【解決手段】空気調和機は、電装部品を支持し、熱交換器を収容する本体の側面を区画するサイド部材68と、特定方向の動きに応じてサイド部材68から分離可能に、サイド部材68の前端に接続されて本体の前面を区画するフロント部材57と、回転軸83回りで回転自在にサイド部材68に連結され、フロント部材57の分離の動きに応じてサイド部材68から遠ざかりフロント部材57との係り合いを解除するサイドパネル76とを備える。
請求項1に記載の空気調和機において、前記係止手段は、前記フロント部材および前記サイドパネルの間で確立されて、前記回転軸から遠ざかる前記フロント部材の直進運動から、前記回転軸回りで開き方向に前記サイドパネルに駆動力を作用する第1直進カム機構を備えることを特徴とする空気調和機。
請求項2に記載の空気調和機において、前記係止手段は、前記フロント部材および前記サイドパネルの間で確立されて、前記回転軸に近づく前記フロント部材の直進運動から、前記回転軸回りで閉じ方向に前記サイドパネルに駆動力を作用する第2直進カム機構をさらに備えることを特徴とする空気調和機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本体の側面は化粧用のサイドパネルで覆われる。サイドパネルはサイド部材に連結されフロント部材に前方から係り合う。したがって、フロント部材の取り外しに先立ってサイドパネルはサイド部材から取り外されなければならない。サイドパネルの取り外しにあたって空気調和機の側方には比較的に大きな作業スペースが要求されてしまう。大きな作業スペースが確保されないと、作業性は損なわれてしまう。
【0005】
本発明は、フロント部材の取り外しにあたって作業スペースを縮小し、良好な作業性を確保することができる空気調和機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一形態は、電装部品を支持し熱交換器を収容する本体と、前記本体の側面を覆うサイド部材と、特定方向の動きに応じて前記サイド部材から分離可能に前記サイド部材の前端に接続されて前記本体の前面を覆うフロント部材と、回転軸で回転自在に前記サイド部材に連結され係止手段により前記フロント部材に係り合わされるサイドパネルとを有する空気調和機において、前記係止手段は前記フロント部材の分離の動きに応じて前記サイド部材から前記サイド部材を遠ざけることで前記係止手段の係り合いを解除する空気調和機に関する。
【0007】
電装部品にアクセスする際にフロント部材は特定方向に動かされてサイド部材から分離される。このとき、フロント部材の分離の動きに応じてサイドパネルとフロント部材との係り合いは解除される。サイドパネルは、回転軸回りで回転するだけで、サイド部材から取り外されない。しかも、回転に応じてサイドパネルとフロント部材との係り合いが解除されればよく、わずかな回転量で解除は実現されることができる。したがって、フロント部材の取り外しにあたって作業スペースは縮小される。サイドパネルが取り外される場合に比べて良好な作業性は確保される。
【0008】
空気調和機は、前記フロント部材および前記サイドパネルの間で確立されて、前記回転軸から遠ざかる前記フロント部材の直進運動から、前記回転軸回りで開き方向に前記サイドパネルに駆動力を作用する第1直進カム機構を備えてもよい。こうしてフロント部材の直線運動は回転軸回りでサイドパネルの回転を引き起こす。サイドパネルが開き方向に回転することで、フロント部材はサイドパネルとの係り合いから解放される。フロント部材の取り外しは実現される。
【0009】
空気調和機は、前記フロント部材および前記サイドパネルの間で確立されて、前記回転軸に近づく前記フロント部材の直進運動から、前記回転軸回りで閉じ方向に前記サイドパネルに駆動力を作用する第2直進カム機構をさらに備えてもよい。こうしてフロント部材の直線運動は回転軸回りでサイドパネルの回転を引き起こす。サイドパネルが閉じ方向に回転することで、サイドパネルはフロント部材との係り合いを確立する。フロント部材の取り付けに連動してサイドパネルは規定の位置に装着される。フロント部材の取り付けにあたって良好な作業性は確保される。
