【解決手段】同期センサー21が第1検出箇所P1において袋が無い状態から有る状態を検出した際に、第1袋検出センサー22による第2検出箇所P2における袋10の有無の検出結果が取得され、当該検出結果が第2検出箇所P2に袋10が存在しないことを示す場合には袋10に異常があると認定される。また同期センサー21が第1検出箇所P1において袋10が有る状態から無い状態を検出した際に、第2袋検出センサー23による第3検出箇所P3における袋10の有無の検出結果が取得され、当該検出結果が第3検出箇所P3に袋10が存在しないことを示す場合には袋10に異常があると認定される。
前記第2検出箇所及び前記第3検出箇所は、前記袋の搬送方向と垂直を成し前記袋が延在する方向に関し、前記第1検出箇所とは異なる位置に配置されている請求項1に記載の袋異常検知装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述の特許文献2に開示の検知装置によれば、袋が適正な状態で搬送されているか否かを検知できるが、センサーの位置を袋のサイズ及び形状に応じて調整する必要がある。すなわち特許文献2の検知装置では、袋頂部の上限位置及び下限位置を検知するための位置に配置された第1センサー及び第2センサーの検出結果に応じて袋が適正な状態で搬送されているか否かが判定されるが、第1センサー及び第2センサーの具体的な検出位置は袋のサイズに応じて決定されることが必要である。
【0009】
そのため第1センサー及び第2センサーによる検出位置は、搬送対象の袋のサイズに応じて厳密に調整する必要がある。したがって様々なサイズの袋を搬送する搬送機では、搬送対象の袋のサイズが変更される度にセンサーの細かい調整が必要になり、非常に手間がかかるだけではなく、厳密な調整精度が求められる。
【0010】
また上述のような従来の検知装置では、袋の搬送速度が大幅に変更される場合にも問題が生じうる。特許文献2に開示の検知装置では、各センサーによる袋の検出タイミングは予め設定されている。間欠回転テーブルに設置されたグリッパーによって袋が間欠移動する場合、袋が停止するタイミングで各センサーの検出結果が取得されて袋の姿勢が適正か否かが検知されている。しかしながら、袋の角部の状態を検出するために、各センサーによる検出位置が袋の角部ぎりぎりに設定されることがあり、袋の僅かなずれによって各センサーによる検出結果が変わることがある。その一方で、グリッパーによって把持されている袋の姿勢に問題はないが、グリッパーに袋を受け渡す際に袋の把持位置が幅方向に僅かにずれることがある。そのような場合、袋の姿勢は適正であるにもかかわらず、各センサーによる検出結果は袋の姿勢が不適正であることを示すため、正常な判定ができない。さらに、袋が間欠搬送されるケースのように袋が停止する場合には停止した状態の袋を撮影し撮影画像から袋の状態の適否を検知することも可能かもしれないが、袋が連続的に搬送されるケースではそのような撮影画像に基づく検知も難しい。
【0011】
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、厳密な配置調整を必ずしも必要とすることなく、様々なサイズの袋の状態の異常の有無を精度良く検知することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一態様は、搬送される袋の異常を検知する袋異常検知装置であって、袋の搬送経路のうちの第1検出箇所における袋の有無を検出する同期センサーと、搬送経路のうち、袋の搬送方向に関して第1検出箇所と同じ位置又は第1検出箇所よりも上流側の第2検出箇所における袋の有無を検出する第1袋検出センサーと、搬送経路のうち、袋の搬送方向に関して第1検出箇所と同じ位置又は第1検出箇所よりも下流側の第3検出箇所における袋の有無を検出する第2袋検出センサーと、同期センサー、第1袋検出センサー及び第2袋検出センサーを制御するコントローラーと、を備え、コントローラーは、同期センサーが第1検出箇所において袋が無い状態から有る状態を検出した際に、第1袋検出センサーによる第2検出箇所における袋の有無の検出結果を取得し、当該検出結果が第2検出箇所に袋が存在しないことを示す場合には袋に異常があると認定し、同期センサーが第1検出箇所において袋が有る状態から無い状態を検出した際に、第2袋検出センサーによる第3検出箇所における袋の有無の検出結果を取得し、当該検出結果が第3検出箇所に袋が存在しないことを示す場合には袋に異常があると認定する袋異常検知装置に関する。
【0013】
本態様によれば、同期センサー、第1袋検出センサー及び第2袋検出センサーの厳密な配置調整を必ずしも必要とすることなく、様々なサイズの袋の搬送状態の異常の有無を精度良く検知することができる。
【0014】
第2検出箇所及び第3検出箇所は、袋の搬送方向と垂直を成し袋が延在する方向に関し、第1検出箇所とは異なる位置に配置されてもよい。
【0015】
本態様によれば、袋のうち、袋の搬送方向と垂直を成し且つ袋が延在する方向に関して第1検出箇所とは異なる位置に対応する部分の、異常の有無を検知できる。
【0016】
袋は、鉛直方向に延在する状態で搬送され、第2検出箇所及び第3検出箇所は、鉛直方向に関して第1検出箇所よりも上方に配置されてもよい。
【0017】
本態様によれば、袋のうちの鉛直方向上方側の部分に関する異常の有無を検知できる。
【0018】
袋は、鉛直方向に延在する状態で搬送され、第2検出箇所及び第3検出箇所は、鉛直方向に関して第1検出箇所よりも下方に配置されてもよい。
【0019】
本態様によれば、袋のうちの鉛直方向下方側の部分に関する異常の有無を検知できる。
【0020】
同期センサーは、第1同期サブセンサー及び第2同期サブセンサーを含み、第1検出箇所は、袋搬送経路のうちの第1サブ検出箇所及び第2サブ検出箇所を含み、第1同期サブセンサーは、第1サブ検出箇所における袋の有無を検出し、第2同期サブセンサーは、第2サブ検出箇所における袋の有無を検出し、第2検出箇所は、袋の搬送方向に関して第1サブ検出箇所と同じ位置又は第1サブ検出箇所よりも上流側に位置し、第3検出箇所は、袋の搬送方向に関して第2サブ検出箇所と同じ位置又は第2サブ検出箇所よりも下流側に位置し、コントローラーは、第1サブ同期センサーが第1サブ検出箇所において袋が無い状態から有る状態を検出した際に、第1袋検出センサーによる第2検出箇所における袋の有無の検出結果を取得し、当該検出結果が第2検出箇所に袋が存在しないことを示す場合には袋に異常があると認定し、第2サブ同期センサーが第2サブ検出箇所において袋が有る状態から無い状態を検出した際に、第2袋検出センサーによる第3検出箇所における袋の有無の検出結果を取得し、当該検出結果が第3検出箇所に袋が存在しないことを示す場合には袋に異常があると認定してもよい。
