(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-135364(P2017-135364A)
(43)【公開日】2017年8月3日
(54)【発明の名称】印刷回路基板およびこれを具備した電子素子パッケージ
(51)【国際特許分類】
H05K 3/46 20060101AFI20170707BHJP
H01L 23/12 20060101ALI20170707BHJP
【FI】
H05K3/46 N
H05K3/46 B
H05K3/46 Q
H01L23/12 501P
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-237943(P2016-237943)
(22)【出願日】2016年12月7日
(31)【優先権主張番号】10-2016-0011533
(32)【優先日】2016年1月29日
(33)【優先権主張国】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ジェ−ホーン チョイ
(72)【発明者】
【氏名】ヨン−ホ バエク
(72)【発明者】
【氏名】カン−ウーク ボン
(72)【発明者】
【氏名】ジェ−イァン リー
(72)【発明者】
【氏名】イエ−ジェオン キム
(72)【発明者】
【氏名】サン−クン キム
【テーマコード(参考)】
5E316
【Fターム(参考)】
5E316AA12
5E316AA15
5E316AA32
5E316AA38
5E316AA43
5E316BB02
5E316CC09
5E316CC10
5E316CC32
5E316DD02
5E316DD12
5E316DD24
5E316DD32
5E316EE31
5E316FF23
5E316FF33
5E316FF45
5E316GG15
5E316GG17
5E316GG28
5E316HH11
5E316JJ12
5E316JJ23
(57)【要約】 (修正有)
【課題】電子素子をパッケージ基板内に内蔵させるポスト構造を形成する場合に、信頼性が高いポスト構造を形成する印刷回路基板およびこれを具備した電子素子パッケージを提供する。
【解決手段】電子素子パッケージは、第1絶縁層10、第1絶縁層10に埋め立てられて第1絶縁層の一方の面に露出される埋め立て回路パターン20、埋め立て回路パターン20上に形成されて第1絶縁層10の一方の面から突出するように形成された接続パッド30、接続パッド30上に形成された金属ピン40および埋め立て回路パターン20に連結された電子素子50を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1絶縁層;
前記第1絶縁層に埋め立てられ、前記第1絶縁層の一方の面に露出される埋め立て回路パターン;
前記埋め立て回路パターン上に形成され、前記第1絶縁層の一方の面から突出するように形成された接続パッド;
前記接続パッド上に形成された金属ピン;および
前記埋め立て回路パターンに連結された電子素子を含む、電子素子パッケージ。
【請求項2】
前記電子素子は前記第1絶縁層の一方の面に配置され、
前記金属ピンおよび前記電子素子を埋め立てるように前記第1絶縁層の一方の面に積層された第2絶縁層をさらに含む、請求項1に記載の電子素子パッケージ。
【請求項3】
前記第2絶縁層に積層された第3絶縁層;および
前記第3絶縁層に形成されて前記金属ピンと連結された回路パターンをさらに含む、請求項2に記載の電子素子パッケージ。
【請求項4】
前記第3絶縁層上に配置され、前記第3絶縁層の回路パターンに連結される回路パターンを具備した回路基板をさらに含む、請求項3に記載の電子素子パッケージ。
【請求項5】
前記電子素子と連結された再配線回路パターンをさらに含む、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の電子素子パッケージ。
【請求項6】
前記接続パッドと前記金属ピン間に介在された導電性結合層をさらに含む、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の電子素子パッケージ。
【請求項7】
前記接続パッドは前記埋め立て回路パターンの幅よりも広く形成された、請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の電子素子パッケージ。
