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特開2017-128319折り畳み可能な子供用三輪車及びその折り畳み方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-128319(P2017-128319A)
(43)【公開日】2017年7月27日
(54)【発明の名称】折り畳み可能な子供用三輪車及びその折り畳み方法
(51)【国際特許分類】
   B62K 15/00 20060101AFI20170630BHJP
   B62K 9/02 20060101ALI20170630BHJP
【FI】
   B62K15/00
   B62K9/02
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-94951(P2016-94951)
(22)【出願日】2016年5月10日
(11)【特許番号】特許第6152450号(P6152450)
(45)【特許公報発行日】2017年6月21日
(31)【優先権主張番号】201610035426.X
(32)【優先日】2016年1月19日
(33)【優先権主張国】CN
(71)【出願人】
【識別番号】516138196
【氏名又は名称】嘉興小虎子車業有限公司
【氏名又は名称原語表記】Jiaxing Xiaohuzi Bike Factory Company Limited
(74)【代理人】
【識別番号】100146374
【弁理士】
【氏名又は名称】有馬 百子
(72)【発明者】
【氏名】呉 春華
【テーマコード(参考)】
3D011
3D212
【Fターム(参考)】
3D011AA03
3D011AE02
3D212BA05
(57)【要約】      (修正有)
【課題】折り畳むことで退席が縮小される子供用三輪車およびその折り畳み方法を提供する。
【解決手段】子供用三輪車は、上部リンクユニット7、ヘッドチューブ6、下部リンクユニット8及び支持バー10で4リンク機構が形成される。推動バーユニットは、上部リンクユニットに対し回動するように接続されるとともに、ロック装置を介して下部リンクユニットと固定接続又は分離し、折り畳み時はまずロック装置を解除し、続いて推動バーユニットを上方へ引き上げ下部リンクユニットから離脱させ、次に推動バーユニットを前方に反転させることで、推動バーユニット、ヘッドチューブ、上部リンクユニット及び下部リンクユニットを上から下へ順に積層配置し、折り畳み体積を縮小することができる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
展開状態と折り畳み状態を有し、車体フレームと、前記車体フレームの前部に位置するフロントフォークと、前記フロントフォークの下部に回動可能に設けられた前輪と、前記車体フレームの後部に設けられた後輪フレームと、前記後輪フレームに回動可能に設けられた後輪とを含む折り畳み可能な子供用三輪車であって、
前記車体フレームは、
フロントフォークの上方に設けられたヘッドチューブと、
回動するように前記ヘッドチューブに接続された上部リンクユニットと、
回動するように前記ヘッドチューブに接続された下部リンクユニットと、
前記上部リンクユニットと前記下部リンクユニットの後部に接続された推動バーユニットと、
回動するように前記上部リンクユニットと前記下部リンクユニットの間に接続され、且つ前記推動バーユニットの前方に位置する支持バーとを含み、
前記上部リンクユニット、ヘッドチューブ、下部リンクユニット及び支持バーによって4リンク機構が形成され、
前記推動バーユニットは、前記上部リンクユニットに対し回動するよう接続されるとともに、ロック装置を介して前記下部リンクユニットと固定接続又は分離し、
前記ヘッドチューブと前記上部リンクユニット及び下部リンクユニットとの間には、前記ヘッドチューブの上部において前方への反転を規制する位置規制構造が設けられ、
前記子供用三輪車が折り畳まれると、前記推動バーユニット、上部リンクユニット、ヘッドチューブ、下部リンクユニット及び支持バーユニットが互いに集結すること、