【0021】
本態様によれば、第1同期サブセンサー、第2同期サブセンサー、第1袋検出センサー及び第2袋検出センサーの厳密な配置調整を必ずしも必要とすることなく、様々なサイズの袋の搬送状態の異常の有無を精度良く検知することができる。
【0022】
第3検出箇所は、第1検出箇所から3mm以内の範囲にあってもよい。
【0023】
本態様によれば、袋の搬送方向に関して様々なサイズを有する袋の異常の有無を検知することできる。
【0024】
袋は、グリッパーに把持された状態で搬送され、第1検出箇所は、搬送経路を搬送される袋を把持するグリッパーよりも鉛直方向下側に位置し、第2検出箇所及び第3検出箇所は、搬送経路を搬送される袋を把持するグリッパーよりも鉛直方向上側に位置してもよい。
【0025】
本態様によれば、搬送される袋のうち、グリッパーよりも鉛直方向上側の部分の異常の有無を、適切なタイミングで精度良く検知することができる。
【0026】
本発明の他の態様は、搬送される袋の異常を検知する袋異常検知方法であって、同期センサーによって、袋の搬送経路のうちの第1検出箇所における袋の有無を検出する工程と、第1袋検出センサーによって、搬送経路のうち第1検出箇所又は袋の搬送方向に関して第1検出箇所よりも上流側の第2検出箇所における袋の有無を検出する工程と、第2袋検出センサーによって、搬送経路のうち第1検出箇所又は袋の搬送方向に関して第1検出箇所よりも下流側の第3検出箇所における袋の有無を検出する工程と、を備え、同期センサーが第1検出箇所において袋が無い状態から有る状態を検出した際に、第1袋検出センサーによる第2検出箇所における袋の有無の検出結果が取得され、当該検出結果が第2検出箇所に袋が存在しないことを示す場合には袋に異常があると認定され、同期センサーが第1検出箇所において袋が有る状態から無い状態を検出した際に、第2袋検出センサーによる第3検出箇所における袋の有無の検出結果が取得され、当該検出結果が第3検出箇所に袋が存在しないことを示す場合には袋に異常があると認定される袋異常検知方法に関する。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、同期センサー、第1袋検出センサー及び第2袋検出センサーの厳密な配置調整を必ずしも必要とすることなく、様々なサイズの袋の搬送状態の異常の有無を精度良く検知することができる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図面を参照して本発明の典型的な実施形態について説明する。以下の各実施形態に係る袋異常検知装置は、袋詰め包装機においてグリッパーにより両側縁端部が把持されて鉛直方向に吊り下げられた状態で搬送される袋の異常を検知するための装置であり、例えば袋の折れ曲がりや位置ずれを検知することができる。なお、下述の各実施形態に係る袋異常検知装置(袋異常検知方法)は例示に過ぎず、例えば「鉛直方向に吊り下げられた状態」以外の状態(例えば、寝かされた状態)で搬送される袋の異常を検知するための袋異常検知装置(袋異常検知方法)に対しても、本発明は有効に適用可能である。また本発明に係る袋異常検知装置は、袋の搬送を伴う様々な機械(システム)に対して広く適用可能であり、例えば「内容物を袋に投入する袋詰め工程」が行われない機械(袋詰め包装機以外の機械)に対しても本発明を有効に適用可能である。
【0030】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る袋異常検知装置5の概要を示す図である。
【0031】
本実施形態に係る袋異常検知装置5は、袋10の搬送経路のうちの第1検出箇所P1における袋10の有無を検出する同期センサー21と、搬送経路のうち第2検出箇所P2における袋10の有無を検出する第1袋検出センサー22と、搬送経路のうち第3検出箇所P3における袋10の有無を検出する第2袋検出センサー23とを備える。
【0032】
図1において、同期センサー21、第1袋検出センサー22及び第2袋検出センサー23の検出可能領域は、紙面と垂直な方向に延在し、それぞれ第1検出箇所P1、第2検出箇所P2及び第3検出箇所P3を通過する領域となっている。同期センサー21、第1袋検出センサー22及び第2袋検出センサー23の種類は特に限定されず、例えば発光素子と受光素子との組み合わせによって構成される光検出器を同期センサー21、第1袋検出センサー22及び第2袋検出センサー23として有効に使用できる。
【0033】
同期センサー21は、搬送される袋10の側縁端部11を検出するためのセンサーである。同期センサー21によって袋10の有無が検出される第1検出箇所P1は、搬送される袋10の側縁端部11が通過する位置に設定される。本実施形態では、一対のグリッパー12によって袋10の両側縁部が把持され、袋10は鉛直方向に延在する吊り下げ状態で搬送される。第1検出箇所P1は、搬送経路を搬送される袋10を把持するグリッパー12よりも鉛直方向D2に関して下側(鉛直方向下側)に位置する。袋10の側縁端部を同期センサー21によって確実に検出する観点からは、搬送される袋10の側縁端部のうち「状態に関して異常を有さない蓋然性が高い部分」が通過する位置に第1検出箇所P1を配置することが好ましい。そのため本実施形態では、グリッパー12の直下(例えばグリッパー12から鉛直方向下側へ20mm以内の範囲、好ましくは10mm以内の範囲)に第1検出箇所P1は配置される。
【0034】
第1袋検出センサー22は、袋10のうちの搬送方向先端側の部分(以下、「先端部(先頭部)」とも称する)の有無を検出するセンサーであって、搬送方向先端側の袋10の状態が適正か否かを検出するためのセンサーである。第1袋検出センサー22によって袋10の有無が検出される第2検出箇所P2は、搬送経路のうち、袋の搬送方向D1に関して第1検出箇所P1と同じ位置又は第1検出箇所P1よりも上流側(
図1の矢印「Du」参照)に設定される。特に本実施形態の第2検出箇所P2は、搬送される袋10の先端部の上方端部(すなわち鉛直方向上側の部分)が通過する位置に設定され、袋10を把持するグリッパー12よりも鉛直方向上側に位置し、鉛直方向D2に関して第1検出箇所P1よりも上方に配置される。
