【解決手段】画像データ伝送システム10が、受信回路12と、圧縮画像データ22に対応する伝送データ24を受信回路12に伝送する送信回路11とを具備する。圧縮画像データ22は、圧縮コードと圧縮画像本体データとを含む。伝送データ24は、圧縮コードを含み、且つ、圧縮画像本体データ又はその反転データのいずれかを含む。対象伝送データの伝送において、送信回路11は、直前伝送データの圧縮画像本体データ又は反転データに割り当てられた信号線13aによって伝送されたビットと、対象圧縮画像データの圧縮画像本体データのビットとの比較を行い、比較の結果に応じて、圧縮画像本体データ又は反転データのいずれかを対象伝送データに組み込むように構成されている。一方、送信回路11は、対象圧縮画像データの圧縮コードをそのまま対象伝送データに組み込む。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。以下の説明においては、同一又は類似の構成要素が、同一又は対応する参照番号で参照されることがあることに留意されたい。
【0014】
本発明の理解を容易にするために、以下では、まず、データ伝送における消費電力の発生とデータ反転による消費電力の抑制について説明する。
【0015】
図1Aは、データ伝送を行うデータ伝送システム100の一例を示すブロック図である。送信側装置101と受信側装置102とが、複数の信号線103によって接続されている。
図1Aでは、信号線103の数は4であり、4ビットの伝送データがパラレルで伝送される。
【0016】
このようなデータ伝送システム100では、信号線103の電位の反転による消費電力が大きいという問題がある。例えば、直前にデータ“0000”を伝送した後、データ“1111”を伝送する場合には、全ての信号線103の電位が反転されるため、大きな電力が消費されることになる。
【0017】
データ伝送において消費される電力を低減するための技術の一つが、直前に伝送されたデータと、今回伝送する伝送データとの比較を行い、反転するビットが多い場合に今回伝送する伝送データの反転データを送信する技術である。
図1Bは、このような手法を採用したデータ伝送システム100Aの一例を示すブロック図である。
【0018】
図1Bに図示されているデータ伝送システム100Aでは、送信側装置101と受信側装置102とが、複数の信号線103a、103bによって接続されている。ここで、信号線103aは、伝送データ又は反転データの伝送に使用される信号線であり、信号線103bは、反転指示ビットの伝送に用いられる信号線である。反転指示ビットとは、信号線103aで伝送されるデータが、伝送を希望する伝送データそのものなのか、伝送を希望する伝送データについてビット反転を行って得られる反転データなのかを指示するビットである。最も典型的には、伝送を希望する伝送データのビットの半数を超えるビットが、直前に伝送されたデータの対応するビットから反転されている場合、反転データが伝送される。
【0019】
送信側装置101は、反転データを送信したことを受信側装置102に通知するために、反転データの伝送時に反転指示ビットを例えば“1”に設定する。受信側装置102は、反転指示ビットが“1”であることを認識すると、信号線103aから送られてくるデータの各ビットを反転して元のデータを復元し、受信データとして出力する。一方、伝送を希望する伝送データがそのまま送られる場合には、送信側装置101は、反転指示ビットを例えば“0”に設定する。受信側装置102は、反転指示ビットが“0”であることを認識すると、信号線103aから送られてくるデータを、そのまま、受信データとして出力する。
【0020】
例えば、直前にデータ“0000”を伝送した後、データ“1111”を伝送する場合、伝送を希望する伝送データの全ビットが、直前に伝送されたデータの対応するビットから反転されているので、送信側装置101は、反転指示ビットを“1”に設定すると共に、伝送を希望する伝送データの反転データを受信側装置102に伝送する。受信側装置102は、反転指示ビットが“1”であるので、送信側装置101から受け取った反転データの各ビットを反転して元の伝送データを再生し、再生した伝送データを、受信データとして出力する。このような動作によれば、電位が反転される信号線103aの数を低減できるので、データ伝送に必要な消費電力を低減することができる。
【0021】
しかしながら、発明者の検討によれば、
図1Bに図示されている手法は、画像データに対して圧縮処理を行って得られる圧縮画像データを伝送する場合には最適でない場合がある。以下では、圧縮画像データの伝送について議論する。
【0022】
画像データの最も典型的な処理の一つが、ブロック毎に圧縮処理を行うブロック圧縮である。ここで、各ブロックは、所定数の画素で構成される圧縮処理の単位である。ブロック圧縮が行われる場合、各ブロックに適用される圧縮処理が、当該ブロックの画像データの特徴に応じて選択されることがある。この場合、適用された圧縮処理を示す圧縮コードが、圧縮画像データに記述される。
【0023】
発明者の一つの発見は、隣接するブロックは同一の圧縮処理で圧縮されることが多いので、隣接するブロックの圧縮コードも同一であることが多く、これを利用することで圧縮画像データの伝送に必要な電力を低減できるということである。
【0024】
図2は、画像における圧縮処理の選択の一例を示す概念図である。画像の各ブロックの圧縮処理においては、該ブロックの画像データの特徴に応じて圧縮処理が選択される。
図2の例では、ブロック104については、圧縮コード#1で示される圧縮処理が選択され、ブロック105、106については、圧縮コード#4で示される圧縮処理が選択される。
【0025】
