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特開2017-130158情報処理装置、その表示方法、及びコンピュータが実行可能なプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-130158(P2017-130158A)
(43)【公開日】2017年7月27日
(54)【発明の名称】情報処理装置、その表示方法、及びコンピュータが実行可能なプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0488 20130101AFI20170630BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20170630BHJP
【FI】
   G06F3/0488 160
   G06F3/041 640
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-11021(P2016-11021)
(22)【出願日】2016年1月22日
(71)【出願人】
【識別番号】505205731
【氏名又は名称】レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 浩
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA63
5E555BA02
5E555BB02
5E555BC08
5E555CA12
5E555CA22
5E555CB12
5E555CB33
5E555DB20
5E555EA09
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】折り曲げ可能なタッチパネル表示手段を搭載した情報処理装置において、ユーザの使い勝手がよい入力環境を提供することが可能な情報処理装置、その表示方法、及びコンピュータが実行可能なプログラムを提供すること。
【解決手段】情報処理装置は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力部を表示する、折り曲げ可能なタッチパネル表示手段と、前記タッチパネル表示手段の折り曲げを検出するための検出手段と、前記検出手段の検出結果に基づいて、前記タッチパネル表示手段の表示領域に表示する入力部の表示を制御する制御手段と、を備えている。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザからの入力操作を受け付けるための入力部を表示する、折り曲げ可能なタッチパネル表示手段と、
前記タッチパネル表示手段の折り曲げを検出するための検出手段と、
前記検出手段の検出結果に基づいて、前記タッチパネル表示手段の表示領域に表示する前記入力部の表示を制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記タッチパネル表示手段が折り曲げられた場合には、前記タッチパネル表示手段の表示領域のうち、下側となる表示領域に前記入力部を表示するように制御することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記タッチパネル表示手段が折り曲げられた場合には、前記タッチパネル表示手段の表示領域のうち、上側となる表示領域に表示情報を表示するように制御することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記タッチパネル表示手段が折り曲げられた場合には、前記タッチパネル表示手段の表示領域のうち、上側となる表示領域に入力結果の表示欄を表示するように制御することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記前記タッチパネル表示手段が折り曲げられていない場合には、前記タッチパネル表示手段の表示領域に表示情報の全画面表示を行うように制御することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記タッチパネル表示手段が折り曲げられて閉じた状態から開いた状態となった場合には、前記タッチパネル表示手段の表示領域のうち、下側となる表示領域に前記入力部を表示し、上側となる表示領域にユーザ認証画面を表示するように制御することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記タッチパネル表示手段は、1又は複数箇所で折り曲げ可能に形成されたフレキシブルなタッチパネル表示部であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項8】
