【解決手段】パッケージ基板は、ガラス層110と、ガラス層110の一面に形成される第1溝と、ガラス層の他面に形成される第2溝と、第1溝及び第2溝の内部に形成される金属部120と、ガラス層110の一面に第1溝に接続するように形成される第3溝と、ガラス層110の他面に第2溝に接続するように形成される第4溝と、第3溝及び第4溝の内部に形成される絶縁部130とを含む。
前記第1溝、前記第2溝、前記第3溝及び前記第4溝のそれぞれの断面積は、前記ガラス層の内側に行くほど小さくなるように構成されている請求項1から請求項13のいずれか1項に記載のパッケージ基板。
前記ガラス層は、前記第1溝、前記第2溝、前記第3溝及び前記第4溝により内部領域と外郭領域とに区分されるように構成されている請求項1から請求項14のいずれか1項に記載のパッケージ基板。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係るパッケージ基板の実施例について、添付図面を参照して詳細に説明し、添付図面を参照して説明するに当たって、同一または対応する構成要素には同一の図面符号を付し、これに対する重複説明を省略する。
また、本明細書において、第1、第2などの用語は、同一または相応する構成要素を区別するための識別記号に過ぎず、同一または相応する構成要素が第1、第2などの用語により限定されない。
また、結合とは、各構成要素間の接触関係において、各構成要素の間に物理的に直接接触する場合のみを意味するものではなく、他の構成が各構成要素の間に介在され、その他の構成に構成要素がそれぞれ接触している場合まで包括する概念として使用する。
【0010】
<実施例>
第1実施例
図1は、本発明の第1実施例に係るパッケージ基板を示す図であり、
図2から
図5は、本発明の第1実施例に係るパッケージ基板を製造する方法を示す図である。
【0011】
図1から
図5を参照すると、本発明の第1実施例に係るパッケージ基板は、ガラス層110、金属部120、絶縁部130、第1絶縁層140及び第2絶縁層150を含むことができる。ガラス層110には、第1溝111、第2溝112、第3溝113及び第4溝114が形成されることができる。
【0012】
ガラス層110は、ガラス材質の層であって、コアの役割を果たすことができる。ガラス層110は、非結晶質固体であるガラスを主成分とする。本発明の実施例に使用可能なガラス材料としては、例えば、純粋二酸化ケイ素(約100%のSiO
2)、ソーダ石灰ガラス、ほうけい酸塩ガラス、アルミノケイ酸塩ガラス(alumino−silicate glass)などを含む様々なガラス材料を用いてもよい。しかし、上記ガラス材料は、上記ケイ素系ガラスの組成を有する物質に限定されず、代案的なガラス材料として、例えば、フルオロガラス、リン酸ガラス、カルコゲンガラスなどを用いることもできる。
【0013】
特定の物理的特性を有するガラスを形成するために、上記ガラス材料には、その他の添加剤をさらに含有させることができる。このような添加剤としては、炭酸カルシウム(例えば、石灰)及び炭酸ナトリウム(例えば、ソーダ)だけではなく、マグネシウム、カルシウム、マンガン、アルミニウム、鉛、ホウ素、鉄、クロム、カリウム、硫黄及びアンチモンと、これらの元素及び他の元素の炭酸塩及び/または酸化物を含むことができる。
【0014】
ガラス層110の一面及び他面には、第1絶縁層140を積層することができる。ここで、一面及び他面は、ガラス層110の端面のうち、側面を除いた端面を意味し、一面及び他面は、互いに平行な端面であってもよい。
【0015】
第1絶縁層140上には、第2絶縁層150を積層することができる。よって、パッケージ基板は、複数の絶縁層が上から下に向かって、または下から上に向かって、第2絶縁層150−第1絶縁層140−ガラス層110−第1絶縁層140−第2絶縁層150の順に積層された積層体であることができる。この場合、第1絶縁層140と第2絶縁層150とは、ガラス層110を基準面として互いに対称となるように配置されるようにしてもよい。以下、第1絶縁層140が両面に積層されたガラス層110を'コア層'と称する。すなわち、第2絶縁層150は、コア層上に積層されたものであると理解すればよい。
