特開2017-124876(P2017-124876A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-124876(P2017-124876A)
(43)【公開日】2017年7月20日
(54)【発明の名称】位置決め装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 43/00 20060101AFI20170623BHJP
   B65G 47/28 20060101ALI20170623BHJP
【FI】
   B65G43/00 J
   B65G47/28 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2016-3110(P2016-3110)
(22)【出願日】2016年1月11日
(71)【出願人】
【識別番号】000191009
【氏名又は名称】新東工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】横前 知志
(72)【発明者】
【氏名】杉野 剛大
【テーマコード(参考)】
3F027
3F081
【Fターム(参考)】
3F027AA04
3F027CA05
3F027DA02
3F027DA04
3F027EA01
3F081AA20
3F081BA01
3F081BC07
3F081BD08
3F081BD11
3F081CC12
3F081CE13
3F081CE14
3F081DA02
3F081FA01
3F081FB01
(57)【要約】
【課題】搬送物の位置決め装置において、位置決め装置と搬送物のガイド穴との接触面に偏摩耗の問題を生じない装置を提供する。
【解決手段】本発明の搬送物の位置決め装置は、搬送物21がピッチ送りされるコンベヤ22の側方に設けられた搬送物の位置決め装置1であって、前記搬送物21の側面に形成された凹部16へ係合するために、前記位置決め装置の先端にローラー3が設けられている搬送物の位置決め装置である。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送物がピッチ送りされるコンベヤの側方に設けられた搬送物の位置決め装置であって、前記搬送物の側面に形成された凹部へ係合するために、前記位置決め装置の先端にローラーが設けられていることを特徴とする搬送物の位置決め装置。
【請求項2】
前記位置決め装置のローラーの直径は、前記搬送物の側面に形成された凹部の開口部の大きさよりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の搬送物の位置決め装置。
【請求項3】
前記位置決め装置のローラーは、継手ピンと、キープレートと、ボルトとにより固定され、容易に交換可能であることを特徴とする請求項1に記載の搬送物の位置決め装置。
【請求項4】
前記位置決め装置は、前記ローラーのずれを防止するためのL字型の押え金具が備えられていることを特徴とする請求項1に記載の搬送物の位置決め装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送物の位置決め装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば鋳物製品の自動鋳造ライン等においては、多数の金枠をコンベヤ上に一列に並べてプッシャ装置によりピッチ送りし、所定位置で停止させて金枠に対して必要な作業を行なう。このためには、金枠等の搬送物をコンベヤ上の正確な位置に確実に停止させる必要がある。
【0003】
そこで特許文献1に示すように、搬送物との接触面に円錐型の楔を使用した位置決め装置をコンベヤの側方に配置し、この楔を搬送物の側面に形成されたガイド穴に係合させて搬送物を停止させる位置決め装置が提案されている。
【0004】
しかし特許文献1では、位置決め装置は搬送物との接触面に円錐型の楔を使用しているため、搬送物の停止位置のずれ量を矯正する際に搬送物側のガイド穴との接触面が点当たりとなる事による搬送物側のガイド穴の接触面、および位置決め装置側楔に偏摩耗が発生する問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実公昭51−54400号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って本発明の目的は、位置決め装置と搬送物のガイド穴との接触面に偏摩耗の問題を生じない装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するためになされた本発明の搬送物の位置決め装置は、搬送物がピッチ送りされるコンベヤの側方に設けられた搬送物の位置決め装置であって、前記搬送物の側面に形成された凹部へ係合するために、前記位置決め装置の先端にローラーが設けられていることを特徴とするものである。
【0008】