【0035】
第2袋検出センサー23は、袋10のうちの搬送方向後端側の部分(以下、「後端部(後尾部)」とも称する)の有無を検出するセンサーであって、搬送方向後端側の袋10の状態が適正か否かを検出するためのセンサーである。第2袋検出センサー23によって袋10の有無が検出される第3検出箇所P3は、搬送経路のうち、袋10の搬送方向D1に関して第1検出箇所P1と同じ位置又は第1検出箇所P1よりも下流側(
図1の矢印「Dd」参照)に設定される。特に本実施形態の第3検出箇所P3は、搬送される袋10の後端部の上方端部(すなわち鉛直方向上側の部分)が通過する位置に設定され、袋10を把持するグリッパー12よりも鉛直方向上側に位置し、鉛直方向D2に関して第1検出箇所P1よりも上方に配置される。
【0036】
なお袋10の折れ曲がりやずれの影響は、通常は袋10の端部において顕著に現れやすい。そのため第1袋検出センサー22及び第2袋検出センサー23による検出箇所(第2検出箇所P2及び第3検出箇所P3)は、袋10の端部に設定されることが好ましい。これらの第2検出箇所P2及び第3検出箇所P3が袋10の最外部に対応する位置に近づく程、包装袋10の異常の有無に関する検知はシビアになり、僅かな折れ曲がりやずれを検出することができるようになる。ただし、第2検出箇所P2及び第3検出箇所P3は正常な袋10が搬送時に通過する位置に設定される必要があるため、第2検出箇所P2及び第3検出箇所P3をグリッパー12から離れた位置(特に鉛直方向の上側又は下側方向に関して離れた位置)に設定する程、検出可能な袋10のサイズが限定される。したがって、検出対象とする袋10のサイズ(特に鉛直方向に関するサイズ)及び必要とされる検出精度を考慮し、第2検出箇所P2及び第3検出箇所P3の位置(特に鉛直方向に関する位置)を決めることが望ましい。
【0037】
図2は、コントローラー30に接続される同期センサー21、第1袋検出センサー22及び第2袋検出センサー23の接続関係を示すブロック図である。上述の同期センサー21、第1袋検出センサー22及び第2袋検出センサー23はコントローラー30によって制御され、検出結果(検出信号)をコントローラー30に送信する。本実施形態に係るコントローラー30は、同期センサー21の検出結果に応じて第1袋検出センサー22及び第2袋検出センサー23の検出結果を取得し、当該検出結果に基づいて袋10の異常の有無を検知する。
【0038】
コントローラー30にはエラー処理装置40が接続され、コントローラー30は、搬送される袋10に異常があると認定した場合、異常が有ると認定された袋10を特定するエラー情報をエラー処理装置40に送る。エラー処理装置40は、コントローラー30からのエラー情報に基づいて、「異常が有ると認定された袋10」を「異常が有るとは認定されなかった袋10」と識別する処理を行う。エラー処理装置40によって行われる識別処理の具体的な内容は特に限定されないが、典型的には、エラー処理装置40のコントロール下で「異常が有ると認定された袋10」が搬送経路から排出される。
【0039】
図3は、第1実施形態に係る袋異常検知装置5によって袋10の先端部の状態を検知するメカニズムを説明するための図であり、(a)は袋10の先端部の状態が適正な場合を示し、(b)は袋10の先端部の状態が不適正な場合を示す。コントローラー30は、同期センサー21が第1検出箇所P1において「袋10が無い状態」から「袋10が有る状態」を検出した際に、第1袋検出センサー22による第2検出箇所P2における袋10の有無の検出結果を取得する。このようにコントローラー30は、「袋10の搬送方向先端側の側縁端部11が第1検出箇所P1を通過する際に、第2検出箇所P2において袋10が存在するか否かを示すデータ」を第1袋検出センサー22から取得する。
【0040】
袋10の先端部(
図3(a)及び(b)に示す例では袋10の左上端部)が適正な状態で把持されて折れ曲がりや位置ずれを有しない場合(
図3(a)参照)、袋10の一部が第2検出箇所P2に配置される。一方、袋10の先端部が折れ曲がっていたり位置ずれを有し適正な状態で把持されていない場合(
図3(b)参照)、第2検出箇所P2に袋10が配置されない。したがって同期センサー21が第1検出箇所P1において「袋10が無い状態」から「袋10が有る状態」を検出した際における第1袋検出センサー22の検出結果が「第2検出箇所P2に袋10が存在する」ことを示す場合、コントローラー30は、袋10の先端部が適正な状態で異常が無いと認定する(
図3(a)参照)。一方、この第1袋検出センサー22の検出結果が「第2検出箇所P2に袋10が存在しない」ことを示す場合、コントローラー30は、袋10の先端部に異常(折れ曲がりやずれ等)があると認定する(
図3(b)参照)。
【0041】
図4は、第1実施形態に係る袋異常検知装置5によって袋10の後端部の状態を検知するメカニズムを説明するための図であり、(a)は後端部が適正な場合を示し、(b)は後端部が不適正な場合を示す。コントローラー30は、同期センサー21が第1検出箇所P1において「袋10が有る状態」から「袋10が無い状態」を検出した際に、第2袋検出センサー23による第3検出箇所P3における袋10の有無の検出結果を取得する。この第2袋検出センサー23の検出結果が「第3検出箇所P3に袋10が存在する」ことを示す場合、コントローラー30は、袋10の後端部(
図4(a)及び(b)に示す例では袋10の右上端部)が適正な状態で異常が無いと認定する(
図4(a)参照)。一方、この第2袋検出センサー23の検出結果が「第3検出箇所P3に袋10が存在しない」ことを示す場合、コントローラー30は、袋10の後端部に異常があると認定する(
図4(b)参照)。
【0042】
図5は、搬送される袋10の異常を検知する袋詰め包装機における袋異常検知方法の一例を示すフローチャートである。
【0043】
まず、同期センサー21によって、袋10の搬送経路のうちの第1検出箇所P1における袋10の有無を検出する工程が行われる。すなわち第1検出箇所P1において袋10が無い状態(検出OFF)から有る状態(検出ON)を同期センサー21が検出したか否かが判定される(
図5のS11)。同期センサー21の検出結果から第1検出箇所P1において袋10が無い状態が検出されている間は、同期センサー21によって継続的に検出処理が行われる(S11のN)。
