【実施例】
【0058】
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下、「部」及び「%」とあるのは特に断らない限り質量基準である。
【0059】
<顔料添加剤の調製>
(実施例1)
ジメチルアセトアミド70部に、3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸13.9部、及び塩化チオニル6.5部を加え、40〜50℃で0.5時間撹拌した。テトラニトロフタロシアニンを還元して得られたテトラアミノフタロシアニン8.3部を加え、120〜130℃で3時間撹拌した。放冷後、水700部に投入して、ろ過、水洗、及び乾燥することにより、下記式(A)で表される青色の顔料添加剤(A)20.3部を得た。
【0060】
【0061】
(実施例2)
テトラアミノフタロシアニン8.3部に代えて、PR177 11.1部を用いたこと以外は、前述の実施例1と同様にして、下記式(B)で表される赤色の顔料添加剤(B)22.9部を得た。
【0062】
【0063】
(実施例3)
テトラアミノフタロシアニン8.3部に代えて、4−アミノフタルイミドメチル基が一分子中に約1個導入されたPR255 23.1部を用いたこと以外は、前述の実施例1と同様にして、下記式(C)で表される赤色の顔料添加剤(C)34.2部を得た。
【0064】
【0065】
(実施例4)
テトラアミノフタロシアニン8.3部に代えて、4−アミノフタルイミドメチル基が一分子中に約1個導入されたPV19 24.3部を用いたこと以外は、前述の実施例1と同様にして、下記式(D)で表される赤色の顔料添加剤(D)35.3部を得た。
【0066】
【0067】
(実施例5)
ジメチルアセトアミド30部に、3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸5.6部、及び塩化チオニル2.6部を加え、40〜50℃で0.5時間撹拌した。4’−アミノアセトアニリド3部を加え、90〜100℃で3時間撹拌し、次いで水30部、及び濃塩酸8.3部を加え、90〜100℃で1時間撹拌した。0〜10℃に冷却し、亜硝酸ナトリウム1.4部を加えてジアゾ化した。水150部に水酸化ナトリウム5部およびN,N’−(1,4−フェニレン)ビス(3−ヒドロキシナフタレン−2−カルボアミド)4.5部を溶解し、前述のジアゾ液を投入し、20〜30℃で4時間、次いで70〜80℃で1時間撹拌した。ろ過、水洗、及び乾燥することにより、下記式(E)で表される赤色の顔料添加剤(E)11.6部を得た。
【0068】
【0069】
(実施例6)
テトラアミノフタロシアニン8.3部に代えて、5−アミノベンズイミダゾリノンをジアゾ化して2,4−ジヒドロキシキノリンにカップリングした化合物の一分子中に、約1個のアミノフタルイミドメチル基を導入した化合物24.7部を用いたこと以外は、前述の実施例1と同様にして、下記式(F)で表される赤色の顔料添加剤(F)35.7部を得た。
【0070】
【0071】
(実施例7)
テトラアミノフタロシアニン8.3部に代えて、PY138を95%硫酸で加水分解して得た8−アミノ−2−(4,5,6,7−テトラクロロ−1,3−ジオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)25.3部を用いたこと以外は、前述の実施例1と同様にして、下記式(G)で表される黄色の顔料添加剤(G)36.5部を得た。
【0072】
【0073】
(実施例8)
ジメチルアセトアミド30部に、3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸5.6部、及び塩化チオニル2.6部を加え、40〜50℃で0.5時間撹拌した。4’−アミノアセトアニリド3部を加え、90〜100℃で3時間撹拌し、次いで水30部、及び濃塩酸8.3部を加え、90〜100℃で1時間撹拌した。0〜10℃に冷却し、亜硝酸ナトリウム1.4部を加えてジアゾ化した。水150部に水酸化ナトリウム5部および5−(アセトアセトアミド)−2−ベンゾイミダゾリノン4.7部を溶解し、前述のジアゾ液を投入し、20〜30℃で4時間、次いで70〜80℃で1時間撹拌した。ろ過、水洗、及び乾燥することにより、下記式(H)で表される黄色の顔料添加剤(H)11.6部を得た。
