特開2017-133984(P2017-133984A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-133984(P2017-133984A)
(43)【公開日】2017年8月3日
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/84 20060101AFI20170707BHJP
【FI】
   G01N21/84 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-15090(P2016-15090)
(22)【出願日】2016年1月29日
(71)【出願人】
【識別番号】392026888
【氏名又は名称】京都電機器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092727
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 忠昭
(74)【代理人】
【識別番号】100146891
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 ひろ美
(72)【発明者】
【氏名】車谷 寿光
(72)【発明者】
【氏名】野村 幸男
【テーマコード(参考)】
2G051
【Fターム(参考)】
2G051AA73
2G051AB01
2G051AB02
2G051AB14
2G051BA01
2G051BB01
2G051BB11
2G051CA04
2G051CA06
(57)【要約】
【課題】光源からの光を効率良く照明に利用可能な照明装置の提供
【解決手段】照明装置1Aは、リング状光源2と、反射面43cを有する反射部材4Aと、を備え、反射面43cは、2つの焦点F,F’を有する楕円Bの一部を成す曲線を、中心軸Cを中心に1回転させることにより空間内に形成される凹曲面である。リング状光源2の各LED6の光軸Pを含む有効配光角内の全ての光が反射面43cに当たるように各LED6と反射面43cとの位置関係が定められ、リング状光源2の各LED6から発し反射面43cで反射した光を照射面Xに照射する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心軸を中心に環状に配置された複数の発光源を有するリング状光源と、
前記複数の発光源から発せられた光を反射するための反射面を有する反射部材と、を備え、
前記反射面は、前記中心軸及び前記複数の発光源のうちの1つを含む断面のうちの前記中心軸で区分される一方の半断面において、前記発光源を第1の焦点とし第2の焦点を前記中心軸を挟んで前記第1の焦点の反対側に位置する点とした楕円の一部を成す曲線を、前記中心軸を中心に1回転させることにより空間内に形成される凹曲面であり、
前記リング状光源の各発光源の光軸を含む有効配光角内の全ての光が前記反射面に当たるように各発光源と前記反射面との位置関係が定められ、前記リング状光源の各発光源から発し前記反射面で反射した光を照射面に照射するようにしたことを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記照射面は、前記第1の焦点と前記第2の焦点の間に位置することを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
中心軸を中心に環状に配置された複数の発光源を有するリング状光源と、
前記複数の発光源から発せられた光を反射するための反射面を有する反射部材と、を備え、
前記反射面は、前記中心軸及び前記複数の発光源のうちの1つを含む断面のうちの前記中心軸で区分される一方の半断面において、前記発光源を第1の焦点とし第2の焦点を前記中心軸上に位置する点とした楕円の一部を成す曲線を、前記中心軸を中心に1回転させることにより空間内に形成される凹曲面であり、
前記リング状光源の各発光源の光軸を含む有効配光角内の全ての光が前記反射面に当たるように各発光源と前記反射面との位置関係が定められ、前記リング状光源の各発光源から発し前記反射面で反射した光を前記回転軸上の第2の焦点又はその近傍に照射し、
前記中心軸は、各発光源の上記光軸に沿って延びることを特徴とする照明装置。
【請求項4】
前記反射面は、各発光源からの光を拡散反射させる拡散反射面であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の照明装置。
【請求項5】