【0016】
第1絶縁層140及び第2絶縁層150は、樹脂材質とすることができる。第1絶縁層140及び第2絶縁層150をそれぞれ形成する樹脂は、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂であってもよい。例えば、そのような樹脂としては、エポキシ樹脂、BT(Bismaleimide−Triazine)樹脂、ポリイミドを用いることができる。
【0017】
上述したエポキシ樹脂としては、例えば、ナフタレン系エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック系エポキシ樹脂、クレゾールノボラック系エポキシ樹脂、ゴム変性型エポキシ樹脂、環型脂肪族系エポキシ樹脂、シリコン系エポキシ樹脂、窒素系エポキシ樹脂、リン系エポキシ樹脂などを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0018】
一方、第1絶縁層140及び第2絶縁層150は、上述の樹脂に補強材を含有させたものであってもよい。ここで、上記補強材は、ガラス繊維のような繊維補強材であってもよく、シリカのような無機フィラーであってもよい。エポキシ樹脂にガラス繊維を含有させた補強材としては、プリプレグ(Prepreg; PPG)を用いてもよい。
【0019】
ガラス繊維は、その断面の厚さが、1μm以下〜数百μmであってもよい。ガラス繊維は、絶縁層に剛性を付与するだけではなく、絶縁層に耐化学性(腐食性の化学物質に対する耐性)を付与し、絶縁層の吸湿率を低減させる。ガラス繊維は、厚さに応じて、ガラスフィラメント(glass filament)、ガラスファイバー(glass fiber)、ガラスファブリック(glass fabric)に分けられる。
【0020】
第1絶縁層140及び第2絶縁層150に含有される無機フィラーとしては、シリカ(SiO
2)、アルミナ(Al
2O
3)、炭化ケイ素(SiC)、硫酸バリウム(BaSO
4)、タルク、クレイ、マイカパウダー、水酸化アルミニウム(AlOH
3)、水酸化マグネシウム(Mg(OH)
2)、炭酸カルシウム(CaCO
3)、炭酸マグネシウム(MgCO
3)、酸化マグネシウム(MgO)、窒化ホウ素(BN)、ほう酸アルミニウム(AlBO
3)、チタン酸バリウム(BaTiO
3)及びジルコン酸カルシウム(CaZrO
3)を含む一群の物質群の中から選ばれた少なくとも1種以上の物質を用いることができる。
【0021】
第1絶縁層140及び第2絶縁層150の組成は、互いに同一であってもよく、異なってもよい。すなわち、第1絶縁層140及び第2絶縁層150の樹脂及び/または補強材は互いに異なってもよい。
【0022】
図2から
図5において、(a)は、本実施例に係る製造工程に従って製造されるパッケージ基板をA−A'線に沿った切断面で切って見た場合の断面を示し、(b)は、当該パッケージ基板をB−B'線に沿った切断面で切って見た場合の断面を示し、(c)は、C−C'線に沿った切断面で切って見た場合の断面を示す。
図2から
図5を参照すると、ガラス層110の一面には、第1溝111が形成され、ガラス層110の他面には、第2溝112が形成される。また、ガラス層110の一面には、第3溝113がさらに形成され、ガラス層110の他面には、第4溝114がさらに形成される。
【0023】
第1溝111、第2溝112、第3溝113及び第4溝114は、すべて第1絶縁層140を貫通するように形成することができる。すなわち、第1溝111、第2溝112、第3溝113及び第4溝114は、第1絶縁層140とガラス層110とを貫通し、特に第1絶縁層140を厚さ方向に貫通することができる。
【0024】
上記パッケージ基板の代替的な構成として、第1溝111、第2溝112、第3溝113及び第4溝114は、ガラス層110を厚さ方向に貫通せず、ガラス層110の厚さ方向に形成された非貫通溝とすることができる。これによれば、第1溝111、第2溝112、第3溝113及び第4溝114のそれぞれの深さは、コア層の厚さより小さくてもよい。また、第1溝111、第2溝112、第3溝113及び第4溝114のそれぞれの深さは、ガラス層110の厚さより小さくてもよい。
