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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-133608(P2017-133608A)
(43)【公開日】2017年8月3日
(54)【発明の名称】配管吊下支持具
(51)【国際特許分類】
   F16L 3/08 20060101AFI20170707BHJP
   F16L 3/14 20060101ALI20170707BHJP
   F16L 3/12 20060101ALI20170707BHJP
   F16B 2/08 20060101ALI20170707BHJP
   F16B 7/04 20060101ALI20170707BHJP
   F16F 15/02 20060101ALI20170707BHJP
【FI】
   F16L3/08 C
   F16L3/14 B
   F16L3/12 B
   F16B2/08 H
   F16B7/04 301G
   F16F15/02 N
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-14346(P2016-14346)
(22)【出願日】2016年1月28日
(11)【特許番号】特許第6160719号(P6160719)
(45)【特許公報発行日】2017年7月12日
(71)【出願人】
【識別番号】507367758
【氏名又は名称】有限会社アールストーン
(74)【代理人】
【識別番号】100073210
【弁理士】
【氏名又は名称】坂口 信昭
(74)【代理人】
【識別番号】100173668
【弁理士】
【氏名又は名称】坂口 吉之助
(72)【発明者】
【氏名】渋谷 隆次郎
【テーマコード(参考)】
3H023
3J022
3J039
3J048
【Fターム(参考)】
3H023AA05
3H023AB04
3H023AC04
3H023AC08
3H023AC34
3J022DA11
3J022DA17
3J022EA33
3J022EB14
3J022EC17
3J022EC22
3J022FA01
3J022FB06
3J022FB12
3J022FB22
3J022GB45
3J022GB53
3J039AA05
3J039BB01
3J039CA04
3J039GA03
3J048AA07
3J048AB01
3J048AD10
3J048CB09
3J048DA07
3J048EA29
(57)【要約】      (修正有)
【課題】現場での部品管理や装着時の手間等が増すことなくコストアップを抑制することができ、且つ強い横揺れに対しても防振(防震)性を発揮することができ、しかも軽量な合成樹脂管の抱持支持に適しており、更に複数本の配管を並列状態で支持する場合であっても有効な配管吊下支持具を提供する。
【解決手段】配管Pを、天井スラブ等の取付面から2点又は3点支持する配管吊下支持具において、吊りボルト3から吊下支持され、第1の配管を抱持する第1配管支持具1が、バンド抱持部には横方向外側に切起した上方側係止部と下方側係止部とが重合した重合係止部が形成されており、この重合係止部に、第2配管PPを抱持する第2配管支持具4が重連状態で接続取付され、第2配管支持具の吊下係止部に、取付面から吊下げられる1本又は2本の吊下支持杆5を挿通固定して2点又は3点支持された状態とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配管を抱持するバンド抱持部と該バンド抱持部の上端部に連接されたバンド端部を有する配管支持具であって、抱持した配管を、天井スラブ等の取付面から2点又は3点支持する配管吊下支持具において、
配管支持具本体である第1配管支持具が、2つのバンド抱持部によって配管を抱持可能であり、該2つのバンド抱持部の下端部分を組式又は蝶番式の如き接続部により拡開可能に接続され、前記バンド端部がタンバックルの如き吊下接続部材に接続されることで吊りボルトからの吊下げが可能な構成の配管支持バンドから成り、
前記2つのバンド抱持部の各々について、
該バンド抱持部の略中央部より上方部分を該略中央部を基点として切起された状態で横方向外側に延伸する上方側取付部が形成され、
且つ、該バンド抱持部の略中央部より下方部分を該略中央部を基点として切起された状態で横方向外側に延伸する下方側取付部が形成され、
この横方向外側に切起した上方側取付部と下方側取付部とが重合された状態で重合取付部が形成され、
更に、この重合取付部の重合した部分にボルトの如き固定手段を挿通する透孔が貫通形成され、
この重合取付部に、別なる配管支持具である第2配管支持具が重連状態で接続取付されて該第2配管支持具に別なる配管である第2配管の抱持支持が可能である構成であり、
該第2配管支持具が、第2バンド抱持部によって第2配管を抱持可能であり、該第2バンド抱持部の上端部に連設された重連用取付部と、該第2バンド抱持部の下端部分に設けられた吊下用係止部と、を有して成り、