タッチパネル表示手段は、回転可能に連結された第1の筐体及び第2の筐体にそれぞれ搭載される第1のタッチパネル表示部及び第2のタッチパネル表示部であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項9】
ユーザからの入力操作を受け付けるための入力部を表示する、折り曲げ可能なタッチパネル表示手段と、
前記タッチパネル表示手段の折り曲げ部分を境にしてより下側に位置する表示領域を検出するための検出手段と、
前記検出手段の検出結果に基づいて、前記下側に位置する表示領域に前記入力部の表示を行う制御手段と、
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項10】
前記制御手段は、前記タッチパネル表示手段の折り曲げ位置に応じて、前記入力部の表示を変更することを特徴とする請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
折り曲げ可能なタッチパネル表示手段を備えた情報処理装置の表示方法であって、
前記タッチパネル表示手段の折り曲げを検出するための検出工程と、
前記検出工程の検出結果に基づいて、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力部の表示を制御する制御工程と、
を含むことを特徴とする情報処理装置の表示方法。
【請求項12】
折り曲げ可能なタッチパネル表示手段を備えた情報処理装置に搭載されるプログラムであって、
前記タッチパネル表示手段の折り曲げを検出するための検出工程と、
前記検出工程の検出結果に基づいて、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力部の表示を制御する制御工程と、
をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータが実行可能なプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、その表示方法、及びコンピュータが実行可能なプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、2つの筐体にディスプレイをそれぞれ搭載し、ヒンジで両筐体を回転可能に接続した2画面タイプの情報処理装置が既に実用化されている。さらに、近時、フレキシブルディスプレイ(Flexible Display)を搭載した折り畳み可能な情報処理装置(Foldable Device)が提案されている。かかるフレキシブルディスプレイは、ディスプレイ自体を折り曲げることが可能となっている。
【0003】
他方、フレキシブルディスプレイを搭載した折り畳み可能な情報処理装置や2画面タイプの情報処理装置は、物理的な入力部(例えば、キーボード等)を備えていないため、ディスプレイに表示されるソフトウェアキーボード等を使用して、ユーザはキー入力を行っている。そのため、ユーザにとって使い勝手のよい入力環境が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−034494号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、折り曲げ可能なタッチパネル表示手段を搭載した情報処理装置において、ユーザの使い勝手がよい入力環境を提供することが可能な情報処理装置、その表示方法、及びコンピュータが実行可能なプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力部を表示する、折り曲げ可能なタッチパネル表示手段と、前記タッチパネル表示手段の折り曲げを検出するための検出手段と、前記検出手段の検出結果に基づいて、前記タッチパネル表示手段の表示領域に表示する前記入力部の表示を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記制御手段は、前記タッチパネル表示手段が折り曲げられた場合には、前記タッチパネル表示手段の表示領域のうち、下側となる表示領域に前記入力部を表示するように制御することが望ましい。
【0008】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記制御手段は、前記タッチパネル表示手段が折り曲げられた場合には、前記タッチパネル表示手段の表示領域のうち、上側となる表示領域に表示情報を表示するように制御することが望ましい。
【0009】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記制御手段は、前記タッチパネル表示手段が折り曲げられた場合には、前記タッチパネル表示手段の表示領域のうち、上側となる表示領域に入力結果の表示欄を表示するように制御することが望ましい。
