特開2017-135634(P2017-135634A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シナプティクス・ディスプレイ・デバイス株式会社の特許一覧

特開2017-135634画像データ伝送システム、送信回路及び受信回路
<>
  • 特開2017135634-画像データ伝送システム、送信回路及び受信回路 図000003
  • 特開2017135634-画像データ伝送システム、送信回路及び受信回路 図000004
  • 特開2017135634-画像データ伝送システム、送信回路及び受信回路 図000005
  • 特開2017135634-画像データ伝送システム、送信回路及び受信回路 図000006
  • 特開2017135634-画像データ伝送システム、送信回路及び受信回路 図000007
  • 特開2017135634-画像データ伝送システム、送信回路及び受信回路 図000008
  • 特開2017135634-画像データ伝送システム、送信回路及び受信回路 図000009
  • 特開2017135634-画像データ伝送システム、送信回路及び受信回路 図000010
  • 特開2017135634-画像データ伝送システム、送信回路及び受信回路 図000011
  • 特開2017135634-画像データ伝送システム、送信回路及び受信回路 図000012
  • 特開2017135634-画像データ伝送システム、送信回路及び受信回路 図000013
  • 特開2017135634-画像データ伝送システム、送信回路及び受信回路 図000014
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-135634(P2017-135634A)
(43)【公開日】2017年8月3日
(54)【発明の名称】画像データ伝送システム、送信回路及び受信回路
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/41 20060101AFI20170707BHJP
   G06F 13/36 20060101ALI20170707BHJP
   H04N 19/00 20140101ALI20170707BHJP
   H04L 25/02 20060101ALI20170707BHJP
   G06F 3/00 20060101ALI20170707BHJP
【FI】
   H04N1/41 Z
   G06F13/36 310E
   H04N19/00
   H04L25/02 J
   G06F3/00 R
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2016-15549(P2016-15549)
(22)【出願日】2016年1月29日
(71)【出願人】
【識別番号】308017571
【氏名又は名称】シナプティクス・ジャパン合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】100102864
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 実
(74)【代理人】
【識別番号】100117617
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 圭策
(72)【発明者】
【氏名】降旗 弘史
(72)【発明者】
【氏名】原田 昌樹
(72)【発明者】
【氏名】白石 伊織
(72)【発明者】
【氏名】能勢 崇
【テーマコード(参考)】
5B061
5C159
5C178
5K029
【Fターム(参考)】
5B061DD21
5B061SS03
5C159KK49
5C159MC38
5C159ME01
5C159ME17
5C159RC12
5C159UA01
5C159UA04
5C159UA29
5C178BC05
5C178BC41
5C178FC05
5C178FC08
5K029AA13
5K029DD23
(57)【要約】
【課題】圧縮画像データの伝送の際に消費される電力を低減する。
【解決手段】画像データ伝送システム10が、受信回路12と、圧縮画像データ22に対応する伝送データ24を受信回路12に伝送する送信回路11とを具備する。圧縮画像データ22は、圧縮コードと圧縮画像本体データとを含む。伝送データ24は、圧縮コードを含み、且つ、圧縮画像本体データ又はその反転データのいずれかを含む。対象伝送データの伝送において、送信回路11は、直前伝送データの圧縮画像本体データ又は反転データに割り当てられた信号線13aによって伝送されたビットと、対象圧縮画像データの圧縮画像本体データのビットとの比較を行い、比較の結果に応じて、圧縮画像本体データ又は反転データのいずれかを対象伝送データに組み込むように構成されている。一方、送信回路11は、対象圧縮画像データの圧縮コードをそのまま対象伝送データに組み込む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信部と、
圧縮画像データを順次に受け取り、前記圧縮画像データに対応する伝送データを順次に前記受信部に伝送する送信部
とを具備し、
前記圧縮画像データのそれぞれは、圧縮処理によって生成されると共に、前記圧縮処理を示す圧縮コードと圧縮画像本体データとを含み、
前記伝送データのそれぞれは、対応する前記圧縮画像データに含まれる前記圧縮コードを含み、且つ、対応する前記圧縮画像データの前記圧縮画像本体データ又はそれに対してビット反転を行って得られる反転データのいずれかを含み、
前記圧縮画像データのうちの対象圧縮画像データに対応する前記伝送データである対象伝送データの伝送において、前記送信部は、前記対象伝送データの伝送の直前に伝送された前記伝送データである直前伝送データの、前記対象圧縮画像データの前記圧縮画像本体データ又は前記反転データに割り当てられた信号線によって伝送されたビットと、前記対象圧縮画像データの前記圧縮画像本体データのビットとの比較を行い、前記比較の結果に応じて、前記対象圧縮画像データの前記圧縮画像本体データ又は前記反転データのいずれかを前記対象伝送データに組み込み、且つ、前記対象圧縮画像データの前記圧縮コードを前記対象伝送データに前記比較の結果に依存せずに組み込むように構成された
画像データ伝送システム。
【請求項2】
請求項1に記載の画像データ伝送システムであって、
前記送信部は、前記対象伝送データの前記受信部への伝送において前記対象圧縮画像データの前記圧縮画像本体データ又は前記反転データのいずれが前記受信部に伝送されたかを示す反転指示ビットを前記受信部に送信し、
前記受信部は、前記伝送データを順次に受信し、前記伝送データのそれぞれに対応する受信圧縮画像データを出力するように構成され、
前記送信部からの前記対象伝送データの受信において、前記受信部は、前記反転指示ビットを参照して、前記対象伝送データが前記対象圧縮画像データの前記圧縮画像本体データを含む場合には前記対象伝送データに含まれる前記圧縮画像本体データを前記対象伝送データに対応する前記受信圧縮画像データに組み込み、前記対象伝送データが前記対象圧縮画像データの前記圧縮画像本体データの前記反転データを含む場合には前記対象伝送データに含まれる前記反転データに対してビット反転を行って得られるデータを前記対象伝送データに対応する前記受信圧縮画像データに組み込み、且つ、前記対象伝送データに含まれる前記圧縮コードを前記対象伝送データに対応する前記受信圧縮画像データに前記反転指示ビットに依存せずに組み込むように構成された
画像データ伝送システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の画像データ伝送システムであって、
前記圧縮画像データの前記圧縮コードのビット数は、前記圧縮画像データの生成に使用された前記圧縮処理に応じて可変であり、
前記送信部は、
前記対象圧縮画像データの前記圧縮コードのビット数を認識し、前記対象圧縮画像データの前記圧縮コードのビット数を示す第1圧縮コード長信号を出力する第1圧縮コード長認識部と、
前記第1圧縮コード長信号に基づいて、前記対象圧縮画像データの前記圧縮画像本体データ又は前記反転データに割り当てられた前記信号線を認識し、前記直前伝送データの認識された前記信号線によって伝送されたビットと、前記対象圧縮画像データの前記圧縮画像本体データのビットとの前記比較を行う圧縮データ比較部と、
前記比較の結果と前記第1圧縮コード長信号とに応じて、前記対象圧縮画像データの前記圧縮画像本体データ又は前記反転データのいずれかを前記対象伝送データに組み込み、且つ、前記対象伝送データの前記圧縮コードを前記対象伝送データに前記比較の結果に依存せずに組み込むように構成された第1データ反転部
