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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-129092(P2017-129092A)
(43)【公開日】2017年7月27日
(54)【発明の名称】エンジン駆動作業機
(51)【国際特許分類】
   F02B 63/00 20060101AFI20170630BHJP
   F02B 63/04 20060101ALI20170630BHJP
【FI】
   F02B63/00 B
   F02B63/04 B
   F02B63/00 C
   F02B63/04 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-10240(P2016-10240)
(22)【出願日】2016年1月22日
(71)【出願人】
【識別番号】000109819
【氏名又は名称】デンヨー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100963
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 陽男
(72)【発明者】
【氏名】池野 裕
(57)【要約】      (修正有)
【課題】雨水対策が必要な部分全体に屋根を設け、ステップを使って防音ケースの上に登る際には、屋根が邪魔にならないようにする。
【解決手段】防音ケース1上面の、ステップ7より前側の部分を、前側屋根部材8で上面の側縁から外側に突き出して覆い、ステップ7より後側の部分を、後側屋根部材9で上面の側縁から外側に突き出して覆う。さらに、前側屋根部材8と後側屋根部材9の互いに対向する上縁部を固定連結板10aで連結する。そして、固定連結板10aに可動連結板10bを蝶番10cで結合し、前側屋根部材8と後側屋根部材9の互いに対向する上縁部の、固定連結板10aで連結されない残り部分を、可動連結板10bで開閉可能な状態で覆い、ステップ7から防音ケース1の上に登る際には、可動連結板10bを上に開けて登る。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンと、該エンジンにより駆動される作業機本体とを箱形の防音ケース内に収納したエンジン駆動作業機であって、
前記防音ケースの片側の側面中央部に、上下方向に設けられたステップと、
前記防音ケースの上面の、前記ステップより前側の部分を、上面の側縁から外側に突き出して覆う前側屋根部材と、
前記防音ケースの上面の、前記ステップより後側の部分を、上面の側縁から外側に突き出して覆う後側屋根部材と、
前記前側屋根部材と前記後側屋根部材の互いに対向する上縁部の、前記片側の側面とは反対側の部分間を連結する固定連結板と、
該固定連結板と蝶番で結合され、前記前側屋根部材と前記後側屋根部材の互いに対向する上縁部の、前記固定連結板で連結されない残り部分を、開閉可能に覆う可動連結板と
を備えたことを特徴とするエンジン駆動作業機。
【請求項2】
前記前側屋根部材と前記後側屋根部材は、前記片側の側面とは反対側から前記片側の側面側に向かって低くなるように傾斜して設けられたことを特徴とする請求項1に記載のエンジン駆動作業機。
【請求項3】
前記固定連結板が前記可動連結板の上側に重なるように結合されたことを特徴とする請求項2に記載のエンジン駆動作業機。
【請求項4】
前記前側屋根部材と前記後側屋根部材の前後両端縁を屋根上面より高くしたことを特徴とする請求項1,2又は3に記載のエンジン駆動作業機。
【請求項5】
前記防音ケースは、上面中央部を横断するように溝状の凹部が設けられ、該凹部の中央部に掛け渡すように棒状の吊り金具が設けられたものであり、
前記固定連結板と前記可動連結板との結合部は、前記吊り金具より前記固定連結板側に設けたことを特徴とする請求項1,2,3又は4に記載のエンジン駆動作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋外で使用されるエンジン駆動発電機,エンジン駆動溶接機,エンジン駆動コンプレッサ等のエンジン駆動作業機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
