特開2017-137144(P2017-137144A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-137144(P2017-137144A)
(43)【公開日】2017年8月10日
(54)【発明の名称】給紙装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 1/14 20060101AFI20170714BHJP
【FI】
   B65H1/14 322A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-17295(P2016-17295)
(22)【出願日】2016年2月1日
(71)【出願人】
【識別番号】000231589
【氏名又は名称】ニスカ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】榎本 真之介
【テーマコード(参考)】
3F343
【Fターム(参考)】
3F343FA17
3F343FB01
3F343FC01
3F343FC17
3F343GA01
3F343GB01
3F343GC01
3F343HA17
3F343HD16
3F343JA01
3F343KB03
3F343KB04
3F343KB20
3F343LD10
3F343LD23
3F343MA09
3F343MA13
3F343MA22
3F343MA32
3F343MA39
3F343MB09
3F343MC19
3F343MC23
3F343MC27
(57)【要約】
【課題】 給紙装置の可動規制板によって確実に積載トレイ上のシートを整合し、給紙不良を防止することができる給紙装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 封筒を積載する積載トレイ32と、この積載トレイ32に積載された封筒に接触して繰り出す繰出ローラ40と、繰り出された封筒を給紙する給紙ローラ41と、を備えた給紙装置において、積載トレイ32の封筒の積載量を検出する積載量検出手段61と、積載量検出手段61の検出された封筒の積載量に応じて、積載トレイ32上の封筒の上面に付与する荷重を変更する変更手段と、設けた。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
封筒を積載する積載トレイと、この積載トレイに積載された封筒に接触して繰り出す繰出ローラと、繰り出された封筒を給紙する給紙ローラと、を備えた給紙装置において、
前記積載トレイの封筒の積載量を検出する積載量検出手段と、
前記積載量検出手段の検出された封筒の積載量に応じて、前記積載トレイ上の封筒の上面に付与する荷重を変更する変更手段と、設けたことを特徴とする給紙装置。
【請求項2】
前記積載トレイを上昇、下降させる昇降手段と、
前記積載トレイ上の封筒の上面が所定の位置に到達したことを検出する上面検出手段と、を設け、
前記変更手段は、前記検出手段の検出された封筒の積載量に応じて前記上面検出手段が封筒の上面を検出した時点からの前記昇降手段の上昇駆動量を設定する設定手段と、前記設定手段で設定された上昇駆動量に基づき前記昇降手段の駆動を制御する制御手段を有することを特徴とする請求項1に記載の給紙装置。
【請求項3】
前記設定手段は、積載量が少ないときよりも積載量が多いときの方が前記積載トレイの上昇駆動量を大きく設定することを特徴とする請求項2に記載の給紙装置。
【請求項4】
積載トレイに積載された封筒の上面を押圧して積載された封筒の圧縮量を検出する圧縮量検出手段を設け、
前記変更手段は、前記圧縮量検出手段で検出された圧縮量に基づき前記設定手段で設定された前記昇降手段の上昇駆動量を補正する補正手段を有することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の給紙装置。
【請求項5】
前記補正手段は、前記上面検出手段が封筒の上面を検出した時点からの前記昇降手段の上昇駆動量を、前記圧縮量検出手段で検出された圧縮量が所定以下の場合は予め定められた上昇駆動量とし、前記圧縮量検出手段で検出された圧縮量が所定よりも大きい場合は前記検出手段の検出された封筒の積載量に応じて前記設定手段にて設定された上昇駆動量とすることを特徴とする請求項4に記載の給紙装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
