特開2017-137128(P2017-137128A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2017-137128レトルトパウチ製品およびレトルトパウチ食品加熱方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-137128(P2017-137128A)
(43)【公開日】2017年8月10日
(54)【発明の名称】レトルトパウチ製品およびレトルトパウチ食品加熱方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/34 20060101AFI20170714BHJP
【FI】
   B65D81/34 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-9156(P2017-9156)
(22)【出願日】2017年1月23日
(31)【優先権主張番号】特願2016-16993(P2016-16993)
(32)【優先日】2016年2月1日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】516033101
【氏名又は名称】久冨 隆治
(74)【代理人】
【識別番号】100174791
【弁理士】
【氏名又は名称】川口 敬義
(72)【発明者】
【氏名】久冨 隆治
【テーマコード(参考)】
3E013
【Fターム(参考)】
3E013BA02
3E013BB02
3E013BB03
3E013BB08
3E013BB12
3E013BC04
3E013BC06
3E013BC07
3E013BC12
3E013BC14
3E013BD02
3E013BD06
3E013BD12
3E013BD15
3E013BE08
(57)【要約】      (修正有)
【課題】レトルトパウチ食品を,間接加熱により,容易に温めることが可能なレトルトパウチ製品を提供する。
【解決手段】レトルトパウチ製品1は,パッケージ容器2にレトルトパウチ食品3が液体4とともに封入されて構成されている。そして,液体4が加熱されることにより,レトルトパウチ食品3が間接加熱によって均一的に温められ,もしくは保温された状態となる。パッケージ容器2としては,一定の剛性を有する円筒形のアルミ製の缶(アルミ缶)が用いられ,当該パッケージ容器2の蓋部5は,いわゆるフルオープンエンドとなっている。また,液体4としては,水が用いられている。レトルトパウチ食品3は,例えば,アルミニウム箔ラミネートフィルム製のレトルトパウチ3aに封入されたカレーである。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッケージ容器に,レトルトパウチ食品が封入されており,
パッケージ容器に,液体を封入もしくは事後的に加え,前記液体が加熱されることにより,
レトルトパウチ食品を加温ないし保温することが可能なことを特徴とするレトルトパウチ製品
【請求項2】
前記液体が,水又はお湯であることを特徴とする請求項1に記載のレトルトパウチ製品。
【請求項3】
さらにパッケージ容器に発熱剤が添付されており,
液体の加熱が,パッケージ容器内における発熱剤と液体との反応によりなされることを特徴とする請求項1又は2に記載のレトルトパウチ製品
【請求項4】
前記パッケージ容器が,一定の剛性を有し定形を有することを特徴とする請求項1から3に記載のレトルトパウチ製品。
【請求項5】
前記パッケージ容器が,円筒状に形成されていることを特徴とする請求項4に記載のレトルトパウチ製品。
【請求項6】
前記パッケージ容器に,カトラリー等を設置するためのカトラリー等設置部位が設けられていることを特徴とする請求項1から5に記載のレトルトパウチ製品。
【請求項7】
前記パッケージ容器が,耐熱性プラスチックないし金属からなることを特徴とする請求項1から6に記載のレトルトパウチ製品。
【請求項8】
パッケージ容器にレトルトパウチ食品を液体とともに封入し,前記液体を加熱することにより,前記レトルトパウチ食品を温め,もしくは保温された状態にすることを特徴とするレトルトパウチ食品加熱方法。