【0010】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記制御手段は、前記前記タッチパネル表示手段が折り曲げられていない場合には、前記タッチパネル表示手段の表示領域に表示情報の全画面表示を行うように制御することが望ましい。
【0011】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記制御手段は、前記タッチパネル表示手段が折り曲げられて閉じた状態から開いた状態となった場合には、前記タッチパネル表示手段の表示領域のうち、下側となる表示領域に前記入力部を表示し、上側となる表示領域にユーザ認証画面を表示するように制御することが望ましい。
【0012】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記タッチパネル表示手段は、1又は複数箇所で折り曲げ可能に形成されたフレキシブルなタッチパネル表示部であることが望ましい。
【0013】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記タッチパネル表示手段は、回転可能に連結された第1の筐体及び第2の筐体にそれぞれ搭載される第1のタッチパネル表示部及び第2のタッチパネル表示部であることが望ましい。
【0014】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力部を表示する、折り曲げ可能なタッチパネル表示手段と、前記タッチパネル表示手段の折り曲げ部分を境にしてより下側に位置する表示領域を検出するための検出手段と、前記検出手段の検出結果に基づいて、前記下側に位置する表示領域に前記入力部の表示を行う制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0015】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記制御手段は、前記タッチパネル表示手段の折り曲げ位置に応じて、前記入力部の表示を変更することが望ましい。
【0016】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、折り曲げ可能なタッチパネル表示手段を備えた情報処理装置の表示方法であって、前記タッチパネル表示手段の折り曲げを検出するための検出工程と、前記検出工程の検出結果に基づいて、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力部の表示を制御する制御工程と、を含むことを特徴とする。
【0017】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、折り曲げ可能なタッチパネル表示手段を備えた情報処理装置に搭載されるプログラムであって、前記タッチパネル表示手段の折り曲げを検出するための検出工程と、前記検出工程の検出結果に基づいて、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力部の表示を制御する制御工程と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、折り曲げ可能なタッチパネル表示手段を搭載した情報処理装置において、ユーザの使い勝手がよい入力環境を提供することが可能な情報処理装置を提供することが可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、実施の形態に係る情報処理装置の概念図を示す図である。
図2-A】図2−Aは、実施例に係る情報処理装置がフラットな状態にある場合を示す模式的な斜視図である。
図2-B】図2−Bは、実施例に係る情報処理装置が開いた状態にある場合を示す模式的な斜視図である。
図2-C】図2−Cは、実施例に係る情報処理装置が閉じた状態にある場合を示す図である。
図3図3は、実施例に係る情報処理装置の概略のハードウェア構成例を示す図である。
図4図4は、タッチパネル表示部の画面遷移の一例を説明するための図である。
図5-A】図5−Aは、変形例1に係る情報処理装置を説明するための図である。
図5-B】図5−Bは、変形例1に係る情報処理装置を説明するための図である。
図6図6は、変形例2に係る情報処理装置を説明するための図である。
