特開2017-126521(P2017-126521A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-126521(P2017-126521A)
(43)【公開日】2017年7月20日
(54)【発明の名称】過熱保護デバイス付きランプ
(51)【国際特許分類】
   F21V 23/00 20150101AFI20170623BHJP
   F21V 25/04 20060101ALI20170623BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20170623BHJP
【FI】
   F21V23/00 117
   F21V25/04
   F21Y101:02
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-6190(P2016-6190)
(22)【出願日】2016年1月15日
(11)【特許番号】特許第6114415号(P6114415)
(45)【特許公報発行日】2017年4月12日
(71)【出願人】
【識別番号】504337659
【氏名又は名称】玉晶光電股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(72)【発明者】
【氏名】林▲シツ▼▲セン▼
【テーマコード(参考)】
3K014
【Fターム(参考)】
3K014AA01
3K014JA02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】反応の緩慢さを改善した過熱保護デバイス付き高電力LEDランプを提供する。
【解決手段】筐体10と、ベースボード20と、過熱保護ユニット30と、LED40とを含み、LEDは、ベースボード上に配置され、過熱保護ユニットは、ベースボードに対して直接に当接する熱伝導面を有する。LEDが過熱されれば、熱エネルギーはベースボードに伝達されるとともに、その後、過熱保護ユニットに伝達されるため、過熱保護ユニットを迅速かつ直接的に加熱することが可能となり、反応時間を短縮して、LEDのオーバヒートを防止する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体の内部に配置されるベースボードと、
前記ベースボードに当接した熱伝導面を有する過熱保護ユニットと、
前記ベースボードの内部に配置されるとともに前記過熱保護ユニットに電気的に接続される少なくとも1つの発光ダイオードと、
を備えたことを特徴とする過熱保護デバイス付きランプ。
【請求項2】
前記過熱保護ユニットはPTCサーミスタ材料で生成されることを特徴とする請求項1に記載の過熱保護デバイス付きランプ。
【請求項3】
前記過熱保護ユニットは前記ベースボードにスクリーン印刷されることを特徴とする請求項2に記載の過熱保護デバイス付きランプ。
【請求項4】
前記少なくとも1つの発光ダイオードは複数の発光ダイオードであり、
当該複数の発光ダイオードが前記ベースボードの上に配置されることを特徴とする請求項1に記載の過熱保護デバイス付きランプ。
【請求項5】
前記過熱保護ユニットは、
前記熱伝導面を有する第1の端子と、
絶縁体固定部材に固定された一端、及び、前記第1の端子に対し離脱自在に押圧される他端を有する、膨張率の異なる2枚の金属シートをともに押圧して形成された第2の端子と、
第1の外部端子及び第2の外部端子と、
をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の過熱保護デバイス付きランプ。
【請求項6】
前記第1の端子は、前記第1の外部端子の一端に電気的に接続され、
前記第2の端子は、前記第2の外部端子の一端に電気的に接続され、
前記第1の外部端子又は前記第2の外部端子の他端は、前記少なくとも1つの発光ダイオードに電気的に接続されている
ことを特徴とする請求項5に記載の過熱保護デバイス付きランプ。
【請求項7】
前記過熱保護ユニットは、前記第1の端子及び前記第2の端子を被覆する絶縁体をさらに有し、
前記第1の端子の他端又は前記第2の端子の他端は、前記絶縁体から延在して、前記少なくとも1つの発光ダイオードに電気的に接続されている