前記リング状光源を支持するベースを更に備え、前記ベースの片面に前記リング状光源が固定され、前記ベースの他面には複数の放熱フィンが突設されていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば画像処理検査等において被検査物を照明するために用いられる照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、液晶パネルや半導体等の工業製品の品質、例えば、ハンダ付けの不良や異物の付着等、あるいは飲料用缶に印字される製造日等の印字等を製造ライン上で検査する際に、CCDカメラ等による撮像を利用した画像処理検査が行われている。この画像処理検査においては、被検査物の種類や大きさ等によって最適な照明装置が使用される。例えば、特許文献1に示す様なドーム状照明装置が用いられている。
【0003】
図9に、一般的なドーム状照明装置の一例を示す。このドーム状照明装置101は、複数のLED106から発せられた光をドーム状の反射面143により反射させ、このようにして反射された反射光により照射面Xにおかれた被検査物Yを照らすように構成されている。
【0004】
また、特許文献2では、反射面を楕円の一部をなす曲面で構成された照明装置が提案されている。この照明装置では、筒体の外周に複数のLEDが並べて配置され、各LEDからの光が反射面により照射面へ向けて反射される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−84258号公報
【特許文献2】特開2003−4641号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、図9に示す様なドーム状照明装置101では、LED106から発せられた有効光の一部はドーム状の反射面143を規定するドーム104内で反射を繰り返して減衰したり、また反射を繰り返すことによってLED106から発せられた光を効率良く被検査物の照明に利用することができないという問題があった。
【0007】
また、特許文献2に開示の照明装置においては、複数のLEDを筒体の外周に配置するために構成が複雑になり、製造コストが高くなるという問題があった。
【0008】
本発明は、光源からの光を効率良く照明に利用可能な照明装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る照明装置は、中心軸を中心に環状に配置された複数の発光源を有するリング状光源と、前記複数の発光源から発せられた光を反射するための反射面を有する反射部材と、を備え、前記反射面は、前記中心軸及び前記複数の発光源のうちの1つを含む断面のうちの前記中心軸で区分される一方の半断面において、前記発光源を第1の焦点とし第2の焦点を前記中心軸を挟んで前記第1の焦点の反対側に位置する点とした楕円の一部を成す曲線を、前記中心軸を中心に1回転させることにより空間内に形成される凹曲面であり、前記リング状光源の各発光源の光軸を含む有効配光角内の全ての光が前記反射面に当たるように各発光源と前記反射面との位置関係が定められ、前記リング状光源の各発光源から発し前記反射面で反射した光を照射面に照射するようにしたことを特徴とする。
【0010】
また、前記照射面は、前記第1の焦点と前記第2の焦点の間に位置することを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る照明装置は、 中心軸を中心に環状に配置された複数の発光源を有するリング状光源と、前記複数の発光源から発せられた光を反射するための反射面を有する反射部材と、を備え、
前記反射面は、前記中心軸及び前記複数の発光源のうちの1つを含む断面のうちの前記中心軸で区分される一方の半断面において、前記発光源を第1の焦点とし第2の焦点を前記中心軸上に位置する点とした楕円の一部を成す曲線を、前記中心軸を中心に1回転させることにより空間内に形成される凹曲面であり、前記リング状光源の各発光源の光軸を含む有効配光角内の全ての光が前記反射面に当たるように各発光源と前記反射面との位置関係が定められ、前記リング状光源の各発光源から発し前記反射面で反射した光を前記回転軸上の第2の焦点又はその近傍に照射し、前記中心軸は、各発光源の上記光軸に沿って延びることを特徴とする。
【0012】
また、前記反射面は、各発光源からの光を拡散反射させる拡散反射面であることを特徴とする。
【0013】