図7図7は、変形例2に係る情報処理装置を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本実施の形態に係る情報処理装置、その表示方法、及びコンピュータが実行可能なプログラムを適用したコンピュータシステムの実施の形態について説明する。本発明の構成要素は、本明細書の図面に一般に示してあるが、様々な構成で広く多様に配置し設計してもよいことは容易に理解できる。従って、本発明の装置、方法、及びプログラムの実施の形態についての以下のより詳細な説明は、特許請求の範囲に示す本発明の範囲を限定するものではなく、単に本発明の選択した実施の形態の一例を示すものであって、本明細書の特許請求の範囲に示す本発明と矛盾無く装置、システム及び方法についての選択した実施の形態を単に示すものである。当業者は、特定の細目の1つ以上が無くても、又は他の方法、部品、材料でも本発明を実現できることが理解できる。
【0021】
図1は、実施の形態に係る情報処理装置の概念図を示す図である。図1(A)は、情報処理装置のタッチパネル表示手段が折り曲げられていない状態、図1(B)は、情報処理装置のタッチパネル表示手段が折り曲げられた状態を模式的に示している。本実施の形態に係る情報処理装置は、例えば、スマートフォン、タブレット、PC、ゲーム端末、及びPDA等の情報処理装置である。
【0022】
図1において、情報処理装置1は、折り曲げ可能に形成されたタッチパネル表示手段10と、タッチパネル表示手段10の折り曲げを検出するための検出手段20と、検出手段20の検出結果に基づいて、タッチパネル表示手段10の表示領域11に表示する入力部12の表示を制御する制御手段30と、を備えている。
【0023】
タッチパネル表示手段10は、表示部と表示部に重畳されたタッチパネルで構成してもよい。例えば、表示部は、LCDや有機EL表示デバイスを使用することにしてもよい。タッチパネルは、静電容量式又は感圧式のタッチパネルを使用してもよい。
【0024】
検出手段20は、例えば、複数の加速度センサで構成することができる。入力部12は、ユーザからの入力操作を受け付けるためにタッチパネル表示手段10の表示領域11に表示される操作部分であり、例えば、表示領域11に表示されるキーボード(所謂ソフトウェアキーボード)である。入力部12を、ソフトウェアキーボードの代わりに、あるいはソフトウェアキーボードとともにポインティングデバイス、各種のコマンドを実行するためのボタンやレバーとしてもよい。
【0025】
制御手段30は、タッチパネル表示手段10のタッチパネル及び表示部の動作を制御する。制御手段30は、タッチパネル表示手段10が折り曲げられていない場合には、タッチパネル表示手段10の表示領域11に表示情報の全画面表示を行うことにしてもよい。図1(A)に示す例では、表示領域11の全体に表示情報としてアイコンが表示されている。
【0026】
また、制御手段30は、タッチパネル表示手段10が折り曲げられた場合には、表示領域のうち、下側、あるいはユーザにより近接した側となる第1の表示領域11Aに入力部12を表示し、上側、あるいはユーザからより遠い側となる第2の表示領域11Bに表示情報を表示するように制御してもよい。図1(B)に示す例では、第1の表示領域11Bに入力部12としてソフトウェアキーボードが表示され、第2の表示領域11Bに表示情報としてアイコンが表示されている。
【0027】
また、制御手段30は、タッチパネル表示手段10が折り曲げられて閉じている状態から開いた状態となった場合には、タッチパネル表示手段10の表示領域のうち、下側、あるいはユーザにより近接した側となる第1の表示領域11Aに入力部12を表示し、上側、あるいはユーザからより遠い側となる第2の表示領域11Bにユーザ認証画面(例えば、パスワード入力画面)等の入力された情報を表示する入力結果の表示欄を表示するように制御してもよい(図4参照)。図4に示す例では、第1の表示領域11Bに入力部12としてソフトウェアキーボードが表示され、第2の表示領域11Bに入力結果の表示欄として入力フィールド56が表示されている。
【0028】
上記構成において、検出手段20及び制御手段13は、例えば、ハードウェアやソフトウェア(OS、API、サービス、ユーティリティ、ライブラリ、ドライバ、及びアプリケーション等のプログラム)のモジュール、又は、その組み合わせで構成することができる。また、コンピュータがプログラムを実行することにより、検出手段20及び制御手段30の機能を実現することにしてもよい。
【0029】
タッチパネル表示手段10は、1又は複数箇所で折り曲げ可能に形成されたフレキシブルなタッチパネル表示部で構成してもよい(図2−A及び図5−A参照)。
【0030】
また、タッチパネル表示手段10は、回転可能に連結された第1の筐体及び第2の筐体にそれぞれ収納される第1のタッチパネル表示部及び第2のタッチパネル表示部で構成してもよい(図6参照)。
【0031】
以上説明したように、本実施の形態によれば、折り曲げ可能なタッチパネル表示手段10と、タッチパネル表示手段10の折り曲げを検出するための検出手段20と、検出手段20の検出結果に基づいて、タッチパネル表示手段10の表示領域11に表示する入力部12の表示を制御する制御手段30と、を備えているので、折り曲げ可能なタッチパネル表示手段を搭載した情報処理装置において、ユーザの使い勝手がよい入力環境を提供することが可能となる。