とを備える
画像データ伝送システム。
【請求項4】
請求項2に記載の画像データ伝送システムであって、
前記受信部は、
前記対象伝送データに含まれる前記圧縮コードのビット数を認識し、前記対象伝送データに含まれる前記圧縮コードのビット数を示す第2圧縮コード長信号を出力する第2圧縮コード長認識部と、
前記反転指示ビットと前記第2圧縮コード長信号とに応じて、前記対象伝送データが前記対象圧縮画像データの前記圧縮画像本体データを含む場合には前記対象伝送データに含まれる前記圧縮画像本体データを前記対象伝送データに対応する前記受信圧縮画像データに組み込み、前記対象伝送データが前記対象圧縮画像データの前記圧縮画像本体データの前記反転データを含む場合には前記対象伝送データに含まれる前記反転データに対してビット反転を行って得られるデータを前記対象伝送データに対応する前記受信圧縮画像データに組み込み、且つ、前記対象伝送データに含まれる前記圧縮コードを前記対象伝送データに対応する前記受信圧縮画像データに前記反転指示ビットの値に依存せずに組み込む第2データ反転部
とを具備する
画像データ伝送システム。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の画像データ伝送システムであって、
更に、
画像データを順次に受け取り、前記画像データのそれぞれの特徴に応じて複数の圧縮処理のうちから前記圧縮画像データの生成に用いられる前記圧縮処理を選択し、前記画像データのそれぞれについて選択した前記圧縮処理を行うことで前記圧縮画像データをそれぞれ生成する圧縮部を備える
画像データ伝送システム。
【請求項6】
圧縮画像データを順次に受け取り、前記圧縮画像データに対応する伝送データを順次に受信回路に伝送する送信回路であって、
前記圧縮画像データのそれぞれは、圧縮処理によって生成されると共に、前記圧縮処理を示す圧縮コードと圧縮画像本体データとを含み、
前記伝送データのそれぞれは、対応する前記圧縮画像データに含まれる前記圧縮コードを含み、且つ、対応する前記圧縮画像データの前記圧縮画像本体データ又はそれに対してビット反転を行って得られる反転データのいずれかを含み、
前記送信回路は、
前記圧縮画像データのうちの対象圧縮画像データに対応する前記伝送データである対象伝送データの伝送において、前記対象伝送データの伝送の直前に伝送された前記伝送データである直前伝送データの、前記対象圧縮画像データの前記圧縮画像本体データ又は前記反転データに割り当てられた信号線によって伝送されたビットと、前記対象圧縮画像データの前記圧縮画像本体データのビットとの比較を行う圧縮データ比較部と、
前記比較の結果に応じて、前記対象圧縮画像データの前記圧縮画像本体データ又は前記反転データのいずれかを前記対象伝送データに組み込み、且つ、前記対象圧縮画像データの前記圧縮コードを前記対象伝送データに前記比較の結果に依存せずに組み込むデータ反転部
とを具備する
送信回路。
【請求項7】
請求項6に記載の送信回路であって、
更に、
前記対象圧縮画像データの前記圧縮コードのビット数を認識し、前記対象圧縮画像データの前記圧縮コードのビット数を示す第1圧縮コード長信号を出力する第1圧縮コード長認識部を具備し、
前記圧縮データ比較部は、前記第1圧縮コード長信号に基づいて、前記対象圧縮画像データの前記圧縮画像本体データ又は前記反転データに割り当てられた前記信号線を認識し、前記直前伝送データの認識された前記信号線によって伝送されたビットと、前記対象圧縮画像データの前記圧縮画像本体データのビットとの比較を行うように構成された
送信回路。
【請求項8】
圧縮画像データから生成された伝送データと反転指示ビットとを順次に受け取るインターフェースと、
前記伝送データを順次に受信し、前記反転指示ビットに応答して前記伝送データのそれぞれに対応する受信圧縮画像データを出力するデータ反転部
とを具備し、
前記圧縮画像データのそれぞれは、複数の圧縮処理のうちから選択された選択圧縮処理によって生成されると共に、前記選択圧縮処理を示す圧縮コードと圧縮画像本体データとを含み、
前記伝送データのそれぞれは、対応する前記圧縮画像データに含まれる前記圧縮コードを含み、且つ、対応する前記圧縮画像データの前記圧縮画像本体データ又はそれに対してビット反転を行って得られる反転データのいずれかを含み、
前記反転指示ビットは、対応する前記伝送データが、対応する前記圧縮画像データの前記圧縮画像本体データ又は前記反転データのいずれを含んでいるかを示しており、
前記データ反転部は、前記伝送データを受信すると、前記伝送データに対応する前記反転指示ビットを参照して、前記伝送データが対応する前記圧縮画像データの前記圧縮画像本体データを含む場合には前記伝送データに含まれる前記圧縮画像本体データを受信した前記伝送データに対応する前記受信圧縮画像データに組み込み、前記伝送データが対応する前記圧縮画像データの前記圧縮画像本体データの前記反転データを含む場合には受信した前記伝送データに含まれる前記反転データに対してビット反転を行って得られるデータを前記伝送データに対応する前記受信圧縮画像データに組み込み、且つ、前記伝送データに含まれる前記圧縮コードを前記伝送データに対応する前記受信圧縮画像データに前記反転指示ビットの値に依存せずに組み込むように構成された
受信回路。
【請求項9】
請求項8に記載の受信回路であって、
受信した前記伝送データに含まれる前記圧縮コードのビット数を認識し、前記伝送データに含まれる前記圧縮コードのビット数を示す第2圧縮コード長信号を出力する第2圧縮コード長認識部を更に具備し、
前記データ反転部は、前記第2圧縮コード長信号に基づいて前記伝送データの前記圧縮コードに対応する部分と前記圧縮画像本体データ又は前記反転データに対応する部分とを認識する
受信回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データ伝送システム、送信回路及び受信回路に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の半導体集積回路は、その高機能化に起因して、消費電力がますます増加する傾向にある。例えば、近年の表示パネルドライバでは、表示パネルの画素数の増加等の要因により、消費電力の増大が顕著になっている。消費電力の低減は、近年の半導体集積回路における重要な課題の一つである。
【0003】
半導体集積回路においては様々な形で電力が消費されるが、半導体集積回路の消費電力のうちの相当の部分が、信号線の電位の反転の際に消費されることが知られている。バイナリデータを信号線によって伝送する場合、当該信号線をHighレベルにプルアップしたり、Lowレベルにプルダウンしたりする動作が行われる。この動作においては、当該信号線の充電及び当該信号線からの放電が行われるので、電力が消費されることになる。
【0004】
バイナリデータの転送時の信号線の電位の反転による消費電力を抑制するために、今回伝送しようとするバイナリデータのビットのうち、直前に当該信号線によって伝送したデータの対応するビットから反転しているビットが当該バイナリデータのビット数の半数より多い場合、当該バイナリデータの反転データ(各ビットについてビット反転を行って得られるデータ)を伝送する技術が知られている。このような技術は、例えば、特開平8−314589号公報(特許文献1)、特開2009−9289号公報(特許文献2)に開示されている。
【0005】
しかしながら、発明者の検討によれば、上記の技術を圧縮画像データの伝送に適用する場合には、消費電力を更に低減する余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平8−314589号公報
【特許文献2】特開2009−9289号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、圧縮画像データの伝送の際に消費される電力を低減するための技術を提供することにある。本発明の他の目的、新規な特徴は、以下の開示から当業者には理解されよう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一の観点では、画像データ伝送システムが、受信部と、圧縮画像データを順次に受け取り、圧縮画像データに対応する伝送データを順次に受信部に伝送する送信部とを具備する。圧縮画像データのそれぞれは、圧縮処理によって生成されると共に、該圧縮処理を示す圧縮コードと圧縮画像本体データとを含む。伝送データのそれぞれは、対応する圧縮画像データに含まれる圧縮コードを含み、且つ、対応する圧縮画像データの圧縮画像本体データ又はそれに対してビット反転を行って得られる反転データのいずれかを含む。圧縮画像データのうちの対象圧縮画像データに対応する伝送データである対象伝送データの伝送において、送信部は、対象伝送データの伝送の直前に伝送された伝送データである直前伝送データの、対象圧縮画像データの圧縮画像本体データ又は反転データに割り当てられた信号線によって伝送されたビットと、対象圧縮画像データの圧縮画像本体データのビットとの比較を行い、比較の結果に応じて、対象圧縮画像データの圧縮画像本体データ又は反転データのいずれかを対象伝送データに組み込むように構成されている。一方、対象圧縮画像データの圧縮コードについては、送信部は、対象圧縮画像データの圧縮コードを、対象伝送データに該比較の結果に依存せずに組み込むように構成されている。
