特開2017-123809(P2017-123809A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2017-123809台風の発生と勢力及エルニーニョ現象発生を抑止する海面水温低下装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-123809(P2017-123809A)
(43)【公開日】2017年7月20日
(54)【発明の名称】台風の発生と勢力及エルニーニョ現象発生を抑止する海面水温低下装置
(51)【国際特許分類】
   A01G 15/00 20060101AFI20170623BHJP
   B63B 35/44 20060101ALI20170623BHJP
   B63B 35/00 20060101ALI20170623BHJP
   E02B 1/00 20060101ALI20170623BHJP
   F04D 29/24 20060101ALI20170623BHJP
   F04D 13/08 20060101ALI20170623BHJP
【FI】
   A01G15/00
   B63B35/44 N
   B63B35/00 Z
   B63B35/00 T
   E02B1/00 Z
   F04D29/24 D
   F04D13/08 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2016-4944(P2016-4944)
(22)【出願日】2016年1月14日
(71)【出願人】
【識別番号】513276307
【氏名又は名称】有限会社フソウ精工
(72)【発明者】
【氏名】石川雅晴
(72)【発明者】
【氏名】松坂 孝
【テーマコード(参考)】
3H130
【Fターム(参考)】
3H130AA03
3H130AA23
3H130AB07
3H130AB13
3H130AB23
3H130AB43
3H130AB46
3H130AC28
3H130BA32A
3H130BA66A
3H130BA68A
3H130CA02
3H130CA07
3H130DD01X
3H130DF01Z
3H130DF09X
3H130DJ04Z
3H130DJ06Z
3H130EB03A
3H130ED05A
3H130ED05G
(57)【要約】
【課題】 本発明は熱帯低気圧の発生及発達の抑止並びに、エルニーニョ現象の抑止を主目的とすると共に、省資源及地球環境向上の一助とする。
【解決手段】 海面下の水圧を利用した汲み上げ効率のよい手段で、海面下の低水温海水を汲み上げ海面温度を下げる。赤道附近の海洋上に浮ぶ本艇の位置的な優位性を利用し、太陽光発電を行い又、熱帯低気圧下の海面下の波動及通常時の海流を利用した波動発電を行うと共に光合成植物又は微生物の培養を行う。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電器及び内燃機関による発電の電力で、ポンプに直結したモーターを回転させ、海面下100〜500mの水圧を利用した低温海水を汲み上げ、海面下2m程度の海面附近へ効率の高い方法で放散させることを特徴とする海面下水温低下装置。
【請求項2】
海面下水圧利用形汲み上げ艇を人工衛星の位置情報を捕獲し、かつ自航し、正確に目標位置へ移動を可能とする機構を搭載したことを特徴とする請求項1に記載の海面水温低下装置。
【請求項3】
太陽光発電及び海面下の波動及び海流による波動発電電力を蓄電し、光合成植物又は微生物培養装置を搭載したことを特徴とする請求項1又は2に記載の海面水温低下装置。
【請求項4】
ポンプは、動力による回転力へ筺体のない回転羽根の先端から直接解放環境中へ放出される海水の噴出を反力が、補助的な回転力として加わることを特徴とする請求項1から3記載の海面水温低下装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海水面下100〜500mの低温水を汲み上げ、海面下2m程度の位置へ広範囲に渡り放散させ海面温度を低下させる装置に関する。
【背景技術】
【0002】
地球赤道付近の高温の海流及地球温暖化は大陸東側に発生する熱帯低気圧である台風・サイクロンハリケーン並びに大陸西側に発生するエルニーニョ現象に影響を及ぼし、その結果生ずる異常気象による自然災害は無限の損失を生ずる。
【0003】
