【解決手段】1種又は複数種の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物を用いた印刷により基材上に印刷層を形成させる印刷工程と、基材上に形成された印刷層を硬化させる硬化工程と、硬化した印刷層を近赤外線の照射により加熱する加熱工程とを含むことを特徴とする印刷方法である。
前記活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物が、顔料、官能基数が1〜2であるラジカル重合性モノマー、及び光重合開始剤を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷方法。
前記印刷工程において、複数種の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物を用いる場合、各活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物の硬化物は、波長0.8μm〜2.0μmの近赤外線の吸収率の差が50%以下の範囲内にあることを特徴とする請求項3に記載の印刷方法。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<印刷方法>
以下に、本発明の印刷方法を詳細に説明する。本発明の印刷方法は、1種又は複数種の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物を用いた印刷により基材上に印刷層を形成させる印刷工程と、基材上に形成された印刷層を硬化させる硬化工程と、硬化した印刷層を近赤外線の照射により加熱する加熱工程とを含むことを特徴とする。本発明の印刷方法によれば、活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物を用いた印刷により形成される印刷層を硬化した後に該印刷層を近赤外線の照射により加熱することで、基材に対する印刷層の付着性を向上できる。本発明の印刷方法では、加熱手段として近赤外線照射を用いており、印刷層全体に効率よく熱を伝えることができる。一方、例えば遠赤外線等の異なる波長域を持つ電磁波を照射する場合、印刷層を加熱するのに時間がかかる上、均一に加熱することも困難であるため、基材に対する印刷層の付着性を十分に向上させることができないと考えられる。
【0017】
本発明の印刷方法は、まず、1種又は複数種の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物を用いた印刷により基材上に印刷層を形成させる印刷工程が行われる。
【0018】
上記基材は、特に限定されるものではないが、その材質としては、例えば、ABS樹脂、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンテレフタラート(PET)等のプラスチック類、ステンレス、アルミニウム等の金属類、ガラス類、セラミック類、紙類(樹脂で表面をコーティングしたものも含む)等が挙げられる。また、基材の形状としては、例えば、板状等がある。
【0019】
上記活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物は、特に限定されるものではないが、顔料、官能基数が1〜2であるラジカル重合性モノマー及び光重合開始剤を含むことが好ましい。特に、官能基数が1〜2のラジカル重合性モノマーを用いることで、印刷層の硬化性や印刷層の強度のコントロールが可能になる。なお、本発明における官能基とは、活性エネルギー線照射時に反応性を示す官能基を指し、アクリロイルオキシ基やメタクリロイルオキシ基が好適である。なお、ラジカル重合性モノマーは、官能基数に応じて、官能基数が1であるラジカル重合性モノマー(単官能モノマーともいう)、官能基数が2であるラジカル重合性モノマー(2官能モノマーともいう)及び官能基数が3以上であるラジカル重合性モノマー(3官能以上の多官能モノマーともいう)に分類することができるが、上記活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物は、官能基数が3以上であるラジカル重合性モノマーを含むこともできる。
【0020】
上記ラジカル重合性モノマーのうち、単官能モノマーは、その分子量が1000以下であるものが好ましく、具体例としては、ステアリルアクリレート、アクリロイルモルホリン、トリデシルアクリレート、ラウリルアクリレート、N,N−ジメチルアクリルアミド、デシルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、イソデシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、イソオクチルアクリレート、オクチルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、N−ビニルカプロラクタム、イソアミルアクリレート、2−エチルヘキシル−ジグリコールアクリレート、EO(エチレンオキシド)変性2−エチルヘキシルアクリレート、ネオペンチルグリコールアクリル酸安息香酸エステル、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルイミダゾール、テトラヒドロフルフリルアクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、(2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルアクリレート、環状トリメチロールプロパンフォルマルアクリレート、及びエトキシ−ジエチレングリコールアクリレート等が挙げられる。これらの中でも、イソボルニルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、及びテトラヒドロフルフリルアクリレートが好ましい。なお、これら単官能モノマーは、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0021】