留意すべきことは、画像の性質から、隣接するブロックの画像データは、類似した特徴を有することが多く、従って、隣接するブロックの画像データの圧縮処理では、同一の圧縮処理が選択されることが多いということである。これは、隣接するブロックの圧縮画像データを順次に伝送する場合には、同一の圧縮コードの圧縮画像データが順次に伝送されることが多いということを意味する。
【0026】
発明者の検討によれば、このような状況においては、次のようにして圧縮画像データを伝送することで、電位が反転される信号線の数を低減し、消費電力を低減できる。
(1)圧縮画像データのうち圧縮コードについては、ビット反転せずに伝送する。
(2)圧縮画像データの圧縮コード以外のビットで構成される圧縮画像本体データについては、直前に伝送したデータとの比較を行い、比較結果に応じて圧縮画像本体データをそのまま伝送するか該圧縮画像本体データの反転データを伝送するかを選択する。
【0027】
圧縮画像データの全ビットについて、圧縮画像データをそのまま伝送するか、該圧縮画像データの反転データを送るかの選択を行う手法では、隣接するブロックの圧縮コードが同一であるにもかかわらず圧縮コードについてビット反転が行われる事態がしばしば発生する。これは、消費電力の低減の観点から好ましくない。本実施形態では、上記(1)、(2)の手法を採用することにより、圧縮画像データの伝送における消費電力が低減される。以下では、(1)、(2)の手法を採用する画像データ伝送システムの実施形態を説明する。
【0028】
図3は、一実施形態における画像データ伝送システム10の構成を示すブロック図である。本実施形態の画像データ伝送システム10は、送信回路11と受信回路12とを備えている。送信回路11と受信回路12は、信号線13によって接続されている。後述されるように、信号線13は、圧縮画像データ22の伝送に用いられる信号線13aと、圧縮画像データ22の伝送にあたりビット反転を行ったか否かを示す反転指示ビット23を伝送する信号線13bとを含んでいる。以下では、信号線13aを介して送信回路11から受信回路12に伝送されるデータを伝送データ24と記載することがある。
【0029】
本実施形態の画像データ伝送システム10は、画像データ21に対して圧縮処理を行うことによって生成された圧縮画像データ22を圧縮部14から受け取り、圧縮画像データ22に対応する伝送データ24を送信回路11から受信回路12に伝送するように構成されている。圧縮部14としては、圧縮画像データを生成する専用の圧縮回路が用いられてもよく、また、CPU(central processing unit)、アプリケーションプロセッサ及びDSP(digital signal processor)のようなプロセッサが用いられてもよい。
【0030】
圧縮部14は、順次に供給される画像データ21に対してブロック圧縮を行って圧縮画像データ22を順次に生成するように構成されている。上述のように、ブロック圧縮とは、画像に規定されたブロック毎に圧縮処理を行う圧縮方法であり、各ブロックは、所定数の画素で構成される。
【0031】
図4Aは、圧縮部14に供給される画像データ21のフォーマットを示す図である。画像は、それぞれが複数の画素を備えるブロックに分割される。各ブロックの画像データ21が順次に圧縮部14に供給される。例えば、画像の最上行のブロックの画像データ21が、左端のブロックから右端のブロックの順番で伝送され、次に、上から2番目の行のブロックの画像データ21が、左端のブロックから右端のブロックの順番で伝送される。残りの行についても同様に、上から下の行の順序で各行の各ブロックの画像データ21が圧縮部14に供給される。
【0032】
圧縮部14は、各ブロックの画像データ21を圧縮する場合、当該ブロックの画像データ21の特徴に応じて複数の圧縮処理のうちから所望の圧縮処理を選択し、選択した圧縮処理を該ブロックの画像データ21に対して行って圧縮画像データ22を生成する。このような処理によれば、画像の特徴に応じて最適な圧縮処理を用いて圧縮画像データ22を生成することができる。以下では、各ブロックの圧縮画像データ22の生成に使用された圧縮処理(即ち、各ブロックの画像データ21の圧縮において選択された圧縮処理)を、「選択圧縮処理」と記載する。
【0033】
図4Bは、各ブロックに対して生成される圧縮画像データ22のフォーマットを示す概念図である。
図4Bには、4種類の圧縮処理#1〜#4によって生成された圧縮画像データ22のフォーマットがそれぞれ図示されている。
【0034】
本実施形態では、各ブロックに対して生成される圧縮画像データ22は、64ビットデータであり、圧縮コードと圧縮画像本体データとを含んでいる。圧縮コードは、各ブロックの圧縮画像データ22の生成に使用された選択圧縮処理を示している。圧縮画像本体データは、圧縮画像データ22のうち圧縮コード以外の部分であり、各ブロックの画素の画像データ21に対応する情報を含んでいる。
【0035】
本実施形態では、圧縮コードのビット数(以下では、「圧縮コード長」ということがある。)は、圧縮処理の選択に応じて(即ち、選択圧縮処理に応じて)可変である。
図4の例では、1ビットの圧縮コード“0”が圧縮処理#1に割り当てられ、2ビットの圧縮コード“10”が圧縮処理#2に割り当てられている。また、3ビットの圧縮コード“110”が圧縮処理#3に割り当てられ、3ビットの圧縮コード“111”が圧縮処理#4に割り当てられている。冗長性が低い画像については圧縮率が低い圧縮処理を選択すると共に当該圧縮処理に圧縮コード長が短い圧縮コードを割り当て、冗長性が高い画像については圧縮率が高い圧縮処理を選択すると共に当該圧縮処理に圧縮コード長が長い圧縮コードを割り当てることが好ましい。このような処理によれば、各ブロックに対応する圧縮画像データ22のビット数に制約がある状況においても、画質の低下の抑制と圧縮率の向上のバランスを実現しながら画像圧縮を行うことができる。