【発明の効果】
【0010】
以上のように開示の装置によれば、フロント部材の取り外しにあたって作業スペースを縮小し、良好な作業性を確保することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照しつつ本発明の一実施形態を説明する。
【0013】
(1)空気調和機の構成
図1は本発明の一実施形態に係る空気調和機11の構成を概略的に示す。空気調和機11は室内機12および室外機13を備える。室内機12は例えば建物内の室内空間に設置される。その他、室内機12は室内空間に相当する空間に設置されればよい。室内機12には室内熱交換器14が組み込まれる。室外機13には圧縮機15、室外熱交換器16、膨張弁17および四方弁18が組み込まれる。室内熱交換器14、圧縮機15、室外熱交換器16、膨張弁17および四方弁18は冷凍回路19を形成する。
【0014】
冷凍回路19は第1循環経路21を備える。第1循環経路21は四方弁18の第1口18aと第2口18bを相互に結ぶ。第1循環経路21には、圧縮機15が設けられている。圧縮機15の吸入管15aは四方弁18の第1口18aに冷媒配管を介して接続される。第1口18aからガス冷媒は圧縮機15の吸入管15aに供給される。圧縮機15は低圧のガス冷媒を所定の圧力まで圧縮する。圧縮機15の吐出管15bは四方弁18の第2口18bに冷媒配管を介して接続される。圧縮機15の吐出管15bからガス冷媒は四方弁18の第2口18bに供給される。冷媒配管は例えば銅管であればよい。
【0015】
冷凍回路19は第2循環経路22をさらに備える。第2循環経路22は四方弁18の第3口18cと第4口18dを相互に結ぶ。第2循環経路22には、第3口18c側から順番に室外熱交換器16、膨張弁17および室内熱交換器14が組み込まれる。室外熱交換器16は、通過する冷媒と周囲の空気との間で熱エネルギーを交換する。室内熱交換器14は、通過する冷媒と周囲の空気との間で熱エネルギーを交換する。第2循環経路22は例えば銅管などの冷媒配管で形成されればよい。
【0016】
室外機13には送風ファン23が組み込まれる。送風ファン23は室外熱交換器16に通風する。送風ファン23は例えば羽根車の回転に応じて気流を生成する。気流は室外熱交換器16を通り抜ける。通り抜ける気流の流量は羽根車の回転数に応じて調整される。
【0017】
室内機12には送風ファン24が組み込まれる。送風ファン24は室内熱交換器14に通風する。送風ファン24は羽根車の回転に応じて気流を生成する。送風ファン24の働きで室内機12には室内空気が吸い込まれる。室内空気は室内熱交換器14を通り抜け冷媒と熱交換する。熱交換することで生成された冷気または暖気の気流は室内機12から吹き出される。通り抜ける気流の流量は羽根車の回転数に応じて調整される。
【0018】
冷凍回路19で冷房運転が実施される場合には、四方弁18は第2口18bと第3口18cを相互に接続し第1口18aと第4口18dを相互に接続する。したがって、圧縮機15の吐出管15bから高温高圧の冷媒が室外熱交換器16に供給される。冷媒は室外熱交換器16、膨張弁17および室内熱交換器14を順番に流通する。室外熱交換器16では冷媒から外気に放熱する。膨張弁17で冷媒は低圧まで減圧される。減圧された冷媒は室内熱交換器14で周囲の空気から吸熱する。冷気が生成される。冷気は送風ファン24の働きで室内空間に吹き出される。
【0019】
冷凍回路19で暖房運転が実施される場合には、四方弁18は第2口18bと第4口18dを相互に接続し第1口18aと第3口18cを相互に接続する。圧縮機15から高温高圧の冷媒が室内熱交換器14に供給される。冷媒は室内熱交換器14、膨張弁17および室外熱交換器16を順番に流通する。室内熱交換器14では冷媒から周囲の空気に放熱する。暖気が生成される。暖気は送風ファン24の働きで室内空間に吹き出される。膨張弁17で冷媒は低圧まで減圧される。減圧された冷媒は室外熱交換器16で周囲の空気から吸熱する。その後、冷媒は圧縮機15に戻る。
【0020】
(2)室内機の構成