屋外の建設工事等で使用されるエンジン駆動作業機は、金属製の防音ケース内に発電機,溶接機,コンプレッサ等の作業機本体及び該作業機本体を駆動するためのエンジンが収納されている。そして、作業機の運転中には、作業機本体,エンジン,エンジンのインタークーラ,ラジエータ,マフラ等が発熱するため、図12に示すように、防音ケース1に、吸風口2と排風口3を設け、内部でエンジンファンを回転させて、外気を吸風口2から取り込み、それを防音ケース1内に流して各部を冷却した後、排風口3から排出する。
【0003】
防音ケース1の上面中央部には、防音ケース1を横断するように溝状の凹部5が設けられ、該凹部5の中央部に掛け渡すように棒状の吊り金具6が設けられている。また、防音ケース1の高さが高い機種では、防音ケース1の側面中央部に、ステップ7が上下方向に設けられていて、点検整備等で必要があれば防音ケース1の上に登られるようにしている。
【0004】
このようなエンジン駆動作業機を屋外で使用すると、降雨時に、吸風口2等から防音ケース1内に雨水が浸入して、内部の各種設備の誤作動を招くおそれがある。また、防音ケース1の側壁には、点検保守用にドア4が設けられているが、それらのドア4の隙間から雨水が浸入するおそれもある。
【0005】
そこで、従来、例えば特許文献1に示されるように、防音ケース1の吸風口2等が設けられている部分の上縁部に樋を設けて、防音ケース1の上面から流れ落ちる雨水を集めて吸風口2等が設けられていない部分に流し、吸風口2等に雨水が流れ込まないようにした技術が提案されている。
【0006】
また、防音ケース1の上に、防音ケース1の上面より幅広で、吸風口2等の上部を覆う屋根を設けて、吸風口2等に雨水が流れ込まないようにしたエンジン駆動作業機も開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】登録実用新案第3084431号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来の、防音ケース1の上縁部に樋を設けたエンジン駆動作業機では、樋の清掃等のために防音ケース1の上に登るとき、図12のエンジン駆動作業機のように防音ケース1の上に登るためのステップ7が設けられた機種では、ステップ7の上方に樋があると、樋が障害になって登りにくくなる。また、ステップ7が設けられた部分を避けて樋を設置すると、樋を設けない部分から雨水が流下してしまい、万全な雨水対策ができなくなるという問題点があった。また、ステップ7がない機種においては、防音ケース1の上に登るとき、梯子を用意して樋の外側に掛ける必要があり、その分、設置スペースに余裕を持たせなければならないという問題点があった。
【0009】
また、防音ケース1の上に屋根を設けたエンジン駆動作業機でも同様に、点検整備等のために屋根の上に登る際、ステップ7が設けられた機種では、ステップ7の上方に屋根の軒が伸びていると、軒が障害になって登りにくくなる。また、ステップ7が設けられた部分を避けて屋根を設置すると、屋根を設けない部分から雨水が流下してしまい、万全な雨水対策ができなくなるという問題点があった。また、ステップ7がなく、梯子を使う場合は、梯子を屋根の外側に掛けなければならず、その分、設置スペースに余裕を持たせなければならないという問題点があった。
【0010】
本発明は、そのような問題点に鑑み、梯子を使わずに防音ケースの上に登ることができ、雨水対策が必要な部分全体に雨除けが設けられ、防音ケースの上に登る際には、その雨除けが邪魔にならないようにすることを目的とするものである。
【0011】
前記課題を解決するため、本願の請求項1にかかる発明は、エンジンと、該エンジンにより駆動される作業機本体とを箱形の防音ケース内に収納したエンジン駆動作業機であって、前記防音ケースの片側の側面中央部に、上下方向に設けられたステップと、前記防音ケースの上面の、前記ステップより前側の部分を、上面の側縁から外側に突き出して覆う前側屋根部材と、前記防音ケースの上面の、前記ステップより後側の部分を、上面の側縁から外側に突き出して覆う後側屋根部材と、前記前側屋根部材と前記後側屋根部材の互いに対向する上縁部の、前記片側の側面とは反対側の部分間を連結する固定連結板と、該固定連結板と蝶番で結合され、前記前側屋根部材と前記後側屋根部材の互いに対向する上縁部の、前記固定連結板で連結されない残り部分を、開閉可能に覆う可動連結板とを備えたことを特徴とする。
【0012】
また、本願の請求項2にかかる発明は、請求項1にかかる発明において、前記前側屋根部材と前記後側屋根部材は、前記片側の側面とは反対側から前記片側の側面側に向かって低くなるように傾斜して設けられたことを特徴とする。
