特開2017-131852(P2017-131852A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-131852(P2017-131852A)
(43)【公開日】2017年8月3日
(54)【発明の名称】機能水製造装置及び機能水製造方法
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/68 20060101AFI20170707BHJP
   B01F 1/00 20060101ALI20170707BHJP
   B01F 3/04 20060101ALI20170707BHJP
   B01F 15/02 20060101ALI20170707BHJP
【FI】
   C02F1/68 510A
   B01F1/00 A
   B01F3/04 Z
   B01F15/02 A
   C02F1/68 520B
   C02F1/68 530A
   C02F1/68 530K
   C02F1/68 530L
   C02F1/68 540B
   C02F1/68 540C
   C02F1/68 540D
   C02F1/68 540Z
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-15142(P2016-15142)
(22)【出願日】2016年1月29日
(71)【出願人】
【識別番号】000245531
【氏名又は名称】野村マイクロ・サイエンス株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】510005650
【氏名又は名称】エーシーエム リサーチ (シャンハイ) インコーポレーテッド
(71)【出願人】
【識別番号】516030845
【氏名又は名称】エイチジェイエス エンジニアリング カンパニーリミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001092
【氏名又は名称】特許業務法人サクラ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】自在丸 隆行
(72)【発明者】
【氏名】ワン フイ
(72)【発明者】
【氏名】ファン デュチョル
【テーマコード(参考)】
4G035
4G037
【Fターム(参考)】
4G035AA01
4G035AB04
4G035AB54
4G035AE01
4G035AE13
4G037AA02
4G037AA11
4G037AA18
4G037EA10
(57)【要約】
【課題】機能水の供給圧を安定的に保つことができる機能水製造装置及び機能水製造方法を提供すること。
【解決手段】
超純水製造装置から供給される超純水の水圧を低下させて略一定に保つ減圧弁と、前記減圧弁で水圧の低下された前記超純水を加圧する加圧量の調整可能な給水ポンプと、前記給水ポンプで加圧された前記超純水に前記機能性ガスを溶解させて機能水を製造する溶解装置とを備える機能水製造装置及び機能水製造方法。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超純水製造装置から供給される超純水に機能性ガスを溶解せて機能水を製造し、供給する機能水製造装置であって、
前記超純水の水圧を低下させて略一定に保つ減圧弁と、
前記減圧弁で水圧の低下された前記超純水を加圧する加圧量の調整可能な給水ポンプと、
前記給水ポンプで加圧された前記超純水に前記機能性ガスを溶解させて前記機能水を製造する溶解装置と
を備えることを特徴とする機能水製造装置。
【請求項2】
超純水製造装置から供給される超純水に機能性ガスを溶解せて機能水を製造し、供給する機能水製造装置であって、
前記超純水を加圧する加圧量の調整可能な給水ポンプと、
前記給水ポンプで加圧された前記超純水の水圧を低下させて略一定に保つ減圧弁と、
前記減圧弁で水圧の低下された前記超純水に前記機能性ガスを溶解させて前記機能水を製造する溶解装置と
を備えることを特徴とする機能水製造装置。
【請求項3】
前記減圧弁から流出される前記超純水の水圧は、前記減圧弁に供給される超純水の水圧よりも、20kPa〜200kPa低いことを特徴とする請求項1又は2記載の機能水製造装置。
【請求項4】
前記溶解装置への前記超純水の給水圧は、235kPa〜265kPaであること特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の機能水製造装置。
【請求項5】
前記給水ポンプは、遠心型の渦巻ポンプであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の機能水製造装置。