図2は一実施形態に係る室内機12の外観を概略的に示す。室内機12の本体(筐体)26にはアウターパネル27が覆い被さる。本体26の下面には吹出口28が形成される。吹出口28は室内に向けて開口する。本体26の後面は、鉛直面(例えば室内の壁面)に固定されることができる。室内熱交換器14で冷気または暖気が生成され、冷気または暖気の気流は吹出口28から吹き出す。
【0021】
吹出口28には前後1対の上下風向板31a、31bが配置される。上下風向板31a、31bはそれぞれ本体の長手方向と平行な水平軸線32a、32b回りに回転することができる。回転に応じて上下風向板31a、31bは吹出口28を開閉する。上下風向板31a、31bの角度に応じて、吹き出される気流の方向は変えられる。
【0022】
図3に示されるように、本体26には吸込口33が形成される。吸込口33は本体26の正面および上面で開口する。アウターパネル27は本体26の正面で吸込口33に覆い被さることができる。室内の空気は吸込口33から本体26内に取り込まれ、室内熱交換器14に向けて供給される。本体26の前方で個々の吸込口33にエアフィルタアセンブリ(図示されず)がそれぞれ装着される。
【0023】
エアフィルタアセンブリはエアフィルタおよびダストボックスを備えればよい。エアフィルタはダストボックスに保持される。ダストボックスは本体に着脱自在に取り付けられる。ダストボックスが本体にセットされると、エアフィルタは吸込口の全面にわたって配置される。
【0024】
図4に示されるように、本体26には送風ファン24が回転自在に支持される。送風ファン24には例えばクロスフローファンが用いられる。送風ファン24は水平軸線32a、32bに平行な回転軸41回りで回転する。送風ファン24の回転軸41は本体26の設置時の水平方向に延びる。送風ファン24は吹出口28に平行に配置される。送風ファン24には駆動源(図示されず)から回転軸41回りの駆動力が伝達される。駆動源は本体26に支持される。送風ファン24の回転に応じて気流は室内熱交換器14を通過する。その結果、冷気または暖気の気流が生成される。冷気または暖気の気流は吹出口28から吹き出される。
【0025】
室内熱交換器14は前側体14aおよび後側体14bを備える。前側体14aは送風ファン24の前側から送風ファン24に向き合わせられる。後側体14bは送風ファン24の後側から送風ファン24に向き合わせられる。前側体14aと後側体14bは上端で相互に連結される。前側体14aおよび後側体14bは冷媒管42aを有する。すなわち、冷媒管42aは、水平軸線32a、32bに平行に延び、本体26の正面視左右端で折り返され、再び水平軸線32a、32bに平行に延び、再び本体26の正面視左右端で折り返され、これらが繰り返される。冷媒管42aは第2循環経路22の一部を構成する。冷媒管42aには複数の放熱フィン42bが結合される。冷媒管42aおよび放熱フィン42bは例えば銅やアルミニウムといった金属材料から形成されることができる。冷媒管42aおよび放熱フィン42bを通じて冷媒と空気との間で熱交換が実現される。
【0026】
本体26はエアフィルタアセンブリの着脱口(右着脱口56aおよび左着脱口56b)を区画するフロント部材57を備える。フロント部材57は、水平方向に延びて着脱口56a、56bの下縁および吹出口28の上縁を区画する主体58を備える。主体58はエアフィルタアセンブリを支持する。主体58には、主体58に一体化されて主体58から連続する右壁体59、中央壁体61および左壁体62が形成される。右壁体59、中央壁体61および左壁体62は水平軸線32a、32bに直交する姿勢で鉛直方向に広がる。右壁体59および中央壁体61の間に右側の着脱口56aは区画される。中央壁体61および左壁体62の間に左側の着脱口56bは区画される。フロント部材57は本体26の前面を区画する。
【0027】
