【課題】コンタクト端子において、信号路のインダクタンスの低減を図ることができるとともにコンタクト端子における弾性変位部の繰り返し変位の耐久性を向上でき、しかも、発生した熱を効率よく放熱することができること。
【解決手段】コンタクトユニット16は、複数の信号用および電源用コンタクト端子20ai(i=1〜n,nは正の整数)と、各コンタクト端子20aiを挟持し内部に収容する第1のブレード12と、第2のブレード14と、を含んで構成され、例えば、導電性金属材料でMEMS技術により形成されるコンタクト端子20aiは、第1の接点部20Lおよび第2の接点部20Uが、互いに近接する方向に所定値以上の押圧力が作用している場合、短絡片の20LEの先細部20Lbと短絡片20UEの先細部20Ubとが互いに当接するもの。
前記第1の連結部および第2の連結部が、前記第1の可動接点部および第2の可動接点部相互間で、二列平行にMEMS技術により形成されることを特徴とする請求項1記載のコンタクト端子。
前記第1の連結部および第2の連結部のガイドピン、および、前記第1の可動接点部および前記第2の可動接点部を、前記ガイドピンを介し案内する支持プレートをさらに備えることを特徴とする請求項1記載のコンタクト端子。
前記中間部材が、連結片を介して一直線上に複数個、連結されることにより、複数個のコンタクト端子を含むコンタクトシートが形成されることを特徴とする請求項1記載のコンタクト端子。
前記第1の可動接点部の円弧状の当接部と前記第2の可動接点部の円弧状の当接部とが、前記共通の軸線に対し交差し傾く直線上において向かい合うことを特徴とする請求項5記載のコンタクト端子。
請求項5記載のコンタクト端子をそれぞれ、収容する複数の凹部を一方の表面部に有し、前記コンタクト端子の形状とは異なる形状のコンタクト端子をそれぞれ、収容する複数の凹部を、前記一方の表面部に向かい合う他方の表面部に有するコンタクト支持体。
請求項7記載のコンタクト端子をそれぞれ、収容する複数の凹部を一方の表面部に有し、前記コンタクト端子の形状とは異なる形状のコンタクト端子をそれぞれ、収容する複数の凹部を、前記一方の表面部に向かい合う他方の表面部に有するコンタクト支持体。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図2は、本発明に係るコンタクト端子の各実施例が適用される接続装置の一例の外観を示す。
【0016】
図2において、接続装置は、例えば、互いに向き合うプリント配線基板PCB1の電極部とプリント配線基板PCB2の電極部とを電気的に接続するボードツウボードコネクタとされる。
【0017】
接続装置は、後述するコンタクト支持体としてのブレードを収容する複数のスリット18Gi(i=1〜n,nは正の整数)を所定の間隔をもって有しているケーシング10と、ケーシング10内のスリット10Giにそれぞれ挿入されるコンタクトユニットと、を主な要素として含んで構成されている。
【0018】
ケーシング10は、例えば、金属材料で作られ、隣接するスリット10Gi相互間に、仕切壁10Pi(i=1〜n,nは正の整数)を有している。これにより、隣接するスリット10Gi相互間が、仕切壁10Piにより仕切られる。スリット10Giは、ケーシング10内を貫通し、プリント配線基板PCB1およびPCB2の表面に向けて開口している。ケーシング10におけるプリント配線基板PCB2に向き合う端部には、仕切壁10Piの両端に、それぞれ、凹部10Ra、および、凹部10Rbが形成されている。凹部10Ra、および、凹部10Rbは、それぞれ、スリット10Giの配列方向に沿って延びている。
【0019】
コンタクトユニット16は、
図1に拡大されて示される複数の信号用および電源用コンタクト端子20ai(i=1〜n,nは正の整数)と、各コンタクト端子20aiを挟持し内部に収容する第1のブレード12と(
図4(A),(B)参照)、第2のブレード14と、を含んで構成されている。
【0020】
本発明に係るコンタクト端子の第1実施例としてのコンタクト端子20aiは、例えば、導電性金属材料でMEMS技術により形成されている。コンタクト端子20aiは、プリント配線基板PCB1の電極部CP1に当接する第1の接点部20Lと、プリント配線基板PCB2の電極部CP2に当接する第2の接点部20Uと、第1の接点部20Lと第2の接点部20Uとを互いに近接または離隔可能に連結する一対の連結部とから構成されている。
【0021】
第1の接点部20Lは、プリント配線基板PCB1の電極部CP1に当接する当接部20Laを有する尖頭状部と、尖頭状部における当接部20Laに向き合う端部中央に一体に形成される短絡片部20LEと、後述する一対の連結部の端部にそれぞれ連結される張出部と、から構成されている。短絡片部20LEは、第2の接点部20Uの短絡片部20UEに向けて延びている先細部20Lbを有している。先細部20Lbは、所定の勾配を一方の辺に有している。
【0022】