【0032】
また、本実施の形態によれば、制御手段30は、タッチパネル表示手段10が折り曲げられた場合には、タッチパネル表示手段10の表示領域11のうち、下側となる第1の表示領域11Aに入力部12を表示し、上側となる第2の表示領域11Bに表示情報を表示するように制御することとしたので、例えば、折り畳み式の携帯電話端末(ガラケー)やラップトップPCと同じような、下側にキーを備え、上側に表示部を備えた入力環境でユーザは入力を行うことが可能となる。
【0033】
また、本実施の形態によれば、制御手段30は、タッチパネル表示手段10が折り曲げられていない場合には、タッチパネル表示手段10の表示領域11に表示情報の全画面表示を行うこととしたので、通常の使用状態では、ユーザは、スマートフォンやタブレットと同じように使用することが可能となる。
【0034】
また、本実施の形態によれば、制御手段30は、タッチパネル表示手段10が折り曲げられて閉じた状態から開いた状態となった場合には、タッチパネル表示手段10の表示領域11のうち、下側となる表示領域11Aに入力部12を表示し、上側となる表示領域にユーザ認証画面を表示するように制御することとしたので、ユーザがユーザ認証の入力を容易に行うことが可能となる。
【0035】
(実施例)
上記実施の形態に係る情報処理装置をフレキシブルなタッチ表示デバイスを備えた折り曲げ可能な情報処理装置に適用した場合を一例として説明する。図2−A〜図2−Cは、実施例に係る情報処理装置の外観構成の一例を示す模式的な斜視図であり、図2−Aは、情報処理装置がフラットな状態(折り曲げられていない状態)にある場合を示す図、図2−Bは、情報処理装置が折り曲げ状態(又は「開いた状態」ともいう)にある場合を示す図、図2−Cは、情報処理装置が閉じ状態にある場合を示す図である。
【0036】
図2−A〜図2−Cに示すように、本実施例に係る情報処理装置40は、筐体50を備えている。筐体50は、略中央位置に筐体50を略360度折り曲げ可能(回転可能)に構成するための折り曲げ可能部54を備えている。折り曲げ可能部54は、公知の構造を使用することができ、例えば、1又は複数軸のヒンジ機構、弾性材料等を使用することができる。
【0037】
筐体50には、表示部と表示部上に配置されたタッチパネルとで構成されるタッチパネル表示部41が配置されている。タッチパネル表示部41は、折り曲げ可能なフレキシブルな材料で構成されている。
【0038】
また、筐体50の内部には、折り曲げ可能部54を挟んで第1の加速度センサ51Aと第2の加速度センサ51Bが配置されている。第1の加速度センサ51A及び第2の加速度センサ51Bは、デカルト座標系において、タッチパネル表示部41の画面(筐体50)に平行で、かつ、互いに直交する方向をそれぞれX、Y軸方向とし、X軸方向及びY軸方向に直交する鉛直上向き方向をZ軸方向とした場合に、X、Y、Z軸方向の加速度x、y、zを検出する。
【0039】
タッチパネル表示部41は、フレキシブルな材料で形成されているため、筐体50が折り曲げられると、タッチパネル表示部41も折り曲げられる。タッチパネル表示部41が折り曲げられた場合には、タッチパネル表示部41の表示領域42のうち、下側、あるいはユーザにより近接した側となる領域を第1の表示領域42A、上側、あるいはユーザからより遠い側となる領域を第2の表示領域42Bとする。第1の表示領域42A及び第2の表示領域42BのX、Y、Z軸方向の加速度x、y、zは、第1又は第2の加速度センサ51A,51Bで検出することができる。情報処理装置40が静止している姿勢では、第1及び第2の加速度センサ51A,51Bの加速度x=−1〜1(g)、加速度y=−1〜1(g)、加速度z=−1〜1(g)となる。
【0040】
回転軸δに対するタッチパネル表示部41(筐体50)の折り曲げ角度(第1の表示領域42Aと第2の表示領域42Bとの角度)を「θ」と規定する。情報処理装置40は、折り曲げ可能部54により、各種状態を取ることが可能となっている。図2−Aに示すように、タッチパネル表示部41が折り曲げられてないθ=0の状態をフラット状態、図2−Bに示すように、0<θ<180度の範囲で折り曲げられた状態を折り曲げ状態(開いた状態)、図2−Cに示すように、θ=180度まで折り曲げられた状態を閉じ状態と称する。情報処理装置40の底面が接地面に置かれている状態では、例えば、図2−Aに示すフラット状態(θ=0)の場合は、第1及び第2の加速度センサ51A,51Bの加速度x=0(g)、加速度y=0(g)、加速度z=−1(g)となる。また、図2−Cに示す閉じ状態(θ=180)の場合には、第1の加速度センサ51Aの加速度x=0(g)、加速度y=0(g)、加速度z=−1(g)、第2の加速度センサ51Aの加速度x=0(g)、加速度y=0(g)、加速度z=1(g)となる。