【0044】
一方、第1検出箇所P1において袋10が無い状態から有る状態が同期センサー21によって検出された場合(S11のY)、コントローラー30は、第1袋検出センサー22の検出結果を取得し、当該検出結果から袋10の先端部の異常の有無を判定する(S12)。すなわち「搬送経路のうちの第2検出箇所P2における袋10の有無を検出する工程」が第1袋検出センサー22によって行われ、コントローラー30は、当該検出結果を第1袋検出センサー22から取得する。このときの第1袋検出センサー22の検出結果が「第2検出箇所P2に袋10が存在しない」ことを示す場合(S12のN)、袋10の先端部には異常があると認定され(S13;
図3(b)参照)、コントローラー30からエラー処理装置40(
図2参照)にエラー情報が送られる。一方、このときの第1袋検出センサー22の検出結果が「第2検出箇所P2に袋10が存在する」ことを示す場合(S12のY)、袋10の先端部には異常がないと認定され(S14;
図3(a)参照)、コントローラー30からエラー処理装置40にエラー情報は送られない。
【0045】
次に、袋10の後端部の異常の有無が判定される。すなわち袋10の先端部における異常の有無が認定された後に、第1検出箇所P1において袋10が有る状態(検出ON)から無い状態(検出OFF)を同期センサー21が検出したか否かが判定される(S15)。第1検出箇所P1において袋10が有る状態を同期センサー21の検出結果が示している間は、同期センサー21によって継続的に検出が行われる(S15のN)。
【0046】
一方、第1検出箇所P1において袋10が有る状態から無い状態が同期センサー21によって検出された場合(S15のY)、コントローラー30は、第2袋検出センサー23の検出結果を取得し、当該検出結果から袋10の後端部の異常の有無を判定する(S16)。すなわち「搬送経路のうちの第3検出箇所P3における袋10の有無を検出する工程」が第2袋検出センサー23によって行われ、コントローラー30は、当該検出結果を第2袋検出センサー23から取得する。このときの第2袋検出センサー23の検出結果が「第3検出箇所P3に袋10が存在しない」ことを示す場合(S16のN)、袋10の後端部には異常があると認定され(S17;
図4(b)参照)、コントローラー30からエラー処理装置40にエラー情報が送られる。一方、このときの第2袋検出センサー23の検出結果が「第3検出箇所P3に袋10が存在する」ことを示す場合(S16のY)、袋10の後端部には異常がないと認定され(S18;
図4(a)参照)、コントローラー30からエラー処理装置40にエラー情報は送られない。
【0047】
上述の一連の処理(S11〜S18)を経て袋10の異常の有無が検知される。異常が検知された袋10は、エラー処理装置40の制御下で、異常が検知されなかった袋10から識別される。なお、上述の例では袋10の先端部に異常が検知された場合(S13)にも袋10の後端部における異常の有無を検出する処理(S15〜S18)が行われるが、袋10の先端部に異常が検知された場合(S13)には袋10の後端部における異常の有無を検出する処理(S15〜S18)がスキップされてもよい。
【0048】
以上説明したように本実施形態の袋異常検知装置5によれば、同期センサー21、第1袋検出センサー22及び第2袋検出センサー23の検出結果によって、袋10の搬送状態に関する異常の有無を精度良く検知することができ、装置構成も複雑にならない。
【0049】
また、同期センサー21、第1袋検出センサー22及び第2袋検出センサー23による検出箇所(第1検出箇所P1、第2検出箇所P2及び第3検出箇所P3)を搬送方向D1に関して相互に近接させることで、様々なサイズの袋10に関して異常の有無を検知できる。そのため、搬送される袋10のサイズ(特に搬送方向D1に関するサイズ)が変更される場合であっても、基本的に同期センサー21、第1袋検出センサー22及び第2袋検出センサー23による検出箇所(第1検出箇所P1、第2検出箇所P2及び第3検出箇所P3)を変えることなく、搬送される袋10の異常の有無を検知することができ、応用性に優れた袋異常検知装置5を提供することができる。
【0050】
また上述の袋異常検知装置5は搬送移動中の袋10を検出対象とするため、異常の有無を検知するために袋10を停止させる必要がない。そのため、多数の袋10を連続的に搬送しながら各種の処理を行う袋詰め包装機等の機械(システム)に対し、上述の袋異常検知装置5は非常に好ましく適用される。また多数の袋10を間欠的に搬送しながら各種の処理を行う袋詰め包装機等の機械に対しても上述の袋異常検知装置5は適用可能であり、例えば間欠停止間の袋搬送中に各袋10の異常の有無を袋異常検知装置5によって検知することが可能である。このように本実施形態の袋異常検知装置5は、応用性に優れ、様々なタイプの機械(システム)に対して広く適用可能である。
【0051】
なお、第1検出箇所P1、第2検出箇所P2及び第3検出箇所P3の相互間の相対位置関係は基本的に限定されないが、「同期センサー21の検出結果の取得から第1袋検出センサー22及び第2袋検出センサー23の検出結果の取得までのタイムラグ」、「袋10の搬送速度」、「同期センサー21、第1袋検出センサー22及び第2袋検出センサー23それぞれの検出範囲(特に搬送方向D1に関する検出幅)」及び「袋10の形状」に応じて決められることが好ましい。例えば「同期センサー21の検出結果の取得から第1袋検出センサー22及び第2袋検出センサー23の検出結果の取得までのタイムラグ」が大きい場合には、搬送方向D1に関する「第1検出箇所P1と第3検出箇所P3との間の距離」を比較的大きく設定することが好ましい。また「袋10の搬送速度」が大きい場合にも、搬送方向D1に関する「第1検出箇所P1と第3検出箇所P3との間の距離」を比較的大きく設定することが好ましい。また「同期センサー21、第1袋検出センサー22及び第2袋検出センサー23それぞれの検出範囲(特に搬送方向D1に関する検出幅)」が大きい場合には、搬送方向D1に関する「第1検出箇所P1と第2検出箇所P2との間の距離」及び「第1検出箇所P1と第3検出箇所P3との間の距離」を比較的大きく設定してもよいし、比較的小さく設定してもよい。
【0052】
