特開2017-136626(P2017-136626A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特開2017136626-押出装置 図000003
  • 特開2017136626-押出装置 図000004
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-136626(P2017-136626A)
(43)【公開日】2017年8月10日
(54)【発明の名称】押出装置
(51)【国際特許分類】
   B21C 29/00 20060101AFI20170714BHJP
【FI】
   B21C29/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2016-20320(P2016-20320)
(22)【出願日】2016年2月4日
(71)【出願人】
【識別番号】000100791
【氏名又は名称】アイシン軽金属株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】592063397
【氏名又は名称】技研株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114074
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 嘉一
(72)【発明者】
【氏名】柴田 寿一
(72)【発明者】
【氏名】林 智宏
(72)【発明者】
【氏名】二俣 良之
【テーマコード(参考)】
4E029
【Fターム(参考)】
4E029SA02
4E029SA05
4E029UA04
4E029VA03
4E029WA06
(57)【要約】
【課題】小型化,省スペース化を図るのに有効で、生産性の高い押出装置の提供を目的とする。
【解決手段】押出機と、当該押出機から押し出された押出材を支持するためのランアウトテーブルと、当該ランアウトテーブルに沿って、押出機側に設けた送りローラと、当該送りローラから押出前方側に所定の間隔を隔てて設けた引きローラとを備え、前記送りローラと前記引きローラとの間に押出材の冷却手段を有し、前記送りローラと前記引きローラでその間を通過する押出材に引っ張り力が生じるものであることを特徴とする。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
押出機と、
当該押出機から押し出された押出材を支持するためのランアウトテーブルと、
当該ランアウトテーブルに沿って、押出機側に設けた送りローラと、当該送りローラから押出前方側に所定の間隔を隔てて設けた引きローラとを備え、
前記送りローラと前記引きローラとの間に押出材の冷却手段を有し、前記送りローラと前記引きローラでその間を通過する押出材に引っ張り力が生じるものであることを特徴とする押出装置。
【請求項2】
前記送りローラの前方に、押出材の押出スピードに同期移動しながら当該押出材を切断するための切断機を有することを特徴とする請求項1記載の押出装置。
【請求項3】
前記切断機の前方に切断された押出材の搬送手段を有することを特徴とする請求項2記載の押出装置。
【請求項4】
前記冷却手段は空冷手段であることを特徴とする請求項1記載の押出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルミニウム及びその合金やマグネシウム及びその合金等の軽金属の押出機及びその附帯設備からなる押出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
アルミニウム合金等の押出装置は、円柱状のビレットを所定の温度まで予熱し、このビレットをコンテナに装着し、直接押出プレスタイプ又は間接押出タイプの押出機にて押出材を押出成形する。
押し出された押出材は、ランアウトテーブルに沿って前方に移動する。
この段階では押出材が高温であるために、ランアウトテーブルの側面に冷却のためのクーリングテーブルを備える。
押し出されたままの押出材は、撓みや歪み等を有しているので、押出材を引っ張り矯正する必要がある。
そこで、クーリングテーブルの側面にストレッチャー及びストレージテーブルを備える。
引っ張り矯正された押出材は、ストレージテーブルの側面に設けられた切断テーブルにて定尺に切断し、その後にラック積みされる。
このように従来の一般的な押出装置は、押出機とその後面設備からなる大型装置となっていた。
【0003】
特許文献1には、後面設備(附帯設備)の小型化を目的に、押出機,冷却装置,整直装置及び定寸切断装置を順次直列に配置した押出装置を開示する。
しかし、同公報に開示する整直装置は、駆動ローラで押出材を整直ローラに強制的に送り込むものであり、押出材を引っ張り矯正するものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−277635号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、小型化,省スペース化を図るのに有効で、生産性の高い押出装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る押出装置は、押出機と、当該押出機から押し出された押出材を支持するためのランアウトテーブルと、当該ランアウトテーブルに沿って、押出機側に設けた送りローラと、当該送りローラから押出前方側に所定の間隔を隔てて設けた引きローラとを備え、前記送りローラと前記引きローラとの間に押出材の冷却手段を有し、前記送りローラと前記引きローラでその間を通過する押出材に引っ張り力が生じるものであることを特徴とする。
【0007】
本明細書にて、押出機から押出材が押し出され移動する方向を前方と表現する。
ランアウトテーブルは、押出機から押し出されてくる押出材を下側から支持するためのテーブルであり、上面に複数の支持部材を所定間隔毎に設けてある。
送りローラとは、押し出された押出材を前方に向けて送り出すための送り機をいう。