【請求項8】
前記接続パッドと前記埋め立て回路パターンの間に介在されたバリア金属層をさらに含む、請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の電子素子パッケージ。
【請求項9】
第1絶縁層;
前記第1絶縁層に埋め立てられ、前記第1絶縁層の一方の面に露出された埋め立て回路パターン;
前記埋め立て回路パターン上に形成され、前記第1絶縁層の一方の面から突出するように形成された接続パッド;および
前記接続パッド上に形成された金属ピンを含む、印刷回路基板。
【請求項10】
前記金属ピンを埋め立てるように前記第1絶縁層の一方の面に積層された第2絶縁層をさらに含む、請求項9に記載の印刷回路基板。
【請求項11】
前記第2絶縁層に積層された第3絶縁層;および
前記第3絶縁層に形成されて前記金属ピンと連結された回路パターンをさらに含む、請求項10に記載の印刷回路基板。
【請求項12】
前記接続パッドと前記金属ピン間に介在された導電性結合層をさらに含む、請求項9〜請求項11のいずれか一項に記載の印刷回路基板。
【請求項13】
前記接続パッドは前記埋め立て回路パターンの幅よりも広く形成された、請求項9〜請求項12のいずれか一項に記載の印刷回路基板。
【請求項14】
前記接続パッドと前記埋め立て回路パターンの間に介在されたバリア金属層をさらに含む、請求項9〜請求項13のいずれか一項に記載の印刷回路基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は印刷回路基板およびこれを具備した電子素子パッケージに関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯電話をはじめとするIT分野の電子機器が薄型化/小型化されるにつれて、これに対する技術的要求に呼応してIC、能動素子または受動素子などの電子部品が基板内に挿入される技術が要求されており、最近では多様な方式で基板内に部品が内蔵される技術が開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第7886433号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、電子素子をパッケージ基板内に内蔵させるポスト構造を形成する場合に、信頼性が高いポスト構造を形成する印刷回路基板およびこれを具備した電子素子パッケージを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る電子素子パッケージは、第1絶縁層、前記第1絶縁層に埋め立てられて前記第1絶縁層の一方の面に露出される埋め立て回路パターン、前記埋め立て回路パターン上に形成されて前記第1絶縁層の一方の面から突出するように形成された接続パッド、前記接続パッド上に形成された金属ピンおよび前記埋め立て回路パターンに連結された電子素子を含む。
【0006】
本発明に係る印刷回路基板は、第1絶縁層、前記第1絶縁層に埋め立てられて前記第1絶縁層の一方の面に露出された埋め立て回路パターン、前記埋め立て回路パターン上に形成されて前記第1絶縁層の一方の面から突出するように形成された接続パッドおよび前記接続パッド上に形成された金属ピンを含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の一実施例に係る電子素子パッケージを示した図面。
【
図2】本発明の一実施例に係る電子素子パッケージのポスト構造を説明する図面。
【
図3】本発明の一実施例に係る電子素子パッケージのポスト構造を説明する図面。
【
図4】本発明の他の実施例に係る電子素子パッケージを示した図面。
【
図5】本発明の一実施例に係る電子素子パッケージの製造方法を説明する図面。
【
図6】本発明の一実施例に係る電子素子パッケージの製造方法を説明する図面。
【
図7】本発明の一実施例に係る電子素子パッケージの製造方法を説明する図面。
【
図8】本発明の一実施例に係る電子素子パッケージの製造方法を説明する図面。
【
図9】本発明の一実施例に係る電子素子パッケージの製造方法を説明する図面。
【
図10】本発明の一実施例に係る電子素子パッケージの製造方法を説明する図面。
【
