【実施例】
【0015】
図1は、本発明の第1の実施例に係るノイズリダクション機能を備えた電子装置の構成例を示すブロック図である。電子装置10は、マイクロフォン100、アンプ110A、110B、DSP(信号処理部)120、スピーカ130、ナビゲーション部140、車両状態検出部150、撮像部160、表示部170、記憶部180、および制御部190を含んで構成される。
【0016】
マイクロフォン100は、例えば、車内に1つまたは複数設置され、車室内のノイズを含む外来音声を入力する。外来音声に含まれるノイズは、エンジン音、ロードノイズ、風切り音などである。仮に、スピーカ130から楽曲が出力されている場合には、マイクロフォン100は、当該楽曲とノイズの双方を含む外来音声を入力する。第1の実施例では、楽曲が再生されておらず、マイクロフォン100から外来音声としてノイズが入力される例を説明する。
【0017】
マイクロフォン100から入力されたノイズNsは、電気信号に変換され、当該電気信号がアンプ110Aにより増幅され、DSP120に入力される。DSP120は、ノイズ信号Nsをデジタル信号に変換し、ノイズ信号Nsを打ち消すようなキャンセル信号Csを生成する。
図2は、DSP120に搭載されるノイズ低減機能の構成例を示す図である。DSP120は、アナログ信号をデジタル信号に変換するA/Dコンバータ122A、デジタル信号をアナログ信号に変換するD/Aコンバータ122B、信号解析部124、キャンセル信号生成部126、キャンセル信号補正部128を含んで構成される。
【0018】
A/Dコンバータ122Aは、アンプ110Aから出力されたノイズ信号Nsをデジタル信号に変換する。信号解析部124は、デジタル変換されたノイズ信号Nsを受け取り、ノイズ信号Nsの周波数特性や振幅レベル等を解析する。この解析結果は、キャンセル信号生成部126へ提供される。キャンセル信号生成部126は、信号解析部124の解析結果に基づき、ノイズ信号Nsと逆位相の関係にあるキャンセル信号を生成する。D/Aコンバータ122Bは、生成されたキャンセル信号をアナログ音声信号に変換し、このキャンセル音声信号Csがアンプ110Bを介してスピーカ130から車内空間に出力される。
【0019】
キャンセル信号補正部128は、制御部190からの制御信号S1に基づきキャンセル信号の補正を行う。キャンセル信号を補正することで、運転状況または運転状態に応じたノイズ低減機能が実現される。具体的には、キャンセル信号補正部128は、キャンセル信号生成部126が生成するキャンセル信号の周波数を補正したり、あるいはキャンセル信号生成部126が生成するキャンセル信号の振幅を補正する。前者のキャンセル信号の周波数の補正は、例えば、特定の周波数のノイズのみを低減し、それ以外の周波数のノイズを低減しないような選択的なノイズの低減または除去を可能にする。また、後者のキャンセル信号の振幅の補正は、ノイズ信号の振幅レベルと同じ振幅レベルのキャンセル信号を生成させたり、あるいはノイズ信号の振幅レベルよりも小さい振幅レベルのキャンセル信号を生成させ、これにより、キャンセル信号によるノイズ信号を打ち消す度合を変化させる。
【0020】
ナビゲーション部140は、例えば、GPS衛星から送信されるGPS信号、車両に搭載されるジャイロセンサーや加速度センサーの検出結果に基づき自車の現在地を算出し、目的地までの経路を算出したり、自車位置周辺の道路地図を表示部190に表示させる。また、ナビゲーション部140の機能は、自動運転にも利用可能である。自動運転は、走行速度、ステアリング、車間距離、走行車線、ブレーキなどを自動制御するが、これらの制御のためには非常に高精細かつ正確な情報が必須である。例えば、ナビゲーション部140によって利用される道路地図データが高詳細なレーン情報等を備えているとき、そのレーン情報が自動運転に利用され得る。さらに、GPS衛星を利用した自車位置検出が高精度であるとき、この検出結果が自動運転に利用され得る。さらに自車が高速道路または有料道路等の特定の道路を走行しているか否かの情報が自動運転に利用され得る。
【0021】
車両状態検出部150は、車両に関する状態を検出する。例えば、車内バスを介して速度、ギアポジション、エンジン回転数、ステアリング角度、ウィンカーの有無、オートクルージング機能のオン/オフ情報、座席センサーの出力情報などを検出する。さらに車両状態検出部150は、自車が自動運転か否かに関する情報を検出できるものであってもよい。自動運転を示す情報は、例えば、車内バスを介して取得されるものであっても良いし、あるいは、自動運転またはマニュアル運転の切替えを指示するためのユーザー入力(例えば、入力ボタンまたはタッチ入力)が設けられている場合には、当該ユーザー入力を介して指示された情報を取得するものであってもよい。
【0022】
