【課題】 従来の軸流圧縮機を有した推力発生用装置は、同心の動翼を回転させる回転軸が交互に逆回転するための動力を伝達する動力機構が、構造的に非常に非効率的で複雑な構造のものとなり、単純な構造でコンパクトに順回転の動翼と反対回転の動翼を設置することが困難であった。
【解決手段】本発明の軸流圧縮機を有した推力発生用装置は、同心で交互に逆回転する複数段の羽根の列を構成した軸流圧縮機の動翼において、前段と次の後段にある動翼同士が、送られてくる風の向きに沿った方向に傾いた羽根を設置でき、順回転と逆回転する動翼の回転軸が、複数列の動翼を設置した順回転用の回転体と複数列の動翼を設置した逆回転用の回転体を、構成するものである。
【背景技術】
【0002】
軸流圧縮機は空気が回転軸と平行に流れる圧縮機で、回転体側の動翼(回転翼)と、エンジン本体側の静翼(固定翼)の羽根から構成される(非特許文献38の第38頁〜第41頁や、非特許文献40の第102頁〜第106頁と第112頁〜第116頁や、非特許文献39の第233頁〜第331頁などに記載)。
【0003】
従来の軸流圧縮機では、複数の動翼列と静翼列を軸方向に交互に並べた多段構造となり、通常はこの動翼列と静翼列の一組を段という単位で呼び、
回転体が回転することにより前方から後方向へ作動流体の流れを加速させて送り、作動流体が静翼で減速される際に動翼で得た運動エネルギーを圧力に変換する。
すなわち従来の軸流圧縮機は、前述の羽根を有する回転体が回転することにより前方から後方向へ流れを送る動翼と、前述の軸流圧縮機の回転軸の前後方向に吸入穴及び排気穴を有した筒構造の前述の軸流圧縮機用のケーシングに設置された静翼を、多段にして組み合わせて重層し、空気が回転軸と平行に流れる、推力発生用装置である。
(非特許文献32、及び非特許文献36、及び非特許文献37、及び非特許文献38、及び非特許文献39、及び非特許文献40、及び非特許文献41、を参照)
【0004】
本発明の書類において、
空気が回転軸と平行に流れる圧縮機である、軸流圧縮機の回転体が回転することにより、軸流圧縮機の前方から後方向へ流体に動力を与える部分を構成する一枚一枚又は個々の部分を、「羽根」又は「翼」又は「ローター・ブレード」、又は、「羽根」や「翼」や「ローター・ブレード」を総称して「羽根」、と記載し、
前述の「羽根」又は「翼」又は「ローター・ブレード」を、複数枚取り付ける又は複数枚一体構造となるための、回転軸又は回転する輪を構成する回転部分を、「ディスク」又は「リング」と記載し、
前述の、「羽根」又は「翼」又は「ローター・ブレード」と、「ディスク」又は「リング」を、固定又は一体構造としたものを、「ローター」又は「動翼」と記載した。
(非特許文献4の第389頁等、及び非特許文献37の第72頁等、及び非特許文献38の第58頁と第59頁等、及び非特許文献40、及び非特許文献41の第174頁等、及び非特許文献32の第107頁〜第109頁、等参照)
【0005】
前述の軸流圧縮機において、動翼が回転することにより前方から後方向へ流体を送り、その流れる流体を通過させることで流体の流れを整え、圧力をもったまま後方へ流体の流れを送るための固定された「羽根」又は「翼」を、「静翼」又は「ステーター・ベーン」、又は「静翼」や「ステーター・ベーン」を総称して「静翼」、と記載し、
前述の回転する動翼を構成とした回転体が同心となるよう、回転軸に向かって放射状に複数の「静翼」又は「ステーター・ベーン」を円周状に配列し、前述の回転体の円周の周囲を包囲する静翼同士をリング状に連結する部分を「インナーリング状・ステーター」と記載し、
前述の回転体における回転軸の前後方向で、吸入用の穴及び排気用の穴を有し内部の部品を固定又は支持した又は装着した筒構造の構造物を「ケーシング」と記載し、
また、従来の軸流圧縮機のガスタービンでは、圧縮機のケーシングが「ステーター」を構成とし、燃焼機のケーシングは外筒のケーシングとその内側の内筒のライナを構成とし、タービンのケーシングには「ノズル」と呼ぶ静翼が装着されていた。
【0006】
従来の動翼(ファン部や圧縮部など)又は静翼は、金属や複合材が使用されており(非特許文献40の第112頁〜第116頁参照)、また、従来の動翼(ファン部や圧縮部など)などは、羽根部分(非特許文献40では動翼と記載されている)とディスク部分(又は、ローター部分)を一体構造としたブリスク構造のものや、羽根部分とディスク部分が分離されたダブテール構造のものなど様々な構造のものがあり、本発明で使用する動翼や静翼の材質や構造や形状などの種類は、耐腐食性や非強度が高い物質であればその種類は限定しない。(非特許文献40の第112頁〜第116頁や、非特許文献38の第52頁や第56頁など)
【0007】
ガスタービンにおける、従来の各部品の材質について、
低圧圧縮機動翼(ファン部)は、
主にチタン合金(軽量高強度で、腐食やエロ−ジョンに強い物質)を使用し、チタン合金などの金属と炭化珪素繊維の金属基複合材なども研究されている。
高圧圧縮機は、
チタン合金や耐熱チタン合金やニッケル合金(耐クリープ性、熱伝導率が高い、熱膨張率が低い、耐環境性(耐腐食性・耐酸化性等)などを兼ね備えたもので、タービン材等を使う)などを使用。
低圧圧縮機の静翼は、
ステンレス鋼や溶接可能なチタン合金など、
圧縮機のディスクは、
ステンレス鋼やチタン合金など、
燃焼機のライナは、
ニッケルとクロムの含有率が非常に多い特殊な超合金(高強度、耐クリープ性、熱伝導率が高い、熱膨張率が低い、耐酸化性などを兼ね備えたもの)など、
タービンの動静翼は、
超合金(耐クリープ性、破断強度が強い、疲労強度が強い、熱伝導率が高い、熱膨張率が低い、耐高温腐食性、耐酸化性等、を兼ね備えたもの)など、
タービン・ディスク
超合金、
ケーシング類
圧縮機のケーシングにはチタン合金やニッケル合金、燃焼機やタービンのケーシングには超合金、ファンケースのケーシングには鉄やチタンやアルミニウムとアラミド繊維を用いたものや、エポキシ樹脂や炭素繊維の複合材などを使用したもの(堅さ(変形のしにくさ)や強度があるもの)
など様々な材質が、使用されていた。(非特許文献38や非特許文献39や非特許文献40を参考)
【0008】
また、ガスタービンの加工法として、精密鋳造法や、一方向凝固・単結晶鋳物や、レーザービーム加工や、電子ビーム加工、放電加工や、ケミカルミーリングや、電解加工やコーティングなどがある。
(非特許文献38や非特許文献39や非特許文献40を参考)
【0009】
ガスタービンでは使用環境が厳しく部品の寿命を延ばすために、圧縮機やタービンに耐腐食コーティングや、タービンに耐熱コーティングや、燃焼機やタービンにセラミックスによる遮熱コーティングなどを行っていた。
(非特許文献38や非特許文献39や非特許文献40を参考)
【0010】
ファンブレードなどに炭素繊維やボロン繊維で強化されたエポキシ樹脂の複合材に、翼の前縁部に金属のカバーをつけブレードの厚み方向に3次元織物を使ったものや、高温部の材料などに、金属基複合材MMCやセラミックス基複合材CMCや金属間化合物合金などを使ったものなど、新素材の開発が行われている。
【0011】
セラミックス材料は窒化ケイ素と炭化ケイ素が使用され、現在も様々な技術革新がされている。
【0012】
また、非特許文献38の第57頁の
図3.12の二軸エンジンの説明において高圧軸と低圧軸の記載は本発明では逆の記載として解釈をする。
【0013】
軸受「回転軸を支え、軸をなめらかに回転させる機械要素」(非特許文献4参照)は、転がり軸受「外輪と内輪の間に玉やころを入れて、転がり接触をさせて摩擦を軽減した軸受。」やすべり軸受「軸受面とジャーナルが面接触している軸受。」(非特許文献4参照)などがあり航空用は主に転がり軸受が使用され、モリブデン系の高速度鋼などを使い、潤滑油を強制給油して潤滑及び冷却を行い(非特許文献38の第54頁と第55頁、非特許文献39の第542頁〜第547頁、非特許文献30,非特許文献6,非特許文献7、等を参照)、本発明で使用する軸受は、本発明の条件を満たすものであれば、それらの形状や構造や材質など、それらの種類は限定しない。
【0014】
従来のガスタービン冷却装置には、対流冷却や、衝突冷却や、膜冷却や、トランスピレーション冷却などがあり、本発明で使用する冷却装置の種類や構造は本発明の条件を満たすものであれば、その種類は限定しない。(非特許文献38や、非特許文献39等参照)
【0015】
アクチュエータとは、作動油の流体エネルギーを機械的なエネルギーに変換する変換装置のことであり、直線運動を行う油圧シリンダと空気圧シリンダ、回転運動を行う油圧モータと空気圧モータがある。(非特許文献32の第138頁に記載)