【0074】
【0075】
実施例1〜8で得た各化合物(顔料添加剤)について、MALDI(マトリックス支援レーザー脱離イオン化法の略称)による質量分析を行ったところ、以下の分子量に相当するピークが検出された。使用した原材料及び質量分析の結果から、目的とする組成の化合物(顔料添加剤)が得られたことを確認した。
・顔料添加剤(A):分子量1709.75
・顔料添加剤(B):分子量965.21
・顔料添加剤(C):分子量722.85
・顔料添加剤(D):分子量746.87
・顔料添加剤(E):分子量1207.50
・顔料添加剤(F):分子量755.84
・顔料添加剤(G):分子量686.47
・顔料添加剤(H):分子量612.74
【0076】
<顔料組成物(1)〜(16)の調製>
(実施例9)
α型銅フタロシアニンブルー顔料(商品名「CHROMOFINE BLUE 5187」、大日精化工業社製、PB15:6)100部、実施例1で得た顔料添加剤(A)5部、顔料分散剤(I)(フタロシアニンスルホン化物(商品名「SOLSPERS−12000」、Lubrizol社製))3部、平均粒子径5μmの塩化ナトリウム600部、及びジエチレングリコール150部を、加圧蓋を装着したニーダーに仕込んだ。ニーダー内に均一湿潤された塊ができるまで予備混練した後、加圧蓋を閉じ、圧力6kg/cm
2で内容物を押さえ込みながら混練磨砕を開始した。内容物の温度が40〜45℃になるように冷却温度及び冷却水量を管理しながら4時間混練磨砕処理して磨砕物を得た。得られた磨砕物を80℃に加温した2%硫酸水溶液5,000部中に投入して1時間撹拌処理した後、濾過及び水洗して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除去した。濾過残を80℃の熱風乾燥機中で24時間乾燥して、顔料組成物(1)を得た。
【0077】
(実施例10)
顔料分散剤(I)に代えて、特許文献1に記載された下記式(J)で表される顔料分散剤(J)を用いた。さらに、2%硫酸水溶液に代えて、2%水酸化ナトリウム水溶液を用いた。これらのこと以外は、前述の実施例9と同様にして顔料組成物(2)を得た。
【0078】
【0079】
(実施例11)
α型銅フタロシアニンブルー顔料に代えて、PR177(商品名「PALIOGEN RED L4039」、BASF社製)を用いた。また、顔料添加剤(A)に代えて、実施例2で得た顔料添加剤(B)を用いた、さらに、顔料分散剤(I)に代えて、特許文献2に記載された下記式(K)で表される顔料分散剤(K)を用いた。これらのこと以外は、前述の実施例9と同様にして顔料組成物(3)を得た。
【0080】
【0081】
(実施例12)
顔料分散剤(K)に代えて、特許文献3に記載された下記式(L)で表される顔料分散剤(L)を用いた。さらに、2%硫酸水溶液に代えて、2%水酸化ナトリウム水溶液を用いた。これらのこと以外は、前述の実施例11と同様にして顔料組成物(4)を得た。
【0082】
【0083】
(実施例13)
α型銅フタロシアニンブルー顔料に代えて、PR254(商品名「IRGAZIN RED L3660HD」、BASF社製)を用いた。また、顔料添加剤(A)に代えて、実施例3で得た顔料添加剤(C)を用いた。さらに、顔料分散剤(I)に代えて、特許文献2に記載された下記式(M)で表される顔料分散剤(M)を用いた。これらのこと以外は、前述の実施例9と同様にして顔料組成物(5)を得た。
【0084】
【0085】
(実施例14)
