領域、視認の方向性の少なくとも1つに関する配置プロファイル情報を記憶する配置プロファイル記憶部と、
上記視点検出部により検出された上記視点位置に基づいて、地図画像上における視点の位置、視点の動きの少なくとも1つに関する視認プロファイルを取得する視認プロファイル取得部とを更に備え、
上記表示態様変更部は、上記配置プロファイル記憶部に上記コンテンツの種類毎に記憶されている上記配置プロファイルうち、上記視認プロファイル取得部により取得された上記視認プロファイルとの相関が最も高い配置プロファイルを特定し、当該特定した配置プロファイルに関する種類のコンテンツのみを対象として表示態様を変更することを特徴とする請求項1に記載の地図表示装置。
上記モード設定部により上記コンテンツ検索モードが設定された場合、上記コンテンツ検索モードが設定されていないときに比べて、上記コンテンツの表示量を増やすように制御する表示量制御部を更に備えたことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の地図表示装置。
上記モード設定部は、上記視点検出部による上記地図画像上での視点位置の検出が断続的に複数回行われたときに、上記コンテンツ検索モードを自動設定することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の地図表示装置。
【背景技術】
【0002】
一般に、地図データに基づいてナビゲーション装置の画面上に表示される地図画像には、様々なコンテンツが含まれている。例えば、地図画像上に存在するコンテンツとして、道路や施設などを含む地形に関するコンテンツ、地名や施設名などを含むテキストに関するコンテンツ、各種ランドマークや信号機のマークなどを含むアイコンに関するコンテンツ、操作ボタンに関するコンテンツなどがある。
【0003】
ナビゲーション装置のユーザは、その時々の目的に応じて、地図画像上から所望のコンテンツを目視により探すことがある。例えば、所望の施設に行きたい場合、あるいは所望の施設を目印として走行したい場合などに、その施設名が表示されたテキストを探すといったことが行われる。これを運転中に行う場合は、何度も視線を移動させて、車両前方と地図画像とを交互に視認する必要がある。
【0004】
しかしながら、候補となるコンテンツが多い場合、車両前方の安全確認を含む往復視認行為中は、地図画像上で既に視認済みのエリアを記憶するだけの集中力を払えず、何度も同じエリアを繰り返し見てしまうことがある。そのため、繰り返しの視認回数が増え、所望のコンテンツを探すのにかなり手間がかかってしまうという問題があった。
【0005】
なお、表示された地図画像に対するユーザの視点位置を検出し、その視点位置に応じた地図画像を表示するようにした技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1には、具体例として、ユーザの瞳孔が開いたことを検知した場合に、地図上の視点位置を中心として所定の領域を拡大表示することが
記載されている。
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、ユーザが現在見ている位置の地図を拡大して表示させることはできるものの、そこに所望のコンテンツが含まれていなければ、安全確認のために車両前方に視線を移した後、再び地図画像に視線を移動させて所望のコンテンツを探す必要がある。そのとき、同じ位置を繰り返し見てしまう可能性を排除することはできないため、所望のコンテンツを探すのに手間がかかるという問題を解消することはできない。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態による地図表示装置の機能構成例を示すブロック図である。地図表示装置は、例えば、情報処理装置の一例であるナビゲーション装置として実装される。
【0013】
図1に示すように、本実施形態による地図表示装置(ナビゲーション装置)100は、その機能構成として、現在位置検出部1、操作受付部2、地図読出部3、地図表示部4、視点検出部5、モード設定部6、コンテンツ特定部7および表示態様変更部8を備えて構成されている。また、ナビゲーション装置100は、記憶媒体として地図データ記憶部101を備えている。また、ナビゲーション装置100には、ディスプレイ200およびカメラ300が接続されている。
【0014】