【0009】
本発明の他の観点では、圧縮画像データを順次に受け取り、圧縮画像データに対応する伝送データを順次に受信回路に伝送する送信回路が提供される。ここで、圧縮画像データのそれぞれは、圧縮処理によって生成されると共に、該圧縮処理を示す圧縮コードと圧縮画像本体データとを含み、また、伝送データのそれぞれは、対応する圧縮画像データに含まれる圧縮コードを含み、且つ、対応する圧縮画像データの圧縮画像本体データ又はそれに対してビット反転を行って得られる反転データのいずれかを含んでいる。送信回路は、圧縮画像データのうちの対象圧縮画像データに対応する伝送データである対象伝送データの伝送において、対象伝送データの伝送の直前に伝送された伝送データである直前伝送データの、対象圧縮画像データの圧縮画像本体データ又は反転データに割り当てられた信号線によって伝送されたビットと、対象圧縮画像データの圧縮画像本体データのビットとの比較を行う圧縮データ比較部と、比較の結果に応じて、対象圧縮画像データの圧縮画像本体データ又は反転データのいずれかを対象伝送データに組み込み、且つ、対象圧縮画像データの圧縮コードを対象伝送データに比較の結果に依存せずに組み込むデータ反転部とを具備する。
【0010】
本発明の更に他の観点では、受信回路が、圧縮画像データから生成された伝送データと反転指示ビットとを順次に受け取るインターフェースと、伝送データを順次に受信し、反転指示ビットに応答して伝送データのそれぞれに対応する受信圧縮画像データを出力するデータ反転部とを具備する。ここで、圧縮画像データのそれぞれは、圧縮処理によって生成されると共に、該圧縮処理を示す圧縮コードと圧縮画像本体データとを含み、伝送データのそれぞれは、対応する圧縮画像データに含まれる圧縮コードを含み、且つ、対応する圧縮画像データの圧縮画像本体データ又はそれに対してビット反転を行って得られる反転データのいずれかを含んでいる。また、反転指示ビットは、対応する伝送データが、対応する圧縮画像データの圧縮画像本体データ又は反転データのいずれを含んでいるかを示している。データ反転部は、伝送データを受信すると、伝送データに対応する反転指示ビットを参照して、伝送データが対応する圧縮画像データの圧縮画像本体データを含む場合には伝送データに含まれる圧縮画像本体データを受信した伝送データに対応する受信圧縮画像データに組み込み、伝送データが対応する圧縮画像データの圧縮画像本体データの反転データを含む場合には受信した伝送データに含まれる反転データに対してビット反転を行って得られるデータを伝送データに対応する受信圧縮画像データに組み込み、且つ、伝送データに含まれる圧縮コードを伝送データに対応する受信圧縮画像データに反転指示ビットの値に依存せずに組み込むように構成されている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、圧縮画像データの伝送の際に消費される電力を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1A】データ伝送を行うデータ伝送システムの一例を示すブロック図である。
図1B】データ伝送における消費電力を低減するように構成されたデータ伝送システムの例を示すブロック図である。
図2】画像における圧縮処理の選択の一例を示す概念図である。
図3】一実施形態における画像データ伝送システムの構成を示すブロック図である。
図4A】本実施形態において圧縮部に供給される画像データのフォーマットを示す図である。
図4B】各ブロックに対して生成される圧縮画像データのフォーマットを示す概念図である。
図5】本実施形態の画像データ伝送システムにおいて圧縮画像データを伝送する際における信号線の割り当てを示す概念図である。
図6】本実施形態の画像データ伝送システムにおける伝送データの伝送の一例を示す概念図である。
図7】本実施形態の画像データ伝送システムにおける伝送データの伝送の他の例を示す概念図である。
図8】圧縮コード長が固定である実施形態における画像データ伝送システムの構成の例を示すブロック図である。
図9】本実施形態の画像データ伝送システムが表示ドライバICの内部における圧縮画像データの伝送に適用された表示装置の構成を示すブロック図である。
図10】本実施形態の画像データ伝送システムがタイミングコントローラICから表示ドライバICへの圧縮画像データの伝送に用いられる表示装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。以下の説明においては、同一又は類似の構成要素が、同一又は対応する参照番号で参照されることがあることに留意されたい。
【0014】
本発明の理解を容易にするために、以下では、まず、データ伝送における消費電力の発生とデータ反転による消費電力の抑制について説明する。
【0015】
図1Aは、データ伝送を行うデータ伝送システム100の一例を示すブロック図である。送信側装置101と受信側装置102とが、複数の信号線103によって接続されている。図1Aでは、信号線103の数は4であり、4ビットの伝送データがパラレルで伝送される。
【0016】
このようなデータ伝送システム100では、信号線103の電位の反転による消費電力が大きいという問題がある。例えば、直前にデータ“0000”を伝送した後、データ“1111”を伝送する場合には、全ての信号線103の電位が反転されるため、大きな電力が消費されることになる。
【0017】
データ伝送において消費される電力を低減するための技術の一つが、直前に伝送されたデータと、今回伝送する伝送データとの比較を行い、反転するビットが多い場合に今回伝送する伝送データの反転データを送信する技術である。図1Bは、このような手法を採用したデータ伝送システム100Aの一例を示すブロック図である。
【0018】
図1Bに図示されているデータ伝送システム100Aでは、送信側装置101と受信側装置102とが、複数の信号線103a、103bによって接続されている。ここで、信号線103aは、伝送データ又は反転データの伝送に使用される信号線であり、信号線103bは、反転指示ビットの伝送に用いられる信号線である。反転指示ビットとは、信号線103aで伝送されるデータが、伝送を希望する伝送データそのものなのか、伝送を希望する伝送データについてビット反転を行って得られる反転データなのかを指示するビットである。最も典型的には、伝送を希望する伝送データのビットの半数を超えるビットが、直前に伝送されたデータの対応するビットから反転されている場合、反転データが伝送される。
【0019】
送信側装置101は、反転データを送信したことを受信側装置102に通知するために、反転データの伝送時に反転指示ビットを例えば“1”に設定する。受信側装置102は、反転指示ビットが“1”であることを認識すると、信号線103aから送られてくるデータの各ビットを反転して元のデータを復元し、受信データとして出力する。一方、伝送を希望する伝送データがそのまま送られる場合には、送信側装置101は、反転指示ビットを例えば“0”に設定する。受信側装置102は、反転指示ビットが“0”であることを認識すると、信号線103aから送られてくるデータを、そのまま、受信データとして出力する。
【0020】
例えば、直前にデータ“0000”を伝送した後、データ“1111”を伝送する場合、伝送を希望する伝送データの全ビットが、直前に伝送されたデータの対応するビットから反転されているので、送信側装置101は、反転指示ビットを“1”に設定すると共に、伝送を希望する伝送データの反転データを受信側装置102に伝送する。受信側装置102は、反転指示ビットが“1”であるので、送信側装置101から受け取った反転データの各ビットを反転して元の伝送データを再生し、再生した伝送データを、受信データとして出力する。このような動作によれば、電位が反転される信号線103aの数を低減できるので、データ伝送に必要な消費電力を低減することができる。