【0016】
案内とは「機械部品を、すべり対偶を用いて、一定方向に正しく運動させること」(非特許文献4参照)を示し、
機構とは「機械の運動の伝達や変換だけを考えるときに、一定の相対運動をする部分の組み合わせ」(非特許文献4参照)や「機械の内部の構造」(広辞苑第6版参照)を示し、
本発明において案内機構とは、レールなどの機械部品を、すべり対偶を用いて、一定方向に正しく運動させる機械の構造とした。
【0017】
図1は、流体力学の簡単な説明のための簡略図の一例を示し、
図1の(A)は流れに対して垂直な力の成分(L)を発生させることを目的とした羽根(w)の断面の簡略図であり、(Le)は羽根の前縁、(Te)は羽根の後縁、前縁と後縁を結ぶ直線を翼弦(ch)、翼弦の長さを翼弦長(chL)、翼弦が流体の流れ方向(V)となす角を迎え角(α)、羽根の上面は(wup)、羽根の下面は(wun)とし、また、圧縮機の羽根は、長さ方向にねじれた形状となる。(非特許文献35の第85頁、及び、非特許文献34の第202頁を参考に説明)
【0018】
図1の(B)は流れの中に羽根を置いたものの簡略図一例を示し、羽根(w)と、境界層(wL)の流体の粘性によって速度が急変する領域と、主流(ef)の物体からある程度離れ粘性の強い影響が及ばない領域、の関係を示したものである。(非特許文献34の第211頁を参考に説明)
【0019】
図1の(C)ははく離の説明の簡略図一例を示し、物体(w)の表面近傍の境界層の内部では、速度勾配に応じて、粘性力による摩擦が生じ、流体の運動エネルギーが摩擦力により熱エネルギーに変換され、物体の表面に近い流体は減速し物体近傍の速度の遅い流体粒子は下方に流れようとする運動エネルギーを失い、停止してしまう。このとき下流側の圧力が高いために逆流を生じ、上流からの境界層内の流線は物体の表面からはがれることになり、この状態をはく離といい、はく離領域が(se)である。(非特許文献35の第136頁及び非特許文献34の第211頁を参考に説明)
【0020】
図1の(D)ははく離防止の方法の簡略図一例を示し、逆流しそうになった境界層流れに、逆に新たな流れを吹き込んで、運動量の大きい流れにするものである。
(非特許文献35の第137頁及び非特許文献34の第212頁を参考に説明)
【0021】
図1の(E)ははく離防止の方法の簡略図一例を示し、逆流しそうになった境界層流れを吸い込んで、上層の運動量の大きい流れを物体の表面流れにするものである。
(非特許文献35の第137頁及び非特許文献34の第212頁を参考に説明)
【0022】
図1の(F)ははく離防止の方法の簡略図一例を示し、前置翼(fw)と後置翼(rw)によるスロットを設けて流体を加速したり(非特許文献34の第212頁を参考に説明)、また、前置翼(fw)と後置翼(rw)による間隙流による高い効率のタンデム翼列(非特許文献40の第116頁を参考に説明)など、複数の羽根を利用するものがある。
【0023】
図1の(G)ははく離防止の方法の簡略図一例を示し、小さな突起(非特許文献35の第137頁及び非特許文献34の第212頁を参考に説明)、又はくぼみ(非特許文献33の第80頁を参考に説明)を物体(w)の表面に配置し、境界層流れを乱流境界層にして上層の運動量の大きい流れと混ぜ、はく離を遅らせるものである。
【0024】
図1の(H)ははく離防止の方法の簡略図一例を示し、渦流発生器を取り付けて混合を促進するものである。(非特許文献34の第212頁を参考に説明)
【0025】
圧縮機の翼面に沿って空気が流れるのが理想的であるが、空気流量が少ない場合に翼面に沿って空気が流れずはく離が起こる。これは空気流量が少なくなって、翼の迎え角が大きくなり翼の背面にはく離域を生じ、急激な圧力低下が起こり、失速現象(ストール)が起きる。
【0026】
圧縮機翼列において、流れを転向させることにより減速・圧縮を行う際には境界層が発生しやすく損失が大きくなりやすく、損失を避けるためには、翼の角度をなるべく空気流の角度に合わせることが必要になる。(非特許文献39の第289頁参照)つまり、羽根が空気の流れから角度がつきすぎる(迎え角の角度が大きくなりすぎる)と羽根表面から流れがはく離し(非特許文献34の第203頁、非特許文献35の第86頁参照)、サージングの原因となる。
【0027】
ストールを防止するために通常の軸流圧縮機では、圧縮機の途中段から一部の空気を抽出する装置を設け、圧縮機を流れる空気流量を増やし、迎え角を小さくして失速を防いでいた。また、圧縮機の静翼を可変にし(非特許文献38の第138頁と第140頁など)、空気の流れに沿って翼角度を変える方法(可変静翼)の、圧縮機入口の案内翼及び初めの数段の静翼の取り付け角を変えて、動翼に対する迎え角を適正にするものや、高圧軸と低圧軸の2軸に分割する方法もある。(非特許文献38の第56頁と第57頁、非特許文献39の第328頁〜第330頁参照)
【0028】
図2の(A)は軸流圧縮機の動翼又は静翼を構成する、回転軸の円周方向に並べられた前列の翼列の羽根と、回転軸の円周方向に並べられた後列の翼列の羽根を記載したものの簡略図一例を示し、
前列に位置する(W1)は、回転軸の円周方向に並べられた動翼又は静翼の翼列における羽根、
後列に位置する(W2)は、回転軸の円周方向に並べられた動翼又は静翼の翼列における羽根、
(LX)は、回転軸に平行な線である軸方向基準線、(以下、本明細書において、回転軸に平行な線を、「軸方向基準線」又は「回転軸に平行な線」と記載する)
(Sa)は、翼弦(ch)の線と軸方向基準線(LX)のなす角である「スタガ角」であり、
図2(A)における、前列の羽根(W1)のスタガ角の角度と後列の羽根(W2)のスタガ角の角度は、「対向した向き」又は「対向した向きに近い向き」に構成されたものである。(非特許文献39を参考に説明)
【0029】
上記
図2の(A)の前列の翼列の羽根と後列の翼列の羽根、の位置関係と同じ又は類似するものの例として、
従来の一般的な軸流圧縮機の一段を構成する動翼と静翼の位置関係のものなどや、
前の列の動翼と後の列の動翼が同心で互いに逆回転する場合に、前の列の動翼が回転することにより回転軸の前から後方向へ気体を流し、後の列の動翼が前の列の動翼とは逆の方向に回転することにより回転軸の前から後方向へ気体を流すことができるものなどがある。
【0030】
図2の(B)は従来の一般的な軸流圧縮機の、ローターに構成された前列の動翼と後列の動翼、又は、ステーターに構成された前列の静翼と後列の静翼、の位置関係を記載したものの簡略図一例を示し、回転軸の円周方向に並べられた前列の翼列の羽根(w1)のスタガ角の角度と、回転軸の円周方向に並べられた後列の翼列の羽根(w2)のスタガ角の角度が、「平行した向き」又は「平行した向きに近い向き」に構成されたものである。
【0031】
上記
図2の(B)の前列の翼列の羽根と後列の翼列の羽根の位置関係と同じ又は類似するものの例として、従来の一般的な軸流圧縮機のローターに固定された前段の動翼と後段の動翼の位置関係や、ステーターに固定された前段の静翼と後段の静翼の位置関係のものなどがあり、従来の軸流圧縮機は
図2の(B)の(w1)と(w2)の間に
図2の(A)の羽根の位置関係となる動翼又は静翼を設置している。
【0032】
図2の(C)は軸流圧縮機に構成された、前列の羽根の列と後列の羽根の列、の対比を記載したものの簡略図一例を示し、
点線(x−x’)は、回転軸の前後方向に位置し同心で回転する動翼の、回転軸に平行な線を軸方向基準線(LX)であり、
軸流圧縮機の前の列の羽根(w)と後の列の羽根(w)の向き、すなわち、回転軸の前後の向きと動翼の羽根の前縁(Le)から羽根の後縁(Te)の向きが気体の流れる方向に対して同じ方向の羽根の向きである、軸流圧縮機の列(I・II・III・IV)において、
図2の(A)の例や
図2の(C)の例における、(I)と(II)や、(II)と(III)や、(III)と(IV)や、(I)と(IV)の様な配置の場合、本明細書では、軸流圧縮機の前の列の羽根の向きと後の列の羽根の向きが、「対向的な向き」とし、
図2の(B)の例や
図2の(C)の例における、(I)と(III)や、(II)と(IV)の様な配置の例のような場合、本明細書では、軸流圧縮機の前の列の羽根の向きと後の列の羽根の向きが、「平行的な向き」とした。
【0033】
図2の(D)は軸流圧縮機の説明のための簡略図一例を示し、動翼(w)が矢印1の方向に回転することにより、羽根(w)の上面は下面より流速が速くなるために上面より下面の方が圧力が高くなり、矢印2の回転軸と平行な方向に空気を流し(非特許文献32の第100頁〜第101頁を参考に説明)、「軸方向基準線に対する前の列の羽根(w)の傾きと、軸方向基準線に対する後ろの列の羽根(sw)の傾きが、対向的な向き」となっている。