【0041】
図3は、本実施例に係る情報処理装置の概略のハードウェア構成例を示す図である。図3に示すように、情報処理装置40は、タッチパネル表示部41と、制御部100と、メモリ101と、ストレージ102と、第1の加速度センサ51Aと、第2の加速度センサ51Bと、通信部103と、電源部104と、を備えている。
【0042】
タッチパネル表示部41は、折り曲げ可能なフレキシブルな構成となっており、表示部41Bと、表示部41Bに重畳されたタッチパネル41Aとを有する。タッチパネル41Aは、例えば、静電容量式のマルチタッチパネルで構成されており、指やペン等の指示体を用いてタッチパネル41Aに対して行われた各種操作を、操作が行われた場所のタッチパネル41A上での位置とともに検出し、制御部100に通知する。タッチパネル41Aによって検出される操作には、タッチ操作、スライド操作、ピッチ操作、スワイプ操作等が含まれる。表示部41Bは、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や有機EL(Organic Electro−Luminescence)パネルなどで構成され、制御部100の制御に従って文字や図形等を表示する。
【0043】
通信部103は、制御部100の制御に従って、外部と無線/有線でデータ通信するためのデバイスである。電源部104は、制御部100の制御に従って、蓄電池又はACアダプタから得られる電力を、制御部100を含む情報処理装置40の各部へ供給する。カメラ22は、被写体を撮像して撮像した画像データを制御部100に出力する。
【0044】
第1の加速度センサ51A及び第2の加速度センサ51Bは、X、Y、Z軸方向の加速度x、y、zをそれぞれ検出して、制御部100に出力する。
【0045】
メモリ101は、例えば、RAMやDRAM等で構成されており、制御部100によって実行されるプログラム、制御部100が参照するデータ、制御部100の演算結果等が一時的に記憶されるワークエリアとして使用される。
【0046】
ストレージ102は、制御部100によって実行されるプログラムやデータを保持するコンピュータで読み取り可能な記憶媒体であり、例えば、EEPROM、フラッシュメモリ、及びSSD等の不揮発性メモリである。ストレージ102は、例えば、情報処理装置40全体の制御を行うためのOS、周辺機器類をハードウェア操作するための各種デバイスドライバ、メールアプリ、ブラウザアプリ、文章を作成するための文章作成用アプリ等を記憶する機能を有する。各種デバイスドライバ及びアプリ間のデータの転送には全てOSが介在する。
【0047】
制御部100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、マイクロプロセッサ、DSP等であり、情報処理装置40の動作を統括的に制御して各種の機能を実現する。具体的には、制御部100は、ストレージ102に記憶されているデータやメモリ101に展開したデータを必要に応じて参照しつつ、ストレージ102に記憶されているプログラムに含まれる命令を実行して、入力機能、メール機能、Webブラウジング機能、及び表示機能等の各種機能を実現する。また、制御部100は、省電力機能を備えており、一定時間入力がない場合やタッチパネル表示部41が閉じられた場合には、携帯型情報処理装置40(タッチパネル表示部41を含む)をスリーブ状態(休止状態)に移行させる。
【0048】
次に、制御部100により実行される、第1及び第2の加速度センサ51A,51Bの
検出結果に基づいて入力部を表示する処理を詳細に説明する。
【0049】
制御部100は、第1及び第2の加速度センサ51A,51Bの検出結果に基づいて、タッチパネル表示部41(筐体50)の折り曲げ角度、上述の各種状態(フラット状態、開いた状態、閉じ状態等)、及びタッチパネル表示部41の表示領域42の第1の表示領域42A及び第2の表示領域42Bを検出(判定)可能となっている。
【0050】
制御部100は、第1及び第2の加速度センサ51A,51Bの検出結果に基づいて、
タッチパネル表示部41の表示領域42に表示する入力部の表示を制御する。より具体的には、制御部100は、タッチパネル表示部41がフラット状態(図2−A参照)の場合には、タッチパネル表示部41の表示領域42に表示情報の全画面表示を行うことにしてもよい。
【0051】
また、制御部100は、タッチパネル表示部41が折り曲げ状態(図2−B参照)の場合には、タッチパネル表示部41の表示領域42のうち、下側となる第1の表示領域42Aと、上側となる第2の表示領域42Bを判定し、第1の表示領域41Aに入力部を表示し、第2の表示領域42Bに表示情報を表示してもよい。例えば、制御部100は、θ>0で、2つの加速度センサ51A,51Bのうち、Z軸方向の加速度zが小さい方の加速度センサに対応する表示領域を第1の表示領域42A、他方の加速度センサに対応する表示領域を第2の表示領域42Bとすることができる。
