(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-13439(P2017-13439A)
(43)【公開日】2017年1月19日
(54)【発明の名称】偏平な製袋用合成樹脂チューブ体における出来上がった袋体に内容物を袋詰めしたときに袋体の表裏面及び両側面になる部位への印刷方法及びその合成樹脂製チューブ体による袋体成形工程の途中でチューブ体の側面幅内に微細孔を設ける製造方法
(51)【国際特許分類】
B31B 70/88 20170101AFI20161222BHJP
B31B 70/14 20170101ALI20161222BHJP
B31B 70/26 20170101ALI20161222BHJP
B31B 70/74 20170101ALI20161222BHJP
【FI】
B31B1/88 321
B31B1/14 321
B31B1/26 321
B31B1/80 321
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-134656(P2015-134656)
(22)【出願日】2015年7月3日
(71)【出願人】
【識別番号】594010696
【氏名又は名称】株式会社拓殖商事
(74)【代理人】
【識別番号】100072202
【弁理士】
【氏名又は名称】磯野 政雄
(72)【発明者】
【氏名】高木 淳
(72)【発明者】
【氏名】高木 将
【テーマコード(参考)】
3E075
【Fターム(参考)】
3E075AA07
3E075AA28
3E075BA70
3E075CA02
3E075DA33
3E075DB16
3E075DC01
3E075DC48
3E075DD42
3E075DE23
3E075DE25
3E075FA04
3E075FA05
3E075FA07
3E075GA02
3E075GA03
3E075GA05
(57)【要約】 (修正有)
【課題】偏平な製袋用合樹脂チューブ体内に空気を注入して膨らましながら、両側面に所定のマチ幅を成形した後に再度扁平にして巻き取りを行いながら、その途中でレーザー光の照射により無数の微細孔を穿孔するようにした。
【解決手段】偏平な製袋用合樹脂チューブ体の製造工程中に、ふくらんでいるチューブ体の一側面となる部位の胴周方向中央及び前記他側面となる部位の胴周方向中央に折り目を付けてチューブ体を再度偏平にしながら、再度偏平になったチューブ体をロール状に巻き取る工程の途中に配置したレーザー光照射装置27によって、微細孔をチューブ体10の長手側面に沿って単一列又は複数列に穿孔したことを特徴とする偏平な製袋用合成樹脂チューブ体における出来上がった袋体に内容物を袋詰めしたときに袋体の表裏面及び両側面になる部位への印刷方法。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インフレーション方式により得た長尺の薄肉のチューブ体に折り目を付けて偏平にしながらロール状に巻取ってロール巻きを形成し、該ロール巻きから繰り出した偏平なチューブ体の表裏面における、出来上がった袋体に内容物を袋詰めしたときに袋体の表面になる部位及び一側面になる部位に同時にグラビヤ印刷を前記表裏面における、出来上がった袋体に内容物を袋詰めしたときに袋体の裏面になる部位及び他側面になる部位に同時にグラビヤ印刷を施した後に、印刷済みの偏平なチューブ体をロール状に巻き取る第1工程と、第1工程によって巻き取った偏平なチューブ体のロール巻きからチューブ体を第1の押圧ローラーを介して繰り出し、この繰り出し開始時に、偏平になっていたチューブ体の開口端からチューブ体内部に圧縮空気を注入してチューブ体をふくらませ、前記開口端を第2の押圧ローラーで挟圧することにより前記一側面となる部位の胴周方向中央および前記他側面となる部位の胴周方向中央に折り目を付けて再度偏平にすることにより注入された空気によりふくらんでいるチューブ体の部分をドーム状にし、