【解決手段】イオン交換樹脂床に対し、塩Sと補給水とから生成される塩水Wを供給するための再生液供給ユニットを構成する再生液収容装置1であって、塩Sを収容可能な塩収容部131、及び塩Sと補給水とから生成される塩水Wを貯留可能な塩水貯留部132を有する塩水タンク10と、塩水タンク10の内部に配置され、塩Sが載置される再生液プレート13と、再生液プレート13に塩Sと共に載置される複数のパイプPと、を備え、パイプPは、その内側に補給水及び塩水Wが流通可能な流通空間Cを有すると共に、パイプPの外側と流通空間Cとを区画することで流通空間Cへの塩Sの侵入を規制する侵入規制構造を有する、再生液収容装置1。
【背景技術】
【0002】
近年、一般家庭の生活用水や食品製造業の加工用水として、軟水の特性や効能が注目されるようになり、軟水を製造するためのイオン交換装置(いわゆる、硬水軟化装置)が普及し始めている。軟水製造用のイオン交換装置は、水道水や地下水等の原水に含まれる硬度成分(カルシウムイオン及びマグネシウムイオン)を陽イオン交換樹脂により吸着して除去し、処理水である軟水を製造する。
【0003】
上記のような硬水軟化装置において、イオン交換樹脂床は、所定の採水量に達するとイオン交換基が硬度成分でほぼ飽和状態になり、イオン交換能力を失う状態(即ち破過状態)になる。そこで、硬水軟化装置では、イオン交換樹脂床が破過状態になる前にイオン交換樹脂床が収容される圧力タンクへ再生液としての塩水を供給し、イオン交換能力を回復させる再生動作が行われる。再生液としての塩水は、再生液収容装置に貯留される。
【0004】
このような再生液収容装置の内部の適宜な高さ位置には、再生液プレートとしての塩水プレートが設けられており、塩は、この塩水プレート上に堆積した状態で収納されている。そして、補給水が塩水プレートの上方位置まで供給されることで、塩は、補給水に溶解し、再生液としての塩水となって再生液収容装置に貯留される。
【0005】
上記のような再生液収容装置では、通常、塩として粉状の並塩が用いられる。このような粉状の並塩は、塩水プレート上で密度の高い状態で堆積するため、塩水の対流を阻害し、また、塩と水との接触を不十分とさせる。従って、必要な所定濃度の塩水が得られない問題や、塩水が所定濃度となるのに長時間を要する問題があった。このため、ペレット状に成形した塩を用いることでペレット間に水が流通可能な空間を確保し、短時間で所定濃度の塩水が得られる、固形塩に関する発明が提案されている(例えば、後述の特許文献1参照)。
【0006】
同様に、ガイドホールが設けられた成型した塩を使用することで、装置のコンパクト化を図りつつ、所定量、所定濃度の塩水を短時間で得ることが可能な軟水化装置に関する発明が提案されている(例えば、後述の特許文献2参照)。
このような特許文献1や2に記載された、成形した塩を再生液収容装置に用いることで、塩水プレート上に載置された塩の間に水が流通する空間ができ、短時間で所定濃度の塩水を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態としての再生液収容装置1について、図面を参照しながら説明する。
【0021】
本実施形態の再生液収容装置1は、イオン交換樹脂床を備えるイオン交換装置の再生液供給ユニット(図示せず)を構成するものである。再生液供給ユニットは、イオン交換樹脂床に対し、原料薬剤と補給水とから生成される再生液を供給するものである。本実施形態に係るイオン交換装置は、硬水軟化装置であり、硬水軟化装置の場合、原料薬剤は塩であり、補給水は水であり、再生液は所定濃度の塩水である。
硬水軟化装置は、水道水、地下水、工業用水等の原水中に含まれる硬度成分をナトリウムイオン(又は、カリウムイオン)へ置換して軟水を生成する。このような硬水軟化装置は、家屋やマンション等の居住建物、ホテルや大衆浴場等の集客施設、ボイラやクーリングタワー等の冷熱機器、食品加工装置や洗浄装置等の水使用機器等に接続される。
【0022】
まず、
図1を参照して、本実施形態の再生液収容装置1を構成する各構成要素について説明する。
【0023】
本実施形態の再生液収容装置1は、再生液タンクとしての塩水タンク10を備える。
塩水タンク10は、上下二段になった底部11と、段部12とを有する筒状体(例えば、角筒)である。