上記各機能ブロック1〜8は、ハードウェア、DSP(Digital Signal Processor)、ソフトウェアの何れによっても構成することが可能である。例えばソフトウェアによって構成する場合、上記各機能ブロック1〜8は、実際にはコンピュータのCPU、RAM、ROMなどを備えて構成され、RAMやROM、ハードディスクまたは半導体メモリ等の記録媒体に記憶されたプログラムが動作することによって実現される。
【0015】
地図データ記憶部101は、地図表示に必要な地図データを記憶している。地図データ記憶部101に記憶された地図データは、広い地域を一望するための上位レベルの地図から、狭い地域を詳細に記述した下位レベルの地図まで、レベルと呼ばれる単位に階層化して管理されている。各レベルの地図データは、道路や施設などを含む地形に関するコンテンツ、地名や施設名などを含むテキストに関するコンテンツ、各種ランドマークや信号機のマークなどを含むアイコンに関するコンテンツ、操作ボタンに関するコンテンツなど、各種のコンテンツを含んでいる。
【0016】
地図データは、これらの各コンテンツの種類(地形、テキスト、アイコン、操作ボタン)を識別可能に構成されている。例えば、コンテンツ毎に、その種類を表す情報を付随情報として付加することにより、コンテンツの種類を識別可能にすることが可能である。あるいは、各コンテンツをその種類毎にグルーピングして記憶することにより、コンテンツの種類を識別可能にすることも可能である。
【0017】
現在位置検出部1は、車両の現在位置を検出するものであり、自立航法センサおよびGPS受信機を備えて構成されている。操作受付部2は、ユーザがタッチパネルやリモコン等の操作部(図示せず)を用いてナビゲーション装置100に対して行う各種の操作を受け付ける。例えば、操作受付部2は、表示中の地図をスクロールするための操作を受け付ける。
【0018】
地図読出部3は、地図データ記憶部101に記憶された地図データの読み出しを制御する。具体的には、地図読出部3は、車両の走行中は、現在位置検出部1により検出された車両現在位置の情報を入力し、その車両現在位置を含む所定範囲の地図データを地図データ記憶部101から読み出す。また、地図のスクロール時には、地図読出部3は、操作受付部2を通じて指定されたスクロール先の地点を含む所定範囲の地図データを地図データ記憶部101から読み出す。
【0019】
地図表示部4は、地図読出部3により地図データ記憶部101から読み出された地図データに基づいて、ディスプレイ200に対する地図の表示を制御する。本実施形態では、通常モードとコンテンツ検索モードとを有しており、コンテンツ検索モードが設定されている場合、地図表示部4は、通常とは異なる態様で地図画像を表示させる。なお、コンテンツ検索モードの詳細については後述する。
【0020】
視点検出部5は、カメラ300により撮影されるユーザの顔画像に基づいて、地図表示部4により画面表示された地図画像に対してユーザが注視している視点位置を検出する。なお、ユーザの視点位置を検出する技術自体は、公知の技術を適用することが可能である。
【0021】
本実施形態では、地図画像の中の一部をユーザが意識的に注視したことを検出して、その注視した位置を視点位置として検出する。例えば、視点検出部5は、ユーザが地図画像上の同じ位置を所定時間以上継続して見続けていることを検出した場合に、その位置を視点位置として検出する。
【0022】
モード設定部6は、コンテンツ検索モードを設定する。操作受付部2に対するユーザの操作に応じてコンテンツ検索モードを設定することも可能であるが、本実施形態では、これとは違う方法でコンテンツ検索モードを設定する。すなわち、モード設定部6は、視点検出部5による地図画像上での視点位置の検出が断続的に複数回行われたときに、コンテンツ検索モードを自動設定する。
【0023】
すなわち、ユーザが運転中に地図画上から所望のコンテンツを目視により探そうとする場合、車両前方の安全確認をしながら地図画像を見る必要があるため、ユーザは車両前方と地図画像とを交互に視認する。モード設定部6は、このような車両前方と地図画像との往復視認行為によって、視点検出部5による視点位置の検出が断続的に複数回行われたことを検知したときに、コンテンツ検索モードを自動設定する。
【0024】