【0036】
なお、
図4に図示されている圧縮コードでは、圧縮コードの最大のビット数、及び、最大ビット数ではないビット数を有する圧縮コードの最下位ビットの値(“0”or“1”)が規定されており、この場合、最上位ビットから順次に圧縮コードのビットの値を識別することで、圧縮コード長を認識できることに留意されたい。詳細には、
図4に図示されていた圧縮コードでは、圧縮コードの最大のビット数が3であり、最大ビット数ではないビット数を有する圧縮コードの最下位ビットの値が“0”であると規定されている。この場合、圧縮コードの最上位ビットが“0”であれば、当該圧縮コードが圧縮処理#1に対応しており、圧縮コード長が1であると識別可能である。また、圧縮コードの最上位ビットが“1”であり、次に上位のビットが“0”であれば、当該圧縮コードが圧縮処理#2に対応しており、圧縮コード長が“2”であると識別可能である。
【0037】
図3に戻り、送信回路11は、圧縮部14から圧縮画像データ22を順次に受け取り、圧縮画像データ22に対応する伝送データ24を受信回路12に順次に送信する。ここでいう「圧縮画像データ22に対応する伝送データ24」は、該圧縮画像データ22に含まれる圧縮コードを含み、且つ、該圧縮画像データ22に含まれる圧縮画像本体データ又は該圧縮画像本体データに対してビット反転を行って得られる反転データを含む。即ち、「圧縮画像データ22に対応する伝送データ24」は、少なくとも圧縮画像データ22と等価である。ただし、圧縮画像データ22に対応する伝送データ24は、圧縮画像データ22と同一であり得るが、必ずしも同一であるとは限らない。
【0038】
詳細には、送信回路11は、圧縮コード長認識部31と、伝送データ比較部32と、データ反転部33とインターフェース34とを備えている。
【0039】
圧縮コード長認識部31は、圧縮部14から圧縮画像データ22を逐次に受け取り、受け取った圧縮画像データ22に含まれる圧縮コードの圧縮コード長を認識し、認識した圧縮コード長を示す圧縮コード長信号51を伝送データ比較部32とデータ反転部33に送信する。
【0040】
伝送データ比較部32は、圧縮部14から圧縮画像データ22を逐次に受け取り、直前に信号線13aを介して受信回路12に伝送された伝送データ24と、今回受信回路12に伝送しようとする圧縮画像データ22との比較を行い、この比較の結果に応じて圧縮画像本体データのビット反転を実施するか否かを指示する反転指示信号52を生成する。詳細には、伝送データ比較部32は、下記に述べられるような動作を行う。
【0041】
伝送データ比較部32は、伝送データ24の受信回路12への伝送が行われる毎に、伝送された伝送データ24又はそれに等価なデータを記憶するように構成されている。伝送された伝送データ24が保存されてもよい。また、受信回路12に伝送された伝送データ24は、圧縮画像データ22とそれに対応して生成された反転指示ビット23との組み合わせから再生可能なので、圧縮画像データ22と、それに対応して生成された反転指示ビット23との組み合わせを伝送データ比較部32に保存してもよい。
【0042】
伝送データ比較部32は、圧縮コード長信号51から今回伝送しようとする圧縮画像データ22に含まれる圧縮コードの圧縮コード長を認識し、今回伝送しようとする圧縮画像データ22の圧縮画像本体データ又はその反転データの伝送に用いられる信号線13aを特定する。例えば、圧縮コード長信号51に示された圧縮コード長が“3”であれば、信号線13aのうちの3本が圧縮コードを伝送するために用いられ、残りの信号線13aが圧縮画像本体データ又は反転データの伝送に用いられると特定することができる。
【0043】
伝送データ比較部32は、更に、直前に伝送された伝送データ24のうち、今回伝送しようとする圧縮画像データ22の圧縮画像本体データ又はその反転データの伝送に用いられる信号線13aで伝送されたデータと、今回伝送しようとする圧縮画像データ22の圧縮画像本体データとを比較する。伝送データ比較部32は、この比較の結果に応じて、圧縮画像本体データのビット反転を実施するか否かを指示する反転指示信号52を生成する。生成された反転指示信号52は、データ反転部33に送られる。
【0044】
加えて、伝送データ比較部32は、当該比較の結果に応じて反転指示ビット23を生成する。反転指示ビット23は、伝送データ24の伝送において圧縮画像本体データのビット反転が実施されたか否かを示すビットであり、後述されるように、受信回路12に伝送される。
【0045】
データ反転部33は、圧縮部14から圧縮画像データ22を逐次に受け取り、受信回路12に伝送すべき伝送データ24を生成する。上述のように、圧縮画像データ22は圧縮コードと圧縮画像本体データとを含んでおり、データ反転部33における処理は、圧縮コードと圧縮画像本体データとで異なる。圧縮コードについては、データ反転部33は、反転指示信号52に関わらず(即ち、直前に信号線13aを介して受信回路12に伝送されたデータと、今回、受信回路12に伝送しようとする圧縮画像データ22との比較の結果に依存せずに)、そのまま伝送データ24に組み込む。一方、圧縮画像本体データについては、データ反転部33は、反転指示信号52に応じて、圧縮画像本体データをそのまま伝送データ24に組み込む動作と、圧縮画像本体データのビット反転で得られる反転データを伝送データ24に組み込む動作のいずれかを行う。
【0046】