【0021】
しかしながら、発明者の検討によれば、図1Bに図示されている手法は、画像データに対して圧縮処理を行って得られる圧縮画像データを伝送する場合には最適でない場合がある。以下では、圧縮画像データの伝送について議論する。
【0022】
画像データの最も典型的な処理の一つが、ブロック毎に圧縮処理を行うブロック圧縮である。ここで、各ブロックは、所定数の画素で構成される圧縮処理の単位である。ブロック圧縮が行われる場合、各ブロックに適用される圧縮処理が、当該ブロックの画像データの特徴に応じて選択されることがある。この場合、適用された圧縮処理を示す圧縮コードが、圧縮画像データに記述される。
【0023】
発明者の一つの発見は、隣接するブロックは同一の圧縮処理で圧縮されることが多いので、隣接するブロックの圧縮コードも同一であることが多く、これを利用することで圧縮画像データの伝送に必要な電力を低減できるということである。
【0024】
図2は、画像における圧縮処理の選択の一例を示す概念図である。画像の各ブロックの圧縮処理においては、該ブロックの画像データの特徴に応じて圧縮処理が選択される。図2の例では、ブロック104については、圧縮コード#1で示される圧縮処理が選択され、ブロック105、106については、圧縮コード#4で示される圧縮処理が選択される。
【0025】
留意すべきことは、画像の性質から、隣接するブロックの画像データは、類似した特徴を有することが多く、従って、隣接するブロックの画像データの圧縮処理では、同一の圧縮処理が選択されることが多いということである。これは、隣接するブロックの圧縮画像データを順次に伝送する場合には、同一の圧縮コードの圧縮画像データが順次に伝送されることが多いということを意味する。
【0026】
発明者の検討によれば、このような状況においては、次のようにして圧縮画像データを伝送することで、電位が反転される信号線の数を低減し、消費電力を低減できる。
(1)圧縮画像データのうち圧縮コードについては、ビット反転せずに伝送する。
(2)圧縮画像データの圧縮コード以外のビットで構成される圧縮画像本体データについては、直前に伝送したデータとの比較を行い、比較結果に応じて圧縮画像本体データをそのまま伝送するか該圧縮画像本体データの反転データを伝送するかを選択する。
【0027】
圧縮画像データの全ビットについて、圧縮画像データをそのまま伝送するか、該圧縮画像データの反転データを送るかの選択を行う手法では、隣接するブロックの圧縮コードが同一であるにもかかわらず圧縮コードについてビット反転が行われる事態がしばしば発生する。これは、消費電力の低減の観点から好ましくない。本実施形態では、上記(1)、(2)の手法を採用することにより、圧縮画像データの伝送における消費電力が低減される。以下では、(1)、(2)の手法を採用する画像データ伝送システムの実施形態を説明する。
【0028】
図3は、一実施形態における画像データ伝送システム10の構成を示すブロック図である。本実施形態の画像データ伝送システム10は、送信回路11と受信回路12とを備えている。送信回路11と受信回路12は、信号線13によって接続されている。後述されるように、信号線13は、圧縮画像データ22の伝送に用いられる信号線13aと、圧縮画像データ22の伝送にあたりビット反転を行ったか否かを示す反転指示ビット23を伝送する信号線13bとを含んでいる。以下では、信号線13aを介して送信回路11から受信回路12に伝送されるデータを伝送データ24と記載することがある。
【0029】
本実施形態の画像データ伝送システム10は、画像データ21に対して圧縮処理を行うことによって生成された圧縮画像データ22を圧縮部14から受け取り、圧縮画像データ22に対応する伝送データ24を送信回路11から受信回路12に伝送するように構成されている。圧縮部14としては、圧縮画像データを生成する専用の圧縮回路が用いられてもよく、また、CPU(central processing unit)、アプリケーションプロセッサ及びDSP(digital signal processor)のようなプロセッサが用いられてもよい。
【0030】
圧縮部14は、順次に供給される画像データ21に対してブロック圧縮を行って圧縮画像データ22を順次に生成するように構成されている。上述のように、ブロック圧縮とは、画像に規定されたブロック毎に圧縮処理を行う圧縮方法であり、各ブロックは、所定数の画素で構成される。
【0031】
図4Aは、圧縮部14に供給される画像データ21のフォーマットを示す図である。画像は、それぞれが複数の画素を備えるブロックに分割される。各ブロックの画像データ21が順次に圧縮部14に供給される。例えば、画像の最上行のブロックの画像データ21が、左端のブロックから右端のブロックの順番で伝送され、次に、上から2番目の行のブロックの画像データ21が、左端のブロックから右端のブロックの順番で伝送される。残りの行についても同様に、上から下の行の順序で各行の各ブロックの画像データ21が圧縮部14に供給される。
【0032】
圧縮部14は、各ブロックの画像データ21を圧縮する場合、当該ブロックの画像データ21の特徴に応じて複数の圧縮処理のうちから所望の圧縮処理を選択し、選択した圧縮処理を該ブロックの画像データ21に対して行って圧縮画像データ22を生成する。このような処理によれば、画像の特徴に応じて最適な圧縮処理を用いて圧縮画像データ22を生成することができる。以下では、各ブロックの圧縮画像データ22の生成に使用された圧縮処理(即ち、各ブロックの画像データ21の圧縮において選択された圧縮処理)を、「選択圧縮処理」と記載する。
【0033】
図4Bは、各ブロックに対して生成される圧縮画像データ22のフォーマットを示す概念図である。図4Bには、4種類の圧縮処理#1〜#4によって生成された圧縮画像データ22のフォーマットがそれぞれ図示されている。
【0034】
本実施形態では、各ブロックに対して生成される圧縮画像データ22は、64ビットデータであり、圧縮コードと圧縮画像本体データとを含んでいる。圧縮コードは、各ブロックの圧縮画像データ22の生成に使用された選択圧縮処理を示している。圧縮画像本体データは、圧縮画像データ22のうち圧縮コード以外の部分であり、各ブロックの画素の画像データ21に対応する情報を含んでいる。
【0035】
本実施形態では、圧縮コードのビット数(以下では、「圧縮コード長」ということがある。)は、圧縮処理の選択に応じて(即ち、選択圧縮処理に応じて)可変である。図4の例では、1ビットの圧縮コード“0”が圧縮処理#1に割り当てられ、2ビットの圧縮コード“10”が圧縮処理#2に割り当てられている。また、3ビットの圧縮コード“110”が圧縮処理#3に割り当てられ、3ビットの圧縮コード“111”が圧縮処理#4に割り当てられている。冗長性が低い画像については圧縮率が低い圧縮処理を選択すると共に当該圧縮処理に圧縮コード長が短い圧縮コードを割り当て、冗長性が高い画像については圧縮率が高い圧縮処理を選択すると共に当該圧縮処理に圧縮コード長が長い圧縮コードを割り当てることが好ましい。このような処理によれば、各ブロックに対応する圧縮画像データ22のビット数に制約がある状況においても、画質の低下の抑制と圧縮率の向上のバランスを実現しながら画像圧縮を行うことができる。
【0036】
なお、図4に図示されている圧縮コードでは、圧縮コードの最大のビット数、及び、最大ビット数ではないビット数を有する圧縮コードの最下位ビットの値(“0”or“1”)が規定されており、この場合、最上位ビットから順次に圧縮コードのビットの値を識別することで、圧縮コード長を認識できることに留意されたい。詳細には、図4に図示されていた圧縮コードでは、圧縮コードの最大のビット数が3であり、最大ビット数ではないビット数を有する圧縮コードの最下位ビットの値が“0”であると規定されている。この場合、圧縮コードの最上位ビットが“0”であれば、当該圧縮コードが圧縮処理#1に対応しており、圧縮コード長が1であると識別可能である。また、圧縮コードの最上位ビットが“1”であり、次に上位のビットが“0”であれば、当該圧縮コードが圧縮処理#2に対応しており、圧縮コード長が“2”であると識別可能である。
【0037】
図3に戻り、送信回路11は、圧縮部14から圧縮画像データ22を順次に受け取り、圧縮画像データ22に対応する伝送データ24を受信回路12に順次に送信する。ここでいう「圧縮画像データ22に対応する伝送データ24」は、該圧縮画像データ22に含まれる圧縮コードを含み、且つ、該圧縮画像データ22に含まれる圧縮画像本体データ又は該圧縮画像本体データに対してビット反転を行って得られる反転データを含む。即ち、「圧縮画像データ22に対応する伝送データ24」は、少なくとも圧縮画像データ22と等価である。ただし、圧縮画像データ22に対応する伝送データ24は、圧縮画像データ22と同一であり得るが、必ずしも同一であるとは限らない。