【0052】
また、制御部100は、タッチパネル表示部41が閉じている状態(図2−C参照)から開いた状態(図2−B参照)となった場合には、タッチパネル表示部41の第1の表示領域41Aに入力部を表示し、第2の表示領域42Bにユーザ認証画面(例えば、パスワード入力画面)を表示してもよい。
【0053】
図4は、タッチパネル表示部41の画面遷移の一例を説明するための図である。図4の154に示すように、タッチパネル表示部41がフラット状態の場合には、制御部100は、タッチパネル表示部41の表示領域42に表示情報(例えば、アイコン)の全画面表示を行う。タッチパネル表示部41がフラット状態(154)からユーザにより折り曲げられると、図4の153に示すように、制御部100は、第1の表示領域42Aに入力部53(例えば、ソフトウェアキーボード)を表示し、表示領域42に表示されていた表示情報(例えば、アイコン)を第2の表示領域42Bに表示する。同様に、タッチパネル表示部41が折り曲げた状態(153)からユーザにより広げられてフラット状態(153)となると、制御部100は、タッチパネル表示部41の表示領域42に表示情報(例えば、アイコン)の全画面表示を行う。
【0054】
また、図4の151に示すように、ユーザにより、タッチパネル表示部41が閉じられると、制御部100は、タッチパネル表示部41をスリーブ状態(非アクティブ)に移行させる。タッチパネル表示部41が閉じた状態(151)からユーザにより開かれると、制御部100は、タッチパネル表示部41をスリーブ状態(非アクティブ)から復帰させ、図4の152に示すように、第1の表示領域42Aに入力部53(例えば、ソフトウェアキーボード)を表示し、第2の表示領域42Bにユーザ認証画面(例えば、パス−ワードの入力フィールド56を備えたパスワード入力画面)を表示する。制御部100は、ユーザ認証に成功すると、第2の表示領域42Bに表示情報(例えば、アイコン)を表示する。
【0055】
さらに本実施例では、情報処理装置40が折り曲げ可能部54を支点に揺動するように動かされることで、下側の表示領域であった第1の表示領域42Aが上側に、上側の表示領域であった第2の表示領域42Bが下側に変化した場合には、この変化を第1及び第2の加速度センサ51A,51Bで検出し、この変化に応じて、改めて下側の表示領域である第1の表示領域42Aと、上側の表示領域である第2の表示領域42Bを判定し、改めて下側の表示領域とされた第1の表示領域42Aに入力部を表示し、改めて上側の表示領域とされた第2の表示領域42Bに表示情報や入力結果の表示欄を表示する。この場合、表示領域42Aと表示領域42Bの切り替えに応じて、各表示の向きも変更される。すなわち、情報処理装置40が折り曲げ可能部54を支点に揺動することで表示領域42Aと表示領域42Bが切り替わったことに応じて、各表示も180度回転するように切り替わって表示される。つまり、下側とされる第1の表示領域42Aが位置する方が表示の下方となるように表示を変更する。
【0056】
(変形例1)
図5−A及び図5−Bは、変形例1に係る情報処理装置を説明するための図である。上記実施例と同等機能を有する部位には同一符号を付し、共通する部分の説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。上記実施例では、タッチパネル表示部41の折り曲げ可能箇所を一箇所としたが、本発明はこれに限られるものではなく、複数箇所(2箇所以上の箇所)で折り曲げ可能な構成としてもよい。変形例1に係る情報処理装置は、2箇所で折り曲げ可能に構成されている。
【0057】
図5−A及び図5−Bに示すように、筐体50には、第1及び第2の折り曲げ可能部54A、54Bが形成されている。第1及び第2の折り曲げ可能部54A、54Bを挟んで、3つの加速度センサ51A〜51Cが配置されている。この3つの加速度センサ51A〜51Cの検出結果に基づいて、どの位置で折り曲げられたか、その折り曲げ角度、及び表示領域42のうちの第1の表示領域42A及び第2の表示領域42Bを検出することができる。図5−Bに示す例では、第1の折り曲げ可能部54Aで折り曲げられた場合を示している。
【0058】
さらに、第2の折り曲げ可能部54Bも折り曲げられた場合には、表示領域42のうち、一番下側の表示領域を第1の表示領域42Aとし、それ以外の表示領域を第2の表示領域42Bとすることができる。3箇所以上を折り曲げ可能に形成する場合も加速度センサを増やすことで第1の表示領域42A及び第2の表示領域42Bを検出することが可能である。