第2の接点部20Uは、プリント配線基板PCB2の電極部CP2に当接する当接部20Uaを有する尖頭状部と、尖頭状部における当接部20Laに向き合う端部中央に一体に形成される短絡片部20UEと、後述する一対の連結部の端部にそれぞれ連結される張出部と、から構成されている。短絡片部20UEは、第1の接点部20Lの短絡片部20LEに向けて延びている先細部20Ubを有している。先細部20Ubは、上述の先細部20Lbの一方の辺に向き合う辺に所定の勾配を有している。第1の接点部20Lおよび第2の接点部20Uは、互いに近接する方向に押圧力が作用していない場合、
図1および
図2に拡大されて示されるように、先細部20Lbと先細部20Ubとの間に、所定の隙間CLが形成されている。また、第1の接点部20Lおよび第2の接点部20Uは、互いに近接する方向に所定値以上の押圧力が作用している場合、先細部20Lbと先細部20Ubとが互いに当接するものとされる。
【0023】
一対の連結部は、短絡片部20LEおよび短絡片部20UEの両脇にそれぞれ、共通の平面上に形成されている。
図1において、短絡片部20LEおよび短絡片部20UEの右側に形成される一方の連結部は、短絡片部20LEおよび短絡片部20UEに向けて凸状に湾曲した複数の湾曲部20RSi(i=1〜n,nは正の整数)と、隣接した湾曲部20RSiの端部を互いに連結し、または、湾曲部20RSiの端部を張出部の一方の端部に連結する複数の円弧部20RCi(i=1〜n,nは正の整数)と,が共通の平面上で連続的に連なって第1の接点部20Lおよび第2の接点部20Uの移動方向に沿って弾性変位可能に形成されている。また、他方の連結部は、短絡片部20LEおよび短絡片部20UEに向けて凸状に湾曲した複数の湾曲部20LSi(i=1〜n,nは正の整数)と、隣接した湾曲部20LSiの端部を互いに連結し、または、湾曲部20LSiの端部を張出部に連結する複数の円弧部20LSi(i=1〜n,nは正の整数)と,が共通の平面上で連続的に連なって第1の接点部20Lおよび第2の接点部20Uの移動方向に沿って弾性変位可能に形成されている。これにより、一対の連結部は、第1の接点部20Lおよび第2の接点部20Uの移動方向に沿って伸縮可能とされる。
【0024】
各コンタクト端子20aiは、
図3に拡大されて示されるように、第1のブレード12の各凹部12bi(i=1〜n,nは正の整数)に個別に収容されている。
【0025】
第1のブレード12は、
図4(A)および(B)に拡大されて示されるように、例えば、樹脂材料で薄板状に成形されている。第1のブレード12の一方の表面12Bには、比較的浅い複数の凹部12biが形成されている。隣接する凹部12bi相互間は、互いに平行に形成される仕切壁12wbi(i=1〜n,nは正の整数)により仕切られている。仕切壁12wbiの一端は、ブレード12の上縁部12TW2に交差している。
図4(B)において、隣接する上縁12TW2相互間には、第2の接点部20Uが挿入され外部に向けて突出する孔12Hbが形成されている。一番左端の凹部12biにおいて、上縁12TW2と上縁12TW1との間には、同様に、孔12Hbが形成されている。また、一番右端の凹部12biにおいて、上縁12TW2と上縁12TW3との間には、孔12Hbが形成されている。各凹部12biの下端は、開口している。
【0026】
また、第1のブレード12の他方の表面12Aには、
図4(A)に示されるように、比較的浅い複数の凹部12ai(i=1〜n,nは正の整数)が形成されている。各凹部12aiには、後述するコンタクト端子30ai(
図5参照)がそれぞれ、収容される。隣接する凹部12ai相互間は、互いに平行に形成される仕切壁12wai(i=1〜n,nは正の整数)により仕切られている。仕切壁12waiの一端は、ブレード12の上縁部12UW2に交差している。仕切壁12waiの他端は、下縁部12LW2に交差している。
図4(A)において、隣接する上縁12UW2相互間には、後述する第2の接点部30Uが挿入され外部に向けて突出する孔12Haが形成されている。孔12Haは、凹部12aiの中心軸線に対し一方に偏倚した位置に形成されている。一番左端の凹部12aiにおいて、上縁12UW2と上縁12UW1との間には、同様に、孔12Haが形成されている。また、一番右端の凹部12aiにおいて、上縁12UW2と上縁12UW3との間にも、孔12Haが形成されている。
【0027】
隣接する下縁12LW2相互間には、後述する第1の接点部30Lが挿入され外部に向けて突出する孔12Hcが形成されている。孔12Hcは、凹部12aiの中心軸線に対し一方に偏倚し、上述の孔12Haに向い合う位置に形成されている。一番左端の凹部12aiにおいて、下縁12LW2と上縁12LW1との間には、同様に、孔12Hcが形成されている。また、一番右端の凹部12aiにおいて、下縁12LW2と下縁12LW3との間にも、孔12Hcが形成されている。
【0028】
第2のブレード14は、詳細な図示が省略されるが、例えば、樹脂材料で薄板状に成形されている。第2のブレード14は、各コンタクト端子20aiまたはコンタクト端子30aiの平坦面に当接し、向かい合わされる上述の第1のブレード12と協働して挟持する平坦面を有している。