上記ラジカル重合性モノマーのうち、2官能モノマーは、その分子量が1000以下であるものが好ましく、具体例としては、1,10−デカンジオールジアクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジアクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、1,8−オクタンジオールジアクリレート、1,7−ヘプタンジオールジアクリレート、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、及びジプロピレングリコールジアクリレート等が挙げられる。これらの中でも、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート及びネオペンチルグリコールジアクリレートが好ましい。なお、これら2官能モノマーは、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0022】
上記活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物において、官能基数が1〜2であるラジカル重合性モノマーの合計含有量は、印刷層の硬化性や印刷層の強度のコントロールの観点から、該インク組成物の全質量中50〜90質量%であることが好ましい。
【0023】
上記ラジカル重合性モノマーのうち、3官能以上の多官能モノマーは、官能基数が3〜6であることが好ましく、その分子量が2000未満であるものが好ましい。該3官能以上の多官能モノマーの具体例としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、エトキシ化グリセリントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、EO変性ジグリセリンテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、及びジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられる。なお、これら多官能モノマーは、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0024】
上記活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物において、官能基数が3以上のラジカル重合性モノマーの含有量は、印刷層の硬化性や印刷層の強度のコントロールの観点から、該インク組成物の全質量中1〜20質量%であることが好ましい。
【0025】
また、上記活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物においては、印刷層の強度を上げるため、アクリレートオリゴマーを使用してもよい。アクリレートオリゴマーとは、アクリロイルオキシ基(CH
2=CHCOO−)を一つ以上有するオリゴマーであり、官能基数は3〜6であることが好ましい。また、アクリレートオリゴマーは、分子量が2000〜20000であることが好ましい。なお、該分子量は、ポリスチレン換算の重量平均分子量である。そして、アクリレートオリゴマーの具体例としては、アミノアクリレートオリゴマー[アミノ基(−NH
2)を複数持つアクリレートオリゴマー]、ウレタンアクリレートオリゴマー[ウレタン結合(−NHCOO−)を複数持つアクリレートオリゴマー]、エポキシアクリレートオリゴマー[エポキシ基を複数持つアクリレートオリゴマー]、シリコーンアクリレートオリゴマー[シロキサン結合(−SiO−)を複数持つアクリレートオリゴマー]、エステルアクリレートオリゴマー[エステル結合(−COO−)を複数持つアクリレートオリゴマー]及びブタジエンアクリレートオリゴマー[ブタジエン単位を複数持つアクリレートオリゴマー]等が挙げられる。これらの中でも、耐候性や密着性の観点から、ウレタンアクリレートオリゴマーが好ましく、構造中に芳香環を持たない脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマーが更に好ましい。なお、アクリレートオリゴマーの含有量は、例えば、インク組成物の全質量中1〜10質量%である。
【0026】
アクリレートオリゴマーの具体例としては、以下のものが挙げられる。なお、これらアクリレートオリゴマーは、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
ビームセット502H、ビームセット505A−6、ビームセット550B、ビームセット575、ビームセットAQ−17(荒川化学工業社製)、
UA−306H、UA−306I、UA−510H、UF−8001G(共栄社化学社製)、