複写機やプリンタなどの画像形成装置にシートを給送する給紙装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機やプリンタ等の画像形成装置の画像形成部にシートを給紙する給紙装置が知られている。給紙装置は、積載トレイ上のシートを繰り出す繰出ローラと、シートを1枚に分離する分離機構と、分離されたシートを画像形成装置に向けて搬送する搬送ローラ対と、を備える給紙部が設けられている。そして、積載トレイ上のシートは、繰出ローラ、分離手段、搬送ローラ対によって、給紙経路に沿って画像形成装置に案内される。
【0003】
この種の給紙装置の中でも、扱うシート枚数が大量である装置では、積載トレイを上昇させて、繰出ローラの周面に積載トレイ上のシートの最上面を当接させる昇降自在な積載トレイを備えた装置が知られている。この積載トレイを備えた給紙装置では、モータによって積載トレイを上昇させて繰出ローラにシートの最上面を接触させ、所定量繰出ローラを押し上げた位置(繰出位置)でシートを給紙するものがある。そして、この給紙装置には、積載トレイ上に載置されたシートの最上面が所定の繰出位置に到達したこと検出するシート上面検出手段が設けられており、シート上面検出手段はシートの上面を検出するとモータを停止させるように制御する。
【0004】
ここで、近年の給紙装置では、取り扱うシートが普通紙以外に封筒を取り扱うものもある。このような封筒も取り扱い可能な給紙装置では、積載された封筒が膨らみを有するため、封筒と繰出ローラとの圧接力が封筒を繰り出す際に変動し、封筒の不送りやスキューなどの繰り出し不良が発生していた。
【0005】
このような問題を解決するため、特許文献1では、封筒の最上面に繰出ローラまたは押し部材で一定の荷重を掛け、封筒の膨らみを低減して封筒を繰り出すようにした装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−249234号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示された装置では、封筒に掛ける荷重が一定であるため、封筒の積載量(積載枚数)が少ない場合と多い場合とで封筒の上面と繰出ローラが接触した際の接触圧力に差が生じ、繰り出し不良が発生する。つまり、封筒に掛ける荷重が小さければ、封筒の積載量(積載枚数)が多いときに不送りやスキューなどが発生し、封筒に掛ける荷重が大きければ、封筒の積載量(積載枚数)が少ないときに重送やシートに繰出ローラの押圧した跡が発生するとの問題がある。
【0008】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、封筒の積載量に係らず封筒を繰り出すことができる給紙装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は上記目的を達成するために、封筒を積載する積載トレイと、この積載トレイに積載された封筒に接触して繰り出す繰出ローラと、繰り出された封筒を給紙する給紙ローラと、を備えた給紙装置において、積載トレイの封筒の積載量を検出する積載量検出手段と、前記積載量検出手段にて検出された封筒の積載量に応じて、積載トレイ上の封筒の上面に付与する荷重を変更する変更手段と、設けた。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、封筒の積載量に応じて積載トレイ上の封筒の上面に付与する荷重を変更するようにしたので、積載量による繰出ローラと封筒上面との接触圧力のばらつきを抑えることができ、封筒の繰り出し不良を低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係る給紙装置を備えた画像形成システムの全体構成を示す図である。
図2】本発明に係る給紙装置を示す断面図である。
図3】本発明に係る給紙装置の収納庫を示す斜視図である。
図4】本発明に係る給紙装置の制御系を示す概念図である。
図5】本発明に係る給紙装置において封筒用を選択された場合の積載トレイの上昇動作を示すフローチャート図である。
図6】本発明に係る給紙装置の積載トレイの上昇状態を示す状態図である。
図7】本発明に係る給紙装置の変形例を示す状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、給紙装置を備えた画像形成システムの全体構成を示す図である。同図で示すように、画像形成システムは、シートに画像を印刷する画像形成装置1、原稿を読み取る原稿読取装置2、シートを原稿読取装置2の読取部に搬送する原稿送り装置3、画像形成装置1にシートを供給する給紙装置4、画像形成装置1の排紙口に連結されて、画像形成装置1から排出されるシートを集積するシート集積装置5とで構成されている。
【0013】