前記重連用取付部が、ボルトの如き固定手段を挿通する透孔が形成され、この重連用取付部を前記第1配管支持具の重合取付部に前記固定手段を用いて取付固定して重連状態での接続取付が可能な構成であり、
前記吊下係止部が、前記取付面に一端が固定されて吊下げられる1本又は2本の吊りボルトの如き吊下支持杆を挿通する透孔が形成され、この吊下係止部の透孔に前記吊下支持杆の他端を挿通固定して2点又は3点支持された状態とする構成であること、
を特徴とする配管吊下支持具。
【請求項2】
前記重合取付部の各々が、外側斜め下方に向かった状態で延伸する構成であることを特徴とする請求項1に記載の配管吊下支持具。
【請求項3】
前記重合取付部の各々が、前記した略中央部の基点から外側斜め上方に向かって延伸すると共に、この延伸した部分の中途部分であって且つ前記透孔よりも基点つ側の部分において折曲られた状態又は湾曲された状態で外側斜め下方に向かった状態で延伸する構成であることを特徴とする請求項1に記載の配管吊下支持具。
【請求項4】
前記重合取付部の各々が、前記した略中央部の基点から外側水平方向に向かって延伸すると共に、この延伸した部分の中途部分であって且つ前記透孔よりも基点側の部分において折曲られた状態又は湾曲された状態で外側斜め下方に向かった状態で延伸する構成であることを特徴とする請求項1に記載の配管吊下支持具。
【請求項5】
前記上方側取付部と前記下方側取付部の各々が、その基点部分から前記バンド抱持部の外周面に沿って折り返し横方向外側に延伸するように折曲された状態で重合された構成であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の配管吊下支持具。
【請求項6】
前記第2配管支持具が、
両端が接触又は近接して略円形を成して前記第2配管を抱持する第2バンド抱持部と、
該第2バンド抱持部の両端部の各々に連設され、前記第1配管支持具の重合取付部に接続取付けする重連用取付部と、
前記第2バンド抱持部の下端部分に垂設する1枚又は2枚の吊下係止部と、
を有する構成であり、
この1枚又は2枚の吊下係止部は、前記下端部分の1箇所又は平行する2箇所を基端として該下端部分より端部方向部分の切り起された状態で該下端部分から垂設する構成であり、
更にこの1枚又は2枚の吊下係止部には、前記吊下支持杆を挿通する透孔が形成された構成であること、
を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の配管吊下支持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は配管吊下支持具に関し、詳しくは天井スラブ等の取付面に、1〜3本の水道管、ガス管、冷・暖房管等の各種配管を2点又は3点吊下支持する配管吊下支持具に関する。
【背景技術】
【0002】
天井スラブ等の取付面に吊りボルト等の支持部材による吊下支持に加えて前記取付面から斜めに垂設した1本又は2本の吊下支持杆を付加すること等によって2点支持乃至は3点吊下支持したり、或いは2本の吊下支持杆によって2点吊下支持することで防振(防震)構造とした技術としては、例えば、特許文献1〜3に記載のもの等が知られている。
【0003】
特許文献1に示す技術では、従来構成のままの既存のタンバックル及び配管支持具に装着することで3点吊下支持可能な技術であるが、他部材である2枚の板状部材を必要とするため、かかる部品点数の増加によって現場での部品管理の煩雑さや装着時の手間等が新たに加わることとなっている。
【0004】
特許文献2及び3に示す技術は、配管支持具のバンド抱持部の外面に吊下支持杆との係合部が設けられているため、新たな部材の追加の問題はなく部品管理等の煩雑さ等は無いが、配管支持具自体のコストが上昇せざるを得ない。
【0005】
以上のことから、現場での部品管理や装着時の手間等が増すことなく、コストアップを抑制することができる配管吊下支持具の要請があることが判った。
【0006】
更に本発明者が当該技術について鋭意研究を続けたところ、強い横揺れが発生した場合、配管を抱持した状態で取付面から吊下げられる配管支持具は、取付面と吊りボルトとの接続部、吊りボルトとタンバックルとの接続部、タンバックルと配管支持具との接続部からバンド抱持部の上端部分までの部分、等の箇所に負荷がかかり、特に配管を抱持する部分の直上であるバンド抱持部の上端部分に大きな負荷がかかることが判った。
【0007】
本発明者の研究によれば、前記特許文献1〜3に示す技術では強い横揺れが発生した際には、取付面と吊りボルトとの接続部、吊りボルトとタンバックルとの接続部、タンバックルと配管支持具との接続部については防振(防震)性を発揮することができるが、バンド抱持部の上端部分での防振(防震)性については不充分な場合があることが判った。
【0008】