CN929、CN940、CN944B85、CN959、CN961E75、CN961H81、CN962、CN963A80、CN963B80、CN963E75、CN963E80、CN963J75、CN964、CN964A85、CN964E75、CN965、CN965A80、CN966A80、CN966B85、CN966H90、CN966J75、CN966R60、CN968、CN980、CN981、CN981A75、CN981B88、CN982A75、CN982B88、CN982E75、CN982P90、CN983、CN985B88、CN989、CN991、CN996、CN9001、CN9002、CN9004、CN9005、CN9006、CN9007、CN9008、CN9009、CN9010、CN9011、CN9014、CN9178、CN9788、CN9893(サートマー社製)、
U−4HA、U−6HA、U−6LPA、UA−1100H、UA−53H、UA−33H、U−200PA、UA−4200、UA−122P(新中村化学工業社製)、
ニューフロンティアR−1214、ニューフロンティアR−1301、ニューフロンティアR−1304、ニューフロンティアR−1306X、ニューフロンティアR−1150D(第一工業製薬社製)、
EBECRYL230、EBECRYL244、EBECRYL245、EBECRYL264、EBECRYL265、EBECRYL270、EBECRYL284、EBECRYL285、EBECRYL294、EBECRYL1290、EBECRYL4820、EBECRYL5129、EBECRYL8201、EBECRYL8402、(ダイセル・サイテック社製)、
UV−1700B、UV−7600B、UV−7605B、UV−6630B、UV−7000B、UV−7461TE、UV−3000B、UV−3310B、UV−3520TL、UV−3700B(日本合成化学社製)、
アートレジンUN−333、UN−1255、UN−2600、UN−2700、UN−5500、UN−5507、UN−6060P、UN−6200、UN−6300、UN−6301、UN−7600、UN−7700、UN−9000PEP、UN−9200A、UN−3320HA、UN−3320HC、UN−904(根上工業社製)
【0027】
上記活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物に用いる光重合開始剤は、活性エネルギー線を照射されることによって、上述したラジカル重合性モノマー及びアクリレートオリゴマーの重合を開始させる作用を有する。また、上記光重合開始剤の含有量は、インク組成物の全質量中1〜25質量%であることが好ましく、1〜15質量%であることが更に好ましい。上記光重合開始剤の含有量が1質量%未満では、印刷層が硬化不良となることがあり、25質量%を超えると、低温時に析出物が発生してインクの吐出が不安定になることがある。更に、光重合開始剤の開始反応を促進させるため、光増感剤等の助剤を併用することも可能である。
【0028】
上記光重合開始剤としては、ベンゾフェノン系化合物、アセトフェノン系化合物、チオキサントン系化合物、フォスフィンオキサイド系化合物等が挙げられるが、硬化性の観点から、照射する活性エネルギー線の波長と光重合開始剤の吸収波長ができるだけ重複するものが好ましい。
【0029】
上記光重合開始剤の具体例としては、
2,2−ジメトキシー1,2−ジフェニルエタン−1−オン、
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、
ベンゾフェノン、
1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、
2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、
フェニルグリオキシリックアシッドメチルエステル、
2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、
2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン、
2−ジメチルアミノ−2−(4−メチル−ベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン、
ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、
ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、
2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、
1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)]、
エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)、
2,4−ジエチルチオキサントン、
2−イソプロピルチオキサントン、
2−クロロチオキサントン等が挙げられる。これらの中でも、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイドが、印刷層の硬化性の観点から好ましい。なお、これら光重合開始剤は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0030】
