特開2017-129188IP Force 特許公報全文掲載

技術分野

ボルト及びナットの締結体であるねじ部材

要約特許出願時に添付された[要約書]

【課題】ナット全体をボルトに嵌合可能で、ボルトに対するナットの緩みを安定的に抑制できるねじ部材を提供する。
【解決手段】ナット11及びボルト12を備えるねじ部材10において、ナット11のねじ山ピッチがボルト12のねじ山ピッチと比較して△P広く、ナット11のねじ山13にボルト12へ未嵌合の領域が残っている状態でナット11のねじ山13とボルト12のねじ山14が複数箇所で接触してねじ込みトルクが作用し、ナット11のねじ山13数をN、ナット11のねじ山13とボルト12のねじ溝15の軸方向のクリアランスをCxとして、Nは4.7より大きく、2Cx/(N−3.7)≦△P≦2Cx/(N−4.5)の式を満たす。
【選択図】図2

発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋

しかしながら、ボルト及びナットのねじピッチの差を具体的にどの値に設定するかについての検討が十分ではなかった。特許文献2には、ねじピッチをp、ねじピッチの差を△p、ナットのねじ数をNとして、ボルト、ナットの緩み止めには、0.03≦△p・N/p≦0.3の関係式を満たす点が記載されているが、ボルトのねじ溝とナットのねじ山の軸方向の片側クリアランス(以下、単に「クリアランス」とも言う)の大きさについて検討がなされていない。そのため、クリアランスの大きさによっては、0.03≦△p・N/p≦0.3を満たすねじ部材において、例えば、ナットにボルトを挿入することができないという問題が招来する。 この問題を、JIS規格のM16のねじ部材を例にして説明する。
M16は、ボルト基準寸法が15.962mm、ナット基準寸法が14.210mm、ねじピッチが2000μm、軸方向クリアランスが11〜118μmである。ここでは、ナットのねじ山数が8、軸方向クリアランスが72μmのM16のねじ部材(以下、「対象ねじ」とする)で問題が生じるかを検討する。 対象ねじに0.03≦△p・n/p≦0.3の関係式を当てはめると、ねじピッチの差が8〜75μmの範囲で、ボルト、ナットの緩みを防止できることとなる。
ここで、図4に示すように、ボルト102に取り付けたナット101を回転させてボルト102の頭部に向かって進めると、ナット101のねじ山101aとボルト102のねじ山102aが、2箇所で接触するようになる。その状態からナット101を回転させてボルト102の頭部に進めると、ボルト102のねじ山102aとナット101のねじ山101aの接触領域が変形し、ねじ山102aとねじ山101aの間に大きな接触圧力及び摩擦が生じるので、ナット101がボルト102に対して自然回転するのを防止する摩擦トルク(以下、「ねじ込みトルク」とも言う)が発生する。 そして、ねじ込みトルクが発生し始める際のボルト102のねじ山102aに嵌合しているナット101のねじ山101a数をNc(ねじ山の0°位置から360°位置の1サイクルの領域をねじ山数が1として扱う)とし、ボルト102及びナット101のクリアランスをCxとし、ボルト102及びナット101のねじピッチの差を△pとすると、以下の式が成り立つ。
2Cx=△p・(Nc−1)
図4に示す例では、Nc=2、2Cx=△pであるので、2Cx=△p・(Nc−1)の関係が成り立っている。なお、図4は、ねじ込みトルクが生じる最小の嵌合ねじ山数Nc=2の状態を示すものである。 また、前記式に従えば、JIS規格における最小のクリアランスCx=11μmでは、△p=2Cx/(Nc−1)=22/(Nc−1)となる。ナットがボルトに挿入可能となるためには、少なくともNcが2以上であるから、ねじピッチの差△pは、22/(2−1)=22μm以下でなくてはならない計算となる。
この点、特許文献2には、△pの範囲として8〜75μmが挙げられており、この範囲の内22μmを超えて75μm以下ではナット全体をボルトに嵌合させることができない。このように特許文献2では、クリアランスが考慮されておらず、大部分の範囲がねじ部材として機能しない。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされるもので、ナット全体をボルトに嵌合可能で、ボルトに対するナットの緩みを安定的に抑制できるねじ部材を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋

前記目的に沿う本発明に係るねじ部材は、ナット及びボルトを備えるねじ部材において、前記ナットのねじ山ピッチが前記ボルトのねじ山ピッチと比較して△P大きく、前記ナットのねじ山に前記ボルトへ未嵌合の領域が残っている状態で(ナットをねじ込む際に)該ナットのねじ山と該ボルトのねじ山が複数箇所で接触してねじ込みトルクが作用し、前記ナットのねじ山数をN、前記ナットのねじ山と前記ボルトのねじ溝の軸方向のクリアラ・・・ 続きを知財ポータルサイト IP Force にログインして見る
【発明の効果】
本発明に係るねじ部材は、Nが4.7より大きく、2Cx/(N−3.7)≦△P≦2Cx/(N−4.5)の式を満たすので、ナット全体をボルトに嵌合可能で、ボルトに対するナットの緩みを安定的に抑制可能である。

この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]

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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋

【図1】(A)〜(C)はそれぞれ本発明に係るねじ部材の説明図である。

【図2】同ねじ部材の嵌合を示す説明図である。

【図3】本発明の一実施の形態に係るねじ部材の説明図である。

【図4】従来例に係るねじ部材の説明図である。

選択図 図2出願人が指定した本件の代表的な図

10:ねじ部材、11:ナット、12:ボルト、13、14:ねじ山、15:ねじ溝、20:ねじ部材、21:ナット、22:ボルト、23、24:ねじ山、25:ねじ溝

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