【0059】
本変形例によれば、折り曲げられた位置に応じて、表示領域42のうち、一番下側の面を形成する表示領域に入力部を表示し、それ以外の表示領域に表示情報や入力結果の表示欄を表示するように、制御部100が表示を制御する。また、本変形例では、折り曲げられた位置に応じて、表示領域42のうち一番下側となる面の面積は変わる。このため、折り曲げられた位置に応じて、入力部を表示する領域を決定するだけではなく、表示領域42のうち一番下側の面の面積に応じて、表示領域42に表示する入力部の大きさ、形、種類、数、配置等の少なくとも1つを制御部100で変更する等、入力部の表示を選択的に変更するようにしてもよい。例えば、折り曲げられた位置に応じて、ソフトウェアキーボード全体の大きさや、ソフトウェアキーボードのキー配列や、ソフトウェアキーボードとして表示されるキーの種類や数や、ソフトウェアキーボードのキーの大きさ等を変更することができる。
【0060】
(変形例2)
図6及び図7は、変形例2に係る情報処理装置を説明するための図である。上記実施例と同等機能を有する部位には同一符号を付し、共通する部分の説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。上記実施例では、タッチパネル表示部41自体を折り曲げ可能な構成としたが、本発明は、これに限られるものではなく、2つのタッチパネル表示部を備えたいわゆる2画面タイプの情報処理装置にも適用可能である。変形例2に係る情報処理装置は、2つのタッチパネル表示部を備えた構成となっている。
【0061】
図6において、変形例2に係る情報処理装置200は、表示部211B及びタッチパネル211Aで構成される第1のタッチパネル表示部211を収納する第1の筐体210と、表示部221B及びタッチパネル221Aで構成される第2のタッチパネル表示部221を収納する第2の筐体220と、第1の筐体210と第2の筐体220を略360度折り曲げ可能(回転可能)に連結するヒンジ230と、を備えている。第1の筐体210及び第2の筐体220の内部には、それぞれ第1の加速度センサ212及び第2の加速度センサ222が配置されている。
【0062】
図7(A)に示すように、第1のタッチパネル表示部211及び第2のタッチパネル表示部221の両画面で、上述の表示領域201を形成する。図7(A)に示す例では、表示領域201に表示情報(例えば、アイコン)が表示されている。図7(B)に示すように、第1のタッチパネル表示部211及び第2のタッチパネル表示部221の表示領域201のうち、下側となるタッチパネル表示部の画面を上述の第1の表示領域201A,上側となるタッチパネル表示部の画面を上述の第2の表示領域201Bとする。図7(B)に示す例では、第1の表示領域201Aに入力部250が表示され、第2の表示領域201Bに表示情報(例えば、アイコン)が表示されている。第1の表示領域201Aに入力部250が表示され、第2の表示領域201Bに入力結果の表示欄として入力フィールド56のようなものが表示されるようにしてもよい。
【0063】
以上の実施例では、加速度センサの検出結果に基づいて、下側、すなわちユーザにより近接した側となる第1の表示領域42Aと、上側、すなわちユーザからより遠い側となる表示領域42Bを検出(判定)していたが、これに限られない。例えば、加速度センサの代わりに、あるいは加速度センサとともに、ジャイロセンサ、ホールセンサ、照度センサ、近接センサ、赤外線センサ、カメラなどのセンサによって、下側(ユーザにより近接した側)となる第1の表示領域42Aと、上側(ユーザからより遠い側)となる表示領域42Bを検出するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0064】
1 情報処理装置
10 タッチパネル表示手段
11 表示領域
11A 第1の表示領域
12A 第2の表示領域
12 入力部
20 検出手段
30 制御手段
40 情報処理装置
41 タッチパネル表示部
41A タッチパネル
41B 表示部
42 表示領域
42A 第1の表示領域
42B 第2の表示領域
50 筐体
51A 第1の加速度センサ
51B 第2の加速度センサ
51C 第3の加速度センサ
53 入力部
54、54A,54B 折り曲げ可能部
100 制御部
101 メモリ
102 ストレージ
103 通信部
104 電源部
200 情報処理装置
201 表示領域
201A 第1の表示領域
201B 第2の表示領域
210 第1の筐体
211 第1のタッチパネル表示部
212 第1の加速度センサ
220 第2の筐体
221 第2のタッチパネル表示部
222 第2の加速度センサ
230 ヒンジ
250 入力部
図1
図2-A】
図2-B】
図2-C】
図3
図4
図5-A】
図5-B】
図6
図7