【0025】
第1溝111、第2溝112、第3溝113及び第4溝114は、CO
2レーザ等を使用したレーザ加工によって形成することができる。また、第1溝111、第2溝112、第3溝113及び第4溝114を形成するために、先ず、第1絶縁層140をレーザによって加工してガラス層110を露出させ、露出されたガラス層110をエッチング工程によって加工することができる。しかし、上記溝の形成方法は、このような方法に限定されず、ソーイング(sawing)加工法やドリリング(drilling)加工法を用いることもできる。
【0026】
第1溝111、第2溝112、第3溝113及び第4溝114の横断面及び縦断面は、すべて四角形となるように形成されてもよいが、この形状に制限されることはない。
【0027】
第1溝111の深さと第2溝112の深さの合計は、コア層の厚さ以上であってもよく、第3溝113の深さと第4溝114の深さの合計は、コア層の厚さ以上であってもよい。
【0028】
以下、第1溝111及び第2溝112について、より詳細に説明する。
図2を参照すると、第1溝111及び第2溝112は、それぞれ複数形成することができ、複数の第1溝111は不連続に配置されるように形成され、複数の第2溝112も不連続に配置されるように形成することができる。
【0029】
第1溝111と第2溝112のそれぞれは、ガラス層110の側面に沿って配列されることができる。すなわち、第1溝111と第2溝112のそれぞれは、ガラス層110の側面から所定の間隔を隔てて離隔するように配置されるように形成することができる。
【0030】
第1溝111の一部と第2溝112の一部とは互いに重なり合っていてもよい。複数の第1溝111と複数の第2溝112がそれぞれ重なり合って生じる複数の重複領域の大きさは、すべて同一である必要はない。但し、上述した重複領域のそれぞれの大きさは、一つの第1溝111(または第2溝112)の面積より小さくてもよい。
【0031】
ここで、'重なる'とは、第1溝111の最大面積を有する端面と第2溝112の最大面積を有する端面が、ガラス層110の厚さ方向において重なるという意味に解釈できる。
第1溝111と第2溝112の深さのそれぞれがコア層の厚さよりも小さく、第1溝111の深さと第2溝112の深さとの合計がコア層の厚さ以上であれば、第1溝111と第2溝112とが重なり合って重複領域を成すことにより、当該重複領域においては重なり合った溝がコア層を完全に貫通するような状態となる。
【0032】
すなわち、
図2に示すように、第1溝111のみが形成された領域においては、第1溝111によってガラス層110が露出する。また、第2溝112のみが形成された領域においては、第2溝112によってガラス層110が露出する。そして、第1溝111と第2溝112とが互いに重なる領域においては、ガラス層110が重なり合った溝によって完全に貫通された状態となる。
【0033】
図3を参照すると、金属部120は、第1溝111及び第2溝112内に形成される金属物質の部分であって、コア層に第1溝111と第2溝112とが形成された後に、金属物質を充填することにより形成することができる。
【0034】
金属部120は、無電解メッキ及び/または電解メッキによって形成することができる。例えば、金属部120が形成される過程として、先ず、無電解メッキにより金属の薄い層が第1溝111及び第2溝112の内壁及び底に形成され、その後、電解メッキ層が無電解メッキ層上に形成されるようにすることができる。
【0035】
金属部120は、銅(Cu)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、金(Au)、白金(Pt)などの金属材料からなることができる。
【0036】
金属部120は、第1溝111及び第2溝112を完全に充填する形で形成するか、第1溝111及び第2溝112のそれぞれの内部の一部のみを充填する形で形成することができる。この金属部120は、コア層に埋め込まれることによりガラス層110に剛性を付与することができる。
【0037】