以後、第1の押圧ローラを介して偏平なチューブ体を繰り出しながら、チューブ体のドーム状の部分を胴周方向にずらしながら、第2の押圧ローラーの挟圧によりふくらんでいるチューブ体の前記一側面となる部位の胴周方向中央及び前記他側面となる部位の胴周方向中央に折り目を付けてチューブ体を再度偏平にしながら、再度偏平になったチューブ体をロール状に巻き取る第2工程の途中に配置したレーザー光照射装置によって、微細孔をチューブ体の長手側面に沿って単一列又は複数列に穿孔したことを特徴とする偏平な製袋用合成樹脂チューブ体における出来上がった袋体に内容物を袋詰めしたときに袋体の表裏面及び両側面になる部位への印刷方法。
【請求項2】
インフレーション方式により得た長尺の薄肉のチューブ体に折り目を付けて偏平にしながらロール状に巻取ってロール巻きを形成し、該ロール巻きから繰り出した偏平なチューブ体の表裏面における、出来上がった袋体に内容物を袋詰めしたときに袋体の表面になる部位および一側面になる部位に同時にグラビヤ印刷を施すと共に、前記表裏面における、出来上がった袋体に内容物を袋詰めしたときに袋体の裏面になる部位及び他側面になる部位に同時にグラビヤ印刷を施した後に、印刷済みの偏平なチューブ体をロール状に巻き取る第1工程と、第1工程によって巻き取った偏平なチューブ体のロール巻きからチューブ体を第1の押圧ローラーを介して繰り出し、この繰り出し開始時に、偏平になっていたチューブ体の開口端からチューブ体内部に圧縮空気を注入してチューブ体をふくらませ、
前記開口端を第2の押圧ローラーで挟圧することにより前記一側面となる部位の胴周方向中央及び前記他側面となる部位の胴周方向中央に折り目を付けて再度偏平にすることにより注入された空気によりふくらんでいるチューブ体の部分をドーム状にし、以後、第1の押圧ローラーを介して偏平なチューブ体を繰り出しながら、チューブ体のドーム状の部分を胴周方向にずらしながら、第2の押圧ローラーの挟圧によりふくらんでいるチューブ体の前記一側面となる部位の胴周方向中央および前記他側面となる部位の胴周方向中央に折り目を付けてチューブ体を再度偏平にしながら、再度偏平になったチューブ体をロール状に巻き取る第2工程の途中に配置したレーザー光照射装置によって、微細孔をチューブ体の長手側面に沿って単一列又は複数列に穿孔し、第2工程でロール状に巻き取ったチューブ体を再度繰り出してその所定の長さの位置において、幅方向にわたって偏平なチューブ体を溶着して底部を形成した後、その溶着部の外側に沿って裁断する第3工程とから成り、出来上がった袋体に内容物を袋詰めした状態における表裏面及び両側面にグラビヤ印刷した表示物が表示されるようにしたことを特徴とする合成樹脂製チューブ体による袋体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、偏平な製袋用の合成樹脂チューブ体における出来上がった袋体に内容物を袋詰めしたときに袋体の表裏面及び両側面になる部位への印刷方法及びその合成樹脂製チューブ体による袋体の製造方法に関するもので、精米、肥料、園芸用の土や水苔、その他各種袋詰めしたときにその袋体の側面全体に文字・模様・図柄その他諸々の表示物が袋体の側面幅の全体にわたって大きくグラビヤ印刷によって連続表示できるようにすると共に、チューブ体の巻き取り工程中にその側面幅内に脱気用の微細孔を設けられるようにしたことを目的とする。
【背景技術】
【0002】
一般にこの種の袋体は、その表面に広告表示を施し、裏面に品名・品質・原料等の表示や製造メーカー等を表示することが行われている。
また、袋詰めした側面にも広告等の表示を施すことが行われている。そして、その袋体に前記の表示を施すのに、両側の折り目を境にして扁平にした袋体の表面と裏面に分けて印刷表示を行うのが普通である。そして、袋詰めしたときの側面部位にも広告等の表示が施される。
【0003】