顔料分散剤(M)に代えて、特許文献4に記載された下記式(N)で表される顔料分散剤(N)を用いた。さらに、2%硫酸水溶液に代えて、2%水酸化ナトリウム水溶液を用いた。これらのこと以外は、前述の実施例13と同様にして顔料組成物(6)を得た。
【0086】
【0087】
(実施例15)
顔料添加剤(C)に代えて、実施例4で得た顔料添加剤(D)を用いたこと以外は、前述の実施例13と同様にして顔料組成物(7)を得た。
【0088】
(実施例16)
顔料添加剤(C)に代えて、実施例4で得た顔料添加剤(D)を用いたこと以外は、前述の実施例14と同様にして顔料組成物(8)を得た。
【0089】
(実施例17)
顔料添加剤(C)に代えて、実施例5で得た顔料添加剤(E)を用いたこと以外は、前述の実施例13と同様にして顔料組成物(9)を得た。
【0090】
(実施例18)
顔料添加剤(C)に代えて、実施例5で得た顔料添加剤(E)を用いたこと以外は、前述の実施例14と同様にして顔料組成物(10)を得た。
【0091】
(実施例19)
顔料添加剤(C)に代えて、実施例6で得た顔料添加剤(F)を用いたこと以外は、前述の実施例13と同様にして顔料組成物(11)を得た。
【0092】
(実施例20)
顔料添加剤(C)に代えて、実施例6で得た顔料添加剤(F)を用いたこと以外は、前述の実施例14と同様にして顔料組成物(12)を得た。
【0093】
(実施例21)
α型銅フタロシアニンブルー顔料に代えて、PY138(商品名「Paliotol Yellow L0960HD」、BASF社製)を用いた。また、顔料添加剤(A)に代えて、実施例7で得た顔料添加剤(G)を用いた。さらに、顔料分散剤(I)に代えて、特許文献5に記載された下記式(O)で表される顔料分散剤(O)を用いた。これらのこと以外は、前述の実施例9と同様にして顔料組成物(13)を得た。
【0094】
【0095】
(実施例22)
顔料分散剤(O)に代えて、特許文献6に記載された下記式(P)で表される顔料分散剤(P)を用いた。さらに、2%硫酸水溶液に代えて、2%水酸化ナトリウム水溶液を用いた。これらのこと以外は、前述の実施例21と同様にして顔料組成物(14)を得た。
【0096】
【0097】
(実施例23)
顔料添加剤(G)に代えて、実施例8で得た顔料添加剤(H)を用いたこと以外は、前述の実施例21と同様にして顔料組成物(15)を得た。
【0098】
(実施例24)
顔料添加剤(G)に代えて、実施例8で得た顔料添加剤(H)を用いたこと以外は、前述の実施例22と同様にして顔料組成物(16)を得た。
【0099】
顔料組成物(1)〜(16)を調製する際に用いた顔料、顔料添加剤、及び顔料分散剤の組み合わせを表1に示す。
【0100】
【0101】
<顔料分散液(カラーフィルター(CF)用顔料着色剤)の調製>
(実施例25)
メタクリル酸/ベンジルアクリレート/スチレン/ヒドロキシエルアクリレートを、25/50/15/10のモル比で共重合させて得た、平均分子量が12,000、固形分濃度が40%のアクリル樹脂ワニスを使用し、以下に示す方法に従って顔料分散液を調製した。上記のアクリル樹脂ワニス50部、顔料組成物(1)20部、塩基性の高分子分散剤(商品名「DISPERBYK−2001」、ビックケミー社製、固形分46%)17.4部、及び溶剤としてプロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート20部を混合し、プレミキシングした後、横型ビーズミルを使用して分散処理してCF用顔料着色剤(実施例25)を得た。
【0102】
(実施例26)
顔料組成物(1)に代えて、顔料組成物(2)を用いた。さらに、塩基性の高分子分散剤に代えて、酸性の高分子顔料分散剤(商品名「DISPERBYK−110」、ビックケミー社製、固形分52%)15.4部を用いた。これらのこと以外は、前述の実施例25と同様にしてCF用顔料着色剤(実施例26)を得た。
【0103】
(実施例27、29、31、33、35、37、39)