【0034】
図2の(E)は動翼と静翼からの空気の流れの簡略図一例を示し、動翼(w)が矢印1の方向に回転することにより矢印3の方向(非特許文献39の第240頁の
図5.4のC2に相当)に流れをつくり、静翼(sw)で動翼から出た気体の流れの旋回成分を取り除いて軸方向(回転軸と平行な方向(LX))に流す役目をもっている。
また、従来の一般的な軸流圧縮機の動翼と静翼のように、「軸方向基準線に対する前の列の羽根(w)の傾きと、軸方向基準線に対する後ろの列の羽根(w)の傾きが、対向的な向き」であれば、動翼から出た気体の流れの旋回成分を取り除いて軸方向に流すことができる。
(非特許文献32の第120頁及び第197頁や、非特許文献39の第240頁の
図5.4など参考に説明)
【0035】
図2の(F)は従来の一般的な軸流圧縮機の簡略図一例、及び、
図2の(G)は
図2の(F)を回転軸と垂直な方向から見た簡略図一例を示し、(LX)は軸方向基準線であり、同一のローター(R)に固定された前の動翼(w1)と後ろの動翼(w2)は、矢印1の方向にローター(R)が回転することにより、気体を吸込口から気体の吐き出し口の方へ排気し、矢印4の回転軸と平行な方向に流れをつくるものである。
【0036】
同一のローターに固定された複数列の動翼(W)が、静翼(sw)を間に挟んで多段に配置されて段を形成する従来の一般的な軸流圧縮機は、前の列の動翼と後ろの列の動翼の複数段の列の動翼(w)の傾きが、平行又はほぼ平行な方向に傾いたものでないと、動翼(w)から出た気体の流れを軸方向(4の方向)に流すことができない。
すなわち、同一のローター(R)に同心で多段になった動翼(w)を取り付けた通常の軸流圧縮機は、後ろで回転する動翼の傾きを前の段の動翼の傾きと対向的な向きの傾き(つまり、通常の軸流圧縮機の動翼に対しての静翼の傾き)にした羽根を設置することはできない。
【0037】
図3の(A)は従来のターボファンエンジン(非特許文献39の第155頁〜第175頁や、非特許文献42の第87頁を参考に説明)の簡略図一例を示し、(1)は回転するファン用動翼を固定するローター及びタービンを構成とする軸流圧縮機の回転体、(2)は軸流圧縮機の回転体(1)を筒状に包囲して排気するケーシング、(3)は高圧コンプレッサーを通過せず外周側を通過する低温のバイパス流用のノズルにより構成されるバイパス用空間、(3’)は内周側の高圧コンプレッサーを通過する高温コア流用のノズルにより構成される空間、(4)はタービンを回すための燃料を燃やす燃焼器(燃焼室も含む)であり、(LX)は「回転軸に平行な線」であり、(LY)は「回転軸に平行な線と垂直な方向の線である軸流圧縮機の半径方向の線」(以下、本明細書において、回転軸に平行な線と垂直な方向の線を、「軸流圧縮機の半径方向の線」と記載する)であり、本発明において、ファンや低圧縮機や中圧縮機や高圧縮機をまとめて圧縮機としている。
【0038】
燃焼器(4)に関して、燃焼器は圧縮機とタービンの間に位置し、ケーシングと呼ばれる外筒とライナと呼ばれる内筒で構成され、缶型と環状缶型と環状型があり(非特許文献38の第43頁と第45頁や、非特許文献40の第105頁と第116頁〜第118頁や、非特許文献39の第333頁〜第383頁などを参考に説明)、燃料噴射機(非特許文献38の第51頁などを参考に説明)も使用し、燃焼で加熱されるライナの耐熱温度を超えるために、ライナの壁面にはルーバーやスリットから冷却空気を流し込みライナを保護する構造になっている。
【0039】
図3の(B)は従来のターボファンエンジンの簡略図一例を示し、(1f)はノーズ・コーンで(1r)はテール・コーンで、
低圧圧縮機(1Lr)からの空気が、バイパス流用のノズルとなる外側のケーシング(2L)と高圧側のケーシング(2H)によって作られた空間(3)からのバイパス流と、高圧圧縮機(1Hr)と高圧圧縮機を筒状に包囲するケーシング(2H)によりつくられた空間側からのコア流が、混合され一つのノズルから排気される形式のジェットエンジンであり、
高圧圧縮機(1Hr)は高圧タービン(1Ht)とシャフトで連結し、低圧圧縮機(1Lr)はシャフトで低圧タービン(1Lt)と連結している。
(非特許文献40の第100頁や第112頁や第125頁や第126頁や第135頁や第136頁や第169頁などを参考に説明)
【0040】
燃焼器から出た高温高圧のガスのエネルギーを機械エネルギーに変えて、圧縮機を駆動し、外部の負荷を駆動するものがタービンであり、軸流タービンは静翼(ノズル)と動翼(ブレード)が交互に並んだものである(非特許文献38の第46頁〜第49頁や、非特許文献40の第106頁〜第108頁と第118頁〜第120頁や、非特許文献39の第386頁〜第455頁などを参考に説明)。
【0041】
図3の(B)の(af)は再熱装置、(af1)は燃料噴射ストラット、(af2)は保炎器であり、タービンからの燃焼ガスとファンからの空気を混合し、燃料ガスをそこに噴射して排気ガスを再加熱し推力を得る装置であり外筒と内筒よりなり、冷却にはルーバーやスリットが設けられている。
(非特許文献38の第52頁と第53頁や、非特許文献39の第139頁〜第145頁と第342頁と第343頁、非特許文献36の第117頁〜第121頁や、非特許文献40の第100頁と、第122頁〜第132頁と第120頁と第121頁、などを参考に説明)
【0042】
再熱装置より後部の排気側には、推力偏向ノズルが装備されており、排気ノズルは可変機構によって、ノズル面積の増大や縮小が行え、推力を軸方向から軸と垂直な方向に偏向できる多軸推力偏向ノズルもある。(非特許文献40の第121頁を参考に説明)
【0043】
図3の(C)は従来のジェットエンジンのターボジェットエンジン(非特許文献42の第86頁を参考に説明)の簡略図一例を示し、コンプレッサーからの空気がそのまま燃焼器に送られタービンを回す形式のジェットエンジンである。
【0044】
また、ジェットエンジンには、ターボプロップエンジンやターボシャフトエンジン(非特許文献41の第170頁〜第173頁を参考に説明)などもある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0045】
【非特許文献1】「図解雑学ロボット」新井健生監修ナツメ社
【非特許文献2】「ロボット工学概論」中川栄一、伊藤雅則著成山堂書店
【非特許文献3】「カナ引き工業用語辞典」滝川立夫編ジャパンマシニスト社
【非特許文献4】「図説機械用語辞典」実教出版株式会社
【非特許文献5】「図解はじめての機械の潤滑」似内昭夫著科学図書出版株式 会社
【非特許文献6】「図解入門よくわかる最新ベアリングの基本と仕組み」ジェイテク ト「ベアリング入門書」編集委員会秀和システム
【非特許文献7】「トコトンやさしい軸受の本」吉武立雄著日刊工業新聞社
【非特許文献8】「技能ブックス(13)歯車のハタラキ」技能士の友編集部著 株式会社大河出版
【非特許文献9】「機械要素活用マニュアルばね」ニッパツ・日本発条株式会社編 (株)工業調査会
【非特許文献10】「最先端電池と材料」高分子学会編集共立出版
【非特許文献11】「カーボンナノチューブの基礎」斉藤弥八、坂東俊治共著 ナツメ社
【非特許文献12】「図解入門よくわかる最新レアメタルの基本と仕組み」田中和明 秀和システム
【非特許文献13】「元素と金属の科学」坂本卓著日刊工業新聞社
【非特許文献14】「トコトンやさしいモータの本」谷腰欣司著 日刊工業新聞社
【非特許文献15】「サーボ制御基礎のきそ」塩田泰仁著日刊工業新聞社
【非特許文献16】「トコトンやさしい制御の本」門田和雄著日刊工業新聞社
【非特許文献17】「図解入門よくわかる最新電気自動車の基本と仕組み」 御堀直嗣著秀和システム
【非特許文献18】「初心者のためのエンジン教室」山田淳一著成山堂書店
【非特許文献19】「入門・機械&保全ブックス7新版減速機の本」日本プラントメ ンテナンス協会編JIPM ソリューション
【非特許文献20】「モーターファン別冊トランスミッション・バイブル」 鈴木慎一編株式会社三栄書房
【非特許文献21】「ATの変速機構及び制御入門」守本佳郎著 株式会社グランプリ出版
【非特許文献22】「無段変速機CVT入門」守本佳郎著 株式会社グランプリ出版
【非特許文献23】「冷凍・空調の基本がわかる本」関上邦衛著 株式会社 オーム社
【非特許文献24】「機械工学入門講座伝熱工学」田坂英紀著 森北出版株式会社
【非特許文献25】「図解入門よくわかる最新油圧・空気圧の基本と仕組み」 坂本俊雄、長岐忠則著秀和システム