【請求項9】
前記液体の加熱が,パッケージ容器内における発熱剤と液体との反応によりなされることを特徴とする請求項8に記載のレトルトパウチ食品加熱方法。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,レトルトパウチ食品を適温で提供しうる方法等に関する。さらに詳しくいうと本発明は,レトルトパウチ食品を,間接加熱により,温められたままの状態,もしくは比較的速やかに温めることが可能な状態で提供しうる方法,ならびに,これを実現するための容器の仕組みに関する。
【背景技術】
【0002】
レトルトパウチ食品は,再加熱することにより,誰でもが簡単に食べることができ,また,冷凍食品やいわゆるコンビニ弁当などと比較して,食品自体の品質が高く,味の点からも優れている。レトルトパウチ食品は,その手軽さと品質の良さから,ますます種類も増え普及を続けている製品である。
【0003】
一方で,レトルトパウチ食品は,その特性でもある密封容器自体が,電子レンジに適性がないものが多く,直火では全く対応できないものがほとんどである。そのため,レトルトパウチ食品を温めるためには,間接熱源としてパウチ製品自体を湯煎して温めたり,パウチ製品を開封し中身を容器に移して再加熱したりすることが必要である。レトルトパウチ食品におけるこれらの加熱作業は,冷凍食品など電子レンジで温められる製品と比較すると,比較的,手間のかかる処理といわざるを得ない。また,レトルトパウチ食品については,パウチ構造自体に関する技術が様々提案されているものの,直接加熱ができず,間接加熱を前提とした技術がほとんどである(特許文献1,2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−069933号公報
【特許文献2】特開2009−046192号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
発明者は,レトルトパウチ食品について,湯煎や容器に移し替えての加熱による手間が,さらなる普及の妨げになっていると考えた。加えて,レトルトパウチ食品が不定形かつ均一性に乏しい形状であることも,自動販売機やショーケースなどでの販売が行われていない要因であり,これがレトルトパウチ食品のさらなる普及の妨げになっていると発明者は考えた。
【0006】
上記事情を背景として,本発明では,第一の課題として,レトルトパウチ食品を,間接加熱により,容易かつ均一的に温めることが可能な方法,ならびに,これを実現するための容器の仕組みの開発を課題とする。また,第二の課題として,自動販売機などでの販売にも耐えうるレトルトパウチ製品の開発を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明者は,鋭意研究の結果,レトルトパウチ食品そのものをパッケージ容器に入れ,この容器に水ないしお湯を入れ,間接的かつ均一に,レトルトパウチ食品を加熱可能な仕組みに想到し,発明を完成させるに至った。
さらに発明者は,かかる仕組みに,発熱剤を組み合わせ,容器内において発熱剤と液体を反応させることにより,レトルトパウチ食品を温めることができることに想到し,発明を完成させるに至ったものである。
【0008】
本発明は,以下の構成からなる。
本発明の第一の構成は,パッケージ容器に,レトルトパウチ食品が封入されており,
パッケージ容器に,液体を封入もしくは事後的に加え,前記液体が加熱されることにより,
レトルトパウチ食品を加温ないし保温することが可能なことを特徴とするレトルトパウチ製品である。
【0009】
本発明の第二の構成は,前記液体が,水又はお湯であることを特徴とする第一の構成に記載のレトルトパウチ製品である。
本発明の第三の構成は,さらにパッケージ容器に発熱剤が添付されており,液体の加熱が,パッケージ容器内における発熱剤と液体との反応によりなされることを特徴とする第一又は第二の構成に記載のレトルトパウチ製品である。
【0010】
本発明の第四の構成は,前記パッケージ容器が,一定の剛性を有し定形を有することを特徴とする第一から第三の構成に記載のレトルトパウチ製品である。