上記活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物は、光安定剤を更に含有してもよい。光安定剤は、紫外線を吸収し、紫外線による劣化を防止する作用を有する。光安定剤としては、シアノアクリレート系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾエート系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ヒドロキシフェニルトリアジン系化合物、ベンジリデンカンファー系化合物、無機微粒子等が挙げられ、中でも、紫外線吸収がより短波長にあるヒドロキシフェニルトリアジン系化合物が印刷層の硬化性の観点から好ましい。硬化性の観点から、照射する活性エネルギー線の波長と光安定剤の吸収波長が出来るだけ重複しないものが好ましい。なお、光安定剤の含有量は、インク組成物の全質量中0.1〜15質量%であることが好ましく、0.2〜5質量%であることが更に好ましい。該光安定剤の含有量が0.1質量%未満では、充分な紫外線の吸収効果が得られず、15質量%を超えると、印刷層が硬化不良となることがある。
【0031】
上記光安定剤の具体例としては、
2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルフォニックアシッド、
2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−ドデシロキシベンゾフェノン−2−ヒドロキシ−4−ベンジロキシベンゾフェノン、
ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタン、
2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、
2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、
2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、
2―ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、
2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
2−[2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α−(ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾール、
2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、
2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、
2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、
2,2’−メチレン−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2N−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、
メチル−3−[3−t−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]プロピオネートとポリエチレングリコールとの縮合物、
2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、
2,6−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、
ヘキサデシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等が挙げられる。なお、これら光安定剤は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0032】
上記活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物は、染料や顔料等の着色剤を更に含有してもよいが、耐候性の観点から、顔料を含有することが好ましい。なお、着色剤の含有量(例えばインク組成物が顔料を含む場合は、顔料の含有量)は、例えばインク組成物の全質量中0.1〜10質量%である。また、着色剤は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0033】
上記着色剤の具体例としては、
C.I.Pigment Yellow 1、2、3、4、5、6、7、9、10、12、13、14、15、16、17、24、32、34、35、36、37、41、42、43、49、53、55、60、61、62、63、65、73、74、75、77、81、83、87、93、94、95、97、98、99、100、101、104、105、106、108、109、110、111、113、114、116、117、119、120、123、124、126、127、128、129、130、133、138、139、150、151、152、153、154、155、165、167、168、169、170、172、173、174、175、176、179、180、181、182、183、184、185、191、193、194、199、205、206、209、212、213、214、215、219、
C.I.Pigment Orange 1、2、3、4、5、13、15、16、17、19、20、21、24、31、34、36、38、40、43、46、48、49、51、60、61、62、64、65、66、67、68、69、71、72、73、74、81、