また、塩水タンク10の内部には、再生液プレートとしての塩水プレート13と、塩水ウェル14と、塩水バルブ装置15とが設けられる。塩水プレート13は、塩水タンク10の段部12に載置されて、水平に配置される。
【0024】
塩水タンク10の内部は、塩水プレート13により、原料収容部としての塩収容部131と、再生液貯留部としての塩水貯留部132とに区画される。
塩収容部131は、原料薬剤としての塩Sを収容可能な領域である。塩水貯留部132は、塩収容部131に収容された塩Sと、塩水タンク10の外部から導入される補給水とから生成される塩水Wとを、貯留可能な領域である。
【0025】
塩水プレート13には、塩収容部131に収容される原料薬剤としての塩Sと、流通空間区画部材としてのパイプPとが、共に載置される。パイプPは、その内側に補給水及び再生液が流通可能な流通空間Cを有し、塩水Wよりも比重の大きな材料により構成される。従って、パイプPは、塩水W及び補給水に対して沈殿し、その一部が塩水プレート13に接した状態で塩水プレート13上に載置される。
本実施形態において、パイプPは、両端が開放した筒状の構造を有し、凹凸状の横断面形状を有する。流通空間区画部材としてのパイプPは、パイプPの外側と流通空間Cとを区画することで、流通空間Cへの原料薬剤(塩S)の侵入を規制する侵入規制構造を有する。なお、流通空間区画部材の具体的な構成に関しては、後で詳述する。
【0026】
原料薬剤としての塩Sは、例えば、塩化ナトリウムや塩化カリウム等の塩であり、本実施形態においては平均粒径50μm〜1200μmの粉状の並塩である。このような並塩としては一般に市販されているものを用いることができる。
【0027】
塩水ウェル14は、塩水プレート13に設けられた円形孔133を貫通して、塩水タンク10の底面に設置される。塩水ウェル14は、塩水バルブ装置15を塩Sから隔離して収容する容器である。塩水ウェル14及び塩水バルブ装置15の下部は、塩水タンク10の最底部111に設置される。塩水タンク10の底部における、塩水ウェル14及び塩水バルブ装置15の下部が設置される部分以外の部分は、隆起底部112として、最底部111よりも1段高くなっている。隆起底部112の高さは、塩水バルブ装置15の吸い込み停止位置BLの高さに設定される。
【0028】
塩水バルブ装置15は、水位検出用フロート、フロートロッド、塩水バルブパイプ、エアチェックハウジング部を備える。塩水バルブ装置15は、塩水バルブパイプを通じて再生液収容装置1に供給される補給水の流れ、及び、再生液収容装置1から塩水バルブパイプを通じて硬水軟化装置に供給される塩水Wの流れを制御すると共に、塩水タンク10内の水位があらかじめ設定された既定水位WLに達した場合に補給水の流れを遮断する機能を有する。
【0029】
水位検出用フロートは、補給水よりも比重の小さい材料により構成されるため、補給水及び塩水Wに対し浮力を有し、塩水ウェル14の内部に貯留された塩水Wの水位に応じて上下に移動する。また、フロートロッドは、水位検出用フロートに連動して上下に移動する。フロートロッドはエアチェックハウジング部内の弁体(補水ストッパ)に連結されている。従って、水位検出用フロート、フロートロッド、弁体は連動して上下に移動し、これらが上方に移動することで弁が閉止され、これらが下方に移動することで弁が開放される。
【0030】
また、エアチェックハウジング部内には、ボールホルダとフロートボールとが設けられており、フロートボールは、エアチェックハウジング部内の塩水Wの水位に応じて上下することで、下部に設けられた弁口を開閉する。エアチェックハウジング部内の塩水Wの水位が吸い込み停止位置BLである状態において、フロートボールは弁口まで下降し、弁口は、フロートボールによって閉止された状態となる。
【0031】
塩水バルブ装置15により再生液収容装置1に補給水が供給され、また再生液収容装置1から硬水軟化装置に塩水Wが供給される機構について以下に説明する。
外部から塩水バルブパイプを通じて再生液収容装置1に補給水が供給され、塩水ウェル14の内部に貯留された塩水Wの水位が上昇して既定水位WLに達すると、水位検出用フロート、フロートロッド、弁体は連動して上方に移動する。弁体が上方に移動するとエアチェックハウジング部内の弁が閉止され、補給水の供給が停止される。従って、塩水タンク10に供給される補給水の水位は既定水位WLが上限となる。