本発明の第五の構成は,前記パッケージ容器が,円筒状に形成されていることを特徴とする第四の構成に記載のレトルトパウチ製品である。
本発明の第六の構成は,前記パッケージ容器に,カトラリー等を設置するためのカトラリー等設置部位が設けられていることを特徴とする第一から第五の構成に記載のレトルトパウチ製品である。
本発明の第七の構成は,
前記パッケージ容器が,耐熱性プラスチックないし金属からなることを特徴とする第一から第六の構成に記載のレトルトパウチ製品である。
【0011】
本発明の第八の構成は,
パッケージ容器にレトルトパウチ食品を液体とともに封入し,前記液体を加熱することにより,前記レトルトパウチ食品を温め,もしくは保温された状態にすることを特徴とするレトルトパウチ食品加熱方法である。
本発明の第九の構成は,
前記液体の加熱が,パッケージ容器内における発熱剤と液体との反応によりなされることを特徴とする第八の構成に記載のレトルトパウチ食品加熱方法である。
【発明の効果】
【0012】
本発明により,レトルトパウチ食品を,間接加熱により,容易に温めることが可能な方法,ならびに,これを実現するための容器の仕組みの提供が可能となった。さらには,一定の形状を有するパッケージ容器を用いることにより,自動販売機などでの販売にも耐えうるレトルトパウチ製品の提供が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施の形態1におけるレトルトパウチ製品の外観構成を示す斜視図
図2】本発明の実施の形態1におけるレトルトパウチ製品の,パッケージ容器の蓋部を開放した状態を示す斜視図
図3】本発明の実施の形態2におけるレトルトパウチ製品の外観構成を示す斜視図
図4】本発明の実施の形態2におけるレトルトパウチ製品の,パッケージ容器の蓋部を開放した状態を示す斜視図
図5】本発明の実施の形態3におけるレトルトパウチ製品の外観構成を示す分解斜視図
図6】本発明の実施の形態4におけるレトルトパウチ製品の外観構成を示す斜視図
図7】本発明の実施の形態5におけるレトルトパウチ製品の,パッケージ容器の開口部を熱溶着する前の状態を示す斜視図
図8】本発明の実施の形態5におけるレトルトパウチ製品の外観構成を示す分解斜視図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下,好適な実施の形態を用いて本発明をさらに具体的に説明する。ただし,下記の実施の形態は本発明を具現化した例に過ぎず,本発明はこれに限定されるものではない。
【0015】
<<I.発明の原理>>
本発明は,所定のパッケージ容器にレトルトパウチ食品を封入し,レトルトパウチ食品を,パッケージ容器内における液体の加熱によって均一的に温める,ないしは保温された状態にすることを原理とする。液体の加熱は,パッケージ容器内に液体を封入した状態でパッケージ容器自体を加熱することにより行う,もしくは,パッケージ容器内における発熱剤と液体との反応により行うことができる。本発明は,かかる原理に基づいた,レトルトパウチ製品ないしレトルトパウチ食品加熱方法である。
本発明の一態様によれば,パッケージ容器にレトルトパウチ食品を,水等の液体とともに同封しておくことで,予め間接加熱と均一加熱の環境を作っておくことが可能となる。加熱機器の環境に応じてパッケージ容器の素材を変えることが可能であり(アルミ・スチール・PET樹脂・耐熱ビニール又はそれらに準ずる耐熱・耐水加工が施された袋等),また,様々な環境にて展開できるように,パッケージ容器の形状を,缶型,ペットボトル型,さらには二重袋型などとすることが可能である。
また本発明の別の態様によれば,パッケージ容器に発熱剤を添付し,かかる発熱剤をパッケージ容器内で水などの液体と反応させることにより,レトルトパウチ食品の加温等が可能となる。なお,発熱剤は,予めパッケージ容器内に添加した状態としてもよいし,容器外部に備える態様としてもよい。
【0016】
<<II.発明の概要>>