更に、本発明に係る照明装置は、前記リング状光源を支持するベースを更に備え、前記ベースの片面に前記リング状光源が固定され、前記ベースの他面には複数の放熱フィンが突設されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の照明装置によれば、発光源は反射面を規定する楕円の第1の焦点に位置するので、発光源からの有効光は、反射面により楕円の第2の焦点に向かって反射されるので、反射部材内において繰り返し反射されて減衰することがなく、照射面における照度を向上できる。また、楕円の第2の焦点を、第1の焦点から中心軸を挟んで反対側に置くことにより、第1の焦点と第2の焦点との間に位置する照射面上における照射領域を広くできると共に、照射領域における照度を均一にできる。
【0015】
また、反射部材の反射面を楕円の一部をなす曲面で構成したので、反射部材の縦寸法(中心軸に沿う方向における長さ寸法)を小さくできる。
【0016】
また、反射面を拡散反射面とすることにより、被検査物に対して種々の方向から光を当てることができ、被検査物上に不要な影が生じるのを防止できる。
【0017】
更に、片面にリング状光源が固定されるベースの他面には複数の放熱フィンが突設されているので、各発光源からの熱をベースを介して放熱フィンに伝達させ、放熱フィンを介して大気中に放出させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の第1実施形態に係る照明装置を示す斜視図。
図2図1に示す照明装置の分解斜視図。
図3図1のイ―イ’線から断面した拡大断面図。
図4図1に示す照明装置における照射範囲を説明する平面図。
図5図1に示す照明装置を用いた照度の検証方法を説明する概略図。
図6図1に示す照明装置と図9のドーム状照明装置の照度を示すグラフ。
図7】本発明の第2実施形態に係る照明装置の断面図。
図8】照明範囲における照度分布を示すグラフ。
図9】従来のドーム状照明装置の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[第1実施形態]
以下、添付図面を参照して、本発明の第1実施形態に係る照明装置について説明する。図1図3を参照して、本実施形態に係る照明装置1は、リング状光源2と、リング状光源2を支持するリング状のベース3と、ベース3に取り付けられた反射部材4と、を備える。
【0020】
リング状光源2は、リング状の基板5と、基板5に配置された複数のLED(発光源)6と、を備える。基板5は、アルミニウム等の熱伝導性の高い金属からなり、中央部にCCDカメラZで撮影するための覗き穴となる開口51を設けている。
各LED6は、所定の配光領域内で発光する配光性の広いパワーLEDから構成されている。これらのLED6は、その光軸P(図3)が照明装置1の中心軸Cと平行になるように、基板5の上面に環状に配置されて固定されている。また、各LED6はリード線(図示せず)を介して相互に電気的に接続されると共に、外部電源(図示せず)より各LED6へ電力が供給される。
【0021】
アルミニウム等の熱伝導性の高い金属から構成したリング状のベース3は、その中央部に基板5の開口51と同一寸法の開口31が設けられ、ベース3の片面32にリング状光源2が載置固定されている。また、ベース3の片面32の周縁部には環状の切欠き段部32aが設けられている。ベース3の他面33には複数の環状の放熱フィン34が同心円状に凸設されている。かかる構成により、各LED6からの熱は基板5を介してベース3に伝達され、放熱フィン34から大気中へ放熱される。
【0022】
反射部材4は略キャップ状に構成され、その開放端側部41がベース3の切欠き段部32aに当接されて固定されている。また、反射部材4の開放端側とは反対側の基端部側には、覗き孔となる開口42が設けられている。反射部材4の内面は反射面とされており、ここでは特に光が拡散反射されるべく白色塗装の表面処理が施された拡散反射面43とされている。
【0023】
拡散反射面43は、反射部材4の基端部側に位置する第1の拡散反射面43aと、開放端側に位置し中心軸Cを中心とした円筒形状に構成された第2の拡散反射面43bと、を有する。第1の拡散反射面43aは楕円(二次の非球面曲線)A,A’の一部を構成する凹曲面とされている。この楕円A,A’は2つの焦点F,F’を有し、一方の焦点(第1焦点)FがLED6に位置し、他方の焦点(第2焦点)F’が中心軸Cと照射面Xとの交点に位置する。
【0024】
すなわち、楕円A(又はA’)の2つの焦点F,F’を結ぶ線である長軸Sは中心軸Cに対して角度θ1だけ傾斜しており、第2焦点F’を固定して楕円Aを中心軸Cを中心に1回転させることにより形成される曲面の一部が、三次元空間における第1の拡散反射面43aとなっている。よって、楕円Aの長軸Sは、各LED6の光軸Pに対して角度θ1だけ傾斜している。なお、これらの配置は多少ずれていても実用上は差し支えない。