【0013】
また、本願の請求項3にかかる発明は、請求項2にかかる発明において、前記固定連結板が前記可動連結板の上側に重なるように結合されたことを特徴とする。
【0014】
また、本願の請求項4にかかる発明は、請求項1,2又は3にかかる発明において、前記前側屋根部材と前記後側屋根部材の前後両端縁を屋根上面より高くしたことを特徴とする。
【0015】
また、本願の請求項5にかかる発明は、請求項1,2,3又は4にかかる発明において、前記防音ケースは、上面中央部を横断するように溝状の凹部が設けられ、該凹部の中央部に掛け渡すように棒状の吊り金具が設けられたものであり、前記固定連結板と前記可動連結板との結合部は、前記吊り金具より前記固定連結板側に設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、次のような効果を奏する。
すなわち、請求項1にかかる発明においては、片側の側面中央部にステップが設けられた防音ケース上面の、前記ステップより前側の部分と後側の部分とを、それぞれ、上面の側縁から外側に突き出す前側屋根部材と後側屋根部材とで覆い、前記前側屋根部材と前記後側屋根部材の互いに対向する上縁部の、前記片側の側面とは反対側の部分を固定連結板で連結し、該固定連結板と蝶番で結合された可動連結板で、前記前側屋根部材と前記後側屋根部材の互いに対向する上縁部の、前記固定連結板で連結されない残り部分を開閉可能に覆った。その結果、梯子を使わずに防音ケースの上に登ることができる上、雨水対策が必要な部分全体に、屋根及び連結板よりなる雨除けが設けられ、ステップを使って防音ケースの上に登る際には、可動連結板を上に開くことにより、何の障害もなく登ることがで
きる。
【0017】
また、請求項2にかかる発明においては、請求項1にかかるエンジン駆動作業機において、前側屋根部材と後側屋根部材は、前記片側の側面とは反対側から前記片側の側面側に向かって低くなるように傾斜して設けられたので、前側屋根部材,後側屋根部材及び連結板の上に落ちた雨水は、ステップが設けられている側だけに流下し、反対側には流下しないため、そちらの側では、流下する雨水に邪魔されずに作業できる。
【0018】
また、請求項3にかかる発明においては、請求項2にかかるエンジン駆動作業機において、固定連結板が前記可動連結板の上側に重なるように結合されたので、固定連結板側から流れ落ちてくる雨水が、そのまま可動連結板に流れて、固定連結板と可動連結板の隙間から入り込まないようになる。
【0019】
また、請求項4にかかる発明においては、請求項1,2又は3にかかるエンジン駆動作業機において、前側屋根部材と後側屋根部材の前後両端縁を屋根上面より高くしたので、高くした端縁が雨水ガイドとなって、前側屋根部材及び後側屋根部材の上を流れ落ちる雨水が屋根板の前後端部からこぼれ落ちなくなる。
【0020】
また、請求項5にかかる発明においては、請求項1,2,3又は4にかかるエンジン駆動作業機において、防音ケースは、上面中央部を横断するように溝状の凹部が設けられ、該凹部の中央部に掛け渡すように棒状の吊り金具が設けられたものであり、固定連結板と可動連結板との結合部は、吊り金具より固定連結板側に設けたので、連結板を取り付けたままでも、可動連結板を開けるだけで吊り金具にクレーンのフックを掛け、移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施例に係るエンジン駆動作業機を示す図である。
図2図1のA−A断面図である。
図3】前側屋根部材を示す図である。
図4図3のB−B断面図である。
図5】後側屋根部材を示す図である。
図6】屋根取付ブラケットを示す図である。
図7】連結板を示す図である。
図8】固定連結板を示す図である。
図9】可動連結板を示す図である。
図10】固定連結板と可動連結板の連結部を示す図である。
図11】第2実施例の連結板を示す図である。
図12】従来のエンジン駆動作業機の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0023】
図1は、本発明の一実施例に係るエンジン駆動作業機を示す図である。図1において、符号1〜7は図12のものに対応しており、8は前側屋根部材、9は後側屋根部材、10は連結板、11,12は屋根取付ブラケットである。なお、前側屋根部材8には、冷却水給水カバー8aが設けられていて、図示はしないが、その下側には冷却水の給水口が設けられている。