金属部120は、複数形成することができる。第1溝111の一部と第2溝112の一部とが互いに重なるようにすると、金属部120は、ガラス層110の一面と他面に対してジグザグに配列された状態とすることができる。
【0038】
図4を参照すると、上述したように、ガラス層110には、第3溝113及び第4溝114を形成することができる。
第3溝113は、第1溝111と接続されるようにしてガラス層110の一面に形成される。第1溝111及び第3溝113は、複数形成することができ、複数の第1溝111と複数の第3溝113は、互いに交互に連続して配置することができる。
【0039】
ここで、「連続して」とは、第1溝111と第3溝113との間に間隔を設けないで配置した状態を意味する。したがって、第1溝111と第3溝113とは一つの連続的な溝部を構成することができる。当該連続的な溝部は、直線形状であってもよく、ガラス層110と同様に四角形状を有してもよい。しかし、当該連続的な溝部は、これらの形状に限定されず、当業者が必要に応じ、円形、多角形の形状となるように形成することもできる。
【0040】
ガラス層110の一面に形成された連続的な溝部の側面から説明すると、当該連続的な溝部の一部には第1溝111が形成され、その他の部分には第3溝113を形成することができる。
【0041】
第1溝111と第3溝113とで構成された連続的な溝部により、ガラス層110の一面は、内部領域と外郭領域とに区画することができる。また、このような連続的な溝部は、外郭領域で発生したガラス層110のクラックが内部領域にまで波及しないようにすることができる。
【0042】
第4溝114は、第2溝112と接続されるようにガラス層110の他面に形成される。第2溝112及び第4溝114は、複数形成することができ、複数の第2溝112と複数の第4溝114とは、互いに交互に連続して配置することができる。
【0043】
すなわち、第2溝112と第4溝114は、両者の間に間隔が形成されないように配置されることにより、一つの連続的な溝部を構成することができる。当該連続的な溝部は、直線形状であってもよく、ガラス層110と同様に四角形状を有してもよい。しかし、当該連続的な溝部がこれらの形状に限定されることはなく、当業者が必要に応じ、円形、多角形の形状となるように形成することができる。
【0044】
ガラス層110の他面に形成された連続的な溝部の側面から説明すると、当該連続的な溝部の一部には、第2溝112が形成され、その他には、第4溝114が形成されることができる。
第2溝112と第4溝114とで構成された当該連続的な溝部により、ガラス層110の一面は、内部領域と外郭領域とに区画することができる。また、このような連続的な溝部は、外郭領域で発生したガラス層110のクラックが内部領域にまで波及しないようにすることができる。
【0045】
第3溝113の一部は、第2溝112の一部と重なり、第4溝114の一部は、第1溝111の一部と重なってもよい。この場合、第1溝111及び第3溝113で形成される連続的な溝部と、第2溝112及び第4溝114で形成される連続的な溝部とは、互いに重なり合った状態とすることが可能である。
【0046】
ガラス層110の観点からは、第1溝111、第2溝112、第3溝113及び第4溝114により、コア層は、内部領域と外部領域とに分離することができる。上述したように、第1溝111、第2溝112、第3溝113及び第4溝114は、ガラス層110の一方の側で発生したクラックがガラス層110の全体の領域に拡散することを防止できる。
【0047】
特に、パッケージ基板の製造工程において、パッケージ基板を複数の単位パッケージ基板にそれぞれ切断する工程において、ガラス層110の損傷が発生する可能性があるが、上述した第1溝111、第2溝112、第3溝113及び第4溝114によりガラス層110の損傷を最小限に抑制することができる。
【0048】
一方、
図5を参照すると、絶縁部130は、第3溝113及び第4溝114の内部に形成されるものであって、樹脂材であってもよい。絶縁部130を形成する樹脂材としては、上述の第1絶縁層140及び第2絶縁層150の形成材料と同一の樹脂材であってもよく、第1絶縁層140及び/または第2絶縁層150と同一の樹脂材で形成されていてもよい。
【0049】