そこで本発明者は、配管を抱持するバンド抱持部の一部を切り起して切起し係止部を形成し、この切起し係止部に、取付面から吊下げられた1本又は2本の吊下げ支持杆を係合可能とすることにより、2点又は3点吊下げ支持可能な配管吊下支持具を先に提案した(特許文献4〜6参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2004−150452号
【特許文献2】実用新案登録第2524340号
【特許文献3】登録実用新案第3148361号
【特許文献4】登録実用新案第3153185号
【特許文献5】登録実用新案第3153545号
【特許文献6】登録実用新案第3153546号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明者はかかる技術について更に研究を進めたところ、近年、配管類として鋼管に代わって合成樹脂管(ポリエチレン管、架橋ポリエチレン管、ポリブデン管、塩化ビニル管、プロピレン管、ABS管等)が用いられるようになってきており、今後、大部分の配管類が鋼管から合成樹脂管に代わることが予想されている。
【0011】
合成樹脂管は、高い耐蝕性を有し、しかも鋼管と同等乃至同等以上の耐熱性及び耐衝撃性を有するのに鋼管に比して軽量であり、更に加工が容易であるため、取扱性等の点で優れている。
【0012】
本発明者は、かかる合成樹脂管の配管支持技術について鋭意研究を続けたところ、合成樹脂管は上記したように軽量であるため、従来の鋼管用の支持具が求められるほどの堅牢度・強度等が不要であることを見出した。また、複数本の並列状態で支持する場合においても同様である。
【0013】
そこで本発明の課題は、現場での部品管理や装着時の手間等が増すことなくコストアップを抑制することができ、且つ強い横揺れに対しても防振(防震)性を発揮することができ、しかも軽量な合成樹脂管の抱持支持に適しており、更に複数本の配管を並列状態で支持する場合であっても有効な配管吊下支持具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決する本発明は下記構成を有する。
【0015】
1.配管を抱持するバンド抱持部と該バンド抱持部の上端部に連接されたバンド端部を有する配管支持具であって、抱持した配管を、天井スラブ等の取付面から2点又は3点支持する配管吊下支持具において、
配管支持具本体である第1配管支持具が、2つのバンド抱持部によって配管を抱持可能であり、該2つのバンド抱持部の下端部分を組式又は蝶番式の如き接続部により拡開可能に接続され、前記バンド端部がタンバックルの如き吊下接続部材に接続されることで吊りボルトからの吊下げが可能な構成の配管支持バンドから成り、
前記2つのバンド抱持部の各々について、
該バンド抱持部の略中央部より上方部分を該略中央部を基点として切起された状態で横方向外側に延伸する上方側取付部が形成され、
且つ、該バンド抱持部の略中央部より下方部分を該略中央部を基点として切起された状態で横方向外側に延伸する下方側取付部が形成され、
この横方向外側に切起した上方側取付部と下方側取付部とが重合された状態で重合取付部が形成され、
更に、この重合取付部の重合した部分にボルトの如き固定手段を挿通する透孔が貫通形成され、
この重合取付部に、別なる配管支持具である第2配管支持具が重連状態で接続取付されて該第2配管支持具に別なる配管である第2配管の抱持支持が可能である構成であり、
該第2配管支持具が、第2バンド抱持部によって配管を抱持可能であり、該第2バンド抱持部の上端部に連設された重連用取付部と、該第2バンド抱持部の下端部分に設けられた吊下用係止部と、を有して成り、
前記重連用取付部が、ボルトの如き固定手段を挿通する透孔が形成され、この重連用取付部を前記第1配管支持具の重合取付部に前記固定手段を用いて取付固定して重連状態での接続取付が可能な構成であり、
前記吊下係止部が、前記取付面に一端が固定されて吊下げられる1本又は2本の吊りボルトの如き吊下支持杆を挿通する透孔が形成され、この吊下係止部の透孔に前記吊下支持杆の他端を挿通固定して2点又は3点支持された状態とする構成であること、
を特徴とする配管吊下支持具。
【0016】
2.前記重合取付部の各々が、外側斜め下方に向かった状態で延伸する構成であることを特徴とする上記1に記載の配管吊下支持具。
【0017】
3.前記重合取付部の各々が、前記した略中央部の基点から外側斜め上方に向かって延伸すると共に、この延伸した部分の中途部分であって且つ前記透孔よりも基点側の部分において折曲られた状態又は湾曲された状態で外側斜め下方に向かった状態で延伸する構成であることを特徴とする上記1に記載の配管吊下支持具。
【0018】
4.前記重合取付部の各々が、前記した略中央部の基点から外側水平方向に向かって延伸すると共に、この延伸した部分の中途部分であって且つ前記透孔よりも基点側の部分において折曲られた状態又は湾曲された状態で外側斜め下方に向かった状態で延伸する構成であることを特徴とする上記1に記載の配管吊下支持具。
【0019】
5.前記上方側取付部と前記下方側取付部の各々が、その基点部分から前記バンド抱持部の外周面に沿って折り返し横方向外側に延伸するように折曲された状態で重合された構成であることを特徴とする上記1〜4のいずれかに記載の配管吊下支持具。