一方で、内容物を袋詰めしたときに、袋体内に空気が残留していると、その分嵩張ると共に、これを段積みしたときに安定性に欠けて滑落する危険がある。そのため、従来においても合成樹脂製の包装袋に脱気用の孔を設けることは行われている。
【0004】
そのうち、脱気孔が大きいと内容物が零れるので蓋が必要となる。そこで、最近は、ポリエチレン製の収容袋にレーザー光線加工によって無数の微細の孔を設けることが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭62−183377号公開公報
【特許文献2】特開昭62−268643号公開公報
【特許文献3】特開昭63−182180号公開公報
【特許文献4】特開平04−064480号公開公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、前記の袋体において、側面に広告等の表示を施すのに従来は、扁平の折り目を境にしてその表面部と裏面部とに分けて印刷表示が行われるのが普通である。そのため、前記の折り目を境に片側だけの表示は小さく目につきにくい(
図7参照)。
【0007】
また、折り目を境にして両側にわたって連続する表示を施すと、表示物が大きくなって目につきやすいが、折り目には印刷ができないので、その連続表示物の出来映えは完全ではなく、筋目が不体裁に目立って良好な表示物が得られない。
なお、袋体の折り目にも印刷表示できるようにしたものは、従来においても公表されてはいる。例えば、特許文献1の特開昭62−183377号、同文献2の特開昭62−268643号、同文献3の特開昭63−182180号の各公報の袋状物の縦筋の部位にも胴周方向に連続する模様が施せる発明が表示されている。
【0008】
しかしながら、前記3件の公知技術は、いずれも袋体物の中に角柱又は円柱ないし板状に弾性変形できるようにしたアンダープレートを挿入し、その袋状物の正面又は背面にスクリーン印刷を行うものである。
従って、ロール巻きされている長尺のチューブ体を繰り出して連続且つ自動的に印刷表示することを狙いとしているものではなく、1袋づつ手作業で印刷することを前提としていて、本願発明の目的とは異なる。
【0009】
そこで、本願発明者ら及び出願人が特許文献4の特許発明を提供して、段積みした米袋の側面に従来の広告表示(
図7)に比べて相当に大きな広告を表示できるようになった(
図6参照)
【0010】
一方、最近は袋体の側面にレーザー加工により無数の微細孔を設けるものが主流になっている。そして、従来の微細孔の加工は、グラビア印刷を行ったそのチューブ体の扁平状態で行う。ちなみに、レーザー(LASER)は、Light Amplification by Stimulated Emission of Radiationの略であり、人工の光で自然光とは異なる特性を活かし、その人工光線の照射することで微細孔が設けられる。
【0011】
すなわち、上記従来の工法は、成形加工時にレーザー光の照射で複数の微細孔を開けておき、その後にチューブ体に所定の印刷を施し、袋体加工を行って製品としている。
【0012】
これに対して上記特許文献4に係る袋体成形にあっては、チューブ体成形工程で、所定の側面幅を成形するために当該チューブ体内に空気を送り込んで膨らます必要がある。しかしながら、その前工程で扁平状態のチューブ体に微細な穿孔を設けると、空気をチューブ体内に空気を送り込んでも微細孔から空気が漏れて膨らますことができない。
【0013】
そのため、ポリエチレン製チューブ体に所定の側面幅を成形する袋体の成形工程中にレーザー加工で微細孔を設けることはできないとされていた。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明者らは鋭意研究の結果、あらかじめチューブ体の成形・印刷した後、チューブ体内に空気を注入して膨らましながら、両側面に所定のマチ幅を成形する折り目を形成した後に再度扁平にして巻き取りを行う途中でレーザー光の照射穿孔により無数の微細孔を設けることができるようにした。
【0015】
