【実施例1】
【0023】
図1は、本発明の一実施例に係るエンジン駆動作業機を示す図である。
図1において、符号1〜7は
図12のものに対応しており、8は前側屋根部材、9は後側屋根部材、10は連結板、11,12は屋根取付ブラケットである。なお、前側屋根部材8には、冷却水給水カバー8aが設けられていて、図示はしないが、その下側には冷却水の給水口が設けられている。
【0024】
本発明では、
図12に示したようなエンジン駆動作業機の上面に、前側屋根部材8と後
側屋根部材9を設け、それらの間を連結板10で連結している。前側屋根部材8は、防音ケース1の上面の、ステップ7より前側の部分を覆い、後側屋根部材9は、防音ケース1の上面の、ステップ7より後側の部分を覆っている。そして、前側屋根部材8と後側屋根部材9は、
図2にA−A断面を示すように、ステップ7が設けられている側から、その反対側に向かって高くなるように傾斜させていて、しかも、防音ケース1上面の側縁から外側に突き出して覆うようにしている。
【0025】
その結果、上空から降ってきた雨水は、前側屋根部材8,後側屋根部材9及び連結板10により遮られて、防音ケース1側面の吸風口2やドア4には当たらないようになる。また、前側屋根部材8,後側屋根部材9及び連結板10の上に落ちた雨水は、ステップ7が設けられている側だけに流下し、反対側には流下しないため、各種操作部をそちらの側に設ければ、流下する雨水に邪魔されずに作業できる。
【0026】
次に、各部の詳細な構造を説明する。
図3は、前側屋根部材を示す図である。この前側屋根部材8は、エンジン駆動作業機の防音ケース1の上面の、ステップ7より前側に設置される。上面を覆う屋根板8cは下側に複数本平行に配置された断面コの字状の屋根補強材8bで支えられ、人が上に載っても耐えられるようになっている。また、前記冷却水給水カバー8aを取り付ける冷却水給水口8fも設けられている。
【0027】
傾斜している屋根板8cの上下端部は、下方に折り曲げられて側板8h,8iが形成され、それらにより側面部が封止されている。また、屋根板8cの前端部には側板8jが取り付けられ、その下端部には、前側屋根部材8を防音ケース1のフロントルーフにボルト止めするためのフロントルーフ取付部8eが設けられている。また、屋根板8cの後端部には、上端部に連結板10を取り付けるための連結板取付部8dが設けられた側板8kが取り付けられている。また、
図4にB−B断面図を示すように、連結板取付部8dの下側には、前側屋根部材8の後端部を防音ケース1の上面にボルト止めするための取付片8mが設けられている。そしてまた、前後の両側板8j,8kの上端縁は、屋根板8cの面より上方に突き出るようになっていて、雨水ガイドとして、前側屋根部材8の上を流れ落ちる雨水が屋根板8cの前後端部からこぼれ落ちないようにしている。
【0028】
図5は、後側屋根部材を示す図である。この後側屋根部材9は、エンジン駆動作業機の防音ケース1上面の、ステップ7より後側に設置される。上面を覆う屋根板9cは下側に複数本平行に配置された断面コの字状の屋根補強材9bで支えられ、人が上に載っても耐えられるようになっている。
【0029】
傾斜している屋根板9cの上下端部は、下方に折り曲げられて側板9h,9iが形成され、それらにより側面部が封止されている。また、屋根板9cの前端部には、上端
部に連結板10を取り付けるための連結板取付部9dが設けられた側板9jが取り付けられている。また、屋根板9cの後端部には側板9kが取り付けられている。また、図示はしないが、前側屋根部材8の取付片8mと同様に、連結板取付部9d下側には、後側屋根部材9の前端部を防音ケース1の上面にボルト止めするための取付片が設けられている。そしてまた、前後の両側板9j,9kの上端縁は、屋根板9cの面より上方に突き出るようになっていて、雨水ガイドとして、後側屋根部材9の上を流れ落ちる雨水が屋根板9cの前後端部からこぼれ落ちないようにしている。