レトルトパウチ食品は,食品が封入されたレトルトパウチ製品として定義される。レトルトパウチ食品については,レトルトパウチ食品としての品質や安全性,保存性などが担保される限り,特に限定されるものではなく,種々の食品を対象としたレトルトパウチ食品を用いることができる。すなわち,レトルトパウチとしては,一定の強度や遮光性を有し,間接加熱に耐えうる素材のものを用いることが必要であり,典型的には,アルミニウム箔ラミネートフィルム製のレトルトパウチを用いたレトルトパウチ食品とすることができる。
また,本発明の原理を鑑みると,本発明は,アルミニウム箔ラミネートフィルム製のレトルトパウチによって包装されたレトルトパウチ食品を原則として対象とするものであるが,必ずしもこれに限定する趣旨ではない。すなわち,ポリプロピレンやポリエステルなど,非アルミニウム製のレトルトパウチによって包装されたレトルトパウチ食品について本発明を適用することを妨げるものではない。
【0017】
パッケージ容器は,レトルトパウチ食品を液体とともに入れて封入する役割を果たす。パッケージ容器については,この役割を果たす限り,特に限定されるものではなく,種々の形状ないし素材のものを用いることができる。
【0018】
パッケージ容器の形状については,定形,不定形,いずれのものも用いることができるが,一定の剛性を有し形状の定まったもの(定形を有するもの)を用いることが好ましい。この好ましい構成によれば,本発明のレトルトパウチ製品の取扱いや陳列などがしやすくなるとともに,自動販売機などによる販売可能性を高めることが可能となり,本発明のレトルトパウチ製品の性能を向上させることができる。
パッケージ容器としては,典型的には,図1図3に示すような,一定の剛性を有する円筒形のものを用いることができる。
【0019】
パッケージ容器の素材については,一定の強度と保温性を有する必要があり,当該素材としては,典型的には,耐熱性プラスチック,ないし鉄やアルミなどの金属素材を用いることができる。
パッケージ容器の素材としては,金属素材を用いることが好ましい。この好ましい構成によれば,パッケージ容器の定形が容易になるとともに,レトルトパウチ製品を直接コンロ等で加熱して温めることが可能となり,本発明のレトルトパウチ製品の取扱性を向上させることができる。このような金属製の容器としては,典型的には,図1図2に示すような,円筒形であって,蓋部がいわゆるイージーオープンエンド,さらにはフルオープンエンドとなっている容器を用いることができる。
また,パッケージ容器の素材としては,耐熱性プラスチックを用いることが好ましい。この好ましい構成によれば,パッケージ容器の定形が容易になるとともに,可逆的に開閉できる蓋を設けることができることから,液体の出し入れが容易となり,レトルトパウチ製品の取扱性を向上させることができる。このような耐熱性プラスチック製の容器としては,典型的には,図3図4に示すような,円筒形であって,スクリュー式などの蓋を有する容器を用いることができる。
【0020】
パッケージ容器には,スプーンやフォークなどのカトラリー類,もしくは箸(以下,カトラリー類ならびに箸を含めて「カトラリー等」という)を設置するためのカトラリー等設置部位が設けられていることが好ましい。この好ましい構成によれば,消費者がレトルトパウチ製品を購入後,速やかにレトルトパウチ食品を食することが可能となり,本発明のレトルトパウチ製品の利便性を向上させることができる。
図5に,スプーンを例として,カトラリー等設置部位が設けられている例を示す。図5に示すように,カトラリー等設置部位としては,典型的には,カトラリー等を嵌め込み可能な凹部を設ければよい。
【0021】
本発明において,液体は,パッケージ容器に封入されるとともに,加熱等がなされることにより,レトルトパウチ食品を均一的に温める役割を果たす。液体は,この役割を果たしうる限り,特に限定されるものではなく,種々のものを採用することができる。典型的には,水又はお湯を用いることができるが,保温性を高めるために粘度を高めたり,液体そのものを飲み物としたりするなどすることもできる。
また,発熱性の固形物質(発熱剤)を,パッケージ容器内に予め入れておく,もしくはパッケージ容器に貼付するなどして使用時にパッケージ容器内に入れるなどし,これに水を加えることで発熱させて,レトルトパウチ食品を温めるなどすることもできる。