なお、コンテンツ検索モードが設定される前の段階での視点位置の検出に関しては、ユーザが地図画像上の同じ位置を継続して見続けているか否かの判断基準として用いる所定時間の長さを、コンテンツ検索モードの設定中より短くするようにしてもよい。
【0025】
モード設定部6は、コンテンツ検索モードの設定の解除(通常モードの設定)も行う。操作受付部2に対するユーザの操作に応じてコンテンツ検索モードを解除することも可能であるが、本実施形態では、これとは違う方法でコンテンツ検索モードを解除する。例えば、モード設定部6は、視点検出部5による地図画像上での視点位置の検出が連続して所定時間以上検出されなくなったときに、コンテンツ検索モードを解除する。
【0026】
コンテンツ特定部7は、コンテンツ検索モードの設定中に、視点検出部5により検出された視点位置にある地図画像上のコンテンツを特定する。すなわち、コンテンツ特定部7は、視点検出部5により検出された視点位置にある道路や施設などの地形、地名や施設名などのテキスト、アイコン、操作ボタンといったコンテンツを特定する。また、コンテンツ特定部7は、視点位置にあるコンテンツの存在領域も特定する。
【0027】
例えば、道路の場合は細長い帯形状、施設の場合は閉空間、地名や施設名などの場合はテキスト、アイコンの場合は小領域のグラフィック、操作ボタンの場合は比較的大きめのグラフィックといったように、各コンテンツはそれぞれの存在領域を特定可能な状態で、地図データの構成要素として記憶されている。よって、コンテンツ特定部7は、視点検出部5により検出された視点位置にあるコンテンツの存在領域を特定することが可能である。
【0028】
表示態様変更部8は、モード設定部6によりコンテンツ検索モードが設定されている間、コンテンツ特定部7により順次特定されたコンテンツの表示態様を変更するように地図表示部4を制御する。例えば、表示態様変更部8は、コンテンツ特定部7により特定されたコンテンツの存在領域を、他よりもコントラストを下げて表示させるようにする。あるいは、特定されたコンテンツの存在領域をハイライト表示させるようにしてよいし、特定されたコンテンツの存在領域上にマスクをかけて表示させるようにしてもよい。要は、特定されたコンテンツを他と識別可能に表示すればよい。
【0029】
ここで、コンテンツ特定部7により地図画像上から複数のコンテンツが順次特定された場合、表示態様変更部8は、それら複数のコンテンツの表示態様を順次変更する。すなわち、コンテンツ特定部7によりコンテンツが特定される都度、表示態様変更部8はそのコンテンツの表示態様を変更する。表示態様を変更したコンテンツに関しては、コンテンツ検索モードが設定されている間は、変更後の表示態様を維持する。
図2は、地図画像上で特定された複数のコンテンツの表示態様が変更された状態を示している。
【0030】
ところで、コンテンツ特定部7により特定される複数のコンテンツ(すなわち、ユーザが注視したコンテンツ)の中には、種類の異なるものが含まれている可能性がある。この場合、表示態様変更部8は、コンテンツの種類によらず、コンテンツ特定部7により特定されたコンテンツは全て表示態様を変えるようにする。このようにすれば、ユーザが一度目視したコンテンツは全て、表示態様を変えて識別可能な状態とすることができる。
【0031】
これに対して、表示態様変更部8は、特定の種類のコンテンツのみを対象として表示態様を変えるようにしてもよい。例えば、表示態様変更部8は、コンテンツ検索モードの設定中にコンテンツ特定部7により特定されるコンテンツの種類に基づいて、ユーザが探しているコンテンツの種類を推定し、当該推定した種類のコンテンツのみを対象として表示態様を変更する。
【0032】
具体的には、表示態様変更部8は、モード設定部6によりコンテンツ検索モードが設定された後、コンテンツ特定部7により最初に特定されたコンテンツの種類を、ユーザが探しているコンテンツの種類として推定し、当該種類のコンテンツのみ表示態様を変更するようにする。すなわち、コンテンツ特定部7により最初にコンテンツが特定された場合、表示態様変更部8は、その種類によらず表示態様を変更する。それ以降、表示態様変更部8は、コンテンツ特定部7により特定されるコンテンツのうち、最初に特定されたコンテンツの種類と同じ種類のコンテンツのみを対象として表示態様を変えるようにする。
【0033】