【0032】
また、再生液収容装置1から塩水バルブパイプを通じて硬水軟化装置に塩水Wが供給される際には、エゼクタ等の装置により発生した負圧により、エアチェックハウジング部内の弁体が下降して、弁は開放される。弁が開放されると、塩水貯留部132中に貯留された塩水Wは、発生した負圧によりエアチェックハウジング部内に吸引される。そして、エアチェックハウジング部内部において、塩水Wの水位が吸い込み停止位置BLに達すると、エアチェックハウジング部内のフロートボールが下降して弁口が閉止される。これにより、再生液収容装置1から硬水軟化装置への塩水Wの供給は停止される。
【0033】
次に、
図2〜
図7を用いて、本実施形態に係る流通空間区画部材の構成について説明する。
【0034】
図2は、本発明の一実施形態を示す図であり、流通空間区画部材としてのパイプPが、塩水タンク10の内部の塩水プレート13上に載置された状態を示す図である。
図2に示すように、本実施形態において、流通空間区画部材としてのパイプPは、複数段(複数層状に)積み重ねられた状態、且つ開放した両端が横向きになるように塩水プレート13上に敷き詰められて載置される。これにより、流通空間Cへの塩Sの侵入は規制される。積み重ねの段数は、特に制限されず、塩Sと補給水の十分な接触面積を確保できるものであればよいが、例えば2又は3段である。
【0035】
また、流通空間区画部材としてのパイプPの形状としては、
図1や
図2に示したものに限られず、その内側に流通空間を有し、流通空間への原料薬剤の侵入規制構造を有していればよく、様々な形状を有するものが本発明の範囲に含まれる。
【0036】
図3は、本発明の各実施形態に係る流通空間区画部材を示す斜視図である。また、
図4(A)〜(E)は、それぞれ
図3(A)〜(E)に対応する横断面図を示した図である。
図3及び
図4に示す筒状の流通空間区画部材の横断面形状は、閉じた形状である。
図3(A)に示す流通空間区画部材は、円環状(弧状)の周縁形状を有する円筒状の流通空間区画部材である。また、
図3(B)及び(C)に示す流通空間区画部材は、直線状の周縁形状を有する多角柱状の流通空間区画部材である。
図3(B)に示す流通空間区画部材は、四角筒状である。
図3(C)に示す流通空間区画部材は、三角筒状である。また、
図3(D)に示す流通空間区画部材は、波状の周縁形状を有する流通空間区画部材である。
図3(E)に示す流通空間区画部材は、凹凸状の周縁形状を有する流通空間区画部材である。
【0037】
また、周縁形状としては上記に示したものに限られず、例えば
図3(B)及び(C)のように直線状の周縁形状を有するものとしては、横断面形状が多角形であるものに限られず、星形や十字型であってもよい。あるいは、上記に示した弧状、直線状、波状、凹凸状の周縁形状のうち、複数を組み合わせた形状であってもよい。
【0038】
図5もまた、本発明の一実施形態に係る流通空間区画部材を示す斜視図である。
図5に示す筒状の流通空間区画部材の横断面形状は、一部が開放した略閉じた形状である。
図5に示すように、流通空間区画部材としては筒状であるものに限られず、内部に流通空間を有し、補給水及び再生液が流通する空間を区画可能な構造であれば、横断面形状の一部が開放した略閉じた構造であってもよい。
【0039】
上記のような流通空間区画部材を無作為に塩水プレート13上に載置した場合、開放された両端部の向く方向は、上下方向や水平方向、それ以外の方向を向くものが混在した状態となる。しかし、流通空間区画部材は、流通空間Cへの塩Sの侵入を規制するためには、開放された両端部が略水平方向を向いた状態で塩水プレート13上に載置されることが好ましい。また、流通空間区画部材を無作為に塩水プレート13上に載置したとしても、一定数の流通空間区画部材は、開放された両端部が略水平方向を向いた状態で塩水プレート13上に載置されるため、流通空間Cへの塩Sの侵入を規制するという効果は十分に奏される。
【0040】
図6は、数珠状に繋げられた流通空間区画部材を示す。
図6に示す流通空間区画部材20は、複数のパイプPの端部同士が接続糸21により接続されて構成される。