【請求項6】
さらに、前記機能水の水圧を測定して測定値を出力する水圧センサーと、
前記給水ポンプの吐出圧が所定の水圧に維持されるように、前記水圧センサーの出力に基づいて前記給水ポンプの加圧量を制御する制御装置と
を備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の機能水製造装置。
【請求項7】
前記機能性ガスは水素ガスであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の機能水製造装置。
【請求項8】
超純水製造装置から供給される超純水に機能性ガスを溶解せて機能水を製造する機能水製造方法であって、
前記超純水の水圧を低下させて略一定に保つ減圧工程と、
前記減圧工程で水圧の低下された前記超純水を加圧する加圧工程と、
加圧された前記超純水に前記機能性ガスを溶解させて前記機能水を製造する溶解工程と
を備えることを特徴とする機能水製造方法。
【請求項9】
超純水製造装置から供給される超純水に機能性ガスを溶解せて機能水を製造する機能水製造方法であって、
前記超純水を加圧する加圧工程と、
前記加圧工程で加圧された前記超純水の水圧を低下させて略一定に保つ減圧工程と、
前記減圧工程で水圧の低下された前記超純水に前記機能性ガスを溶解させて前記機能水を製造する溶解工程と
を備えることを特徴とする機能水製造方法。
【請求項10】
さらに、生成された前記機能水の水圧を測定する水圧測定工程を備え、
前記加圧工程を経た前記超純水の水圧が所定の水圧に維持されるように、前記水圧測定工程における測定値に基づいて前記加圧工程における加圧量を制御する
ことを特徴とする請求項8又は9記載の機能水製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機能水製造装置及び機能水製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、超純水に特定の気体を溶解させて調製された、いわゆる機能水の電子材料洗浄用途での実用性が認められるようになり、ウェット洗浄プロセスにおいてその普及が進んでいる。超純水に気体を溶解させる気体溶解装置としては、溶解部として気体透過性の膜を内蔵したモジュールを適用する装置が一般的に用いられている。
【0003】
気体溶解装置においては、水素などの気体に関しては、溶解させる気体の単位流量に対して一定流量の超純水を供給することで、目的濃度の気体を溶解した機能水が精度よく得られることが知られており、溶解装置への超純水の供給流量と気体の供給流量を制御して、機能水中の気体の濃度を安定に保つようにした気体溶解装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
ここで、気体を溶解させる超純水を製造する超純水製造装置においては、原水からイオン性及び非イオン性の不純物等が除去された一次純水が一旦一次純水タンクに貯留され、この一次純水タンクから一次純水を二次純水システムに導入して処理し、得られた超純水がユースポイントに供給される。ユースポイントは、例えば超純水製造装置の最後段に設置される超純水タンクから、超純水を一次純水タンクに還流させる還流配管の経路に設置される。ユースポイントで使用されない超純水は還流配管を介して一次純水タンクに還流されている。
【0005】
上記気体溶解装置は、ユースポイントに接続されて、機能水を例えばウエハの洗浄装置に供給する。ここで、還流配管の経路には、超純水の使用される複数の装置(ユースポイント)が設けられる場合がある。このような場合、通常、超純水製造装置で製造される超純水の水圧をほぼ一定に保つことで、ユースポイントに供給される超純水の供給圧は、ほぼ一定に保たれている。ところが、複数のユースポイントにおける超純水の使用量がそれぞれ独立して変動するため、その変動のタイミングによっては、各ユースポイントにおける超純水の供給圧が変動することがある。例えば、超純水を使用する複数の洗浄装置において、洗浄サイクルの停止のタイミングが重なった場合など、停止していない装置の接続されたユースポイントにおける超純水の供給圧が大幅に上昇することがある。また、ユースポイントの数が多い場合、循環配管のより下流側に設けられたユースポイントでは、上流側での超純水の使用量の変化の影響を受け易くなり、超純水の供給流量や供給圧の予期せぬ低下が懸念されることもある。
【0006】
ところで、洗浄用機能水により洗浄される半導体ウエハの大型化が進んでいるために、洗浄用機能水をウエハに掛け流して洗浄するバッチ式の掛け流し洗浄方法が採用されている。このバッチ式の掛け流し洗浄方法では、通常、洗浄時間によって、ウエハの洗浄を制御するため、洗浄用機能水の供給圧が減少した場合、ウエハ表面への洗浄用機能水の供給量が不足し、充分な洗浄が行えないことがある。