別の例として、表示態様変更部8は、モード設定部6によりコンテンツ検索モードが設定された後、コンテンツ特定部7により特定された所定数のコンテンツの種類に関する相関度を計算し、相関度が最も大きい種類を、ユーザが探しているコンテンツの種類として推定するようにしてもよい。相関度は、コンテンツ検索モードの設定後に特定される所定数のコンテンツのうち、同じ種類のものの数が多いほど値が大きくなるように計算する。また、相関度は、同じ種類のコンテンツが連続して特定されるほど値が大きくなるように計算する。
【0034】
以上のように計算された相関度に基づいて、ユーザが探しているコンテンツの種類を推定した後、表示態様変更部8は、上記所定数のコンテンツのうち、推定した種類のコンテンツのみを対象として表示態様を変更する。それ以降、表示態様変更部8は、コンテンツ特定部7により特定されるコンテンツのうち、以上のように推定した種類と同じ種類のコンテンツのみを対象として表示態様を変えるようにする。
【0035】
図3は、上記のように構成した本実施形態による地図表示装置の動作例を示すフローチャートである。なお、
図3に示すフローチャートは、地図表示装置の電源がオンとされ、ディスプレイ200に地図画像が表示されたときに開始する。
【0036】
まず、モード設定部6は、視点検出部5による地図画像上での視点位置の検出が断続的に複数回行われたか否かを判定する(ステップS1)。ここで、視点位置の検出が断続的に複数回行われた場合、モード設定部6は、コンテンツ検索モードを設定する(ステップS2)。
【0037】
コンテンツ検索モードの設定後、視点検出部5は、地図表示部4により画面表示された地図画像に対してユーザが注視している視点位置を検出する(ステップS3)。そして、コンテンツ特定部7は、視点検出部5により検出された視点位置にある地図画像上のコンテンツを特定する(ステップS4)。
【0038】
次に、表示態様変更部8は、ステップS2でコンテンツ検索モードが設定された後にコンテンツ特定部7により特定されたコンテンツが所定数となったか否かを判定する(ステップS5)。まだ所定数に満たない場合、処理はステップS3に戻る。
【0039】
一方、特定されたコンテンツが所定数となった場合、表示態様変更部8は、当該所定数のコンテンツの種類に関する相関度を計算し、相関度が最も大きい種類を、ユーザが探しているコンテンツの種類として推定する(ステップS6)。そして、表示態様変更部8は、コンテンツ検索モードの設定後にステップS3〜S5のループ処理によって特定された所定数のコンテンツのうち、推定した種類のコンテンツの表示態様を変更する(ステップS7)。
【0040】
その後、視点検出部5は、地図画像に対してユーザが注視している新たな視点位置が検出されたか否かを判定する(ステップS8)。新たな視点位置が検出されていない場合、処理はステップS11に進む。一方、新たな視点位置が検出された場合、コンテンツ特定部7は、当該検出された新たな視点位置にある地図画像上のコンテンツを特定する(ステップS9)。
【0041】
次に、表示態様変更部8は、ステップS9で新たに特定されたコンテンツの種類が、ステップS6でユーザが探しているものとして推定されたコンテンツの種類と同じか否かを判定する(ステップS10)。ここで、推定されたコンテンツの種類と同じであると判定された場合、処理はステップS7に戻り、表示態様変更部8はそのコンテンツの表示態様を変更する。
【0042】
一方、新たに特定されたコンテンツの種類が、推定されたコンテンツの種類と同じではないと判定された場合、モード設定部6は、視点検出部5により前回視点位置が検出されたときから所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS11)。所定時間がまだ経過していない場合、処理はステップS8に戻り、ユーザが注視している新たな視点位置を視点検出部5により再度検出する。
【0043】
一方、所定時間が経過した場合、すなわち、地図画像上での視点位置が連続して所定時間以上検出されなくなった場合、モード設定部6は、コンテンツ検索モードを解除して通常モードを設定する(ステップS12)。このとき表示態様変更部8は、それまで表示態様を変更していたコンテンツについて、表示態様を元の状態に戻す。これにより、
図3に示すフローチャートの処理は終了する。
【0044】
以上詳しく説明したように、本実施形態では、画面表示された地図画像に対してユーザが注視している視点位置にあるコンテンツを特定し、コンテンツ検索モードが設定されている間、順次特定されたコンテンツの表示態様を変更するようにしている。