図6に示す流通空間区画部材20によれば、パイプPの開放された両端部が上下方向を向きにくいため、パイプPを、開放された両端部が略水平方向を向くように塩水プレート13上に載置することが容易である。
【0041】
本発明の実施形態に係る流通空間区画部材としては、上記に示したように両端部が開放された筒状となっているものに限られず、補給水及び再生液が流通する流通空間をその内側に有し、流通空間区画部材の外側と流通空間とを区画可能な構造であればよい。
例えば、
図7に示す流通空間区画部材20Aのように、その内側に複数の流通空間Cがが設けられ且つ一体に成形された部材であってもよい。このような一体に成形された部材としては、
図7に示したものに限られず、その形状は特に制限されない。
上記に示したもの以外に、流通空間と流通空間区画部材の外側とは1つの開口部により外側に開放された構造であってもよく、例えば多孔質体のような構造を有するものであってもよい。
【0042】
上述した本実施形態の再生液収容装置によれば、例えば、以下のような効果が奏される。
本実施形態の再生液収容装置1は、原料収容部としての塩収容部131と再生液収容部としての塩水貯留部132を有する塩水タンク10を備え、塩水タンク10の内部には塩水プレート13が配置され、塩水プレート13上には塩Sと共に流通空間区画部材Pが載置される。流通空間区画部材Pは、その内側に再生液としての塩水W及び補給水としての水が流通可能な流通空間Cを有すると共に、流通空間Cへの塩Sの侵入を規制する侵入規制構造を有する。
【0043】
塩水プレート13に載置された塩Sの一部は、塩水プレート13上で補給水に溶解して塩水Wとなる。塩水プレート13上で生成された塩水Wの濃度(高濃度)と、塩水貯留部132中の塩水Wの濃度(低濃度)とには差があるため、比重差により対流が起こり、塩水プレート上で生成された高濃度の塩水Wは塩水貯留部132へ移動し、塩水貯留部132中の低濃度の塩水Wは塩水プレート13上に移動する。このような対流が起こることで、塩水貯留部132中の塩水Wの濃度は徐々に上昇する。
【0044】
塩Sのみが塩水プレート13上に載置された状態においては、塩Sの塩水プレート13上の堆積面と塩水貯留部132との間のみでしか対流が起こらず、塩水貯留部132中の塩水Wの濃度の上昇速度は低い。しかし、本実施形態のように、流通空間区画部材Pが塩Sと共に塩水プレート13上に載置されることで、塩Sと補給水との接触面積が増大し、塩水プレート13上における塩Sの溶解速度が上昇する。また、補給水及び再生液が流通可能な流通空間Cが確保されるため、上記対流が促進され、塩Sの溶解が促進され、塩水貯留部132中の塩水Wの濃度の上昇速度が高まる。従って、原料薬剤の成形形態に拘わらず、短時間で所定濃度の塩水Wが得られる。
【0045】
また、本発明の一実施形態に係る流通空間区画部材の侵入規制構造としては、流通空間区画部材の両端が開放した筒状である。これにより、補給水及び再生液が流通可能な流通空間Cが確保されると共に、流通空間Cへの塩Sの流入が好ましく抑制される。
【0046】
また、本発明の一実施形態に係る流通空間区画部材の横断面形状は、閉じた形状であるか又は一部が開放した略閉じた状態である。これにより、補給水及び再生液が流通可能な流通空間Cが好ましく確保されると共に、流通空間Cへの塩Sの流入が抑制される。
【0047】
また、本発明の一実施形態に係る流通空間区画部材の横断面の周縁形状は、直線状、弧状、波状又は凹凸状である。これにより、補給水及び再生液が流通可能な流通空間Cが確保されると共に、流通空間Cへの塩Sの流入が抑制される。中でも、周縁形状が波状又は凹凸状であるものは、流通空間区画部材同士が密着しづらく、流通空間区画部材の外側に補給水及び再生液が流通可能な空間を確保できるため、塩Sと補給水との接触面積をより広く確保できる。
【0048】
また、本発明の一実施形態に係る流通空間区画部材は、塩水プレート13上に敷き詰められて載置される。これにより、塩Sの下方に流通空間区画部材が載置されるため、塩Sの下方に補給水が流通しやすい。
【0049】
また、本発明の一実施形態に係る流通空間区画部材は、塩水プレート13上に複数層状に敷き詰められて載置される。これにより、塩Sの下方に補給水が流通しやすく、また、塩Sと補給水との接触面積をより広く確保できる。
【0050】