【0020】
6.前記第2配管支持具が、
両端が接触又は近接して略円形を成して前記第2配管を抱持する第2バンド抱持部と、
該第2バンド抱持部の両端部の各々に連設され、前記第1配管支持具の重合取付部に接続取付けする重連用取付部と、
前記第2バンド抱持部の下端部分に垂設する1枚又は2枚の吊下係止部と、
を有する構成であり、
この1枚又は2枚の吊下係止部は、前記下端部分の1箇所又は平行する2箇所を基端として該下端部分より端部方向部分の切り起された状態で該下端部分から垂設する構成であり、
更にこの1枚又は2枚の吊下係止部には、前記吊下支持杆を挿通する透孔が形成された構成であること、
を特徴とする上記1〜5のいずれかに記載の配管吊下支持具。
【0021】
本明細書において、「上方」、「上端」、「下方」、「下端」の上下位置を示す語は、本発明の配管支持バンドが取り付けられる取付面を基準にして、該取付面に近い位置を「上」とし、該取付面から離れた位置を「下」としている。
即ち、吊下支持に用いる場合の「上方」「上端」は文字通りの「上」であり、「下方」「下端」は文字通りの「下」であるが、床面からの立上支持に用いる場合の「上方」「上端」は文字通りとは正反対の「下」となり、「下方」「下端」は文字通りとは正反対の「上」となる。また、壁面からの立上支持に用いる場合の「上方」「上端」は壁面に近い側であり、「下方」「下端」は壁面から遠い位置である。
【発明の効果】
【0022】
請求項1に示す発明によれば、現場での部品管理や装着時の手間等が増すことなくコストアップを抑制することができ、且つ強い横揺れに対しても防振(防震)性を発揮することができ、しかも軽量な合成樹脂管の抱持支持に適しており、更に複数本の配管を並列状態で支持する場合であっても有効な配管吊下支持具を提供することができる。
【0023】
特に、吊りボルトによる吊下支持に加えて、横揺れに対する防振(防震)性を発揮する吊下支持杆を、第2配管支持具のバンド抱持部に形成した吊下係止部に挿通固定する構成によって、配管を抱持する部分であるバンド抱持部の最大振れ幅箇所となる真横部を支持することになるので、極めて効果的に横揺れに対する防振(防震)性を発揮させることができる。従って、横揺れ時に生じる、取付面と吊りボルトとの接続部、吊りボルトとタンバックルとの接続部、タンバックルと配管支持具との接続部からバンド抱持部の上端部分までの部分、等の各箇所への負荷を著しく減じることができ、極めて強力な耐震性を発揮させることができる。
【0024】
特に、重合取付部は、バンド抱持部を切り起こすだけで加工可能であるため、別部材を付加することもないし、切取加工等によって廃棄が必要となる部材も生じることもなく、低コスト化が可能な上に環境適性にも優れている。
【0025】
更に、重合取付部は、上方側取付部と下方側取付部とを重合させた2枚構成を有するので1枚構成に比して強度が増すことになり、別なる配管である第2配管を安定した状態で抱持支持することができる。
【0026】
請求項2に示す発明によれば、重合取付部の角度を調整することにより吊下支持杆との係合角度等を施工現場の状況に合わせて容易に調整することができる。
【0027】
請求項3に示す発明によれば、重合取付部の角度を調整することにより吊下支持杆との係合角度等を施工現場の状況に合わせて容易に調整することができる。特に、この重合取付部の角度の調整は、切起し部分の切起し角度と中途部分の折曲角度又は彎曲角度の二箇所で調整することができるので調整の自由度が極めて高い。
【0028】
更に、重合取付部が中途部分で折曲又は彎曲する構成によって、この折曲又は彎曲した中途部分が横揺れ時に緩衝機能を発揮することになるので振動(震動)を吸収することができる。従って、極めて高い防振(防震)効果を発揮することができる。
【0029】
請求項4に示す発明によれば、重合取付部の角度を調整することにより吊下支持杆との係合角度等を施工現場の状況に合わせて容易に調整することができる。特に、この重合重合部の角度の調整は、切起し部分の切起し角度と中途部分の折曲角度又は彎曲角度の二箇所で調整することができるので調整の自由度が極めて高い。
【0030】
更に、重合取付部が中途部分で折曲又は彎曲する構成によって、この折曲又は彎曲した中途部分が横揺れ時に緩衝機能を発揮することになるので振動(震動)を吸収することができる。従って、極めて高い防振(防震)効果を発揮することができる。
【0031】
請求項5に示す発明によれば、重合取付部の基点部分の強度低下を抑制することができる。
【0032】
請求項6に示す発明によれば、第2バンド抱持部の一部を切り起こすだけで吊下支持部が加工可能であるため、別部材を付加することもないし、切取加工等によって廃棄が必要となる部材も生じることもなく、低コスト化が可能な上に環境適性にも優れている。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明に係る配管吊下支持具の使用状態の第1実施例を示す概略正面図