を特徴とする子供用三輪車。
【請求項2】
前記位置規制構造は、前記上部リンクユニットの前方下部に設けられた上部位置規制部と、
前記下部リンクユニットの前方下部に設けられた下部位置規制部を含み、
前記ヘッドチューブの上部を前方に反転させると、
前記上部位置規制部と前記下部位置規制部がヘッドチューブに当接して、
前記ヘッドチューブの上部において前方への反転が阻止されること、
を特徴とする請求項1に記載の子供用三輪車。
【請求項3】
前記ロック装置は、前記推動バーユニットの下部に設けられた位置規制部材と、
前記推動バーユニットの管壁に設けられて前記位置規制部材を挿通させる開孔と、
前記位置規制部材と前記推動バーユニットの内管壁との間に設けられた位置規制弾性部材とを含み、
前記下部リンクユニットには、前記位置規制部材と係合する解除ボタンが設けられ、
前記ロック装置がロックされると、
前記位置規制部材が前記開孔に挿通されて前記下部リンクユニットと係合し、
前記解除ボタンが解除されると、
前記位置規制部材が前記下部リンクユニットから離脱して、
前記推動バーユニットが前記下部リンクユニットに対しスライド可能となること、
を特徴とする請求項1に記載の子供用三輪車。
【請求項4】
前記推動バーユニットは、固定バー及び固定バーに対してスライドするスライドバーを含み、
前記固定バーは前記スライドバーの外部に設けられること、
を特徴とする請求項1に記載の子供用三輪車。
【請求項5】
前記スライドバーの下端は前記固定バーの下端から伸出し、
前記スライドバーの上端は前記固定バーの上端から伸出していること、
を特徴とする請求項4に記載の子供用三輪車。
【請求項6】
前記子供用三輪車は、使用者の背部をもたれさせるための背もたれを含み、
前記背もたれの上部は、接続部材を介して回動するよう前記スライドバーに接続され、
前記背もたれの下部と前記固定バーは回動するよう接続され、
前記接続部材、背もたれ、固定バー及びスライドバーによってクランクスライド機構が形成されること、
を特徴とする請求項4に記載の子供用三輪車。
【請求項7】
前記固定バーと前記上部リンクユニットの後部は回動するように接続され、
前記スライドバーは前記下部リンクユニットにスライドするように接続されること、
を特徴とする請求項4に記載の子供用三輪車。
【請求項8】
前記ロック装置は、前記スライドバーと前記下部リンクユニットの間に設けられること、
を特徴とする請求項7に記載の子供用三輪車。
【請求項9】
前記下部リンクユニットの後部には、前記推動バーユニットと延伸方向が同じである接続管が設けられ、
前記ロック装置は、
スライドバーの下部に設けられた位置規制部材と、
スライドバーの管壁に設けられて前記位置規制部材を挿通させる開孔と、
前記位置規制部材と前記スライドバーの内管壁との間に設けられた位置規制弾性部材とを含み、
前記接続管には、前記位置規制部材と係合する解除ボタンが設けられ、
前記ロック装置がロックされると、
前記位置規制部材は前記開孔に挿通されて前記接続管と係合し、
前記解除ボタンが解除されると、
前記位置規制部材は前記接続管から離脱して、
前記スライドバーが接続管に対してスライド可能となること、
を特徴とする請求項8に記載の子供用三輪車。
【請求項10】
前記後輪フレームは前記接続管に固定接続され、
T字形状に配置されること、
を特徴とする請求項9に記載の子供用三輪車。
【請求項11】
前記子供用三輪車は、前記ヘッドチューブ内に設けられてヘッドチューブに対して回動可能なハンドルバーを更に含み、
前記子供用三輪車の折り畳み状態において、前記推動バーユニット、ヘッドチューブ、上部リンクユニット及び下部リンクユニットが上から下へ順に積層配置されること、
を特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の子供用三輪車。
【請求項12】
子供用三輪車の折り畳み方法であって、
前記子供用三輪車は、請求項1〜11のいずれか1項に記載の構造を備え、
折り畳み時には、まず前記ロック装置を解除し、
続いて前記推動バーユニットを上方へ引き上げて前記下部リンクユニットから離脱させ、