【0029】
各コンタクトユニット16は、コンタクト端子20aiを第1のブレード12および第2のブレード14により挟持した状態でケーシング10のスリット10Gi内にそれぞれ、挿入された後、第1のブレード12および第2のブレード14の両端がケーシング10の凹部10Raおよび10Rbを形成する底部に対し溶着される。これにより、各溶融部18aiおよび18biが、各コンタクトユニット16の両端に形成される。なお、第1のブレード12および第2のブレード14の両端は、斯かる例に限られることなく、例えば、接着剤により固定されてもよい。
【0030】
斯かる構成において、コンタクトユニット16が固定されたケーシング10が、
図3に示されるように、プリント配線基板PCB1およびPCB2の電極部相互間に配置された後、例えば、ケーシング10の両端面に設けられた複数の雌ねじ孔(不図示)に、小ネジ(不図示)がプリント配線基板PCB1およびPCB2の貫通孔を介してねじ込まれる。そして、コンタクト端子20aiの一対の連結部の弾性力に抗してプリント配線基板PCB1およびPCB2の電極部により押圧されることにより、コンタクト端子20aiの第1の接点部20Lおよび第2の接点部20Uが、近接する方向に、所定距離、移動せしめられる。これにより、短絡片部20LEおよび短絡片部20UEが互いに当接されるので信号路が、第1の接点部20Lと、短絡片部20LEおよび短絡片部20UEと、第2の接点部20Uとによって形成される。従って、信号路の全長が、比較的短くなりコンタクト端子20aiのインダクタンスが低減されることとなる。また、コンタクト端子20aiは、導電性金属材料でMEMS技術により微細に、かつ、比較的薄く形成されているので残留応力がなく繰り返し変位の耐久性に優れたものとなる。
【0031】
図5は、
図2に示される接続装置に用いられる信号用および電源用コンタクト端子の他の一例を示す。
【0032】
図5において、本発明に係るコンタクト端子の第2実施例としてのコンタクト端子30ai(i=1〜n,nは正の整数)は、例えば、導電性金属材料でMEMS技術により形成されている。コンタクト端子30aiは、プリント配線基板PCB1の電極部CP1に当接する第1の接点部30Lと、プリント配線基板PCB2の電極部CP2に当接する第2の接点部30Uと、第1の接点部30Lを移動可能に支持する第1の弾性支持片と、第2の接点部30Uを移動可能に支持する第2の弾性支持片と、第1の弾性支持片の一端、および、第2の弾性支持片の一端を互いに平行に支持する短絡片部30Sと、から構成されている。
【0033】
第1の接点部30Lは、プリント配線基板PCB1の電極部CP1に当接する当接部30Laを有する尖頭状部を有している。第2の接点部30Uは、プリント配線基板PCB2の電極部CP2に当接する当接部30Uaを有する尖頭状部を有している。
【0034】
第1の弾性支持片は、短絡片部30Sに向けて凸状に湾曲した複数の湾曲部30LSi(i=1〜n,nは正の整数)と、複数の円弧部30LCi(i=1〜n,nは正の整数)とが、共通の平面上で連続的に連なって第1の接点部30Lの移動方向に沿って弾性変位可能に形成されている。複数の円弧部30LCiは、隣接した湾曲部30LSiの端部を互いに連結し、または、湾曲部30LSiの端部を第1の接点部30Lの連結端部、または、短絡片部30Sの連結端に連結している。
【0035】
第2の弾性支持片は、短絡片部30Sに向けて凸状に湾曲した複数の湾曲部30USi(i=1〜n,nは正の整数)と、複数の円弧部30UCi(i=1〜n,nは正の整数)とが、共通の平面上で連続的に連なって第2の接点部30Uの移動方向に沿って弾性変位可能に形成されている。複数の円弧部30UCiは、隣接した湾曲部30USiの端部を互いに連結し、または、湾曲部30USiの端部を第2の接点部30Uの連結端部、または、短絡片部30Sの連結端に連結している。
【0036】
短絡片部30Sは、第1の弾性支持片の湾曲部30LSi、および、第2の弾性支持片の湾曲部30USiの配列方向に対し略平行な方向であって、上述の連結端に対し略垂直に形成されている。
【0037】
各コンタクト端子30aiは、
図6に拡大されて示されるように、上述の第1のブレード12の各凹部12aiに個別に収容されている。その際、第2の接点部30Uが孔12Haを通じて外部に向けて突出し、第1の接点部30Lが、孔12Hcを通じて外部に向けて突出している。短絡片部30Sは、凹部12aiを形成する内周面に支持されている。
【0038】
斯かる構成において、上述した例と同様に、コンタクト端子30aiの第1の接点部30Lおよび第2の接点部30Uが、第1の弾性支持片および第2の弾性支持片の弾性力に抗してプリント配線基板PCB1およびPCB2の電極部により押圧されることにより、近接する方向に、所定距離、移動せしめられる場合、