ことを特徴とする請求項6に記載の過熱保護デバイス付きランプ。
【請求項8】
前記第1の端子は、
その内部に、前記第2の端子の他端が離脱自在に押圧される凸部、及び、前記絶縁体固定部材が配置されるとともに、
その開口が、前記過熱保護ユニットがさらに有する絶縁体で封止される
チャンバで形成されていることを特徴とする請求項5に記載の過熱保護デバイス付きランプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ランプに関し、特に、過熱保護デバイス付きのランプに関する。
【背景技術】
【0002】
LED(発光ダイオード)ランプは、低電力消費及び長寿命の利点のため、広く使われてきた。高電力高輝度LEDランプは、LEDランプの1つであり、高電力LEDランプは高い輝度を発生できるものの、大きな熱量も発生してしまう。
【0003】
高電力LEDランプは、通常は熱放散フィン及び過熱保護デバイス付きで提供される。過熱保護デバイスは、セラミック筐体内に配置されるPTC(正温度係数)サーミスタと、2つの外部端子とを備え、これらの外部端子を通してPTCサーミスタを回路基板に接続させて、LED又は他の部品との電気接続を確立できる。
LED又は他の部品が過熱して、回路基板のオーバヒートを引き起こした場合、PTCサーミスタは、抵抗を増大して回路基板の電流を低下させ、又は、回路基板上のLED又は他の部品のスイッチをオフにすることもある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、PTCサーミスタがセラミック筐体で覆われているため、回路基板の周囲温度は、大気によって筐体に、そしてPTCサーミスタへと伝導される。この熱伝導の過程は間接的であり、反応は遅いことから、高電力LEDランプに要求される高い熱放散性を満たさない。
本発明は、前記の不利益を軽減し、及び/又は、取り除くことを目的として、なされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、高電力LEDランプにおける従来の過熱保護デバイスでの反応の緩慢さという不利益の無い、過熱保護デバイス付きランプを提供することを目的とする。
【0006】
したがって、本発明に従った過熱保護デバイス付きランプは、筐体と、筐体内に配置されるベースボードと、ベースボードに対して当接した熱伝導面を有する過熱保護ユニットと、ベースボード内に配置されるとともに、過熱保護ユニットに電気的に接続されている、少なくとも1つの発光ダイオードと、を備える。
【0007】
本発明のLEDは、ベースボード上に配置され、過熱保護ユニットは、ベースボードに対して直接に当接する熱伝導面を有する。LEDが過熱されれば、熱エネルギーはベースボードに伝達され得るとともに、その後、過熱保護ユニットに伝達されるため、過熱保護ユニットを迅速かつ直接的に加熱することが可能となり、反応時間を短縮して、LEDのオーバヒートを防止する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に従った、過熱保護デバイス付きのランプの横断面図である。
図2図1の一部の平面図である。
図3】本発明の他の実施形態に従った、過熱保護デバイス付きランプの横断面図である。
図4図3の一部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、以下の説明を添付の図面と共に参照することにより、明らかにされるものであり、これらの図面は、例示目的のためにのみ、本発明に従った好ましい実施形態を示す。
【0010】
図1〜2を参照する。本発明に従った過熱保護デバイス付きランプは、筐体10と、ベースボード20、過熱保護ユニット30と、LED(発光ダイオード)40とを備える。
【0011】
ベースボード20は、筐体10内に配置される。
【0012】
過熱保護ユニット30は、ベースボード20に対して当接する熱伝導面Sを有している。
過熱保護ユニット30は、図1及び2に示すようにすることができる。すなわち、過熱保護ユニット30Aは、PTC(正温度係数)サーミスタ材料で作製され、ベースボード20上にスクリーン印刷して回路となすことができる。サーミスタ材料としては、微量のNb、Ta、Bi、Sb、La、Mn、Fe、Cu又はCrを混合した、BaTiO、SrTiO又はPbTiOを含む酸化物の焼結物を採用できる。
