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特開2017-124596平版印刷方法及びこれに使用される平版印刷装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-124596(P2017-124596A)
(43)【公開日】2017年7月20日
(54)【発明の名称】平版印刷方法及びこれに使用される平版印刷装置
(51)【国際特許分類】
   B41M 1/06 20060101AFI20170623BHJP
   B41F 3/20 20060101ALI20170623BHJP
   B41N 1/08 20060101ALI20170623BHJP
   H01G 13/00 20130101ALI20170623BHJP
   H01G 4/30 20060101ALI20170623BHJP
   H01G 4/12 20060101ALI20170623BHJP
【FI】
   B41M1/06
   B41F3/20 B
   B41N1/08
   H01G13/00 391B
   H01G4/30 311D
   H01G4/12 364
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-156001(P2016-156001)
(22)【出願日】2016年8月8日
(31)【優先権主張番号】10-2016-0004717
(32)【優先日】2016年1月14日
(33)【優先権主張国】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.
(71)【出願人】
【識別番号】516239091
【氏名又は名称】フワ シン マシーナリー カンパニー リミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】キム、ギ ロン
(72)【発明者】
【氏名】クウォン、ビヨン チャン
(72)【発明者】
【氏名】キム、チャン クン
(72)【発明者】
【氏名】キム、クワン ヤン
【テーマコード(参考)】
2H113
2H114
5E001
5E082
【Fターム(参考)】
2H113AA01
2H113AA02
2H113BA07
2H113BB08
2H113BB09
2H113BB22
2H113BC12
2H113CA17
2H113FA28
2H113FA54
2H114AA04
2H114AA08
2H114DA04
2H114FA06
2H114GA31
5E001AB03
5E001AH01
5E001AJ01
5E082AB03
5E082EE35
5E082MM40
(57)【要約】
【課題】本発明は、平版印刷方法及びこれに使用される平版印刷装置に関する。
【解決手段】本発明は、表面に陰刻で形成された多数のセルが具備された平版を設ける段階と、上記多数のセルに印刷ペーストを充填する段階と、上記印刷ペーストが充填された多数のセルに圧動ロールを利用してシートを接触させて上記印刷ペーストを上記シートに転写する段階とを含み、上記シートは、ロール・ツー・ロール(roll−to−roll)方式で上記平版に提供される平版印刷方法及びこれに利用される平版印刷装置に関する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に陰刻で形成された多数のセルが具備された平版を設ける段階と、
前記多数のセルに印刷ペーストを充填する段階と、
前記印刷ペーストが充填された多数のセルに圧動ロールを利用してシートを接触させて前記印刷ペーストを前記シートに転写する段階とを含み、
前記シートは、ロール・ツー・ロール(roll−to−roll)方式で前記平版に提供される、
平版印刷方法。
【請求項2】
前記多数のセルは、前記平版の印刷方向に直交する方向を基準として、
前記平版の縁部に形成された多数の第1セルと、
前記平版の中央部に形成された多数の第2セルとを含み、
前記第1セルの大きさが前記第2セルの大きさより大きい、
請求項1に記載の平版印刷方法。
【請求項3】
前記印刷ペーストが転写されて形成された印刷パターンは、四角形状を有する、
請求項2に記載の平版印刷方法。
【請求項4】
前記平版を設ける段階において、
前記平版を多数の真空孔が具備された固定プレートに固定する、
請求項1〜3のいずれか一項に記載の平版印刷方法。
【請求項5】
前記固定プレートは、多数の真空孔が加工された第1プレートと、
前記第1プレート上に配置された第2プレートとを含み、
前記平版は、前記第2プレート上に固定される、
請求項4に記載の平版印刷方法。
【請求項6】
前記印刷ペーストを充填する段階において、
チャンバドクターを利用して前記平版の表面に前記印刷ペーストを塗布し、前記平版の表面を前記チャンバドクターに具備されたスクイージーを利用して掻き出す、
請求項1〜5のいずれか一項に記載の平版印刷方法。
【請求項7】
前記印刷ペーストを転写する段階において、