本発明の第1は、偏平な製袋用合成樹脂チューブ体における出来上がった袋体に内容物を袋詰めしたときに袋体の表裏面及び両側面になる部位への印刷方法において、インフレーション方式により得た長尺の薄肉のチューブ体に折り目を付けて偏平にしながらロール状に巻取ってロール巻きを形成し、該ロール巻きから繰り出した偏平なチューブ体の表裏面における、出来上がった袋体に内容物を袋詰めしたときに袋体の表面になる部位及び一側面になる部位に同時にグラビヤ印刷を施すと共に、前記表裏面における、出来上がった袋体に内容物を袋詰めしたときに袋体の裏面になる部位及び他側面になる部位に同時にグラビヤ印刷を施した後に、印刷済みの偏平なチューブ体をロール状に巻き取る第1工程と、第1工程によって巻き取った偏平なチューブ体のロール巻きからチューブ体を第1の押圧ローラーを介して繰り出し、この繰り出し開始時に、偏平になっていたチューブ体の開口端からチューブ体内部に圧縮空気を注入してチューブ体を膨らませ、前記開口端を第2の押圧ローラーで挟圧することにより前記一側面となる部位の胴周方向中央および前記他側面となる部位の胴周方向中央に折り目を付けて再度偏平にすることにより注入された空気によりふくらんでいるチューブ体の部分をドーム状にし、以後、第1の押圧ローラを介して偏平なチューブ体を繰り出しながら、チューブ体のドーム状の部分を胴周方向にずらしながら、第2の押圧ローラーの挟圧によりふくらんでいるチューブ体の前記一側面となる部位の胴周方向中央及び前記他側面となる部位の胴周方向中央に折り目を付けてチューブ体を再度偏平にしながら、再度偏平になったチューブ体をロール状に巻き取る第2工程の途中に配置したレーザー光線照射装置によって、微細孔をチューブ体の長手側面に沿って単一列又は複数列に設けたものである。
【0016】
本発明の第2は、偏平な製袋用合成樹脂チューブ体における出来上がった袋体に内容物を袋詰めしたときに袋体の表裏面及び両側面になる部位への印刷方法において、インフレーション方式により得た長尺の薄肉のチューブ体に折り目を付けて偏平にしながらロール状に巻取ってロール巻きを形成し、該ロール巻きから繰り出した偏平なチューブ体の表裏面における、出来上がった袋体に内容物を袋詰めしたときに袋体の表面になる部位および一側面になる部位に同時にグラビヤ印刷を施すと共に、前記表裏面における、出来上がった袋体に内容物を袋詰めしたときに袋体の裏面になる部位及び他側面になる部位に同時にグラビヤ印刷を施した後に、印刷済みの偏平なチューブ体をロール状に巻き取る第1工程と、第1工程によって巻き取った偏平なチューブ体のロール巻きからチューブ体を第1の押圧ローラーを介して繰り出し、この繰り出し開始時に、偏平になっていたチューブ体の開口端からチューブ体内部に圧縮空気を注入してチューブ体をふくらませ、前記開口端を第2の押圧ローラーで挟圧することにより前記一側面となる部位の胴周方向中央及び前記他側面となる部位の胴周方向中央に折り目を付けて再度偏平にすることにより注入された空気によりふくらんでいるチューブ体の部分をドーム状にし、以後、第1の押圧ローラーを介して偏平なチューブ体を繰り出しながら、チューブ体のドーム状の部分を胴周方向にずらしながら、第2の押圧ローラーの挟圧によりふくらんでいるチューブ体の前記一側面となる部位の胴周方向中央および前記他側面となる部位の胴周方向中央に折り目を付けてチューブ体を再度偏平にしながら、再度偏平になったチューブ体をロール状に巻き取る第2工程の途中に配置したレーザー光線照射装置によって、微細孔をチューブ体の長手側面に沿って単一列又は複数列に設け、第2工程でロール状に巻き取ったチューブ体を再度繰り出してその所定の長さの位置において、幅方向にわたって偏平なチューブ体を溶着して底部を形成した後、その溶着部の外側に沿って裁断する第3工程とから成り、出来上がった袋体に内容物を袋詰めした状態における表裏面及び両側面にグラビヤ印刷した表示物が表示されるようにしたものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明は上記の構成であるから、袋体の表面には、メイン広告が表示され、且つ裏面にはブランド、キャラクタ、品名、メーカー名等の表示が表示されると共に、その両側面にも幅方向の全面にわたって広告が表示される。これによって、製品を袋詰めした袋体を多段に積み上げたときでも下から袋体の側面の広告が一目ではっきりと視認でき、その宣伝広告の効果が倍加する。