図7に部分的に拡大されて示されるように、第1の接点部30Lおよび第2の接点部30Uの円弧部30LCi、円弧部30UCiに連なる連結端が、それぞれ、短絡片部30Sに向けて移動せしめられ、所定の接触位置Taで短絡片部30Sに当接され追従し、接触位置Tbで湾曲部30USiに当接される。これにより、信号路が、第1の接点部30Lと、短絡片部30Sと、第2の接点部30Uとによって形成される。従って、信号路の全長が、比較的短くなりコンタクト端子30aiのインダクタンスが低減されることとなる。
【0039】
図8は、
図2に示される接続装置に用いられる電源用コンタクトシートの一例を拡大して示す。
【0040】
本発明に係るコンタクト端子の第3実施例としての複数のコンタクト端子40aiを有する電源用コンタクトシート42は、例えば、導電性金属材料でMEMS技術により薄板状に一体に形成されている。電源用コンタクトシート42は、複数のコンタクト端子40ai(i=1〜n,nは正の整数)と、複数のコンタクト端子40aiを互いに平行となるように連結する連結片40bi(i=1〜n,nは正の整数)とを含んで構成されている。これにより、コンタクトユニットは、電源用コンタクトシート42と、電源用コンタクトシート42を挟持し内部に収容する第1のブレード15と、第1のブレード15に向い合わされる第2のブレード(不図示)と、を含んで構成されている。
【0041】
連結片40biは、後述する隣接するコンタクト端子40aiの相互間、および、電源用コンタクトシート42の両端に形成されている。連結片40biは、後述するコンタクト端子40aiの中間支持片に対し直交するように中間支持片と一体に形成されている。
【0042】
電源用コンタクトシート42のコンタクト端子40aiは、上述のプリント配線基板PCB1の電極部CP1に当接する第1の接点部40Lと、上述のプリント配線基板PCB2の電極部CP2に当接する第2の接点部40Uと、第1の接点部40Lを移動可能に支持する第1の弾性支持片と、第2の接点部40Uを移動可能に支持する第2の弾性支持片と、連結片40biと一体に形成され、第1の弾性支持片の一端部、および、第2の弾性支持片の一端部を互いに平行に支持する中間支持片とから構成されている。
【0043】
第1の接点部40Lは、プリント配線基板PCB1の電極部CP1に当接する円弧状の当接部40Laを有する突起部を有している。第2の接点部40Uは、プリント配線基板PCB2の電極部CP2に当接する円弧状の当接部40Uaを有する突起部を有している。
【0044】
第1の弾性支持片は、連結片40biに向けて凸状に湾曲した複数の湾曲部40LSi(i=1〜n,nは正の整数)と、隣接した湾曲部40LSiの端部を互いに連結し、または、湾曲部40LSiの端部を第1の接点部40Lの連結端部、または、中間支持片に連結する複数の円弧部40LCi(i=1〜n,nは正の整数)とが、共通の平面上で連続的に連なって第1の接点部40Lの移動方向に沿って弾性変位可能に形成されている。
【0045】
第2の弾性支持片は、連結片40biに向けて凸状に湾曲した複数の湾曲部40USi(i=1〜n,nは正の整数)と、隣接した湾曲部40USiの端部を互いに連結し、または、湾曲部40USiの端部を第2の接点部40Uの連結端部、または、中間支持片に連結する複数の円弧部40UCi(i=1〜n,nは正の整数)とが、共通の平面上で連続的に連なって第2の接点部40Uの移動方向に沿って弾性変位可能に形成されている。
【0046】
第1のブレード15は、
図9(A)に拡大されて示されるように、例えば、樹脂材料で薄板状に成形されている。第1のブレード15の一方の表面には、一枚以上の電源用コンタクトシート42が収容される比較的浅い凹部15Aが形成されている。凹部15Aを形成する上縁部および下縁部には、それぞれ、第1の接点部40Lの突起部、および、第2の接点部40Uが挿入され突出する孔15Ha、および、15Hcが形成されている。
【0047】
第2のブレード(不図示)は、例えば、樹脂材料で薄板状に成形されている。第2のブレードは、電源用コンタクトシート42の連結片40biに当接し連結片40biを押圧する押圧面を有している。
【0048】
なお、電源用コンタクトシート42の枚数は、斯かる例に限られることなく、
図9(B)に示されるように、例えば、3枚の電源用コンタクトシート42が、積み重ねられ収容されてもよい。これにより、3枚の電源用コンタクトシート42が積み重ねられることによって、電源ラインにおける電流容量が増大することとなる。
【0049】
図10は、
図2に示される接続装置に用いられる信号用および電源用コンタクト端子のさらなる他の一例を拡大して示す。
【0050】
本発明に係るコンタクト端子の第4実施例としてのコンタクト端子50aiは、例えば、導電性金属材料でMEMS技術により一体に形成されている。コンタクト端子50aiは、上述のプリント配線基板PCB1の電極部CP1に当接する第1の接点部50Lと、上述のプリント配線基板PCB2の電極部CP2に当接する第2の接点部50Uと、第1の接点部50Lと第2の接点部50Uとを互いに近接または離隔可能に連結する一対の連結部とから構成されている。これにより、コンタクトユニットは、複数のコンタクト端子50aiと、コンタクト端子50aiを一方の表面17Aに形成される凹部17ai(i=1〜n,nは正の整数)内に収容するブレード17と、ブレード17の一方の表面17Aに向い合わされ、コンタクト端子50aiを他方の表面17Bに形成される凹部17bi(i=1〜n,nは正の整数)内に収容するブレード17と、を含んで構成されている。
