【解決手段】鉄道車両1の天井12と屋根構体1Bとの間に設けられた鉄道車両用ダクト構造2において、屋根構体1Bに埋設される第1及び第2空調装置3,4が、鉄道車両1の第1及び第2車端部18,19より中央寄りに設置されて第1及び第2車端部18,19側に調和空気を吐出し、その調和空気を第1及び第2ダクト21,22が第1及び第2供給ダクト部211、221により第1及び第2側構体1C,1Dへ向かって反対向きに供給した後、第1及び第2空調装置3,4の片側に配置した第1及び第2メインダクト部212,222に供給し、車両中央部に吹き出し、その後、吹き出された空気が第1及び第2空調装置3,4の第1及び第2吸込口32,42に吸い込まれることにより、調和空気を車室11に広く行き渡らせるようにする。
鉄道車両の天井と屋根構体との間に設けられており、前記屋根構体に落とし込まれた形で前記鉄道車両に取り付けられた第1空調装置と第2空調装置が吐出する調和空気を、車室に吹き出す鉄道車両用ダクト構造において、
前記第1空調装置は、前記鉄道車両の第1車端部より中央寄りに設置され、前記第1車端部側に調和空気を吐出する第1吐出口と、前記天井に露出して前記車室の空気を吸い込む第1吸込口とを有すること、
前記第2空調装置は、前記鉄道車両の第2車端部より中央寄りに設置され、前記第2車端部側に調和空気を吐出する第2吐出口と、前記天井に露出して前記車室の空気を吸い込む第2吸込口とを有すること、
前記第1空調装置が吐出した調和空気を前記鉄道車両の第1側構体側へ供給する第1供給ダクト部と、前記第1空調装置の第1側構体側に位置して前記第1供給ダクト部から前記第2空調装置の手前まで延在しており、1又は2以上の第1吹出口が前記第1空調装置より第2空調装置側に形成された第1メインダクト部とを備える第1ダクトと、
前記第2空調装置が吐出した調和空気を前記鉄道車両の第2側構体側へ供給する第2供給ダクト部と、前記第2空調装置の第2側構体側に位置して前記第2供給ダクト部から前記第1空調装置の手前まで延在しており、1又は2以上の第2吹出口が前記第2空調装置より第1空調装置側に形成された第2メインダクト部とを備える第2ダクトと、を有すること
を特徴とする鉄道車両用ダクト構造。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来技術には以下の問題があった。
クーラが落とし込む形で取り付けられる鉄道車両では、クーラ周辺における天井と屋根構体との間のスペースがクーラに大部分を占められ、非常に狭い。この狭い空間には、ダクトの他、スピーカや照明に送電する配線や、戸締め配管等を敷設せねばならない。特許文献1では、第1及び第2クーラの両側に分岐ダクトを設置していた。これは、第1及び第2クーラが車両中央部へ向かって吐出した冷気を、第1及び第2クーラの直下に吹き出すためである。しかし、この構造では、第1及び第2クーラの両側において、配線・配管を行うスペースが分岐ダクトよりも側構体側に寄ってしまう。屋根構体と側構体とは断面アール状に接続されるのに対して、車室は極力広く確保したいため、曲げアール部における天井裏の空間は、非常に狭い。よって、配線・配管を行うスペースが側構体側に寄ると、配線や配管の敷設を可能とするための設計の難易度が高くなってしまう。また、実作業においても、狭い空間を無理して使うことになり、作業性が悪化してしまう。
【0007】
この点、特許文献2では、クーラの底面と車両の天井裏との間に分岐ダクトを設置するため、クーラの両側に配線配管スペースを確保できる。しかし、この構造を、クーラが落とし込む形で取り付けられる鉄道車両に適用した場合、ただでさえ低く抑えられた天井が更に低くなり、乗客に圧迫感を与えてしまう。
【0008】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、天井を低くしなくても、配線配管スペースを広く確保できる鉄道車両用ダクト構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様は、次のような構成を有している。