図2図1の配管吊下支持具の第1配管支持具のみを示す5面図(正面図、平面図、底面図、左側面図、A−A断面図)
図3】重合取付部の一例を示す要部拡大断面図
図4】第2配管支持具の一例を示す5面図(正面図、平面図、底面図、左側面図、B−B段面図)
図5】本発明に係る配管吊下支持具の使用状態の第2実施例を示す概略正面図
図6】本発明に係る配管吊下支持具の使用状態の第3実施例を示す概略正面図
【発明を実施するための形態】
【0034】
次に、添付の図面に従って本発明を詳細に説明する。
【0035】
本発明に係る配管吊下支持具は、1〜3本の給水管、給湯管、排水管等の種々配管を、天井スラブに垂設固定された吊りボルトと更に前記天井スラブから斜めに垂設した1本又は2本の吊下支持杆によって防振(防震)状態で2点支持乃至は3点吊下支持するものである。
【0036】
固定支持する種々の配管としては、従来一般的であった鋼管に代わって近年多く用いられるようになった合成樹脂管(ポリエチレン管、架橋ポリエチレン管、ポリブデン管、塩化ビニル管、プロピレン管、ABS管等)の固定支持に本発明は特に有効である。尚、本発明は合成樹脂管の固定支持に特に有効であるが、従来の鋼管の固定支持も可能であり、固定支持する配管として鋼管を排除するものではない。
【0037】
本発明の配管吊下支持具の具体的構成としては、図1及び図2に示すように、配管Pを抱持するバンド抱持部11と該バンド抱持部11の上端部に連接されたバンド端部13を有する配管支持具であって、抱持した配管Pを、天井スラブ等の取付面2から2点又は3点支持するものであり、
配管支持具本体である第1配管支持具1が、2つのバンド抱持部11・11によって配管Pを抱持可能であり、該2つのバンド抱持部11・11の下端部分を組式又は蝶番式の如き接続部12により拡開可能に接続され、前記バンド端部13がタンバックルの如き吊下接続部材31に接続されることで吊りボルト3からの吊下げが可能な構成の配管支持バンドから成り、
前記2つのバンド抱持部11・11の各々について、
該バンド抱持部11の略中央部より上方部分を該略中央部を基点として切起された状態で横方向外側に延伸する上方側取付部14Aが形成され、
且つ、該バンド抱持部11の略中央部より下方部分を該略中央部を基点として切起された状態で横方向外側に延伸する下方側取付部14Bが形成され、
この横方向外側に切起した上方側取付部14Aと下方側取付部14Bとが重合された状態で重合取付部14が形成されており、
更に、この重合取付部14の重合した部分にボルトの如き固定手段(本実施例ではボルト・ナット17)を挿通する透孔15が貫通形成され、
この重合取付部14に、別なる配管支持具である第2配管支持具4が重連状態で接続取付されて該第2配管支持具4に別なる配管である第2配管PPの抱持支持が可能な構成であり、
該第2配管支持具4が、第2バンド抱持部41によって第2配管PPを抱持可能であり、該第2バンド抱持部41の上端部に連設された重連用取付部43と、該第2バンド抱持部41の下端部分に設けられた吊下用係止部44と、を有して成り、
前記重連用取付部43が、ボルトの如き固定手段(本実施例ではボルト・ナット17)を挿通する透孔45が形成され、この重連用取付部43を前記第1配管支持具1の重合取付部14に前記固定手段(本実施例ではボルト・ナット17)を用いて取付固定して重連状態での接続取付が可能な構成であり、
前記吊下係止部44が、前記取付面2に一端が固定されて吊下げられる1本又は2本(本実施例では2本)の吊りボルトの如き吊下支持杆5を挿通する透孔46が形成され、この吊下係止部44の透孔46に前記吊下支持杆5の他端を挿通しナット51により固定して2点又は3点支持(本実施例では3点支持)された状態とする構成である。
【0038】
尚、図2に示す符号11A・11Bは、上方側取付部14A・下方側取付部14Bが切り起こされることで孔部となったバンド抱持部11の被切起し孔部である。尚また、図2に示す符号16は、吊下接続部材31にバンド端部13を接続固定するためのボルト・ナットである。
【0039】
以下、本発明の構成について更に詳説する。
【0040】
本発明の配管支持具を構成する第1配管支持具1及び第2配管支持具4の各々は、この種の配管支持具に用いられる材料として公知公用のものを特別の制限なく用いることができ、好ましくはステンレスやその他の金属製である。
【0041】
重合取付部14を構成する上方側取付部14Aと下方側取付部14Bの各々は、バンド抱持部11の略中央部を基点として切起してから外側に方向に向かって立ち上げる際に、図3に示すように、各々の基点部分から前記バンド抱持部11・11の外周面に沿って折り返してから横方向外側に延伸するように折り曲げて重合される構成とすることが好ましい。図3に示す符号14Cは、バンド抱持部11の外周面に沿って折り返した折り返し部である。かかる構成によれば、上方側取付部14A・下方側取付部14Bの基点部分の強度低下を抑制することができる。
【0042】