【0038】
詳細には、送信回路11は、圧縮コード長認識部31と、伝送データ比較部32と、データ反転部33とインターフェース34とを備えている。
【0039】
圧縮コード長認識部31は、圧縮部14から圧縮画像データ22を逐次に受け取り、受け取った圧縮画像データ22に含まれる圧縮コードの圧縮コード長を認識し、認識した圧縮コード長を示す圧縮コード長信号51を伝送データ比較部32とデータ反転部33に送信する。
【0040】
伝送データ比較部32は、圧縮部14から圧縮画像データ22を逐次に受け取り、直前に信号線13aを介して受信回路12に伝送された伝送データ24と、今回受信回路12に伝送しようとする圧縮画像データ22との比較を行い、この比較の結果に応じて圧縮画像本体データのビット反転を実施するか否かを指示する反転指示信号52を生成する。詳細には、伝送データ比較部32は、下記に述べられるような動作を行う。
【0041】
伝送データ比較部32は、伝送データ24の受信回路12への伝送が行われる毎に、伝送された伝送データ24又はそれに等価なデータを記憶するように構成されている。伝送された伝送データ24が保存されてもよい。また、受信回路12に伝送された伝送データ24は、圧縮画像データ22とそれに対応して生成された反転指示ビット23との組み合わせから再生可能なので、圧縮画像データ22と、それに対応して生成された反転指示ビット23との組み合わせを伝送データ比較部32に保存してもよい。
【0042】
伝送データ比較部32は、圧縮コード長信号51から今回伝送しようとする圧縮画像データ22に含まれる圧縮コードの圧縮コード長を認識し、今回伝送しようとする圧縮画像データ22の圧縮画像本体データ又はその反転データの伝送に用いられる信号線13aを特定する。例えば、圧縮コード長信号51に示された圧縮コード長が“3”であれば、信号線13aのうちの3本が圧縮コードを伝送するために用いられ、残りの信号線13aが圧縮画像本体データ又は反転データの伝送に用いられると特定することができる。
【0043】
伝送データ比較部32は、更に、直前に伝送された伝送データ24のうち、今回伝送しようとする圧縮画像データ22の圧縮画像本体データ又はその反転データの伝送に用いられる信号線13aで伝送されたデータと、今回伝送しようとする圧縮画像データ22の圧縮画像本体データとを比較する。伝送データ比較部32は、この比較の結果に応じて、圧縮画像本体データのビット反転を実施するか否かを指示する反転指示信号52を生成する。生成された反転指示信号52は、データ反転部33に送られる。
【0044】
加えて、伝送データ比較部32は、当該比較の結果に応じて反転指示ビット23を生成する。反転指示ビット23は、伝送データ24の伝送において圧縮画像本体データのビット反転が実施されたか否かを示すビットであり、後述されるように、受信回路12に伝送される。
【0045】
データ反転部33は、圧縮部14から圧縮画像データ22を逐次に受け取り、受信回路12に伝送すべき伝送データ24を生成する。上述のように、圧縮画像データ22は圧縮コードと圧縮画像本体データとを含んでおり、データ反転部33における処理は、圧縮コードと圧縮画像本体データとで異なる。圧縮コードについては、データ反転部33は、反転指示信号52に関わらず(即ち、直前に信号線13aを介して受信回路12に伝送されたデータと、今回、受信回路12に伝送しようとする圧縮画像データ22との比較の結果に依存せずに)、そのまま伝送データ24に組み込む。一方、圧縮画像本体データについては、データ反転部33は、反転指示信号52に応じて、圧縮画像本体データをそのまま伝送データ24に組み込む動作と、圧縮画像本体データのビット反転で得られる反転データを伝送データ24に組み込む動作のいずれかを行う。
【0046】
この動作を実行する際、データ反転部33は、圧縮コード長信号51を参照する。データ反転部33は、圧縮コード長信号51に示されている圧縮コード長から、圧縮画像データ22のうちのどの部分が圧縮コードであり、どの部分が圧縮画像本体データであるかを認識する。データ反転部33は、反転指示信号52によってビット反転を実施することを指示された場合、圧縮画像本体データに対してビット反転を行って反転データを生成し、圧縮画像データ22に含まれる圧縮コードと該反転データとを伝送データ24に組み込む。一方、ビット反転を実施しないことを指示された場合、データ反転部33は、圧縮画像データ22に含まれる圧縮コードと圧縮画像本体データとを伝送データ24に組み込む。この場合、圧縮画像データ22をそのまま伝送データ24として用いることになる。結果として、受信回路12に伝送される伝送データ24は、圧縮コードを含み、且つ、圧縮画像本体データ又はその反転データを含むことになる。上述の議論から理解されるように、圧縮コードについてビット反転を行わないことは、消費電力の低減に有用である。
【0047】
インターフェース34は、データ反転部33から受け取った伝送データ24を信号線13aを介して受信回路12に伝送し、更に、伝送データ比較部32から受け取った反転指示ビット23を信号線13bを介して受信回路12に伝送する。
【0048】
受信回路12は、インターフェース41と圧縮コード長認識部42とデータ反転部43とを備えている。
【0049】
インターフェース41は、送信回路11から信号線13aを介して伝送データ24を受け取り、更に、信号線13bを介して反転指示ビット23を受け取る。
【0050】
圧縮コード長認識部42は、送信回路11から受け取った伝送データ24に含まれる圧縮コードの圧縮コード長を認識し、認識した圧縮コード長を示す圧縮コード長信号53を生成する。加えて、圧縮コード長認識部42は、受け取った伝送データ24をデータ反転部43に転送する。
【0051】
データ反転部43は、伝送データ24から元の圧縮画像データ22を復元し、復元した圧縮画像データ22を、受信圧縮画像データ25として出力する。詳細には、データ反転部43は、圧縮コード長信号53に示されている圧縮コード長から、受信した伝送データ24のどの部分が圧縮コードであり、どの部分が圧縮画像本体データ又は反転データであるかを認識する。データ反転部43は、更に、送信回路11から受け取った反転指示ビット23から伝送データ24が圧縮コードと反転データとで構成されると認識すると、該反転データのビット反転を行って元の圧縮画像本体データを復元する。この場合、データ反転部43は、伝送データ24に含まれる圧縮コードと復元した圧縮画像本体データとで構成される受信圧縮画像データ25を出力する。また、送信回路11から受け取った反転指示ビット23から、受け取った伝送データ24が元の圧縮画像データ22の圧縮画像本体データを含むと認識すると、データ反転部43は、伝送データ24に含まれる圧縮画像本体データを受信圧縮画像データ25に組み込む。一方、圧縮コードについては、データ反転部43は、反転指示ビット23の値に関わらず、伝送データ24に含まれる圧縮コードをそのまま受信圧縮画像データ25に組み込む。このような動作によってデータ反転部43から出力される受信圧縮画像データ25は、送信回路11に供給される圧縮画像データ22と(通信エラーが無い限り)同一である。
【0052】
続いて、本実施形態の画像データ伝送システム10の動作を説明する。
図5は、画像データ伝送システム10において圧縮画像データ22を伝送する際における信号線13(13a、13b)の割り当てを示す概念図である。本実施形態では、伝送データ24が信号線13aで伝送され、反転指示ビット23が信号線13bで伝送される。図5の例では、伝送データ24が64ビットデータであり、64本の信号線13aで伝送データ24が伝送される。以下の説明において、64本の信号線13aを区別する必要がある場合、参照符号“13a”に添字が付される。信号線13a〜1364は、それぞれ、伝送データ24の対応するビットを伝送する。
【0053】
伝送データ24の圧縮コードは可変長であるから、各信号線13aが、圧縮コードに割り当てられるか圧縮画像本体データ又はその反転データに割り当てられるかは、圧縮コード長に依存する。例えば、図5には、圧縮コード長が3である場合の信号線13の割り当てを示している。3本の信号線13a〜13aが圧縮コードに割り当てられ、残りの信号線13a〜13a64が圧縮画像本体データ又はその反転データに割り当てられる。このように、各伝送データ24の圧縮コードの圧縮コード長が与えられると、圧縮コードに割り当てられる信号線13aと、圧縮画像本体データ又は反転データに割り当てられる信号線13aとが決まることになる。