次に、前記推動バーユニットを前方に反転させることで、
前記推動バーユニット、ヘッドチューブ、上部リンクユニット及び下部リンクユニットを上から下へ順に積層配置すること、
を特徴とする方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折り畳み可能な子供用三輪車及びその折り畳み方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の子供用三輪車は、フロントフォーク、上記フロントフォークの下部に設けられた前輪、上記フロントフォークに設けられて上記前輪の回転方向を制御可能なハンドルバー、前後方向に延伸するフレーム本体、フレーム本体に設けられたサドル、上記フレーム本体の両側に設けられたリアブラケット、上記リアブラケットに設けられた後輪を含む。通常、従来の子供用三輪車では、フレーム本体は、ハンドルバーの外側に覆設されたフレームヘッドチューブに固定される。そのため、上記フレーム本体は折り畳み不可能であり、走行時の状態のまま保つしかない。よって、三輪車を外出時に持ち出す場合や、保管や搬送が必要な場合には、体積が大きすぎることから不便が生じ、搬送時のコストも嵩んでしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、折り畳み可能であり、且つ折り畳むことで体積が縮小される子供用三輪車及びその折り畳み方法を提供することを解決すべき技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記技術的課題を解決するために、本発明は、展開状態と折り畳み状態を有し、車体フレームと、上記車体フレームの前部に位置するフロントフォークと、上記フロントフォークの下部に回動可能に設けられた前輪と、上記車体フレームの後部に設けられた後輪フレームと、上記後輪フレームに回動可能に設けられた後輪とを含む折り畳み可能な子供用三輪車であって、上記車体フレームが、フロントフォークの上方に設けられたヘッドチューブと、回動するように上記ヘッドチューブに接続された上部リンクユニットと、回動するように上記ヘッドチューブに接続された下部リンクユニットと、上記上部リンクユニットと上記下部リンクユニットの後部に接続された推動バーユニットと、回動するように上記上部リンクユニットと上記下部リンクユニットの間に接続され、且つ上記推動バーユニットの前方に位置する支持バーとを含み、上記上部リンクユニット、ヘッドチューブ、下部リンクユニット及び支持バーによって4リンク機構が形成され、上記推動バーユニットが、上記上部リンクユニットに対し回動するように接続されるとともに、ロック装置を介して上記下部リンクユニットと固定接続又は分離し、上記ヘッドチューブと上記上部リンクユニット及び下部リンクユニットとの間には、上記ヘッドチューブの上部において前方への反転を規制する位置規制構造が設けられ、上記子供用三輪車が折り畳まれると、上記推動バーユニット、上部リンクユニット、ヘッドチューブ、下部リンクユニット及び支持バーユニットが互いに集結する子供用三輪車を提供する。
【0005】
好ましくは、上記位置規制構造は、上記上部リンクユニットの前方下部に設けられた上部位置規制部と、上記下部リンクユニットの前方下部に設けられた下部位置規制部を含み、上記ヘッドチューブの上部を前方に反転させると、上記上部位置規制部と上記下部位置規制部がヘッドチューブに当接して、上記ヘッドチューブの上部における前方への反転が阻止される。
【0006】
好ましくは、上記ロック装置は、上記推動バーユニットの下部に設けられた位置規制部材と、上記推動バーユニットの管壁に設けられて上記位置規制部材を挿通させる開孔と、上記位置規制部材と上記推動バーユニットの内管壁との間に設けられた位置規制弾性部材とを含み、上記下部リンクユニットには、上記位置規制部材と係合する解除ボタンが設けられ、上記ロック装置がロックされると、上記位置規制部材が上記開孔に挿通されて上記下部リンクユニットと係合し、上記解除ボタンが解除されると、上記位置規制部材が上記下部リンクユニットから離脱して、上記推動バーユニットが上記下部リンクユニットに対しスライド可能となる。