【0018】
そして、その側面に印刷する手段は、折り目が入っていない扁平の状態において表面部の印刷又は裏面部の印刷と同時に行うから、その印刷、製袋、裁断、繰り出し、巻取り等の一連の作業を機械によって自動的に行うのに適し、量産が可能である。
【0019】
さらに、チューブ体の印刷時点においては、側面の印刷表示が表面又は/及び裏面に位置しているが、製袋のための繰り出し途中において当該チューブ体を胴周方向に設定した寸法だけずらして折り目を付けることによって、その表示が製袋の側面に位置することができる。
【0020】
また、その袋体側面の広告は、その表示の中央に筋目が入っているが、これは印刷した後に、胴周方向にずらして付けられたものであるから、その印刷部分が筋目にかかっていても、印刷が飛んで途切れたりすることはなく、文字、模様、キャラクタ、その他の各種の広告が連続してきれいに表示され、商品価値を高めることができる。
【0021】
そして、チューブ体をふくらませて所定の側面マチ幅を成形し、その後、再度チューブ体を扁平させながら巻き取り移動する途中で、当該側面の長手に沿ってレーザー加工機からのレーザー光を照射して穿孔することにより、無数の微細孔を設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明方法により所定の側面幅全体に印刷表示した袋体の側面図である。
【
図2】
図1の袋体用超長尺チューブ体の表面の一部を示す平面図である。
【
図3】
図2の袋体用超長尺チューブ体の裏面の一部を示す底面図である。
【
図4】側面全体に広告表示を施す製袋工程の一部を示す概略斜視図である。
【
図5】扁平チューブ体の表示側面にレーザー光を照射して上側の1枚のみに複数穿設した微細孔の一部拡大平面図である。
【
図6】扁平チューブ体の側面に微細孔をあけるレーザー光照射装置を設けた斜視図である。
【
図7】本発明方法によって製作した大きな表示側面を有する米袋を段積みした斜視図である。
【
図8】従来方法によって製作した小さい表示側面を有する米袋を段積みした斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0023】
次に本発明の実施例を、図面を以て説明する。
図1は本発明方法により袋体の表面と側面幅全体に印刷表示した本体の斜視図、
図2は
図1の袋体用超長尺チューブ体の表面の一部を示す平面図、
図3は袋体用超長尺チューブ体の裏面の一部を示す底面図、
図4は側面全体に広告表示を施す製袋工程を示す概略図である。
図1において、1は袋体本体であって、ポリエチレン材料をインフレーション方式によって得た薄肉チューブ体10を所定の長さLに設定し、且つその幅方向Wにわたって細幅状に溶着等により溶着部11を形成し、面積の広い表面2と裏面3と左右の両側面4・5を形成した有底袋を作製する。
6〜9は袋体本体1の表裏面2・3及び左右の側面4・5にグラビヤ印刷で表示した表示物であり、前記の袋体表面2には、ブランド、キャラクタ等のメイン広告6を表示し、袋体裏面3には袋詰めした製品の品名、使用原料、メーカー名等7を表示する。そして、袋体1の一側面4には側面幅w
1の全体にわたって広告8を表示する。また、袋体の他側面5には前記側面幅と同じ幅w
2に広告を表示する。
図中、12は薄肉チューブ体の側面マチ幅内における1枚に穿孔した微細孔であり、
図4はその一例を示し、孔径を100〜300μmに設定し、長さ方向にピッチ l′=5〜6mm、左右に2列で間隔w′=3〜4mmに設定したものを示す。