【0007】
ウエハ表面への洗浄用機能水の供給量の不足の問題は、ウエハが大型になるほど、例えば200mm以上になると顕著となる。そのため、このような大型のウエハの洗浄用機能水に対しては、供給圧をより安定に一定に保つことが求められていた。
【0008】
このような課題に対して、従来の機能水中の気体の濃度を保つように構成された溶解装置では、機能水の供給圧の変動を防ぐような格別の配慮がなされていない。すなわち、超純水の供給圧が一定であることが前提とされており、超純水の供給圧が変動した場合に、製造される機能水の供給圧を一定に保つことができない。そのため、従来の溶解装置では、ウエハ表面への洗浄用機能水の供給量の不足の問題が解消されない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2009−82919号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は上記した課題を解決するためになされたものであって、機能水の供給圧を安定的に保つことができる機能水製造装置及び機能水製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の機能水製造装置は、超純水製造装置から供給される超純水に機能性ガスを溶解せて機能水を製造し、供給する機能水製造装置であって、前記超純水の水圧を低下させて略一定に保つ減圧弁と、前記減圧弁で水圧の低下された前記超純水を加圧する加圧量の調整可能な給水ポンプと、前記給水ポンプで加圧された前記超純水に前記機能性ガスを溶解させて前記機能水を製造する溶解装置と、を備えることを特徴とする。
【0012】
本発明の機能水製造装置は、超純水製造装置から供給される超純水に機能性ガスを溶解せて機能水を製造し、供給する機能水製造装置であって、前記超純水を加圧する加圧量の調整可能な給水ポンプと、前記給水ポンプで加圧された前記超純水の水圧を低下させて略一定に保つ減圧弁と、前記減圧弁で水圧の低下された前記超純水に前記機能性ガスを溶解させて前記機能水を製造する溶解装置と、を備えることを特徴とする。
【0013】
本発明の機能水製造装置において、前記減圧弁から流出される前記超純水の水圧は、前記減圧弁に供給される超純水の水圧よりも、20kPa〜200kPa低いことが好ましい。また、前記溶解装置への前記超純水の給水圧は、235kPa〜265kPaであることが好ましい。
【0014】
本発明の機能水製造装置は、さらに、前記機能水の水圧を測定して測定値を出力する水圧センサーと、前記給水ポンプの吐出圧が所定の水圧に維持されるように、前記水圧センサーの出力に基づいて前記給水ポンプの加圧量を制御する制御装置と、を備えることが好ましい。
【0015】
本発明の機能水製造装置において、前記機能性ガスは水素ガスであることが好ましい。
【0016】
本発明の機能水製造方法は、超純水製造装置から供給される超純水に機能性ガスを溶解せて機能水を製造する機能水製造方法であって、前記超純水の水圧を低下させて略一定に保つ減圧工程と、前記減圧工程で水圧の低下された前記超純水を加圧する加圧工程と、加圧された前記超純水に前記機能性ガスを溶解させて前記機能水を製造する溶解工程とを備えることを特徴とする。
【0017】
本発明の機能水製造方法は、超純水製造装置から供給される超純水に機能性ガスを溶解せて機能水を製造する機能水製造方法であって、前記超純水を加圧する加圧工程と、前記加圧工程で加圧された前記超純水の水圧を低下させて略一定に保つ減圧工程と、前記減圧工程で水圧の低下された前記超純水に前記機能性ガスを溶解させて前記機能水を製造する溶解工程と、を備えることを特徴とする。
【0018】
本発明の機能水製造方法においては、さらに、生成された前記機能水の水圧を測定する水圧測定工程を備え、前記加圧工程を経た前記超純水の水圧が所定の水圧に維持されるように、前記水圧測定工程における測定値に基づいて前記加圧工程における加圧量を制御することが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明の機能水製造装置及び機能水製造方法によれば、機能水の供給圧を安定的に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】実施形態の機能水製造装置を概略的に表すブロック図である。
図2】実施形態の機能水製造装置を用いた機能水製造方法の一例を概略的に表すフロー図である。
図3】実施形態の機能水製造装置に用いられる溶解装置の一例を概略的に表すブロック図である。