【非特許文献26】「トコトンやさしい3Dプリンタの本」佐野義幸、柳生浄勲、結 石友宏、河島巌著日刊工業新聞社
【非特許文献27】「3Dプリンタが創る未来」クリストファー・バーナット著 日経BP社
【非特許文献28】「図解CAD/CAM入門」武藤一夫著大河出版社
【非特許文献29】「トコトンやさしい工作機械の本」清水伸二、岡部眞幸、 坂本治久、伊東著日刊工業新聞社
【非特許文献30】「トコトンやさしい機械の本」朝比奈奎一、三田純義著 日刊工業新聞社
【非特許文献31】「実用レーザー切断・溶接加工」新井武二著 日刊工業新聞社
【非特許文献32】「絵ときでわかる流体工学」安達勝之、菅野一仁著 株式会社 オーム社
【非特許文献33】「流体工学のキホン」小峯龍男著 ソフトバンククリエイティブ株式会社
【非特許文献34】「専門基礎ライブラリー 流体力学」金原粲監修実教出版
【非特許文献35】「基本を学ぶ 流体力学」藤田勝久著森北出版株式会社
【非特許文献36】「ジェットエンジン」中村佳朗監、修鈴木弘一著 森北出版株式会社
【非特許文献37】「カラー図解でわかるジェットエンジンの科学」中村寛治著 ソフトバンククリエイティブ株式会社
【非特許文献38】「図解ガスタービン」佐藤幸徳著日刊工業新聞社
【非特許文献39】「ガスタービンの基礎と応用」 HIH Saravanamuttoo/ GFC Rogers/H Cohen/ PV Straznicky著東海大学出版会
【非特許文献40】「兵器と防衛技術シリーズ1航空機技術のすべて」 防衛技術ジャーナル編集部(財)防衛技術協会
【非特許文献41】「プロが教える飛行機のメカニズム」鈴木真二監修 ナツメ社
【非特許文献42】「プロが教える飛行機のすべてがわかる本」鈴木真二監修 ナツメ社
【非特許文献43】「トコトンやさしい航空工学の本」高木雄一、小塚龍馬、 松島丈弘、谷村康行著日刊工業新聞社
【非特許文献44】「トコトンやさしい宇宙ロケットの本」的川泰宣著 日刊工業新聞社
【非特許文献45】「はじめての宇宙工学」鈴木弘一著森北出版株式会社
【非特許文献46】「F−22はなぜ最強といわれるのか」青木謙知著 ソフトバンククリエイティブ株式会社
【非特許文献47】「V−22オスプレイ」イカロス出版
【非特許文献48】「ビジュアル・マスターファイルF−14トムキャット」 クロスコンテンツ編集部ソフトバンククリエイティブ株式会社
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0046】
従来の回転軸の前後方向の同軸上又はほぼ同軸上で、交互に動翼列と静翼列が繰り返し並べられた構造となり、回転軸を構成する動翼が回転することにより空気を前から後ろ方向へ圧縮して送り出していた推力発生用装置の軸流圧縮機は、
一定の方向に傾けた動翼の羽根の列を設置したローターにおいて、そのローターの羽根の列の前方又は後方に軸方向基準線に対する動翼(w)の傾きと対向的な向き(従来の軸流圧縮機の軸方向基準線に対する静翼側の羽根の傾き)に配列した羽根の列を、構成することは不可能であった。
【0047】
従来の回転軸の前後方向の同軸上又はほぼ同軸上で、交互に動翼列と静翼列が繰り返し並べられた構造となり、回転軸を構成する動翼が回転することにより空気を前から後ろ方向へ圧縮して送り出していた推力発生用装置の軸流圧縮機は、
回転軸の回転を支持し動力を伝達する部分が動翼の羽根に対して羽根の回転中心側(軸側)にしかない軸流圧縮機や、回転軸の回転を支持し動力を伝達する部分が動翼の羽根に対して羽根の外周側にしかない軸流圧縮機では、
動翼に動力を伝達するためには、回転軸の前後方向に交互に複数段重層した動翼が別々に分断されたものになり、単純な構造でコンパクトに順回転の動翼と反対回転の動翼を設置することが困難であった。
【0048】
従来の動力用アウターリング又は動力用アウターローターを用いて交互に順回転用と逆回転用の動翼列と静翼列が繰り返し並べられた構造のものでは、構造上動力用アウターリング又は動力用アウターローターは一列ずつに分断されたものでなければ作ることができず、同一の動力用アウターリング又は動力用アウターローターに複数列の動翼用の羽根の列を設置することができなかったために、機構が複雑になっていた。
【0049】
本発明は、上記のような従来の軸流圧縮機が有していた問題を解決しようとするものであり、
同心で交互に逆回転する複数段の羽根の列を構成した軸流圧縮機の動翼において、
前段と次の後段にある動翼同士が、送られてくる風の向きに沿った方向に傾いた羽根を設置でき、
順回転と逆回転する動翼の回転軸が、複数列の動翼用の羽根を固定した順回転用の回転体と複数列の動翼用の羽根を固定した逆回転用の回転体を、効率的に任意に構成できることを、目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0050】
上記目的を達成するために、本発明の軸流式の推力発生用装置の解決手段は、ねじれや角度をつけた羽根を複数枚並べた列を有した動翼を構成とし、右回転の回転体と左回転の回転体の、いずれか一方に回転する回転体を順回転用回転体、もう一方の反対方向に回転する回転体を逆回転用回転体として、前述の順回転用回転体と前述の逆回転用回転体の回転中心を、動翼の回転軸の前後方向の同心又はほぼ同心で、交互に組み合わせて多段にして重層し、それぞれの回転方向に回転することにより回転軸の前から後方向へ気体を流す、軸流圧縮機用ローター、及び、前述の軸流圧縮機用ローターの回転軸の前方から後方の方向への気体の排気用に、軸流圧縮機用ローターの外周付近を包囲し回転軸の前後方向に貫通した筒状の穴構造であり、かつ、前述の塾流圧縮機用ローターの回転及び支持用である、ケーシング、を構成とする、軸流圧縮機において、動力用アウターリング又は動力用アウターローターの内側の円周上で列となる複数枚の羽根を動力用アウターリング又は動力用アウターローターの内側方向へ放射状に配列及び固定して動翼を構成し、その動翼の外周側又は内周側に動翼の回転及び支持用である軸受用の構造部を構成にした、動翼の羽根の列の外周側において回転子用動力部材を構成する回転体、及び、動力用ディスク又は動力用インナーローターの外側の円周上で列となる複数枚の羽根を動力用ディスク又は動力用インナーローターの外側方向へ放射状に配列及び固定して動翼を構成し、その動翼の内周側又は外周側に動翼の回転及び支持用である軸受用の構造部を構成にした、動翼の羽根の列の内周側において回転子用動力部材を構成する回転体、を構成とし、
前述の順回転の回転体の羽根の列又は前述の逆回転の回転体の羽根の列のいずれかの列とその後方に位置する静翼の列の一組を一段とするとき、圧縮機の入口案内翼であるインレット・ガイド・ベーン又はケーシングで固定した部分に固定した静翼の羽根の列とその後方の回転体の羽根の列の後ろに位置する静翼の羽根の列を動翼の回転円より内周側での固定用リング、及び、
前述の内周側での固定用リングに固定された後方に位置する静翼の羽根の列とその後方の回転体の羽根の列の後ろに位置する静翼の羽根の列を動翼の回転円より外周側での固定用リング、及び、
前述の外周側での固定用リングに固定された後方に位置する静翼の羽根の列とその後方の回転体の羽根の列の後ろに位置する静翼の羽根の列を動翼の回転円より内周側での固定用リング、及び、
前述の外周側での固定用リングの最後尾の位置で固定する静翼の羽根の列をケーシングに固定された部分に固定する、静翼の羽根の列又は固定用の構造物、を構成とし、
前述の順回転用の回転体と逆回転用の回転体の構造物が、前述の内周側での固定用リングと外周側での固定用リングを互いの動翼の間に構成することができる間隔を有した、
ことを特徴とする。
【0051】
本発明の軸流式の推力発生用装置は、上記請求項1に記載の軸流圧縮機用ローターの動翼を構成する複数枚の羽根より構成される動翼の個々の列において、回転体の動翼における回転中心から同一又はほぼ同一の距離に位置する回転円上の羽根の列に、シュラウド、又は、隣り合う羽根同士の連結補強用の連結リング、を構成とした軸流圧縮機用ローター、を構成としたことを特徴とする。
【0052】
本発明の軸流式の推力発生用装置は、上記請求項1に記載のケーシングにおいて、前述の回転子用アウターリング又は回転子用アウターローターを有した回転体における、動翼の羽根の列の外周側に動翼の回転及び支持用である軸受用の構造部との、回転体の回転及び支持用の軸受用の構造部、を構成にした、ケーシングの内側の構造部、を構成としたことを特徴とする。
【0053】
