【解決手段】ショーケース本体2の開口部4に開閉可能な扉5を有するクローズドタイプの冷蔵ショーケース1において、ショーケース本体2内を下部陳列室6と上部陳列室7とに区画する区画体8を有し、区画体8は、下部陳列室6と上部陳列室7とを連通する上下連通口28と、上下連通口28を開放する開放位置と上下連通口28を閉止する閉止位置とに移動可能な第1仕切体24と、ダクト14に連通される下部連通口21と上部連通口22とを閉止するとともにダクト14を開放する第1位置と、下部連通口21と上部連通口22とを開放するとともにこれらの下部連通口21と上部連通口22との間でダクト14内を下側部分と上側部分とに閉止する第2位置とに移動可能な第2仕切体25と、を有する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の一実施形態の冷蔵ショーケースについて、図面に基づいて説明する。まず、本発明の特徴であるパンチング穴を設ける前のショーケースの構成について、
図1ないし
図5に基づいて説明する。
図1に示すように冷蔵ショーケース1は、断熱壁により形成されたショーケース本体2と、ショーケース本体2の下側に設置された機械室3とを有している。断熱壁は、発泡ウレタン等の断熱材を金属板で挟むことにより形成されている。
【0013】
ショーケース本体2の前面には開口部4が形成され、この開口部4にはスライド式のガラス製の扉5が開閉可能に取り付けられている。扉5は上下二段に設けられ、上段の扉5は後述する上部陳列室内の商品を取り出す場合に開閉され、下段の扉5は後述する下部陳列室内の商品を取り出す場合に開閉される。
【0014】
ショーケース本体2の内部には、このショーケース本体2内を下部陳列室6と上部陳列室7との二つの領域に区画する区画体8が設けられている。下部陳列室6内と上部陳列室7内とには、商品が陳列される陳列棚9と敷板10とがそれぞれ設けられている。下部陳列室6内の上部には下部陳列室6内の温度を測定する温度センサ11が設けられ、上部陳列室7内の上部には上部陳列室7内の温度を測定する温度センサ12が設けられている。
【0015】
また、ショーケース本体2の内部には、ショーケース本体2の内周面に対向させて背面板13が設けられ、この背面板13とショーケース本体2の内周面との間にダクト14が形成されている。ダクト14の一端には下部陳列室6の底部に開口する下部開口15が形成され、ダクト14の他端には上部陳列室7の上部に開口する上部開口16が形成されている。
【0016】
ダクト14内には、区画体8より下側に位置し、ダクト14内の空気を冷却する冷却器17が設置されている。冷却器17には、この冷却器17とともに冷凍装置を構成する圧縮機(図示せず)や凝縮器(図示せず)が接続されており、これらの圧縮機や凝縮器等は機械室3内に設置されている。
【0017】
また、ダクト14内には、下部送風ファン18と上部送風ファン19とが設置されている。下部送風ファン18は、区画体8より下側に位置して設置され、駆動されることにより下部陳列室6内の空気を下部開口15からダクト14内に吸い込む。上部送風ファン19は、区画体8より上側に位置して設置され、駆動されることによりダクト14内の空気を上部開口16から上部陳列室7内に吹き出させる。
【0018】
さらに、ダクト14内の上部開口16の近傍には、ヒータ20が設けられている。このヒータ20は通電されることにより発熱し、上部開口16から上部陳列室7内に吹き出す空気が加温される。
【0019】
ダクト14における区画体8の近傍位置には、ダクト14と下部陳列室6とを連通する下部連通口21と、ダクト14と上部陳列室7とを連通する上部連通口22とが形成されている。これらの下部連通口21と上部連通口22とは、区画体8を構成する後述する第2仕切体が操作されることにより開閉される。
【0020】
上述した区画体8の構造を、
図1と
図2とに基づいて説明する。区画体8は、連通口形成体23と、第1仕切体24と、第2仕切体25と、中間吹き出しダクト形成板26、27とを備えている。