【0025】
ここで、各LED6から発する光の光軸Pを中心とした有効発光角の半値をwとすると、LED6からは、光軸Pを中心とした有効発光角範囲±w内にほとんどの光が放射される。そして、第1の拡散反射面43aは、各LED6から発光される有効発光角範囲±wを確実にカバーする位置に設けられている。即ち、第1の拡散反射面43aは、LED6から発した有効発光角範囲±w内の光(即ち、有効光)のうち、光軸Pから角度−wだけ離れた最外角の光L1と、光軸Pから角度+wだけ離れた他方の最外角の光L2を、第1の拡散反射面43aにより拡散反射できるように決定される。なお、LED6からの一部の光は第2の拡散反射面43bで拡散反射されるが、被検査物の照明に寄与するものではない。
【0026】
このような配置とすることにより、LED6から放射された有効光(有効発光角範囲±w内の光)は全て第1の拡散反射面43aで焦点F’に向かって拡散反射される。また、各LED6は基板5の内側縁近傍に配置されているので、第1の拡散反射面43aで拡散反射された拡散反射光(反射光)は、基板5やベース3に邪魔されることなく、基板5の開口51及びベース3の開口31を介して照射面Xの焦点F’またはその近傍に照射される。よって、LED6から放射された有効発光角範囲±w内の有効光が反射拡散面43により繰り返し反射されて減衰するといった問題が生じず、LED6からの有効光を確実に照射面Xに照射させることができる。
【0027】
楕円Aは次の様にして決定される。即ち、予め規定されている照明装置1の設置領域(CCDカメラZと照射面Xとの間の領域)に基づく照明装置1のサイズや照射面Xから照明装置1までの距離D(ワークディスタンス)に基づき、焦点F,F’の位置や楕円Aの形状を選択する。例えば、縦方向(中心軸Cに沿う方向)における照明装置1の寸法(厚み)を小さく抑える場合には、長軸Sの中心軸Cに対する傾き角度θ1を大きく設定し、横方向(中心軸Cに垂直な方向)に比較的長い楕円とする。逆に、照明装置1の横方向の寸法を小さく抑える場合には、長軸Sの中心軸Cに対する傾き角度θ1を小さく設定し、縦方向に比較的長い楕円とする。
【0028】
次に、このように構成された照明装置1の動作について説明する。リング状光源2に電力を供給すると、各LED6が発光する。LED6が発光することによりLED6は発熱するが、各LED6からの熱は基板5を介してベース3に伝達され、放熱フィン34から大気中に放熱される。
【0029】
一方、LED6から発せられた有効光は、全て第1の拡散反射面43aで拡散反射され照射面Xに照射される。このとき、各LED6による照射面Xでの照射範囲は、図4中にD’で示すように焦点F’を中心とする略長楕円形状となるが、複数のLED6がリング状に配置されているため、このような略長楕円形状の照明が照射面X上で複数重なり合い、その結果、図4中にDで示す様な円形状の照射範囲が得られる。
【0030】
そして、この照明装置1を用いて画像処理検査を行うには、上述した照射面X上における照射範囲D内に被検査物Y(図1参照)を載置し、被検査物Yを照明する。照明装置1の上方に設置されたCCDカメラZを用いて照明装置1の覗き孔(即ち、開口42,51,31)から被検査物(被照射物)Yを撮影し、得られた画像信号に基づき画像処理検査を行う。
【0031】
このように、本実施形態における照明装置1では、各LED6からの有効光は、拡散反射面43(より具体的には、第1の拡散反射面43a)により拡散反射された後、確実に基板5の開口51及びベース3の開口31を介して照射面X側に照射させることができる。また、第1の拡散反射面43aを規定する楕円Aの他方の焦点F’上(または焦点F’近傍)に照射面Xを設定することで、各LED6からの有効光を確実に照明に利用でき、より高い照度で照明できる。
【0032】
更に、鏡面に代えて拡散反射面43を用いるため、被検査物Yを照らした際に不要な影が生じにくくなり、画像処理検査をより正確に行うことができる。
【0033】
[実施例]
本実施形態に係る照明装置1と従来のドーム状照明装置1’を用いた場合における照度の違いを比較した。この実験では、図5に示す様に、ドーム状照明装置1’及び照明装置1の各々に対向させて照度計Eを配置し、この照度計Eを用いて各照明装置1,1’による照度を測定した。従来のドーム状照明装置1’には、ドーム照明KDDD2―PK80W(株式会社京都電機器社製)を用い、照度計Eには、デジタル照度計IM−5(株式会社トプコンテクノハウス社製)を用いた。ワークディスタンスD(照明装置1,1’から照度計Eまでの距離)は5mmである。即ち、照度形Eの位置が被検査物Yを置く照射面Xである。リング状光源(2)への印加電流は1.1Aとした。