21〜26はチューブ体を前方に送るためのローラーを示し、21は押圧ローラー、22はガイド部材、23はローラー、24は押圧ローラー、25は反転ローラー、26は正転ローラーを示す。27はレーザー光照射装置であり、具体的には、株式会社キーエンス社製の「レーザー加工機」製品を用いる。
【実施例2】
【0024】
「具体的な印刷・所定側面幅・微細孔の工程例」
次に、合成樹脂製チューブ体側面に印刷表示した袋体の製造工程を説明する。
(1) 第1工程(グラビヤ印刷工程)図示省略インフレーション方式により得た超長尺の薄肉チューブ体に折り目を付けてロール状に巻取っておき、前記ロール巻きから繰り出して扁平の表面部に当該表面部位と一側面部位及び扁平の裏面に当該裏面部位と他側面部位に公知のグラビヤ印刷方法によって所定の表示物を施した後にロール状に巻き取る。前記のチューブ体は、一袋の長さに相当するピッチで自動的に送り、且つその一袋に相当する部位にグラビヤ印刷6〜9を自動且つ連続して行うものである。
(2) 第2工程(印刷側面ずらし工程)第1工程における、ロール状に巻きとられているロール巻きRから繰り出した扁平薄肉チューブ体10を、
図4に示すように第1の押圧ローラー21を介して送ると共に、この繰り出し開始時に該チューブ体の開口端から内部に圧縮空気を注入してドーム状を形成し、以後、偏平薄肉チューブ体10を第1押圧ローラーで送りながら、ドーム状のチューブ体表面2の一側面幅w
lと、裏面3の他側面幅w
2を胴周方向に前記幅の2分の1だけずらしながら、その両側面幅w
l・w
2の中央線位置cに沿って折り、ガイド部材22を介し、さらに別のローラー23を介して巻き取り角度を変えながら、且つ第2の押圧ローラー24で挟圧して折り目10
3・10
4を付けて扁平チューブ体を次のロール状に巻き取る工程に送る。
(3) チューブ体の送る途中においてレーザー光照射装置27によって、チューブ体10の側面幅の長さ方向の縁辺に照射し、当該チューブ体の巻き取り移動しながら連続して微細孔12を穿設する。当該微細孔12の径は、米袋にあける場合は、大きくても米粒がこぼれない径とするが、実際には無数に穿孔するため、好ましくは直径50〜300μmの微細孔12を長さ方向の間隔l′=4〜6mm、2列の横幅方向の間隔w′=2〜4mmを可とする(
図4参照)。また、その微細孔は、扁平チューブ体の上面側の1枚だけに穿孔するものである。その理由は、上下2枚に穿孔すると、その2枚が溶着してしまうので好ましくない。
(4) 微細孔12を穿孔し終わった扁平チューブ体10はロール状に巻き取られてロール巻きR′を形成する。
(5) 第3工程(製袋工程)図示省略: チューブ体10を巻き取ったロール巻R′を再度繰り出して所定の長さLの位置において、幅Wの方向にわたって溶着し、その溶着部11で底部を形成した後、その溶着部の外側に沿って裁断すると、その裁断個所が開口となって1枚分の袋体1が作製される。
そして、製品を袋詰めしたあとは開口を溶着して接着部11′を形成して閉塞する。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明は、米のほか腐葉土その他の園芸材料、砂利や砂の等の収容に関して、収容物を入れた後の袋体内部残留している空気を抜く必要がある各種袋体に適用することができる。
【符号の説明】
【0026】
1…有底袋体
2…袋体の表面部
3…袋体の裏面部
4…袋体の一側面部
5…袋体の他側面部
6…袋体表面部のグラビヤ印刷表示物
7…袋体裏面部のグラビヤ印刷表示物
8…袋体一側面部のグラビヤ印刷表示物
9…袋体他側面部のグラビヤ印刷表示物
10…薄肉チューブ体
11…溶着部
12…微細孔
21…押圧ローラー
22…ガイド部材
23…ローラー
24…押圧ローラー
25…反転ローラー
26…正転ローラー
27…レーザー光照射装置
W…袋体の横幅
L…袋体の長さ
w
l・w
2…袋体の側面幅
w′…微細孔の横幅方向の間隔
l′…微細孔の長さ方向の間隔