【0021】
連通口形成体23は、開口部4側に位置してショーケース本体2に固定され、ショーケース本体2の横幅方向に延出する長尺状に形成されている。連通口形成体23には、下部陳列室6と上部陳列室7とを連通する複数の上下連通口28がショーケース本体2の横幅方向に沿って形成されている。連通口形成体23の下面には、発泡ウレタン等の断熱材29が貼り付けられている。
【0022】
第1仕切体24は、連通口形成体23の下側に配置され、ショーケース本体2の横幅方向に延出する長尺状に形成され、ショーケース本体2の前後方向に移動可能に設けられている。第1仕切体24には、ショーケース本体2の横幅方向に沿って複数の開口30が形成されている。第1仕切体24を前方に移動させ、開口30が上下連通口28と上下方向で対向する開放位置に第1仕切体24を位置させることにより、上下連通口28が開放される。また、第1仕切体24を後方に移動させ、第1仕切体24における開口30が形成されていない部分が上下連通口28と上下方向で対向する閉止位置に第1仕切体24を位置させることにより、上下連通口28が閉止される。第2仕切体24の下面には、断熱材31が貼り付けられている。
【0023】
第2仕切体25は、水平部25aと垂直部25bとを有する断面形状がT字形であってショーケース本体2の横幅方向に延出する長尺状に形成され、ショーケース本体2の前後方向に移動可能に設けられている。この第2仕切体25を前方に移動させて第1位置に位置させることにより、下部連通口21と上部連通口22とが垂直部25bにより閉止されるとともに、水平部25aがダクト14外に移動することによりダクト14が開放される。また、第2仕切体を後方に移動させて第2位置に位置させることにより、下部連通口21と上部連通口22とが開放されるとともに、水平部25aがダクト14内に移動することによりダクト14が閉止される。水平部25aの下面には、断熱材32が貼り付けられている。
【0024】
第1仕切体24と第2仕切体25とは、一対の連結部材33により連結されて一体に移動可能に設けられている。そして、第1仕切体24が開放位置に位置する場合に第2仕切体25が第1位置に位置し、第1仕切体24が閉止位置に位置する場合に第2仕切体25が第2位置に位置する。連結部材33には、第1・第2仕切体24、25を前後方向に移動させる場合に把持する操作レバー34が取り付けられている。第1・第2仕切体24、25を前後方向に移動させた場合、第1・第2仕切体24、25は前後方向のそれぞれの停止位置で図示しない磁石により吸着され、停止位置で保持される。
【0025】
中間吹き出しダクト形成板26、27は、上下方向で対向して設けられ、図示しないブラケットを介してショーケース本体2に固定されている。中間吹き出しダクト形成板26、27の間には中間吹き出しダクト35が形成され、この中間吹き出しダクト35は一端が下部連通口21に連通し、他端が下部陳列室6内の上部側におけるショーケース本体2の前面側に開口している。上側の中間吹き出しダクト形成板26の下面には、断熱材36が貼り付けられている。中間吹き出しダクト形成板26、27には、操作レバー34が貫通するスリット37、38が形成されている。
【0026】
連通口形成体23と中間吹き出しダクト形成板26の先端側とには、防露ヒータ39が設けられ、これらの防露ヒータ39は通電されることにより発熱する。ショーケース本体2の内周面における第2仕切体25の垂直部25bに対向する部分には、スイッチである近接スイッチ40が設けられている。この近接スイッチ40は、第2仕切体25が第2位置に移動して近接スイッチ40に近接した場合にオンとなり、第2仕切体25が第1位置に移動して近接スイッチ40から離反した場合にオフとなる。近接スイッチ40がオンとなることにより防露ヒータ39に対して通電され、近接スイッチ40がオフになることにより防露ヒータ39に対する通電が停止される。この防露ヒータ39は、下部陳列室6内を5℃に冷蔵制御するとともに上部陳列室7内を20℃に冷蔵制御する場合において、後述するように結露が発生し易い領域である下部陳列室6内の上部前面側コーナー部を加温し、結露の発生を防止する。