【0007】
好ましくは、上記推動バーユニットは、固定バー及び固定バーに対してスライドするスライドバーを含み、上記固定バーは上記スライドバーの外部に設けられる。
【0008】
好ましくは、上記スライドバーの下端は上記固定バーの下端から伸出し、上記スライドバーの上端は上記固定バーの上端から伸出している。
【0009】
好ましくは、上記子供用三輪車は、使用者の背部をもたれさせるための背もたれを含み、上記背もたれの上部は、接続部材を介して回動するよう上記スライドバーに接続され、上記背もたれの下部と上記固定バーは回動するように接続され、上記接続部材、背もたれ、固定バー及びスライドバーによってクランクスライド機構が形成される。
【0010】
好ましくは、上記固定バーと上記上部リンクユニットの後部は回動するように接続され、上記スライドバーは上記下部リンクユニットにスライドするよう接続される。
【0011】
好ましくは、上記ロック装置は、上記スライドバーと上記下部リンクユニットの間に設けられる。
【0012】
好ましくは、上記下部リンクユニットの後部には、上記推動バーユニットと延伸方向が同じである接続管が設けられ、上記ロック装置は、スライドバーの下部に設けられた位置規制部材と、スライドバーの管壁に設けられて上記位置規制部材を挿通させる開孔と、上記位置規制部材と上記スライドバーの内管壁との間に設けられた位置規制弾性部材とを含み、上記接続管には、上記位置規制部材と係合する解除ボタンが設けられ、上記ロック装置がロックされると、上記位置規制部材は上記開孔に挿通されて上記接続管と係合し、上記解除ボタンが解除されると、上記位置規制部材は上記接続管から離脱して、上記スライドバーが接続管に対してスライド可能となる。
【0013】
好ましくは、上記後輪フレームは上記接続管に固定接続され、T字形状に配置される。
【0014】
好ましくは、上記子供用三輪車は、上記ヘッドチューブ内に設けられてヘッドチューブに対して回動可能なハンドルバーを更に含み、上記子供用三輪車の折り畳み状態において、上記推動バーユニット、ヘッドチューブ、上部リンクユニット及び下部リンクユニットが上から下へ順に積層配置される。
【0015】
上記技術的課題を解決するために、本発明では、更に、折り畳み時に、まず上記ロック装置を解除し、続いて上記推動バーユニットを上方へ引き上げて上記下部リンクユニットから離脱させ、次に、上記推動バーユニットを前方に反転させることで、上記推動バーユニット、ヘッドチューブ、上部リンクユニット及び下部リンクユニットを上から下へ順に積層配置する、上記子供用三輪車の折り畳み方法を開示する。
【発明の効果】
【0016】
従来技術と比較して、本発明の子供用三輪車では、車体フレームを4リンク機構として設け、4リンクの折り畳みによってフレームの折り畳みを実現する。また、位置規制構造によって4リンクによる折り畳み方式を1つに特定することで、折り畳み後に、前記ハンドルバーが後方に向かって車体フレーム上に折り畳まれるため、折り畳み体積の縮小が実現される。
【0017】
以下に、図面と具体的実施形態を組み合わせて、本発明の構造とその有益な効果について詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態における子供用三輪車の斜視図である。
図2】本発明の一実施形態における子供用三輪車の底面図である。
図3】本発明の一実施形態における子供用三輪車の車体フレームの断面図である。
図4図3の円部分を示す図である。
図5】本発明の一実施形態である図3の子供用自転車の車体フレームを折り畳んだ後の状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、図面と具体的実施例を組み合わせて本発明の技術方案につき更に詳述する。
【0020】
本発明は、折り畳み可能な子供用三輪車及びその折り畳み方法を開示する。まず、図1及び図3を参照して、本発明の折り畳み方法を適用する子供用三輪車について説明する。本発明の子供用三輪車は、車体フレーム、車体フレームの前部に位置するフロントフォーク1、フロントフォーク1上部に設けられたハンドルバー2、回動可能にフロントフォーク1の下部に設けられた前輪3、車体フレームの後部に設けられた2つの後輪フレーム4、及び回動可能に後輪フレーム4に設けられた後輪5を含む。
