特開2017-13594(P2017-13594A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-13594(P2017-13594A)
(43)【公開日】2017年1月19日
(54)【発明の名称】泥除けの製造方法
(51)【国際特許分類】
   B62J 15/04 20060101AFI20161222BHJP
【FI】
   B62J15/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-131017(P2015-131017)
(22)【出願日】2015年6月30日
(71)【出願人】
【識別番号】512193403
【氏名又は名称】邱 ▲垂▼藤
(74)【代理人】
【識別番号】100093779
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 雅紀
(72)【発明者】
【氏名】邱 ▲垂▼藤
(57)【要約】      (修正有)
【課題】自転車及び電動自転車の泥除けの全体的な美感を高めると同時に、光を反射することで警告効果をもたせることを目的とする泥除けの製造方法を提供する。
【解決手段】サイズが適合するアルミ薄片を選択する。ロール成形により模様および商標の図柄を加工する。サイズが適合するアルミ薄片を複数選択する。測位する。全面に溶剤ペースト液を塗布する。ペースト液を乾かす。測位する。共押出技術でプラスチック材料と一体化させ、半完成品に加工する(すなわち泥除けベース)。第三種材料によって凹溝を平らに埋め、共押出技術で一体化させる。定型並びに裁断する。完成品をえる。これにより、品質が安定し且つ全体的な美観に優れ、同時に、第三種材料の作用を通して、さらに反射画像を有する効果が達成される。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステップa、ステップb、ステップc、ステップd、ステップe、ステップf、ステップg、ステップh、ステップi、ステップj、およびステップkを含み、
ステップaは、サイズが適合するアルミ薄片を選択するステップであり、必要に応じて、アルミ薄片の幅を選択し、
ステップbは、ロール成形により模様および商標の図柄を加工するステップであり、ローラー式型抜きによって、上述のアルミ薄片の表面に所定のパターン及び商標図柄をロール成形により加工し、
ステップcは、サイズが適合するアルミ薄片を複数選択するステップであり、必要に応じて、アルミ薄片條の幅を選択し、
ステップdは、測位するステップであり、測位装置によって、上述の全てのアルミ薄片が正確な位置に位置するように溶剤型ペースト液溝内に進入させ、
ステップeは、全面に溶剤ペースト液を塗布するステップであり、上述の全てのアルミ薄片を、溶剤型ペースト液溝内に浸し、全てのアルミ薄片の表面に均一に透明な薄型ペースト層を付着させ、透明薄型ペースト層を、全てのアルミ薄片と、プラスチック材料および第三種材料との間の結合媒介物質とし、
ステップfは、ペースト液を乾かすステップであり、乾燥処理装置によって、上述の全てのアルミ薄片表面の透明薄型ペースト層を乾かし、
ステップgは、測位するステップであり、測位装置により、上述のすでに表面のペースト液の乾燥が完了したアルミ薄片を、スムーズ且つ正確に、ラミネート型共押出機内に入れ、共押出加工によってプラスチック材料と一体化させ、
ステップhは、共押出技術でプラスチック材料と一体化させ、半完成品に加工するステップであり、上述の全てのアルミ薄片を第一共押出機のモールド内に入れ、モールドを加熱することで、上述の全てのアルミ薄片とプラスチック材料とを相互に結合かつ一体化させ、泥除けベースを形成し、泥除けベースの表面において凹溝を形成し、
ステップiは、第三種材料によって凹溝を平らに埋めて、共押出技術で一体化させるステップであり、上述の半完成品を第二共押出機内に入れ、モールドを加熱することで、第三種材料をスムーズに泥除けベースの凹溝内に結合させ、凹溝を平らに埋め、第三種材料を用いて上述のアルミ薄片を覆い、泥除けベースと相互に一体に結合し、泥除けを形成し、
ステップjは、定型並びに裁断するステップであり、定型裁断モールドによって、上述の完成した泥除けを所定の長さに裁断し、
ステップkは、完成品をえるステップであり、泥除けが完成することを特徴とする泥除けの製造方法。