この動作を実行する際、データ反転部33は、圧縮コード長信号51を参照する。データ反転部33は、圧縮コード長信号51に示されている圧縮コード長から、圧縮画像データ22のうちのどの部分が圧縮コードであり、どの部分が圧縮画像本体データであるかを認識する。データ反転部33は、反転指示信号52によってビット反転を実施することを指示された場合、圧縮画像本体データに対してビット反転を行って反転データを生成し、圧縮画像データ22に含まれる圧縮コードと該反転データとを伝送データ24に組み込む。一方、ビット反転を実施しないことを指示された場合、データ反転部33は、圧縮画像データ22に含まれる圧縮コードと圧縮画像本体データとを伝送データ24に組み込む。この場合、圧縮画像データ22をそのまま伝送データ24として用いることになる。結果として、受信回路12に伝送される伝送データ24は、圧縮コードを含み、且つ、圧縮画像本体データ又はその反転データを含むことになる。上述の議論から理解されるように、圧縮コードについてビット反転を行わないことは、消費電力の低減に有用である。
【0047】
インターフェース34は、データ反転部33から受け取った伝送データ24を信号線13aを介して受信回路12に伝送し、更に、伝送データ比較部32から受け取った反転指示ビット23を信号線13bを介して受信回路12に伝送する。
【0048】
受信回路12は、インターフェース41と圧縮コード長認識部42とデータ反転部43とを備えている。
【0049】
インターフェース41は、送信回路11から信号線13aを介して伝送データ24を受け取り、更に、信号線13bを介して反転指示ビット23を受け取る。
【0050】
圧縮コード長認識部42は、送信回路11から受け取った伝送データ24に含まれる圧縮コードの圧縮コード長を認識し、認識した圧縮コード長を示す圧縮コード長信号53を生成する。加えて、圧縮コード長認識部42は、受け取った伝送データ24をデータ反転部43に転送する。
【0051】
データ反転部43は、伝送データ24から元の圧縮画像データ22を復元し、復元した圧縮画像データ22を、受信圧縮画像データ25として出力する。詳細には、データ反転部43は、圧縮コード長信号53に示されている圧縮コード長から、受信した伝送データ24のどの部分が圧縮コードであり、どの部分が圧縮画像本体データ又は反転データであるかを認識する。データ反転部43は、更に、送信回路11から受け取った反転指示ビット23から伝送データ24が圧縮コードと反転データとで構成されると認識すると、該反転データのビット反転を行って元の圧縮画像本体データを復元する。この場合、データ反転部43は、伝送データ24に含まれる圧縮コードと復元した圧縮画像本体データとで構成される受信圧縮画像データ25を出力する。また、送信回路11から受け取った反転指示ビット23から、受け取った伝送データ24が元の圧縮画像データ22の圧縮画像本体データを含むと認識すると、データ反転部43は、伝送データ24に含まれる圧縮画像本体データを受信圧縮画像データ25に組み込む。一方、圧縮コードについては、データ反転部43は、反転指示ビット23の値に関わらず、伝送データ24に含まれる圧縮コードをそのまま受信圧縮画像データ25に組み込む。このような動作によってデータ反転部43から出力される受信圧縮画像データ25は、送信回路11に供給される圧縮画像データ22と(通信エラーが無い限り)同一である。
【0052】
続いて、本実施形態の画像データ伝送システム10の動作を説明する。
図5は、画像データ伝送システム10において圧縮画像データ22を伝送する際における信号線13(13a、13b)の割り当てを示す概念図である。本実施形態では、伝送データ24が信号線13aで伝送され、反転指示ビット23が信号線13bで伝送される。
図5の例では、伝送データ24が64ビットデータであり、64本の信号線13aで伝送データ24が伝送される。以下の説明において、64本の信号線13aを区別する必要がある場合、参照符号“13a”に添字が付される。信号線13a
1〜13
64は、それぞれ、伝送データ24の対応するビットを伝送する。
【0053】
伝送データ24の圧縮コードは可変長であるから、各信号線13aが、圧縮コードに割り当てられるか圧縮画像本体データ又はその反転データに割り当てられるかは、圧縮コード長に依存する。例えば、
図5には、圧縮コード長が3である場合の信号線13の割り当てを示している。3本の信号線13a
1〜13a
3が圧縮コードに割り当てられ、残りの信号線13a
4〜13a
64が圧縮画像本体データ又はその反転データに割り当てられる。このように、各伝送データ24の圧縮コードの圧縮コード長が与えられると、圧縮コードに割り当てられる信号線13aと、圧縮画像本体データ又は反転データに割り当てられる信号線13aとが決まることになる。
【0054】
本実施形態では、あるブロックの圧縮画像データ22に対応する伝送データ24の伝送において、送信回路11は、下記の動作を行う。
(1)圧縮コードに割り当てられた信号線13aについては、圧縮コードを、ビット反転せずにそのまま受信回路12に伝送する。
(2)圧縮画像本体データ又はその反転データに割り当てられた信号線13aについては、当該圧縮画像本体データと、該信号線13aによって直前に伝送されたデータとの比較を行い、比較結果に応じて圧縮画像本体データをそのまま受信回路12に伝送する動作又は、該圧縮画像本体データの反転データを伝送する動作を行う。
(3)加えて、圧縮画像本体データをそのまま伝送したか該圧縮画像本体データの反転データを伝送したかを示す反転指示ビット23を受信回路12に送信する。
【0055】
図5に図示されているように、圧縮コード長が3である場合には、信号線13a
1〜13a
3が圧縮コードに割り当てられ、信号線13a
4〜13a
64が圧縮画像本体データ又はその反転データに割り当てられるので、圧縮画像本体データの各ビットと、直前に信号線13a
4〜13a
64によってそれぞれに伝送されたビットとが比較される。その比較結果に応じて圧縮画像本体データをそのまま伝送するか反転データを伝送するかが選択される。最も典型的には、圧縮画像本体データの半数を超えるビットが直前に信号線13a
4〜13a