【0027】
図3は、操作レバー34を操作することにより第1・第2仕切体24、25が前方に移動し、第1仕切体24が開放位置に位置するとともに第2仕切体25が第1位置に位置する状態を示している。この場合、上下連通口28と第1仕切体25の開口30とが上下方向で対向することにより上下連通口28が開放され、下部連通口21と上部連通口22とは第2仕切体25の垂直部25bにより閉止され、第2仕切体25の水平部25aがダクト14外に位置することによりダクト14が開放されている。
【0028】
図4は、操作レバー34を操作することにより第1・第2仕切体24、25が後方に移動し、第1仕切体24が閉止位置に位置するとともに第2仕切体25が第2位置に位置する状態を示している。この場合、上下連通口28と第1仕切体24における開口30が形成されていない部分が上下方向で対向することにより上下連通口28が閉止され、下部連通口21と上部連通口22とが開放され、ダクト14内に第2仕切体25の水平部25aが位置することによりダクト14が水平部25aにより閉止されている。また、第2仕切体25の垂直部25bが近接スイッチ40に近接し、近接スイッチ40がオンになり、防露ヒータ39に対して通電が行われている。
【0029】
図5は、下部陳列室6内と上部陳列室7内との冷蔵制御を行う部分を示すブロック図である。冷蔵ショーケース1には下部陳列室6内と上部陳列室7内との温度を制御する制御部41が設けられており、この制御部41には、第1・第2仕切体24、25の位置を検出する位置検出部である近接スイッチ40と、ヒータ20と、防露ヒータ39と、下部送風ファン18と、上部送風ファン19と、温度センサ11、12とが接続されている。制御部41内には、下部陳列室6内と上部陳列室7内との冷蔵制御する設定温度を記憶する記憶部42と、近接スイッチ40の検出結果に応じて下部陳列室6内と上部陳列室7内との冷蔵制御する設定温度を切替える設定温度切替部43とが設けられている。設定温度切替部43は、例えば、近接スイッチ40がオフになった場合には下部陳列室6内と上部陳列室7内との設定温度を5℃(又は、20℃)に切替え、近接スイッチ40がオンになった場合には下部陳列室6内の設定温度を5℃に切替えるとともに上部陳列室7内の設定温度を20℃に切替える。
【0030】
このような構成において、この冷蔵ショーケース1では、下部陳列室6内と上部陳列室7内とに同じ商品を陳列する場合、下部陳列室6内と上部陳列室7内とを同じ温度に冷蔵制御することができる。このときの温度は、陳列する商品に応じて変えることができ、例えば、下部陳列室6内と上部陳列室7内とに惣菜などを陳列する場合には、下部陳列室6内と上部陳列室7内とをともに5℃の低い温度に冷蔵制御し、下部陳列室6内と上部陳列室7内とに弁当などを陳列する場合には、下部陳列室6内と上部陳列室7内とをともに20℃の高い温度に冷蔵制御することができる。
【0031】
一方、下部陳列室6内と上部陳列室7内とに異なる商品を陳列する場合には、陳列する商品に応じて下部陳列室6内と上部陳列室7内とを異なる温度に冷蔵制御することができる。例えば、下部陳列室6内に惣菜などを陳列し、上部陳列室7内に弁当などを陳列する場合には、下部陳列室6内を5℃の低い温度に冷蔵制御し、上部陳列室7内を20℃の高い温度に冷蔵制御することができる。
【0032】
まず、下部陳列室6内と上部陳列室7内とに惣菜などを陳列し、下部陳列室6内と上部陳列室7内とをともに低い温度(5℃)に冷蔵制御する場合について説明する。
【0033】
この場合には、操作レバー34を操作し、第1・第2仕切体24、25を
図1及び