【請求項2】
泥除けベースの凹溝は、幅が表面にパターン及び商標図柄がロール成形加工されたアルミ薄片の幅と同じであり、深さが泥除けベースの厚みの半分であることを特徴とする請求項1に記載の泥除けの製造方法。
【請求項3】
ロール成形によりパターン及び商標図柄が加工されたアルミ薄片は、一本である、または、二本以上であり並列に設置されていることが可能であることを特徴とする請求項1に記載の泥除けの製造方法。
【請求項4】
泥除けベースに結合されている第三種材料は、半透明であり光を拡大可能であるプラスチック材料、または、半透明であり光を拡大可能な色付きプラスチック材料であることを特徴とする請求項1に記載の泥除けの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自転車及び電動自転車の泥除けの製造方法に関し、特に、反射画像を有する泥除けの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
「泥除け」は、自転車や電動自転車の車輪が石ころだらけの道や水溜り等の路面状況の良くない道を走行する時に、土や水が騎乗者に撥ねないようにするためのものである。一般に、泥除けは、プラスチック、合成繊維、アクリルまたは金属物体等のうちのいずれかの材質を選択して組成される。しかしながら、現在はその製造コストを削減するために、PE素材が採用され、厚さ約0.05mmのアルミ片等の二種類の材料が共押出方式で合わされて、厚さ1.5mm〜2.0mmの泥除けが製作されるが、この方法では、立体感がなく、カラフルさにも欠ける。且つ、同一材質の一体成型であるため、その形態は常に同じであり、単調であると同時に平凡で何ら装飾効果を有さない上に、その表面は色を組み合わせることができないため、自転車及び電動自転車と相互に色を組み合わせることが困難である。泥除けの美感を高め、商標の標識を提供するために、図形や図案を印刷したシールを泥除け表面に貼る方式を採用するのが現在最も一般的な方法である。
【0003】
図1に示したように、図形をプリントしたラベル11によって、泥除け1表面上の所定の位置10上に貼り付けて設置する。しかしながら、このようなラベルを張る方式の最大の欠点は、全て人の手に頼らなければならない点である。このため、スピーディーな量産ができず、さらに、ラベルを貼る際の技術や丁寧さは人によって異なる。例えば、カーブを描く表面に、人の手でシールを貼ると、往々にして皺が生じる上、何とか作業が完了しても、小さな面積のシールを貼る作業の丁寧さがおざなりにされる場合が多く、そのでき上がりの質に影響する。また、泥除け表面にシールを貼る際、シール自身の厚みの関係から、泥除けの表面上にその厚み分が突出する。長期にわたって拭いたり、こすったりすれば、自然とシールの端がはがれたり、シールの端の内側に汚れが溜まって、泥除け全体の外観を損ねる。
【0004】
人の手によるラベル貼りの作業の欠点を解決するために、機械加工により直接泥除けの表面上に印刷フィルムを貼り合せることで、従来の人の手によるラベル貼り方式に取って代わるだけでなく、滑らかな表面が得られることにより、幅広く使用されりことが可能となる。機械加工によるラベル貼りの方法は、以下のいくつかの方法を有する。
第1の貼り付け方法は、印刷フィルム12を、泥除け1の内表面に貼り付ける方法である。図2に示したとおりである。
第2の貼り付け方法は、印刷フィルム12を、泥除け1の外表面に貼り付ける方法である。図3に示したとおりである。
第3の貼り付け方法は、印刷フィルム12、13を、泥除け1の内、外表面に貼り付ける方法である。図4に示したとおりである。
【0005】
しかしながら、実施時には、印刷フィルム12と泥除け1は、二つそれぞれが完成品であるため、いずれの貼り付け方式も、貼り付け位置がずれたり、貼り付け位置が精確性に欠けたりする状況が生じる。さらに、印刷フィルム12が泥除け1の表面上に貼り合わされる場合、必ず貼り合わせ箇所に貼り合わせた線が出現して、泥除け1の美観を損ねる外、時間が経つと汚れが溜まり、泥除け全体の外観にも影響する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の目的は、自転車及び電動自転車の泥除けの全体的な美感を高めると同時に、光を反射することで警告効果をもたせる反射画像を有する泥除けの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の泥除けの製造方法は、ラミネート式共押出技術により、第三種材料を結合させて一体成型して、拡大画像や色彩装飾効果を有することで、泥除けの付加価値を高めることを特徴とする。