撮像部160は、車内を撮像する車内カメラおよび、車外を撮像する車外カメラを含む。車内カメラは、運転者や同乗者を撮像し、車外カメラは、フロントビューカメラ、リアビューカメラ、サイドビューカメラ等により自車周辺を撮像する。撮像カメラ160によって撮像された画像データは、制御部190に提供され、そこで車両状態の判定に利用され得る。
【0023】
記憶部180は、種々のデータやソフトウエア等を記憶することができる。例えば、ナビゲーション部140で利用される地図データが記憶される。なお、地図データには、道路の区間を表すリンクデータが含まれており、自動運転が可能な区間のリンクデータには、フラグが設定されるようにしてもよい。ナビゲーション部140が自動運転と連動されるとき、当該フラグ情報等を参照することで現在自動運転か否かを判定することが可能となる。
【0024】
制御部190は、好ましい態様では、ROM、RAMなどを含むマイクロコントローラ等から構成され、ROMまたはRAMは、電子装置10の各部の動作を制御するための種々のプログラムを格納することができる。第1の実施例では、制御部190は、運転状態に応じてノイズ低減機能を制御するためのノイズ低減プログラム200を実行する。
【0025】
図3に、ノイズ低減プログラム200の機能的な構成例を示す図である。ノイズ低減プログラム200は、運転情報取得部210、運転状態判定部220およびノイズ低減補正部230を含んで構成される。
【0026】
運転情報取得部210は、ナビゲーション部140、車両状態検出部150、撮像部160などから運転に関する運転情報を取得する。運転状態判定部220は、運転情報取得部210により取得された運転情報に基づき自動運転状態か否かを判定する。運転情報取得部210で取得された運転情報に、自動運転かマニュアル運転かを示す情報が含まれている場合には、それに従うことになるが、そのような情報が含まれていない場合には、取得した運転情報から自動運転か否かを判定する。例えば、自車が走行している道路が自動運転の対象道路としてフラグが設定されているか否か、オートクルージング機能がオンか、撮像部160により撮像された運転者が運転動作をしていないか、などから自動運転か否かを判定するようにしてもよい。
【0027】
ノイズ低減補正部230は、運転状態判定部220の判定結果に基づきノイズ低減の度合いを決定し、その決定に応じた制御信号S1をキャンセル信号補正部128に出力する。具体的には、ノイズ低減補正部230は、自動運転かマニュアル運転かに応じてノイズ低減の度合いを補正する。ノイズ低減の度合の補正方法は、例えば、低減すべきノイズの選択および/またはキャンセル信号の振幅の補正である。
図4に、ノイズ低減補正部230の補正内容の一例を示す。自動運転と判定された場合、ノイズ低減補正部230は、例えば、全帯域でノイズが低減されるような補正を行い、マニュアル運転と判定された場合、例えば、ロードノイズのみが低減される補正を行う。
図4の補正内容は任意に設定できるものであり、例えば、マニュアル運転時に、エンジン音を低減させるようにしてもよい。好ましい態様では、
図5に示すように、エンジン回転数や車速に対応するノイズの周波数を示したノイズ情報が予め記憶部180に記憶される。ノイズ低減補正部230は、ノイズ情報を参照することで、エンジン回転数や車速に応じたノイズ低減対象となる周波数を選択する。例えば、ロードノイズを低減しようとする場合、エンジン回転数または車速のいずれか、または双方の平均等によりロードノイズの周波数帯域を選択する。
【0028】
さらにノイズ低減補正部230は、
図4に示すように、キャンセル信号の振幅を補正することも可能である。例えば、自動運転と判定された場合には、ノイズ低減補正部230は、振幅レベルのゲインG=1とし、マニュアル運転と判定された場合には、振幅レベルのゲインG=0.5に設定する。ゲインG=1のとき、キャンセル信号の振幅レベルは、ノイズ信号の振幅レベルとほぼ同じ値である。ゲインG=0.5であれば、その振幅レベルは約半分であり、それ故、ロードノイズの低減機能が弱められる。ゲインG=0を設定した場合には、振幅が0となるので、事実上、ノイズは低減されない。
図4に示す補正は一例であり、低減対象の周波数の選択および振幅レベルの補正の組み合わせは任意に設定することが可能である。さらにノイズ低減補正部230は、ノイズの選択または振幅レベルの補正のいずれか一方のみを行うものであってもよいし、ノイズの選択が複数あるとき(例えば、ロードノイズと風切り音)、それぞれに異なる振幅レベルのゲインを設定するようにしてもよい。
【0029】
次に、本実施例の電子装置におけるノイズ低減動作を
図6のフローチャートを参照して説明する。先ず、運転情報取得部210により、運転に関する情報が取得され(S100)、次に、運転判定部220は、取得した運転情報に基づき自動運転かマニュアル運転かを判定する(S102)。自動運転と判定された場合には(S104)、ノイズ低減補正部230は、例えば、