(1)鉄道車両の天井と屋根構体との間に設けられており、前記屋根構体に落とし込まれた形で前記鉄道車両に取り付けられた第1空調装置と第2空調装置が吐出する調和空気を、車室に吹き出す鉄道車両用ダクト構造において、前記第1空調装置は、前記鉄道車両の第1車端部より中央寄りに設置され、前記第1車端部側に調和空気を吐出する第1吐出口と、前記天井に露出して前記車室の空気を吸い込む第1吸込口とを有すること、前記第2空調装置は、前記鉄道車両の第2車端部より中央寄りに設置され、前記第2車端部側に調和空気を吐出する第2吐出口と、前記天井に露出して前記車室の空気を吸い込む第2吸込口とを有すること、前記第1空調装置が吐出した調和空気を前記鉄道車両の第1側構体側へ供給する第1供給ダクト部と、前記第1空調装置の第1側構体側に位置して前記第1供給ダクト部から前記第2空調装置の手前まで延在しており、1又は2以上の第1吹出口が前記第1空調装置より第2空調装置側の部分に形成された第1メインダクト部とを備える第1ダクトと、前記第2空調装置が吐出した調和空気を前記鉄道車両の第2側構体側へ供給する第2供給ダクト部と、前記第2空調装置の第2側構体側に位置して前記第2供給ダクト部から前記第1空調装置の手前まで延在しており、1又は2以上の第2吹出口が前記第2空調装置より第1空調装置側の部分に形成された第2メインダクト部とを備える第2ダクトと、を有することを特徴とする。
【0010】
ここで、本明細書において、鉄道車両には、地下鉄などの鉄道を走行する車両と、新交通システムなどの軌道を走行する車両の双方が含まれる。
また、本明細書において、第1及び第2空調装置は、冷房機能、暖房機能、送風機能、換気機能、空気清浄機能の少なくとも一つを有する装置をいう。そして、本明細書において、調和空気には、冷気、暖気、送風や換気される空気、清浄化された空気などが含まれる。
【0011】
上記構成では、第1空調装置は第1車端部側へ調和空気を吐出し、その調和空気を第1ダクトは、第1供給ダクト部により第1側構体側へ供給し、更に、第1空調装置の第1側構体側に延在する第1メインダクト部を介して車両中央部へ供給する。また、第2空調装置は第2車端部側へ調和空気を吐出し、その調和空気を第2ダクトは、第2供給ダクト部により第2側構体側へ供給し、更に、第2空調装置の第2側構体側に延在する第2メインダクト部を介して車両中央部へ供給する。第1メインダクト部は、第2空調装置の手前まで位置し、第2メインダクト部は、第1空調装置の手前まで位置する。そのため、第1及び第2メインダクト部は、第1及び第2空調装置の間では車長方向の車両中心線を挟んで対称に配置されるが、第1及び第2空調装置付近では非対称に配置される。第1及び第2ダクトは、調和空気の吹き出しが偏ることを防ぐために、第1及び第2吹出口から第1及び第2空調装置の間に調和空気を吹き出し、第1及び第2空調装置の直下に調和空気を吹き出さない。第1及び第2空調装置の間に吹き出された調和空気は、第1及び第2空調装置の吸込口に吸い込まれて第1及び第2空調装置の直下へ引き寄せられる。よって、第1及び第2ダクトが第1及び第2空調装置の片側のみに設置されていても、第1及び第2空調装置が吐出した調和空気を車両中央部と第1及び第2空調装置の直下にほぼ均一に供給できる。
かかる鉄道車両用ダクト構造では、第1及び第2空調装置を挟んで第1及び第2メインダクト部と反対側に、配線配管スペースが確保される。その配線配管スペースは、第1及び第2空調装置の真横から車体の曲げアール部に渡って広く確保され、周方向断面積が第1及び第2空調装置の両側にダクトを設ける場合の2倍以上となる。よって、上記構成によれば、配線及び配管の設計の自由度が広がり、実作業も行いやすくなる。
そして、上記構成では、第1及び第2空調装置の取付位置に合わせて天井の高さを設定できるので、車室を広く確保して、乗客に開放感を与えることができる。
【0012】
(2)(1)に記載する構成において、前記第1ダクトは、前記第1空調装置が吐出した調和空気を前記第1車端部側へ吹き出す第1車端ダクト部を有すること、前記第2ダクトは、前記第2空調装置が吐出した調和空気を前記第2車端部側へ吹き出す第2車端ダクト部を有することが好ましい。
【0013】
上記構成では、第1及び第2空調装置が第1及び第2車端部側へ吐出した調和空気を、第1及び第2車端ダクト部を介して第1及び第2車端部に吹き出し、その吹き出された調和空気を第1及び第2空調装置の吸込口が吸い込んで引き寄せる。そのため、第1及び第2空調装置が吐出した調和空気が、車両中央部だけでなく、第1及び第2空調装置の直下と第1及び第2車端部にも行き渡り、車室全体の空気が調和空気と均一に調和される。
【0014】
(3)(1)又は(2)に記載の構成において、前記第1及び前記第2吹出口は、前記鉄道車両の第1及び第2側構体に設けられた窓の近傍に前記調和空気を吹き出すことが好ましい。
【0015】
上記構成では、例えば第1及び第2メインダクト部から冷気を吹き出す場合に、その冷気で窓からの入射熱を冷却できる。
【0016】
(4)(1)乃至(3)の何れか一つに記載の構成において、前記第1及び前記第2吸込口が、前記鉄道車両の第1及び第2側構体に設けられた開閉扉の近傍に設けられていることが好ましい。
【0017】
上記構成によれば、開閉扉が開閉する場合に、車内の空気と熱交換等した調和空気を優先的に車外へ放出し、吹き出したばかりの熱交換等していない空気が無駄に車外に放出されることを防ぐことで、車室の温度や湿度等を効率良く調整できる。