特に、絶縁部130は、第2絶縁層150が第1絶縁層140の上に積層されるプロセスにおいて、第2絶縁層150の形成材料が第3溝113及び第4溝114の内部に流入することにより形成されるようにすることができる。この場合、絶縁部130は、第2絶縁層150と一体となるように形成することができる。
【0050】
第1溝111、第2溝112に金属部120が形成され、第3溝113、第4溝114に絶縁部130が形成されると、第1溝111と第3溝113とで形成される連続的な溝部、そして、第2溝112と第4溝114とで形成される連続的な溝部は、金属部120または絶縁部130の形成材料によって充填されることになる。
【0051】
上述したように、このような連続的な溝部は、クラックの拡散を防止する機能を有するとともに、特に金属部120によってガラス層110が高い剛性を有することを可能にする特徴的構造を実現することができる。ガラス層110が高い剛性を有することにより、パッケージ基板の歪み(warpage)の問題を低減することができる。また、金属部120の間に配置された絶縁部130は、ガラス層110、第1絶縁層140、第2絶縁層150の間の結合力を高めることができる。
【0052】
再び
図1を参照すると、本発明の実施例に係るパッケージ基板は、第1回路141、貫通ビア142、第2回路151、ビア152、ソルダーレジスト層160、接続部170等をさらに含むことができる。
【0053】
第1回路141は、第1絶縁層140上に形成される信号伝達線路であって、特定パターンを有することができる。第1回路141は、電気的特性に優れた金属、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、金(Au)、白金(Pt)等の金属で形成することができる。
【0054】
また、第1回路141は、アディティブ(additive)工法、サブトラックティブ(subtractive)工法、セミ−アディティブ(Semi−additive)工法、テンティング(Tenting)工法、MSAP(Modified Semi−Additive Process)工法などを用いて形成できるが、これらの方式に限定されることはない。
【0055】
一方、第1回路141は、上述の金属部120と同一の金属で、同一の工程により同時に形成することができる。ここで、「同時」とは、時間的に完全に一致することを意味するものではなく、同一の工程を経てともに形成されることを意味する。
【0056】
すなわち、第1回路141と金属部120は、同一のメッキ処理工程により形成することができる。このように第1回路141と金属部120とを同時に形成すると、それらをそれぞれ個別に形成する場合に比べて、パッケージ基板の製造工程のリードタイムを低減することができるので効率的である。
【0057】
貫通ビア142は、コア層を貫通して第1ビア152と電気的に接続する。すなわち、貫通ビア142は、ガラス層110と第1絶縁層140とを貫通し、コア層の両面にそれぞれ形成された2つの第1ビア152間を互いに電気的に接続することができる。
【0058】
貫通ビア142は、コア層に第1ビア152を設けるためのビアホールを形成し、その後、当該ビアホール内にメッキ層を形成することにより形成可能である。貫通ビア142は、第1回路141と同時に形成することができる。さらに、貫通ビア142および第1回路141は、金属部120と同時に形成することができる。
【0059】
第2回路151は、第2絶縁層150上に形成される信号伝達線路であって、特定パターンを有することができる。第2回路151は、電気的特性に優れた金属、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、金(Au)、白金(Pt)などの金属で形成することができる。第2回路151は、第1回路141と同一の金属により形成されてもよい。
【0060】
また、第2回路151は、アディティブ(additive)工法、サブトラックティブ(subtractive)工法、セミーアディティブ(Semi−additive)工法、テンティング(Tenting)工法、MSAP(Modified Semi−Additive Process)工法などを用いて形成することができるが、これらの方式に限定されることはない。