なお一般的に使用されるセンサー及びコントローラーの応答時間を考慮すると、搬送方向D1に関する「第1検出箇所P1と第2検出箇所P2との間の距離」及び「第1検出箇所P1と第3検出箇所P3との間の距離」は概ね3mm(ミリメートル)以下に設定すれば十分なケースがほとんどであり、例えば第3検出箇所P3は第1検出箇所P1から搬送方向下流側に3mm以内の範囲に設定可能である。特に搬送方向D1に関する「第1検出箇所P1と第2検出箇所P2との間の距離」は、0mm以上1mm以下の範囲に設定すれば十分なケースがほとんどであり、好ましくは0mmである。また搬送方向D1に関する「第1検出箇所P1と第3検出箇所P3との間の距離」は、0mmより大きく1mm以下の範囲に設定すれば足りるケースがほとんどであり、好ましくは0.7mm以上1mm以下の範囲である。ただし、これらの相対距離範囲は、グリッパー12に把持される袋10の外形が矩形状であり袋10の側縁端部が鉛直方向D2と平行に直線状に配置されることを前提とする。袋10の外形が非矩形状である場合には、袋10の具体的な形状に応じて、第1検出箇所P1、第2検出箇所P2及び第3検出箇所P3の相互間の相対位置が決められることが好ましい。
【0053】
<第2実施形態>
本実施形態において上述の第1実施形態と同一又は類似の要素については共通の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0054】
図6は、第2実施形態に係る袋異常検知装置5によって袋10の先端部の状態を検知するメカニズムを説明するための図であり、(a)は袋10の先端部の状態が適正な場合を示し、(b)は袋10の先端部の状態が不適正な場合を示す。
図7は、第2実施形態に係る袋異常検知装置5によって袋10の後端部の状態を検知するメカニズムを説明するための図であり、(a)は後端部が適正な場合を示し、(b)は後端部が不適正な場合を示す。
【0055】
本実施形態に係る「第1袋検出センサー22による検出位置(第2検出箇所P2)」及び「第2袋検出センサー23による検出位置(第3検出箇所P3)」は、鉛直方向D2に関して「同期センサー21による検出位置(第1検出箇所P1)」よりも下方に配置される。特に本実施形態の第2検出箇所P2は、搬送される袋10の先端部の下方端部(すなわち鉛直方向下側の部分)が通過する位置に設定され、袋10を把持するグリッパー12よりも鉛直方向下側に位置する。また本実施形態の第3検出箇所P3は、搬送される袋10の後端部の下方端部(すなわち鉛直方向下側の部分)が通過する位置に設定され、袋10を把持するグリッパー12よりも鉛直方向下側に位置する。
【0056】
他の構成は、上述の第1実施形態に係る袋異常検知装置5と同様である。
【0057】
コントローラー30は、同期センサー21が第1検出箇所P1において「袋10が無い状態」から「袋10が有る状態」を検出した際に、第1袋検出センサー22による第2検出箇所P2における袋10の有無の検出結果を取得する。袋10の先端部(
図6(a)及び(b)に示す例では袋10の左下端部)が適正な状態で把持されて折れ曲がりや位置ずれを有しない場合(
図6(a)参照)、袋10の一部が第2検出箇所P2に配置される。一方、袋10の先端部(
図6(a)及び(b)に示す例では袋10の左下端部)が折れ曲がっていたり位置ずれを有し適正な状態で把持されていない場合(
図6(b)参照)、第2検出箇所P2に袋10が配置されない。したがって同期センサー21が第1検出箇所P1において「袋10が無い状態」から「袋10が有る状態」を検出した際における第1袋検出センサー22の検出結果が「第2検出箇所P2に袋10が存在する」ことを示す場合、コントローラー30は、袋10の先端部が適正な状態で異常が無いと認定する(
図6(a)参照)。一方、この第1袋検出センサー22の検出結果が「第2検出箇所P2に袋10が存在しない」ことを示す場合、コントローラー30は、袋10の先端部に異常(折れ曲がりやずれ等)があると認定する(
図6(b)参照)。
【0058】
またコントローラー30は、同期センサー21が第1検出箇所P1において「袋10が有る状態」から「袋10が無い状態」を検出した際に、第2袋検出センサー23による第3検出箇所P3における袋10の有無の検出結果を取得する。この第2袋検出センサー23の検出結果が「第3検出箇所P3に袋10が存在する」ことを示す場合、コントローラー30は、袋10の後端部(
図7(a)及び(b)に示す例では袋10の右下端部)が適正な状態で異常がないと認定する(
図7(a)参照)。一方、この第2袋検出センサー23の検出結果が「第3検出箇所P3に袋10が存在しない」ことを示す場合、コントローラー30は、袋10の後端部に異常があると認定する(
図7(b)参照)。
【0059】
以上説明したように本実施形態の袋異常検知装置5によっても、簡素な装置構成で、袋10の搬送状態の異常の有無を精度良く検知することができる。なお第1検出箇所P1の位置については、特に限定されず、上述の第1実施形態と同様にグリッパー12の直下に設定しうる。
【0060】
<第3実施形態>
本実施形態において上述の第1実施形態と同一又は類似の要素については共通の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0061】
図8は、第3実施形態に係る袋異常検知装置5によって袋10の先端部の状態を検知するメカニズムを説明するための図であり、(a)は袋10の先端部の状態が適正な場合を示し、(b)は袋10の先端部の状態が不適正な場合を示す。
図9は、第3実施形態に係る袋異常検知装置5によって袋10の後端部の状態を検知するメカニズムを説明するための図であり、(a)は後端部が適正な場合を示し、(b)は後端部が不適正な場合を示す。
【0062】
本実施形態の同期センサー21は、第1同期サブセンサー21−1及び第2同期サブセンサー21−2を含み、第1検出箇所P1は、袋10の搬送経路のうちの第1サブ検出箇所P1−1及び第2サブ検出箇所P1−2を含む。第1同期サブセンサー21−1は、第1サブ検出箇所P1−1における袋10の有無を検出し、袋10の先端部の異常の有無を検出する第1袋検出センサー22に関連づけられている。第2同期サブセンサー21−2は、第2サブ検出箇所P1−2における袋10の有無を検出し、袋10の後端部の異常の有無を検出する第2袋検出センサー23に関連づけられている。
【0063】