【発明の効果】
【0018】
よって、上記構成によれば、天井を低くしなくても、配線配管スペースを広く確保できる鉄道車両用ダクト構造を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に、本発明の実施形態に係る鉄道車両用ダクト構造2(以下「ダクト構造2」と略記する。)を示す。
図2に、
図1のAA断面図を示す。
図3に、
図1のBB断面図を示す。
図4に、
図1のCC断面図を示す。以下の説明では、まず鉄道車両1の概略構成を説明し、次に第1及び第2空調装置3,4の取付構造を説明し、その次にダクト構造2について説明し、その後、配線配管群5の設置について説明する。そして、鉄道車両の空調動作を説明し、最後にダクト構造2の作用効果を説明する。
【0021】
(鉄道車両1の概略構成)
図1及び
図2に示す鉄道車両1は、鉄道や軌道を走行するものであって、例えば地下鉄や新交通システムで使用される小型車両である。鉄道車両1は、台枠1Aと、屋根構体1Bと、第1及び第2側構体1C,1Dと、第1及び第2妻構体1E,1Fの6面体で車体を構成され、車室11を備える。
図1に示すように、第1及び第2側構体1C,1Dには、前方開閉扉14(開閉扉の一例)と後方開閉扉15(開閉扉の一例)と窓16とが対称に設けられている。仕切17は、車室11を運転室11Aと客室11Bに仕切っており、内部に配線や配管等が通されている。
【0022】
図2に示すように、車室11の天井12と屋根構体1Bとの間(天井裏)には、第1及び第2空調装置3,4が吐出した調和空気を、第1及び第2ダクト21,22から吹き出すダクト構造2が設けられている。第1及び第2空調装置3,4は、乗客の快適性を向上させるために鉄道車両1に取り付けられ、車室11の室温や湿度や気流や清浄度などを調整するための調和空気(例えば、冷気、暖気、除湿した空気、加湿した空気、清浄化した空気等)を吐出する。尚、天井裏には、配線や配管も敷設されている。
【0023】
ここで、本実施形態の鉄道車両1は、仕切17を備えるが、仕切17を備えない鉄道車両にも、鉄道車両1と同様にダクト構造2を設けて良いことは、言うまでもない。
【0024】
(第1及び第2空調装置の取付構造)
図2に示すように、屋根構体1Bには、第1及び第2取付開口部1Ba,1Bbが第1及び第2車端部18,19より車両中央寄りに(前方開閉扉14近傍及び後方開閉扉15近傍に)設けられ、その第1及び第2取付開口部1Ba、1Bbに第1及び第2空調装置3,4が落とし込まれた形で取り付けられている。そのため、
図3に示すように、鉄道車両1は、第1及び第2空調装置3の外形X1と屋根構体1Bの外形X2とが近似し、車体断面積を小さくされている。
【0025】
(ダクト構造2について)
図1に示すように、ダクト構造2では、第1空調装置3が吐出した調和空気を第1ダクト21から車室11に吹き出し、第2空調装置4が吐出した調和空気を第2ダクト22から車室11に吹き出す。
従来のダクト構造は、第1及び第2空調装置が第1及び第2車端部に設置されて車両中央部へ調和空気を吐出し、その吐出された調和空気を、車両中心線上に設置されたメインダクトと第1及び第2空調装置の両側に設置された分岐ダクトから吹き出すものが、一般的であった。ダクトを車両中心線を挟んで対称に設置すれば、車室に均一に調和空気を吹き出して車室の空気と調和させることができると考えられていたためである。
しかし、本実施形態のダクト構造2は、この概念を打ち壊し、第1及び第2空調装置3,4が第1及び第2車端部18,19側へ調和空気を吐出するようにし、車両中心点を挟んで点対称に設置される第1及び第2ダクト21,22から調和空気を吹き出すようにした。第1及び第2空調装置3,4の片側に配線と配管のスペースを広く形成するためである。そして、第1及び第2空調装置3,4が車室11の空気を吸い込むことを利用して、第1及び第2ダクト21,22が車室11に吹き出した空気を車室11全体に行き渡らせ、車室11の空気と均一に調和させるようにした。以下、具体的に説明する。
【0026】
図1に示すように、第1空調装置3は、第1車端部18より車両中央寄りに(前方開閉扉14近傍に)設置されている。第1吐出口31は、第1妻構体1E側に開口し、第1車端部18に向かって調和空気を吐出する(図中のF11参照)。また、第1吸込口32は、前方開閉扉14,14の近傍において天井12に露出し(
図2参照)、車室11の空気を吸い込む(
図1及び
図2のF15,F23,F24参照)。
一方、第2空調装置4は、第2車端部19より車両中央寄りに(後方開閉扉15近傍に)設置されている。第2吐出口41は、第2妻構体1F側に開口し、第2車端部19に向かって調和空気を吐出する(図中F31参照)。また、第2吸込口42は、後方開閉扉15,15の近傍において天井12に露出し(