更に、重合取付部14を構成する上方側取付部14Aと下方側取付部14Bの各々について、各々の切起した基点部分をスポット溶接の如き補強手段を用いて補強する構成が好ましく、かかる構成によれば、切起し部分の破断や裂けを抑制できるので、この切起した起点部分の強度を高くすることができる。
【0043】
更にまた、重合取付部14を構成する上方側取付部14Aと下方側取付部14Bとは、その重合部分をスポット溶接の如き接合手段を用いて接合する構成が好ましく、かかる構成によれば、重合取付部14の重合部分の強度を高くすることができる。
【0044】
重合取付部14の延伸方向構成としては、図1及び図2に示す本第1実施例では、第1配管支持具1の重合取付部14・14の各々が、バンド抱持部11・11の各々の略中央部の基点から外側斜め下方に向かって延伸した形状を有する構成となっている。かかる構成によれば、重合取付部14・14の基点部分からの切起し角度を調整することにより第2配管支持具4による第2配管PPの抱持固定位置を所望の高さに調整することができる。
【0045】
また、図1に示す配管吊下支持具の第1実施例に用いられている第2配管支持具4は、図4に示す構成を有している。
即ち、第2配管支持具4が、
両端が接触又は近接して略円形を成して前記第2配管を抱持する第2バンド抱持部41と、
該第2バンド抱持部41の両端部の各々に連設され、前記第1配管支持具1の重合取付部14に接続取付けする重連用取付部43・43と、
前記第2バンド抱持部41の下端部分に垂設する1枚又は2枚(本実施例では2枚)の吊下係止部44・44と、
を有する構成であり、
この吊下係止部44・44は、前記下端部分の1箇所又は平行する2箇所(本実施例では2箇所)を基端として該下端部分より端部方向部分の切り起された状態で該下端部分から垂設する構成であり、
更にこの吊下係止部44・44には、前記吊下支持杆5を挿通する透孔46が形成された構成である。
【0046】
尚、図4に示す符号44Aは、吊下係止部44が切り起こされることで孔部となった第2バンド抱持部41の被切起し孔部である。
【0047】
上記構成を有する本第1実施例の使用に際しては、図1に示すように、天井スラブ等の取付面2に一端が固定された吊りボルト3にタンバックルの如き吊下接続部材31を介してバンド端部13をボルト・ナット16により固定することで第1配管支持具1を前記取付面2に吊下支持し、この第1配管支持具1の重合取付部14・14に第2配管支持具4・4の重連用取付部43・43をボルト・ナット17・17により固定することで前記第1配管支持具1に第2配管支持具4・4を重連状態で接続取付し、次に、この第2配管支持具4・4の吊下係止部44・44に、前記取付面2に一端が固定され、斜め吊下げする2本の公知公用の吊りボルトの如き吊下支持杆5・5の他端をナット51・51を用いて係合することによって、第1配管支持具1によって1本の配管Pを抱持支持すると共に、2つの第2配管支持具4によって2本の第2配管PPを抱持した状態で、且つ吊りボルト3と2本の吊下支持杆5・5による3点吊下支持が可能となる。
【0048】
以上、本発明に係る配管吊下支持具の実施例について説明したが、本発明は上記実施例に限定されず、本発明の範囲内において種々の他の態様を採ることもできる。
【0049】
例えば、図5に示す第2実施例では、第1配管支持具1の重合取付部14・14の各々が、バンド抱持部11・11の各々の略中央部の基点から外側斜め上方に向かって延伸すると共に、この延伸した部分の中途部分14Dであって且つ前記透孔15よりも基点側の部分から外側斜め下方に向かって折曲又は彎曲する構成となっている。かかる構成によれば、重合取付部14・14の中途部分14Dの折曲角度又は彎曲角度を調整することにより第2配管支持具4による第2配管PPの抱持固定位置を所望の高さに調整することができる。
【0050】
また、図6に示す第3実施例では、第1配管支持具1の重合取付部14・14の各々が、バンド抱持部11・11の各々の略中央部の基点から外側水平方向に向かって延伸すると共に、この延伸した部分の中途部分14Dであって且つ前記透孔15よりも基点側の部分から外側斜め下方に向かって折曲又は彎曲する構成となっている。かかる構成によれば、重合取付部14・14の中途部分14Dの折曲角度又は彎曲角度を調整することにより第2配管支持具4による第2配管PPの抱持固定位置を所望の高さに調整することができる。
【0051】
更に、図1図4に示す実施例では、第2配管支持具4として第2バンド抱持部41の下端部分が分離していない提灯式構成の配管支持バンドを用いているが、第2バンド抱持部41の加担部分が組式構成や蝶番式構成等の配管支持バンドを用いることもできる。また、第2バンド抱持部41に形成される吊下係止部44は、上記した実施例のように切起し形成に限らず、別部材を付加して形成することもできる。尚、図5に示す第2実施例、図6に示す第3実施例についても同様である。
【0052】