【0054】
本実施形態では、あるブロックの圧縮画像データ22に対応する伝送データ24の伝送において、送信回路11は、下記の動作を行う。
(1)圧縮コードに割り当てられた信号線13aについては、圧縮コードを、ビット反転せずにそのまま受信回路12に伝送する。
(2)圧縮画像本体データ又はその反転データに割り当てられた信号線13aについては、当該圧縮画像本体データと、該信号線13aによって直前に伝送されたデータとの比較を行い、比較結果に応じて圧縮画像本体データをそのまま受信回路12に伝送する動作又は、該圧縮画像本体データの反転データを伝送する動作を行う。
(3)加えて、圧縮画像本体データをそのまま伝送したか該圧縮画像本体データの反転データを伝送したかを示す反転指示ビット23を受信回路12に送信する。
【0055】
図5に図示されているように、圧縮コード長が3である場合には、信号線13a〜13aが圧縮コードに割り当てられ、信号線13a〜13a64が圧縮画像本体データ又はその反転データに割り当てられるので、圧縮画像本体データの各ビットと、直前に信号線13a〜13a64によってそれぞれに伝送されたビットとが比較される。その比較結果に応じて圧縮画像本体データをそのまま伝送するか反転データを伝送するかが選択される。最も典型的には、圧縮画像本体データの半数を超えるビットが直前に信号線13a〜13a64によってそれぞれに伝送されたビットから反転されている場合に反転データが伝送データ24に組み込まれ、そうでない場合、圧縮画像本体データがそのまま伝送データ24に組み込まれる。
【0056】
受信回路12は、反転指示ビット23を参照しながら送信回路11から受け取った伝送データ24から元の圧縮画像データ22を再生する。再生された元の圧縮画像データ22が受信圧縮画像データ25として受信回路12から出力される。詳細には、受信回路12は、反転指示ビット23によって圧縮画像本体データがそのまま伝送されたことを認識した場合には、伝送データ24に含まれる圧縮コードと圧縮画像本体データとをそのまま受信圧縮画像データ25に組み込み、該受信圧縮画像データ25を出力する。一方、反転指示ビット23によって圧縮画像本体データの反転データが伝送されたことを認識した場合には、受信回路12は、その反転データに対してビット反転を行って元の圧縮画像本体データを再生し、伝送データ24に含まれる圧縮コードと再生した圧縮画像本体データとを受信圧縮画像データ25に組み込み、該受信圧縮画像データ25を出力する。
【0057】
図6は、伝送データ24の伝送の例を図示している。図6には、直前に伝送された伝送データ24の圧縮コード長が3であり、且つ、今回伝送しようとする圧縮画像データ22の圧縮コード長も3である場合が図示されている。図6において、DCODE[i]は、圧縮コードのビットを示しており、DBODY[i]は、圧縮画像本体データのビットを示している。直前の伝送データ24の伝送においては、圧縮コードのビットDCODE[0]〜DCODE[2]が信号線13a〜13aにより伝送され、圧縮画像本体データのビットDBODY[0]〜DBODY[60]が信号線13a〜13a64により伝送されたとする。ここで、ビットDCODE[i]は、引数iが小さいほど圧縮コードのより上位のビットであるとする。
【0058】
今回伝送しようとする圧縮画像データ22が送信回路11に供給されると、送信回路11の圧縮コード長認識部31は、当該圧縮画像データ22の圧縮コード長を認識する。本実施形態では、圧縮コードは、図4に図示されているように定義されており、圧縮コード長認識部31は、最上位ビットから順次に圧縮コードのビットの値を識別することで、圧縮コード長を認識する。図4の圧縮コードの定義では、最大の圧縮コード長が3であり、
最大の圧縮コード長ではないビット数を有する圧縮コードの最下位ビットの値が“0”であると定義されていることに留意されたい。圧縮コード長認識部31は、圧縮コードの最上位ビットDCODE[0]、次に上位のビットDCODE[0]がいずれも“1”であることから、圧縮コード長が“3”であると認識する。認識された圧縮コード長を示す圧縮コード長信号51は、伝送データ比較部32とデータ反転部33に送られる。
【0059】
伝送データ比較部32は、圧縮コード長信号51から今回伝送しようとする圧縮画像データ22の圧縮コード長を認識し、更に、該圧縮コード長から、今回伝送しようとする圧縮画像データ22に対応する伝送データ24の圧縮画像本体データ又は反転データの伝送に用いられる信号線13aを特定する。図6の例では、今回伝送しようとする圧縮画像データ22の圧縮コード長が3であることから、伝送データ比較部32は、信号線13a〜13a64が対応する伝送データ24の圧縮画像本体データ又は反転データの伝送に用いられる信号線であると特定する。
【0060】
伝送データ比較部32は、更に、今回伝送しようとする圧縮画像データ22の圧縮画像本体データの各ビットを、直前に信号線13a〜13a64で伝送された伝送データ24の対応するビットと比較し、この比較の結果に応じて、圧縮画像本体データのビット反転を実施するか否かを指示する反転指示信号52を生成する。生成された反転指示信号52は、データ反転部33に送られる。加えて、伝送データ比較部32は、今回伝送しようとする圧縮画像データ22の圧縮画像本体データについてビット反転が実施されたか否かを示す反転指示ビット23をインターフェース34を介して受信回路12に伝送する。
【0061】
データ反転部33は、圧縮コード長認識部31から受け取った圧縮コード長信号51によって通知される圧縮コード長から、今回伝送しようとする圧縮画像データ22のどの部分が圧縮コードであり、どの部分が圧縮画像本体データであるかを認識する。更に、データ反転部33は、反転指示信号52に応じて、圧縮画像本体データをそのまま伝送データ24に組み込む動作と、圧縮画像本体データのビット反転で得られる反転データを伝送データ24に組み込む動作のいずれかを行う。一方で、圧縮コードについては、データ反転部33は、反転指示信号52に関わらず、圧縮コードをそのまま受信回路12に伝送する伝送データ24に組み込む。
【0062】
図6の例では、今回伝送しようとする圧縮画像データ22の圧縮画像本体データの半数を超えるビットが、直前に信号線13a〜13a64で伝送された伝送データ24のビットから反転されており、よって、伝送データ比較部32は、今回伝送しようとする圧縮画像データ22の圧縮画像本体データに対してビット反転を行うと決定する。伝送データ比較部32は、反転指示信号52により、今回伝送しようとする圧縮画像データ22の圧縮画像本体データに対してビット反転を行うことをデータ反転部33に指示すると共に、反転指示ビット23により、圧縮画像本体データに対してビット反転が行われたことを受信回路12に通知する。データ反転部33は、圧縮コードについては、今回伝送しようとする圧縮画像データ22の圧縮コードを、そのまま信号線13a〜13aを介して受信回路12に伝送する一方で、圧縮画像本体データのビット反転で得られる反転データを信号線13a〜13a64を介して受信回路12に伝送する。
【0063】
なお、図6の例では、直前に伝送された伝送データ24の圧縮コード長と今回伝送しようとする圧縮画像データ22の圧縮コード長とが同一であるが、これらの圧縮コード長が相違することもあり得る。この場合、圧縮画像データの圧縮画像本体データの一部のビットが、直前に伝送された伝送データの圧縮コードのビットと比較されることがあることに留意されたい。図7は、このような場合の例を示している。
【0064】
図7の例では、直前に伝送された伝送データ24の圧縮コード長が3である一方で、今回伝送しようとする圧縮画像データ22の圧縮コード長が2である場合が図示されている。直前の伝送データ24の伝送においては、圧縮コードのビットDCODE[0]〜DCODE[2]が信号線13a〜13aにより伝送され、圧縮画像本体データのビットDBODY[0]〜DBODY[60]が信号線13a〜13a64により伝送される。
【0065】
伝送データ比較部32は、今回伝送しようとする圧縮画像データ22の圧縮コード長が2であることから、信号線13a〜13a64が対応する伝送データ24の圧縮画像本体データ又は反転データの伝送に用いられる信号線であると特定する。伝送データ比較部32は、更に、今回伝送しようとする圧縮画像データ22の圧縮画像本体データの各ビットを、直前に信号線13a〜13a64で伝送された伝送データ24の対応するビットと比較する。図7の場合には、今回伝送しようとする圧縮画像データ22の圧縮画像本体データの最上位ビットDBODY[0]が、信号線13aに対応しているので、直前に伝送された伝送データ24の信号線13aで圧縮コードの最下位ビットDCODE[2]と比較されることになる。この場合も、伝送データ比較部32は、この比較の結果に応じて、圧縮画像本体データのビット反転を実施するか否かを指示する反転指示信号52を生成する。