【0022】
<<III.実施の形態>>
[実施の形態1]
まず,本発明の実施の形態1におけるレトルトパウチ製品の構成について,図1図2を参照しながら説明する。
【0023】
図1は,本発明の実施の形態1におけるレトルトパウチ製品の外観構成を示す斜視図,図2は,当該レトルトパウチ製品の,パッケージ容器の蓋部を開放した状態を示す斜視図である。
【0024】
図1図2に示すように,本実施の形態のレトルトパウチ製品1は,パッケージ容器2にレトルトパウチ食品3が液体4とともに封入されて構成されている。そして,液体4が加熱されることにより,レトルトパウチ食品3が間接加熱によって均一的に温められ,もしくは保温された状態となるようにされている。なお,この場合,破裂対策として,パッケージ容器2内を若干の負圧状態とすることが望ましい。
【0025】
ここで,パッケージ容器2としては,一定の剛性を有する円筒形のアルミ製の缶(いわゆるアルミ缶)が用いられており,レトルトパウチ食品3の取出しが容易となるように,パッケージ容器2の蓋部5は,いわゆるフルオープンエンドとなっている。すなわち,蓋5aに取り付けられたリングプルタブ5bを引き上げることにより,蓋部5が全面で開口するようにされている。
また,液体4としては,水が用いられている。
レトルトパウチ食品3は,例えば,アルミニウム箔ラミネートフィルム製のレトルトパウチ3aに封入されたカレーである。
【0026】
本実施の形態のレトルトパウチ製品1の構成によれば,レトルトパウチ食品を,間接加熱により,容易に温めることが可能なレトルトパウチ製品を提供することが可能となる。
また,パッケージ容器2としてアルミ缶を用いれば,レトルトパウチ製品を直接コンロ等で加熱して温めることが可能となるので,レトルトパウチ製品の取扱性を向上させることができる。また,パッケージ容器2として,一定の剛性を有する円筒形のものを用いれば,レトルトパウチ製品の取扱いや陳列などがしやすくなるとともに,自動販売機などによる販売可能性を高めることが可能となるので,レトルトパウチ製品の性能を向上させることができる。
【0027】
なお,本実施の形態においては,パッケージ容器2が一定の剛性を有する円筒形のアルミ製の缶(いわゆるアルミ缶)からなる場合を例に挙げて説明したが,本発明は必ずしもこのような構成に限定されるものではない。パッケージ容器の素材は,例えば,ステンレス,鉄等であってもよい。また,パッケージ容器の形状は,例えば,直方体状であってもよい。
【0028】
また,本実施の形態においては,液体4が水である場合を例に挙げて説明したが,本発明は必ずしもこのような構成に限定されるものではない。液体としては,例えば,お湯,アルギン酸ナトリウムを水やお湯に溶かしたもの等を用いることもできる。アルギン酸ナトリウムを水やお湯に溶かしたものは,粘りのあるコロイド溶液であり,保温性を高めることが可能となる。
【0029】
また,本実施の形態においては,レトルトパウチ食品3がアルミニウム箔ラミネートフィルム製のレトルトパウチ3aに封入されたカレーである場合を例に挙げて説明したが,本発明は必ずしもこのような構成に限定されるものではない。レトルトパウチとしては,例えば,ポリプロピレンやポリエステルなど,非アルミニウム製のレトルトパウチを用いることもできる。また,レトルトパウチに封入される食品は,例えば,スープ,粥,パスタソース,丼物の具,米飯,ハンバーグ,ミートボール等であってもよい。
【0030】
[実施の形態2]
次に,本発明の実施の形態2におけるレトルトパウチ製品の構成について,図3図4を参照しながら説明する。
【0031】
図3は,本発明の実施の形態2におけるレトルトパウチ製品の外観構成を示す斜視図,図4は,当該レトルトパウチ製品の,パッケージ容器の蓋部を開放した状態を示す斜視図である。
【0032】
図3図4に示すように,本実施の形態のレトルトパウチ製品6は,パッケージ容器7にレトルトパウチ食品8が液体9とともに封入されて構成されている。そして,液体9が加熱されることにより,レトルトパウチ食品8が間接加熱によって均一的に温められ,もしくは保温された状態となるようにされている。