フロント部材57は、前端から後端の合わせ面63まで水平方向に広がって、着脱口56a、56bの上縁となる上面体64と、主体58および上面体64から連続して鉛直方向に広がり、本体26の右側面を形成する右側面体65と、主体58および上面体64から連続して鉛直方向に広がり、本体26の左側面を形成する左側面体66とを有する。左側面体66は、合わせ面63より前方に広がる切り欠き67で切り欠かれる。切り欠き67はできる限り左側面体66の前端に近づくことが望まれる。左側面体66および左壁体62の間にサイド部材68は配置される。サイド部材68は合わせ面63でフロント部材57に接続される。フロント部材57は、前方への動きに応じてサイド部材68から分離可能にサイド部材68の前端に結合される。結合には例えばねじが用いられればよい。ここで、サイド部材68の室内熱交換器14側でない面を、本体側面26bとする。本体側面26bは、合わせ面63から前方に広がる遮蔽板71で切り欠き67を塞ぎながら左側面体66の外側面66aに接続される。
【0028】
サイド部材68は、水平軸線32a、32bに直交する姿勢で広がる外板72と、外板72から所定の間隔で内側に配置されつつ外板72に平行に広がって、外板72との間に収容空間73を区画する内板74とを備える。収容空間73には例えば電装品ボックスEが組み込まれる。電装品ボックスEには電装部品が収容される。電装品ボックスEはサイド部材68に支持される。フロント部材57には、前方に向かって電装品ボックスEを開放する窓孔75が区画される。サイド部材68の後端には例えば本体26のリア部材(図示されず)が結合される。リア部材は例えば室内熱交換器14を支持する。本体26はリア部材で室内の壁面に固定されればよい。
【0029】
サイド部材68にはサイドパネル76が連結される。サイドパネル76は樹脂材から形成される。サイドパネル76は、左側面体66の外側面66aおよび遮蔽板71を含むサイド部材68の本体側面26bを覆う。サイドパネル76の外表面には、設置面(室内の壁面)から遠い前側に光沢面77が形成され、設置面に近い後側にテクスチャ構造78が形成される。テクスチャ構造78は模様を描く。テクスチャ構造78は後端に近づくにつれて深く形成される。深さは例えば凹凸の高低差で特定されればよい。
【0030】
遮蔽板71は外板72から連続する。遮蔽板71の前端には壁体79が形成される。壁体79は上端でサイドパネル76の裏側に突き当てられる。遮蔽板71にはリブ81が形成される。リブ81は水平方向に延びる。リブ81は左側面体66の前端と壁体79とに接続される。リブ81は遮蔽板71の強度を高める。
【0031】
図6に示されるように、サイドパネル76は、鉛直方向に延びる回転軸83回りで回転自在にサイド部材68に連結される。サイドパネル76は平板形状の本体76aでサイド部材68の本体側面26bに重ねられる。ここで、係止部としての傾斜面84、85について説明する。本体76aの内向き面には、できる限り回転軸83から遠い位置で、回転軸83から遠ざかるにつれて内向き面から遠ざかる傾斜面84が形成される。傾斜面84には、フロント部材57に形成されて、回転軸83から遠ざかるにつれてサイドパネル76の内向き面から遠ざかる傾斜面85が接触する。ここでは、2つの傾斜面84、85のいずれか一方は突起や稜線で形成されてもよい。フロント部材57の分離の動きは、回転軸83に直交し回転軸83から遠ざかるフロント部材57の直進運動に相当する。傾斜面85はフロント部材57の移動経路の縁で終了する。
【0032】
本体76aの内向き面にはさらに傾斜面86が形成される。傾斜面86はできる限り回転軸83から遠い位置に配置される。傾斜面86は、本体76aの内向き面に向き合って、回転軸83から遠ざかるにつれて本体76aの内向き面から遠ざかる。傾斜面86の形成にあたって本体76aの内向き面には板片87が一体に形成される。板片87は、フロント部材57の左側面体66に形成される切り欠き88に進入する。切り欠き88の縁88aは傾斜面86に向き合わせられる。傾斜面86の内端は傾斜面84の内端よりも内側に位置する。
【0033】
(3)室内機の動作