先行技術文献である特開2006−254903海面の水温低下装置は、熱帯低気圧の発生予想場所又は、発生後の移動に退役後の潜水艦の利用等によるとされている。災害の発生防止には一刻の猶予も考えられなく、実現性期間の観点から適当でなく、附属構築物が海中移動の抵抗となる。又、水深部での圧力効果がポンプ内の流体損失と海水を押上げる動力損失がある。並びに放水の深さ位置の複雑な制御に相当な費用を要し、海面温度を低下させるための効果的な放水範囲となりにくい。
特開平3−180609 台風防止装置は、海面の広範囲に影響を及ぼす事が不可能で、装置の回収費用が過大であり実現性が難しい。
特開平11−71735 海水の温暖化防止装置は、移動性が困難で水深の変化に対応できなく使用条件に制限があり、低温海水を海面へ供給が不可能である。
米国特許第8685254号 水変更構造アプリケーションと方法は、海面上の温水を海面下の海面温度の影響の及ばない深さまで送り込む方式であるため、動力損がある。さらに送り込んで排除された場所の海水環境へ広大な周囲からの高温海水がほぼ無制限に移動拡散混合が及ぶため送り込みにて移動した高温海水に置換された周囲のやや低温海水が存在した場合でも低海水温に到る状態への追従はできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−254903号公報 海面の水温低下装置
【特許文献2】特開平3−180609号公報 台風防止装置
【特許文献3】特開平11−71735号公報 海水の温暖化防止方法
【特許文献4】米国特許第8685254号公報 水変更構造アプリケーションと方法
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、広範囲の自然現象による災害を海水面の温度を低下させる事により発生又は抑止する。又、本装置の経済効果を発揮させるため、波動発電及び太陽光発電、CO2削減対策装置を付加させる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
諸条件の環境中でも機能を維持可能とするため、この機構は気象観測用ブイに類する機構とし、熱帯低気圧下の海面下での激しい海流を利用した、波動発電及び通常気象時の海流による波動発電並びに太陽光発電等による電源を蓄電池に充電し、機構運転の補助とする。
【0007】
海面下100〜500m程度の低水温の海水を汲み上げることにより、当海面下の水圧を利用できることは、効率的でありこの機構の可能性を容易にするものである。
【0008】
通常気象条件下においては地球環境向上有効な手段として、機構部周辺において光合成植物と微生物の培養装置を附属させ、本機構実現のための補助とする。
【0009】
国境及び経済水域を異とする地域での運行・運転に関しては、国際条約等の締結と円滑な海上交通への対策を要する。
【0010】
地球環境低下をもたらさない生態系への影響を研究と調査を要する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、海面近くの海中にポンプを設置することにより、当機構では海面下100〜500mの吸込口から汲み上げが可能となり、しかも、海面下100〜500mの低水温海水を確保し、海水面の温度を低下させることが出来る。
更に海面下100〜500m程度の低水温と水圧を利用するので、投入エネルギーの節約が可能となる。
【0012】
また、海面の温度を下げることにより、熱帯低気圧の発生又は発達及びエルニーニョ現象の発生等の抑制することが可能である。
【0013】
通常気象条件下には、太陽光発電による蓄電余剰分の外部への移動及び海流による波動発電並びに周辺で光合成植物及微生物の培養等により、地球環境向上に寄与させることも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の全体図
図2】本装置専用ポンプ
図3】対象現象に対する本艇の配置図
【発明を実施するための形態】
【0015】
海面下の海水を汲み上げる主なる動力は、図1−10に示す内燃機関による発電機からの電源で、図1−9に示す制御器により制御された図2−18に示す交流又は直流電動機とする。
【0016】
海面下の海水を汲み上げ海面温度を下げる方法として、海面上に放出すると蒸発熱が大気中に交換され、熱帯低気圧の発達を助長させる結果となるので、海面下2m程度へ効率的な図1−7に示すポンプを使用し放出する。
海面下の海水を汲み上げ放出する図2−17・18・19・20に示すポンプは、電動機による回転から遠心力へ更に噴射に至る構造とする。海中に噴射するので、海水との反発力により動力の効率が向上する。