顔料組成物(1)に代えて、顔料組成物(3)、(5)、(7)、(9)、(11)、(13)、及び(15)をそれぞれ用いたこと以外は、前述の実施例25と同様にしてCF用顔料着色剤(実施例27、29、31、33、35、37、39)を得た。
【0104】
(実施例28、30、32、34、36、38、40)
顔料組成物(2)に代えて、顔料組成物(4)、(6)、(8)、(10)、(12)、(14)、及び(16)をそれぞれ用いたこと以外は、前述の実施例26と同様にしてCF用顔料着色剤(実施例28、30、32、34、36、38、40)を得た。
【0105】
(比較例1)
顔料添加剤(A)を使用しないこと以外は、前述の実施例9と同様にして、顔料添加剤で処理していないPB15:6を含有する組成物を得た。そして、顔料組成物(1)に代えて、上記で得た組成物を用いたこと以外は、前述の実施例25と同様にしてCF用顔料着色剤(比較例1)を得た。
【0106】
(比較例2)
顔料添加剤(A)を使用しないこと以外は、前述の実施例10と同様にして、顔料添加剤で処理していないPB15:6を含有する組成物を得た。そして、顔料組成物(2)に代えて、上記で得た組成物を用いたこと以外は、前述の実施例26と同様にしてCF用顔料着色剤(比較例2)を得た。
【0107】
(比較例3)
顔料添加剤(B)を使用しないこと以外は、前述の実施例11と同様にして、顔料添加剤で処理していないPR177を含有する組成物を得た。そして、顔料組成物(3)に代えて、上記で得た組成物を用いたこと以外は、前述の実施例25と同様にしてCF用顔料着色剤(比較例3)を得た。
【0108】
(比較例4)
顔料添加剤(B)を使用しないこと以外は、前述の実施例12と同様にして、顔料添加剤で処理していないPR177を含有する組成物を得た。そして、顔料組成物(4)に代えて、上記で得た組成物を用いたこと以外は、前述の実施例26と同様にしてCF用顔料着色剤(比較例4)を得た。
【0109】
(比較例5)
顔料添加剤(C)を使用しないこと以外は、前述の実施例13と同様にして、顔料添加剤で処理していないPR254を含有する組成物を得た。そして、顔料組成物(5)に代えて、上記で得た組成物を用いたこと以外は、前述の実施例25と同様にしてCF用顔料着色剤(比較例5)を得た。
【0110】
(比較例6)
顔料添加剤(C)を使用しないこと以外は、前述の実施例14と同様にして、顔料添加剤で処理していないPR254を含有する組成物を得た。そして、顔料組成物(6)に代えて、上記で得た組成物を用いたこと以外は、前述の実施例26と同様にしてCF用顔料着色剤(比較例6)を得た。
【0111】
(比較例7)
顔料添加剤(G)を使用しないこと以外は、前述の実施例21と同様にして、顔料添加剤で処理していないPY138を含有する組成物を得た。そして、顔料組成物(13)に代えて、上記で得たPR138を含有する組成物を用いたこと以外は、前述の実施例25と同様にしてCF用顔料着色剤(比較例7)を得た。
【0112】
(比較例8)
顔料添加剤(G)を使用しないこと以外は、前述の実施例22と同様にして、顔料添加剤で処理していないPY138を含有する組成物を得た。そして、顔料組成物(14)に代えて、上記で得た組成物を用いたこと以外は、前述の実施例26と同様にしてCF用顔料着色剤(比較例8)を得た。
【0113】
<評価>
実施例25〜40及び比較例1〜8の各CF用顔料着色剤について、(1)流動性(貯蔵安定性)、(2)展色面のグロス、(3)塗膜中の異物、(4)コントラスト、及び(5)輝度(Y値)を評価した。それぞれの評価方法を以下に示す。また、評価結果を表2及び3に示す。
【0114】
(1)流動性(貯蔵安定性)
E型粘度計を使用し、調製直後(初期)と、25℃で1ヶ月間放置した後(放置後)のCF用顔料着色剤の粘度(mPa・s)をそれぞれ測定して流動性の評価基準とした。なお、測定条件は、温度:室温(25℃)、ローターの回転数:6rpmとした。また、「放置後粘度/初期粘度(%)」を算出するとともに、得られた算出値を用い、以下に示す基準に従って「貯蔵安定性」を評価した。