図4】他の実施形態の機能水製造装置を概略的に表すブロック図である。
図5】実施例の溶解装置から流出される水素水の水圧変動を示すグラフである。
図6】比較例の溶解装置から流出される水素水の水圧変動を示すグラフである。
図7】比較例の溶解装置から流出される水素水の水圧変動を示すグラフである。
図8】他の実施例の溶解装置から流出される水素水の水圧変動を示すグラフである。
図9】他の実施例の溶解装置から流出される水素水の水圧変動を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して、実施形態を詳細に説明する。
図1は、本実施形態の機能水製造装置1を概略的に示すブロック図である。
【0022】
図1に示す機能水製造装置1は、超純水の水圧を所定の範囲で略一定に調整する減圧弁11と、減圧弁11で水圧の低下された超純水を加圧する給水ポンプ12と、加圧された超純水に機能性ガスを溶解させて、機能水を製造する溶解装置13とを備えている。溶解装置13には、溶解装置13で製造された機能水をユースポイントに供給する機能水供給配管14が接続されている。また、溶解装置13には、溶解装置13に機能性ガスを供給する機能性ガス供給装置16が接続されている
【0023】
機能水供給配管14には、溶解装置13で得られた機能水の水圧を測定して測定値を出力する水圧センサー17が介設されている。機能水製造装置1は、水圧センサー17の測定値を入力して給水ポンプ12に加圧量の制御信号を出力する制御装置18を備えている。
【0024】
機能水製造装置1は、超純水製造装置100の循環配管101から分岐して接続された超純水供給配管102の経路に介設されている。
【0025】
図2は、機能水製造装置1を用いた機能水製造方法の一例を概略的に表すフロー図である。図2に示す機能水製造方法は超純水供給配管102から供給される超純水の水圧を低下させて略一定に保つ減圧工程S1と、水圧の低下された超純水を所定の圧力に加圧する加圧工程S2と、加圧された超純水に機能性ガスを溶解させて機能水を製造する溶解工程S3と、溶解工程S3で得られた機能水の水圧を測定する水圧測定工程S4を有している。
【0026】
超純水製造装置100としては、特に限定されず、例えば、市水、井水、河川水、工業用水等の原水から、イオン性物質、有機物、溶存ガス、微粒子等を除去する装置が用いられる。このような超純水製造装置100は、一般的に、原水中の濁質分を除去する前処理システムと、逆浸透膜装置、イオン交換装置、脱気装置、紫外線酸化装置等を備えて構成され、前処理された原水(前処理水)から、イオン性物質及び非イオン性物質を除去する一次純水システムとを備えて構成される。超純水製造装置100は、さらに、一次純水システムで得られた一次純水を一旦貯留する一次純水タンクを備え、一次純水タンクの下流側に、二次純水システムを備えていてもよい。二次純水システムでは、一次純水中に微量残存する不純物が除去されて、超純水が製造される。製造された超純水は循環配管101を介して一次純水を貯留する一次純水タンクに還流される。
【0027】
このような超純水製造装置100で製造される超純水は、抵抗率が好ましくは、10MΩ・cm以上、より好ましくは、18MΩ・cm以上である。
【0028】
超純水製造装置100における超純水の製造量は、代表的には、100t/hour〜1000t/hourである。循環配管101の経路には複数のユースポイント(POU)103が接続されており、製造された超純水はこれらユースポイント103において並行して使用される。上記製造量による超純水製造装置100に接続されるユースポイントの数は100箇所〜数百箇所、1つのユースポイントで使用される超純水の量は、例えばウエハの洗浄用途においては1t/hour〜2t/hourであるのが一般的である。また、このような場合、超純水製造装置100からの超純水の供給圧は平常時(変動がなく安定した状態のとき)で250kPa〜300kPa程度である。このようにして、超純水製造装置100で製造された超純水の一部が、超純水供給配管102を介して、機能水製造装置1の減圧弁11に導入される。
【0029】
減圧弁11は、超純水供給配管102から供給される超純水の水圧を、略一定の水圧に低下させる(減圧工程S1)。減圧弁11は、超純水の水圧が平常時から一時的に上昇あるいは低下して変動した場合に、この変動を緩衝して、略一定の圧力で流出させる作用を有する。減圧弁11としては、給水の水圧を減圧調整して下流に供給するものであれば特に限定されない。具体的に例えば、ダイヤフラム及びばねを備え、当該ダイヤフラムによって水圧を減圧させる減圧機構を有する減圧弁が用いられる。当該減圧弁は、水を、水流入口から減圧機構を経て水流出口に流通し、水流出口の圧力変動によるダイヤフラムの変位により減圧機構を作動させて水流入口から水流出口への水圧を減圧調整して、下流に供給するものである。減圧弁11から流出される超純水の水圧は、例えば上記減圧機構に備えられるばねの強さによって調節することができる。