第1袋検出センサー22による第2検出箇所P2は、袋10の搬送方向D1に関し、第1サブ検出箇所P1−1と同じ位置又は第1サブ検出箇所P1−1よりも上流側に配置される。また第2袋検出センサー23による第3検出箇所P3は、袋10の搬送方向D1に関し、第2サブ検出箇所P1−2と同じ位置又は第2サブ検出箇所P1−2よりも下流側に配置される。なお
図8及び
図9に示す例では、「第1サブ検出箇所P1−1及び第2検出箇所P2」は、搬送方向D1に関して「第2サブ検出箇所P1−2及び第3検出箇所P3」よりも下流側に配置されているが、上流側に配置されてもよい。
【0064】
コントローラー30は、第1サブ同期センサー21−1が第1サブ検出箇所P1−1において袋10が無い状態から有る状態を検出した際に、第1袋検出センサー22による第2検出箇所P2における袋10の有無の検出結果を取得し、当該検出結果が第2検出箇所P2に袋10が存在しないことを示す場合(
図8(b)参照)には袋の先端部に異常があると認定する。一方、当該検出結果が第2検出箇所P2に袋10が存在することを示す場合(
図8(a)参照)、コントローラー30は、袋10の先端部に異常がないと認定する。
【0065】
またコントローラー30は、第2サブ同期センサー21−2が第2サブ検出箇所P1−2において袋10が有る状態から無い状態を検出した際に、第2袋検出センサー23による第3検出箇所P3における袋10の有無の検出結果を取得し、当該検出結果が第3検出箇所P3に袋10が存在しないことを示す場合(
図9(b)参照)には袋の後端部に異常があると認定する。一方、当該検出結果が第3検出箇所P3に袋10が存在することを示す場合(
図9(a)参照)、コントローラー30は、袋10の後端部に異常がないと認定する。
【0066】
他の構成は、上述の第1実施形態に係る袋異常検知装置5と同様である。
【0067】
コントローラー30は、第1同期サブセンサー21−1が第1サブ検出箇所P1−1において「袋10が無い状態」から「袋10が有る状態」を検出した際に、第1袋検出センサー22による第2検出箇所P2における袋10の有無の検出結果を取得する。袋10の先端部(
図8(a)及び(b)に示す例では袋10の左上端部)が適正な状態で把持されて折れ曲がりや位置ずれを有しない場合(
図8(a)参照)、袋10の一部が第2検出箇所P2に配置される。一方、袋10の先端部(
図8(a)及び(b)に示す例では袋10の左下端部)が折れ曲がっていたり位置ずれを有し適正な状態で把持されていない場合(
図8(b)参照)、第2検出箇所P2に袋10が配置されない。したがって第1同期サブセンサー21−1が第1サブ検出箇所P1−1において「袋10が無い状態」から「袋10が有る状態」を検出した際における第1袋検出センサー22の検出結果が「第2検出箇所P2に袋10が存在する」ことを示す場合、コントローラー30は、袋10の先端部が適正な状態で異常が無いと認定する(
図8(a)参照)。一方、この第1袋検出センサー22の検出結果が「第2検出箇所P2に袋10が存在しない」ことを示す場合、コントローラー30は、袋10の先端部に異常(折れ曲がりやずれ等)があると認定する(
図8(b)参照)。
【0068】
またコントローラー30は、第2同期サブセンサー21−2が第2サブ検出箇所P1−2において「袋10が有る状態」から「袋10が無い状態」を検出した際に、第2袋検出センサー23による第3検出箇所P3における袋10の有無の検出結果を取得する。この第2袋検出センサー23の検出結果が「第3検出箇所P3に袋10が存在する」ことを示す場合、コントローラー30は、袋10の後端部(
図9(a)及び(b)に示す例では袋10の右上端部)が適正な状態で異常が無いと認定する(
図9(a)参照)。一方、この第2袋検出センサー23の検出結果が「第3検出箇所P3に袋10が存在しない」ことを示す場合、コントローラー30は、袋10の後端部に異常があると認定する(
図9(b)参照)。
【0069】
以上説明したように本実施形態の袋異常検知装置5によっても、簡素な装置構成で、袋10の搬送状態の異常の有無を精度良く検知することができる。特に本実施形態によれば、袋10の先端部の異常の有無を「第1同期サブセンサー21−1及び第1袋検出センサー22」によって検知し、袋10の後端部の異常の有無を「第2同期サブセンサー21−2及び第2袋検出センサー23」によって検知する。そのため、袋10の搬送方向先端側の側縁端部を検出するタイミングと搬送方向後端側の側縁端部を検出するタイミングとを柔軟に調整することができ、例えば袋10の先端部及び後端部に関する異常の有無を同時に検知することも可能である。また、第1サブ検出箇所P1−1及び第2サブ検出箇所P1−2の鉛直方向位置を変えることもできる。
【0070】
<袋詰め包装機>
次に、袋詰め包装機における袋異常検知装置の配置例について説明する。
【0071】
図10は、連続移送式の袋詰め包装機50の一例を示す斜視図である。本例の袋詰め包装機50は、両端の円弧部と両側の直線部からなるレーストラック形の環状軌道に沿って移動する無端チェーン111と、無端チェーン111の長さ方向に沿って等間隔に設置され無端チェーン111と共に、同じくレーストラック形の環状軌道に沿って移動する多数組のグリッパー12(一対で一組)を備える。グリッパー12の環状軌道に沿って、袋供給装置113、印字装置114、印字検査装置115、袋口開口装置(吸盤116、117のみ示す)、投入装置118、シール装置119、空袋放出装置(図示せず)及び製品袋排出装置(図示せず)等が配置されている。グリッパー12が環状軌道に沿って回転移動する過程で、袋供給装置113によるグリッパー12への袋10の供給とグリッパー12による袋両縁の把持、印字装置114による袋面への製造日時の印字、印字検査装置115による印字検査、袋口開口装置(吸盤116、117)による袋口の開口、投入装置118による袋10内への内容物の投入、シール装置119による袋口のシール(冷却を含む)、及び製品袋排出装置による製品袋10Aの排出等の諸操作が行われる。
【0072】
無端チェーン111とグリッパー12、及び無端チェーン111を移動させる機構は、特開2002−302227号公報及び特開2009−161230号公報に記載されたものと同じである。無端チェーン111は、多数のリンクが連結軸を介して無端状に連結したもので、各リンクの外側にグリッパー12が1組(一対)ずつ設けられている。グリッパー12は、無端チェーン111に沿って等間隔で設置され、無端チェーン111の移動に伴い、レーストラック形の環状軌道に沿って水平面内で連続的に等速回転し(