C.I.Pigment Red 1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、21、22、23、31、32、38、41、48、48:1、48:2、48:3、48:4、48:5、49、52、52:1、52:2、53:1、54、57:1、58、60:1、63、64:1、68、81:1、83、88、89、95、101、104、105、108、112、114、119、122、123、136、144、146、147、149、150、164、166、168、169、170、171、172、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、187、188、190、193、194、200、202、206、207、208、209、210、211、213、214、216、220、220、221、224、226、237、238、239、242、245、247、248、251、253、254、255、256、257、258、260、262、263、264、266、268、269、270、271、272、279、
C.I.Pigment Violet 1、2、3、3:1、3:3、5:1、13、15、16、17、19、23、25、27、29、31、32、36、37、38、42、50、
C.I.Pigment Blue 1、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:5、15:6、16、17:1、24、24:1、25、26、27、28、29、36、56、60、61、62、63、75、79、80、
C.I.Pigment Green 1、4、7、8、10、15、17、26、36、50、
C.I.Pigment Brown 5、6、23、24、25、32、41、42、
C.I.Pigment Black 1、6、7、9、10、11、20、31、32、34、
C.I.Pigment White 1、2、4、5、6、7、11、12、18、19、21、22、23、26、27、28、
アルミニウムフレーク、ガラスフレーク、及び中空粒子等が挙げられる。
【0034】
これらの中でも、印刷物の耐候性と色再現性の観点から
C.I.PigmentBlack7、
C.I.PigmentBlue15:3、C.I.PigmentBlue15:4、C.I.PigmentBlue28、
C.I.PigmentRed101、C.I.PigmentRed122、
C.I.PigmentRed202、C.I.PigmentRed254、
C.I.PigmentRed282、
C.I.PigmentViolet19、
C.I.PigmentWhite7、
C.I.PigmentYellow42、C.I.PigmentYellow120、
C.I.PigmentYellow138、C.I.PigmentYellow139、C.I.PigmentYellow150、C.I.PigmentYellow151、C.I.PigmentYellow155、C.I.PigmentYellow213が好ましい。
【0035】
上記着色剤として顔料を用いる場合、吐出安定性の観点から、インク組成物中に分散している顔料粒子は、体積平均粒子径が0.05〜0.4μmであり且つ体積最大粒子径が0.2〜1μmであることが好ましい。体積平均粒子径が0.4μmより大きく且つ体積最大粒子径が1μmよりも大きいと、インク組成物を安定に吐出することが困難となる傾向がある。なお、体積平均粒子径及び体積最大粒子径は、動的光散乱法を用いた測定機器によって測定できる。
【0036】
上記活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物は、顔料を分散させるために、必要に応じて顔料分散剤を更に含有してもよい。なお、顔料分散剤の含有量は、例えばインク組成物の全質量中0.1〜5質量%である。また、顔料分散剤は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0037】
上記顔料分散剤の具体例としては、
ANTI−TERRA−U、ANTI−TERRA−U100、
ANTI−TERRA−204、ANTI−TERRA−205、
DISPERBYK−101、DISPERBYK−102、
DISPERBYK−103、DISPERBYK−106、
DISPERBYK−108、DISPERBYK−109、
DISPERBYK−110、DISPERBYK−111、
DISPERBYK−112、DISPERBYK−116、
DISPERBYK−130、DISPERBYK−140、
DISPERBYK−142、DISPERBYK−145、
DISPERBYK−161、DISPERBYK−162、
DISPERBYK−163、DISPERBYK−164、
DISPERBYK−166、DISPERBYK−167、
DISPERBYK−168、DISPERBYK−170、
DISPERBYK−171、DISPERBYK−174、
DISPERBYK−180、DISPERBYK−182、
DISPERBYK−183、DISPERBYK−184、
DISPERBYK−185、DISPERBYK−2000、
DISPERBYK−2001、DISPERBYK−2008、
DISPERBYK−2009、DISPERBYK−2020、
DISPERBYK−2025、DISPERBYK−2050、
DISPERBYK−2070、DISPERBYK−2096、
DISPERBYK−2150、DISPERBYK−2155、
DISPERBYK−2163、DISPERBYK−2164、