図3に示す前方の位置に移動させる。この移動操作により、第1仕切体24が開放位置に移動し、第1仕切体24の開口30と連通口形成体23の上下連通口28とが上下方向で対向することにより上下連通口28が開放され、下部陳列室6と上部陳列室7とが上下連通口28を介して連通される。さらに、第2仕切体25が第1位置に移動し、第2仕切体25の垂直部25bにより下部連通口21と上部連通口22とが閉止され、第2仕切体25の水平部25aがダクト14外の位置に移動することによりダクト14が開放される。このとき、垂直部25bが近接スイッチ40から離反することにより近接スイッチ40がオフになり、第1・第2仕切体24、25の位置が近接スイッチ40により検出され、この検出結果により、制御部41の設定温度切替部43では下部陳列室6内と上部陳列室7内とを冷蔵制御する設定温度が5℃に切替えられる。
【0034】
この状態から冷蔵ショーケース1を運転する始動スイッチ(図示せず)がオンされることにより、冷却器17と下部送風ファン18とが駆動される。
【0035】
下部送風ファン18が駆動されることにより、下部陳列室6内の空気が下部開口15からダクト14内に吸い込まれ、ダクト14内に吸い込まれた空気は冷却器17により冷却され、冷却された空気(冷気)がダクト14内を流れてダクト14の上部開口16から上部陳列室7内に吹き出す。上部開口16から上部陳列室7内に吹き出した冷気は、上部陳列室7内を冷却し、さらに、上下連通口28を通って下部陳列室6内に流入し、下部陳列室6内を冷却する。
【0036】
下部陳列室6内に流入して下部陳列室6内を冷却した冷気は、下部送風ファン18の駆動により再び下部開口15からダクト14内に吸い込まれ、冷却器17により再び冷却される。このようにして、冷気がダクト14内と上部陳列室7内と下部陳列室6内との間で循環することにより、下部陳列室6内と上部陳列室7内とが同じ温度(5℃)に冷蔵制御される。
【0037】
下部陳列室6内と上部陳列室7内の温度は温度センサ11、12により検出されており、下部陳列室6と上部陳列室7内の温度が冷蔵制御する設定温度(5℃)より低くなった場合には、制御部41の図示しない制御信号出力部から冷却器17を含む冷凍装置に対して運転を停止させる信号が出力され、冷却器17の駆動が停止される。冷却器17の駆動が停止されることにより下部陳列室6内と上部陳列室7内との温度が次第に上昇し、或る温度に上昇すると冷却器17の駆動が再開される。
【0038】
つぎに、下部陳列室6内と上部陳列室7内とに弁当などを陳列し、下部陳列室6内と上部陳列室7内とを高い温度(20℃)に冷蔵制御する場合について説明する。
【0039】
この場合、基本的な操作及び動作は下部陳列室6内と上部陳列室7内とをともに5℃に冷蔵制御する場合と同じであり、第1・第2仕切体24、25を前方の位置に移動させ、上下連通口28を開放して下部陳列室6と上部陳列室7とを連通させる。さらに、垂直部25bにより下部連通口21と上部連通口22とを閉止し、水平部25aをダクト14外に移動させてダクト14を開放する。このとき、垂直部25bが近接スイッチ40から離反することにより近接スイッチ40がオフになり、第1・第2仕切体24、25の位置が近接スイッチ40により検出され、この検出結果により、制御部41の設定温度切替部43では下部陳列室6内と上部陳列室7内とを冷蔵制御する設定温度が20℃に切替えられる。近接スイッチ40がオフになった場合に、冷蔵制御する設定温度が5℃になるか20℃になるかは、制御部41に設けられている図示しないディップスイッチを切替操作することにより決定される。
【0040】
また、冷蔵制御する温度が20℃と高いため、ヒータ20が駆動され、ダクト14の上部開口16から上部陳列室7内に吹き出す冷気が加温される。
【0041】
このようにして、冷却器17により冷却されるとともにヒータ20により加温された冷気がダクト14内と上部陳列室7内と下部陳列室6内との間で循環することにより、下部陳列室6内と上部陳列室7内とが同じ温度(20℃)に冷蔵制御される。
【0042】