【0013】
LED40は、ベースボード20上に配置され、過熱保護ユニット30Aに電気的に接続されている。LEDは、1個又は複数個を有していてもよい。
【0014】
過熱保護ユニット30A及びLED40は、電源と協働して回路をなす。LED40が過熱された場合、LED40の熱エネルギーを直接、ベースボード20に伝達させることができる。過熱保護ユニット30Aがベースボード20に対して当接する熱伝導面Sを有しているため、熱伝導面Sを通して直接、ベースボード20の熱を過熱保護ユニット30Aに伝達させることができる。
過熱保護ユニット30Aは、PTCサーミスタ材料で作製され、過熱保護ユニット30Aが加熱されれば、抵抗値が増大することになり、その結果、過熱保護ユニット30Aに電気的に接続されているLED40の電流値が低下することになり、LED40のスイッチをオフにして、LED40のオーバヒートを予防する。
【0015】
過熱保護ユニット30Aは、ベースボード20に対して当接される熱伝導面Sを有しており、この面対面の接触は熱伝導効率を向上し、その結果、過熱保護ユニット30の反応時間を短縮することに、留意すべきである。
また、図1及び2に示すように、この過熱保護ユニット30Aは、ベースボード20上にスクリーン印刷されているため、過熱保護ユニット30Aの位置及び構成の自由度を高め、また、ベースボード20上へのLED40及びその他の部品の設置を容易にすることにより、組立の不便さ及び自由度を向上させる。過熱保護ユニット30Aの位置は、非限定的に、図2で示すような位置を含み、過熱保護ユニット30Aを一部又はすべてのLED40に電気的に接続できる。
【0016】
図3及び4は、本発明に従った過熱保護デバイス付きランプの他の実施形態を示す。過熱保護ユニット30Bは、第1の端子31と、第2の端子32と、第1の外部端子33と、第2の外部端子34と、絶縁体35とを含んでいる。
【0017】
第1の端子31は、チャンバ311と、熱伝導面Sとから形成される。チャンバ311は、開口312を含んでいる。チャンバ311内には、凸面部分313と、絶縁体固定部材314とが配置され、第1の端子31の熱伝導面Sは、ベースボード20に対して当接されている。
【0018】
第2の端子32は、膨張率の異なる2枚の金属シートを一緒にして押圧することにより形成され、その一端は、絶縁体固定部材314に固定され、他端は、第1の端子31の凸部313に対して離脱自在に押圧する。
この実施形態では、第2の端子32は、互いを押圧し合う第1の金属シート321及び第2の金属シート322を含んでおり、第1の金属シート321の膨張率は、第2の金属シート322の膨張率より大きく、また、第2の端子32は、より大きな膨張率を有する金属シートを有する。これが離脱自在に第1の端子31の凸部313と接触し、すなわち、第1の金属シート321が、第1の端子31と接触することになる。この実施形態では、第1の金属シート321は、アルミニウム製であり、第2の金属シート322は、非限定的ではあるが、プラチナ製である。第2の端子32の2枚の金属シートの材料を変えることにより、反応時間を変えることができ、本発明の範囲を逸脱しない範囲で、このような変更をなすことができる。
【0019】
第1の外部端子33は、第1の端子31に電気的に接続される一端を有している。
【0020】
第2の外部端子34は、第2の端子32に電気的に接続される一端を有している。
【0021】
第1の端子31及び第2の端子32を、絶縁体35が覆っており、これが、第1の端子31のチャンバ311の開口312をシールする。第1の外部端子33の他端又は第2の外部端子34の他端は、絶縁体35から外へと延在して、LED40に電気的に接続される。
【0022】
また、過熱保護ユニット30は、図3で示すように、過熱保護ユニット30及びLED40が電源と協働して回路を形成するようにして、用いることもできる。LED40が過熱された場合、LED40の熱エネルギーを直接、ベースボード20に伝達させることができる。過熱保護ユニット30Bがベースボード20に対して当接する熱伝導面Sを有しているため、熱伝導面Sを通して直接、ベースボード20の熱を過熱保護ユニット30Bの第1の端子31に伝達させることができる。一方、第1の端子31の凸部313と接触する第2の端子32に、温度が送信される。