BYK−P104、BYK−P104S、BYK−P105、
BYK−9076、BYK−9077、BYK−220S、BYKJET−9150、BYKJET−9151(以上、ビックケミー・ジャパン社製)、
Solsperse3000、Solsperse5000、
Solsperse9000、Solsperse11200、
Solsperse13240、Solsperse13650、
Solsperse13940、Solsperse16000、
Solsperse17000、Solsperse18000、
Solsperse20000、Solsperse21000、
Solsperse24000SC、Solsperse24000GR、
Solsperse26000、Solsperse27000、
Solsperse28000、Solsperse32000、
Solsperse32500、Solsperse32550、
Solsperse32600、Solsperse33000、
Solsperse34750、Solsperse35100、
Solsperse35200、Solsperse36000、
Solsperse36600、Solsperse37500、
Solsperse38500、Solsperse39000、
Solsperse41000、Solsperse54000、
Solsperse55000、Solsperse56000、
Solsperse71000、Solsperse76500、
SolsperseX300(以上、ルブリゾール社製)、
ディスパロンDA−7301、ディスパロンDA−325、
ディスパロンDA−375、ディスパロンDA−234(以上、楠本化成社製)、
フローレンAF−1000、フローレンDOPA−15B、フローレンDOPA−15BHFS、フローレンDOPA−17HF、フローレンDOPA−22、フローレンDOPA−33、フローレンG−600、フローレンG−700、フローレンG−700AMP、フローレンG−700DMEA、フローレンG−820、フローレンG−900、フローレンGW−1500、フローレンKDG−2400、フローレンNC−500、フローレンWK−13E、(以上、共栄社化学社製)、
TEGO Dispers610、TEGO Dispers610S、
TEGO Dispers630、TEGO Dispers650、
TEGO Dispers652、TEGO Dispers655、
TEGO Dispers662C、TEGO Dispers670、
TEGO Dispers685、TEGO Dispers700、
TEGO Dispers710、TEGO Dispers740W、
LIPOTIN A、LIPOTIN BL、
LIPOTIN DB、LIPOTIN SB(以上、エボニック・デグサ社製)、
PB821、PB822、PN411、PA111(以上、味の素ファインテクノ社製)、
テキサホール963、テキサホール964、テキサホール987、テキサホールP60、テキサホールP61、テキサホールP63、テキサホール3250、テキサホールSF71、テキサホールUV20、テキサホールUV21(以上、コグニス社製)、
BorchiGenSN88、BorchiGen0451(以上、ボーシャス社製)等が挙げられる。
【0038】
上記活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物には、その他の成分として、重合禁止剤、酸化防止剤、シランカップリング剤、可塑剤、防錆剤、溶剤、非反応性ポリマー、充填剤、pH調整剤、消泡剤、荷電制御剤、応力緩和剤、浸透剤、導光材、光輝材、磁性材、蛍光体、表面調整剤等の添加剤を必要に応じて使用してもよい。
【0039】
上記活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物は、必要に応じて適宜選択される各種成分を混合し、必要に応じて、使用するインクジェットプリントヘッドのノズル径の約1/10以下のポアサイズを持つフィルターを用い、得られた混合物を濾過することによって、調製できる。なお、インクジェットインク組成物においては、使用される配合剤の配合比を適宜調整することによって、所望の粘度及び表面張力を達成することができる。
【0040】
上記活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物は、その40℃における粘度が、3〜15mPa・sであることが好ましく、5〜10mPa・sであることが更に好ましい。40℃におけるインク粘度が上記特定した範囲内にあれば、良好な吐出安定性が得られる。なお、インク粘度は、B型粘度計を用いて測定できる。
【0041】
上記活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物は、その25℃における表面張力が20〜36mN/mであることが好ましい。25℃におけるインク表面張力が上記特定した範囲内にあれば、良好な吐出安定性が得られる。なお、インク表面張力は、プレート法により測定できる。
【0042】