図2参照)、車室11の空気を吸い込む(
図1のF35,F43,F44参照)。
第1及び第2吸込口32,42は、車両中心線L上に設けられ、第1及び第2側構体1C,1D側にある空気を均一に吸い込むようにされている。
【0027】
第1及び第2ダクト21,22は、第1及び第2供給ダクト部211,221と、第1及び第2メインダクト部212,222と、第1及び第2メイン側車端ダクト部213,223と、第1及び第2反メイン側車端ダクト部214,224を備える。尚、本実施形態では、第1メイン側車端ダクト部213と第1反メイン側車端ダクト部214とにより「第1車端ダクト部」の一例が構成されている。また、第2メイン側車端ダクト部223と第2反メイン側車端ダクト部224とにより「第2車端ダクト部」の一例が構成されている。
【0028】
第1供給ダクト部211は、第1吐出口31に接続し、第1空調装置3が吐出した調和空気を第1側構体1C側と第2側構体1D側に分流させて供給する。
第1メインダクト部212は、第1空調装置3の第1側構体1C側に設けられた第1ダクトスペースS11に延在して設置され、第1供給ダクト部211の端部領域に接続する。そのため、第1空調装置3を挟んで第1メインダクト部212と反対側に、配線配管群5を設置するための第1配線配管スペースS12が形成される(
図3参照)。第1メインダクト部212は、第2空調装置4の手前まで位置する。
図1及び
図2に示すように、第1メインダクト部212は、第1空調装置3よりも末端側の部分に第1吹出口212aが複数設けられている。
図4に示すように、第1吹出口212aは、第1メインダクト部212から下向きに延設され、その真下にある天井12に開設されたスリット12aを介して車室11に連通している。一方、
図1と
図2と
図3に示すように、第1メインダクト部212は、第1空調装置3及び前方開閉扉14,14の近傍には吹出口が設けられていない。
図1に示すように、第1メイン側車端ダクト部213と第1反メイン側車端ダクト部214は、第1供給ダクト部211の両端領域に接続し、車両中心線Lを挟んで対称に設置されている。第1メイン側車端ダクト部213と第1反メイン側車端ダクト部214は、仕切17近傍から車両中央部へ向かって調和空気を吹き出す第3吹出口213a,214aと、第1車端部18側へ向かって調和空気を吹き出す第4吹出口213b,214bを備える。
【0029】
尚、第1供給ダクト部211は、第1吐出口31に連通する連通室2111が、風量調整板2110により、第1側構体1C側に位置する分流室2112と第2側構体1D側に位置する分流室2113に分割されている。第1ダクトスペースS11が第1空調装置3の真横から第1曲げアール部1Gまで車高方向と車幅方向に広く確保されているので、第1メインダクト部212は、第1ダクトスペースS11全体を使って、流路断面積が第1空調装置3の両側にダクトを設置する場合の約2倍に設定されている。そのため、分流室2112の容積は分流室2113の容積より大きく、第1メインダクト部212と第1メイン側車端ダクト部213と第1反メイン側車端ダクト部214に調和空気を適正な流量で供給できるようになっている。
【0030】
第2供給ダクト部221は、第2吐出口41に接続し、第2空調装置4が吐出した調和空気を第1側構体1C側と第2側構体1D側に分流させて供給する。
第2メインダクト部222は、第2空調装置4の第2側構体1D側に設けられた第2ダクトスペースS22に延在して設置され、第2供給ダクト部221の端部領域に接続する。そのため、第2空調装置4を挟んで第2メインダクト部222と反対側に、配線配管群5を設置するための第2配線配管スペースS21が形成される。第2メインダクト部222は、第1空調装置3の手前まで位置する。第2メインダクト部222は、第2空調装置4よりも末端側の部分に第2吹出口222aが複数設けられている。
図4に示すように、第2吹出口222aは、第2メインダクト部222から下向きに延設され、その真下にある天井12に開設されたスリット12aを介して車室11に連通している。一方、
図1に示すように、第2メインダクト部222は、第2空調装置4及び後方開閉扉15,15の近傍には吹出口が設けられていない。
図1に示すように、第2メイン側車端ダクト部223と第2反メイン側車端ダクト部224は、第2供給ダクト部221の両端領域に接続し、車両中心線Lを挟んで対称に設置されている。第2メイン側車端ダクト部223と第2反メイン側車端ダクト部224は、車両中央部へ向かって調和空気を吹き出す第5吹出口223a,224aと、第2車端部19側へ向かって調和空気を吹き出す第6吹出口223b,224bを備える。