下部陳列室6内と上部陳列室7内の温度は温度センサ11、12により検出されており、下部陳列室6と上部陳列室7内の温度が制御する設定温度(20℃)より高くなった場合には、ヒータ20の駆動が停止される。
【0043】
つぎに、下部陳列室6内に惣菜などを陳列し、上部陳列室7内に弁当などを陳列し、下部陳列室6内を5℃に冷蔵制御し、上部陳列室7内を20℃に冷蔵制御する場合について説明する。
【0044】
この場合には、操作レバー34を操作し、第1・第2仕切体24、25を
図4に示す後方の位置に移動させる。この移動操作により、第1仕切体24が閉止位置に移動し、第1仕切体24における開口30が形成されていない部分が上下連通口28と上下方向で対向し、上下連通口28が閉止されて下部陳列室6と上部陳列室7との連通状態が遮断される。さらに、第2仕切体25が第2位置に移動し、下部連通口21と上部連通口22とが開放され、第2仕切体25の水平部25aがダクト14内の位置に移動することによりダクト14内が下側部分と上側部分とに閉止される。このとき、垂直部25bが近接スイッチ40に近接することにより近接スイッチ40がオンになり、制御部41の設定温度切替部43では、下部陳列室6内を冷蔵制御する設定温度が5℃に切替えられ、上部陳列室7内を冷蔵制御する設定温度が20℃に切替えられる。
【0045】
この状態から冷蔵ショーケース1を運転する始動スイッチがオンされることにより、冷却器17と下部送風ファン18と上部送風ファン19とヒータ20と防露ヒータ39とが駆動される。
【0046】
下部陳列室6側では、下部送風ファン18が駆動されることにより下部陳列室6内の空気が下部開口15からダクト14内に吸い込まれ、ダクト14内に吸い込まれた空気は冷却器17により冷却され、冷却された空気(冷気)は水平部25aにより閉止されたダクト14内の下側部分を流れる。ダクト14内の下側部分を流れた冷気は、下部連通口21から中間吹き出しダクト35内に流入し、中間吹き出しダクト35内を流れて下部陳列室6内の前面側に吹き出す。中間吹き出しダクト35内を流れて下部陳列室6内の前面側に吹き出した冷気は、下部陳列室6内を冷却し、下部陳列室6内を冷却した冷気は下部送風ファン18の駆動により再び下部開口15からダクト14内に吸い込まれ、冷却器17により再び冷却される。下部陳列室6内の冷気は、上下連通口28が閉止されているため、この上下連通口28を通って上部陳列室7内に流入することはない。このようにして、冷気がダクト14内の下側部分と中間吹き出しダクト35内と下部陳列室6内との間で循環することにより、下部陳列室6内が予め設定された設定温度(5℃)に冷蔵制御される。
【0047】
下部陳列室6内の温度は温度センサ11により検出されており、下部陳列室6内の温度が制御する設定温度(5℃)より低くなった場合には、制御部41の図示しない制御信号出力部から冷却器17を含む冷凍装置に対して運転を停止させる停止信号が出力され、冷却器17の駆動が停止される。冷却器17の駆動が停止されることにより下部陳列室6内の温度が次第に上昇し、或る温度に上昇すると冷却器17の駆動が再開される。
【0048】
一方、上部陳列室7側では、上部送風ファン19が駆動されることにより上部陳列室7内の空気が上部連通口22からダクト14内の上側部分に吸い込まれ、ダクト14内の上側部分に吸い込まれた空気は、上部開口16から上部陳列室7内に吹き出す。上部陳列室7内に吹き出した空気は、上部送風ファン19の駆動により再び上部連通口22からダクト14内の上側部分に吸い込まれる。このようにして、空気がダクト14内の上側部分と上部陳列室7との間で循環する。
【0049】
ここで、上部陳列室7内の空気は、下部陳列室6内やダクト14内の下側部分からの熱伝導により冷却され、冷却器17で冷却された冷気が供給されなくても低温になる。このため、上部陳列室7内は循環する空気により冷蔵される。
【0050】
また、上部陳列室7内では、ヒータ20が駆動されることにより、ダクト14内の上側部分と上部陳列室7内との間で循環して上部開口16から上部陳列室7内に吹き出す空気が加温され、上部陳列室7内は、下部陳列室6側からの熱伝導による冷却とヒータ20による加温とにより、予め設定された設定温度(20℃)に冷蔵制御される。