【0030】
減圧弁11での減圧については例えば、超純水供給配管102(一次側)からの超純水の供給圧が平常時250kPa〜300kPaである場合、減圧弁11から流出される超純水の水圧は、100kPa〜超純水の供給圧力より20kPa低い圧力の範囲に設定されることが好ましく、150kPa〜200kPa範囲の値に設定されることがより好ましい。そうすることで、減圧弁11から流出される超純水の水圧は、前記好ましい値から±5%の範囲内で略一定に保たれる。このため、上記減圧弁11の流出圧(二次側)は、超純水供給配管102から供給される水圧よりも、好ましくは20kPa〜200kPaの範囲、より好ましくは40kPa〜150kPa程度で低下するように設定する。なお、超純水供給配管102(一次側)からの超純水の供給圧と減圧弁11からの流出圧との差が小さい場合には、減圧弁11における減圧量は上記よりも少なくてよい。
【0031】
減圧弁11における一次側と二次側の差圧は、給水ポンプ12の最大加圧量(最大吐出揚程)の45%〜55%の範囲の値であることが好ましく、50%〜55%の範囲の値であることがより好ましい。最大加圧量の45%以上であれば、水圧が十分に減圧され、給水ポンプ12の吐出圧の安定性を向上させる。55%以下であれば、給水ポンプ12で超純水が十分に加圧されるので、機能水の水圧の安定性を向上させる。
【0032】
給水ポンプ12は、減圧弁11で水圧が低下された超純水を所定の水圧に加圧する(加圧工程S2)。給水ポンプ12としては、加圧量の制御が可能なものであれば特に限定されず、容積変化による吸込みと吐出を連続的に行う回転式容積型ポンプや、容積変化による吸入と吐出を繰り返し行う往復運動式容積型ポンプ、ポンプ内の羽根車やプロペラの回転によって発生する遠心力や推進力で液体を吐出する遠心型ポンプ等を用いることができる。
【0033】
具体的には、回転式容積型ポンプとしては、チューブポンプ、ロータリーポンプ、ギアポンプ、スネークポンプ等、往復運動式容積型ポンプとしてはダイヤフラムポンプ、プランジャーポンプ等が挙げられる。また、遠心型ポンプとしては渦巻ポンプ等が挙げられる。なかでも、流体の脈動が少なく、吐出圧を略一定に安定に維持する点で、回転式容積型ポンプ及び遠心型ポンプが好ましく、遠心型ポンプである渦巻ポンプが特に好ましい。
【0034】
具体的に例えば、超純水供給配管102からの超純水の供給圧が平常時250kPa〜300kPaである場合、給水ポンプ12から流出される超純水の水圧は235kPa〜265kPaの範囲で略一定に保たれることが好ましい。給水ポンプ12から流出される超純水の水圧が上記した範囲であることで、安定した濃度の機能水を得ることができる。
【0035】
給水ポンプ12の加圧可能な最大加圧量は、機能水の十分な濃度を維持する観点から250kPa以上であることが好ましい。また、給水ポンプ12における加圧量は、減圧弁11における減圧量によるが、30kPa〜300kPaの範囲であることが好ましく、50kPa〜260kPaの範囲であることがより好ましい。加圧量は、30kPa以上であることで機能水の十分な濃度をより安定的に維持することができる。300kPa以下であることで、給水ポンプ12の吐出圧のフィードバック制御を的確に行い易い。
【0036】
制御装置18は、水圧センサー17の出力(測定値)に基いて、給水ポンプ12の加圧量を制御する。具体的には、渦巻ポンプ等の遠心型ポンプを用いる場合、水圧センサー17からの水圧検出信号をフィードバックして、目標水圧値と比較し、検出水圧値と目標水圧値の偏差がゼロとなるように、給水ポンプ12の運転周波数を制御して行われる。
【0037】
水圧センサー17は、機能水供給配管14内の機能水の水圧を測定する(水圧測定工程S4)。水圧センサー17としては特に限定されず、一般的なダイヤフラムゲージ型の水圧センサーを使用することができる。水圧センサー17の市販品としては、例えば、サーパス工業社製の圧力計等が使用可能である。水圧センサー17は測定値を出力して、該出力が制御装置18に入力される。
【0038】
溶解装置13としては、特に制限されず、超純水にガス透過膜を介して機能性ガスを注入して溶解させる装置、配管内に直接機能性ガスをバブリングして溶解させる装置、機能性ガスを注入後にスタティクミキサーなどの分散手段を設けて溶解させる装置、ガス溶解槽に超純水を供給するポンプの上流側に機能性ガスを供給し、ポンプ内の攪拌によって溶解させる装置などが挙げられる。