【0031】
尚、第2供給ダクト部221は、第2吐出口41に連通する連通室2211が、風量調整板2210により、第2側構体1D側に位置する分流室2212と第1側構体1C側に位置する分流室2213に分割されている。第2ダクトスペースS22が第2空調装置4の真横から第2曲げアール部1H(
図3参照)まで車高方向と車幅方向に広く確保されているので、第2メインダクト部222は、第2ダクトスペースS22全体を使って、流路断面積が第2空調装置4の両側にダクトを設置する場合の約2倍に設定されている。そのため、分流室2212の容積は分流室2213の容積より大きく、第2メインダクト部222と第2メイン側車端ダクト部223と第2反メイン側車端ダクト部224に調和空気を適正な流量で供給できるようになっている。
【0032】
(配線配管群5の設置について)
第1及び第2空調装置3,4付近には、配線配管群5が同様に設置されるので、ここでは第1空調装置3側を例に挙げて説明し、第2空調装置4側については説明を省略する。
図3に示すように、第1ダクトスペースS11には、第1メインダクト部212が第1曲げアール部1Gの内側まで設置される。一方、第2側構体1D側に位置する第1配線配管スペースS12は、ダクトを設置されず、第1空調装置3の真横から第2曲げアール部1Hを介してドア開閉装置141まで、車高方向(図中上下方向)及び車幅方向(図中左右方向)に広く形成されている。そのため、第1配線配管スペースS12は、第1空調装置3の両側にダクトを配置する場合より車両中心線L側に領域を広げられ、配線配管群5の設計や実作業を行いやすい。尚、
図4に示すように、第1及び第2空調装置3,4が設置されていない領域では、第1メインダクト部212と第2メインダクト部222の間に広いスペースS31が空いている。そのため、そのスペースS31に上記配線配管群5に含まれる配線51や配管52などを敷設しやすい。以下、配線配管群5の設置例を具体的に説明する。
【0033】
図5及び
図6に、配線・配管の一例を示す。例えば
図5に示すように、第1配線配管スペースS12には、照明やスピーカの配線51やドア開閉装置141に空気圧を供給する配管52(ドア開閉装置141が電気駆動式の場合は配線)などを隙間を空けて車長方向に敷設できる。そのため、配線を縛ったり、配管をつなげたりする作業を行いやすい。また、電気的な干渉を防ぐことができる。
また
図5に示すように、例えば、クーラに電力を供給する配線53のように太くて曲げにくい配線であっても、第1配線配管スペースS12において天井12の形状に合わせて緩やかに曲げ、第2側構体1Dの内部に引き込むことができる。また、例えば、第1空調装置3の下側に設置されるドレンパン33に接続する配管54を、第1エルボ管54Aと第1ストレート管54Bと第2エルボ管54Cと第2ストレート管54Dにより構成し、車体周方向に設置することができる。配管54は、第2ストレート管54Dが第2側構体1Dの下部において台枠1Aを貫通し、床下に排水できる。よって、車体周方向に小スペースで無理なく配線及び配管することができる。
また
図5に示すように、第1配線配管スペースS12が車高方向にも広いので、例えば車長方向に敷設する配線51及び配管52を上段に設置し、その下側に車体周方向に敷設する配線53及び配管54を設置するという具合に、階層的に配線配管群5をレイアウトできる。この場合、階層間に絶縁壁56を設けても良い。
また
図6に示すように、例えば、第1配線配管スペースS12に車内スピーカ57等の設置面積の大きい機器を設置できる。この場合、第1空調装置3の真下に車内スピーカ57等を取り付ける場合より天井12を高くして車室11を広くできる。
【0034】
ところで、従来は、例えば
図7及び
図8に示すように、第2車端部19に第2空調装置4を設けていた。第2妻構体1Fには、配電盤が設置され、第2車端部19には、配電盤に接続する配線が集まっていた。そのため、第2空調装置4に接続する配管58は、配線に沿って車長方向にしか敷設できなかった。この配管58は、天井裏に設けられた室外機室の排水管58Aと室内機室のドレン管58Bを車外に設置したジョウゴ58Cに接続し、そのジョウゴ58Cに鉛直方向に沿って車外に設置した排水管58Dを接続していた。しかしながら、小型の地下鉄や新交通システムの路線には、半径の小さい急曲線が用いられる場合がある。そのような急曲線上においては、配管58のように第2妻構体1Fの妻面1Faよりも外に出た設備品等があると、相手車両の同様の設備品や妻面と干渉することが懸念される。従って、このような制約のある場合には、
図8の想像線に示すように、ジョウゴ58Cと排水管58Dの厚みEを含めて第2妻構体1Fの仕切厚を車室11側に厚く設定して車内(妻面1Faと内張1Fbとの間)に配管58(ジョウゴ58C、排水管58D)を通さなければならず、車室11が狭くなってしまっていた。