64によってそれぞれに伝送されたビットから反転されている場合に反転データが伝送データ24に組み込まれ、そうでない場合、圧縮画像本体データがそのまま伝送データ24に組み込まれる。
【0056】
受信回路12は、反転指示ビット23を参照しながら送信回路11から受け取った伝送データ24から元の圧縮画像データ22を再生する。再生された元の圧縮画像データ22が受信圧縮画像データ25として受信回路12から出力される。詳細には、受信回路12は、反転指示ビット23によって圧縮画像本体データがそのまま伝送されたことを認識した場合には、伝送データ24に含まれる圧縮コードと圧縮画像本体データとをそのまま受信圧縮画像データ25に組み込み、該受信圧縮画像データ25を出力する。一方、反転指示ビット23によって圧縮画像本体データの反転データが伝送されたことを認識した場合には、受信回路12は、その反転データに対してビット反転を行って元の圧縮画像本体データを再生し、伝送データ24に含まれる圧縮コードと再生した圧縮画像本体データとを受信圧縮画像データ25に組み込み、該受信圧縮画像データ25を出力する。
【0057】
図6は、伝送データ24の伝送の例を図示している。
図6には、直前に伝送された伝送データ24の圧縮コード長が3であり、且つ、今回伝送しようとする圧縮画像データ22の圧縮コード長も3である場合が図示されている。
図6において、D
CODE[i]は、圧縮コードのビットを示しており、D
BODY[i]は、圧縮画像本体データのビットを示している。直前の伝送データ24の伝送においては、圧縮コードのビットD
CODE[0]〜D
CODE[2]が信号線13a
1〜13a
3により伝送され、圧縮画像本体データのビットD
BODY[0]〜D
BODY[60]が信号線13a
4〜13a
64により伝送されたとする。ここで、ビットD
CODE[i]は、引数iが小さいほど圧縮コードのより上位のビットであるとする。
【0058】
今回伝送しようとする圧縮画像データ22が送信回路11に供給されると、送信回路11の圧縮コード長認識部31は、当該圧縮画像データ22の圧縮コード長を認識する。本実施形態では、圧縮コードは、
図4に図示されているように定義されており、圧縮コード長認識部31は、最上位ビットから順次に圧縮コードのビットの値を識別することで、圧縮コード長を認識する。
図4の圧縮コードの定義では、最大の圧縮コード長が3であり、
最大の圧縮コード長ではないビット数を有する圧縮コードの最下位ビットの値が“0”であると定義されていることに留意されたい。圧縮コード長認識部31は、圧縮コードの最上位ビットD
CODE[0]、次に上位のビットD
CODE[0]がいずれも“1”であることから、圧縮コード長が“3”であると認識する。認識された圧縮コード長を示す圧縮コード長信号51は、伝送データ比較部32とデータ反転部33に送られる。
【0059】
伝送データ比較部32は、圧縮コード長信号51から今回伝送しようとする圧縮画像データ22の圧縮コード長を認識し、更に、該圧縮コード長から、今回伝送しようとする圧縮画像データ22に対応する伝送データ24の圧縮画像本体データ又は反転データの伝送に用いられる信号線13aを特定する。
図6の例では、今回伝送しようとする圧縮画像データ22の圧縮コード長が3であることから、伝送データ比較部32は、信号線13a
4〜13a
64が対応する伝送データ24の圧縮画像本体データ又は反転データの伝送に用いられる信号線であると特定する。
【0060】
伝送データ比較部32は、更に、今回伝送しようとする圧縮画像データ22の圧縮画像本体データの各ビットを、直前に信号線13a
4〜13a
64で伝送された伝送データ24の対応するビットと比較し、この比較の結果に応じて、圧縮画像本体データのビット反転を実施するか否かを指示する反転指示信号52を生成する。生成された反転指示信号52は、データ反転部33に送られる。加えて、伝送データ比較部32は、今回伝送しようとする圧縮画像データ22の圧縮画像本体データについてビット反転が実施されたか否かを示す反転指示ビット23をインターフェース34を介して受信回路12に伝送する。
【0061】
データ反転部33は、圧縮コード長認識部31から受け取った圧縮コード長信号51によって通知される圧縮コード長から、今回伝送しようとする圧縮画像データ22のどの部分が圧縮コードであり、どの部分が圧縮画像本体データであるかを認識する。更に、データ反転部33は、反転指示信号52に応じて、圧縮画像本体データをそのまま伝送データ24に組み込む動作と、圧縮画像本体データのビット反転で得られる反転データを伝送データ24に組み込む動作のいずれかを行う。一方で、圧縮コードについては、データ反転部33は、反転指示信号52に関わらず、圧縮コードをそのまま受信回路12に伝送する伝送データ24に組み込む。
【0062】
図6の例では、今回伝送しようとする圧縮画像データ22の圧縮画像本体データの半数を超えるビットが、直前に信号線13a
4〜13a
64で伝送された伝送データ24のビットから反転されており、よって、伝送データ比較部32は、今回伝送しようとする圧縮画像データ22の圧縮画像本体データに対してビット反転を行うと決定する。伝送データ比較部32は、反転指示信号52により、今回伝送しようとする圧縮画像データ22の圧縮画像本体データに対してビット反転を行うことをデータ反転部33に指示すると共に、反転指示ビット23により、圧縮画像本体データに対してビット反転が行われたことを受信回路12に通知する。データ反転部33は、圧縮コードについては、今回伝送しようとする圧縮画像データ22の圧縮コードを、そのまま信号線13a
1〜13a
3を介して受信回路12に伝送する一方で、圧縮画像本体データのビット反転で得られる反転データを信号線13a
4〜13a
64を介して受信回路12に伝送する。
【0063】