【0039】
図3に、溶解装置13の一例として、超純水にガス透過膜を介して機能性ガスを注入して溶解させる溶解装置131を概略的に示す。溶解装置131は、ガス透過膜として中空糸膜を使用し、この中空糸膜において、機能性ガスを超純水中に溶解させる装置である。溶解装置131は、内部に中空糸膜が設置された中空糸膜溶解槽132(中空糸膜ユニット)を備えている。中空糸膜溶解槽132内部には、超純水を中空糸膜溶解槽132に供給する被処理水供給管136が接続されている。超純水は超純水供給配管136を通って中空糸膜の外側133に供給される。一方、機能性ガスは、中空糸膜溶解槽132に接続されたガス供給管135を通って、中空糸膜の内側134に外側供給圧よりも低圧で供給される。これにより、外側の超純水は中空糸膜を透過して、機能性ガスを溶解して機能水が調製される(溶解工程S3)。
【0040】
中空糸膜溶解槽132の出水口には、機能水供給配管14が接続されており、調製された機能水は、機能水供給配管14を介して中空糸膜溶解槽132外に排出される。このような溶解装置131によれば、中空糸膜溶解槽に流入する超純水と供給された機能性ガスは、それぞれ中空糸膜溶解槽の液相部と気相部に一定時間滞留するので、機能性ガスの供給量の変動や若干の時間的遅れに対して緩衝機能を発揮し、溶解した機能性ガスの濃度の変動の少ない機能水を安定して製造することができる。
【0041】
機能性ガス供給装置16は、例えば、機能性ガスを発生ないし貯蔵する機能性ガス貯蔵装置に、機能性ガスの供給流量を調節するマスフローコントローラを備えて構成される。
【0042】
この場合、制御装置18が、機能性ガス供給装置16の機能性ガスの供給流量を制御する。例えば、水圧センサー17の測定値に基づいて、制御装置18が機能性ガス供給装置16に備えられるマスフローコントローラによる機能性ガスの供給流量を制御する。これにより、所望の濃度の機能水が製造されるように、機能性ガス供給装置16から溶解装置13へ機能性ガスが供給される。
【0043】
機能性ガスとしては、例えば、水素ガス、酸素ガス、窒素ガス、オゾンガス、二酸化炭素ガス等の機能性ガスを用いることができる。機能性ガスとして水素ガス、酸素ガスなどを溶解した機能水によれば、電子材料の表面に付着した微粒子を除去することができる。機能性ガスとしてオゾンガスなどを溶解した機能水によれば、電子材料の表面に付着した有機物と金属分を除去することができる。機能性ガスとして二酸化炭素ガスを溶解した機能水によれば、被洗浄物表面における静電気の発生を防止することができる。機能性ガスとしては、水素ガスが好適である。
【0044】
このようにして溶解装置13で生成される機能水は、例えば機能性ガスが水素ガスである場合、25℃、1気圧下での溶存水素濃度が、好ましくは0.1mg/L以上、より好ましくは0.5mg/L〜1.5mg/L、さらに好ましくは1.0mg/L〜1.2mg/Lである。生成される機能水の流量は、例えばウエハの洗浄用途においては1枚当たり、0.5L/min〜2L/minとなるようにする。
【0045】
また、溶解装置13における機能性ガスの溶解性を高めるために、予め、溶解装置13に供給される超純水中の溶存酸素、溶存窒素等のうち、機能性ガス以外の溶存ガスが除去されることが好ましい。この場合、例えば、溶解装置13に供給される超純水中の溶存酸素濃度は0.1mg/L以下程度に低減されることが好ましい。このため、溶解装置13と給水ポンプ12の間に、脱ガス装置を備えることが好ましい。この脱ガス装置としては、ガス透過膜を備える真空脱気装置等が好適に用いられる。
【0046】
上述のようにして本実施形態の機能水製造装置1で得られた所定濃度の機能水は、機能水供給配管14を介して、電子材料用の洗浄装置、表面処理装置等のユースポイント15へ供給され、使用される。機能水製造装置1によれば、超純水製造装置100からの超純水の供給圧が変動した場合にも機能水を一定の供給圧でユースポイントへ送給することができる。これは、次の作用による。
【0047】
一般的に、給水ポンプの吐出圧のフィードバック制御では、二次側に変動が現れて初めて給水ポンプのモーターの回転周波数が制御されるため、タイムラグによる制御値の乱れ(オーバーシュート)が生じやすい。特に一次側の水圧変動が大きい場合、制御値の乱れが増幅して、目標値に安定化させるのに時間がかかる。
【0048】
実施形態の機能水製造装置では、給水ポンプ12の直前に減圧弁11を配置することで、給水ポンプ12の一次側の水圧が、上記のように略一定の水圧に維持される。そのため、二次側の水圧変動が小さくなるため、給水ポンプ12のフィードバック制御における制御値の乱れを極めて小さくすることができる。このようにして、溶解装置13への超純水の供給水圧が略一定に維持される。