【0051】
第1の接点部50Lは、プリント配線基板PCB1の電極部CP1に当接する円弧状の当接部50Laを先端部の角部に有する突起部と、突起部に連なり後述する一対の連結部にそれぞれ連結される張出部と、突起部に向き合う張出部中央に一体に形成される短絡片部50LEと、から構成されている。短絡片部50LEは、第2の接点部50Uの短絡片部50UEに向けて延びている。短絡片部50LEは、所定の勾配を一方の辺に有している。
【0052】
第2の接点部50Uは、プリント配線基板PCB2の電極部CP2に当接する円弧状の当接部50Uaを先端部の角部に有する突起部と、突起部に連なり後述する一対の連結部にそれぞれ連結される張出部と、突起部に向き合う張出部中央に一体に形成される短絡片部50UEと、から構成されている。当接部50Uaは、その中心軸線に所定の角度をもって交差する直線に沿って上述の当接部50Laに向き合っている。
【0053】
短絡片部50UEは、第1の接点部50Lの短絡片部50LEに向けて延びている。短絡片部50UEにおける短絡片部50LEの所定の勾配を有する側面に向き合う側面は、所定の勾配を一方の辺に有している。第1の接点部50Lおよび第2の接点部50Uは、互いに近接する方向に押圧力が作用していない場合、短絡片部50UEと短絡片部50LEとの間に、所定の隙間CLが形成されている。また、第1の接点部50Lおよび第2の接点部50Uは、互いに近接する方向に所定値以上の押圧力が作用している場合、短絡片部50UEと短絡片部50LEとが互いに当接するものとされる。
【0054】
一対の連結部は、短絡片部50LEおよび短絡片部50UEの両脇にそれぞれ、形成されている。
図10において、短絡片部50LEおよび短絡片部50UEの右側に形成される一方の連結部は、短絡片部50LEおよび短絡片部50UEに向けて凸状に湾曲した複数の湾曲部50RSi(i=1〜n,nは正の整数)と、隣接した湾曲部50RSiの端部を互いに連結し、または、湾曲部50RSiの端部を張出部の一方の端部に連結する複数の円弧部50RCi(i=1〜n,nは正の整数)とが、共通の平面上で連続的に連なって第1の接点部50Lおよび第2の接点部50Uの移動方向に沿って弾性変位可能に形成されている。また、他方の連結部は、短絡片部50LEおよび短絡片部50UEに向けて凸状に湾曲した複数の湾曲部50LSi(i=1〜n,nは正の整数)と、隣接した湾曲部50LSiの端部を互いに連結し、または、湾曲部50LSiの端部を張出部に連結する複数の円弧部50LCi(i=1〜n,nは正の整数)とが、共通の平面上で連続的に連なって第1の接点部50Lおよび第2の接点部50Uの移動方向に沿って弾性変位可能に形成されている。これにより、一対の連結部は、第1の接点部50Lおよび第2の接点部50Uの移動方向に沿って伸縮可能とされる。
【0055】
各コンタクト端子50aiは、
図11(A)および(B)に示されるように、ブレード17の凹部12aiおよびブレード17の凹部12bi(i=1〜n,nは正の整数)に個別に収容されている。
【0056】
ブレード17は、収容されるコンタクト端子50aiが信号用コンタクト端子として用いられる場合、例えば、樹脂材料で薄板状に成形される。また、ブレード17は、収容されるコンタクト端子50aiが電源用コンタクト端子として用いられる場合、例えば、アルミニウム合金または銅合金で薄板状に成形される。このような場合、ケーシング10も金属材料で形成されるので接続装置における放熱効率を向上させることが可能となる。
【0057】
ブレード17の一方の表面17Bには、
図11(B)に示されるように、比較的浅い複数の凹部17biが互いに平行に形成されている。凹部17biは、その中心軸線がブレード17の上縁部および下縁部に対し所定の角度をもって交差し左上から右下がりに傾斜するように形成されている。隣接する凹部17bi相互間は、隔壁により仕切られ離隔されている。
図11(B)において、ブレード17の凹部17biにおける真上となる上縁部には、第2の接点部50Uが挿入され外部に向けて突出する孔17Haが形成されている。ブレード17の凹部17biにおける真下となる下縁部には、孔17Hcが、開口している。
【0058】
また、ブレード17の他方の表面17Aには、
図11(A)に示されるように、比較的浅い複数の凹部17ai(i=1〜n,nは正の整数)が形成されている。各凹部17aiには、コンタクト端子50aiがそれぞれ、収容される。凹部17aiは、その中心軸線がブレード17の上縁部および下縁部に対し所定の角度をもって交差し右上から左下がりに傾斜するように形成されている。隣接する凹部17ai相互間は、隔壁により仕切られ離隔されている。