これに対し、本実施形態は、
図2に示すように、第2空調装置4が第2車端部19より車両中央寄りに(後方開閉扉15近傍に)設置されている。そのため、第2空調装置4の周りには、配線や配管が密集しておらず、
図5に示す配管54と同様、第2空調装置4に接続する配管を車体周方向に敷設することができる。つまり、例えば
図5に示す配管54と同様、第2空調装置4に接続する配管を第2空調装置4の近傍で第2側構体1D側へ導き、第2側構体1Dの下部から床下へと排水することができる。よって、本実施形態によれば、ジョウゴ58Cと排水管58Dを車内に設置しなくても済み、車室11を車長方向に広げることができる。このことは、特に、地下鉄や新交通システム等に使用される車長が短くて車体断面積の小さい鉄道車両に、有益である。
【0035】
また、
図7及び
図8に示すジョウゴ58Cは、溶接により組み立てられ、溶接不良があると、水漏れする恐れがあった。
図8の想像線に示すように、配電盤等の電気的に重要なものが集まっている第2妻構体1Fにジョウゴ58Cを内設する場合、ジョウゴ58Cから水漏れすると、運行に不具合が生じる恐れがある。そのため、この場合、余程注意してジョウゴ58Cを溶接した上で、溶接部分を十分に検査する必要があった。
これに対して、本実施形態では、
図5に示す配管54と同様、第2空調装置4に接続する配管がストレート管とエルボ管だけで簡単に構成されるので、溶接組立てするジョウゴ58Cより水漏れのリスクが少ない。しかも、この場合、電気的に重要なものが少ない第2側構体1Dに配管を敷設するので、水漏れしたとしても運行に不具合が生じにくい。よって、本実施形態によれば、配管の設計や実作業にかかる負担を軽減できる。
【0036】
(空調動作について)
次に、車室11に冷気(調和空気の一例)を供給して鉄道車両1を冷房(空調の一例)する場合を例に挙げて空調動作を説明する。第1及び第2ダクト21,22における冷気の流れ(
図1のF11〜F24、F31〜F44参照)は同様である。ここでは第1ダクト21を中心に説明し、第2ダクト22については適宜説明を省略する。
【0037】
図1のF11,F31に示すように、第1及び第2空調装置3,4は、第1及び第2吐出口31,41から第1及び第2車端部18,19へ向かって冷気を吐出する。このとき、
図1のF15,F23,F24,F35,F43,F44に示すように、第1及び第2空調装置3,4は、冷気の吐出量と同じ流量で、第1及び第2吸込口32,42から車室11の空気を吸い込む。
【0038】
図1のF12,F19に示すように、第1ダクト21は、第1供給ダクト部211の連通室2111に吐出された冷気が風量調整板2110により分流室2112,2113に分流する。このとき、分流室2112には、分流室2113より冷気が多く供給される。
【0039】
図1のF13,F16に示すように、分流室2112に供給された冷気は、分流路2114を流れた後、第1メインダクト部212と第1メイン側車端ダクト部213に分流される。
図1及び
図2のF14に示すように、第1メインダクト部212は、第1側構体1Cに位置する窓16付近に冷気を吹き出し、入射熱を遮断するが、第1空調装置3の真下に冷気を吹き出さない。また
図1のF17,F18に示すように、第1メイン側車端ダクト部213は、第3及び第4吹出口213a,213bから冷気を第1車端部18側に吹き出す。
【0040】
一方、
図1のF19,F20に示すように、分流室2113に供給された冷気は、分流路2115、第1反メイン側車端ダクト部214へ流れる。
図1のF21,F22に示すように、冷気は、第3及び第4吹出口214a,214bから第1車端部18側に吹き出される。
【0041】
第2ダクト22は、第2メインダクト部222が第2側構体1Dに位置する窓16付近に冷気を吹き出す点を除き(
図1のF34参照)、第1ダクト21と同様に冷気を車室11に吹き出す(
図1のF31〜F33、F36〜F42参照)。
【0042】
第1及び第2ダクト21,22は、第1及び第2メインダクト部212,222が、第1及び第2空調装置3,4の間では車両中心線Lを挟んで対称に設けられている。また、第1及び第2メイン側車端ダクト部213,223と第1及び第2反メイン側車端ダクト部214,224は、第1及び第2空調装置3,4より第1及び第2車端部18,19側の位置に、車両中心線Lを挟んで対称に設けられている。よって、第1及び第2空調装置3,4の間(車両中央部)と第1及び第2車端部18,19は、冷気がほぼ均一に吹き出されて行き渡る。
【0043】