本発明の軸流式の推力発生用装置は、上記請求項1に記載のケーシングにおいて、前述の回転子用アウターリング又は回転子用アウターローターを有した回転体における、動翼の羽根の列の内周側に動翼の回転及び支持用である軸受用の構造部、又は、回転子用ディスク又は回転子用インナーローターを有した回転体における、動翼の羽根の列の内周側に動翼の回転及び支持用である軸受用の構造部、との回転体の回転及び支持用の軸受用の構造部を構成に有し、前述の回転体側ではない軸受用の構造部から複数枚の静翼又は支柱を放射状にケーシング側方向の円周上に配列し固定した、ケーシングの構造部、を構成にしたことを特徴とする。
【0054】
本発明の軸流式の推力発生用装置は、上記請求項1から上記請求項4に記載の、軸流圧縮機用ローター、及び、ケーシングの構造部において、動力発生用の回転子構成用の磁石又は磁性体を構成とした、前述の軸流圧縮機用ローターにおける回転体、及び、前述の回転子に対応する固定子用の導体を構成とした、前述の回転体付近のケーシング構造部、を構成としたことを特徴とする。
【0055】
本発明の軸流式の推力発生用装置は、上記請求項1から上記請求項4に記載の、軸流圧縮機用ローター、及び、ケーシングの構造部において、前述の軸流圧縮機用ローターの動力用アウターリング又は動力用アウターローターの円周上に動力伝達用の歯車用の歯、を構成した回転子用の回転体、及び、前述の回転子用の回転体への動力の伝達用の歯車装置を構成とする、前述の動力用アウターリング付近又は動力用アウターローター付近のケーシング構造部、を構成としたことを特徴とする。
【0056】
本発明の軸流式の推力発生用装置は、上記請求項1から上記請求項6に記載の、軸流圧縮機用ローター、及び、ケーシングの構造部において、磁石又は磁性体を回転体の構造部に構成した、回転体、及び、前述の回転体の磁石又は磁石に類する物に対応する動力用又は発電用又は電気的抵抗によるブレーキ用に導体を構成とした、前述の回転体付近のケーシング構造部、を構成としたことを特徴とする。
【0057】
本発明の軸流式の推力発生用装置は、上記請求項1に記載の軸流圧縮機用ローターにおいて、動翼の羽根の列の内周側において回転子用動力部材を構成する回転体との、又は、動翼の羽根の列の外周側において回転子用動力部材を構成する回転体との、連結用又は一体構成用の、ガスタービン用のタービン、を構成としたことを特徴とする。
【0058】
上記0050の作用は、ねじれや角度をつけた羽根を複数枚並べた列を有した動翼を構成とし、右回転の回転体と左回転の回転体の、いずれか一方に回転する回転体を順回転用回転体、もう一方の反対方向に回転する回転体を逆回転用回転体として、前述の順回転用回転体と前述の逆回転用回転体の回転中心を、動翼の回転軸の前後方向の同心又はほぼ同心で、交互に組み合わせて多段にして重層し、それぞれの回転方向に回転することにより回転軸の前から後方向へ気体を流す、軸流圧縮機用ローター、及び、前述の軸流圧縮機用ローターの回転軸の前方から後方の方向への気体の排気用に、軸流圧縮機用ローターの外周付近を包囲し回転軸の前後方向に貫通した筒状の穴構造であり、かつ、前述の塾流圧縮機用ローターの回転及び支持用である、ケーシング、を構成とする、軸流圧縮機において、動力用アウターリング又は動力用アウターローターの内側の円周上で列となる複数枚の羽根を動力用アウターリング又は動力用アウターローターの内側方向へ放射状に配列及び固定して動翼を構成し、その動翼の外周側又は内周側に動翼の回転及び支持用である軸受用の構造部を構成にした、動翼の羽根の列の外周側において回転子用動力部材を構成する回転体、及び、動力用ディスク又は動力用インナーローターの外側の円周上で列となる複数枚の羽根を動力用ディスク又は動力用インナーローターの外側方向へ放射状に配列及び固定して動翼を構成し、その動翼の内周側又は外周側に動翼の回転及び支持用である軸受用の構造部を構成にした、動翼の羽根の列の内周側において回転子用動力部材を構成する回転体、を構成とし、
前述の順回転の回転体の羽根の列又は前述の逆回転の回転体の羽根の列のいずれかの列とその後方に位置する静翼の列の一組を一段とするとき、圧縮機の入口案内翼であるインレット・ガイド・ベーン又はケーシングで固定した部分に固定した静翼の羽根の列とその後方の回転体の羽根の列の後ろに位置する静翼の羽根の列を動翼の回転円より内周側での固定用リング、及び、
前述の内周側での固定用リングに固定された後方に位置する静翼の羽根の列とその後方の回転体の羽根の列の後ろに位置する静翼の羽根の列を動翼の回転円より外周側での固定用リング、及び、
前述の外周側での固定用リングに固定された後方に位置する静翼の羽根の列とその後方の回転体の羽根の列の後ろに位置する静翼の羽根の列を動翼の回転円より内周側での固定用リング、及び、
前述の外周側での固定用リングの最後尾の位置で固定する静翼の羽根の列をケーシングに固定された部分に固定する、静翼の羽根の列又は固定用の構造物、を構成とし、
前述の順回転用の回転体と逆回転用の回転体の構造物が、前述の内周側での固定用リングと外周側での固定用リングを互いの動翼の間に構成することができる間隔を有した
、を構成としたものであるために、前列の動翼の次の後列に位置する動翼が、前列の動翼から送られてくる風の向きに合わせた角度に傾いた羽根を設置することができ、動翼の羽根の回転軸側からの動力によって回転する回転体と動翼の羽根の外周側からの動力によって逆方向に回転する動翼を多段に設置でき、静翼の列による圧縮用部分を設置することが、可能である。
【0059】
上記0051作用は、上記請求項1に記載の軸流圧縮機用ローターの動翼を構成する複数枚の羽根より構成される動翼の個々の列において、回転体の動翼における回転中心から同一又はほぼ同一の距離に位置する回転円上の羽根の列に、シュラウド、又は、隣り合う羽根同士の連結補強用の連結リング、を構成としたものであるために、回転子用の回転体における動翼の羽根に補強用の支持物、を構成することができる。
【0060】
上記0052作用は、上記請求項1に記載のケーシングにおいて、前述の回転子用アウターリング又は回転子用アウターローターを有した回転体における、動翼の羽根の列の外周側に動翼の回転及び支持用である軸受用の構造部との、回転体の回転及び支持用の軸受用の構造部、を構成にした、ケーシングの内側の構造部、を構成としたものであるために、ケーシングの内側の面又は、ケーシングの内側の面付近で動翼を構成する回転体を回転可能なように支持することが可能である。
【0061】
上記0053の作用は、上記請求項1に記載のケーシングにおいて、前述の回転子用アウターリング又は回転子用アウターローターを有した回転体における、動翼の羽根の列の内周側に動翼の回転及び支持用である軸受用の構造部、又は、回転子用ディスク又は回転子用インナーローターを有した回転体における、動翼の羽根の列の内周側に動翼の回転及び支持用である軸受用の構造部、との回転体の回転及び支持用の軸受用の構造部を構成に有し、前述の回転体側ではない軸受用の構造部から複数枚の静翼又は支柱を放射状にケーシング側方向の円周上に配列し固定した、ケーシングの構造部、を構成としたものであるために、ケーシングの中心側すなわち動翼の回転中心側で動翼を構成する回転体を回転可能なように支持することが可能である。
【0062】
上記0054の作用は、上記請求項1から上記請求項4に記載の、軸流圧縮機用ローター、及び、ケーシングの構造部において、動力発生用の回転子構成用の磁石又は磁性体を構成とした、前述の軸流圧縮機用ローターにおける回転体、及び、前述の回転子に対応する固定子用の導体を構成とした、前述の回転体付近のケーシング構造部、を構成としたものであるために、動翼の羽根の外周側に、磁石又は磁性体を構成とした回転体、及び、その回転子の外周付近のケーシングにおいて固定子用機構、を設置することが可能である。
【0063】
上記0055の作用は、上記請求項1から上記請求項4に記載の、軸流圧縮機用ローター、及び、ケーシングの構造部において、前述の軸流圧縮機用ローターの動力用アウターリング又は動力用アウターローターの円周上に動力伝達用の歯車用の歯、を構成した回転子用の回転体、及び、前述の回転子用の回転体への動力の伝達用の歯車装置を構成とする、前述の動力用アウターリング付近又は動力用アウターローター付近のケーシング構造部、を構成としたものであるために、軸流式の推力発生用装置が、歯車の歯を構成とした回転子用アウターリング、及び、その回転子用アウターリングの外周において回転子用アウターリングの動力伝達用の歯車を構成とした動力用機構、を設置することが可能となる。
【0064】