図11(A)において、ブレード17の凹部17aiにおける真上となる上縁部には、第2の接点部50Uが挿入され外部に向けて突出する孔17Haが形成されている。ブレード17の凹部17aiにおける真下となる下縁部には、孔17Hcが、開口している。
【0059】
これにより、ブレード17と、ブレード17の一方の表面17Aに向い合わされる第2のブレード17とが互いに重ね合わされることにより、2枚のコンタクト端子50aiが重ね合わされた状態でコンタクト端子50aiが、2枚のブレード17により挟持されることとなる。その結果、電流容量が増大することとなる。
【0060】
斯かる構成において、コンタクトユニットが固定されたケーシング10が、プリント配線基板PCB1およびPCB2の電極部相互間に配置された後、例えば、ケーシング10の両端面に設けられた複数の雌ねじ孔(不図示)に、小ネジ(不図示)がプリント配線基板PCB1およびPCB2の貫通孔を介してねじ込まれることによって、コンタクト端子20aiの第1の接点部20Lおよび第2の接点部20Uが、一対の連結部の弾性力に抗してプリント配線基板PCB1およびPCB2の電極部により押圧されることにより、近接する方向に、所定距離、移動せしめられる。これにより、短絡片部50LEおよび短絡片部50UEが互いに当接されるので信号路が、第1の接点部50Lと、短絡片部50LEおよび短絡片部50UEと、第2の接点部50Uとによって形成される。従って、信号路の全長が、比較的短くなりコンタクト端子50aiのインダクタンスが低減されることとなる。その際、第1の接点部50Lおよび第2の接点部50Uの当接部50La、50Uaによる電極部に対するワイピング効果が得られる。
【0061】
また、コンタクト端子50aiは、導電性金属材料でMEMS技術により微細に、かつ、比較的薄く形成されているので残留応力がなく繰り返し変位の耐久性に優れたものとなる。
【0062】
図12は、本発明に係る接続装置の他の一例の外観を示す。
【0063】
図12において、接続装置は、例えば、互いに向き合うプリント配線基板PCB1の電極部とプリント配線基板(不図示)の電極部とを電気的に接続するボードツウボードコネクタとされる。
【0064】
接続装置は、後述するコンタクト支持体としてのブレードと複数のコンタクト端子とからなるコンタクトユニットと、複数個のコンタクトユニットを収容するコンタクトユニット収容部60Aを有しているケーシング60と、を主な要素として含んで構成されている。
【0065】
ケーシング60は、例えば、金属材料で作られ、小ネジが各プリント配線基板の孔を介してねじ込まれる雌ねじ孔60aを4隅に有している。また、
図13に示されるように、コンタクトユニット収容部60Aの底部を形成する底壁部には、複数の孔60bi(i=1〜n,nは正の整数)が所定の間隔で縦横に形成されている。孔60biには、後述するコンタクト端子70aiの接点部が挿入される。さらに、ケーシング60における長手方向に延びる両側壁の内周部には、それぞれ、後述するブレードの両端が嵌合される溝60Gi(i=1〜n,nは正の整数)が、所定の間隔で形成されている。隣接する溝60Giは、隔壁により仕切られている。
【0066】
コンタクトユニットは、
図14に拡大されて示される複数の信号用および電源用コンタクト端子70ai(i=1〜n,nは正の整数)と、各コンタクト端子70aiを内側のセル62ai(i=1〜n,nは正の整数)に収容するブレード62と、を含んで構成されている。
【0067】
本発明に係るコンタクト端子の第5実施例としてのコンタクト端子70aiは、例えば、導電性金属材料でMEMS技術により形成されている。コンタクト端子70aiは、
図16および
図17に拡大されて示されるように、プリント配線基板PCB1の電極部CP1に当接する第1の接点部70Lと、プリント配線基板PCB1に向い合うプリント配線基板の電極部に当接する第2の接点部70Uと、第1の接点部70Lと第2の接点部70Uとを互いに近接または離隔可能に連結する二列の連結部とから構成されている。
【0068】
第1の接点部70Lは、プリント配線基板PCB1の電極部CP1に当接する尖頭状の当接部70Laを有する可動片部と、可動片部の基端部に形成され連結部に連結される張出部と、から構成されている。張出部の一端は、後述する連結部の湾曲部70LSaiの一端に連結されるとともに、張出部の他端は、後述する連結部の湾曲部70LSbiの一端に連結されている。
【0069】
第2の接点部70Uは、プリント配線基板の電極部に当接する尖頭状の当接部70Uaを有する可動片部と、可動片部の基端部に形成され連結部に連結される張出部と、から構成されている。張出部の一端は、後述する湾曲部70USaiの一端に連結されるとともに、張出部の他端は、後述する湾曲部70USbiの一端に連結されている。
【0070】
二列の連結部は、それぞれ、第1の接点部70Lと第2の接点部70Uとの間の中間位置に設けられる中間部材70Mを挟んで第1の接点部70Lおよび第2の接点部70Uの張出部に連結されている。
【0071】