なお、
図6の例では、直前に伝送された伝送データ24の圧縮コード長と今回伝送しようとする圧縮画像データ22の圧縮コード長とが同一であるが、これらの圧縮コード長が相違することもあり得る。この場合、圧縮画像データの圧縮画像本体データの一部のビットが、直前に伝送された伝送データの圧縮コードのビットと比較されることがあることに留意されたい。
図7は、このような場合の例を示している。
【0064】
図7の例では、直前に伝送された伝送データ24の圧縮コード長が3である一方で、今回伝送しようとする圧縮画像データ22の圧縮コード長が2である場合が図示されている。直前の伝送データ24の伝送においては、圧縮コードのビットD
CODE[0]〜D
CODE[2]が信号線13a
1〜13a
3により伝送され、圧縮画像本体データのビットD
BODY[0]〜D
BODY[60]が信号線13a
4〜13a
64により伝送される。
【0065】
伝送データ比較部32は、今回伝送しようとする圧縮画像データ22の圧縮コード長が2であることから、信号線13a
3〜13a
64が対応する伝送データ24の圧縮画像本体データ又は反転データの伝送に用いられる信号線であると特定する。伝送データ比較部32は、更に、今回伝送しようとする圧縮画像データ22の圧縮画像本体データの各ビットを、直前に信号線13a
3〜13a
64で伝送された伝送データ24の対応するビットと比較する。
図7の場合には、今回伝送しようとする圧縮画像データ22の圧縮画像本体データの最上位ビットD
BODY[0]が、信号線13a
3に対応しているので、直前に伝送された伝送データ24の信号線13a
3で圧縮コードの最下位ビットD
CODE[2]と比較されることになる。この場合も、伝送データ比較部32は、この比較の結果に応じて、圧縮画像本体データのビット反転を実施するか否かを指示する反転指示信号52を生成する。
【0066】
以上に説明されているように、本実施形態では、圧縮画像データのうち圧縮コードについては、ビット反転せずにそのまま伝送し、圧縮画像データの圧縮コード以外のビットで構成される圧縮画像本体データについては、直前に伝送したデータとの比較を行い、比較結果に応じて圧縮画像本体データをそのまま伝送するか該圧縮画像本体データの反転データを伝送するかを選択する手法が採用される。これにより、圧縮画像データの伝送における消費電力を有効に低減することができる。
【0067】
上述の実施形態では、圧縮コード長が可変であるが、本発明は、圧縮コード長が固定の場合にも適用である。
図8は、圧縮コード長が固定である実施形態における画像データ伝送システム10Aの構成の例を示すブロック図である。
【0068】
図8に図示された画像データ伝送システム10Aは、
図3に図示されている画像データ伝送システム10と類似した構成を有しているが、送信回路11から圧縮コード長認識部31が除去され、受信回路12から圧縮コード長認識部42が除去されている。
【0069】
図8に図示された画像データ伝送システム10Aの動作は、圧縮コード長を認識する動作が行われない点を除き、
図3に図示されている画像データ伝送システム10と同様である。圧縮コード長が固定されているため、圧縮画像データ22を受け取ったときに圧縮コード長を認識する処理を行う必要がない。
【0070】
詳細には、送信回路11では、伝送データ比較部32が、直前に伝送された伝送データ24のうち、今回伝送しようとする圧縮画像データ22の圧縮画像本体データ又はその反転データの伝送に用いられる信号線13aで伝送されたデータと、今回伝送しようとする圧縮画像データ22の圧縮画像本体データとを比較する。伝送データ比較部32は、この比較の結果に応じて、圧縮画像本体データのビット反転を実施するか否かを指示する反転指示信号52を生成する。生成された反転指示信号52は、データ反転部33に送られる。加えて、伝送データ比較部32は、当該比較の結果に応じて反転指示ビット23を生成する。
【0071】
データ反転部33は、圧縮部14から圧縮画像データ22を逐次に受け取り、受信回路12に伝送すべき伝送データ24を生成する。上述のように、圧縮画像データ22は圧縮コードと圧縮画像本体データとを含んでおり、データ反転部33における処理は、圧縮コードと圧縮画像本体データとで異なる。圧縮コードについては、データ反転部33は、反転指示信号52に関わらず(即ち、直前に信号線13aを介して受信回路12に伝送されたデータと、今回、受信回路12に伝送しようとする圧縮画像データ22との比較の結果に依存せずに)、そのまま伝送データ24に組み込む。一方、圧縮画像本体データについては、データ反転部33は、反転指示信号52に応じて、圧縮画像本体データをそのまま伝送データ24に組み込む動作と、圧縮画像本体データのビット反転で得られる反転データを伝送データ24に組み込む動作のいずれかを行う。このようにして生成された伝送データ24は、受信回路12に伝送される。
【0072】
一方、受信回路12においては、データ反転部43が、伝送データ24から元の圧縮画像データ22を復元し、復元した圧縮画像データ22を、受信圧縮画像データ25として出力する。詳細には、データ反転部43は、送信回路11から受け取った反転指示ビット23から伝送データ24が圧縮コードと反転データとで構成されると認識すると、該反転データのビット反転を行って元の圧縮画像本体データを復元する。データ反転部43は、伝送データ24に含まれる圧縮コードと復元した圧縮画像本体データとで構成される受信圧縮画像データ25を出力する。一方、送信回路11から受け取った反転指示ビット23から伝送データ24が元の圧縮画像データ22と同一であると認識すると、受け取った伝送データ24をそのまま受信圧縮画像データ25として出力する。
【0073】