更に、図1図5及び図6に示す実施例では、第1配管支持具1の左右両側に2つの第2配管支持具4を重連状態で接続取付することによって、2本の第2配管PPを抱持支持しているが、左又は右のいずれか一方のみに第2配管支持具4を接続取付することによって1本の第2配管PPを抱持することも本発明に包含される。
【0053】
更にまた、図1図5及び図6に示す実施例では、吊りボルト3と2本の吊下支持杆5・5による3点吊下支持としているが、施工現場の状況等の諸条件に応じて吊下支持杆5を1本とする2点吊下支持とすることも本発明に包含される。
【符号の説明】
【0054】
1 第1配管支持具
11 バンド抱持部
11A 被切起し孔部
11B 被切起し孔部
12 接続部
13 バンド端部
14 重合取付部
14A 上方側取付部
14B 下方側取付部
14C 折り返し部
14D 中途部分
15 透孔
16 ボルト・ナット
17 ボルト・ナット
2 天井スラブ・壁面・床面の如き取付面
3 吊りボルト
31 タンバックルの如き吊下接続部材
4 第2配管支持具
41 第2バンド抱持部
43 重連用取付部
44 吊下係止部
44A 被切起し孔部
45 透孔
46 透孔
5 吊下支持杆
51 ナット
P 配管
PP 第2配管
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2017年1月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配管を抱持するバンド抱持部と該バンド抱持部の上端部に連接されたバンド端部を有する配管支持具であって、抱持した配管を、天井スラブ等の取付面から2点又は3点支持する配管吊下支持具において、
配管支持具本体である第1配管支持具が、2つのバンド抱持部によって配管を抱持可能であり、該2つのバンド抱持部の下端部分を組式又は蝶番式の如き接続部により拡開可能に接続され、前記バンド端部がタンバックルの如き吊下接続部材に接続されることで吊りボルトからの吊下げが可能な構成の配管支持バンドから成り、
前記2つのバンド抱持部の各々について、
該バンド抱持部の略中央部より上方部分を該略中央部を基点として切起された状態で横方向外側に延伸する上方側取付部が形成され、
且つ、該バンド抱持部の略中央部より下方部分を該略中央部を基点として切起された状態で横方向外側に延伸する下方側取付部が形成され、
この横方向外側に切起した上方側取付部と下方側取付部とが重合された状態で重合取付部が形成され、
更に、この重合取付部の重合した部分にボルトの如き固定手段を挿通する透孔が貫通形成され、
この重合取付部に、別なる配管支持具である第2配管支持具が重連状態で接続取付されて該第2配管支持具に別なる配管である第2配管の抱持支持が可能である構成であり、
該第2配管支持具が、第2バンド抱持部によって第2配管を抱持可能であり、該第2バンド抱持部の上端部に連設された重連用取付部と、該第2バンド抱持部の下端部分に設けられた吊下係止部と、を有して成り、
前記重連用取付部が、ボルトの如き固定手段を挿通する透孔が形成され、この重連用取付部を前記第1配管支持具の重合取付部に前記固定手段を用いて取付固定して重連状態での接続取付が可能な構成であり、
前記吊下係止部が、前記取付面に一端が固定されて吊下げられる1本又は2本の吊りボルトの如き吊下支持杆を挿通する透孔が形成され、この吊下係止部の透孔に前記吊下支持杆の他端を挿通固定して2点又は3点支持された状態とする構成であること、
を特徴とする配管吊下支持具。
【請求項2】
前記重合取付部の各々が、外側斜め下方に向かった状態で延伸する構成であることを特徴とする請求項1に記載の配管吊下支持具。
【請求項3】
前記重合取付部の各々が、前記した略中央部の基点から外側斜め上方に向かって延伸すると共に、この延伸した部分の中途部分であって且つ前記透孔よりも基点側の部分において折曲られた状態又は湾曲された状態で外側斜め下方に向かった状態で延伸する構成であることを特徴とする請求項1に記載の配管吊下支持具。
【請求項4】
前記重合取付部の各々が、前記した略中央部の基点から外側水平方向に向かって延伸すると共に、この延伸した部分の中途部分であって且つ前記透孔よりも基点側の部分において折曲られた状態又は湾曲された状態で外側斜め下方に向かった状態で延伸する構成であることを特徴とする請求項1に記載の配管吊下支持具。
【請求項5】
前記上方側取付部と前記下方側取付部の各々が、その基点部分から前記バンド抱持部の外周面に沿って折り返し横方向外側に延伸するように折曲された状態で重合された構成であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の配管吊下支持具。
【請求項6】
前記第2配管支持具が、
両端が接触又は近接して略円形を成して前記第2配管を抱持する第2バンド抱持部と、
該第2バンド抱持部の両端部の各々に連設され、前記第1配管支持具の重合取付部に接続取付けする重連用取付部と、
前記第2バンド抱持部の下端部分に垂設する1枚又は2枚の吊下係止部と、
を有する構成であり、
この1枚又は2枚の吊下係止部は、前記下端部分の1箇所又は平行する2箇所を基端として該下端部分より端部方向部分の切り起された状態で該下端部分から垂設する構成であり、