また、本発明の一実施形態に係る流通空間区画部材の比重は、塩水Wの比重よりも大きい。これにより、流通空間区画部材は塩水W及び補給水に対して沈んだ状態となるため、塩Sの下方に載置された状態となりやすく、塩Sの下方に補給水が流通しやすい。
【0051】
また、本発明の一実施形態に係る流通空間区画部材は数珠状に繋がった構造を有する。これにより、流通空間区画部材を塩水プレート13上に載置する際、開放部が水平方向を向くように容易に載置することができるため、流通空間Cを確実に確保できる。
【0052】
また、本発明の一実施形態に係る原料薬剤は、平均粒径50〜1200μmの塩である。本発明における再生液収容装置によれば、流通空間区画部材により流通空間Cが確保されるため、平均粒径50〜1200μmの粒状の一般的に流通している塩を用いた場合においても、短時間で所定濃度の塩水Wが得られる。
【0053】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
【0054】
例えば、
図1及び
図2において、塩水プレート13上に複数段の流通空間区画部材を載置したものとして構成したが、これに限定されず、段数としては1段であってもよい。また全面に流通空間区画部材が敷き詰められているものには限定されず、塩水プレート13上の一部領域に流通空間区画部材が載置されているものであってもよい。
【0055】
また、
図1及び
図2において、塩水プレート13上に載置された流通空間区画部材は全て開放した両端部が水平方向を向いた状態で載置されているが、これに限定されず、上下方向やその他の方向を向いた流通空間区画部材が混在していてもよい。
塩水タンク10は、上下二段になった底部11を有するものに制限されず、段差が無い底部を有するものであってもよい。
【0056】
イオン交換樹脂を陽イオン交換樹脂から陰イオン交換樹脂へ置換すれば、硬水軟化装置に代えて、硝酸性窒素除去装置における再生液供給ユニットを構成する再生液収容装置に、本発明の再生液収容装置を適用することができる。
【実施例】
【0057】
次に、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0058】
<実施例1>
再生液収容装置における塩水プレート上に、凹凸状の周縁形状を有する筒状の流通空間区画部材を、無作為に、塩水プレート上からの高さが30mm程度となるよう塩水プレート全面に敷き詰めた。更に、原料薬剤として並塩を上記流通空間区画部材と共に十分量載置し、塩水タンクに補給水を供給して塩水貯留部中の塩水濃度の径時変化を測定した。結果を
図8に示す。
【0059】
<実施例2>
上記実施例1の試験を行った後に、塩水プレート上に並塩が残った状態で、減少した分の並塩を追加して試験を行ったこと以外は実施例1と同様の条件で、塩水貯留部中の塩水濃度の径時変化を測定した。結果を
図8に示す。
【0060】
<実施例3>
上記実施例2の試験を行った後に、実施例2と同様に減少した分の並塩を追加して試験を行ったこと以外は実施例1と同様の条件で、塩水貯留部中の塩水濃度の径時変化を測定した。結果を
図8に示す。
【0061】
<比較例1>
流通空間区画部材を塩水プレート上に載置せずに試験を行ったこと以外は実施例1と同様の条件で、塩水貯留部中の塩水濃度の径時変化を測定した。結果を
図8に示す。
【0062】
<比較例2>
比較例1と同様の条件で再度塩水貯留部中の塩水濃度の径時変化を測定した。結果を
図8に示す。
【0063】
図8は、実施例1〜3及び比較例1、2の塩水貯留部における塩水濃度の径時変化を示すグラフである。
図8上、縦軸は塩水濃度(%)を示し、横軸は経過時間(h)を示す。また、
図8における経過時間(h)が0の時点は、塩水タンクに補給水の供給が開始された時点を示す。
図8に示す実施例1〜3及び比較例1、2の比較から、実施例1〜3の再生液収容装置の方が、比較例1、2の再生液収容装置よりも塩水貯留部における塩水濃度の上昇速度が高いことが分かった。この結果から、塩水プレート上に塩と共に流通空間区画部材を共に載置することで、塩水プレート上に塩のみを載置する場合と比較して短時間で所定濃度の塩水が得られることが確認された。
また、実施例1〜3の比較から、塩水プレート上に塩が残存した状態で塩を継ぎ足した場合においても、同様に好ましく短時間で所定濃度の塩水が得られることが確認された。