図11】本発明の一実施例に係る電子素子パッケージの製造方法を説明する図面。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明に係る印刷回路基板およびその製造方法の実施例を添付図面を参照して詳細に説明するが、説明において、同一または対応する構成要素は同じ図面番号を付与し、これに対する重複する説明は省略する。
【0009】
また、本発明で用いられる第1、第2などの用語は、同一または相応する構成要素を区別するための識別記号に過ぎず、同一または相応する構成要素が第1、第2などの用語によって限定されるものではない。
【0010】
また、結合とは、各溝性要素間の接触関係において、各溝性要素間に物理的に直接接触する場合だけを意味するのではなく、他の構成が各溝性要素の間に介在されて、該他の構成に構成要素がそれぞれ接触されている場合までも包括する概念として用いられる。
【0011】
図1は本発明の一実施例に係る電子素子パッケージを示した図面である。
【0012】
図1を参照すれば、本発明の一実施例に係る電子素子パッケージは第1絶縁層10、埋め立て回路パターン20、接続パッド30、金属ピン40および電子素子50を含む。
【0013】
第1絶縁層10は埋め立て回路パターン20を電気的に絶縁させる。第1絶縁層10は樹脂材であり得る。第1絶縁層10はエポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂、ポリイミド(PI)のような熱可塑性樹脂を含むことができ、プリプレグ(PPG)やビルドアップフィルム(build−up film)で形成され得る。
【0014】
埋め立て回路パターン20は第1絶縁層10に形成される。埋め立て回路パターン20は銅などの金属で形成される。回路パターンは第1絶縁層10の一方の面、他方の面または内部にも形成され得る。例えば、回路パターンは第1絶縁層10の内部に形成された回路層25と回路層を連結するビアと、ビアで連結されたパッド26を含むことができる。本実施例では第1絶縁層10の一方の面に第1絶縁層10の内部に埋め立てられた構造の埋め立て回路パターン20が形成される。埋め立て回路パターン20は第1絶縁層10の一方の面に露出されて電子素子50などと電気的に連結され得る。例えば、埋め立て回路パターン20は微細な回路が基板に埋め立てられるエンベデッドトレース基板(embedded trace substrate)の回路構造を有することができる。エンベデッドトレース構造の微細な埋め立て回路パターン20は電子素子50の微細なパッドにも対応が可能である。
【0015】
接続パッド30は埋め立て回路パターン20と後述する金属ピン40を連結し、金属ピン40の安定的な結合を助ける。
図2および
図3は本発明の一実施例に係る電子素子パッケージのポスト連結構造を説明する図面である。接続パッド30は埋め立て回路パターン20上に形成されて埋め立て回路パターン20と電気的に連結され、第1絶縁層10の一方の面から突出するように形成される。例えば、埋め立て回路パターン20の上面が第1絶縁層10の一方の面と略面一に形成される場合に(または埋め立て回路パターン20の上面が第1絶縁層10の一方の面より少々高いか低い場合にも)、埋め立て回路パターン20とこれに隣接する第1絶縁層10の一方の面に接続パッド30が積層されて形成され得る。例えば、アディティブ法(additive process)、セミアディティブ法(semi−additive arocess)、テンティング(tenting)などの方法を利用して接続パッド30を積層して形成することができる。積層された接続パッド30は下部面を通じて埋め立て回路パターン20と接することになり埋め立て回路パターン20と電気的に連結される。そして、接続パッド30が第1絶縁層10の一方の面上に積層構造で形成されると第1絶縁層10の一方の面から突出する構造を有することになる。
【0016】
突出した構造の接続パッド30は金属ピン40の安定的な結合を助ける。