【0021】
上記車体フレームは、上記ハンドルバー2に覆設されたヘッドチューブ6、回動するようヘッドチューブ6に接続された上部リンクユニット7、回動するようヘッドチューブ6に接続された下部リンクユニット8、上部リンクユニット7と下部リンクユニット8に接続された推動バーユニット9、回動するよう上部リンクユニット7と下部リンクユニット8の間に接続され、且つ推動バーユニット9の前方に位置する支持バー10を含む。上記ハンドルバー2は、ヘッドチューブ6に対して回動可能である。上記上部リンクユニット7は、下部リンクユニット8の上方に位置する。上記上部リンクユニット7には、使用者が乗り降りするためのサドルが設けられている。上記支持バー10は、上部リンクユニット7と下部リンクユニット8の略中央部に位置する。子供用三輪車を展開すると、上記支持バー10は上部が前方に、下部が後方に傾斜して配置される。上記ヘッドチューブ6、下部リンクユニット8、支持バー10及び上部リンクユニット7が互いに回動するよう接続されて4リンク機構が形成される。
【0022】
上記上部リンクユニット7と上記下部リンクユニット8には、それぞれ上記ヘッドチューブ6との間に位置規制構造が設けられている。具体的には、上記上部リンクユニット7は先端に上部接続ヘッド71を具備し、上記上部接続ヘッド71の下前方に突出した上部位置規制部711が設けられている。上記下部リンクユニット8は、先端に下部接続ヘッド81を具備し、上記下部接続ヘッド81の下前方に突出した下部位置規制部811が設けられている。上記上部接続ヘッド71と上記下部接続ヘッド81は、上記ヘッドチューブに対し回動するよう接続されており、且つ、上部位置規制部711と下部位置規制部811を設けることで、前記ヘッドチューブ6の上部は後方へのみ折り畳み可能とされている。
【0023】
上記上部リンクユニット7の後端と上記推動バーユニット9は回動するよう接続されている。また、上記下部リンクユニット8の後端と前記推動バーユニット9は、ロック装置を介して固定接続及び開放される。上記ロック装置がロックされると、上記下部リンクユニット8と上記推動バーユニット9は固定される。また、上記ロック装置が解除されると、上記下部リンクユニット8と上記推動バーユニット9は開放可能となる。このとき、推動バーユニット9を前方へ回動させることで、上記上部リンクユニット7が支持バー10及びヘッドチューブ6を回動させつつ折り畳まれる。
【0024】
図4を参照して、上記ロック装置について説明する。上記ロック装置は、上記推動バーユニット9に設けられる位置規制部材920と、推動バーユニット9の管壁に設けられて上記位置規制部材920を挿通させる開孔と、上記位置規制部材920と上記推動バーユニット9の内管壁の間に設けられた位置規制弾性部材921とを含む。上記位置規制弾性部材921は、延伸方向が上記推動バーユニット9の延伸方向に対し垂直であり、上記位置規制部材920を開孔に挿通するための弾性復元力を供するものである。上記位置規制部材920は上記開孔に挿通されて上記下部リンクユニット8に係合し、上記推動バーユニット9を下部リンクユニット8に固定接続する。上記下部リンクユニット8には、位置規制部材920と係合する解除ボタン83が設けられる。上記解除ボタン83を上記下部リンクユニット8に対してスライドすることで、上記位置規制部材920を前記推動バーユニット9の管内に向かってスライドさせる。これにより、推動バーユニット9と下部リンクユニット8のロックが解除される。
【0025】
具体的には、上記下部リンクユニット8の後部には、上下方向に傾斜するよう延伸した接続管80が設けられている。上記接続管80と上記推動バーユニット9の延伸方向は同じである。上記接続管80内には接続リベット82が固定されており、上記推動バーユニット9の端部には凹槽922が設けられている。ロック装置をロックすると、上記凹槽922が上記接続リベット82に係合されて、上記下部リンクユニット8内における上記推動バーユニット9の回動が規制される。上記解除ボタン83は、接続管80に設けられて位置規制部材920との係合に用いられる。上記後輪フレームは上記接続管80に固定接続され、図2に示すように、接続管80から後方に向かうにつれて次第に分岐するよう配置されて、「T」字形状をなしている。