【0024】
本発明では、図12に示したようなエンジン駆動作業機の上面に、前側屋根部材8と後
側屋根部材9を設け、それらの間を連結板10で連結している。前側屋根部材8は、防音ケース1の上面の、ステップ7より前側の部分を覆い、後側屋根部材9は、防音ケース1の上面の、ステップ7より後側の部分を覆っている。そして、前側屋根部材8と後側屋根部材9は、図2にA−A断面を示すように、ステップ7が設けられている側から、その反対側に向かって高くなるように傾斜させていて、しかも、防音ケース1上面の側縁から外側に突き出して覆うようにしている。
【0025】
その結果、上空から降ってきた雨水は、前側屋根部材8,後側屋根部材9及び連結板10により遮られて、防音ケース1側面の吸風口2やドア4には当たらないようになる。また、前側屋根部材8,後側屋根部材9及び連結板10の上に落ちた雨水は、ステップ7が設けられている側だけに流下し、反対側には流下しないため、各種操作部をそちらの側に設ければ、流下する雨水に邪魔されずに作業できる。
【0026】
次に、各部の詳細な構造を説明する。
図3は、前側屋根部材を示す図である。この前側屋根部材8は、エンジン駆動作業機の防音ケース1の上面の、ステップ7より前側に設置される。上面を覆う屋根板8cは下側に複数本平行に配置された断面コの字状の屋根補強材8bで支えられ、人が上に載っても耐えられるようになっている。また、前記冷却水給水カバー8aを取り付ける冷却水給水口8fも設けられている。
【0027】
傾斜している屋根板8cの上下端部は、下方に折り曲げられて側板8h,8iが形成され、それらにより側面部が封止されている。また、屋根板8cの前端部には側板8jが取り付けられ、その下端部には、前側屋根部材8を防音ケース1のフロントルーフにボルト止めするためのフロントルーフ取付部8eが設けられている。また、屋根板8cの後端部には、上端部に連結板10を取り付けるための連結板取付部8dが設けられた側板8kが取り付けられている。また、図4にB−B断面図を示すように、連結板取付部8dの下側には、前側屋根部材8の後端部を防音ケース1の上面にボルト止めするための取付片8mが設けられている。そしてまた、前後の両側板8j,8kの上端縁は、屋根板8cの面より上方に突き出るようになっていて、雨水ガイドとして、前側屋根部材8の上を流れ落ちる雨水が屋根板8cの前後端部からこぼれ落ちないようにしている。
【0028】
図5は、後側屋根部材を示す図である。この後側屋根部材9は、エンジン駆動作業機の防音ケース1上面の、ステップ7より後側に設置される。上面を覆う屋根板9cは下側に複数本平行に配置された断面コの字状の屋根補強材9bで支えられ、人が上に載っても耐えられるようになっている。
【0029】
傾斜している屋根板9cの上下端部は、下方に折り曲げられて側板9h,9iが形成され、それらにより側面部が封止されている。また、屋根板9cの前端部には、上端に連結板10を取り付けるための連結板取付部9dが設けられた側板9jが取り付けられている。また、屋根板9cの後端部には側板9kが取り付けられている。また、図示はしないが、前側屋根部材8の取付片8mと同様に、連結板取付部9d下側には、後側屋根部材9の前端部を防音ケース1の上面にボルト止めするための取付片が設けられている。そしてまた、前後の両側板9j,9kの上端縁は、屋根板9cの面より上方に突き出るようになっていて、雨水ガイドとして、後側屋根部材9の上を流れ落ちる雨水が屋根板9cの前後端部からこぼれ落ちないようにしている。
【0030】
これら前側屋根部材8と後側屋根部材9は、ボルト、及び、図6に示すような屋根取付ブラケットを使って、防音ケース1に取り付けられる。そのため、予め、防音ケース1の左右両側及び上面の必要箇所にウェルドナットを取り付けておく。
【0031】
図6に示すように、屋根取付ブラケット11,12は、防音ケース1の左側用と右側用とで左右対称の形をしている。それぞれ支持板11a,12aに作業機取付板11b,12b、屋根補強材取付板11c,12cが設けられ、それらにはボルト孔11d,11e,12d,12eが設けられている。
【0032】