画像形成装置1は、100枚程度のシートを収納可能な2つの給紙カセット6a、6bを備えている。そして、2つの給紙カセット6a、6bと給紙装置4のいずれか1つからシート取り出し、取り出したシートに原稿読取装置2から転送される画像データを印刷し、排紙ローラ対10によってシート集積装置5に排出する。
【0014】
画像形成装置1は静電印刷を行うもので、感光ドラム11に静電潜像を形成するビーム投光器12と、静電潜像にトナーインクを付着する現像器13と、転写チャージャ14とを備えている。そして、シートに、感光ドラム11に形成した画像インクを転写チャージャ14で転写し、その下流側には配置される定着ローラ15によってシート上の画像を加熱定着して、シート集積装置5へと搬送する構成となっている。
【0015】
給紙装置4は、給紙カセット6a、6bよりも多い3000枚のシートが収納可能な収納部(収納庫)30を備え、画像形成装置1からの給紙指令に従って1枚毎にシートを画像形成装置1に供給する。
【0016】
原稿読取装置2は、透明なガラスで形成される第1プラテン16と第2プラテン17とを装置の上部に水平方向に並設している。第1プラテン16は、手置きでセットされる原稿の読み取りに用いられ、使用可能な原稿の最大寸法サイズに形成されている。そして、第2プラテン17は所定速度で移動する原稿の読み取りに用いられる。
【0017】
画像読取装置2の内部には、第1、第2の読取キャリッジ18、19と、集光レンズ20及び光電変換素子21(CCD)を有する光電変換手段が備えられている。第1、第2の読取キャリッジ18、19は、図示しないがキャリッジモータによって駆動されて、第1プラテン16の下方を副走査方向に往復移動する。第1の読取キャリッジ18には、光を原稿に向けて照射するランプと、原稿から反射された光を反射するミラーが設けられ、第2の読取キャリッジ19には、第1の読取キャリッジ18のミラーからの光を集光レンズ20及び光電変換素子21に案内する2つのミラーが設けられている。そして、第1、第2の読取キャリッジ18、19は移動して、第1プラテン16にセットされている原稿に光を照射し、原稿からの反射光を光電変換素子21で光電変換して原稿を読み取る。そして、光電変換素子21で読み取った原稿の画像データは、画像形成装置1のビーム投光器12に画像信号で送信される。
【0018】
原稿送り装置3は、給紙トレイ22にセットされた原稿をシート搬送機構24によって第2プラテン17を通過させて、排紙トレイ23に排紙する。なお、原稿送り装置3で第2プラテン17上を通過する原稿を読み取る場合、第1、第2の読み取りキャリッジ18、19は第2プラテン17の下方で静止させ、移動する原稿を読み取る。
【0019】
図2は給紙装置4を示す断面図である。また、図3の給紙装置4に設けられた収納庫30を示す斜視図である。
【0020】
図2図3に示すように給紙装置4は、シートをセットするために引き出される収納庫30と、シートを収納庫30内のシートを給紙する給紙機構31を備えている。収納庫30には大量のシートが集積され、上下方向に昇降する積載トレイ32と、シートの幅方向に位置を規制する規制板33、34と、シートの後端位置を規制する後端規制板35と、積載トレイ32を昇降させる昇降機構(昇降手段)と、を備えている。また、給紙装置4には、後述するが積載されたシートの最上面の位置を検知するシート上面検出手段としてのシート上面検出センサ38と、が設けられている。なお、シート上面検出センサ38は、既に知られているような検出機構を採用すればよい。本実施の形態では図7で示すように封筒の上面に接触する検出レバーを有する検出機構を採用する。
【0021】
昇降機構は、図2図3に示すように、積載トレイ32の両側部に設けられた4つの支持部4a,4bに固着された4本のワイヤ55と、4本のワイヤ55がそれぞれ架けられる複数のプーリ52と、同一のシャフトに取り付けられ、4本のワイヤ55を巻き取る4つの巻取プーリ53と、4つの巻取プーリ53を駆動するための複数の駆動ギヤ54と、駆動ギヤ54を介して巻取プーリ53を駆動する昇降モータM3とで構成される。そして、昇降モータM3を正転駆動することによって4つの巻取プーリ53が回転し、それぞれワイヤ55を巻き上げる。これによって、積載トレイ32の4つの支持部4a、4bが同時に引き上げられ、積載トレイ32が略水平状態を維持したままで上昇する。一方、昇降モータM3を逆転駆動すると巻取プーリ53が反対方向に回転駆動され、積載トレイは自重によって水平状態で降下する。
【0022】
給紙機構31は、積載されたシートの最上面に接触してシートを繰り出す繰出ローラ40と、送り出されたシートを1枚に分離して給紙する分離手段と、分離手段にて1枚に分離されたシートを画像形成装置1に搬送する搬送ローラ対43と、を備えている。分離手段は、給紙ローラ41と、給紙ローラ41に圧接して1枚以降のシートの給紙を阻止する分離ローラ42で構成されている。