【0049】
さらに、実施形態の機能水製造装置1ではフィードバック制御において、水圧センサー17による機能水の水圧の測定値を使用していることも有益である。一般的に、水圧センサー17は、流量センサーに比べて、測定時間が短く、測定精度も高いため、応答性に優れている。そのため、水圧センサー17による水圧測定から、給水ポンプ12のモーター制御までのタイムラグや、水圧センサー17における測定誤差による制御値への影響が少なく、給水ポンプ12の吐出圧が的確に制御される。
【0050】
このように、本実施形態の機能水製造装置によれば、給水ポンプの直前に減圧弁を配置することで、給水ポンプの吐出圧を安定化させることができる。そのため、機能水のユースポイントへの供給水圧を安定的に維持することができる。また、機能水の水圧に基づいて、溶解装置13への超純水の供給水圧及び機能性ガスの供給流量を制御するため、流量制御を行う場合に比べて、安定した機能水のユースポイントへの供給圧の制御が可能である。
【0051】
次に、第2の実施形態の機能水製造装置2について説明する。図4は機能水製造装置2を概略的に示すブロック図である。図4に示す機能水製造装置2は、図1に示す機能水製造装置1と、減圧弁11及び給水ポンプ12の順序が異なっているが、その他の構成は同様である。そのため、図4において、図1と同様の機能を奏する構成には同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0052】
機能水製造装置2において、給水ポンプ12は、超純水製造装置から供給される超純水を所定の水圧に加圧する。例えば、超純水の供給圧が平常時250kPa〜300kPaである場合、給水ポンプの吐出圧は、超純水の圧力より30kPa高い圧力〜350kPaに設定される。給水ポンプ12での加圧量は、下流側の減圧弁11における減圧量によるが、30kPa〜200kPaに設定されることが好ましい。
【0053】
そして、給水ポンプ12で加圧された超純水は減圧弁11で減圧される。減圧弁11から流出される超純水の水圧は、235kPa〜265kPaの範囲であることが好ましく、250kPa程度であることがより好ましい。このように設定することで、減圧弁11から流出される超純水の水圧は、前記好ましい値から±5%の範囲内で略一定に保たれる。このため、上記減圧弁11の流出圧(二次側)は、給水ポンプ12に供給される水圧よりも、好ましくは20kPa〜200kPaの範囲、より好ましくは40kPa〜150kPa程度で低下するように設定する。なお、本実施形態では給水ポンプ12における加圧量が小さければ、減圧弁11における減圧量も小さくてよい。
【0054】
減圧弁11における一次側と二次側の差圧は、給水ポンプ12の最大加圧量(最大吐出揚程)の45%〜55%の範囲の値であることが好ましく、50%〜55%の範囲の値であることがより好ましい。最大加圧量の45%以上であれば、水圧が十分に減圧され、給水ポンプ12の吐出圧の安定性を向上させる。55%以下であれば、給水ポンプ12で超純水が十分に加圧されるので、機能水の水圧の安定性を向上させる。
【0055】
このように、本実施形態の機能水製造装置によれば、給水ポンプの直後に減圧弁を配置することで、溶解装置への超純水の供給水圧を安定化させることができる。そのため、機能水のユースポイントへの供給水圧を安定的に維持することができる。また、機能水の水圧に基づいて、溶解装置13への超純水の供給水圧及び機能性ガスの供給流量を制御するため、流量制御を行う場合に比べて、安定した機能水のユースポイントへの供給圧の制御が可能である。
【実施例】
【0056】
(実施例1)
減圧弁(セキスイ社製、TYPE755)及び給水ポンプ(レヴィトロ二クス社製、BPS−600)を順に用い、超純水を、水素ガスを溶解させる溶解装置(中空糸膜式溶解装置、型番G284、メンブラーナ社製)に給水した。この溶解装置に超純水を流量20L/minで供給し、製造される水素水中の水素濃度を1.2mg/Lに設定して水素ガスを供給し、水素水を製造した。水素ガスの供給流量は290mL/minであった。水素水の水圧を水圧センサーで測定し、給水ポンプの吐出圧が0.25MPaになるように給水ポンプの吐出圧をフィードバック制御した。減圧弁の超純水の流出圧を0.2MPaに設定した。減圧弁への超純水の供給圧は、0.24MPaの略一定にしておき、一時的に低下させた後、増加させて、減圧弁出口側の超純水の水圧(=給水ポンプ入り口側の超純水の水圧)及び溶解装置から流出される水素水の水圧変動を調べた。結果を図5に示す。
【0057】
図5に示されるように、給水ポンプの前段に減圧弁を配置することで、減圧弁への供給水圧が変動した場合にも、水素水の水圧が安定的に保たれることが分かる。