【0030】
これら前側屋根部材8と後側屋根部材9は、ボルト、及び、
図6に示すような屋根取付ブラケットを使って、防音ケース1に取り付けられる。そのため、予め、防音ケース1の左右両側及び上面の必要箇所にウェルドナットを取り付けておく。
【0031】
図6に示すように、屋根取付ブラケット11,12は、防音ケース1の左側用と右側用とで左右対称の形をしている。それぞれ支持板11a,12aに作業機取付板11b,12b、屋根補強材取付板11c,12cが設けられ、それらにはボルト孔11d,11e,12d,12eが設けられている。
【0032】
前側屋根部材8の屋根補強材8b、及び、後側屋根部材9の屋根補強材9bの位置に合うように、防音ケース1の側面に取り付けた上記ウェルドナットに、作業機取付板11b,12bを合わせ、屋根取付ブラケット11,12をボルトで取り付ける。その後、前側屋根部材8と後側屋根部材9の各屋根補強材8b,9bを、屋根取付ブラケット11,12の屋根補強材取付板11c,12cに合わせて載置し、ボルトで止める。さらに、前側屋根部材8のフロントルーフ取付部8eを、防音ケース1のフロントルーフとボルトで共締めし、前側屋根部材8後端部の取付片8mと後側屋根部材9前端部の取付片を、予め取り付けておいたウェルドナットにボルト止めする。
【0033】
このようにして、前側屋根部材8と後側屋根部材9を防音ケース1に取り付けたら、前側屋根部材8の連結板取付部8dと後側屋根部材9の連結板取付部9dが、連結板10の幅で平行に対向することになる。その上に連結板10を載せてボルト止めする。その連結板10は、次のような構造になっている。
【0034】
図7は、連結板を示す図である。連結板10は、固定連結板10aと可動連結板10bを蝶番10cで連結して構成される。固定連結板10aは、前側屋根部材8の連結板取付部8dと後側屋根部材9の連結板取付部9dに、ボルトで固定されるが、可動連結板10bは、蝶番10cにより固定連結板10aに結合し、端板10f部で前側屋根部材8の連結板取付部8d、後側屋根部材9の連結板取付部9dの垂直部にボルト止めされ、そのボルトを外すと、
図7に点線で示すように、上方に開くことができる。また、固定連結板10aの上面には、可動連結板10bを全開した際の緩衝材として、ゴム脚10dが取り付けられている。
【0035】
図8は、固定連結板を示す図である。固定連結板10aの上面は、前側屋根部材8,後側屋根部材9と同じ角度で傾斜しており、側縁部は折り曲げて、曲げ強度を強くしている。そして、上端部には、端板10eが垂直に設けられている。また、他端部の可動連結板10bとの連結部分の裏面には、断面L字状の補強材10hが設けられている。
【0036】
図9は、可動連結板を示す図である。可動連結板10bの上面も前側屋根部材8,後側屋根部材9と同じ角度で傾斜しており、側縁部は折り曲げて、曲げ強度を強くしている。また、下端部には、端板10fが垂直に設けられており、他端部の固定連結板10aとの連結部分の裏面には、断面L字状の補強材10iが設けられている。さらに、端板10fの裏側には、コの字状の取手10gが設けられていて、可動連結板10b開閉の際に、その取手10gに手を掛けて操作できるようにしている。
【0037】
固定連結板10aと可動連結板10bの連結部は、
図10に示すように、可動連結板10bが固定連結板10aの下側になるように重ね合わせていて、固定連結板10a側から流れ落ちてくる雨水が、そのまま可動連結板10bに流れて、固定連結板10aと可動連結板10bの隙間から入り込まないようにしている。そのように固定連結板10aと可動連結板10bの間に段差を付けるために、可動連結板10bと蝶番10cとの間には、平座金10jを2枚重ねている。