図16において、右側列の第1の連結部は、右側側方に向けて凸状に湾曲した複数の湾曲部70USai(i=1〜n,nは正の整数)と、隣接した湾曲部70USaiの端部を互いに連結し、または、湾曲部70USaiの端部を第2の接点部70Uの張出部の一方の端部に連結する複数の円弧部70UCai(i=1〜n,nは正の整数)と,右側側方に向けて凸状に湾曲した複数の湾曲部70LSai(i=1〜n,nは正の整数)と、隣接した湾曲部70LSaiの端部を互いに連結し、または、湾曲部70LSaiの端部を第1の接点部70Lの張出部の一方の端部に連結する複数の円弧部70LCai(i=1〜n,nは正の整数)とから構成されている。中間部材70Mの一端は、湾曲部70USaiの端部に連結され、中間部材70Mの他端は、円弧部70LCaiに連なる連結端部に連結されている。
【0072】
図16において、左側列の第2の連結部は、右側側方に向けて凸状に湾曲した複数の湾曲部70USbi(i=1〜n,nは正の整数)(
図18参照)と、隣接した湾曲部70USbiの端部を互いに連結し、または、湾曲部70USbiの端部を中間部材70Mに連結する複数の円弧部70UCbi(i=1〜n,nは正の整数)と,右側側方に向けて凸状に湾曲した複数の湾曲部70LSbi(i=1〜n,nは正の整数)と、隣接した湾曲部70LSbiの端部を互いに連結し、または、湾曲部70LSbiの端部を第1の接点部70Lの張出部の一方の端部に連結する複数の円弧部70LCbi(i=1〜n,nは正の整数)とから構成されている。中間部材70Mの一端は、円弧部70UCbiに連なる連結端部に連結され、中間部材70Mの他端は、湾曲部70LSbiの連結端部に連結されている。
【0073】
これにより、第1および第2の連結部は、それぞれ、各共通の平面上において第1の接点部70Lおよび第2の接点部70Uの移動方向に沿って伸縮可能とされる。
【0074】
なお、上述の例においては、二列の連結部が、第1の接点部および第2の接点部と一体に形成されているが、斯かる例に限られることなく、連結部が、例えば、1列、または、3列以上に形成されてもよい。
【0075】
上述のコンタクト端子70aiが信号用コンタクト端子の場合、ブレード62は、
図14および
図15に拡大されて示されるように、例えば、樹脂材料で薄板状に成形されている。一方、上述のコンタクト端子70aiが電源用コンタクト端子の場合、ブレード62は、例えば、銅合金またはアルミニウム合金で薄板状に成形される。このような場合、ケーシング60も金属材料で形成されるので接続装置における放熱効率を向上させることが可能となる。
【0076】
ブレード62の両端には、それぞれ、上述のケーシング60の溝60Giに嵌合される段差のある突起部が形成されている。ブレード62の一方の表面には、複数のセル62ai(i=1〜n,nは正の整数)が所定の間隔で形成されている。ブレード62の他方の表面は、平坦面とされる。ブレード62の一方の表面において、隣接するセル62ai相互間は、互いに平行に形成される仕切壁62wai(i=1〜n,nは正の整数)により仕切られている。
図14に示されるように、仕切壁62waiの一端は、ブレード62の上縁部に交差している。ブレード62の上縁部には、第2の接点部70Uが挿入され外部に向けて突出する孔62Haが,各セル62aiに対応して形成されている。各セル62aiの下端は、開口している。
【0077】
なお、各ブレード62は、成形のとき、
図15に示されるように、各仕切壁62waiに連結されるキャリア62CAを伴って成形され、コンタクト端子70aiがセル62aiに装着された後、キャリア62CAが切り取られる。
【0078】
斯かる構成において、上述のコンタクトユニットが固定されたケーシング60が、向かい合うプリント配線基板の電極部相互間に配置された後、例えば、ケーシング60に設けられた複数の雌ねじ孔60aに、小ネジ(不図示)がプリント配線基板の貫通孔を介してねじ込まれることによって、コンタクト端子70aiの第1の接点部70Lおよび第2の接点部70Uが、第1および第2の連結部の弾性力に抗してプリント配線基板の電極部により押圧されることにより、
図19に示されるように、互いに近接する方向に、所定距離、移動せしめられる。これにより、
図20に示されるように、湾曲部70USai、70USbi,70LSai,および、70LSbiが変位したとき、各湾曲部70USai〜70LSbi内の隙間、および、隣接する湾曲部70USai〜70LSbi相互間の隙間が、より狭くなるのでこの隙間を高周波数帯域の信号が例えば、矢印が示すように、伝送されるとき、上下に短絡した構造を持たなくても高速伝送の特性が実現される。その際、
図21に拡大されて示されるように、例えば、第1の連結部および第2の連結部において、円弧部70UCaiの位置は、円弧部70UCbiの位置に対し近接しているので
円弧部70UCaiと張出部との間に隙間が形成されていても、矢印の示すように高速伝送の特性が実現される。
さらに、コンタクト端子70aiは、導電性金属材料でMEMS技術により微細に、かつ、比較的薄く形成されているので残留応力がなく繰り返し変位の耐久性に優れたものとなる。
【0079】