【0017】
対象とする熱帯低気圧の移動に伴い、図1−12・13、図1−16に示す人工衛星の誘導による自走航行を可能なる機能を有すること。
【0018】
本機構単体の熱交換能力と熱帯低気圧の勢力規模による必要温度低下能力等を計測する必要がある。
【実施例】
【0019】
図1−1〜図1−17は、本発明の海面下水圧利用形低水温海水汲上装置の全構成を示す。
本装置は、海面下100〜500mの吸入口からその位置に相当する水圧を利用した圧力により汲み上げるので、その動力源が吸入口が水面下の環境にない場合より有利に使用でき、海面下100〜500mの低水温を本目的に供することが可能となる。各機能は、図1−1〜17に示すとおりである。
【0020】
図1−1〜図1−5は、本考案の汲み上げ装置部1の吸入口は海面下100〜500mの位置に設置し、未使用時の移動には水中抵抗としないため、伸縮可能な図1−4に示すジャバラ形のホースとし、吸入口の浮力による浮上を防止する目的で図1−3に示すウェイトを取付ける。ホースを収納する目的で、図1−5に示す巻取装置を取付ける。
【0021】
図1−6〜図1−8は、本装置のポンプ運転の構成とポンプの配置を示す。海水のゴミ除去のため、図1−6に示すフィルターを設置する。図1−7に示す汲み上げ用ポンプと、図1−8に示す拡散放射形ポンプを使用し、始動時及運転中の効率を高める。拡散放射は熱帯低気圧の発達と成長を助長する蒸発熱の生成を防止するため、海面下2m程度とする。
【0022】
図1−9〜図1−11は、本装置の運転のため図1−9に示すポンプ運転制御装置を示す。
本装置運転用電源として図1−9に示す燃料電池又は、内燃機関発電装置を示す。本装置運転用の電源補助のため、太陽光発電用の電池として図1−11に示す蓄電池を設置し、余剰電源となった場合は外部への移送も考えられる。
【0023】
図1−12〜図1−14は、本装置全体を装着したブイ形式の本艇を、目的位置に移動する補助装置を示す。
人工衛星からの位置制御情報を受ける目的で、図1−12に示すアンテナを設置する。
移動は動力による図1−13に示すスクリューにて指示位置へ自走する。目的達成の為の運転以外に移動する場合は、航行抵抗を減下させる為に図1−4に示す汲み上げホース及び図1−14に示すバランス脚は収納する。
【0024】
図1−15〜図1−17は、本艇の補助目的のための装置を示す。 補助電源発電のため、図1−15に示すソーラーパネルを設置する。熱帯低気圧発生時に、海面下の波動及び通常時の海流による波動を捕捉するため、図1−16に示す波動発電機構を設置し、本艇を移動する場合は逆送電を行い、推進力に使用する。通常時には、図1−17に示す光合成植物又は微生物を培養し、CO2削減効果を目的とする設備を取付ける。
【0025】
図2−18〜図2−20は、本装置専用に考案したポンプである。図2−18に示すモーターは、交流又は直流変速モーターである。図2−19に示すポンプは筐体がなく、図2−20に示す回転羽根は水中回転抵抗をなくすため図2−21に示すカバーに覆われている。羽根の先端方向は回転軸に対して、回転方向の逆方向である。
【0026】
図3−22〜図3−24は、図3−22に示す熱帯低気圧の発生予測位置又は、発生後の位置及び図3−23に示す熱帯低気圧の進行方向及び、図3-24に示す南米大陸西側の赤道反流の高温海流に対する本装置を装着した、ブイ形式の本艇の配置を表したもので、各位置には50〜500捜の配置が考えられる。
本艇の製作費用又は早期に実行しようとする緊急性から、各装備を必要最小限に縮小することも考えられる。
【符号の説明】
【0027】
1 汲み上げ装置部ユニット
2 汲み上げ装置部吸込口
3 浮上防止ウェイト
4 伸縮可能なジャバラ形ホース
5 ホース巻取装置
6 海水のゴミ除去フィルター
7 汲み上げ用ポンプ
8 拡散放射形ポンプ
9 ポンプ運転制御装置
10 燃料電池又は内燃機関発電装置
11 蓄電池
12 衛星電波受信用アンテナ
13 航行用スクリュー
14 バランス脚
15 ソーラーパネル
16 波動発電用機構
17 光合成植物又は微生物培養装置
18 拡散放射形ポンプ用モーター
19 本装置用特別設計ポンプ
20 ポンプ回転羽根
21 ポンプ回転羽根カバー
22 熱帯低気圧発生予測位置又は発生位置への本艇の設定場所
23 熱帯低気圧進行方向に対する本艇の設定場所
24 エルニーニョ現象発生予測位置に対する本艇の設定場所
図1
図2
図3