【0051】
上部陳列室7内の温度は温度センサ12により検出されており、上部陳列室7内の温度が冷蔵制御する設定温度(20℃)より高くなった場合には、ヒータ20の駆動が停止される。
【0052】
下部陳列室6内を5℃に冷蔵制御するとともに上部陳列室7内を20℃に冷蔵制御する場合には、中間吹き出しダクト35内を流れて下部陳列室6内とダクト14内との間を循環する冷気は、下部陳列室6内の上部正面側コーナー部、具体的には、下部陳列室6内における第1仕切体24の下側部分の領域に回り込み難く、この領域で結露が発生し易くなる。そこで、下部陳列室6内を5℃に冷蔵制御するとともに上部陳列室7内を20℃に冷蔵制御する場合には、防露ヒータ39に通電して下部陳列室6内の上部正面側コーナー部を加温することにより、下部陳列室6内の上部正面側コーナー部における結露の発生を防止することができる。
【0053】
つぎに、本発明の特徴部分であるパンチング穴44について、
図6に基づいて説明する。
【0054】
冷蔵ショーケースの基本的な構成は
図1ないし
図5に示しており、複数のパンチング穴は第2仕切体25の水平部25aに形成されている。水平部25aの下面に貼り付けられている断熱材32には、パンチング穴44に対向する部分に穴が形成されている。
【0055】
このような構成において、下部陳列室6内に惣菜などを陳列し、上部陳列室7内に弁当などを陳列し、下部陳列室6内を5℃に冷蔵制御し、上部陳列室7内を20℃に冷蔵制御する場合について説明する。
【0056】
この場合には、前述の一実施形態で説明したように、操作レバー34を操作し、第1・第2仕切体24、25を後方の位置に移動させる。この移動操作により、上下連通口28が閉止され、下部連通口21と上部連通口22とが開放され、第2仕切体25の水平部25aによりダクト14内が下側部分と上側部分とに閉止される。
【0057】
この状態から冷蔵ショーケース1を運転する始動スイッチがオンされることにより、冷却器17と下部送風ファン18と上部送風ファン19とヒータ20と防露ヒータ39とが駆動される。
【0058】
下部送風ファン18が駆動されることにより下部陳列室6内の空気が下部開口15からダクト14内の下側部分に吸い込まれ、ダクト14内の下側部分に吸い込まれた空気は冷却器17により冷却され、冷却された空気(冷気)は下部連通口21から中間吹き出しダクト35内に流入し、中間吹き出しダクト35内を流れて下部陳列室6内に吹き出す。このようにして、冷気が下部陳列室6内とダクト14内の下側部分と中間吹き出しダクト35内との間で循環することにより、下部陳列室6内が予め設定された設定温度(5℃)に冷蔵制御される。
【0059】
一方、上部陳列室7側では、上部送風ファン19が駆動されることにより上部陳列室7内の空気が上部連通口22からダクト14内の上側部分に吸い込まれるとともに、冷却器17により冷却された冷気の一部が第2仕切体25の水平部25aに形成されたパンチング穴44を通してダクト14の上側部分に吸い込まれる。したがって、上部陳列室7内の空気は、下部陳列室6側からの熱伝導とパンチング穴44を通過する冷気とにより冷却されるため、上部陳列室7内の温度を速やかに下げることができる。このため、上部陳列室7の扉5が開閉されて上部陳列室7内の温度が上昇した場合には、上部陳列室7内の温度を設定された設定温度(20℃)に速やかに戻すことができる。
【0060】
なお、本発明は、前述の実施形態に限るものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。例えば、前述の実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよく、さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。