図10において平面視右回り)、グリッパー12に把持された袋10は、レーストラック形の移送経路に沿って水平面内で連続的に等速かつ等間隔で移送される。袋供給装置113は、特開2002−308223号公報及び特開2009−161230号公報に記載された空袋供給装置と同じである。すなわち袋供給装置113はコンベアマガジン式給袋装置113aと組み合わされ、同時に4個の袋10を4組のグリッパー12に1個ずつ供給する。印字装置114及び印字検査装置115は周知のものである。
【0073】
投入装置118は、等角度間隔で配置されて円軌道に沿って等速回転し、かつ所定のタイミングで昇降する多数の昇降式ホッパー121を有する。各昇降式ホッパー121に対応して、計量ホッパー122及び計量ボックス123が等角度間隔で設置され、昇降式ホッパー121とともに円軌道に沿って等速回転する。各計量ホッパー122の下端には、計量ホッパー122の下端開口を開閉するシャッター(図示せず)が設置されている。計量ボックス123内に、計量ホッパー122に供給された内容物の重量を測定する図示しない重量検出器(例えばロードセル式)が設置されている。昇降式ホッパー121の円軌道の半分は、グリッパー12に把持された袋10の移送経路(半円部分)と上下に重なっている。昇降式ホッパー121の回転速度はグリッパー12の移動速度と一致し、昇降式ホッパー121は、グリッパー12に把持された袋10の移送経路(半円部分)の直上で、該袋10の移送に同調して回転移動する。
【0074】
投入装置118において、所定のタイミングで図示しない供給手段から計量ホッパー122内に内容物が供給されると、内容物の重量が計量ボックス123内の重量検出器で測定される。続いて昇降式ホッパー121が下降して、その下端部が袋10内に挿入され、計量ホッパー122のシャッターが開き、内容物が昇降式ホッパー121内を通って落下し、袋10内に投入される。昇降式ホッパー121の下端部が袋10内に挿入されてから、内容物が袋10内へ投入されるまでの操作は、昇降式ホッパー121が袋10の移送に同調して回転移動する間に行われる。
【0075】
シール装置119は、内容物投入後の袋10の袋口をシールバーで挟んで熱シールする第1シール装置119a(下流側の第1シール装置119aのシールバーのみ示す)、第2シール装置119b(両方のシールバーのみ示す)、及びシール部を冷却バーで挟んで冷却するシール部冷却装置119c(両方の冷却バーのみ示す)からなり、これらはいずれも特開2001−72004号公報に記載されたシール装置と同様に、所定距離をグリッパー12と等速で追従移動し、その間にシールバー又は冷却バーが袋10の袋口を挟んだ後離れ、次いで元の位置に復帰するという動作を行う。この例では、第1シール装置119aにより同時に2つの袋が熱シールされ、それらは続いて第2シール装置119bにより同時に熱シール(2度目)され、さらに冷却シール装置119cにより同時に冷却される。
【0076】
製品袋排出装置は、特開2002−302227号公報及び特開2009−161230号公報に記載された開閉装置(開閉部材及びその駆動機構等からなる)と同じで、所定位置にきたグリッパー12の把持部を開き、製品袋10Aをシュート(図示せず)上に落下させ、搬出コンベア(図示せず)により搬出する。なお、このような開閉装置は、袋供給装置113の箇所にも配置され、袋10をグリッパー12に供給するとき該グリッパー12の把持部を開く(4組のグリッパー12に対して同時に作動する)。空袋放出装置(図示せず)は、特開2009−161230号公報に記載された不良袋排出装置と同じで、製品袋排出装置のやや上流側に配置される。機能的には製品袋排出装置と同等であり、グリッパー12の把持部を開き、空の袋10を落下させる。
【0077】
さらに本例の袋詰め包装機50では、印字検査装置115と袋口開口装置(吸盤116、117)との間にも空袋放出装置(図示せず)が設けられている。
【0078】
図11は、
図10に示す袋詰め包装機50で行われる各種工程を示すブロック図である。まず袋取り出し工程S21が行われ、袋口が閉じた状態の空の袋10がコンベアマガジン式給袋装置113aからグリッパー12に供給される。コンベアマガジン式給袋装置113aからグリッパー12への供給方式は特に限定されず、例えばコンベアマガジン式給袋装置113aから吸盤によって袋10を取り出しながら引き起こし、チャック部材によって袋10の上端部を把持し、チャック部材は袋10の上端部を把持した状態で移動し、上端がチャック部材によって把持されている袋10の両端部がグリッパー12によって把持され、グリッパー12によって袋10が把持された状態でチャック部材の把持を解くことによって、連続的に移動する各グリッパー12に袋10を供給することができる。
【0079】
次に印字工程S22が行われ、グリッパー12によって把持されている袋10の一方の面(
図10に示す例では袋詰め包装機50の外側を向く面)に対して各種情報(例えば賞味期限等)が印字装置114によって印字される。次に印字検査工程S23が行われ、各袋10の印字状態が適正か否かが印字検査装置115によって判定される。
【0080】
次に排出工程S24が行われ、印字検査工程S23の結果、印字不良(印字が行われていない場合を含む)を有する袋10は、グリッパー12による把持が解放され、移送経路から排出される。
【0081】
次に開口工程S25が行われ、袋10の袋口が開口される。次に内容物投入工程S26が行われ、投入装置118(昇降式ホッパー121、計量ホッパー122及び計量ボックス123)が連動して各袋10内に内容物が投入される。次にシール工程S27が行われて各袋10の袋口がシールされ、その後に、冷却工程S28が行われて各袋10のシール部分が冷却されてシール状態が安定化される。
【0082】
次に排出工程S29が行われ、不良を有する袋10はグリッパー12による把持が解放され、移送経路から排出される。そして袋詰め包装排出工程S30が行われ、内容物が投入され適切にシールされた製品袋10Aが後段に向かって排出される。
【0083】
上述の一連の処理が連続的に行われる袋詰め包装機50において、袋異常検知装置5による袋異常検知プロセスは、袋10の開口処理が行われる開口工程S25よりも前の前段プロセスS31で行われてもよいし、開口工程S25以降の後段プロセスS32で行われてもよい。袋異常検知プロセスは、前段プロセスS31の任意の工程間において行われてもよいが、特に袋取り出し工程S21の直後(