また、前記位置決め装置のローラーの直径は、前記搬送物の側面に形成された凹部の開口部の大きさよりも大きいことを特徴とするものである。
【0009】
また、前記位置決め装置のローラーは、継手ピンと、キープレートと、ボルトとにより固定され、容易に交換可能であることを特徴とするものである。
【0010】
また、前記位置決め装置は、前記ローラーのずれを防止するためのL字型の押え金具が備えられていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の搬送物の位置決め装置によれば、位置決め装置の先端にローラーが設けられていることにより、搬送物側の接触面および位置決め装置側の偏摩耗を防止することができる。
【0012】
また位置決め装置のローラーは、継手ピンと、キープレートと、ボルトとにより固定されているため、ボルトを緩めるだけで簡単にローラーを交換することができメンテナンス性に優れるものである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明における位置決め装置のローラーが退避している状態の部分断面正面図(a)と部分断面側面図(b)である。
図2】本発明における位置決め装置のローラーが搬送物へ係合している状態の部分断面正面図(a)と部分断面側面図(b)である。
図3】搬送物の位置がずれた状態で、位置決め装置が搬送物へ係合する途中の状態を示す部分断面の平面詳細図である。
図4】位置決め装置が搬送物との係合を完了した状態の部分断面の平面詳細図である。
図5】ローラコンベヤ上の搬送物を示す概念的な平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に図面を参照しつつ、本発明の実施形態を説明する。
図5に示すように、搬送物21は、ローラコンベヤ等のコンベヤ22上を、プッシャ装置23と図示しないクッション装置で複数個挟み込まれ、プッシャ装置23にてピッチ送りされ、クッション装置にて、慣性力を吸収して所定の位置に停止する。本実施形態では搬送物21は鋳造用の金枠であり、温度変化による長さの変化が生じる場合があるため、搬送物21の停止位置は熱の影響を受けて微妙に変化する。このように変化する搬送物21の停止位置を正確に矯正するために、本発明の位置決め装置1が用いられる。
【0015】
図3に示すように、位置の矯正および位置決めがなされる搬送物21は、その搬送方向の側面となる1面、又は対向する2面の側面に凹部16を有する。この凹部16は、摩耗時に交換できるライナ15を備える。ライナ15は、凹部16の開口部両側に設けられ、一対のライナ15の相対する平面により凹部16の開口部の大きさが決められている。
【0016】
図1に示すように位置決め装置1は、位置決め装置1を構成するシリンダ2をコンベヤ22に取付けられたブラケット5に両側から押しボルト6で挟み込んでコンベヤ22に固定される。よって、位置決め装置1は、搬送物21の進行方向に対し押しボルト6を調整することにより、その取り付け位置を調整出来る構造としている。
【0017】
位置決め装置1を構成するローラー3は、シリンダ2のロッド4の先端にローラー保持用ブラケット10を介して取り付けられ、押え12にて回り止めが施されている。ローラー3は、継手ピン7を軸として回転し、その継手ピン7はキープレート8とボルト9により固定されている。ローラー3の交換時には、ボルト9をゆるめキープレート8を外し、継手ピン7を抜くことにより簡単にローラーを交換することができる。
【0018】
図4に示すようにローラー3は、搬送物21の凹部の開口部の長さ(凹部16の開口部両側に設けられたライナ間の最も短い長さ)よりも大きいほうが好ましい。
【0019】
図3図4に、本発明による搬送物21の位置の矯正、位置決め工程を示す。図3に示すように、プッシャ装置23でピッチ送りされた搬送物21が位置決め装置1の前で停止する。その停止位置は、熱の影響により本来の停止位置よりずれた位置となることがある。位置決め装置1のシリンダ2のロッド4が搬送物21の凹部16に向かって前進すると、ローラー3が凹部16の両側にあるライナ15の片方に当たり、搬送物21の進行方向に位置を矯正し始める。この際、ライナ15に当たったローラー3は、搬送物21を動かすと同時にローラー3も継手ピン7を中心に回り始めるので、ライナ15およびローラー3とも摩擦による摩耗を抑えることができる。
【0020】
図4に示すように、位置を矯正する搬送物21の位置決めの終わりは、ローラー3が凹部16の両側にあるライナ15の両方にあたる位置にて矯正は終了し係合する。
【0021】
このように本発明によれば、位置のずれ量を矯正する際に生じる搬送物と位置決め装置の摩擦による摩耗を軽減することができる。
【符号の説明】
【0022】
1 位置決め装置
2 シリンダ
3 ローラー
4 ロッド
5 ブラケット
6 押しボルト
7 継手ピン
8 キープレート
9 ボルト
10 ローラー保持用ブラケット
12 押え
15 ライナ
16 凹部
21 搬送物
22 コンベヤ
23 プッシャ装置
図1
図2
図3
図4
図5