なお、上記活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物は、一種単独で用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよいが、複数種の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物を用いる場合、各活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物の硬化物は、波長0.8μm〜2.0μmの近赤外線の吸収率の差が50%以下の範囲内にあることが好ましく、30%以下の範囲内にあることが更に好ましい。波長0.8μm〜2.0μmの近赤外線の吸収率の差が50%以下であると、多色の印刷層を形成した場合でも、加熱工程時における印刷層の昇温速度にバラつきが生じにくい。一方、波長0.8μm〜2.0μmの近赤外線の吸収率の差が50%を超えると、加熱工程時における印刷層の昇温速度にバラつきが生じ易く、付着性の向上効果が均一に得られない場合がある。
上記活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物の硬化物とは、後述する硬化工程により該インク組成物を硬化させることにより得られる。また、硬化物の吸収率は、分光光度計を用いて測定できるが、本発明においては、分光光度計を用いて波長0.8μm〜2.0μmの近赤外線の吸収率(%)を1nm毎に測定し、得られた値の平均を算出し、その平均値を波長0.8μm〜2.0μmの近赤外線の吸収率(%)とした。
【0043】
本発明の印刷方法においては、1種又は複数種の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物を用いた印刷により基材上に印刷層を形成しているが、印刷手段としては、種々のインクジェットプリンタに使用することができる。インクジェットプリンタとしては、例えば、荷電制御方式又はピエゾ方式によりインク組成物を噴出させるインクジェットプリンタを挙げることができる。インクジェットプリンタとしては、特に大型インクジェットプリンタ、具体例としては工業ラインに用いられる物品に印刷することを目的としたインクジェットプリンタを好適に適用できる。また、本発明の印刷方法においては、基材へのインク組成物の吐出量が1〜30g/m
2であることが好ましい。
【0044】
本発明の印刷方法は、次いで、印刷工程により基材上に形成された印刷層を硬化させる硬化工程が行われる。ここで、印刷層は、活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物から構成されているため、紫外線等の活性エネルギー線を照射して硬化させることで、耐候性が良好な印刷層を形成することができる。また、上記印刷層を硬化させるために照射する活性エネルギー線の波長は、光重合開始剤の吸収波長と重複していることが好ましく、上記活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物に対しては、活性エネルギー線の主波長が、360〜425nmであることが好ましい。また、活性エネルギー線照射に用いる光源としては、LED、水銀灯、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ等が挙げられる。活性エネルギー線照射の条件は、インク組成物に含まれる成分及び吐出量等に応じて適宜選択され、照射強度や積算光量等を適宜調整すればよい。
【0045】
本発明の印刷方法は、次いで、硬化工程により硬化した印刷層を近赤外線の照射により加熱する加熱工程が行われる。上述したように、近赤外線の照射により印刷層を加熱することで、基材に対する印刷層の付着性を向上させることができる。なお、近赤外線は、エネルギー効率が高い上、環境負荷への軽減も見込まれる。
【0046】
近赤外線は、一般に、波長域が0.7〜2.5μmの赤外線を指すが、本発明の印刷方法の加熱工程において印刷層に照射される近赤外線は、主波長が0.8μm〜2.0μmであることが好ましく、0.8〜1.0μmであることが更に好ましい。また、近赤外線照射に用いる光源からの放射スペクトルは、2.0μm以下の波長域に占めるスペクトル量が、70%以上であることが好ましく、80〜95%であることが更に好ましい。これにより、近赤外線のエネルギー密度が非常に高くなり、印刷層をより効果的且つ効率的に加熱することが可能になる。なお、放射スペクトルは、分光放射計測装置を用いて測定できる。
【0047】
近赤外線照射手段としては、特に限定されるものではなく、通常の近赤外線照射装置が利用できるが、例えば、主波長が0.8μm〜2.0μmであり且つ2.0μm以下の波長域に占めるスペクトル量が70%以上であるような近赤外線を放射するためには、光源を3000〜3500Kのような高温状態で維持できる近赤外線照射装置を利用することが好ましい。また、近赤外線照射に用いる光源としては、タングステンフィラメント等が挙げられる。なお、近赤外線照射装置は、市販品を好適に使用でき、例えば、アドフォス社製NIRエミッター等が挙げられる。
【0048】
上記加熱工程においては、基材に対する印刷層の付着性をより確実に加熱する観点から、加熱工程時における印刷層の温度は100℃〜250℃であることが好ましく、150℃〜230℃であることが更に好ましい。なお、該印刷層の温度が100℃未満では、付着性の向上効果が十分に得られない場合がある。一方、250℃を超えると、印刷層が劣化して、基材から剥がれるおそれもある。印刷層の温度は、非接触の赤外線放射温度計を用いて測定できる。
【0049】
上記加熱工程では、近赤外線照射により印刷層を効率よく加熱できるため、近赤外線の照射時間は短くてもよいが、基材に対する印刷層の付着性をより確実に向上させる観点から、照射時間は5〜30秒であることが好ましい。
【0050】
なお、本発明の印刷方法においては、加熱処理が行われた印刷層を、例えば空冷方式等の通常の冷却手段により冷却することができる。