さらに、コンタクトユニットは、斯かる例に限られることなく、例えば、
図22(A)および(B)に拡大されて示される信号用および電源用コンタクト端子80ai(i=1〜n,nは正の整数)と、各コンタクト端子80aiを内側のセル62ai(i=1〜n,nは正の整数)に収容するブレード62と、を含んで構成されてもよい。なお、ブレード62については、重複説明を省略する。
【0080】
本発明に係るコンタクト端子の第6実施例としてのコンタクト端子80aiは、例えば、導電性金属材料でMEMS技術により一体に形成されている。コンタクト端子80aiは、プリント配線基板PCB1の電極部CP1に当接する第1の接点部80Lと、プリント配線基板PCB1に向い合うプリント配線基板の電極部に当接する第2の接点部80Uと、第1の接点部80Lと第2の接点部80Uとを互いに近接または離隔可能に連結する第1の連結部および第2の連結部と、第1の連結部の端部と第2の連結部の端部とを連結する中間部材80Mと、第1の接点部80Lと第2の接点部80Uと、中間部材80Mとを支持する支持プレート80SBとを主な要素として含んで構成されている。
【0081】
第1の接点部80Lは、プリント配線基板PCB1の電極部CP1に当接する尖頭状の当接部80Laを有する可動片部と、可動片部の基端部に交差するように形成され第1の連結部に連結される張出部とから構成されている。張出部の一端は、後述する第1の連結部の湾曲部80LSaiの一端に連結されている。可動片部は、支持プレート80SBの一端に一体に形成される係止端部の孔に移動可能に挿入され、孔から外部に突出している。張出部は、第1の連結部の付勢力により付勢され係止端部の内面に当接されている。
【0082】
第2の接点部80Uは、プリント配線基板の電極部に当接する尖頭状の当接部80Uaを有する可動片部と、可動片部の基端部に交差するように形成され第2の連結部に連結される張出部とから構成されている。張出部の一端は、後述する円弧部80UCaiに連なる連結端に連結されている。可動片部は、支持プレート80SBの他端に一体に形成される係止端部の孔に移動可能に挿入され、孔から外部に突出している。張出部は、第2の連結部の付勢力により付勢され係止端部の内面に当接されている。
【0083】
第1の連結部は、
図22(A)において、右側側方に向けて凸状に湾曲した複数の湾曲部80LSai(i=1〜n,nは正の整数)と、隣接した湾曲部80LSaiの端部を互いに連結し、または、湾曲部80LSaiの端部を中間部材80Mの一方の端部に連結する複数の円弧部80LCai(i=1〜n,nは正の整数)とから構成されている。各湾曲部80LSaiは、支持プレート80SBのガイド長孔80Saに挿入されるガイドピン80GPi(i=1〜n,nは正の整数)により案内されている。中間部材80Mは、支持プレート80SBと一体に形成されている。
【0084】
第2の連結部は、
図22(A)において、右側側方に向けて凸状に湾曲した複数の湾曲部80USai(i=1〜n,nは正の整数)と、隣接した湾曲部80USaiの端部を互いに連結し、または、湾曲部80USaiの端部を中間部材80Mの他方の端部に連結する複数の円弧部80UCai(i=1〜n,nは正の整数)と,から構成されている。各湾曲部80USaiは、支持プレート80SBのガイド長孔80Saに挿入されるガイドピン80GPi(i=1〜n,nは正の整数)により案内されている。
【0085】
これにより、第1の連結部および第2の連結部は、それぞれ、支持プレート80SBの表面に対し所定の隙間をもって共通の平面上で第1の接点部80Lおよび第2の接点部80Uの移動方向に沿って伸縮可能とされる。
【0086】
斯かる構成において、上述のコンタクトユニットが固定されたケーシング60が、向かい合うプリント配線基板の電極部相互間に配置された後、例えば、ケーシング60に設けられた複数の雌ねじ孔60aに、小ネジ(不図示)がプリント配線基板の貫通孔を介してねじ込まれることによって、コンタクト端子80aiの第1の接点部80Lおよび第2の接点部80Uが、第1の連結部および第2の連結部の弾性力に抗してプリント配線基板の電極部により押圧されることにより、互いに近接する方向に、所定距離、移動せしめられる。これにより、ガイドピン80GPiがガイド長孔80Saに案内されながら、信号が第1の接点部80L、支持プレート80SB、第2の接点部80Uを経由して伝送されるので例えば、この隙間を高周波数帯域の信号が伝送されるとき、高速伝送の特性が実現されるとともに、信号路のインダクタンスの低減が図られる。さらに、コンタクト端子80aiは、導電性金属材料でMEMS技術により微細に、かつ、比較的薄く形成されているので残留応力がなく繰り返し変位の耐久性に優れたものとなる。
【0087】
なお、上述の各実施例において、本発明に係る接続装置の一例は、ボードツウボードコネクタに適用されているが、斯かる例に限られることなく、例えば、半導体装置と配線基板とを電気的に接続するICソケット、または、ケーブルの端部と配線基板とを電気的に接続するケーブル用コネクタのような他の装置に適用されてもよいことは勿論である。