【0026】
具体的に、上記推動バーユニット9は、固定バー91と、固定バー91に対してスライドするスライドバー92を含む。上記固定バー91と上記上部リンクユニット7の後端は回動するように接続されている。また、前記固定バー91は、上記スライドバー92の外側に覆設されており、スライドバー92は固定バー91に対しスライド可能とされる。上記スライドバー92の下端は固定バー91から伸出し、接続管80内に挿設される。上記位置規制部材920はスライドバー92の下部に設けられ、スライドバー92と接続管80をロックするために用いられる。上記開孔はスライドバー92の管壁に設けられ、上記位置規制弾性部材921は上記位置規制部材920と上記スライドバー92の内管壁との間に設けられている。上記ロック装置がロックされると、上記位置規制部材920が上記開孔に挿通されて上記接続管80に係合される。また、上記解除ボタンが解除されると、上記位置規制部材920が上記接続管80から離脱するため、上記スライドバー92が接続管80に対してスライド可能となる。上記スライドバー92の上端は、使用者が上記スライドバー92を上記接続管80に対し上方へ引き上げられるよう、上記固定バー91から伸出している。
【0027】
上記スライドバー92の上端には、接続部材12を介して子供用三輪車の背もたれ11が回動するよう接続されている。上記背もたれ11の下方は、上記上部リンクユニット7の後部及び前記固定バー91と同軸に回動するよう接続されている。上記接続部材12、背もたれ11、固定バー91及びスライドバー92によって、クランクスライド機構が形成される。
【0028】
上記子供用三輪車が展開されると、上記ロック装置がロックされることで、上記子供用三輪車は正常な走行が可能となる。上記子供用三輪車を折り畳みたい場合には、3つのステップで三輪車を折り畳み可能である。まず、ロック装置のロックを解除し、続いて推動バーユニット9を上方へ引き上げる。次に、推動バーユニット9を前方に反転させることで、上記4リンク機構を所定の方向に折り畳む。これにより、三輪車の折り畳みが完了する。具体的には、上記解除ボタン83を押動し、上記位置規制部材920を収縮させてスライドバー92内に進入させることで、接続管80とスライドバー92とのロックを解除する。このとき、上記スライドバー92を上方へ引き上げ、スライドバー92を上記固定バー91と接続管80に対して上方へスライドさせることで、上記スライドバー92を接続管80の上方から離脱させる。そして、上記推動バーユニット9の上部を前方に反転させる。上記上部リンクユニット7、下部リンクユニット8と上記ヘッドチューブ6との間の位置規制構造によって、上記上部リンクユニット7は後方にのみ移動可能であり、支持バー10の上端とヘッドチューブ6の上端を上記下部リンクユニット8に対して後方へ反転させる。最後に、ヘッドチューブ6、上部リンクユニット7、支持バー10が互いに上記下部リンクユニット8上に集結する。ハンドルバーは上記ヘッドチューブ6内に設けられているため、折り畳み後は、上記推動バーユニット9、ハンドルバー、上部リンクユニット7及び下部リンクユニット8が上から下へ順に積層配置される。ハンドルバーは後方へ折り畳まれて推動バーユニット9と上部リンクユニットの7間に位置し、図5に示すように上記子供用三輪車の折り畳みが実現される。
【0029】
明細書における上記の開示及び教唆から、当業者は上記実施形態に対し更に適切な変更及び補正を実施することが可能である。よって、本発明は上に開示及び記載した具体的実施形態に限らず、本発明に対する補正や変更もまた本発明の請求項の権利範囲に包含されるべきである。また、本明細書では特定の用語を使用しているが、これらの用語は説明の便宜のために用いたにすぎず、本発明を制限するものではない。

図1
図2
図3
図4
図5