【0033】
ここで,パッケージ容器7としては,一定の剛性を有する円筒形の耐熱性プラスチック製の容器が用いられており,レトルトパウチ食品8の出し入れが容易となるように,パッケージ容器7の上端開口は広くなっている。そして,当該パッケージ容器7の上端開口部には,スクリュー式の蓋10が着脱可能に冠着されている。なお,図4中,参照符号11は内蓋を示しており,当該内蓋11をパッケージ容器7の上端開口に嵌め込んだ後,パッケージ容器7の上端開口部に蓋10を冠着することにより,パッケージ容器7にレトルトパウチ食品8を液体9とともに確実に封入することができるようにされている。
また,液体9としては,水が用いられている。但し,上記実施の形態1の場合と同様,液体としては,例えば,お湯,アルギン酸ナトリウムを水やお湯に溶かしたもの等を用いることもできる。
レトルトパウチ食品8は,例えば,アルミニウム箔ラミネートフィルム製のレトルトパウチ8aに封入されたカレーである。但し,上記実施の形態1の場合と同様,レトルトパウチとしては,ポリプロピレンやポリエステルなど,非アルミニウム製のレトルトパウチを用いることもでき,レトルトパウチに封入される食品は,スープ,粥,パスタソース,丼物の具,米飯,ハンバーグ,ミートボール等であってもよい。
【0034】
本実施の形態のレトルトパウチ製品6の構成によれば,レトルトパウチ食品を,間接加熱により,容易に温めることが可能なレトルトパウチ製品を提供することが可能となる。
また,パッケージ容器7として耐熱性プラスチック製の容器を用いれば,可逆的に開閉できる蓋を設けることが可能となり,レトルトパウチ食品および液体の出し入れが容易となるので,レトルトパウチ製品の取扱性を向上させることができる。また,パッケージ容器7として,一定の剛性を有する円筒形のものを用いれば,レトルトパウチ製品の取扱いや陳列などがしやすくなるとともに,自動販売機などによる販売可能性を高めることが可能となるので,レトルトパウチ製品の性能を向上させることができる。
【0035】
なお,本実施の形態においては,パッケージ容器7が一定の剛性を有する円筒形の耐熱性プラスチック製の容器からなる場合を例に挙げて説明したが,本発明は必ずしもこのような構成に限定されるものではない。パッケージ容器の素材は,例えば,耐熱性ガラス等であってもよい。また,パッケージ容器の形状は,例えば,直方体状等であってもよい。
【0036】
また,本実施の形態においては,パッケージ容器7の上端開口部にスクリュー式の蓋10が着脱可能に冠着される場合を例に挙げて説明したが,本発明は必ずしもこのような構成に限定されるものではない。蓋は,例えば,ツイスト式のものであってもよい。また,図3に示すように,安全のために蓋部分にシュリンクフィルム加工を施すようにしてもよい。
【0037】
[実施の形態3]
次に,本発明の実施の形態3におけるレトルトパウチ製品の構成について,図5を参照しながら説明する。
【0038】
図5は,本発明の実施の形態3におけるレトルトパウチ製品の外観構成を示す分解斜視図である。
【0039】
図5に示すように,本実施の形態のレトルトパウチ製品12は,パッケージ容器13にレトルトパウチ食品8が液体9とともに封入されて構成されている(図3図4参照)。そして,液体9が加熱されることにより,レトルトパウチ食品8が間接加熱によって均一的に温められ,もしくは保温された状態となるようにされている。
【0040】
ここで,パッケージ容器13としては,上記実施の形態2の場合と同様に,一定の剛性を有する円筒形の耐熱性プラスチック製の容器が用いられており,レトルトパウチ食品8の出し入れが容易となるように,パッケージ容器13の上端開口は広くなっている。そして,当該パッケージ容器13の上端開口部には,スクリュー式の蓋14が着脱可能に冠着されている。また,蓋部分には,安全のためにシュリンクフィルム加工が施されている。
【0041】
パッケージ容器13の外周面には,包装されたスプーン16を設置するためのスプーン設置部位17が設けられている。スプーン設置部位17は,包装されたスプーン16を嵌め込むことが可能な凹部17aと,包装されたスプーン16が凹部17aから容易に外れてしまうことを防止するためのツメ部17bと,からなっている。