本実施形態の画像データ伝送システム(10、10A)は、圧縮画像データの伝送を行う様々なデバイス、システムに適用可能である。一実施例としては、表示パネルを駆動する表示ドライバの内部における圧縮画像データの転送に適用可能である。
【0074】
図9は、本実施形態の画像データ伝送システム(10、10A)が表示ドライバIC71の内部における圧縮画像データの伝送に適用された表示装置70の構成を示すブロック図である。表示ドライバIC71は、タイミングコントローラ72から画像データ21を受け取り、画像データ21に対応した画像を表示するように表示パネル73(例えば、液晶表示パネル)を駆動する。
【0075】
図9の表示装置70は、表示ドライバIC71が、画像データ21に対して圧縮処理を行って圧縮画像データ22を生成し、該生成した圧縮画像データ22を記憶部、より具体的には複数のRAMに分散して保存するように構成されている。このような構成は、表示ドライバIC71に搭載される記憶部(RAM)の容量を低減するためのものである。表示ドライバICには、画像データを一時的に保存するRAMが集積化されることがあるが、このような構成では、RAMが大きな面積を占めるという問題がある。
図9の構成では、圧縮画像データ22がRAMに保存されるので、RAMの容量を低減することができる。
【0076】
詳細には、表示ドライバIC71は、ロジック回路81と、左側RAM(random access memory)82Lと、右側RAM82Rと、ソースドライバ回路83とを備えている。ロジック回路81と、左側RAM(random access memory)82Lと、右側RAM82Rと、ソースドライバ回路83とは、表示ドライバIC71にモノリシックに(monolithically)集積化されている。即ち、ロジック回路81と、左側RAM(random access memory)82Lと、右側RAM82Rと、ソースドライバ回路83とは、同一のチップに集積化されている。ロジック回路81と、左側RAM82Lとは、左側バス84L、85Lによって接続されており、ロジック回路81と、右側RAM82Rとは、右側バス84R、85Rによって接続されている。左側バス84L、85L、右側バス84R、85Rは、いずれも、複数の信号線を備えており、上述の実施形態の信号線13に相当する構成要素である。
【0077】
ロジック回路81は、圧縮回路81aと、送信回路11R、11Lと、受信回路12R、12Lと、展開回路81bとを備えている。ロジック回路81の送信回路11L、11Rは、いずれも、上述の実施形態の送信回路11と同様の構成を有し、同様の動作を行う。また、ロジック回路81の受信回路12L、12Rは、いずれも、上述の実施形態の受信回路12と同様の構成を有し、同様の動作を行う。
【0078】
圧縮回路81aは、上述の実施形態の圧縮部14に対応しており、順次に供給される画像データ21に対してブロック圧縮を行って圧縮画像データ22を順次に生成するように構成されている。圧縮回路81aは、各ブロックの画像データ21を圧縮する場合、当該ブロックの画像データ21の特徴に応じて複数の圧縮処理のうちから所望の圧縮処理を選択し、選択した圧縮処理(選択圧縮処理)を該ブロックの画像データ21に対して行って圧縮画像データ22を生成する。
【0079】
送信回路11Lは、圧縮回路81aによって生成された圧縮画像データ22のうちの左側RAM82Lに保存すべきデータを、左側バス84Lを介して左側RAM82Lに伝送する。同様に、送信回路11Rは、圧縮回路81aによって生成された圧縮画像データ22のうちの右側RAM82Rに保存すべきデータを、右側バス84Rを介して右側RAM82Rに伝送する。
【0080】
受信回路12Lは、左側RAM82Lに保存されている圧縮画像データ22を左側バス85Lを介して受け取り、受け取った圧縮画像データ22を受信圧縮画像データ25として出力する。同様に、受信回路12Rは、右側RAM82Rに保存されている圧縮画像データ22を右側バス85Rを介して受け取り、受け取った圧縮画像データ22を受信圧縮画像データ25として出力する。
【0081】
展開回路81bは、受信回路12R、12Lから受け取った受信圧縮画像データ25に対して展開処理を行って展開後画像データ86を生成する。
【0082】
左側RAM82L、右側RAM82Rは、ロジック回路81から受け取った圧縮画像データ22を保存する。左側RAM82L、右側RAM82Rのそれぞれは、送信回路11と受信回路12とを備えている。左側RAM82L、右側RAM82Rの送信回路11は、いずれも、上述の実施形態の送信回路11と同様の構成を有し、同様の動作を行う。また、左側RAM82L、右側RAM82Rの受信回路12は、いずれも、上述の実施形態の受信回路12と同様の構成を有し、同様の動作を行う。左側RAM82Lは、それぞれに設けられた受信回路12によってロジック回路81の送信回路11Lから圧縮画像データ22を受け取り、受け取った圧縮画像データ22を保存する。同様に、右側RAM82Rは、それぞれの受信回路12によってロジック回路81の送信回路11Rから圧縮画像データ22を受け取り、受け取った圧縮画像データ22を保存する。加えて、左側RAM82Lは、それぞれに設けられた送信回路11によってそれぞれに記憶されている圧縮画像データ22をロジック回路81の受信回路12Lに送信する。同様に、右側RAM82Rは、それぞれに設けられた送信回路11によってそれぞれに記憶されている圧縮画像データ22をロジック回路81の受信回路12Rに送信する。
【0083】
ソースドライバ回路83は、ロジック回路81の展開回路81bから受け取った展開後画像データ86に応答して表示パネル73のソース線(データ線、信号線とも呼ばれる)を駆動する。
【0084】