印刷方向に移動する前記シートを前記圧動ロールで加圧して前記印刷ペーストが充填された多数のセルと接触させる、
請求項1〜6のいずれか一項に記載の平版印刷方法。
【請求項8】
前記印刷ペーストが転写されたシートを乾燥する段階をさらに含む、
請求項1〜7のいずれか一項に記載の平版印刷方法。
【請求項9】
前記シートは、乾燥前にアンワインダーから繰り出されて前記平版に搬送され、前記転写及び乾燥後にリワインダーに搬送されて巻きとられる、
請求項8に記載の平版印刷方法。
【請求項10】
表面に陰刻で形成された多数のセルが具備された平版と、
前記平版の表面に印刷ペーストを塗布し、前記多数のセルを前記印刷ペーストで充填させるチャンバドクターと、
ロール・ツー・ロール(roll−to−roll)方式で前記平版に提供されるシートを加圧し、前記印刷ペーストが充填された多数のセルに前記シートを接触させる圧動ロールとを含む、
平版印刷装置。
【請求項11】
前記多数のセルは、前記平版の印刷方向に直交する方向を基準として、
前記平版の縁部に形成された多数の第1セルと、
前記平版の中央部に形成された多数の第2セルとを含み、
前記第1セルの大きさが前記第2セルの大きさより大きい、
請求項10に記載の平版印刷装置。
【請求項12】
前記印刷ペーストが転写されて形成された印刷パターンは、四角形状を有する、
請求項11に記載の平版印刷装置。
【請求項13】
前記チャンバドクターは、
本体と、
前記本体内に具備された前記印刷ペーストの配置空間と、
本体両側に具備されたスクイージーとを含む、
請求項10〜12のいずれか一項に記載の平版印刷装置。
【請求項14】
前記平版を固定させ、多数の真空孔が具備された固定プレートをさらに含む、
請求項10〜13のいずれか一項に記載の平版印刷装置。
【請求項15】
前記固定プレートは、
多数の真空孔が加工された第1プレートと、
前記第1プレート上に配置された第2プレートとを含み、
前記平版は、前記第2プレート上に固定される、
請求項14に記載の平版印刷装置。
【請求項16】
前記圧動ロールを昇降及び下降させる駆動部材をさらに含む、
請求項10〜15のいずれか一項に記載の平版印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平版印刷方法及びこれに使用される平版印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
積層セラミックコンデンサ(MLCC:Multi−Layer Ceramic Capacitor)は、電子機器で電気を瞬間充電する受動部品である。
【0003】
積層セラミックコンデンサは、通常、複数の誘電体層、及び複数の誘電体層に印刷されて外部に交互に引き出される複数の内部電極を焼結して形成される本体と、本体外部にメッキ及びペースト印刷などで形成される外部電極で構成される。
【0004】
この時、従来は、このような積層型セラミックコンデンサの製造過程において、内部電極を形成する方法としてスクリーン印刷が利用された。
【0005】
一方、電子機器の小型化・高性能の機能を追求するために、小型サイズ・超高容量の積層セラミックコンデンサが切実に必要な状況である。
【0006】
但し、小型サイズ・高容量の機種を開発するためには、印刷時にパターンの変形がなく、印刷形状を略四角形で具現することが要求されるが、従来のスクリーン印刷ではこれを具現することに限界があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の様々な目的の一つは、このような問題を解決することであり、印刷時にパターンの変形がなく、印刷形状を略四角形で具現することができ、連続的な印刷が可能な新しい印刷方法及びこれに使用される印刷装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明を通じて提案する様々な解決手段の一つは、表面に陰刻で形成された多数のセルが具備された平版の多数のセルに印刷ペーストを充填し、ロール・ツー・ロール方式で提供されるシートを圧動ロールを利用し加圧して、平版の表面に接触させて、印刷ペーストをシート上に直接転写させることである。
【0009】
本発明によると、表面に陰刻で形成された多数のセルが具備された平版を設ける段階と、上記多数のセルに印刷ペーストを充填する段階と、上記印刷ペーストが充填された多数のセルに圧動ロールを利用してシートを接触させて上記印刷ペーストを上記シートに転写する段階とを含み、上記シートは、ロール・ツー・ロール(roll−to−roll)方式で上記平版に提供される、平版印刷方法が提供される。
【0010】
本発明によると、表面に陰刻で形成された多数のセルが具備された平版と、上記平版の表面に印刷ペーストを塗布し、上記多数のセルを上記印刷ペーストで充填させるチャンバドクターと、ロール・ツー・ロール(roll−to−roll)方式で上記平版に提供されるシートを加圧し、上記印刷ペーストが充填された多数のセルに上記シートを接触させる圧動ロールとを含む、平版印刷装置が提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明の様々な効果の一つとして、印刷時にパターンの変形がなく、印刷形状を略四角形で具現することができ、連続的な印刷が可能な新しい印刷方法及びこれに使用される印刷装置を提供することができる。