【0066】
以上に説明されているように、本実施形態では、圧縮画像データのうち圧縮コードについては、ビット反転せずにそのまま伝送し、圧縮画像データの圧縮コード以外のビットで構成される圧縮画像本体データについては、直前に伝送したデータとの比較を行い、比較結果に応じて圧縮画像本体データをそのまま伝送するか該圧縮画像本体データの反転データを伝送するかを選択する手法が採用される。これにより、圧縮画像データの伝送における消費電力を有効に低減することができる。
【0067】
上述の実施形態では、圧縮コード長が可変であるが、本発明は、圧縮コード長が固定の場合にも適用である。図8は、圧縮コード長が固定である実施形態における画像データ伝送システム10Aの構成の例を示すブロック図である。
【0068】
図8に図示された画像データ伝送システム10Aは、図3に図示されている画像データ伝送システム10と類似した構成を有しているが、送信回路11から圧縮コード長認識部31が除去され、受信回路12から圧縮コード長認識部42が除去されている。
【0069】
図8に図示された画像データ伝送システム10Aの動作は、圧縮コード長を認識する動作が行われない点を除き、図3に図示されている画像データ伝送システム10と同様である。圧縮コード長が固定されているため、圧縮画像データ22を受け取ったときに圧縮コード長を認識する処理を行う必要がない。
【0070】
詳細には、送信回路11では、伝送データ比較部32が、直前に伝送された伝送データ24のうち、今回伝送しようとする圧縮画像データ22の圧縮画像本体データ又はその反転データの伝送に用いられる信号線13aで伝送されたデータと、今回伝送しようとする圧縮画像データ22の圧縮画像本体データとを比較する。伝送データ比較部32は、この比較の結果に応じて、圧縮画像本体データのビット反転を実施するか否かを指示する反転指示信号52を生成する。生成された反転指示信号52は、データ反転部33に送られる。加えて、伝送データ比較部32は、当該比較の結果に応じて反転指示ビット23を生成する。
【0071】
データ反転部33は、圧縮部14から圧縮画像データ22を逐次に受け取り、受信回路12に伝送すべき伝送データ24を生成する。上述のように、圧縮画像データ22は圧縮コードと圧縮画像本体データとを含んでおり、データ反転部33における処理は、圧縮コードと圧縮画像本体データとで異なる。圧縮コードについては、データ反転部33は、反転指示信号52に関わらず(即ち、直前に信号線13aを介して受信回路12に伝送されたデータと、今回、受信回路12に伝送しようとする圧縮画像データ22との比較の結果に依存せずに)、そのまま伝送データ24に組み込む。一方、圧縮画像本体データについては、データ反転部33は、反転指示信号52に応じて、圧縮画像本体データをそのまま伝送データ24に組み込む動作と、圧縮画像本体データのビット反転で得られる反転データを伝送データ24に組み込む動作のいずれかを行う。このようにして生成された伝送データ24は、受信回路12に伝送される。
【0072】
一方、受信回路12においては、データ反転部43が、伝送データ24から元の圧縮画像データ22を復元し、復元した圧縮画像データ22を、受信圧縮画像データ25として出力する。詳細には、データ反転部43は、送信回路11から受け取った反転指示ビット23から伝送データ24が圧縮コードと反転データとで構成されると認識すると、該反転データのビット反転を行って元の圧縮画像本体データを復元する。データ反転部43は、伝送データ24に含まれる圧縮コードと復元した圧縮画像本体データとで構成される受信圧縮画像データ25を出力する。一方、送信回路11から受け取った反転指示ビット23から伝送データ24が元の圧縮画像データ22と同一であると認識すると、受け取った伝送データ24をそのまま受信圧縮画像データ25として出力する。
【0073】
本実施形態の画像データ伝送システム(10、10A)は、圧縮画像データの伝送を行う様々なデバイス、システムに適用可能である。一実施例としては、表示パネルを駆動する表示ドライバの内部における圧縮画像データの転送に適用可能である。
【0074】
図9は、本実施形態の画像データ伝送システム(10、10A)が表示ドライバIC71の内部における圧縮画像データの伝送に適用された表示装置70の構成を示すブロック図である。表示ドライバIC71は、タイミングコントローラ72から画像データ21を受け取り、画像データ21に対応した画像を表示するように表示パネル73(例えば、液晶表示パネル)を駆動する。
【0075】
図9の表示装置70は、表示ドライバIC71が、画像データ21に対して圧縮処理を行って圧縮画像データ22を生成し、該生成した圧縮画像データ22を記憶部、より具体的には複数のRAMに分散して保存するように構成されている。このような構成は、表示ドライバIC71に搭載される記憶部(RAM)の容量を低減するためのものである。表示ドライバICには、画像データを一時的に保存するRAMが集積化されることがあるが、このような構成では、RAMが大きな面積を占めるという問題がある。図9の構成では、圧縮画像データ22がRAMに保存されるので、RAMの容量を低減することができる。
【0076】
詳細には、表示ドライバIC71は、ロジック回路81と、左側RAM(random access memory)82Lと、右側RAM82Rと、ソースドライバ回路83とを備えている。ロジック回路81と、左側RAM(random access memory)82Lと、右側RAM82Rと、ソースドライバ回路83とは、表示ドライバIC71にモノリシックに(monolithically)集積化されている。即ち、ロジック回路81と、左側RAM(random access memory)82Lと、右側RAM82Rと、ソースドライバ回路83とは、同一のチップに集積化されている。ロジック回路81と、左側RAM82Lとは、左側バス84L、85Lによって接続されており、ロジック回路81と、右側RAM82Rとは、右側バス84R、85Rによって接続されている。左側バス84L、85L、右側バス84R、85Rは、いずれも、複数の信号線を備えており、上述の実施形態の信号線13に相当する構成要素である。
【0077】
ロジック回路81は、圧縮回路81aと、送信回路11R、11Lと、受信回路12R、12Lと、展開回路81bとを備えている。ロジック回路81の送信回路11L、11Rは、いずれも、上述の実施形態の送信回路11と同様の構成を有し、同様の動作を行う。また、ロジック回路81の受信回路12L、12Rは、いずれも、上述の実施形態の受信回路12と同様の構成を有し、同様の動作を行う。
【0078】
圧縮回路81aは、上述の実施形態の圧縮部14に対応しており、順次に供給される画像データ21に対してブロック圧縮を行って圧縮画像データ22を順次に生成するように構成されている。圧縮回路81aは、各ブロックの画像データ21を圧縮する場合、当該ブロックの画像データ21の特徴に応じて複数の圧縮処理のうちから所望の圧縮処理を選択し、選択した圧縮処理(選択圧縮処理)を該ブロックの画像データ21に対して行って圧縮画像データ22を生成する。
【0079】
送信回路11Lは、圧縮回路81aによって生成された圧縮画像データ22のうちの左側RAM82Lに保存すべきデータを、左側バス84Lを介して左側RAM82Lに伝送する。同様に、送信回路11Rは、圧縮回路81aによって生成された圧縮画像データ22のうちの右側RAM82Rに保存すべきデータを、右側バス84Rを介して右側RAM82Rに伝送する。
【0080】
受信回路12Lは、左側RAM82Lに保存されている圧縮画像データ22を左側バス85Lを介して受け取り、受け取った圧縮画像データ22を受信圧縮画像データ25として出力する。同様に、受信回路12Rは、右側RAM82Rに保存されている圧縮画像データ22を右側バス85Rを介して受け取り、受け取った圧縮画像データ22を受信圧縮画像データ25として出力する。
【0081】
展開回路81bは、受信回路12R、12Lから受け取った受信圧縮画像データ25に対して展開処理を行って展開後画像データ86を生成する。
【0082】