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の泥除けの製造方法は少なくとも以下のステップを含む。
ステップa、サイズが適合するアルミ薄片を選択する。
ステップb、ロール成形により模様および商標の図柄を加工する。
ステップc、サイズが適合するアルミ薄片を複数選択する。
ステップd、測位する。
ステップe、全面に溶剤ペースト液を塗布する。
ステップf、ペースト液を乾かす。
ステップg、測位する。
ステップh、共押出技術でプラスチック材料と一体化させ、半完成品に加工する(すなわち泥除けベース)。
ステップi、第三種材料によって凹溝を平らに埋めて、共押出技術で一体化させる。
ステップj、定型並びに裁断する。
ステップk、完成品をえる。
【0009】
本発明の泥除けの製造方法は、ラミネート式共押出技術により、第三種材料を結合させて一体成形させ、拡大画像や色彩装飾の効果を有することで、泥除けの付加価値を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】従来のラベルを貼る際の状況を示した図である。
図2】従来の印刷フィルムを貼り付ける際の実施例を示した図である。
図3】従来の印刷フィルムを貼り付ける際の実施例を示した図である。
図4】従来の印刷フィルムを貼り付ける際の実施例を示した図である。
図5】本発明の一実施形態による泥除けの製造方法のステップを示した図である。
図6】本発明の一実施形態による泥除けの製造方法の装置を示した模式図である。
図7】本発明の一実施形態による泥除けの製造方法の装置を示した平面図である。
図8】本発明の一実施形態による泥除けの製造方法におけるアルミ薄片の表面にロール成形により模様または商標図柄を加工する場合を示す図である。
図9】本発明の一実施形態による泥除けの製造方法における泥除けベースの構造を示した図である。
図10】本発明の一実施形態による泥除けの製造方法における完成品の構造を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(一実施形態)
図5から図10は、本発明の一実施形態による泥除けの製造方法のステップを示した図及び装置の模式図、平面図、ならびに、泥除けベースおよび完成品の構造を示した図である。本発明の一実施形態による泥除けの製造方法のステップは以下のとおりである。
ステップa、サイズが適合するアルミ薄片を選択する。必要に応じて、アルミ薄片20の幅を選択する。
ステップb、ロール成形により模様および商標の図柄を加工する。ローラー式型抜き21によって、上述のアルミ薄片20表面上に所定のパターン200及び商標図柄201をロール成形により加工して、図8に示したように、画像体2を形成させる。したがって、ローラー式型抜き21上に、設計出必要なパターン200及商標図柄201を設計することにより、必要なパターン及び商標図柄を得ることができる。
ステップc、サイズが適合するアルミ薄片を複数選択する。必要に応じて、アルミ薄片30の幅を選択する。
【0012】
ステップd、測位する。測位装置22によって、上述の全てのアルミ薄片20、30が正確な位置に来るように溶剤型ペースト液溝23内に進入させる。
ステップe、全面に溶剤ペースト液を塗布する。上述の全てのアルミ薄片20、30を、溶剤型ペースト液溝23内に浸して、全てのアルミ薄片20、30表面上に均一に透明薄型ペースト層230を付着させて、透明薄型ペースト層230によって、全てのアルミ薄片20、30とプラスチック材料31、第三種材料60間の結合媒介物質とする。
ステップf、ペースト液を乾かす。乾燥処理装置24によって、上述の全てのアルミ薄片表面の透明薄型ペースト層230を乾かす。
【0013】
ステップg、測位する。測位装置25により、上述のすでに表面のペースト液の乾燥が完了したアルミ薄片20、30を、スムーズ且つ正確にラミネート型共押出機である第一共押出機4内に進入させて、プラスチック材料31と共押出加工によって一体化させる。