上記0056の作用は、上記請求項1から上記請求項6に記載の、軸流圧縮機用ローター、及び、ケーシングの構造部において、磁石又は磁性体を回転体の構造部に構成した、回転体、及び、前述の回転体の磁石又は磁石に類する物に対応する動力用又は発電用又は電気的抵抗によるブレーキ用に導体を構成とした、前述の回転体付近のケーシング構造部
、を構成としたものであるために、軸流式の推力発生用装置の回転体及びケーシングに、発電機や、電力により軸流式の推力発生用装置の回転速度を減速する装置、を設置することが可能となる。
【0065】
上記0057の作用は、上記請求項1に記載の軸流圧縮機用ローターにおいて、動翼の羽根の列の内周側において回転子用動力部材を構成する回転体との、又は、動翼の羽根の列の外周側において回転子用動力部材を構成する回転体との、連結用又は一体構成用の、ガスタービン用のタービン、を構成としたものであるために、タービンの力で回転する回転体を、構成に有した、軸流圧縮機用ローターを設置することが可能となる。
【発明の効果】
【0066】
本発明の推力発生用装置は、前列の動翼の次の後列に位置する動翼が、前列の動翼から送られてくる風の向きに合わせた角度に傾いた羽根を設置することができ、動翼の羽根の回転軸側からの動力によって回転する回転体と動翼の羽根の外周側からの動力によって逆方向に回転する動翼を多段に設置でき、静翼の列による圧縮用部分を設置すること、が可能であるために、一方向に回転する動翼の後ろに逆方向に回転する動翼を交互に多段にした軸流圧縮機を設置する際に、効率的に、同じ方向に回転する動翼の複数の列を、同一の回転体で回転させることができるという効果を有する。
【0067】
本発明の推力発生用装置は、回転子用の回転体における動翼の羽根に補強用の支持物、を構成すること、が可能であるために、回転体に構成する動翼用の羽根の回転中心側とケーシング側の両方で補強された動翼を使用することができるという効果を有する。
【0068】
本発明の推力発生用装置は、ケーシングの内側の面又は、ケーシングの内側の面付近で動翼を構成する回転体を回転可能なように支持すること 、が可能であるために、一方向に回転する動翼の後ろに逆方向に回転する動翼を交互に多段にして設置する際に、動翼の回転用の支持部分を分散させることができるという効果を有する。
【0069】
本発明の推力発生用装置は、ケーシングの中心側すなわち動翼の回転中心側で動翼を構成する回転体を回転可能なように支持すること、が可能であるために、一方向に回転する動翼の後ろに逆方向に回転する動翼を交互に多段にして設置する際に、動翼の回転用の支持部分を回転中心側に集中させることができるという効果を有する。
【0070】
本発明の推力発生用装置は、動翼の羽根の外周側に、磁石又は磁性体を構成とした回転体、及び、その回転子の外周付近のケーシングにおいて固定子用機構、を設置すること、が可能であるために、交互に逆回転する動翼のケーシング側において、電力を使用して動翼を回転させることができるという効果を有する。
【0071】
本発明の推力発生用装置は、軸流式の推力発生用装置が、歯車の歯を構成とした回転子用アウターリング、及び、その回転子用アウターリングの外周において回転子用アウターリングの動力伝達用の歯車を構成とした動力用機構、を設置すること、が可能であるために、通常のジェットエンジン用のコンプレッサーであっても、交互に逆回転する動翼のケーシング側において、タービンの動力を使用して動翼を回転させることができるという効果を有する。
【0072】
本発明の推力発生用装置は、、軸流式の推力発生用装置の回転体及びケーシングに、発電機や、電力により軸流式の推力発生用装置の回転速度を減速する装置、を設置すること、が可能であるために、動力用の軸流圧縮機で発電を行ったり、電力を利用して圧縮機の回転速度の調整を行うことができるという効果を有する。
【0073】
本発明の推力発生用装置は、タービンの力で回転する回転体を、構成に有した、軸流圧縮機用ローターを設置すること、が可能であるために、コンパクトな軸流圧縮機の推力発生用装置を設計できるという効果を有する。
【発明を実施するための形態】
【0075】
本発明の軸流圧縮機の、交互に複数列組み合わさる順回転の動翼と逆回転の動翼において、
順回転の軸をもった羽根の列の動翼と前述の順回転の動翼の列の前又は後ろに位置する次の静翼の列の一組、又は、前述の順回転の羽根の列の前又は後ろに位置する逆回転の軸をもった羽根の列の動翼と前述の逆回転の動翼の列の前又は後ろに位置する静翼の列との一組を一段とする。
【0076】
図4は、本発明の請求項1に記載の、「軸流圧縮機」、の説明のための軸流圧縮機部分の簡略図一例を示し、
(LX)は「動翼の回転軸の前後方向」であり、前列と後列の動翼(W)の間にそれぞれ静翼(sW)を挟んで配置した物の例を示し、動翼からの流れ(非特許文献39の第240頁の
図5.4に記載の(C2)の方向)が交互の回転方向で回転軸の前から後の方向へ送られるが、本発明において、動翼(W)の後ろの静翼(sW)では流れに沿った形で整流を行い、静翼(sW)の次の列の動翼(W)が前の静翼(sW)と前後軸に対して同じ方向(平行的な方向)の傾きであるので、静翼による流れに沿った整流と動翼による流体の移動を行うことが可能となる(それぞれの傾きの角度自体は同じであったり異なったりしたものが考えられ、製造者が任意で行う)。
【0077】
図4は請求項1に記載の「右回転の回転体と左回転の回転体」であり、それらの内のいずれかが「順回転用回転体」でもう一方が「逆回転用回転体」であり、ねじれや角度をつけた前後の動翼の羽根(W)が矢印で示される回転軸の円周方向へ回転することにより、空気を回転軸の前方から後方の方向へ移動させて排気するものである。
【0078】
前の列の動翼が、後ろの列の動翼へ流れを送るが(非特許文献39の第240頁の
図5.4に記載の(C2)の方向)、後列の羽根は流れの方向に沿うように傾けることが可能であるのが、本発明の動翼の特徴である。
【0079】
また、非特許文献40の第103頁や第104頁のように、本発明の最前列の動翼の前に入口案内翼の列を設けたり、本発明の最後列の動翼の後に静翼を設けたり、動翼の回転数に応じて動翼への導入角が最適になるようにするための可変翼の機構(非特許文献38の第56頁などにも記載)を静翼に設けるなどの種類は限定しない。
【0080】
図5は本発明で使用することが可能な動翼の説明のための簡略図の一例を示し、
図5の(A)は動翼を斜め方向から見た簡略図であり、(5)は請求項1に記載の「動翼の・・・内周側に動翼の回転及び支持用である軸受用の構造部」で、(6)は流体を後方へ送るための請求項1に記載の「ねじれや角度をつけた羽根」である動翼の羽根であり、(7)は本発明の請求項1の「動力用アウターリング又は動力用アウターローター」で、動力用アウターリング(7)はリングの外周に「回転子用動力部材」の磁石(8)を有しリングの内周で羽根(6)を固定した本発明の請求項5に記載の「回転体」であり、本発明の請求項5に記載の「前述の回転子に対する固定子」をケーシングなどに設置し回転をするタイプの動翼である。
【0081】
図5の(A)は、電気自動車用のインホイールモーター(非特許文献17の第54頁〜第57頁などに参照)の動作原理を利用したタイプのものである。
【0082】
図5の(B)はリング状であるインナー側の軸受の羽根固定部(9’)と軸側の軸受固定部(9’’)の位置関係を簡略的に示したモデル図で、ベアリング(10)を介して回転可能なように固定することができ、ベアリングの保持器等は省略してあるが、ベアリングや軸受けや保持器の形状や構造や材質などの種類は本発明の条件を満たすものであれば限定しない。
【0083】
図5の(C)は動翼を正面から見た簡略図を示し、(9’)は動翼の羽根(6’)を固定したディスクの内側に(8)の「回転子用動力部材」の磁石を有し軸受の内輪(9’’)との間に転動体を介して軸受の内輪と連結する軸受の外輪であり、本発明の請求項1の「動力用ディスク又は動力用インナーローターの外側で列となる・・・放射状に配列及び固定して動翼を構成」して、その動翼の内周側に軸受用の構造部を構成にした動翼である。
【0084】
図5の(D)は静翼を正面から見た簡略図一例を示し、内側にあるリング構造のインナーリング状ステーター(11)により動翼のローター付近の支持や気圧の状態を保つものであるが、通常のジェットエンジンのシュラウドなどの機構や形状や構造にしたり、任意のベアリングを使用した軸又は軸受の構造などの組み合わせなどその種類は限定しない。
【0085】
また、
図5における(7)又は(11)のいずれかがシュラウド又は隣り合う羽根同士の連結補強用の連結リングの場合、請求項2の軸流圧縮機用ローターとなる。