【0012】
本発明によると、従来のスクリーン印刷用高粘度ペーストの使用が可能であり、パターン形状を四角形状で具現することができるため、パターン縁部の電極連結性を良くして、積層セラミックコンデンサの容量増大及び信頼性の確保が可能である。
【0013】
本発明によると、平版表面に形成される陰刻のセルの大きさを小さくし、セルの深さを薄くして、0.1μm以下の薄膜印刷も可能である。その結果、小型サイズでかつ高容量が要求される製品の製造に適合して使用されることができる。
【0014】
本発明によると、平版表面のセルの大きさ及び深さを多様に製作することができるため、適用される製品によっては、パターンの厚さをより薄くすることができ、積層数を増やすことができる。その結果、容量をより増大させることができる。
【0015】
本発明によると、平版に陰刻でセルを形成し、平版を固定した後に印刷するため、従来のスクリーン印刷とは異なり、使用回数によるパターン変形がほぼないため、後続工程の不良を最小化することができる。
【0016】
本発明によると、平版にセルを形成する時にパターンを予め設計することができ、設計されたパターンをコピーして付けられるため、パターンの大きさを同一に製作することができる。その結果、印刷パターンのサイズ散布を最小化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】一例による平版印刷方法の概略的なシステムを図示する。
図2】一例による平版印刷装置の概略的な斜視図を図示する。
図3】一例による固定プレートの概略的な断面図を図示する。
図4】一例による平版の概略的な平面図を図示する。
図5】一例によるチャンバドクターの概略的な断面図を図示する。
図6】一例による平版印刷装置を利用した平版印刷方法の概略的な工程フローチャートを図示する。
図7】一例による平版印刷装置を利用した平版印刷方法の概略的な印刷ペーストの充填過程を図示する。
図8】一例による平版印刷装置を利用した平版印刷方法の概略的な印刷ペーストの転写過程を図示する。
図9】一例による平版印刷方法によって形成された印刷パターンを図示する。
図10】スクリーン印刷方法によって形成された印刷パターンを図示する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下では、添付の図面を参照して、本発明についてより詳しく説明する。図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張されることがある。
【0019】
図1は、一例による平版印刷方法の概略的なシステムを図示する。
【0020】
図面を参照すると、一例による平版印刷方法のシステムは、巻かれたシートをアンワインダー100で繰り出して印刷装置200に搬送する工程と、印刷装置200でシートに印刷ペーストを転写する工程と、印刷ペーストが転写されたシートを乾燥装置300に搬送する工程と、乾燥装置300で転写された印刷ペーストが乾燥されて印刷パターンが形成される工程と、印刷パターンが形成されたシートがリワインダー400に搬送されて巻きとられる工程とを含む。
【0021】
アンワインダー100及びリワインダー400は、ロール・ツー・ロール(roll−to−roll)設備の一部構成であることができ、このようにロール・ツー・ロール設備を利用してシートに印刷を行うため、連続的な印刷が可能である。このようなロール・ツー・ロール設備には、多数の支持ロール(符号表示せず)が具備されることができ、多数の支持ロールは、シートを支持し移動させる役割を行う。
【0022】
印刷装置200は、後述するように平版印刷装置であってよく、これに対する具体的な内容は後述する。
【0023】
乾燥装置300は、当技術分野で通常利用される形態の装置を使用することができ、ロール・ツー・ロール設備と一体化してよい。例えば、乾燥装置300は、乾燥チャンバを含むことができ、この場合、外部から断絶されたチャンバ内で乾燥が行われることができる。また、チャンバ内部には、窒素またはアルゴンを注入することができ、内部圧力などは適切に調節することができる。
【0024】
図2は、一例による平版印刷装置の概略的な斜視図を図示する。
【0025】
図面を参照すると、一例による平版印刷装置200は、表面に陰刻で形成された多数のセル203が具備された平版202、平版202の表面に印刷ペーストを塗布し、多数のセル203を印刷ペーストで充填させるチャンバドクター204、及びロール・ツー・ロール方式で平版202に提供されるシート101を加圧して、印刷ペーストが充填された多数のセル203にシート101を接触させる圧動ロール206を含む。
【0026】