図2を参照すれば、金属ピン40が結合される時、位置公差または傾きなどの問題によって予定された位置または予定された姿勢からずれて金属ピン40が接続パッド30に配置され得る。このとき、接続パッド30が突出した構造を有すると金属ピン40のずれた位置または姿勢を容易に補正することができる。例えば、接続パッド30の上面が平坦に維持されるのであれば、傾いた金属ピン40は結合する時に正しく立つようにすることができる。そして、金属ピン40の位置が予定された位置からある程度ずれていても金属ピン40の下面が接続パッド30の上面と接する限り、接続パッド30と金属ピン40の結合は維持され得る。特に、接続パッド30は埋め立て回路パターン20の幅よりも広く形成され得る。広く形成された接続パッド30は第1絶縁層10の上にも拡張されて埋め立て回路パターン20と金属ピン40が直接連結される構造と比べて広い結合領域を確保することができる。
【0017】
接続パッド30と埋め立て回路パターン20の間には、さらにバリア金属層32が形成され得る。バリア金属層32は製造工程で埋め立て回路パターン20を保護する役割をする。例えば、接続パッド30の形成のためのメッキ層の食刻工程で埋め立て回路パターン20を保護する役割をすることができる。バリア金属層32に対する具体的内容は電子素子パッケージの製造方法を後述するときに具体的に説明する。
【0018】
接続パッド30と金属ピン40の間には結合を助ける導電性結合層35がさらに介在され得る。導電性結合層35は薄い金属層やソルダー層で形成され得る。または電気を通じる導電性物質である銀のような金属粒子を含む接着剤であり得る。このとき、突出した構造の接続パッド30は導電性結合層35の流出による電気的短絡を防止する役割を果たすことができる。
図3を参照すれば、接続パッド30と金属ピン40の結合後に残った導電性結合層35は隣接したパッドまたは回路パターンに流れ出る恐れがある。突出した接続パッド30は突出した構造によって側面を有することになるため、導電性結合層35が流れ出るまでの長さを延長させることになる。すなわち、平坦な構造のパッドに比べ、突出した構造の接続パッド30からこぼれおちた導電性結合層35はより長い距離を通ってから隣接した回路パターンまたはパッドに到達することができる。したがって、突出した接続パッド30は導電性結合層35による電気的短絡を防止する役割をすることができる。
【0019】
金属ピン40は接続パッド30上に結合される。上部の回路パターンと連結されるために、金属ピン40は柱状を有して長さ方向に延在する構造を有することができる。例えば、銅材質のピン(pin)が金属ピン40となり、ピン止め(pinning)工程を通じて接続パッド30に結合され得る。金属ピン40と接続パッド30の結合のために、銀ペーストのような導電性結合層35が金属ピン40と接続パッド30の間に介在され得る。金属ピン40を利用すれば厚い空間を貫通する電気的接続が可能であるため、電子素子パッケージから相対的に距離の遠い回路パターン間の電気的接続を容易にすることができる。一方、金属ピン40はメッキ工程や導電性物質を積層する方法を通じて形成されることもある。
【0020】
電子素子50はIC、能動素子または受動素子などの電子部品であって、埋め立て回路パターン20に連結される。例えば、
図1に示されたように、電子素子50は第1絶縁層10の一方の面に配置され、電子素子50の下面に形成されたパッドとエンベデッドトレース構造の埋め立て回路パターン20が連結され得る。金属ピン40は第1絶縁層10の一方の面に電子素子50と並んで配置され得る。このとき、接続パッド30に結合された金属ピン40が並んで配置された電子素子50の高さとほぼ同一または高く形成することによって、金属ピン40を通じて電子素子50の下部および上部に形成された回路層が連結され得る。
【0021】
第1絶縁層10には電子素子50と連結された再配線回路パターン(redistribution layer)が形成され得る。例えば、第1絶縁層10の内部に形成された回路層25とビアなどを通して、電子素子50のパッドと連結された埋め立て回路パターン20は第1絶縁層10の他面に形成された入出力(I/O)パッド26または第1絶縁層10の一方の面に形成された接続パッド30に電気的に連結され得る。ワイヤーボンディング(wire boding)が可能な入出力パッド26または金属ピン40の連結が可能な接続パッド30に電子素子50の微細なパッドが連結されることによって、ワイヤーボンディングなどの一般の基板工程で電子素子50との電気的接続が可能となり得る。
【0022】
金属ピン40および電子素子50を埋め立てるように第1絶縁層10の一方の面に積層された第2絶縁層60がさらに含まれ得る。