【0086】
図6は本発明の請求項1の軸流圧縮機を示した簡略図一例を示し、
(LX)は「動翼の回転軸の前後方向」であり、
(IR)は請求項1の「動力用ディスク又は動力用インナーローターの外側で列となる・・・放射状に配列及び固定して動翼を構成」したものあり、
(OR)は請求項1に記載の「動力用アウターリング又は動力用アウターローターの外側で列となる・・・放射状に配列及び固定して動翼を構成」したものであり、
(w)は動翼であり、
(SW1)は請求項1に記載の「圧縮機の入口案内翼であるインレット・ガイド・ベーン又はケーシングで固定した部分に固定した静翼の羽根」を示し、
(SW2)は請求項1に記載の「圧縮機の入口案内翼であるインレット・ガイド・ベーン又はケーシングで固定した部分に固定した静翼の羽根の列とその後方の回転体の羽根の列の後ろに位置する静翼の羽根」を示し、
(SW3)は請求項1に記載の「前述の内周側での固定用リングに固定された後方に位置する静翼の羽根の列とその後方の回転体の羽根の列の後ろに位置する静翼の羽根」を示し、
(SW4)は請求固1に記載の「前述の外周側での固定用リングの最後尾の位置で固定する静翼の羽根」を示し、
(Ca)は請求項1の「軸流圧縮機ローターの外周付近を包囲し回転軸の前後方向に貫通した筒状の穴構造であり、・・・、ケーシング」を示し、
(12)は請求項1の(SW1)の列と(SW2)の列を動翼(w)の回転円より内周側での固定用リングを示し、
(13)は請求項1の(SW2)の列と(SW3)の列を動翼(w)の回転円より外周側での固定用リングを示し、
(14)は請求項1の及び、(SW3)の列と(SW4)の列を動翼(w)の回転円より内周側での固定用リングを示したものであり、、
それぞれの(w)は請求項1に記載の「前述の順回転用の回転体と逆回転用の回転体の構造物が、前述の内周側での固定用リングと外周側での固定用リングを互いの動翼の間に構成することができる間隔を有した」ものである。
【0087】
図6の(A)は一定方向に回転する(IR)と逆回転する(OR)を一対有したものである。
【0088】
図6においてケーシング(Ca)は吸気口付近から排気口付近までの通気用の空間がほとんど同じ大きさの空間で構成されているが、実際は通気用の空間を部分的に絞ったものであってもよく、それらの形状や構造の種類は限定しない。
【0089】
(IR)や(OR)における羽根の枚数や回転する動翼の段数やそれらの組み合わせのパターンや、それらを構成する形状や構造や材質など様々であり、本発明の条件を満たすものであればそれらの種類は限定しない。
【0090】
図7は本発明の軸流圧縮機で使用する構成部分の簡略図一例を示し、
図7の(A)は静翼を取り付けていない
図6の(12)のリングや(14)のリングを示し、
図7の(B)は静翼を取り付けていない
図6の(13)のリングの簡略図を示したものであり、それぞれのリングの形状や構造や材質は参考文献に記載されているようなステーターの形状のものであってもよくその種類は限定しない。
【0091】
図8の(A)と(B)と(C)と(D)は本発明で使用することが可能である動翼の内周側に気体を流す動翼の外周側に空気を流すケーシングやアウターローター形状又はインナーローター形状の空気の通過部分の一例の簡略図を示し、(A)は排気口側が狭められたケーシング形状又はアウターローター形状の空気の通過面の簡略図であり、(B)は吸気口側から排気口側までが緩やかに狭められたケーシング形状又はアウターローター形状の空気の通過面の簡略図であり、(C)は吸気口側と排気口側の形状が急激に狭めらインナーローター形状の空気の通過面の簡略図であり、(D)は吸気側と排気口側の間の緩やかに広くなり排気口側が広くなったインナーローター形状の空気の通過面の簡略図であり、
ケーシング又はローターにおける、抽気装置や、静翼や、可変静翼など、ケーシング又はケーシング付近に設置する装置の種類や、ケーシングやリングやディスクやローターの形状や材質や構造の種類は限定しない。
【0092】
また、従来の推力発生用装置のコンプレッサー用のケーシングやファン用のケーシング(ファンケーシング)は非特許文献41の第179頁等にも記載されているように様々な物があり、ケーシングの形状や構造や材質の種類などは多様であり、本発明の条件を満たすものであればそれらの種類は限定しない。
【0093】
図9は本発明で使用することが可能である中空構造部分の簡略図一例を示し、
図9の(A)は中が空洞になった回転軸で、
図9の(B)は
図9の(A)を横から見た断面図で、
図9の(C)は本発明で使用可能である中が空洞になった静翼で、
図9の(D)は
図9の(C)を横から見た断面図であり、さらに複雑な構造物も3Dプリンタや工作機械や金型などを使用して製作することができ、本発明で使用する構造物は本発明の条件を満たすものであればそれらの種類は限定しない。
【0094】
図10の(A)は(15)の排気口側が緩やかに狭められたケーシング又はアウターローター、と(IR)のインナーローターを組み上げる際に、中間部分が絞られた形状のものでは、絞られた部分の両側から挟み込んで組み上げるものを示したものであるが、通常のケーシングと同様に上下を分割して上下から動翼を挟んで固定する形状のものであってもよく(非特許文献40の第103頁)その種類は限定しない。
【0095】
また、従来の推力発生用装置のコンプレッサー用のケーシングやファン用のケーシング(ファンケーシング)は非特許文献41の第179頁等にも記載されているように様々な物があり、ケーシングの形状や構造や材質の種類などは多様であり、本発明の条件を満たすものであればそれらの種類は限定しない。
【0096】
図10(B)は、アウターローター(5)の軸受けの両側から、インナーローター(IR)を挟み込んで組み上げるものを示したものである。
【0097】
図10の(C)はローター用部材(20)をネジの切ったボルト(19及び19’)で連結して固定するものを示した例である。
【0098】
図10の(D)は
図10の(C)を使用したローター部分を正面から見た簡略図一例を示し、(20)を円周上にボルト(19)が固定したものを示したものの例である。
【0099】
図10の(E)は、本発明請求項1の軸流圧縮機を組み上げる説明のための簡略図一例を示し、前の2列は従来の圧縮機と同様の同一方向に回転し、流体を圧縮するインナーローター(IR)に、上下に分割した本発明請求項1の静翼(22)を上下から挟み込んで装着し、上下に分割したアウターローターを所定の場所へ上下から挟み込んで装着し、入口案内翼(19)と静翼の羽根(Sw)に接続した角度可変用アクチュエータ(20)、及び、圧縮機出口案内翼(22)を設置した上下に分割したケーシング(Ca)を上下から挟み込んで装着することにより、圧縮機を組み上げる例を示したものである。
【0100】
それぞれの部材は、3Dプリンター(非特許文献27や非特許文献26参照)や、工作機械(非特許文献28参照)や、金型などで制作してもよく(非特許文献26の第21頁など)その種類は限定しない。
【0101】
3Dプリンターを用いた製造の種類は、積層製造法である金属熱溶解積層(非特許文献27の第53頁など)や、多層積層固化(非特許文献27の第53頁など)や、結合材噴射積層(非特許文献27の第67頁と第71頁など)や、3D砂型鋳造(非特許文献27の第70頁など)や、指向性エネルギー堆積(非特許文献27の第77頁など)や、溶解物堆積法(非特許文献26の第104頁など)や、レーザー直接積層法(非特許文献26の第104頁など)や、電子ビーム溶解(非特許文献27の第77頁など)や、粉末焼結法(非特許文献26の第92頁など)や、薄膜積層(非特許文献27の第79頁など)などの製造方法により、形状や構造が複雑なものや、内部が空洞や格子状になったものなどを作ることが可能となる。
【0102】
工作機械を用いた製造では、同時多軸制御加工により、様々な形状に切削加工することや、部品によって旋盤などを使って様々な種類の加工が可能であり、本発明の請求項の条件を満たすものであれば本発明の部品や部材の製造や加工の方法などそれらの種類は限定しない。
【0103】
図11は本発明の請求項1に記載の軸流圧縮機の動翼の位置関係や本発明で使用可能である機構を示した一例の簡略図を示し、本発明の請求項で使用するベアリングや保持器やそれらの支持構造物は、転がり軸受やすべり軸受や軸受などや、ジェットエンジンで使用されるものと類似の構造や材質のものや、非特許文献6のオルタネータ用軸受けなどを使用したものなど様々であり、本発明の条件を満たすものであればそれらの種類は限定しない。(非特許文献38の第54頁や第55頁や、非特許文献6・7など参照)