ステップh、共押出技術でプラスチック材料と一体化させ、半完成品に加工する。上述の全てのアルミ薄片20、30が第一共押出機4のモールド40内に進入して、モールド40が加熱されることで、上述の全てのアルミ薄片20、30が、プラスチック材料31(泥除け組成材料)と相互に結合して一体化して、泥除けベース3となると同時に、泥除けベース3表面上において凹溝32を形成する。図9に示したように、凹溝32の深さは、泥除けベース3の厚みのほぼ半分で、幅は上述のパターン及び商標図柄がロール成形加工されたアルミ薄片20の幅に等しいことにより、アルミ薄片20表面上のパターン200及び商標図柄201を完全に出現させることができる。
【0014】
ステップi、第三種材料によって凹溝を平らに埋めて、共押出技術で一体化させる。上述の半完成品(すなわち泥除けベース3)が第二共押出機5内に進入し、モールド50が加熱されることで、第三種材料60がスムーズに泥除けベース3の凹溝32内に結合されて、凹溝32が平らに埋められて、第三種材料60が上述のアルミ薄片20を覆い、泥除けベース3と相互に結合して一体となる。すなわち、泥除け(図10に示したとおり)は、表面にパターン200及び商標図柄201がロール成形加工されたアルミ薄片20が、第三種材料60の拡大機能を通して、泥除け表面に反射画像効果をもたせる。
ステップj、定型並びに裁断する。定型裁断モールド70によって、上述の完成した泥除け8を所定の長さに裁断する。
ステップk、完成品をえる。すなわち、泥除け8が完成する。
【0015】
本発明は、上述の画像体2の製造方法のステップに、泥除けベース3を結合させた製造方法のステップにより、一貫した製造により反射画像を有する泥除けを完成させるものである。これにより、品質が安定し且つ全体的な美観に優れ、同時に、第三種材料60の作用を通して、さらに反射画像を有する効果が達成される。
【0016】
上述の本発明のロール成形によりパターン及び商標図柄が加工されたアルミ薄片は、一本でも二本以上の複数方式でも並列設置されることが可能で、その全体的な美観性と警告効果を高める。
【0017】
上述の本発明の第三種材料60は、半透明の光を拡大するプラスチック材料、または、色のついた半透明の光を拡大するプラスチック材料であり、泥除け表面上に少なくとも二種類の色を形成させると同時に、第三種材料60の光拡大効果によって、上述のアルミ薄片20表面上のパターン200及び商標図柄201に、拡大した効果を発揮させて、泥除けの全体的な美観性及び警告効果を高めると同時に、泥除けの品質の安定性、耐用性及び生産性を高める。
【0018】
上述の本発明のロール成形によるパターン及び商標図柄は、一度で成形を完成させるため、パターン及び商標図柄は、異なる形態の図柄または異なる幾何形状でも表現させることが可能である。したがって、パターン及び商標図柄をより効果的に表現させることが可能である。
【0019】
添付書類に示したのは、本発明の「泥除けの製造方法」のステップを運用して完成させた実際の製品の写真である。本発明により製造された泥除けは、表面が平らで滑らかであると同時に、第三種材料60の光拡大効果により、その内側のパターン200及び商標図柄201(自転車に乗っている図)を目立たせることができ、効果的に泥除けの全体的な美観性及び警告効果を高める。
【0020】
このように、本発明の「反射画像を有する泥除けの製造方法」は、自転車や電動自転車の泥除けの全体的な美感と警告効果を高めて、ラミネート式共押出技術により、第三種材料を結合させて一体成型することで、画像を拡大し、色彩装飾する効果を有して、泥除けの付加価値を高めて、従来の人の手によるラベル貼り作業における仕上がりの質の不安定さや美観を損ねる機械加工による貼り合わせの際の線の出現を解決する。
【符号の説明】
【0021】
1 泥除け、
10 所定位置、
11 ラベル、
12、13 印刷フィルム、
20 アルミ薄片、
21 ローラー式型抜き、
200 パターン、
201 商標図柄、
23 溶剤型ペースト液溝、
230 透明薄型ペースト層、
24 乾燥処理装置、
22 測位装置、
2 画像体、
3 泥除けベース、
30 アルミ薄片、
25 測位装置、
4 第一共押出機、
40 モールド、
5 第二共押出機、
31 プラスチック材料(泥除け組成材料)、
50 モールド、
60 第三種材料、
32 凹溝、
70 定型裁断モールド、
8 泥除け。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10