【0023】
繰出ローラ40は、シートを繰り出すためのシートの上面位置(繰出位置)に固定されて設けられている。なお、本実施の形態では、繰出ローラ40を繰出位置で固定するようにしているが、繰出ローラ40を少なくとも繰出位置よりも上方に移動させないように規制し、繰出位置よりも下方に揺動可能に構成してもよい。
【0024】
図4は制御系を示す説明図である。給紙装置4には、上述した上面検出センサ38の他に、収納庫30が所定の位置でロックされたことを検出する収納庫セットセンサ(図示せず)、積載トレイ32が最下限位置にあることを検出する下限位置センサ60が設けられている。
【0025】
また、給紙装置4には、積載トレイ32上のシート類の積載量を検出するための積載量検出手段が設けられている。この積載量検出手段は、巻取プーリ53の回転軸上に設けられ、巻取プーリ53と同期して回転する円盤と、円盤のスリットを検出するフォトセンサと、からなるエンコーダ61であり、このエンコーダ61の出力パルスをカウントすることでシート類の積載量を検出する。
【0026】
図4における符号100は、上面検出センサ38、収納庫セットセンサ、下限位置センサ60、エンコーダ61などの各センサからの検出信号や画像形成装置1からの各種の情報に基づき各モータM1、M2、M3の駆動制御を行う制御部(制御手段)である。この制御手段は、CPUやROM、RAM、カウンタなどを有し、後述する各種の処理を行う。
【0027】
ここで、本実施の形態の給紙装置4では、封筒を取り扱うことが可能となっている。封筒は膨らみを有するため、繰出ローラ40は封筒を繰り出すための適正な圧接力を得ることが難しい。本実施の形態の給紙装置4では、積載トレイ32の上昇量を制御することで封筒の上面と繰出ローラ40との圧接力が適正な圧接力となるようにしている。
【0028】
以下に封筒が積載された場合の積載トレイ32の上昇動作について、図5の動作フリーチャート図、図6の積載トレイ32の状態図に基づき説明する。本実施の形態では、収納庫30すなわち給紙装置4を通常のシート(普通紙)用として使用するかまたは封筒用で使用するかを図4に示す操作手段101によって選択できるようになっている。なお、本実施の形態において操作手段101は給紙装置に設けられた押しボタンスイッチであり、押しボタンスイッチが押されたことに基づき封筒用の積載トレイ上昇動作を実行する。なお、この実施の形態では操作手段101を押しボタンスイッチとしたが、画像形成装置1に設けられた操作パネル(図示せず)で封筒モードを使用者が選択するように構成し、画像形成装置1からの封筒モードを指示する信号によって給紙装置4が封筒用の積載トレイ上昇動作を実行するようにしてもよい。
【0029】
封筒用の積載トレイ上昇動作では、先ず引き出された収納庫30の積載トレイ32上に使用者によって封筒がセットされ、収納庫30が給紙装置4に収納されると、積載トレイ32が下限位置にあるか否かが下限センサ60で検出される(ST1)。下限センサ60によって下限位置にあると検出(ON)されると昇降モータM3を正転駆動し、積載トレイ32を上昇させる(ST2)。この昇降モータM3を正転駆動と同時に上昇カウントを開始する(ST3)。一方、下限センサ60が積載トレイ32を検出していなければ、異常処理を実行する(ST20)。異常処理では給紙装置4の全ての動作を中断し、使用者に異常を放置する。
【0030】
そして、下限センサ60で検出され、昇降モータM3を駆動で上昇する封筒の上面を上面検出センサ38が検出(ON)すると、昇降モータM3を停止する(ST4〜ST5)。このとき、封筒の上面は図6(a)に示すように繰出ローラ40の周面位置P1から一定距離離れた待機位置P2にまで到達した状態になっている。また、これと同時に上昇カウントを停止する(ST6)。なお、上昇カウントは積載トレイ32を上昇させるための巻取プーリ53の回転軸に設けられたエンコーダ61の出力パルス数をカウントすることであり、エンコーダ61のパルス数をカウントすることで積載トレイ32の上昇した量や位置を検出することができる。
【0031】
次に、収納庫30または給紙装置4が封筒用に設定させていれば、先にカウントされた上昇カウント値、すなわち積載トレイ32が下限位置から封筒上面が上面検出センサ38に検出されるまでのエンコーダのカウント値から封筒の積載量を算出する(ST7〜ST8)。そして、封筒の積載量に応じて上昇値を設定する(ST9)。本実施の形態において積載量に応じた上昇値はエンコーダ61のパルス値であり、このパルス値を予め制御部100のROMに格納しておき、算出された積載量に対応したパルス値をROMから呼び出して設定している。