【0045】
このように構成した本実施形態によれば、コンテンツ検索モードの設定中にユーザが地図画像上のコンテンツを注視すると、その注視したコンテンツの表示態様が変更される。ユーザが複数のコンテンツを順次注視すれば、注視された複数のコンテンツの表示態様が順次変更され、コンテンツ検索モードが設定されている間はその表示態様が維持される。
【0046】
そのため、画面表示された地図画像上から所望のコンテンツを目視により探す際に、ユーザが既に見たコンテンツとまだ見ていないコンテンツとを容易に識別可能となり、地図画像上の同じコンテンツを何度も繰り返し見てしまう不効率を回避することができる。つまり、表示態様が変更された視認済みエリアを避けて所望のコンテンツを探すことができる。これにより、所望のコンテンツを探す際のユーザの手間を低減することができる。
【0047】
また、本実施形態では、コンテンツ特定部7により特定されたコンテンツの存在領域のみ表示態様を変更するようにしているので、それ以外の領域は通常の表示状態のまま残しておくことができる。これに対し、特定されたコンテンツの位置に、比較的大きい所定サイズの領域を視認済みエリアとして表示してしまうと、ユーザが探している所望のコンテンツがその視認済みエリアの表示で隠されてしまい、所望のコンテンツを見つけることができなくなってしまうことがある。本実施形態によれば、このような不都合は生じないようにすることができる。
【0048】
なお、上記実施形態では、コンテンツ検索モードの設定中にコンテンツ特定部7により特定されるコンテンツの種類に基づいて、ユーザが探しているコンテンツの種類を推定する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、
図4のように構成してもよい。
図4に示す構成例において、ナビゲーション装置100は、機能構成として履歴管理部9を更に備え、記憶媒体として履歴情報記憶部102を更に備えている。また、表示態様変更部8に代えて表示態様変更部8’を備えている。
【0049】
履歴管理部9は、コンテンツ検索モードを設定してコンテンツ特定部7によりコンテンツが特定される度に、特定されたコンテンツの種類を履歴情報として履歴情報記憶部102に記憶させる。すなわち、履歴管理部9は、コンテンツ検索モードが設定されてから解除されるまでの間にコンテンツ特定部7により特定されたコンテンツの種類を、1回分の履歴情報として履歴情報記憶部102に記憶させる。そして、履歴管理部9は、コンテンツ検索モードが設定されてコンテンツの特定が行われる都度、複数回分の履歴情報を履歴情報記憶部102に記憶させて蓄積していく。
【0050】
表示態様変更部8’は、履歴情報記憶部102に記憶されている履歴情報に基づいて、過去に特定された頻度が最も高いコンテンツの種類を特定する。なお、頻度が最も高い方から順に所定数の種類を特定してもよい。そして、コンテンツ特定部7により特定される複数のコンテンツのうち、上記のように特定した種類のコンテンツのみを対象として表示態様を変更するようにする。これにより、例えばアイコンを探す傾向が強いユーザに関してはアイコンのみを対象として、テキストを探す傾向が強いユーザに関してはテキストのみを対象として、注視したコンテンツの表示態様を変更するようにすることができる。
【0051】
なお、ここでは、コンテンツの特定履歴に基づいてユーザのコンテンツ検索傾向を推定し、その検索傾向に基づいて、表示態様の変更対象とするコンテンツの種類を特定するようにしたが、本発明はこれに限定されない。例えば、ナビゲーション装置100に対するユーザの操作内容を履歴として記憶しておき、その操作内容の履歴に基づいて、表示態様の変更対象とするコンテンツの種類を特定するようにしてもよい。例えば、11時から13時の時間帯に飲食店を検索した操作の履歴が所定数以上記憶されている場合に、同じ時間帯では飲食店のアイコンあるいはテキストのみを対象として表示態様を変更するといった具合である。
【0052】
また、ユーザが探しているコンテンツの種類を推定する別の例として、
図5のように構成してもよい。
図5に示す構成例において、ナビゲーション装置100は、機能構成として視認プロファイル取得部10を更に備え、記憶媒体として配置プロファイル記憶部103を更に備えている。また、表示態様変更部8に代えて表示態様変更部8”を備えている。