【0104】
図11の(A)は空気を圧縮して前方から後方へ送るための電動によるコンプレッサーの回転用動力機構を、横から見た断面の簡略図であり、
図11の(A)は、請求項1に記載の「順回転用回転体と逆回転用回転体の回転中心を、動翼の回転軸の前後方向の同心又はほぼ同心で、交互に組み合わせて多段にして重層」した軸流圧縮機の動翼用のローターの簡略図である。
【0105】
図11の軸流圧縮機における回転用の動力機構のローターは、「動力用ディスク又は動力用インナーローター」(IR)と「動力用アウターリング又は動力用アウターローター」(OR)よりなり、
テーパー形状の「動力用ディスク又は動力用インナーローター」(IR)では、モーター用の回転子として磁石(30)を(IR)に設置し、及び、モーター用の固定子として導体(電線)を有したコイル部分(29)を軸(27)に設置し、
筒形状の「動力用アウターリング又は動力用アウターローター」(OR)では、 モーター用の回転子として磁石(32)を(OR)に設置し、及び、モーター用の固定子としての機能用に導体(電線)を有したコイル部分(31)を「ケーシングの内側の構造」(Ca)に設置した、
コンプレッサーの回転用動力機構で、構成されたものである。
【0106】
図11の(A)において、
「動力用ディスク又は動力用インナーローター」(IR)は、
(IR)に設置する「動翼の内周側に・・・動翼の回転及び支持用である軸受用の構造部」(23F・23R)と、
請求項1の「ケーシング」(Ca)に固定する請求項4の「前述の回転体側ではない軸受用の構造部から複数の静翼または支柱を放射状にケーシング側方向の円周上の列に配列し」(24F・24R)に固定した、「軸受用の構造部」(22)に設けた軸受が、ベアリング(10)を介して、回転可能に固定され、
「動力用アウターリング又は動力用アウターローター」(OR)は、
(OR)に設置する「動翼の外周側に・・・動翼の回転及び支持用である軸受用の構造部」(25Fと25R)と、
請求項1の「ケーシング」(Ca)に設置する請求項3の「軸受け用の構造部」(26Fと26R)、
が、ベアリング(10)を介して回転可能に固定される、
回転体における支持用である軸受構造又は軸構造、を構成とした支持構造を構成とする。
【0107】
図11の(A)は、「動力用ディスク又は動力用インナーローター」(IR)が内側に設置した磁石ローター(30)と回転用軸(27)に設置した電導コイル(29)の力により回転をし、「動力用アウターリング又は動力用アウターローター」(OR)が外側に設置した磁石ローター(32)と電動動翼外周にある穴構造のケーシング(31)に設置した請求項5の「前述の回転子に対応する固定子用の導体」との力により回転をするものであるが、本発明の条件を満たすものであれば、それらの形状や構造や材質の種類は限定しない。
【0108】
また、本発明で使用する、転がり軸受やすべり軸受や軸受などベアリングの種類やベアリングなどの組み合わせや回転子用アウターリングでのベアリングなどの構成位置など技術的に可能であれば様々な場所に設置可能であり、本発明の請求項の条件を満たすものであればそれらの種類は限定しない。
【0109】
図11の(B)は
図11の(A)の垂直方向の正面から見た、空気の導入用通路に設置される動翼の固定用支持部の簡略図であり、回転用軸(27)の支持用で内部にコイルの導線を内蔵できる請求項4に記載の「前述の回転体側ではない軸受用の構造部から複数の静翼又は支柱を放射状にケーシング側方向の円周上に配列し固定したケーシングの構造部」である静止羽根形状の脚(19)、(28)は脚(19)を固定する円周構造であり、
本発明で使用する、軸受などの組み合わせや、回転子用アウターリング(ローター)や回転子用ディスク(ローター)やベアリングなどの構成位置など様々な場所に設置可能であり、本発明の請求項の条件を満たすものであれば、回転子とケーシングにおける回転可能な回転子の、固定の方法や形状や構造や材質などその種類は限定しない。
【0110】
図11の(C)は、回転軸用ローター(72g)が磁石(8)を固定し回転子(72g)が回転することで静止翼(77)に固定された軸受(72f)の内部の導体によって電力を発電する機構を示し、
図11の(D)は回転軸用ローター(72g)を貫通したシャフト(72h)が先端に磁石を固定して内部に導体を有した固定子(72f)の内部を磁石が回転することで電力を発電する機構を示したものである。
【0111】
再燃焼器については、非特許文献36の第117頁、非特許文献39の第139頁や第165頁や第342頁、非特許文献38の第53頁、非特許文献40の第112頁や第126頁、等に記載。
【0112】
図12の(A)は本発明の請求項6の動翼の説明のための簡略図の一例を示し、(33)は一定方向に回転する請求項6と同様の「動力用アウターリング又は動力用アウターローター」の外周側の円周上に「動力の伝達用の歯車用の歯」(33’)を設置し、内周側に動翼用の羽根を設置した軸流圧縮機用ローターであり、(34)は(33)と逆回転する「動力用アウターリング又は動力用アウターローター」で、(34’)は「動力の伝達用の歯車用の歯」であり、(33)及び(34)は回転軸の回転中心である点線(X)を中心として回転し、(33)と(34)は内部にそれぞれに対して請求項1に記載の逆回転する「動翼の羽根の列の内周側において回転子用動力部材を構成する回転体」を設置すると請求項6の動翼となることもできる。
【0113】
ケーシング又はケーシング付近のエンジンの構造物に回転可能な様に歯車(35)は連結され、
歯車(35)は「軸流圧縮機の半径方向の線」の点線(Y)を中心として回転する回転軸(36)を軸にして回転し、
歯車(35)は(33’)と(34’)に歯車の歯がかみ合う様に連結し、
図12の(B)の
図12の(A)を上から見た簡略図に示した、矢印の方向に歯車(35)が(33’)と(34’)を互いに逆回転させるものである。
【0114】
図12の(C)は本発明の請求項6と同様の動翼用アウターリングの外周に、回転軸の回転中心(X)と平行な軸(X’)を有した歯車を連結した(「動力用アウターリング付近のケーシング構造」)ものの簡略図の一例を示し、両側の歯車(37)を連結する回転中心(X’)を有した回転軸(38)が回転することにより、(37)と歯車の歯がかみ合う両側の(33’)同士が同一方向に回転するものである。
【0115】
図12の(D)は
図6の(A)と
図6の(C)を組み合わせたものの簡略図一例を示し、タービン用のシャフトに連結した両側のローター(33)が回転して歯車(35)によりローター(34)が逆回転するものであり、左右の歯車(37)は変速機(38’’)を介して連結するものを示したものであり、変速機(38’’)は通常のジェットエンジン等で使用されるアクセサリー・ギアボックス(非特許文献41の第165頁や第179頁参照)の様に、動翼の外側に設けられたものである。
【0116】
動翼の回転速度を変化させるための、減速機やギアなどを設置する部分は、動翼の回転軸側に設けたり(非特許文献41の第36頁、及び非特許文献39の第174頁〜第175頁参照)、動翼の外周円側に設置するなど、本発明の条件を満たすものであれば、その種類は限定しない。
【0117】
(37)と(38)はタービンに接続した動翼の負荷をローター側とリングの外周側の両方に分散させることが可能となる。
【0118】
動力の伝達装置は、非特許文献14・15・16・17・18・19などに記載されており、本発明の請求項のものが安全に機能するものであれば、それらの種類は限定しない。
【0119】
また、変速機(38’’)は、他のローターや軸流圧縮機の動力の伝達装置への回転軸(38’’)などを備えて、他の動力を必要する部分に動力を伝達するものでもよく、本発明の請求項のものが安全に機能するものであれば、それらの種類は限定しない。
【0120】
本発明の実施態様は以下の通りである。
1.本発明の請求項の条件を満たすものであれば、それらの形状や材質や構造の種類は限定しない。
2.本発明の請求項の装置を作動させるための制御装置の種類は、油圧や空気圧やモーターやねじや歯車など、本発明の請求項を満たすものであればそれらの種類は限定しない。
3.本発明の軸流圧縮機において主に低圧圧縮機と高圧圧縮機を説明に用いているが中圧圧縮機においても、本発明の構造の使用は可能であり、圧縮機は軸流式であればその種類は限定しない。
4.本発明の請求項と他の効果や機能の装置やものとの組み合わせの種類は限定しない。