引きローラとは、押出材を引っ張るようにして引き込むための引込機をいう。
冷却手段は、押し出された高温の押出材を冷却するためのものであり、水冷又は空冷であってよい。
押出材が形材のように断面異形状であれば、断面歪みが小さい空冷が好ましい。
高温の押出材を冷却すると、送りローラと引きローラとの間を通過している押出材の長さ方向の寸法が収縮し、それによって押出材には引っ張り力(ストレッチ)が作用することになる。
押出材の押出スピードは速い方がよいので、空冷の場合に冷却速度200〜300℃/min以上が好ましい。
【0008】
本発明において、さらに送りローラの前方に、押出材の押出スピードに同期移動しながら当該押出材を切断するための切断機を有してもよく、また切断機の前方に切断された押出材の搬送手段を有してもよい。
これにより、押出装置がよりコンパクトになる。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る押出装置は、押出材を送りローラと引きローラとの間を通過させる際に押出材を冷却手段で冷却でき、押出材に冷却による収縮力が作用するので、この送りローラと引きローラとの間にある押出材には引っ張り力が働き、ストレッチ矯正される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係る押出装置の構成及び押出材の生産の流れを示す。(a)は押し出し初期の状態、(b)は押出材の先端側が引きローラを通過し、その状態で冷却手段を作動させた状態、(c)は切断機をONにした状態を示す。
図2】押出材の切断の流れを示す。(a)は切断機が押出スピードに同期走行しながら押出材を切断している状態、(b)は定寸に切断された押出材をラック積みしている状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図に基づいて本発明に係る押出装置の構成例及び押出材の生産方法について説明するが、本発明はこれに限定されない。
【0012】
本発明に係る押出装置を図1(a)に模式的に示してある。
押出機11と、この押出機11により押し出される押出材1を支持し受けるランアウトテーブル12を有する。
押出機11は、コンテナ11aとステム11cを有し、コンテナ11aの前側には押出ダイス11bがセットされる。
本実施例は、直接押出機の例であり、間接押出機であってもよい。
加熱炉20にて高温に予熱された円柱状のビレットMをコンテナ11a内に充填し、ステム11cを前進させることで、押出材1が押し出し成形される。
【0013】
図1(a)の上側に平面図、下側に側面図を模式的に示すように、ランアウトテーブル12は所定の間隔を隔てて複数の支持部材17を有する。
支持部材は、潤滑性のあるバー材や回転する支持ローラであってよい。
ランアウトテーブル12の押出機側には、送りローラ(送り機)14を有し、その前方には所定の距離をおいて引きローラ(引込機)15を有する。
ランアウトテーブル12の両側には、冷却手段13a,13bを有する。
本実施例では、押し出されてくる押出材1に向けて強くエアーを吹き付ける空冷手段となっている。
なお、図1では一対の冷却手段13a,13bを送りローラ14寄りに設置した例になっているが、引きローラ15側に向けて複数対の冷却手段を設けてもよい。
また、冷却手段は、ランアウトテーブルの上方側から下方に向けてエアーを噴射してもよい。
【0014】
送りローラ14は、押し出されてくる押出材を前方に送り出すためのものをいい、図1では1つの支持ローラ17aとこれに対向させた1つの送りローラ14を模式的に表現したが、押出材が形材の場合に断面形状に合せて複数の送りローラにて構成することができる。
引きローラ15は、押出材を引き込むためのであり、図1では送りローラ14と同様に、一対の支持ローラ17bと引きローラ15のみを模式的に表現したものであり、押出材の断面形状に合せて引き込むことができるように複数のローラで構成できる。
送りローラ14は、押出材の押出スピードに合せて回転するものであり、駆動モーター等を有していてもよい。
引きローラ15は、駆動モーターにより回転制御されている。
【0015】
引きローラ15の前方には、ランアウトテーブルと平行に設置した走行レール16a上を走行する切断機16を有する。
切断機16は、押出材を切断するための刃16cを有し、本実施例では刃16cが押出材を横切るように移動するスライドレール16bが設けられている。
押出材が押し出される押出スピードをエンコーダ等にて計測し、切断機16は押出スピードに合せて同期走行しながら押出材の切断が可能になっている。
【0016】
次に押出材の生産の流れを説明する。
図1(a)に示すように、加熱炉20にて予熱されたビレットMをコンテナ11a内に充填し、ステム11cで押し出す。
押出材1は、送りローラ14を通過し、図1(b)に示すように押出材1の先端側が引きローラ15を通過した状態で冷却手段13a,13bを作動させる。
すると、押出材が冷却されるにつれて収縮するが、押出材1は送りローラ14と引きローラ15との間に保持されながら前方に移動しているので、長手方向に押出材が収縮すると、相対的にその間に引張力fが働くため、押出材はストレッチ矯正される。
なお、引きローラ15の回転スピードWを送りローラ14の回転スピードWよりも速くし、引っ張り方向の力をサポートしてもよい。
図1(c)に示すように、押出材の先端側が切断機16を通過すると、図2(a)に示すように切断機16が走行レール16aに沿って押出材の押出スピードと同期走行しながらこの押出材を切断する。
切断された押出材1aは、図2(b)に示すように後方側の押出材1よりも速く搬送手段にて前方に移送され、仮置きテーブル18を介してラック19にラック積みされる。
切断機16は、図2(b)に示すように後退復帰し、繰り返し押出材を切断する。
【符号の説明】
【0017】
1 押出材
11 押出機
12 ランアウトテーブル
13a 冷却手段
14 送りローラ
15 引きローラ
16 切断機
16a 走行レール
16c 刃
17 支持部材
M ビレット
図1
図2