更にこの1枚又は2枚の吊下係止部には、前記吊下支持杆を挿通する透孔が形成された構成であること、
を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の配管吊下支持具。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
1.配管を抱持するバンド抱持部と該バンド抱持部の上端部に連接されたバンド端部を有する配管支持具であって、抱持した配管を、天井スラブ等の取付面から2点又は3点支持する配管吊下支持具において、
配管支持具本体である第1配管支持具が、2つのバンド抱持部によって配管を抱持可能であり、該2つのバンド抱持部の下端部分を組式又は蝶番式の如き接続部により拡開可能に接続され、前記バンド端部がタンバックルの如き吊下接続部材に接続されることで吊りボルトからの吊下げが可能な構成の配管支持バンドから成り、
前記2つのバンド抱持部の各々について、
該バンド抱持部の略中央部より上方部分を該略中央部を基点として切起された状態で横方向外側に延伸する上方側取付部が形成され、
且つ、該バンド抱持部の略中央部より下方部分を該略中央部を基点として切起された状態で横方向外側に延伸する下方側取付部が形成され、
この横方向外側に切起した上方側取付部と下方側取付部とが重合された状態で重合取付部が形成され、
更に、この重合取付部の重合した部分にボルトの如き固定手段を挿通する透孔が貫通形成され、
この重合取付部に、別なる配管支持具である第2配管支持具が重連状態で接続取付されて該第2配管支持具に別なる配管である第2配管の抱持支持が可能である構成であり、
該第2配管支持具が、第2バンド抱持部によって第2配管を抱持可能であり、該第2バンド抱持部の上端部に連設された重連用取付部と、該第2バンド抱持部の下端部分に設けられた吊下係止部と、を有して成り、
前記重連用取付部が、ボルトの如き固定手段を挿通する透孔が形成され、この重連用取付部を前記第1配管支持具の重合取付部に前記固定手段を用いて取付固定して重連状態での接続取付が可能な構成であり、
前記吊下係止部が、前記取付面に一端が固定されて吊下げられる1本又は2本の吊りボルトの如き吊下支持杆を挿通する透孔が形成され、この吊下係止部の透孔に前記吊下支持杆の他端を挿通固定して2点又は3点支持された状態とする構成であること、
を特徴とする配管吊下支持具。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0037】
本発明の配管吊下支持具の具体的構成としては、図1及び図2に示すように、配管Pを抱持するバンド抱持部11と該バンド抱持部11の上端部に連接されたバンド端部13を有する配管支持具であって、抱持した配管Pを、天井スラブ等の取付面2から2点又は3点支持するものであり、
配管支持具本体である第1配管支持具1が、2つのバンド抱持部11・11によって配管Pを抱持可能であり、該2つのバンド抱持部11・11の下端部分を組式又は蝶番式の如き接続部12により拡開可能に接続され、前記バンド端部13がタンバックルの如き吊下接続部材31に接続されることで吊りボルト3からの吊下げが可能な構成の配管支持バンドから成り、
前記2つのバンド抱持部11・11の各々について、
該バンド抱持部11の略中央部より上方部分を該略中央部を基点として切起された状態で横方向外側に延伸する上方側取付部14Aが形成され、
且つ、該バンド抱持部11の略中央部より下方部分を該略中央部を基点として切起された状態で横方向外側に延伸する下方側取付部14Bが形成され、
この横方向外側に切起した上方側取付部14Aと下方側取付部14Bとが重合された状態で重合取付部14が形成されており、
更に、この重合取付部14の重合した部分にボルトの如き固定手段(本実施例ではボルト・ナット17)を挿通する透孔15が貫通形成され、
この重合取付部14に、別なる配管支持具である第2配管支持具4が重連状態で接続取付されて該第2配管支持具4に別なる配管である第2配管PPの抱持支持が可能な構成であり、
該第2配管支持具4が、第2バンド抱持部41によって第2配管PPを抱持可能であり、該第2バンド抱持部41の上端部に連設された重連用取付部43と、該第2バンド抱持部41の下端部分に設けられた吊下係止部44と、を有して成り、
前記重連用取付部43が、ボルトの如き固定手段(本実施例ではボルト・ナット17)を挿通する透孔45が形成され、この重連用取付部43を前記第1配管支持具1の重合取付部14に前記固定手段(本実施例ではボルト・ナット17)を用いて取付固定して重連状態での接続取付が可能な構成であり、
前記吊下係止部44が、前記取付面2に一端が固定されて吊下げられる1本又は2本(本実施例では2本)の吊りボルトの如き吊下支持杆5を挿通する透孔46が形成され、この吊下係止部44の透孔46に前記吊下支持杆5の他端を挿通しナット51により固定して2点又は3点支持(本実施例では3点支持)された状態とする構成である。