前側屋根部材8の屋根補強材8b、及び、後側屋根部材9の屋根補強材9bの位置に合うように、防音ケース1の側面に取り付けた上記ウェルドナットに、作業機取付板11b,12bを合わせ、屋根取付ブラケット11,12をボルトで取り付ける。その後、前側屋根部材8と後側屋根部材9の各屋根補強材8b,9bを、屋根取付ブラケット11,12の屋根補強材取付板11c,12cに合わせて載置し、ボルトで止める。さらに、前側屋根部材8のフロントルーフ取付部8eを、防音ケース1のフロントルーフとボルトで共締めし、前側屋根部材8後端部の取付片8mと後側屋根部材9前端部の取付片を、予め取り付けておいたウェルドナットにボルト止めする。
【0033】
このようにして、前側屋根部材8と後側屋根部材9を防音ケース1に取り付けたら、前側屋根部材8の連結板取付部8dと後側屋根部材9の連結板取付部9dが、連結板10の幅で平行に対向することになる。その上に連結板10を載せてボルト止めする。その連結板10は、次のような構造になっている。
【0034】
図7は、連結板を示す図である。連結板10は、固定連結板10aと可動連結板10bを蝶番10cで連結して構成される。固定連結板10aは、前側屋根部材8の連結板取付部8dと後側屋根部材9の連結板取付部9dに、ボルトで固定されるが、可動連結板10bは、蝶番10cにより固定連結板10aに結合し、端板10f部で前側屋根部材8の連結板取付部8d、後側屋根部材9の連結板取付部9dの垂直部にボルト止めされ、そのボルトを外すと、図7に点線で示すように、上方に開くことができる。また、固定連結板10aの上面には、可動連結板10bを全開した際の緩衝材として、ゴム脚10dが取り付けられている。
【0035】
図8は、固定連結板を示す図である。固定連結板10aの上面は、前側屋根部材8,後側屋根部材9と同じ角度で傾斜しており、側縁部は折り曲げて、曲げ強度を強くしている。そして、上端部には、端板10eが垂直に設けられている。また、他端部の可動連結板10bとの連結部分の裏面には、断面L字状の補強材10hが設けられている。
【0036】
図9は、可動連結板を示す図である。可動連結板10bの上面も前側屋根部材8,後側屋根部材9と同じ角度で傾斜しており、側縁部は折り曲げて、曲げ強度を強くしている。また、下端部には、端板10fが垂直に設けられており、他端部の固定連結板10aとの連結部分の裏面には、断面L字状の補強材10iが設けられている。さらに、端板10fの裏側には、コの字状の取手10gが設けられていて、可動連結板10b開閉の際に、その取手10gに手を掛けて操作できるようにしている。
【0037】
固定連結板10aと可動連結板10bの連結部は、図10に示すように、可動連結板10bが固定連結板10aの下側になるように重ね合わせていて、固定連結板10a側から流れ落ちてくる雨水が、そのまま可動連結板10bに流れて、固定連結板10aと可動連結板10bの隙間から入り込まないようにしている。そのように固定連結板10aと可動連結板10bの間に段差を付けるために、可動連結板10bと蝶番10cとの間には、平座金10jを2枚重ねている。
【実施例2】
【0038】
上記実施例では、固定連結板10aと可動連結板10bとを繋ぐ蝶番10cの位置を、防音ケース1の吊り金具6よりも可動連結板10b側にしたため、連結板10を取り付け
ると、吊り金具6の上を固定連結板10aで覆ってしまい、エンジン駆動作業機を移動させる必要が生じた場合に、連結板10を取り外さなければ、吊り金具6にクレーンのフックを掛けることができない。
【0039】
そこで、この実施例では、図11に示すように、蝶番10cの位置を、防音ケース1の吊り金具6よりも固定連結板10a側にした。このようにすれば、連結板10を取り付けたままでも、可動連結板10bを開けるだけで吊り金具6にクレーンのフックを掛けることができるようになる。
【符号の説明】
【0040】
1 防音ケース
2 吸風口
3 排風口
4 ドア
5 凹部
6 吊り金具
7 ステップ
8 前側屋根部材
8a 冷却水給水カバー
8b,9b 屋根補強材
8c,9c 屋根板
8d,9d 連結板取付部
8e フロントルーフ取付部
8f 冷却水給水口
9 後側屋根部材
10 連結板
10a 固定連結板
10b 可動連結板
10c 蝶番
10d ゴム脚
10e,10f 端板
10g 取手
10h,10i 補強材
10j 平座金
11,12 屋根取付ブラケット
11a,12a 支持板
11b,12b 作業機取付板
11c,12c 屋根補強材取付板
11d,11e,12d,12e ボルト孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12