図4に示すように全帯域においてノイズキャンセル信号が生成され、かつその振幅レベルのゲインG=1となるように、キャンセル信号補正部128に制御信号Sを出力し、ノイズ低減の度合を相対的に高くする(S106)。この結果、車内にはノイズが除去された静寂な空間が提供される。
【0030】
一方、マニュアル運転と判定された場合には(S104)、ノイズ低減補正部230は、例えば、
図4に示すようにロードノイズが低減され、かつその振幅レベルのゲインG=0.5となるように、キャンセル信号補正部128に制御信号Sを出力し、ノイズ低減の度合いを相対的に弱くする(S108)。この結果、運転者、エンジンサウンドおよび比較的小さなロードノイズを聴くことができる。
【0031】
このように第1の実施例によれば、自車が自動運転かマニュアル運転かに応じてノイズ低減の度合いを変更することができる。多くの場合、自動運転中はノイズ低減の度合が高められ、マニュアル運転中はノイズ低減の度合が低められることが想定され、自動運転中は、ノイズ低減機能により静寂な車内環境が作られ、マニュアル運転中は、外部音が聴こえる車内環境が作られる。
【0032】
第1の実施例では、運転状態判定部220が自動運転か、マニュアル運転かを判定し、それに応じたノイズ低減を行うものであるが、運転状態判定部220が、半自動運転か否かを判定することができる場合には、ノイズ低減補正部230は、半自動運転に応じたノイズ低減を行うことも可能である。例えば、半自動運転と判定された場合には、運転者が一部の運転操作をすることになるので、完全な自動運転のときと比べて多少の外部音(ノイズ)を聴くことができる車内環境が望ましい。それ故、例えば、全帯域のノイズを低減しつつ、その振幅レベルが幾分低減されるようなゲインGを設定するようにしてもよい。
【0033】
次に、本発明の第2の実施例について説明する。自動運転からマニュアル運転への切替えを行う場合には、運転者にとって、マニュアル運転のための準備期間が必要である。第2の実施例では、運転者にマニュアル運転を促すような場合には、その準備段階においてノイズをダイレクトに再生したり、これを増幅させる。
【0034】
第2の実施例において、運転状態判定部220は、運転者にマニュアル運転を促すタイミングを判定する。例えば、運転状態判定部220は、道路地図のリンクデータを参照し、自車が走行している道路が自動運転対応の道路(例えば、高速道路)から自動運転対応でない道路(一般道路)に切替わるタイミングを判定する。あるいは、ナビゲーション部により探索された経路において、自動運転の経路とマニュアル運転の経路の区別が成されている場合には、その境界のタイミングを判定する。
【0035】
運転状態判定部220によって、マニュアル運転を促すタイミングが判定されると、ノイズ低減補正部230は、マニュアル運転に切替わるまでの期間、外部音が聴こえるようなノイズ補正を行う。
図7に、ノイズ低減補正部230による補正例を示す。マニュアル準備期間と判定されたとき、例えば、マニュアル運転に到達するまでの期間が、期間1、期間2、期間3に分割される。期間3は、
図4に示したマニュアル運転のときの補正内容に一致する。ノイズ低減補正部230は、先ず、期間1において、ノイズ低減対象の周波数を全帯域とするが、振幅レベルのゲインG=0.3にすることで、自動運転のときよりも若干ノイズ(外部音)が聴こえる車内環境を作る。
【0036】
次に、期間2において、振幅レベルのゲインG=0にする。これは、キャンセル信号の振幅が「0」を意味する。それ故、結果として、低減対象の周波数なしとなる。この場合、キャンセル信号生成部126は、入力されたノイズ信号の位相反転を行わず、ノイズ信号をそのまま出力する。これにより、スピーカ130からノイズがダイレクトに再生される。さらにノイズ低減補正部230は、アンプ110Bに対して制御信号S2を出力し、DSP120から出力されるノイズ信号を増幅させるようにしてもよい。これにより、比較的大きなノイズが聴こえる車内環境が作られ、運転者は、マニュアル運転への準備を知ることができる。次の期間3において、ノイズ低減補正部230は、
図4に示すマニュアル運転のときの補正内容となるように制御信号S1をキャンセル信号補正部128へ出力する。
【0037】
図8は、第2の実施例の動作を示すフローチャートである。ステップS100〜S106までは、第1の実施例のときと同様である。第2の実施例では、運転状態判定部220は、自動運転と判定しているときに、マニュアル運転への準備を促すタイミングを判定すると(S200)、ノイズ低減補正部230は、
図7に示すような補正を行い、ノイズがダイレクト再生または増幅される(S202)。その後、運転状態判定部220によってマニュアル運転と判定されると、マニュアル運転時のノイズ低減の補正が実行される(S204)。