【0032】
上昇値が設定されると昇降モータM3を正転回転させる(ST10)。これによって、積載トレイ30が再度上昇し、設定された上昇値(エンコーダ61のパルス数)に到達すると昇降モータM3を停止する。このとき、封筒の上面は図6(b)、(c)に示すように固定された繰出ローラ40の周面に接触した位置にある。そして、画像形成装置1から給紙動作の指示があるまでこの状態で待機し、給紙動作の指示があると繰出ローラ40、給紙ローラ41を駆動して給紙動作を行う。
【0033】
ここで、積載量による各上昇値は、積載量が増大するに比して大きい上昇値が選択される。つまり、図6(b)、(c)に示す積載トレイ32上の封筒の積載高さがH1である場合と封筒の積載高さがH1よりも低いH2である場合とで説明すると、積載トレイ32上の封筒の積載高さがH1である場合(図6(b)参照。)は、積載トレイ32の上昇量としてL2が選択され、封筒の積載高さがH1よりも低いH2である場合(図6(b)参照。)は、積載トレイ32の上昇量としてL2よりも小さいL3が選択されるようになっている。
【0034】
このように、積載量に比して上昇量を大きくすることで、封筒の積載量に比して封筒に対する荷重を大きくすることができ、封筒と繰出ローラ32の圧接力のばらつきを小さくすることができる。
【0035】
次に、上述した実施の形態では、積載トレイ32上の封筒の積載量によって、積載トレイ32の上昇量を変更するようにしたが、封筒の上面を押したときの変形量を検出する検出手段68を設け、変形量が所定以下であるときは積載トレイ32上の封筒の積載量に係らずに所定の積載量を選択するようにしてもよい。
【0036】
具体的な構成を図7の状態図に基づき説明すると、検出手段68(圧縮量検出手段)は、図7に示すように封筒の上面を押圧する押圧レバー68aと、押圧レバー68aの揺動を検出するための揺動フラグ68bと、揺動フラグ68bの位置を検出するフォトセンサ68cと、押圧レバー68aを封筒の上面に向けて付勢する押圧バネ68dで構成されている。この検出手段68は、封筒の上面が上面検出センサ38で検出された待機位置P2にあるとき押圧レバー68aが封筒上面を押圧する位置に配置されている。そして、積載トレイ32が上昇し、封筒の上面が上面検出センサ38で封筒の上面が検出されて積載トレイ32の上昇を停止させた時点で図7(a)に示すように封筒の押圧レバー68aの揺動がフォトセンサ68cで検出されていなければ、封筒の変形量は所定量以下であると判断する。そして、封筒の変形が所定量以下の場合は、封筒の積載量に係らず繰出ローラ40の周面位置P1から待機位置P2までの距離に相当する上昇量に若干の上昇量を加えた基準上昇量を選択する。一方、封筒の上面が上面検出センサ38で封筒の上面が検出されて積載トレイ32の上昇を停止させた時点で図7(b)に示すように封筒の押圧レバー68aの揺動がフォトセンサ68cで検出していた場合は、封筒の変形量は所定量よりも大きいと判断する。そして、上述した実施の形態と同様に積載量に応じて上昇量を選択して設定し、設定された上昇量で積載トレイ32を上昇させる。このとき、選択される上昇量は、上記の基準上昇量よりも大きい値が選択され、また封筒の積載量が多いときは少ないときに比して大きい上昇量を選択するようになっている。
【0037】
なお、上面検出センサ38は、封筒の上面を接触する検出レバー38aと、検出レバー38aの揺動を検出するための検出フラグ38bと、検出フラグ38bの位置を検出するフォトセンサ38cと、検出レバー38aを封筒の上面に向けて付勢する捩じりバネ38dで構成している。ここで、捩じりバネ38dは、検出レバー38aが封筒の上面に接触する程度の付勢力とし、その付勢力は検出手段68の押圧バネ68dの付勢力よりも十分に小さくしている。なお、上面検出センサ38は捩じりバネ38dを用いずに自重で検出レバー38aを垂下させ、封筒の上面に接触させるように構成してもよい。もちろん、上面検出センサ38は検出レバーを用いない、他の構成を採用してもよい。
【0038】
上述した構成によれば、積載量が多い場合であっても封筒の膨らみがない場合や使用者が間違って封筒以外の膨らみのないシートを積載トレイ上の積載した場合に封筒、またはシートに過剰な荷重が付与されることを防ぐことができる。
【符号の説明】
【0039】
1 画像形成装置
4 給紙装置
30 収納庫
31 給紙機構
32 積載トレイ
38 シート上面検出センサ
40 繰出ローラ
41 給紙ローラ
42 分離ローラ
44 ブラケット
60 下限センサ
100 制御部
M1 給紙モータ
M3 昇降モータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7