【0034】
その測定結果を図6に示す。図6における横軸は、中心軸Cを基準として左右方向への距離を示し、縦軸は従来のドーム状照明装置1’における最も高い照度を100%とした場合における明るさの割合を示している。図6から理解される通り、本実施形態の照明装置1では、従来のものと比較して約117%の照度を得ることができた。
【0035】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る照明装置について説明する。なお、上述した第1実施形態の照明装置1と実質同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0036】
図7を参照して、本実施形態に係る照明装置1Aは、上述した照明装置1と略同一の構成を有するが、反射部材4に代えて反射部材4Aを備え、この反射部材4Aの第1の拡散反射面43cを図3の楕円A―A’に代えて、楕円(二次の非球面曲線)B,B’の一部を構成させた点で異なる。
【0037】
この楕円B,B’は各々に2つの焦点F,F’を有し、各々の一方の焦点(第1焦点)FはLED6に位置する。各々の他方の焦点(第2焦点)F’は、一方の焦点Fからみて中心軸Cの反対側に位置している。即ち、2つの焦点F,F’は中心軸Cの左右両側に位置している。
【0038】
そして、上述した楕円A(又はA’)と同様、楕円B(又はB’)の2つの焦点F,F’を結ぶ線である長軸は中心軸Cに対して所定角度だけ傾斜しており、中心軸Cを中心に楕円Bを1回転させることにより形成される曲面の一部が、三次元空間における第1の拡散反射面43cとなっている。また、楕円Bの長軸は、各LED6の光軸(P)に対して上記所定角度だけ傾斜している。また、照射面Xは、焦点F’より少し上方に(焦点F寄り)に設けられる。
【0039】
かかる構成においても、LED6から放射された有効光は全て第1の拡散反射面43cで拡散反射され、基板5の開口51及びベース3の開口31を介して照射面Xに照射される。よって、LED6からの有効光が反射拡散面43Aにより繰り返し反射されることにより減衰してしまうといった問題が生じず、LED6からの有効光を確実に照射面Xに照射させることができる。
【0040】
また、照射面Xを楕円B(又はB’)の2つの焦点F,F’の間に設定していることから、上述した第1実施形態におけるものと比較して、照射範囲を広くできる。
【0041】
即ち、照射面Xを他方の焦点F’よりも焦点F寄りに設定しているため、焦点F’の位置に一致させて照射面Xを設定した上記第1実施形態の場合と比較して照射範囲を広くできる。即ち、上述した照射装置1において照射面を焦点F’よりも焦点F寄りの照射面X’(図3参照)とすると、照射面を照射面Xとした場合と比較して照射範囲は広くなるものの、図8(a)に示す様に、中心軸C付近における照度がその周辺における照度よりも低くなるという問題が生じる。この点、本実施形態における照明装置1Aでは、図8(b)に示すように中心軸C付近における照度とその周辺部位における照度とをほぼ同一にできる。
【0042】
なお、照射面Xの位置としては、LED6からの有効光に含まれる2つの最外角の光L1,L2に対応する2つの拡散反射光(反射光)をL1’,L2’とした場合において、一方の拡散反射光L1’と中心軸Cと交点P1と、他方の拡散反射光L2’と中心軸Cとの交点P2と、の間に設定するのが好ましい。このように設定することにより、中心部の照度を下げることなく広い照射範囲を実現できる。
【0043】
以上、本発明の実施形態に係る照明装置について添付の図面を参照して説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されず、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形、修正が可能である。
【0044】
例えば、上記実施形態においては、ベース3の他面33には複数のリング状の放熱フィン34が設けられているが、これらリング状の放熱フィン34に代えて、平板状や棒状の放放熱フィンを設けるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0045】
1,1 照明装置
2 リング状光源
3 ベース
4 反射部材
5 基板
6 LED
43 反射面(拡散反射面)
A,B 楕円
C 中心軸
F,F’ 焦点
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9