【0058】
(比較例1)
減圧弁を用いずに、給水ポンプのみを用いた他は実施例1と同様に、超純水を溶解装置に給水した。この際、給水ポンプの吐出圧が0.25MPaになるように給水ポンプの吐出圧をフィードバック制御した。給水ポンプへの超純水の供給圧を0.2MPaの略一定にしておき、ここから、約5秒間、一時的に低下させて、この際の水素水の水圧の変動を調べた。結果を図6に示す。
【0059】
(比較例2)
減圧弁を用いずに、給水ポンプのみを用いた他は実施例1と同様に、超純水を溶解装置に給水した。この際、給水ポンプの吐出圧が0.25MPaになるように給水ポンプの吐出圧をフィードバック制御した。給水ポンプへの超純水の供給圧を0.2MPaの略一定にしておき、ここから、約50秒間、一時的に低下させた後、増加させて、水素水の水圧の変動を調べた。結果を図7に示す。
【0060】
図6、7より、減圧弁を用いない場合、給水ポンプへの給水圧が変動した際には、水素水の水圧が変動することが分かる。
【0061】
(実施例2)
実施例1と同様の減圧弁及び給水ポンプを順に用い、超純水を、実施例1と同様の溶解装置に給水し、実施例1と同様に超純水に水素ガスを溶解させて水素水を製造した。水素水の水圧を水圧センサーで測定し、給水ポンプの吐出圧が0.25MPaになるように給水ポンプの吐出圧をフィードバック制御した。減圧弁への超純水の供給圧は、0.25MPaの略一定にしておき、段階的に徐々に0.19MPaまで低下させた後、増加させて、0.25MPaに戻した。この際の、減圧弁出口側の超純水の水圧(=給水ポンプ入り口側の超純水の水圧)及び溶解装置から流出される水素水の水圧変動を調べた。結果を図8に示す。
【0062】
図8に示されるように、減圧弁への超純水の供給圧が0.19MPaと、減圧弁の流出圧の設定値を下回った際には、水素水の水圧は、微小な変動がみられるものの、±5%の範囲で安定的にほぼ一定に保たれることが分かる。
【0063】
(実施例3)
実施例1と同様の減圧弁及び給水ポンプを順に用い、超純水を、実施例1と同様の溶解装置に給水し、実施例1と同様に超純水に水素ガスを溶解させて水素水を製造した。水素水の水圧を水圧センサーで測定し、給水ポンプの吐出圧が0.25MPaになるように給水ポンプの吐出圧をフィードバック制御した。減圧弁の流出圧は0.2MPaに設定した。減圧弁への超純水の供給圧は、0.25MPaの略一定にしておき、段階的に徐々に0.19MPaまで低下させた後、増加させて、0.25MPaに戻した。この際の、減圧弁出口側の超純水の水圧(=給水ポンプ入り口側の超純水の水圧)及び溶解装置から流出される水素水の水圧変動を調べた。結果を図9に示す。
【0064】
図9に示されるように、減圧弁の流出圧は0.1MPaと、超純水の供給圧よりも150kPa小さいかったため、水素水の水圧の水圧は、目標値の0.25MPaに達していないが、水素水の水圧には安定的に一定に保たれることが分かる。
【0065】
流体の圧力制御においては、流体を加圧する場合はポンプのみ、減圧する場合は減圧弁のみが単独で使用されるのが一般的であり、両者を併用することは通常行われない。これは、一般的には、ポンプ又は減圧弁のいずれか単独で、流体の圧力はほぼ一定に保たれるからである。ここで、機能水は、使用場所での水圧が一定であることが必要であるが、超純水に機能性ガスを溶解させる溶解装置においては、ポンプ又は減圧弁のいずれか単独で超純水が供給される場合、超純水の供給源である超純水製造装置の供給圧力の変動によって、溶解装置から流出される機能水の流水圧が変動してしまう。
【0066】
これに対し、各実施例で示されるように、本実施形態の機能水製造装置によれば、給水ポンプと減圧弁を併用することで、溶解装置への超純水の供給水圧を安定化させることができる。そのため、機能水の供給水圧を安定的に維持することができる。このように、2つの装置を組み合わせることによって、圧力が安定するという、著しい効果があることが確認された。
【符号の説明】
【0067】
1…機能水製造装置、11…減圧弁、12…給水ポンプ、13…溶解装置、14…機能水供給配管、15…ユースポイント、16…機能性ガス供給装置、17…水圧センサー、18…制御装置、100…超純水製造装置、101…循環配管、102…超純水供給配管、103…ユースポイント、131…溶解装置、132…中空糸膜溶解槽、133…外側、134…内側、135…ガス供給管、136…被処理水供給管、136…超純水供給配管、減圧工程…S1、加圧工程…S2、溶解工程…S3、水圧測定工程…S4。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9