平版202は、1次的に印刷パターンが刻まれる印刷版であり、平版202の表面には、このような印刷パターンを形成するための多数のセル203が陰刻で形成される。平版202の材質は、特に限定されず、例えば、ガラス(glass)材質、ニッケル(Ni)材質、樹脂(resin)材質、サス(SUS)材質などであってよいが、これに限定されない。
【0027】
平版202の表面に形成される陰刻の多数のセル203は、大きさを小さく形成することができ、深さも薄く形成することができる。この場合、0.1μm以下の薄膜印刷も可能であり、その結果、小型サイズでかつ高容量が要求される製品の製造に適合して使用されることができる。また、平版202の表面に形成される陰刻の多数のセル203は、大きさ及び深さを多様に製作することができるため、適用される製品によっては、パターンの厚さをより薄くすることができ、積層数を増やすことができる。その結果、容量をより増大させることができる。
【0028】
平版202の表面に形成される陰刻の多数のセル203を形成し、平版202を固定した上で印刷するため、従来のスクリーン印刷とは異なり、使用回数による印刷パターンの変形がほぼないため、後続工程の不良を最小化することができる。また、平版202の表面に陰刻の多数のセル203を形成する時、パターンを予め設計することができ、設計されたパターンをコピーして付けられるため、パターンの大きさを同一に製作することができる。その結果、印刷パターンのサイズ散布を最小化することができる。
【0029】
チャンバドクター204は、平版202の表面に印刷ペーストを塗布し、多数のセル203を印刷ペーストで充填させる。チャンバドクター204は、印刷ペーストがその内部の配置空間に配置される密閉型チャンバドクター204であってよく、このように密閉型チャンバドクター204を使用する場合、印刷ペーストは低粘度から高粘度まで全て使用可能である。密閉型チャンバドクター204内には、印刷ペーストが配置されることができる。チャンバドクター204の具体的な形態は、特に限定されず、その材質も特に限定されない。
【0030】
圧動ロール206は、シート101を加圧して平版202の表面に接触させる役割を行う。圧動ロール206は、弾性を持った材質で形成することができ、後述する駆動部材207によって昇降及び下降することができる。圧動ロール206は、長さ方向の中央部から縁部に行くほど直径が小さくなる形状であってよく、この場合、圧動ロール206が平坦に変形されて、シート101に加える圧力が均一になることができるが、必ずしもこれに限定されるものではなく、他の材質で構成されてもよく、同一の直径を有する形状であってもよい。
【0031】
必要に応じて、一例による平版印刷装置200は、平版202を固定する固定プレート201をさらに含むことができる。また、圧動ロール206を昇降及び下降させる駆動部材207をさらに含むことができる。
【0032】
固定プレート201は、印刷時にパターンの変形をなくすために、平版202を固定させるための構成である。平版202を固定する方式として、ボルトやロッキングタイプではなく、このような固定プレート201を使用する場合、組立てが簡単であり、固定力が良いため、パターンが揺れないという長所がある。
【0033】
駆動部材207は、圧動ロール206を昇降及び下降させるための構成で、これを通じて、圧動ロール206はシート101に圧力を加えることができる。駆動部材207は、例えば、圧動ロール206の中心軸の両端部に連結して、圧動ロール206を昇降させるエアシリンダー(図示せず)からなることができるが、これに限定されない。
【0034】
駆動部材207は、圧動ロール206の昇降及び下降距離を制御するための上部及び下部センサー(図示せず)を具備することができる。この場合、上部及び下部センサー(図示せず)と連結して、これらから送り出される信号によって圧動ロール206の昇降及び下降距離を制御する制御部材(図示せず)をさらに含んでよい。
【0035】
図3は、一例による固定プレートの概略的な断面図を図示する。
【0036】
図面を参照すると、一例による固定プレート201は、多数の真空孔201hが具備されたものである。例えば、多数の真空孔201hが加工された第1プレート201a、及び第1プレート201a上に配置された第2プレート201bを含む。平版202は、第2プレート201b上に固定されてよい。
【0037】
多数の真空孔201hが加工された第1プレート201aは、通常の鋼(steel)材質であってよく、第2プレート201bは、通常のセラミック(ceramic)材質であってよいが、これに限定されない。真空孔201hは、第1プレート201aの表面に形成されることができ、第2プレート201bで覆われることができる。
【0038】
図4は、一例による平版の概略的な平面図を図示する。
【0039】
図面を参照すると、一例による平版202の表面には、陰刻で形成された多数のセル203が形成され、この時、多数のセル203は、平版202の印刷方向(矢印)に直交する方向を基準として、平版202の縁部に形成された多数の第1セル203a及び平版202の中央部に形成された多数の第2セル203bを含む。