かかる構成によれば,包装されたスプーン16を外部に大きくはみ出すことなくパッケージ容器13に装着することが可能となる。また,かかる構成によれば,消費者がレトルトパウチ製品を購入後,速やかにレトルトパウチ食品を食することが可能となるので,レトルトパウチ製品の利便性を向上させることができる。なお,パッケージ容器13自体に形成された凹部17a(窪み)は,内圧対策ともなりえる。
スプーン設置部位17等のカトラリー等設置部位は,上記実施の形態1,2のパッケージ容器2,7にも設けることが可能であり,この場合にも上記と同様の効果が得られる。
【0042】
本実施の形態のレトルトパウチ製品12は,火傷対策や保温効果を狙った断熱部材18を備えている。断熱部材18は,スリーブ状に形成されており,パッケージ容器13の下部に後付けするようにされている。
断熱部材は,上記実施の形態1,2のパッケージ容器2,7にも備えるようにすることが可能であり,この場合にも上記と同様の効果が得られる。
【0043】
なお,本実施の形態においては,パッケージ容器13の外周面に,スプーン16を設置するためのスプーン設置部位17が設けられている場合を例に挙げて説明したが,本発明は必ずしもこのような構成に限定されるものではない。スプーン以外のフォークや箸等を設置するためのカトラリー等設置部位を設けるようにしてもよい。
【0044】
また,本実施の形態においては,後付けされる断熱部材18を備えている場合を例に挙げて説明したが,本発明は必ずしもこのような構成に限定されるものではない。断熱部材は,パッケージ容器に直接設けるようにしてもよい。
【0045】
[実施の形態4]
次に,本発明の実施の形態4におけるレトルトパウチ製品の構成について,図6を参照しながら説明する。
【0046】
図6は,本発明の実施の形態4におけるレトルトパウチ製品の外観構成を示す斜視図である。
【0047】
図6に示すように,本実施の形態のレトルトパウチ製品19は,パッケージ容器20にレトルトパウチ食品8が液体9とともに封入されて構成されている(図3図4参照)。そして,液体9が加熱されることにより,レトルトパウチ食品8が間接加熱によって均一的に温められ,もしくは保温された状態となるようにされている。
【0048】
ここで,パッケージ容器20としては,上記実施の形態2の場合と同様に,一定の剛性を有する円筒形の耐熱性プラスチック製の容器が用いられており,レトルトパウチ食品8の出し入れが容易となるように,パッケージ容器20の上端開口は広くなっている。そして,当該パッケージ容器20の上端開口部には,スクリュー式の蓋21が着脱可能に冠着されている。また,蓋部分には,安全のためにシュリンクフィルム加工が施されている。
【0049】
パッケージ容器20の外周面には,糸巻き状の凹部20aが形成されている。そして,包装されたスプーン24を当該凹部20a内に配置し,セロファンテープ25で固定するようにされている。
かかる構成によれば,包装されたスプーン24を外部に大きくはみ出すことなくパッケージ容器20に装着することが可能となる。また,かかる構成によれば,消費者がレトルトパウチ製品を購入後,速やかにレトルトパウチ食品を食することが可能となるので,レトルトパウチ製品の利便性を向上させることができる。なお,パッケージ容器20自体に形成された凹部20a(窪み)は,内圧対策ともなりえる。
【0050】
[実施の形態5]
次に,本発明の実施の形態5におけるレトルトパウチ製品の構成について,図7図8を参照しながら説明する。
【0051】
図7は,本発明の実施の形態5におけるレトルトパウチ製品の,パッケージ容器の開口部を熱溶着する前の状態を示す斜視図,図8は,当該レトルトパウチ製品の外観構成を示す分解斜視図である。
【0052】
図7に示すように,本実施の形態のレトルトパウチ製品26は,パッケージ容器27にレトルトパウチ食品28が液体29とともに封入されて構成されている。そして,液体29が加熱されることにより,レトルトパウチ食品28が間接加熱によって均一的に温められ,もしくは保温された状態となるようにされている。
【0053】