一方、第1及び第2空調装置3,4に対応する位置では、第1及び第2メインダクト部212,222がそれぞれ第1及び第2空調装置3,4の片側のみに配置され、冷気が第1及び第2空調装置3,4の真下に吹き出されない。冷気が偏って吹き出されることを防ぐためである。
【0044】
しかし、第1及び第2空調装置3,4は、第1及び第2吐出口31,41から吹き出した冷気と同じ風量で、第1及び第2吸込口32,42から車室11の空気を吸い込んでいる。そのため、
図1及び
図2のF15,F23,F24,F35,F43,F44に示すように、第1〜第6吹出口212a,222a,213a,214a,213b,214b,223a,224a,223b,224bから車両中央部と第1及び第2車端部18,19に吹き出された冷気が、車室11の空気に混じって第1及び第2吸込口32,42に引き寄せられ、第1及び第2空調装置3,4の直下を流れる。つまり、第1及び第2空調装置3,4付近にも冷気が行き渡る。
【0045】
このように、冷気は、車室11全体に広く行き渡るので、車室11を均一に冷やすことが可能である。
また、第1及び第2メインダクト部212,222が、第1及び第2空調装置3,4の直下に冷気を吹き出さないので、車室11に吹き出された冷気が直ぐに第1及び第2吸込口32,42に吸い込まれるというショートサーキットを防ぎ、効率良く車室11を冷房できる。
【0046】
ここで、鉄道車両1は、駅に到着すると、第1又は第2側構体1C,1Dに設けられた前方開閉扉14と後方開閉扉15とを開閉する。その場合に、開閉される前方開閉扉14と後方開閉扉15の付近にある空気が外気と入れ換えられる。第1及び第2ダクト21,22は、第1及び第2空調装置3,4の直下、すなわち、前方開閉扉14と後方開閉扉15付近に冷気を吹き出さず、前方開閉扉14近傍と後方開閉扉15近傍に第1及び第2空調装置5,6の第1及び第2吸込口32,42が設けられる。そのため、扉開閉時には、本来第1及び第2吸込口32,42に戻っていくはずの熱交換済みの冷気が車外に出て行くようになり、車室11に吹き出されたばかりの冷気が無駄に車外に逃げない。
尚、暖気による暖房や、送風による空気循環や、浄化した空気による空気清浄等の調和空気による空調動作も、上記冷気による冷房と同様に行われる。
【0047】
(作用効果について)
以上説明したように、本実施形態のダクト構造2は、鉄道車両1の天井12と屋根構体1Bとの間に設けられており、屋根構体1Bに落とし込まれた形で鉄道車両1に取り付けられた第1空調装置3と第2空調装置4が吐出する調和空気を、車室11に吹き出すダクト構造2において、第1空調装置3は、鉄道車両1の第1車端部18より中央寄りに(前方開閉扉14近傍に)設置され、第1車端部18側に調和空気を吐出する第1吐出口31と、天井12に露出して車室11の空気を吸い込む第1吸込口32とを有すること、第2空調装置4は、鉄道車両1の第2車端部19より中央寄りに(後方開閉扉15近傍に)設置され、第2車端部19側に調和空気を吐出する第2吐出口41と、天井12に露出して車室11の空気を吸い込む第2吸込口42とを有すること、第1空調装置3が吐出した調和空気を鉄道車両1の第1側構体1C側へ供給する第1供給ダクト部211と、第1空調装置3の第1側構体1C側に位置して第1供給ダクト部211から第2空調装置4の手前まで延在しており、1又は2以上の第1吹出口212aが第1空調装置3より第2空調装置4側の部分に形成された第1メインダクト部212とを備える第1ダクト21と、第2空調装置4が吐出した調和空気を鉄道車両1の第2側構体1D側へ供給する第2供給ダクト部221と、第2空調装置4の第2側構体1D側に位置して第2供給ダクト部221から第1空調装置3の手前まで延在しており、1又は2以上の第2吹出口222aが第2空調装置4より第1空調装置3側の部分に形成された第2メインダクト部222とを備える第2ダクト22と、を有することを特徴とする。
【0048】
上記構成では、第1空調装置3は第1車端部18側へ調和空気を吐出し、その調和空気を第1ダクト21は、第1供給ダクト部211により第1側構体1C側へ供給し、更に、第1空調装置3の第1側構体1C側に延在する第1メインダクト部212を介して車両中央部へ供給する。また、第2空調装置4は第2車端部19側へ調和空気を吐出し、その調和空気を第2ダクト22は、第2供給ダクト部221により第2側構体1D側へ供給し、更に、第2空調装置4の第2側構体1D側に延在する第2メインダクト部222を介して車両中央部へ供給する。第1メインダクト部212は、第2空調装置4の手前まで位置し、第2メインダクト部222は、第1空調装置3の手前まで位置する。そのため、第1及び第2メインダクト部212,222は、第1及び第2空調装置3,4の間では車長方向の車両中心線Lを挟んで対称に配置されるが、第1及び第2空調装置3,4付近では非対称に配置される。