○:「放置後粘度/初期粘度」が110%以下
×:「放置後粘度/初期粘度」が110%超
【0115】
(2)展色面のグロス
バーコーター(巻線の太さ0.45mm)を使用して、CF用顔料着色剤をポリプロピレンフィルムに展色して展色面を形成した。形成された展色面のグロスを、目視観察、及びグロスメーターを使用して観察し、以下に示す基準に従って「展色面のグロス」を評価した。なお、展色面のグロスが高いものほど良好であると判定することができる。
◎:非常に良好
○:良好
×:不良
【0116】
(3)塗膜中の異物
スピンナーを使用してCF用顔料着色剤をガラス基板に塗布し、90℃で2分間乾燥後、270℃で30分間加熱して塗膜を形成した。顕微鏡を使用し、形成された塗膜の表面(塗布面)を200倍で観察して異物の有無を確認し、以下に示す基準に従って「塗膜中の異物」を評価した。
◎:異物なし
○:わずかに異物あり
×:異物あり
【0117】
(4)コントラスト
スピンナーを使用してCF用顔料着色剤をガラス基板に塗布し、90℃で2分間乾燥後、230℃で30分間加熱して塗膜を形成した。また、スピンナーの速度を変えて3枚の塗膜を形成した。コントラストメーター(アイシステム社製)を使用して形成した塗膜の明輝度及び暗輝度を測定し、コントラスト(明輝度/暗輝度)を算出した。さらに、分光光度計(商品名「U−2000A」、日立製作所社製)を使用して塗膜を測色し、色度x又はyを測定した。色度x又はyに対してコントラストをプロットして作成したグラフに近似直線を引き、(i)PB15:6の場合には色度y=0.120のコントラストを、(ii)PR177及びPR254の場合には色度x=0.650のコントラストを、(iii)PY138の場合には色度x=0.426のコントラストを、それぞれ読み取った。そして、比較例1、3、5及び7のコントラストを「100%」として、各実施例及び比較例のコントラスト比(%)を算出するとともに、以下に示す基準に従って「コントラスト」を評価した。
◎:110%以上
○:90%以上110%未満
×:90%未満
【0118】
(5)輝度(Y値)
スピンナーを使用してCF用顔料着色剤をガラス基板に塗布し、90℃で2分間乾燥し、塗膜を形成した。また、スピンナーの速度を変えて3枚の塗膜を形成した。分光光度計を使用して塗膜を測色し、色度x又はyを測定した。色度x又はyに対して、輝度(Y値)をプロットして作成したグラフに近似直線を引き、(i)PB15:6の場合には色度y=0.120のY値を、(ii)PR177及びPR254場合には色度x=0.650のY値を、(iii)PY138の場合には色度x=0.426のY値を、それぞれ読み取った。また、上記の各塗膜を230℃で30分間加熱したものについて、同様に測色してY値を読み取った。230℃で処理した塗膜のY値と、90℃で処理した塗膜のY値の差(ΔY)を算出し、以下に示す基準に従って「輝度」を評価した。
○:ΔY≧−0.1
×:ΔY<−0.1
【0119】
【0120】
【0121】
表2及び3に示すように、実施例のCF用顔料着色剤は、比較例のCF用顔料着色剤と比較して、粘度が低く、貯蔵安定性が良好であり、展色面のグロスが良好であり、塗膜中に異物が発生せず、高コントラストであり、かつ230℃での輝度が90℃での輝度と比較してほとんど低下していないことが分かる。以上より、実施例の顔料添加剤が優れた効果を有することが明らかである。
【0122】
さらに、実施例の顔料組成物を、オフセットインキなどの印刷インキ;ニトロセルロースラッカー、メラミンアルキッド塗料などの各種塗料;塩化ビニール樹脂などの合成樹脂の着色剤などに使用した。その結果、いずれの場合にも顔料は凝集せず、良好な分散性を示した。また、最近、高分散性であることが特に要求されている電子写真用乾式又は湿式トナー、インクジェット記録用インキ、熱転写記録用インキ、筆記具用インキなどの調製に実施例の顔料添加剤を用いた。その結果、いずれの場合にも優れた分散性を示した。