【0040】
平版202の縁部に形成された第1セル203aの大きさSは、平版202の中央部に形成された第2セル203bの大きさSより大きくてよい。この場合、シート101に転写される印刷ペーストをドーム形状ではなく四角形状で具現することができる。その結果、電極連結性を良くして、容量を増大させることができる。ここで、四角形状は、完全な四角形状ではなく、略四角形状であること(図9参照)を意味する。
【0041】
具体的に、縁部セル203aの大きさSを大きく形成し、中央部セル203bの大きさSを小さく形成する場合、シート101への印刷ペーストの転写量が縁部に多くなり、この時、転写された印刷ペーストがレベリングされながら量の多い側に偏って乾燥するため、四角形状に近く具現が可能となる。また、印刷形状が四角形状の場合、同一の条件でもドーム形状の場合より有効面積が広いため、容量を具現するのにより効果的である。
【0042】
図5は、一例によるチャンバドクターの概略的な断面図を図示する。
【0043】
図面を参照すると、一例によるチャンバドクター204は、本体204a、本体204a内に具備された印刷ペースト208の配置空間204b、及び本体両側に具備されたスクイージー204cを含む。また、必要に応じて、スクイージー204cを支持するスクイージーホールド204dをさらに含むことができる。このような構造のチャンバドクター204は、密閉型チャンバドクターであってよく、この場合、上述したように、印刷ペースト208を底粘度から高粘度まで全て使用可能であるという長所がある。
【0044】
本体204aは、チャンバドクター204の胴体であり、本体204aを中心として他の構成要素が結合されている。本体204aの具体的な形態や材質は、特に限定されず、平版202の表面を移動しながら印刷ペースト208が塗布可能なものであれば、如何なる形態や材質でも適用することができる。
【0045】
配置空間204bは、印刷ペースト208が配置される空間であり、このように密閉形式で印刷ペースト208を配置することができ、上述したように、印刷ペースト208を底粘度から高粘度まで全て使用可能であるという長所がある。配置空間204bの具体的な形態や材質は、特に限定されず、当該技術分野によく知られた形態や材質を適用することができる。
【0046】
スクイージー204cは、平版202の表面に残存する印刷ペーストを掻き出して平版202の表面に残存する印刷ペーストを除去するための構成であり、これを通じて、平版202の陰刻で形成された多数のセル203の内部のみに印刷ペーストを充填することができる。スクイージー204cの具体的な形態や材質は、特に限定されず、当該技術分野によく知られた形態や材質を適用することができる。
【0047】
図6は、一例による平版印刷装置を利用した平版印刷方法の概略的な工程フローチャートを図示する。
【0048】
図面を参照すると、一例による平版印刷方法1001は、表面に陰刻で形成された多数のセルが具備された平版の多数のセルを設ける段階と、印刷ペーストを充填する段階と、印刷ペーストが充填された多数のセルに圧動ロールを利用してシートを接触させて印刷ペーストを上記シートに転写する段階とを含むことができる。必要に応じて、一例による平版印刷方法2001は、印刷ペーストが転写されたシートを乾燥する段階をさらに含むことができる。
【0049】
図7は、一例による平版印刷装置を利用した平版印刷方法の概略的な印刷ペーストの充填過程を図示する。
【0050】
図面を参照すると、一例による印刷ペーストの充填過程は、チャンバドクター204を利用して平版202の表面に印刷ペースト208を塗布し、平版202の表面をチャンバドクター204に具備されたスクイージー204cを利用して掻き出すことである。
【0051】
印刷ペースト208は、適用される製品によって異なり、例えば、積層セラミックコンデンサの内部電極を印刷する場合であれば、導電性粉末、樹脂、溶剤などの混合物を含んでよいが、これに限定されない。
【0052】
導電性粉末には、例えば銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)などの各種の導電性金属が使用されることができる。この時、金属は、合金であってよい。また、導電性粉末の粒子に他の金属を被覆したものを使用してもよい。粒子の形状は、球状、デンドライト状、フレーク状のような各種の形状であってよい。
【0053】
樹脂には、例えば、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などの各種の樹脂が使用される。熱硬化性樹脂としては、例えば、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂などが挙げられる。紫外線硬化型樹脂としては、例えば、(メタ)アクリロイル基を有するアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、及びこれらとモノマーとの混合物が挙げられる。また、熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、セルロース樹脂、アクリル樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