第2の端子32は、膨張率の異なる2枚の金属シートで作製されており、かつ、この第2の端子32の有する第1の端子31に対して当接される側の金属シートが、より大きな膨張率を有しているため、第2の端子32が加熱されれば、これら2枚の金属シートの膨張の程度が異なることになる結果、第2の端子32は、第1の端子31の方へ曲がっていく。
第2の端子32が曲がる際、膨張率の大きな方の金属シートが、膨張率の小さな方の金属シートの方へと曲がっていくことにより、第2の端子32は、第1の端子31の凸部313から離脱し、すなわち、第1の端子31は第2の端子32から切り離され、回路全体も切り離される。その結果、LED40のスイッチがオフになり、オーバヒートが予防される。
【0023】
上記の説明から、本発明のLED40が、ベースボード20上に配置され、過熱保護ユニット30が、ベースボード20に対して直接当接される熱伝導面Sを有していることが、明らかになった。LED40が過熱されれば、熱エネルギーはベースボード20に伝達され得るとともに、その後、過熱保護ユニット30に伝達されるため、過熱保護ユニット30を迅速かつ直接的に加熱することが可能となり、反応時間を短縮して、LED40のオーバヒートを防止する。さらに、ベースボード20は絶縁体であり、第1の端子31はベースボード20に溶接されて、独立かつクローズドな金属回路となり、したがって、第1の端子31は、短絡を防止できるともに、迅速な熱伝動を保持できる。
【0024】
ここまで、本発明者らは、本発明に従った様々な実施形態を示し、また説明してきたが、本発明の範囲を逸脱しない範囲で、更なる実施形態を提供することが可能であることが、当業者には明らかである。
【符号の説明】
【0025】
10 筐体
20 ベースボード
30 過熱保護ユニット
30A 過熱保護ユニット
30B 過熱保護ユニット
31 第1の端子
32 第2の端子
33 第1の外部端子
34 第2の外部端子
35 絶縁体
40 LED
311 チャンバ
312 開口
313 凸面部分
314 絶縁体固定部材
321 第1の金属シート
322 第2の金属シート
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2016年9月23日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体の内部に配置されるベースボードと、
前記ベースボードに当接した熱伝導面を有する過熱保護ユニットと、
前記ベースボードの内部に配置されるとともに前記過熱保護ユニットに電気的に接続される少なくとも1つの発光ダイオードと、
前記熱伝導面を有する第1の端子と、
絶縁体固定部材に固定された一端、及び、前記第1の端子に対し離脱自在に押圧される他端を有する、膨張率の異なる2枚の金属シートをともに押圧して形成された第2の端子と、
第1の外部端子及び第2の外部端子と、
を備え、
前記第1の端子は、
その内部に、前記第2の端子の他端が離脱自在に押圧される凸部、及び、前記絶縁体固定部材が配置されるとともに、
その開口が、前記過熱保護ユニットがさらに有する絶縁体で封止される
チャンバで形成されていることを特徴とする過熱保護デバイス付きランプ。
【請求項2】
前記少なくとも1つの発光ダイオードは複数の発光ダイオードであり、
当該複数の発光ダイオードが前記ベースボードの上に配置されることを特徴とする請求項1に記載の過熱保護デバイス付きランプ。
【請求項3】
前記第1の端子は、前記第1の外部端子の一端に電気的に接続され、
前記第2の端子は、前記第2の外部端子の一端に電気的に接続され、
前記第1の外部端子又は前記第2の外部端子の他端は、前記少なくとも1つの発光ダイオードに電気的に接続されている
ことを特徴とする請求項に記載の過熱保護デバイス付きランプ。
【請求項4】
前記過熱保護ユニットは、前記第1の端子及び前記第2の端子を被覆する絶縁体をさらに有し、
前記第1の外部端子の他端又は前記第2の外部端子の他端は、前記絶縁体から延在して、前記少なくとも1つの発光ダイオードに電気的に接続されている
ことを特徴とする請求項に記載の過熱保護デバイス付きランプ。