図1を参照すれば、第2絶縁層60を利用して電子素子50および金属ピン40を基板製造工程で一括的に埋め立てることができるため、パネル基板状態で一度にパッケージ工程およびテストが可能なPLP(panel level package)基板構造を具現することができる。
【0023】
また、第2絶縁層60には第3絶縁層70がさらに積層され、第3絶縁層70に金属ピン40とビア82を通じて連結された入出力パッド80のような回路パターンが形成され得る。本実施例の電子素子パッケージは第3絶縁層70に形成された入出力パッドを通じて外部基板などと連結が可能であり、POP(package on package)構造を容易に形成することができる。
図4を参照すれば、第3絶縁層70の入出力パッド80に連結される回路パターン110および他の電子素子120を具備した外部パッケージ100を第3絶縁層70上に配置することによって、PLP基板基盤のPOP構造を形成することができる。
【0024】
図5〜
図11は本発明の一実施例に係る電子素子パッケージの製造方法を説明する図面である。
図5を参照すれば、離型層6を有するキャリア基板5の上に接続パッド30のための第1金属層30aとバリア金属層32のための第2金属層32aをメッキで順に形成する。キャリア基板5としては、メタルまたは樹脂などのような多様な材質のダミー基板を利用することができる。
【0025】
図6を参照すれば、第1金属層30a上に回路パターンおよび第1絶縁層10を積層する。例えば、キャリア基板5の離型層6上に導電性の金属物質を塗布した後、パターニング工程などを実施することによって、回路パターンを形成することができる。またはメッキで金属層を形成し、選択的エッチングを通じてパターニング工程を実施することができる。パターニング工程はテンティング法(Tenting)またはMSAP(Modified Semi−Additive Process)工法またはSAP(Semi−Additive Process)工法などを利用することができる。キャリア基板5に回路パターンを形成した後、キャリア基板5にプリプレグ(PPG)やビルドアップフィルム(build−up film)を圧着して積層することによって、第1絶縁層10を回路パターンで埋め立てることができる。または絶縁性樹脂をキャリア基板5に塗布して回路パターンを埋め立てる絶縁層を形成することができる。第2金属層32aに接する回路パターンは一つの面を除いた残りの面が絶縁層によって囲まれた埋め立て構造を有することになるため、以後第2金属層32aが除去されると回路パターンは第1絶縁層10の一方の面にのみ露出される埋め立て構造を有することになる。
【0026】
埋め立て回路パターン20を形成した後、キャリア基板5に積層された絶縁層に繰り返して回路パターンおよび絶縁層を形成して、第1絶縁層10と多層回路層を形成することができる。ソルダーレジスト層をさらに積層して外部に露出された回路パターンをカバーして保護することができる。このとき、回路パターンを露出させるオープニング(opening)が選択的に形成され得る。露出された回路パターンはワイヤーボンディングが可能な入出力パッド26となり得る。
【0027】
図7を参照すれば、第1金属層30aを選択的にエッチングして接続パッド30をパターニングする。パターニング工程はテンティング法(Tenting)またはMSAP(Modified Semi−Additive Process)工法またはSAP(Semi−Additive Process)工法などを利用することができる。このとき、第2金属層32aはバリア(barrier)層となって埋め立て回路パターン20を覆い、第1金属層30aと異種の物質で形成される。第1金属層30aと異なる物質で形成された第2金属層32aは接続パッド30のパターニングに関連した工程でも損傷することなく埋め立て回路パターン20を保護することができる。例えば、第1金属層30aが銅を含んでからなる場合に、第2金属層32aはニッケルメッキで形成され得る。ニッケル金属層は銅材質の第1金属層30aをエッチングする物質に対して耐食性があるため、以後の接続パッド30形成過程にてニッケル金属層で覆われた埋め立て回路パターン20が損傷することを防止することができる。
【0028】