【0054】
溶剤には、印刷工程における印刷ペースト208の乾燥を防止するために、例えば、沸点が240℃以上の高沸点溶剤を含有させることが好ましい。このような高沸点溶剤としては、例えば、ジアミルベンゼン、トリアミルベンゼン、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノアセテート、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコール、テトラエチレングリコールモノブチルエーテルなどが挙げられる。但し、これに限定されず、低沸点溶剤も使用可能なことは言うまでもない。
【0055】
図8は、一例による平版印刷装置を利用した平版印刷方法の概略的な印刷ペーストの転写過程を図示する。
【0056】
図面を参照すると、一例による印刷ペーストの転写過程は、印刷方向(矢印)に移動するシート101を圧動ロール206を利用し加圧して、印刷方向(矢印)に移動する平版202の印刷ペースト208が充填された多数のセル203に接触させることである。
【0057】
シート101の移動方向と平版202の移動方向は、印刷方向に同一であり、平版202は、真空プレート201に固定された状態で移動する。このような移動中に、圧動ロール206によってシート101と平版202の表面が接触し、この時、平版202の印刷ペースト208がシート101に直接転写される。
【0058】
シート101は、適用される製品によって異なり、例えば、積層セラミックコンデンサの内部電極を印刷する場合であれば、誘電体シートであってよいが、これに限定されない。
【0059】
誘電体シートは、高い誘電率を有するセラミック粉末で形成されることができ、セラミック粉末は、例えば、チタン酸バリウム(BaTiO)系粉末、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)系粉末などを使用することができるが、これに限定されず、他の公知のセラミック粉末も利用可能なことは言うまでもない。誘電体シートは、このようなセラミック粉末を含むスラリーをキャリアフィルム(carrier film)上に塗布及び乾燥して、複数個のセラミックグリーンシートを設ける方法で形成することができる。即ち、シート101は、図面には具体的に示していないが、キャリアフィルム上に形成されることができる。
【0060】
図9は、一例による平版印刷方法によって形成された印刷パターンを図示する。
【0061】
図10は、スクリーン印刷方法によって形成された印刷パターンを図示する。
【0062】
図面を参照すると、一例による平版印刷方法によって製造される印刷パターンは、四角形状に具現可能なことが分かる。一方、従来のスクリーン印刷方法によって形成された印刷パターンは、ドーム形状を有することが分かる。一例による平版印刷方法によって製造される印刷パターンのように四角形状の具現が可能な場合、上述したように、電極連結性を良くして容量を増大させることができる。
【0063】
なお、本発明で使用された第1、第2等の表現は、一つの構成要素と他の構成要素を区分するために用いられるもので、該当する構成要素の順序及び/または重要度等を限定しない。場合によっては、本発明の範囲を外れずに、第1構成要素が第2構成要素と命名されることもでき、類似して第2構成要素が第1構成要素と命名されることもできる。
【0064】
また、本発明で用いられた一例という表現は、互いに同一の実施例を意味せず、それぞれ互いに異なる固有の特徴を強調して説明するために提供されるものである。しかし、上記提示された一例は、他の一例の特徴と結合して実現されることを排除しない。例えば、特定の一例で説明された事項が他の一例で説明されていなくても、他の一例でその事項と反対であるか矛盾する説明がない限り、他の一例に関連する説明であると理解されることができる。
【0065】
なお、本発明で用いられた用語は、一例を説明するために用いられたものであるだけで、本発明を限定しようとする意図ではない。このとき、単数の表現は文脈上明確に異なる意味でない限り、複数を含む。
【0066】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。
【符号の説明】
【0067】
100 アンワインダー
200 印刷装置
300 乾燥装置
400 リワインダー
101 シート
201 真空プレート
201a 第1プレート
201b 第2プレート
201h 真空孔
202 平版
203 セル
203a 縁部セル
203b 中央部セル
204 チャンバドクター
204a 本体
204b 配置空間
204c スクイージー
204d スクイージーホールド
206 圧動ロール
207 駆動部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10