【0053】
配置プロファイル記憶部103は、コンテンツの種類毎に、地図画像上に表示されるコンテンツの領域、視認の方向性の少なくとも1つに関する配置プロファイル情報を記憶する。ここで、地図画像上に表示されるコンテンツの「領域」とは、地形、テキスト、アイコン、操作ボタンの各コンテンツが、それぞれ地図画像上のどのような領域に表示されるのかを表した情報である。例えば、道路は地図画像上のあらゆる領域に表示され、施設やアイコンは道路に沿った領域に表示され、操作ボタンは地図画像の右側とか下側などに並べて表示されるといった情報である。
【0054】
また、地図画像上に表示されるコンテンツの「視認の方向性」とは、ユーザがそのコンテンツを通常どのような方向に沿って視認するかを表した情報である。例えば、テキストであれば左から右に向かって視認し、施設やアイコン、操作ボタンであれば1点を集中して視認し、道路であれば視認の方向性は定まらないといった情報である。
【0055】
視認プロファイル取得部10は、視点検出部5により検出された視点位置に基づいて、地図画像上における視点の位置、視点の動きの少なくとも1つに関する視認プロファイルを取得する。ここで、視認プロファイルとは、視点検出部5により実際に検出されたユーザの視点位置に基づいて、地図画像上のどの領域を、どのような方向に沿って視認したかを表した情報である。
【0056】
コンテンツ特定部8”は、配置プロファイル記憶部103にコンテンツの種類毎に記憶されている配置プロファイルのうち、視認プロファイル取得部10により取得された視認プロファイルとの相関が最も高い配置プロファイルを特定し、当該特定した配置プロファイルに関する種類のコンテンツのみを対象として表示態様を変更する。このようにすれば、ユーザによる実際の視認のし方に応じて、ユーザが探しているコンテンツの種類を推定することができる。
【0057】
また、上記実施形態において、モード設定部6によりコンテンツ検索モードが設定された場合、コンテンツ検索モードが設定されていない通常モード時と比べて、コンテンツの表示量を増やすようにしてもよい。
図6は、その場合の機能構成例を示す図である。
図6に示すように、地図表示部4は、上述のようにコンテンツの表示量を制御する表示量制御部40を更に備える。
【0058】
表示量制御部40は、例えば、地図読出部3を制御して、通常モード時に設定されていた表示縮尺よりも大きい表示縮尺に対応したレベルの地図データを地図データ記憶部101から読み出して、その地図データに含まれているコンテンツを、通常モード時の表示縮尺に対応したレベルの地図データに含まれているコンテンツに加えて表示するようにする。このとき、地形、テキスト、アイコンの全ての種類のコンテンツを加えて表示するようにしてもよいし、特定の種類のコンテンツのみを加えて表示するようにしてもよい。
【0059】
本実施形態によれば、ユーザが一度注視したコンテンツは表示態様が変更されて識別が容易となるので、通常よりも多いコンテンツを表示させても、所望のコンテンツを効率よく探すことができる。むしろ、通常モード時の表示縮尺では表示されないコンテンツも同時に表示された状態で所望のコンテンツを探すことができるので、表示縮尺を変えなくても所望のコンテンツを見つけられる可能性が高くなり、検索の効率を上げることができる。
【0060】
なお、コンテンツの表示量を増やした場合、同じまたは近い場所に複数のコンテンツが表示される状況が生じ得る。この場合、まずは複数のコンテンツのうち任意の1つを表示させ、そのコンテンツが注視されてコンテンツ特定部7により特定された場合、そのコンテンツの表示を消去して、次のコンテンツを表示させるようにしてもよい。そして、同じまたは近い場所にある複数のコンテンツのうち、最後のコンテンツがコンテンツ特定部7により特定された場合に、そのコンテンツの表示態様を変えるようにしてもよい。
【0061】
また、上記実施形態では、地図表示装置がナビゲーション装置100として実装される例について説明したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、ナビゲーション装置100以外の情報処理装置に地図表示装置が実装される場合にも適用することが可能である。
【0062】
その他、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。