【0051】
<印刷物>
次に、本発明の印刷物を詳細に説明する。本発明の印刷物は、上述の印刷方法によって得られることを特徴とし、基材と印刷層とを備えており、印刷層の基材への付着性が高い。なお、印刷層の厚さは、特に制限されるものではないが、例えば5〜15μmである。
【実施例】
【0052】
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
【0053】
<インク調製例>
表1に示す配合処方に従う混合物を得、これをビーズミルで練合して均質にし、インク1〜3を調製した。なお、以下の方法に従い、各インク組成物の粘度及び表面張力を測定し、吐出安定性を評価した。また、各インクの硬化物について、波長0.8μm〜2.0μmの近赤外線の吸収率を求めた。結果を表1に示す。
【0054】
(粘度)
40℃におけるインク粘度を、B型粘度計を用いて測定した。
(表面張力)
25℃におけるインク表面張力をプレート法により測定した。
【0055】
(吐出安定性)
活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物を用いたインクジェットプリンタによって画像を基材上に印刷し、その吐出安定性を下記の基準に従い目視で評価した。なお、インクジェットプリンタの印字ヘッドから基材までの距離を1.5mmに設定して印刷を行った。
○:ノズル詰まりを起こすことなく、画像を所定の位置に印刷することができる。
△:ノズル詰まりは発生しないが、わずかに飛行曲りが発生する。
×:ノズル詰まりが発生して、画像に抜けが生じ、更には、インクを所定の位置に付着できず、綺麗な画像を印刷することができない。
【0056】
(波長0.8μm〜2.0μmの近赤外線の吸収率)
活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物を用いたインクジェットプリンタによって3×3cmの画像を基材上に印刷し、その後、主波長385nmのLEDランプを用い、照射条件300mJ/cm
2で紫外線を画像に直接照射し、これを硬化させ、厚さ10μmの印刷層を作製した。
次いで、硬化後の印刷層に対して、分光光度計(島津製作所社製UV−3100PC)を用いて、波長0.8μm〜2.0μmの近赤外線の吸収率を求めた。
【0057】
【表1】
【0058】
a)顔料分散剤(ビックケミー・ジャパン社製)
b)Heliogen Blue L7080(BASF)
c)SicoFast Red 3855(BASF)
d)Raven 450(コロンビアンカーボンジャパン)
e)シリコーン系表面調整剤(信越シリコーン製)
f)2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(BASFジャパン社製)
【0059】
<印刷工程>
実施例1〜3及び比較例1〜5では、表2〜4に従ってインク1〜3をインクジェットプリンタにセットし、ステンレス基材上にインクを10g/m
2にて吐出し、3×3cmの画像(印刷層)を作成した。
実施例4〜6では、表2に従ってインク1〜3をインクジェットプリンタにセットし、ステンレス基材上にインクを10g/m
2にて吐出し、各インクにより3×3cmの画像を印刷し、これらの画像が並んでいる印刷層を作製した。
【0060】
<硬化工程>
印刷後に、主波長385nmのLEDランプを用い、照射条件300mJ/cm
2で紫外線を画像に直接照射し、これを硬化させた。
【0061】
<加熱工程>
実施例1〜6では、硬化後、近赤外線照射機としてアドフォス社製NIRエミッターを用いて、表2に示す主波長及びスペクトル量を示す近赤外線を表2に示す時間照射して印刷層を加熱し、厚さ10μmの印刷層を備える印刷物を作製した。加熱工程が完了したときの印刷層の温度を測定した。結果を表2に示す。なお、表2中、実施例4〜6では、印刷層中の各インクが構成する部分の温度を示す。
比較例1〜2では、硬化後、加熱装置として熱風乾燥機を用いて、印刷層を表3に示す時間加熱し、厚さ10μmの印刷層を備える印刷物を作製した。加熱工程が完了したときの印刷層の温度を測定した。結果を表3に示す。なお、乾燥機の設定温度を200℃に設定した。
比較例3〜4では、硬化後、遠赤外線照射機として株式会社ノリタケカンパニーリミテド製電気式セラミックプレートヒーターPLCを用いて、遠赤外線を表4に示す時間照射して印刷層を加熱し、厚さ10μmの印刷層を備える印刷物を作製した。加熱工程が完了したときの印刷層の温度を測定した。結果を表4に示す。
【0062】
次に、得られた実施例1〜6及び比較例1〜4に対して、印刷層の外観及び付着性を以下の方法で評価した。結果を表2〜4に示す。
【0063】
(印刷層の外観)
目視にてふくれの有無について確認した。
【0064】
(付着性)
印刷層に1mm幅100マスのクロスカットを施し、セロハンテープを十分に接着させて、セロハンテープを剥がした。付着性の評価を以下に示す基準に従って行った。なお、印刷工程及び硬化工程後に加熱工程を行わなかった印刷物(比較例5)の印刷層(厚さ8μm)についても同様に付着性の評価を行った(表4)。
◎:カット部に剥離が確認されない。(100/100)
○:カット部に10%未満の剥離が確認できる。(91〜99/100)
△:カット部の一部は残ったが、剥離箇所が10%以上認できる。(1〜90/100)
×:カット部全面に剥離が確認できる。(0/100)
括弧内の数字は、セロハンテープを剥がしたときに基材上に残ったマスの数を示す。
【0065】
【表2】
【0066】
【表3】
【0067】
【表4】