図11の符号「A1」参照)に行われることが好ましい。袋10の受け渡しが行われる袋取り出し工程S21では、袋10の把持状態に異常が生じやすく、また印字工程S22前に袋異常検知プロセスを行って、異常が検知された袋10に関しては印字工程S22等の以降の工程を実質的にスキップして排出工程S29で排出することで、その異常が検知された袋10を再利用に供することも可能になる。
【0084】
また袋異常検知プロセスは後段プロセスS32の任意の工程間において行われてもよいが、特にシール工程S27よりも前(
図11の符号「B1」及び「B2」参照)に行われることが好ましい。この場合、異常が検知された袋10に関してはシール工程S27を実質的にスキップすることで無駄なシール不良を回避することができる。また内容物投入工程S26よりも前(
図11の符号「B1」参照)で袋異常検知プロセスを行って、異常が検知された袋10に関しては内容物投入工程S26等の以降の工程を実質的にスキップして排出工程(S29)で排出することで、その異常が検知された袋10を再利用に供することも可能になる。
【0085】
なお排出工程(
図11の「S24」及び「S29」参照)は、袋異常検知プロセスが行われた後であれば、タイミング(場所)は限定されない。例えば袋異常検知プロセスの直後に排出工程を行うことで、袋異常検知結果に応じて以降の工程のスキップ等を行う必要がなくなり、袋詰め包装機50の構成を簡素化できる。また印字検査工程S23等の他の検査工程後に排出工程を行うことで、「当該他の検査結果に応じた袋10の排出処理」と「袋異常検知結果に応じた袋10の排出処理」とを同一工程で併せて行うことができ、袋詰め包装機50全体の工程数を減らして袋詰め包装機50の構成を簡素化できる。
【0086】
<他の変形例>
本発明は上述の各実施形態及び変形例に限定されず、上述の各実施形態及び変形例に対して他の任意の要素を更に付加したり、上述の実施形態及び変形例の一部又は全部を相互に適宜組み合わせてもよい。例えば、上述の
図8及び
図9に示す第3実施形態に係る袋異常検知装置5における第2検出箇所P2及び第3検出箇所P3を、第2実施形態と同様に、グリッパー12の鉛直方向下方に配置してもよい。また、袋10の四隅(左上端部、右上端部、左下端部及び右下端部)のそれぞれが通過する位置に、第1袋検出センサー22及び第2袋検出センサー23と同様の4つの袋検出センサーを設置し、袋10の四隅における異常の有無が検知されてもよい。
【0087】
また、コントローラー30が同期センサー21の検出結果に応じて第1袋検出センサー22及び第2袋検出センサー23の検出結果を取得する手法も特に限定されない。例えば、袋10の搬送方向先端側の側縁端部11が第1検出箇所P1を通過したことを同期センサー21が検出した後に、コントローラー30が第1袋検出センサー22を作動させて、第2検出箇所P2における袋10の有無を第1袋検出センサー22に検出させてもよい。或いは、コントローラー30は、袋10が搬送されている間は第1袋検出センサー22による検出を連続的に実施し、袋10の搬送方向先端側の側縁端部11が第1検出箇所P1を通過したことを同期センサー21が検出したタイミングと、同じタイミング又はほぼ同じタイミングにおける第1袋検出センサー22の検出結果を取得することで、第2検出箇所P2における袋10の有無を第1袋検出センサー22に検出させてもよい。なお、第2袋検出センサー23、第1同期サブセンサー21−1及び第2同期サブセンサー21−2(
図8及び
図9参照)についても同様である。
【0088】
また、図示の例では、第1袋検出センサー22による検出箇所(第2検出箇所P2)及び第2袋検出センサー23による検出箇所(第3検出箇所P3)は鉛直方向に関して相互にほぼ同じ位置に設定されているが、第2検出箇所P2及び第3検出箇所P3は鉛直方向に関して相互に異なった位置に設けられてもよい。
【0089】
また上述の実施形態及び変形例では、「鉛直方向に吊り下げられた状態の袋10」の異常の有無が袋異常検知装置5(袋異常検知方法)によって検知されるが、「鉛直方向以外の方向(例えば鉛直方向と垂直を成す水平方向)に延在する袋10」の異常の有無が袋異常検知装置5(袋異常検知方法)によって検知されてもよい。この場合、第2検出箇所P2及び第3検出箇所P3は、袋10の搬送方向と垂直を成し袋10が延在する方向に関し、第1検出箇所P1とは異なる位置に配置されていてもよい。ここでいう「袋10の搬送方向と垂直を成し袋10が延在する方向」とは、例えば袋10の長さ方向とすることができ、袋10のうち当該長さ方向に関する端部に対応する位置に第2検出箇所P2及び第3検出箇所P3を設けてもよい。また「鉛直方向以外の方向に延在する袋10」をグリッパーによって把持した状態で搬送してもよい。グリッパーによって把持された状態で搬送される袋10に関して異常の有無を検知する場合、「第1検出箇所P1」と「第2検出箇所P2及び第3検出箇所P3」とは、袋10の延在方向(長さ方向)を基準に、当該グリッパーを介して相互に反対側に配置されてもよいし、当該グリッパーに対して相互に同じ側に配置されてもよい。
【0090】
また上述の実施形態及び変形例では、袋10内へ内容物を投入する工程を伴う袋詰め包装機50を袋異常検知装置5(袋異常検知方法)の適用対象として説明したが、袋詰め包装機50以外の機械(システム)に対しても袋異常検知装置5は適用可能である。例えば、各種の部材を袋10に取り付けるための機械であって、袋10内への内容物の投入が行われない機械に対しても本発明の袋異常検知装置5は適用可能である。そのような機械の一例として、袋10にスパウト(吐出口)を取り付けるスパウト取り付け機が挙げられる。この場合、例えば各種部材(スパウト等)を袋10に取り付ける前に、本発明に係る袋異常検知装置5及び袋異常検知方法によって、袋10の搬送状態の異常の有無を精度良く検知することが可能である。
【0091】
本発明の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではなく、当業者が想到しうる種々の変形も含むものであり、本発明の効果も上述した内容に限定されない。すなわち、特許請求の範囲に規定された内容及びその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更及び部分的削除が可能である。