【0061】
ビア152は、第2絶縁層150を貫通して第1回路141と第2回路151とを電気的に接続させるものであって、複数の第1回路141と複数の第2回路151をすべて互いに接続するために複数設けられるようにすることができる。
【0062】
ソルダーレジスト層160は、第2絶縁層150上に積層され、第2回路151をカバーして保護することができる。ソルダーレジストの一部は開口され、開口領域により第2回路151の一部を露出させることができる。
【0063】
開口部に露出させられた第2回路151の上には、ソルドボールのような接続部170を形成することができ、接続部170の上には、チップのような電子部品180を実装することができる。
【0064】
第2実施例
図6は、本発明の第2実施例に係るパッケージ基板を示す図であり、
図7から
図10は、本発明の第2実施例に係るパッケージ基板を製造する方法を示す図である。
【0065】
図6から
図10を参照すると、本発明の第2実施例に係るパッケージ基板は、ガラス層110、金属部120、絶縁部130、第1絶縁層140及び第2絶縁層150を含むことができる。ガラス層110には、第1溝111、第2溝112、第3溝113及び第4溝114を形成することができる。
【0066】
図6を参照すると、本発明の第2実施例では、上述の第1実施例と異なって、第1溝111、第2溝112、第3溝113及び第4溝114が第1絶縁層140を貫通するように形成されていない。すなわち、第1溝111、第2溝112、第3溝113及び第4溝114は、ガラス層110のみを貫通するように形成されている。
【0067】
図7を参照すると、ガラス層110の一面に第1溝111が形成され、ガラス層110の他面に第2溝112が形成される。第1溝111及び第2溝112は、それぞれ複数形成可能であり、複数の第1溝111は不連続に配置され、複数の第2溝112も不連続に配置されるようにすることができる。第1溝111と第2溝112のそれぞれは、ガラス層110の側面に沿って配列することができる。すなわち、第1溝111と第2溝112のそれぞれは、ガラス層110の側面から所定の間隔を隔てて離隔するように配置することができる。
【0068】
第1溝111の一部と第2溝112の一部とは、互いに重なり合うようにすることができる。複数の第1溝111と複数の第2溝112がそれぞれ重なり合う複数の重複領域の大きさは、すべて同一となる必要はない。但し、各々の重複領域の大きさは、一つの第1溝111(または第2溝112)の面積よりも小さくてもよい。
【0069】
第1溝111と第2溝112の深さのそれぞれがガラス層110の厚さよりも小さく、第1溝111の深さと第2溝112の深さとの合計がガラス層110の厚さ以上であれば、第1溝111と第2溝112とが重なり合うことにより、重なり合った重複領域においてはガラス層110が完全に貫通された状態となる。
【0070】
図8を参照すると、第1溝111及び第2溝112内に金属部120が形成される。金属部120は、第1溝111と第2溝112とを金属で完全に充填するか、第1溝111と第2溝112のそれぞれの内部の一部のみを金属で充填して形成することができる。このような金属部120は、ガラス層110内に埋め込まれることにより、ガラス層110に剛性を付与することができる。
【0071】
金属部120は、複数形成することができる。第1溝111の一部と第2溝112の一部とが互いに重なり合うと、金属部120は、ガラス層110の一面と他面に対して、ジグザグに配列された状態となることができる。
【0072】
図9を参照すると、ガラス層110の一面には、第3溝113が形成され、ガラス層110の他面には、第4溝114が形成されるようにすることができる。第3溝113は、第1溝111と接続されるようにガラス層110の一面に形成される。第1溝111及び第3溝113は、複数形成することができ、複数の第1溝111及び複数の第3溝113は、互いに交互に連続して配置されるようにすることができる。第4溝114は、第2溝112と接続されるようにガラス層110の他面に形成される。第2溝112及び第4溝114は、複数形成することができ、複数の第2溝112及び複数の第4溝114は、互いに交互に連続して配置されるようにすることができる。