【0038】
第2の実施例によれば、マニュアル運転への切替えの準備期間中に、ノイズをダイレクト再生または増幅させることで、マニュアル運転への切替えが発生することを運転者に知らせることができる。これにより、運転者は、マニュアル運転への準備開始をし易くなる。
【0039】
なお、
図7に示すノイズ低減の補正内容は一例であり、例えば、準備期間を複数の期間に分割することは必須ではない。マニュアル準備期間中に、少なくとも自動運転のときよりも大きなノイズが車内空間に出力されるような補正であってもよい。さらに、ノイズのダイレクト再生または増幅は、例えば、キャンセル信号生成部126の振幅ゲインG=0にし、かつマイクロフォン100から入力されたノイズ信号をアンプ110Bに直接入力し、これを出力するようにしてもよい。
【0040】
次に、本発明の第3の実施例について説明する。
図9は、第3の実施例に係る電子装置10Aの構成を示すブロック図であり、第3の実施例では、マルチメディア再生部300を備えている。マルチメディア再生部300は、DVD、CD、ブルーレイディスク等の記録媒体に記録されたオーディオデータ、ビデオデータ等を再生し、再生されたオーディオ信号は、スピーカ130から出力され、ビデオ信号は表示部170に表示される。
【0041】
マルチメディア再生部300によってオーディオ信号Dが再生されているとき、マイクロフォン100から入力される外来音声は、再生されたオーディオ信号DとノイズNsとを含む。DSP120の信号解析部124は、マルチメディア再生部300によって再生され伝達関数で補正されたオーディオ信号Dと、外来信号D+Nsとを入力し、そこからノイズ信号Nsを抽出し、ノイズ信号Nsをキャンセル信号生成部126へ提供する。
【0042】
第3の実施例において、ノイズ低減補正部230は、例えば、マルチメディア再生部300によりマルチメディアが再生されている場合には、自動運転かマニュアル運転かにかかわらず、ノイズ低減の度合いを高めるようにし、楽曲を聴きやすい車内環境を作るようにしてもよい。
図10に第3の実施例によるノイズ低減の動作フローを示す。
第3の実施例では、先ず、運転状態判定部220によってマルチメディア再生部300がマルチメディアを再生しているか否かが判定され(S300)、マルチメディアが再生されていない場合には、第1および第2の実施例と同様にステップS100〜S108のフローが実施される。他方、マルチメディアが再生されていると判定された場合には、自動運転のときのノイズ低減と同様に、ノイズ低減の度合を高くするような補正が実施される(S302)。
【0043】
このように第3の実施例によれば、楽曲等を再生中の場合には、ノイズ低減の機能を高めることで、楽曲を聴きやすい車内環境を優先し、楽曲等を再生していない場合には、自動運転またはマニュアル運転に応じたノイズ低減が行われる。
【0044】
次に、本発明の第4の実施例について説明する。
図11は、第4の実施例に係る電子装置10Bの構成を示すブロック図である。第4の実施例に係る電子装置10Bは、運転席、助手席、左右の後部座席のそれぞれに、座席センサーと、スピーカ130A、130B、130C、130Dが設けられる。座席センサーは、各座席に乗員の有無を検出し、この検出結果は運転情報取得部210を介して運転状態判定部220へ提供され、運転状態判定部220は、座席センサーの検出結果に基づき座席毎のノイズ低減を行う。また、DSP120は、複数のチャンネルを有し、各チャンネルの音声信号は、スピーカ130A、130B、130C、130Dにそれぞれ対応する。キャンセル信号生成部126は、各チャンネル毎のキャンセル信号を生成し、キャンセル信号補正部120は、ノイズ低減補正部230からの制御信号S1に基づきキャンセル信号生成部126を制御することで、座席毎のノイズ低減が実施される。
【0045】
図12は、第4の実施例に係るノイズ低減の補正内容の一例を示すテーブルである。この例では、運転状態判定部220によって自動運転と判定されたとき、ノイズ低減補正部230は、座席センサーの検出結果にかかわらず、全座席のノイズが低減されるようにキャンセル信号補正部128を制御し、マニュアル運転と判定されたとき、乗員のいる座席のノイズが低減されるようにキャンセル信号補正部128を制御する。このときのノイズ低減の度合いは、
図4に示すような補正であってもよいし、あるいは自動運転またはマニュアル運転を問わず、双方においてノイズ低減の度合いを大きくするような補正であってもよい。このような制御により、自動運転時には、静寂な車内環境が常に提供され、マニュアル運転時には、乗員のいる座席のみに静寂な空間を提供することができる。
【0046】
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の要旨の範囲において、種々の変形、変更が可能である。