図8を参照すれば、第1絶縁層10の一方の面の第2金属層32aを除去して埋め立て回路パターン20を露出させる。第2金属層32aはその材質により化学的または物理的方法のうち容易な方法によって除去され得る。例えば、ニッケル金属層からなる第2金属層32aは銅材質を食刻するエッチング液には耐食性があるが、ニッケルエッチング液には溶解して除去され得る。このとき、銅材質の埋め立て回路パターン20はニッケルエッチング液には耐食性を有するため、損傷されずに保存され得る。接続パッド30と第1絶縁層10に間にはバリア金属層32が残存することになる。
【0029】
図9を参照すれば、接続パッド30に金属ピン40が結合される。例えば、銅材質のピン(pin)が金属ピン40となり、ピン止め(pinning)工程を通じて接続パッド30に結合され得る。金属ピン40と接続パッド30の結合のために、銀ペーストのような導電性結合層35が金属ピン40と接続パッド30の間に介在され得る。
【0030】
図10を参照すれば、第1絶縁層10の一方の面に電子素子50が配置される。電子素子50はソルダーボールなどを通して埋め立て回路パターン20と電気的に連結されるように結合され得る。
【0031】
図11を参照すれば、第2絶縁層60を利用して電子素子50および金属ピン40を基板製造工程で一括的に埋め立て、第2絶縁層60に第3絶縁層70をさらに積層する。第3絶縁層70には入出力パッド80のような回路パターンが形成されてビア82を通じて金属ピン40と連結され得る。
【0032】
本発明の接続パッド30と金属ピン40の構造は前述した電子素子パッケージの外にも多様な印刷回路基板に適用され得る。本発明に係る印刷回路基板は金属ピン40構造を利用して厚い空間を通過する電気的接続が可能であるため、相対的に距離が遠い回路パターン間の電気的接続が容易である。
【0033】
本発明の他の実施例に係る印刷回路基板は第1絶縁層10、埋め立て回路パターン20、接続パッド30、金属ピン40を含む。
【0034】
第1絶縁層10は埋め立て回路パターン20を電気的に絶縁させる。第1絶縁層10は樹脂材であり得る。第1絶縁層10はエポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂、ポリイミド(PI)のような熱可塑性樹脂を含むことができ、プリプレグ(PPG)やビルドアップフィルム(build−up film)で形成され得る。
【0035】
埋め立て回路パターン20は第1絶縁層10に形成される。埋め立て回路パターン20は銅などの金属で形成される。回路パターンは第1絶縁層10の一方の面、他方の面または内部にも形成され得る。例えば、回路パターンは第1絶縁層10の内部に形成された回路層25と回路層を連結するビアと、ビアで連結されたパッド26を含むことができる。特に、本実施例では第1絶縁層10の一方の面に第1絶縁層10の内部に埋め立てられた構造の埋め立て回路パターン20が形成される。埋め立て回路パターン20は第1絶縁層10の一方の面に露出されて電子素子50などと電気的に連結され得る。例えば、埋め立て回路パターン20は微細な回路が基板に埋め立てられるエンベデッドトレース基板(embedded trace substrate)の回路構造を有することができる。エンベデッドトレース構造の微細な埋め立て回路パターン20は電子素子50の微細なパッドにも対応が可能である。
【0036】
接続パッド30は埋め立て回路パターン20と後述する金属ピン40を連結し、金属ピン40の安定的な結合を助ける。接続パッド30は埋め立て回路パターン20上に形成されて埋め立て回路パターン20と電気的に連結され、第1絶縁層10の一方の面から突出するように形成される。例えば、埋め立て回路パターン20の上面が第1絶縁層10の一方の面と略面一に形成される場合に(または埋め立て回路パターン20の上面の第1絶縁層10の一方の面より少々高いか低い場合にも)、埋め立て回路パターン20とこれに隣接する第1絶縁層10の一方の面に接続パッド30が積層されて形成され得る。例えば、アディティブ法(additive arocess)、セミアディティブ法(semi−additive arocess)、テンティング(tenting)などの方法を利用して接続パッド30を積層して形成することができる。積層された接続パッド30は下部面を通じて埋め立て回路パターン20と接することになり埋め立て回路パターン20と電気的に連結される。そして、接続パッド30が第1絶縁層10の一方の面上に積層構造で形成されると第1絶縁層10の一方の面から突出する構造を有することになる。