左側RAM82L、右側RAM82Rは、ロジック回路81から受け取った圧縮画像データ22を保存する。左側RAM82L、右側RAM82Rのそれぞれは、送信回路11と受信回路12とを備えている。左側RAM82L、右側RAM82Rの送信回路11は、いずれも、上述の実施形態の送信回路11と同様の構成を有し、同様の動作を行う。また、左側RAM82L、右側RAM82Rの受信回路12は、いずれも、上述の実施形態の受信回路12と同様の構成を有し、同様の動作を行う。左側RAM82Lは、それぞれに設けられた受信回路12によってロジック回路81の送信回路11Lから圧縮画像データ22を受け取り、受け取った圧縮画像データ22を保存する。同様に、右側RAM82Rは、それぞれの受信回路12によってロジック回路81の送信回路11Rから圧縮画像データ22を受け取り、受け取った圧縮画像データ22を保存する。加えて、左側RAM82Lは、それぞれに設けられた送信回路11によってそれぞれに記憶されている圧縮画像データ22をロジック回路81の受信回路12Lに送信する。同様に、右側RAM82Rは、それぞれに設けられた送信回路11によってそれぞれに記憶されている圧縮画像データ22をロジック回路81の受信回路12Rに送信する。
【0083】
ソースドライバ回路83は、ロジック回路81の展開回路81bから受け取った展開後画像データ86に応答して表示パネル73のソース線(データ線、信号線とも呼ばれる)を駆動する。
【0084】
図9の表示装置70は、概略、下記のように動作する。タイミングコントローラ72から画像データ21が表示ドライバIC71に供給されると、ロジック回路81の圧縮回路81aによって画像データ21に対して圧縮処理が行われて圧縮画像データ22が生成される。圧縮画像データ22は、送信回路11L、11Rによって左側RAM82L及び右側RAM82Rに伝送され、圧縮画像データ22は、左側RAM82L、右側RAM82Rに分散して保存される。
【0085】
表示パネル73は、左側RAM82L及び右側RAM82Rに保存された圧縮画像データ22に応答して駆動される。左側RAM82L及び右側RAM82Rに保存された圧縮画像データ22は、ロジック回路81に伝送され、更に、展開回路81bによって展開される。これにより、展開後画像データ86が生成される。表示パネル73のソース線は、ソースドライバ回路83により、展開後画像データ86に応答して駆動される。
【0086】
本実施形態の画像データ伝送システム(10、10A)は、2つの半導体ICの間で圧縮画像データの伝送を行う様々なシステムにも適用可能である。一実施例としては、本実施形態の画像データ伝送システム(10、10A)は、タイミングコントローラICから表示パネルを駆動する表示ドライバICへの圧縮画像データの伝送に適用可能である。画像データは、一般に容量が大きく、画像データをタイミングコントローラICから表示ドライバICに送るシステム構成では、多くの電力が消費されるが、画像データに対して圧縮処理を行って得られる圧縮画像データをタイミングコントローラICから表示ドライバICに送る構成によれば、伝送データのデータ量を抑制し、これにより、消費電力を低減することができる。
【0087】
図10は、本実施形態の画像データ伝送システム(10、10A)がタイミングコントローラICから表示ドライバICへの圧縮画像データの伝送に用いられる表示装置90の構成を示すブロック図である。本実施形態の表示装置90は、タイミングコントローラIC91と複数の表示ドライバIC92と表示パネル93(例えば、液晶表示パネル)とを備えている。複数の表示ドライバIC92は、タイミングコントローラIC91にバス94を介して接続されている。バス94は、複数の信号線を備えており、上述の実施形態の信号線13に相当する構成要素である。
【0088】
タイミングコントローラIC91は、圧縮回路91aと送信回路11とを備えている。圧縮回路91aは、上述の実施形態の圧縮部14に対応しており、順次に供給される画像データ21に対してブロック圧縮を行って圧縮画像データ22を順次に生成するように構成されている。圧縮回路81aは、各ブロックの画像データ21を圧縮する場合、当該ブロックの画像データ21の特徴に応じて複数の圧縮処理のうちから所望の圧縮処理を選択し、選択した圧縮処理(選択圧縮処理)を該ブロックの画像データ21に対して行って圧縮画像データ22を生成する。送信回路11は、圧縮画像データ22を表示ドライバIC92に送信する。
【0089】
表示ドライバIC92のそれぞれは、受信回路12と、展開回路92aとソースドライバ回路92bとを備えている。受信回路12は、タイミングコントローラIC91から圧縮画像データ22を受け取り、受け取った圧縮画像データ22を展開回路92aに受信圧縮画像データとして出力する。展開回路92aは、受信回路12から受け取った受信圧縮画像データを展開して展開後画像データを生成する。ソースドライバ回路92bは、展開回路92aから受け取った展開後画像データに応答して表示パネル93のソース線を駆動する。
【0090】
以上には、本発明の実施形態が具体的に記述されているが、本発明は、上記の実施形態に限定されると解釈してはならない。本発明が様々な変更と共に実施され得ることは、当業者には自明的であろう。
【0091】
例えば、上述の実施形態では、送信回路11が各圧縮画像データ22の圧縮コードをそのまま伝送データ24に組み込むように構成されているが、圧縮コードと等価なデータ、例えば、圧縮コードに対して所定の論理演算を行って得られる論理演算データを伝送データ24に組み込むように構成されてもよい。ただし、圧縮画像データ22の圧縮コードと等価な論理演算データが伝送データ24に組み込まれる場合、該論理演算データは、圧縮画像データ22の圧縮画像本体データのビットと、圧縮画像本体データ又はその反転データに割り当てられた信号線13aによって直前に伝送されたデータのビットとの比較の結果に依存しない所定の論理演算によって生成される。例えば、全ての圧縮画像データ22の圧縮コードに対して無条件でビット反転が行われ、該ビット反転で得られた論理演算データが伝送データ24に組み込まれて受信回路12に伝送されてもよい。
【0092】
また、上述の実施形態では、受信回路12が各伝送データ24に含まれる圧縮コードをそのまま受信圧縮画像データ25に組み込むように構成されているが、各伝送データ24に含まれる圧縮コード(上記のように、圧縮画像データ22に含まれる圧縮コードと等価な論理演算データの場合もある)と等価なデータ、例えば、圧縮コードに対して所定の論理演算を行って得られる論理演算データを受信圧縮画像データ25に組み込むように構成されてもよい。ただし、伝送データ24の圧縮コードと等価な論理演算データが受信圧縮画像データ25に組み込まれる場合、該論理演算データは、反転指示ビット23に依存しない所定の論理演算によって生成される。圧縮コードと等価な論理演算データが伝送データに組み込まれる場合、該論理演算データは、圧縮画像データ22の圧縮画像本体データと、圧縮画像本体データ又はその反転データに割り当てられた信号線13aによって直前に伝送されたデータとの比較の結果に依存しない所定の論理演算によって生成される。特に、各伝送データ24が、圧縮画像データ22に含まれる圧縮コードと等価な論理演算データを含む場合には、該論理演算データから復元した元の圧縮コードを受信圧縮画像データ25に組み込んでもよい。
【符号の説明】
【0093】
10、10A:画像データ伝送システム
11、11L、11R:送信回路
12、12L、12R:受信回路
13、13a、13a〜13a64、13b:信号線
14 :圧縮部
21 :画像データ
22 :圧縮画像データ
23 :反転指示ビット
24 :伝送データ
25 :受信圧縮画像データ
31 :圧縮コード長認識部
32 :伝送データ比較部
33 :データ反転部
34 :インターフェース
41 :インターフェース
42 :圧縮コード長認識部
43 :データ反転部
51 :圧縮コード長信号
52 :反転指示信号
53 :圧縮コード長信号
70 :表示装置
71 :表示ドライバIC
72 :タイミングコントローラ
73 :表示パネル
81 :ロジック回路
81a :圧縮回路
81b :展開回路
82L :左側RAM
82R :右側RAM
83 :ソースドライバ回路
84L、85L:左側バス
84R、85R:右側バス
86 :展開後画像データ
90 :表示装置
91 :タイミングコントローラIC
91a :圧縮回路
92 :表示ドライバIC
92a :展開回路
92b :ソースドライバ回路
93 :表示パネル
94 :バス
100 :データ伝送システム
100A :データ伝送システム
101 :送信側装置
102 :受信側装置
103、103a、103b:信号線
104、105、106:ブロック
図1A
図1B
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10