図9の表示装置70は、概略、下記のように動作する。タイミングコントローラ72から画像データ21が表示ドライバIC71に供給されると、ロジック回路81の圧縮回路81aによって画像データ21に対して圧縮処理が行われて圧縮画像データ22が生成される。圧縮画像データ22は、送信回路11L、11Rによって左側RAM82L及び右側RAM82Rに伝送され、圧縮画像データ22は、左側RAM82L、右側RAM82Rに分散して保存される。
【0085】
表示パネル73は、左側RAM82L及び右側RAM82Rに保存された圧縮画像データ22に応答して駆動される。左側RAM82L及び右側RAM82Rに保存された圧縮画像データ22は、ロジック回路81に伝送され、更に、展開回路81bによって展開される。これにより、展開後画像データ86が生成される。表示パネル73のソース線は、ソースドライバ回路83により、展開後画像データ86に応答して駆動される。
【0086】
本実施形態の画像データ伝送システム(10、10A)は、2つの半導体ICの間で圧縮画像データの伝送を行う様々なシステムにも適用可能である。一実施例としては、本実施形態の画像データ伝送システム(10、10A)は、タイミングコントローラICから表示パネルを駆動する表示ドライバICへの圧縮画像データの伝送に適用可能である。画像データは、一般に容量が大きく、画像データをタイミングコントローラICから表示ドライバICに送るシステム構成では、多くの電力が消費されるが、画像データに対して圧縮処理を行って得られる圧縮画像データをタイミングコントローラICから表示ドライバICに送る構成によれば、伝送データのデータ量を抑制し、これにより、消費電力を低減することができる。
【0087】
図10は、本実施形態の画像データ伝送システム(10、10A)がタイミングコントローラICから表示ドライバICへの圧縮画像データの伝送に用いられる表示装置90の構成を示すブロック図である。本実施形態の表示装置90は、タイミングコントローラIC91と複数の表示ドライバIC92と表示パネル93(例えば、液晶表示パネル)とを備えている。複数の表示ドライバIC92は、タイミングコントローラIC91にバス94を介して接続されている。バス94は、複数の信号線を備えており、上述の実施形態の信号線13に相当する構成要素である。
【0088】
タイミングコントローラIC91は、圧縮回路91aと送信回路11とを備えている。圧縮回路91aは、上述の実施形態の圧縮部14に対応しており、順次に供給される画像データ21に対してブロック圧縮を行って圧縮画像データ22を順次に生成するように構成されている。圧縮回路81aは、各ブロックの画像データ21を圧縮する場合、当該ブロックの画像データ21の特徴に応じて複数の圧縮処理のうちから所望の圧縮処理を選択し、選択した圧縮処理(選択圧縮処理)を該ブロックの画像データ21に対して行って圧縮画像データ22を生成する。送信回路11は、圧縮画像データ22を表示ドライバIC92に送信する。
【0089】
表示ドライバIC92のそれぞれは、受信回路12と、展開回路92aとソースドライバ回路92bとを備えている。受信回路12は、タイミングコントローラIC91から圧縮画像データ22を受け取り、受け取った圧縮画像データ22を展開回路92aに受信圧縮画像データとして出力する。展開回路92aは、受信回路12から受け取った受信圧縮画像データを展開して展開後画像データを生成する。ソースドライバ回路92bは、展開回路92aから受け取った展開後画像データに応答して表示パネル93のソース線を駆動する。
【0090】
以上には、本発明の実施形態が具体的に記述されているが、本発明は、上記の実施形態に限定されると解釈してはならない。本発明が様々な変更と共に実施され得ることは、当業者には自明的であろう。
【0091】
例えば、上述の実施形態では、送信回路11が各圧縮画像データ22の圧縮コードをそのまま伝送データ24に組み込むように構成されているが、圧縮コードと等価なデータ、例えば、圧縮コードに対して所定の論理演算を行って得られる論理演算データを伝送データ24に組み込むように構成されてもよい。ただし、圧縮画像データ22の圧縮コードと等価な論理演算データが伝送データ24に組み込まれる場合、該論理演算データは、圧縮画像データ22の圧縮画像本体データのビットと、圧縮画像本体データ又はその反転データに割り当てられた信号線13aによって直前に伝送されたデータのビットとの比較の結果に依存しない所定の論理演算によって生成される。例えば、全ての圧縮画像データ22の圧縮コードに対して無条件でビット反転が行われ、該ビット反転で得られた論理演算データが伝送データ24に組み込まれて受信回路12に伝送されてもよい。
【0092】
また、上述の実施形態では、受信回路12が各伝送データ24に含まれる圧縮コードをそのまま受信圧縮画像データ25に組み込むように構成されているが、各伝送データ24に含まれる圧縮コード(上記のように、圧縮画像データ22に含まれる圧縮コードと等価な論理演算データの場合もある)と等価なデータ、例えば、圧縮コードに対して所定の論理演算を行って得られる論理演算データを受信圧縮画像データ25に組み込むように構成されてもよい。ただし、伝送データ24の圧縮コードと等価な論理演算データが受信圧縮画像データ25に組み込まれる場合、該論理演算データは、反転指示ビット23に依存しない所定の論理演算によって生成される。圧縮コードと等価な論理演算データが伝送データに組み込まれる場合、該論理演算データは、圧縮画像データ22の圧縮画像本体データと、圧縮画像本体データ又はその反転データに割り当てられた信号線13aによって直前に伝送されたデータとの比較の結果に依存しない所定の論理演算によって生成される。特に、各伝送データ24が、圧縮画像データ22に含まれる圧縮コードと等価な論理演算データを含む場合には、該論理演算データから復元した元の圧縮コードを受信圧縮画像データ25に組み込んでもよい。