ここで,パッケージ容器27としては,耐熱ビニール袋又はそれに準ずる耐熱,耐水加工が施された袋等が用いられており,なるべく空気が入らないようにし,専用の熱溶着機を用いて密閉される(二重袋型)。なお,図7中,参照符号30は熱溶着予定線を示している。
また,液体29としては,水が用いられている。但し,上記実施の形態1,2の場合と同様,液体としては,例えば,お湯,アルギン酸ナトリウムを水やお湯に溶かしたもの等を用いることもできる。
レトルトパウチ食品28は,例えば,アルミニウム箔ラミネートフィルム製のレトルトパウチ28aに封入されたカレーである。但し,上記実施の形態1,2の場合と同様,レトルトパウチとしては,ポリプロピレンやポリエステルなど,非アルミニウム製のレトルトパウチを用いることもでき,レトルトパウチに封入される食品は,スープ,粥,パスタソース,丼物の具,米飯,ハンバーグ,ミートボール等であってもよい。
【0054】
本実施の形態のレトルトパウチ製品26の構成によれば,レトルトパウチ食品28を,間接加熱により,容易に温めることが可能なレトルトパウチ製品を提供することが可能となる。
【0055】
本実施の形態の二重袋型のレトルトパウチ製品26の場合であっても,図8に示すように耐熱素材からなる有底のスリーブ32等に収めることにより,自動販売機や保温器への充填に対応できるようにすることが可能となる。なお,図8中,参照符号31は包装されたスプーンを示しており,このようにスプーン31をレトルトパウチ製品26と一緒にスリーブ32等に収めておくことにより,消費者がレトルトパウチ製品26を購入後,速やかにレトルトパウチ食品28を食することが可能となるので,レトルトパウチ製品の利便性を向上させることができる。
【0056】
以上,本発明について説明してきたが,本発明によるレトルトパウチ食品の適温による提供は,さほど大掛かりな仕組み等を必要としない点において有用である。加えて,加熱後のレトルトパウチ製品の品質管理は,コンビニエンスストアにおけるおでん販売のように,販売現場における管理の一環として行うことで対応可能である。
本発明のレトルトパウチ製品の販売を行う場合,食生活環境に大きな影響を与えることが期待できる。例えば,ご飯だけのお弁当でも,加熱されたレトルトパウチ食品が簡単に手に入ることで,カレーや丼ものなど,メニューとしての選択肢が広がり,しかも温かい食事をとれるという大きな利点を有する。また,パッケージ容器に同封されている水やお湯は,食前食後の洗い物に使用したり,飲料として利用したりすることができ,パッケージ容器そのものを,レトルトパウチ食品の容器とすることも可能である。パッケージ容器にカトラリー等を備えた構成の場合は,ますます便利になり,アウトドア等での有効な食事手段ともなりうる。本発明のレトルトパウチ製品は,自動販売機オペレータによる適所での展開,コンビニエンスストア等での保温機器によるレジ横での販売など,これからの時代の個食に対する新しい販売機会を提供することが可能であり,さらには,緊急時の備蓄食材としての活用も期待できる。
【0057】
以上,本発明のレトルトパウチ製品について説明を行ってきたが,本発明の趣旨に鑑みえれば,レトルトパウチ製品を含まない構成も考えられる。例えば,パッケージ容器と発熱剤を組み合わせ製品として販売し,これとは別に適用可能なレトルトパウチ製品を食品種ごとに選択する構成である。かかる場合であっても,使用時においては,パッケージ容器内にレトルトパウチ製品を封入し,液体を入れ加熱・加温するものであり,本発明のレトルトパウチ食品加熱方法を用いるものである。
【符号の説明】
【0058】
1,6,12,19,26 レトルトパウチ製品
2,7,13,20,27 パッケージ容器
3,8,28 レトルトパウチ食品
4,9,29 液体
5 蓋部
5a,10,14,21 蓋
5b リングプルタブ
11 内蓋
16,24,31 スプーン
17 スプーン設置部位
17a,20a 凹部
17b ツメ部
18 断熱部材
25 セロファンテープ
30 熱溶着予定線
32 スリーブ

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8