そこで、第1及び第2ダクト21,22は、調和空気の吹き出しが偏ることを防ぐために、第1及び第2吹出口212a,222aから第1及び第2空調装置3,4の間に調和空気を吹き出し、第1及び第2空調装置3,4の直下に調和空気を吹き出さない。第1及び第2空調装置3,4の間に吹き出された調和空気は、第1及び第2空調装置3,4の第1及び第2吸込口32,42に吸い込まれて第1及び第2空調装置3,4の直下へ引き寄せられる。よって、第1及び第2ダクト21,22が第1及び第2空調装置3,4の片側のみに設置されていても、第1及び第2空調装置3,4が吐出した調和空気を車両中央部と第1及び第2空調装置3,4の直下にほぼ均一に供給できる。
かかるダクト構造2では、第1及び第2空調装置3,4を挟んで第1及び第2メインダクト部212,222と反対側に、第1及び第2配線配管スペースS12,S21が確保される。第1及び第2配線配管スペースS12,S21は、第1及び第2空調装置3,4の真横から車体の第2曲げアール部1H及び第1曲げアール部1Gに渡って広く確保され、周方向断面積が第1及び第2空調装置3,4の両側にダクトを設ける場合の2倍以上となる。よって、本実施形態のダクト構造2によれば、配線及び配管の設計の自由度が広がり、実作業も行いやすくなる。
そして、上記構成では、第1及び第2空調装置3,4の取付位置に合わせて天井12の高さを設定できるので、車室11を広く確保して、乗客に開放感を与えることができる。
【0049】
また、本実施形態のダクト構造2によれば、第1ダクト21は、第1空調装置3が吐出した調和空気を第1車端部18側へ吹き出す第1車端ダクト部(第1メイン側車端ダクト部213、第1反メイン側車端ダクト部214)を有すること、前記第2ダクト22は、第2空調装置4が吐出した調和空気を第2車端部19側へ吹き出す第2車端ダクト部(第2メイン側車端ダクト部223、第2反メイン側車端ダクト部224)を有することを特徴とする。このようなダクト構造2は、第1及び第2空調装置3,4が第1及び第2車端部18,19側へ吐出した調和空気を、第1及び第2車端ダクト部(第1及び第2メイン側車端ダクト部213,223と第1及び第2反メイン側車端ダクト部214,224)を介して第1及び第2車端部18,19に吹き出し、その吹き出された調和空気を第1及び第2空調装置3,4の第1及び第2吸込口32,42が吸い込んで引き寄せる。そのため、第1及び第2空調装置3,4が吐出した調和空気が、車両中央部だけでなく、第1及び第2空調装置3,4の直下と第1及び第2車端部18,19にも行き渡り、車室全体の空気が調和空気と均一に調和される。
【0050】
また、本実施形態のダクト構造2によれば、第1及び第2吐出口31,41は、第1及び第2側構体1C,1Dに設けられた窓16の近傍に調和空気を吹き出すので、例えば第1及び第2メインダクト部212,222から冷気を吹き出す場合に、その冷気で窓16からの入射熱を冷却できる。
【0051】
また、本実施形態のダクト構造2によれば、第1及び第2吸込口32,42が、第1及び第2側構体1C,1Dに設けられた前方開閉扉14と後方開閉扉15の近傍に設けられているので、前方開閉扉14と後方開閉扉15が開閉する場合に、車内の空気と熱交換等した調和空気を車外へ優先的に放出し、吹き出したばかりの熱交換等していない空気が無駄に車外に放出されることを防ぐことで、車室11の温度や湿度等を効率良く調整できる。
【0052】
よって、本実施形態によれば、天井12を低くしなくても、第1及び第2配線配管スペースS12,S21を広く確保できるダクト構造2を提供することができる。
【0053】
尚、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、色々な応用が可能である。
例えば、第1及び第2メイン側車端ダクト部213,223と第1及び第2反メイン側車端ダクト部214,224を、車両中心線L上に設置した車端ダクト部に変更して当該車端ダクト部から第1及び第2側構体1C,1D側に調和空気を吹き出すようにしても良い。
例えば
図9に示すように、第1及び第2メインダクト部212,222は、第1及び第2吹出口212a,222aを車体周方向に設けて第1及び第2側構体1C,1Dに内設し、第1及び第2側構体1C,1Dに設けたスリット1Ca,1Daから窓16上に調和空気を吹き出すようにしても良い(図中F50,F51参照)。これによれば、冷気が上記実施形態より窓16の近くに吹き出され、入射熱の遮断をより効果的に行える。更に、天井12側と第1及び第2側構体1C,1D側とから冷気を吹き出すようにしても良い。この場合、天井12側から車両中心線L側へ冷気を吹き出せば、乗客の快適性を向上させられる。