【0037】
突出した構造の接続パッド30は金属ピン40の安定的な結合を助ける。
図2を参照すれば、金属ピン40が結合される時、位置公差または傾きなどの問題によって予定された位置または予定された姿勢からずれて金属ピン40が接続パッド30に配置され得る。このとき、接続パッド30が突出した構造を有すると金属ピン40のずれた位置または姿勢を容易に補正することができる。例えば、接続パッド30の上面が平坦に維持されるのであれば、傾いた金属ピン40は結合する時に正しく立つことができる。そして、金属ピン40の位置が予定された位置からある程度ずれていても金属ピン40の下面が接続パッド30の上面と接する限り、接続パッド30と金属ピン40の結合は維持され得る。特に、接続パッド30は埋め立て回路パターン20の幅よりも広く形成され得る。広く形成された接続パッド30は第1絶縁層10の上にも形成されて埋め立て回路パターン20と金属ピン40が直接連結される構造と比べて広い結合領域を確保することができる。
【0038】
接続パッド30と埋め立て回路パターン20の間には、さらにバリア金属層32が形成され得る。バリア金属層32は製造工程で埋め立て回路パターン20を保護する役割をする。例えば、接続パッド30形成のためのメッキ層の食刻工程で埋め立て回路パターン20を保護する役割をすることができる。
【0039】
接続パッド30と金属ピン40の間には結合を助ける導電性結合層35がさらに介在され得る。導電性結合層35は薄い金属層やソルダー層で形成され得る。または電気を通じる導電性物質である銀のような金属粒子を含む接着剤であり得る。このとき、突出した構造の接続パッド30は導電性結合層35の流れによる電気的短絡を防止する役割をすることができる。
図3を参照すれば、接続パッド30と金属ピン40の結合後に残った導電性結合層35は隣接したパッドまたは回路パターンに流れる恐れがある。突出した接続パッド30は突出した構造によって側面を有することになるため、導電性結合層35が流れる長さを延長させることになる。すなわち、平坦な構造のパッドに比べて、突出した構造の接続パッド30からこぼれおちた導電性結合層35はより長い距離を通ってから隣接した回路パターンまたはパッドに到達することができる。したがって、突出した接続パッド30は導電性結合層35による電気的短絡を防止する役割をすることができる。
【0040】
金属ピン40は接続パッド30上に形成される。上部の回路パターンと連結されるために、金属ピン40は柱状を有して長さ方向に延長された構造を有することができる。例えば、銅材質のピン(pin)が金属ピン40となり、ピン止め(pinning)工程を通じて接続パッド30に結合され得る。銅ポストと接続パッド30の結合のために、銀ペーストのような導電性結合層35が金属ピン40と接続パッド30の間に介在され得る。金属ピン40を利用すれば厚い空間を通過する電気的接続が可能であるため、電子素子パッケージから相対的に距離の遠い回路パターン間の電気的接続を容易にすることができる。
【0041】
金属ピン40および電子素子50を埋め立てるように第1絶縁層10の一方の面に積層された第2絶縁層60がさらに含まれ得る。第2絶縁層60を利用して金属ピン40を基板製造工程で埋め立てることができる。また、第2絶縁層60には第3絶縁層70がさらに積層され、第3絶縁層70に金属ピン40と連結された入出力パッド80のような回路パターンが形成され得る。
【0042】
以上、本発明の一実施例について説明したが、該当技術分野で通常の知識を有した者であれば特許請求の範囲に記載された本発明の思想から逸脱しない範囲内で、構成要素の付加、変更、削除または追加などによって本発明を多様に修正および変更させることができ、このような変更物ないし均等物も本発明の権利範囲に属する。
【符号の説明】
【0043】
5 キャリア基板
6 離型層
10 第1絶縁層
20 埋め立て回路パターン
26、80 入出力パッド
30 接続パッド
32 バリア金属層
35 導電性結合層
40 金属ピン
50 電子素子
60 第2絶縁層
70 第3絶縁層
100 外部パッケージ