【0073】
第3溝113の一部は第2溝112の一部と重なり合い、第4溝114の一部は第1溝111の一部と重なり合っていてもよい。この場合、第1溝111及び第3溝113により形成される連続的な溝部と、第2溝112及び第4溝114により形成される連続的な溝部とは、互いに重なり合った状態となることができる。
【0074】
ガラス層110の観点からは、第1溝111、第2溝112、第3溝113及び第4溝114により、ガラス層110が内部領域と外部領域とに区分されることとなる。上述したように、第1溝111、第2溝112、第3溝113及び第4溝114は、ガラス層110の一方の側で発生したクラックがガラス層110全体の領域に拡散することを防止することができる。
【0075】
図10を参照すると、第3溝113及び第4溝114に絶縁部130が形成される。絶縁部130の樹脂材としては、上述の第1絶縁層140および第2絶縁層150を形成する材料と同一の樹脂材を用いてもよく、第1絶縁層140及び/または第2絶縁層150と同一の材質で形成されてもよい。
【0076】
特に、絶縁部130は、第1絶縁層140がガラス層110上に積層されるプロセスにおいて、絶縁部140の形成材料が第3溝113と第4溝114の内部に流入さすることにより形成されるようにすることができる。この場合、絶縁部130は、第1絶縁層140と一体となるように形成することができる。
【0077】
一方、第2絶縁層150は、第1絶縁層140上に積層され、本実施例では、第2絶縁層150の形成材料がガラス層110の溝を充填しないようになっている。
【0078】
第1溝111、第2溝112に金属部120が形成され、第3溝113、第4溝114に絶縁部130が形成されると、第1溝111と第3溝113とで形成される連続的な溝部、そして、第2溝112と第4溝114とで形成される連続的な溝部は、金属部120または絶縁部130により充填されることになる。
【0079】
上述したように、このような連続的な溝部は、クラックの拡散を防止する機能を有するとともに、特に、金属部120によってガラス層110が高い剛性を有することを可能にする特徴的構造を実現することができる。ガラス層110が高い剛性を有することにより、パッケージ基板の歪み(warpage)の問題を低減することができる。
【0080】
再び
図6を参照すると、本発明の実施例に係るパッケージ基板は、第1回路141、貫通ビア142、第2回路151、ビア152、ソルダーレジスト層160、接続部170等をさらに含むことができる。なお、上記構成については、第1実施例で説明したので、ここでは説明を省略する。
【0081】
第3実施例
図11は、本発明の第3実施例に係るパッケージ基板を示す図である。
【0082】
図11を参照すると、本発明の第3実施例に係るパッケージ基板は、ガラス層110、金属部120、絶縁部130、第1絶縁層140及び第2絶縁層150を含むことができる。ガラス層110には、第1溝111、第2溝112、第3溝113及び第4溝114が形成されることができる。
【0083】
本実施例では、第1溝111、第2溝112、第3溝113及び第4溝114のそれぞれの断面積は、上記ガラス層110の内側に向かうにつれて小さくなるように構成されたパッケージ基板、すなわち、第1溝111と第3溝113の横断面積は、ガラス層110の内側に向かうにつれて小さくなり、第1溝111と第3溝113の縦断面の形状は、逆台形または逆三角形と類似した形状となり得る構造が開示された。また、第2溝112と第4溝114の横断面積は、ガラス層110の内側に向かうにつれて小さくなり、第2溝112と第4溝114の縦断面形状は、正台形または二等辺三角形に類似した形状を有してもよい。
【0084】
以上で、本発明の実施例について説明したが、当該技術分野で通常の知識を有する者であれば特許請求範囲に記載した本発明の思想から逸脱しない範囲内で、構成要素の付加、変更、削除または追加などにより本発明を様々に修正及び変更することができ、これも本発明の権利範囲内に含まれるものといえよう。