送風ファン24が動作すると、吸込口33から本体26内に空気は吸い込まれる。本体26内では吸込口33から吹出口28に向かって気流が生成される。気流はエアフィルタを通過して室内熱交換器14を通過する。冷房運転時には空気は室内熱交換器14で冷却されて吹出口28から吹き出される。暖房運転時には空気は室内熱交換器14で暖められて吹出口28から吹き出される。気流がエアフィルタを通過する際にメッシュシートのメッシュの大きさよりも大きい塵埃はメッシュを通過することができない。こうして室内熱交換器14に向かって流れる気流から塵埃などは除去される。室内熱交換器14には清浄な気流が流れ込む。吹出口28から清浄な空気の冷気または暖気は吹き出される。
【0034】
例えば電装部品のメンテナンスにあたってフロント部材57は取り外される。フロント部材57は設置面(室内の壁面)から遠ざかるように、室内機の水平方向前方に引き出される。
図7に示されるように、回転軸83から遠ざかるフロント部材57の直進運動は引き起こされる。フロント部材57の傾斜面85はサイドパネル76の傾斜面84に接触することから、直進運動の方向に傾斜する傾斜面84、85の働きでサイドパネル76の傾斜面84には回転軸83回りで開き方向に駆動力が作用する。こうしてフロント部材57の直進運動はサイドパネル76の開き方向の運動に変換される。傾斜面85はフロント部材57の移動経路の縁で終了することから、傾斜面85はフロント部材57の移動経路から完全に傾斜面84を退避させることができる。こうしてサイドパネル76はフロント部材57の分離の動きに応じてサイド部材68から遠ざかりフロント部材57との係り合いを解除する。フロント部材57の取り外しは許容される。ここで、相互に接触する傾斜面84、85は、フロント部材57およびサイドパネル76の間で確立されて、回転軸83から遠ざかるフロント部材57の直進運動から、回転軸83回りで開き方向にサイドパネル76に駆動力を作用する第1直進カム機構を構成する。
【0035】
以上のように、電装部品にアクセスする際にフロント部材57は前方に動かされてサイド部材68から分離される。このとき、フロント部材57の分離の動きに応じてサイドパネル76とフロント部材57との係り合いは解除される。サイドパネル76は、回転軸83回りで回転するだけで、サイド部材68から取り外されない。しかも、回転に応じてサイドパネル76とフロント部材57との係り合いが解除されればよく、わずかな回転量で解除は実現されることができる。したがって、フロント部材57の取り外しにあたって作業スペースは縮小される。サイドパネル76が取り外される場合に比べて良好な作業性は確保される。
【0036】
メンテナンスの終了後、フロント部材57は取り付けられる。フロント部材57は設置面(室内の壁面)に近づくように水平方向に後方に動かされる。
図8に示されるように、回転軸83に近づくフロント部材57の直進運動は引き起こされる。傾斜面86の内端(本体76aの内向き面から最も離れた位置にある端部)は傾斜面84の内端(本体76aの内向き面から最も離れた位置にある端部)よりも内側に位置することから、傾斜面84がフロント部材57の移動経路から外れていても、傾斜面86はフロント部材57の移動経路内に残る。したがって、フロント部材57の切り欠き88の縁88aは傾斜面84の側を通り抜けて傾斜面86に接触する。そのままフロント部材57が後方に動かされると、直進運動の方向に傾斜する傾斜面86の働きでサイドパネル76の傾斜面86には回転軸83回りで閉じ方向に駆動力が作用する。こうしてフロント部材57の直進運動はサイドパネル76の閉じ方向の運動に変換される。傾斜面84はフロント部材57の移動経路に進入する。したがって、フロント部材57に対してサイドパネル76の係り合いは確保される。ここで、傾斜面86および切り欠き88の縁88aは、フロント部材57およびサイドパネル76の間で確立されて、回転軸83に近づくフロント部材57の直進運動から、回転軸83回りで閉じ方向にサイドパネル76に駆動力を作用する第2直進カム機構を構成する。
【0037】
本実施形態ではフロント部材57の分離の動きは回転軸83に直交する。回転軸83に直交する動きは回転軸83回りの回転運動に効率的に変換される。変換にあたって複雑な機構は要求されない。変換は比較的に簡単な機構で実現されることができる。構造は簡素化されることができる。