【課題】ハンドマスクの使用者が、ハンドマスクを手にはめた状態の待ち時間を有効に利用することができるようにして、使用者がストレスを感じること無く手肌のスキンケア等を行うことができることを可能とする技術を提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ハンドマスクで十分な効果を得るためには、手にハンドマスクをはめた状態をしばらく維持して、これに染みこんでいる美容料等を十分長い時間手肌に接触させておく必要がある。ところが、ハンドマスクを手にはめている状態では手を使うことができない。したがって、この待ち時間の間、ハンドマスクの使用者は何もすることができず、ストレスを感じることが多かった。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、ハンドマスクの使用者が、ハンドマスクを手にはめた状態の待ち時間を有効に利用することができるようにして、使用者がストレスを感じること無く手肌のスキンケア等を行うことができることを可能とする技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために成された本発明において、第1の態様に係るハンドマスクは、
保液性を有する素材によって形成された、五指の指先を除く部分と手の甲と手の平とを包む形状から成る手袋部、
を備える。
【0007】
また、第2の態様に係るハンドマスクは、
保液性を有する素材によって形成された、五指の指先までの全体と手の甲と手の平とを包む形状から成る手袋部と、
前記手袋部における指を覆う部分の途中に、該指を覆う部分の周方向に沿って形成された、該指の指先を包む部分を切り取るための切り取り線と、
を備える。
【0008】
第1の態様および第2の態様において、「保液性を有する素材」は、液体を保持することができる素材であり、具体的には例えば、不織布、紙、脱脂綿、等により形成することができる。また、第1の態様および第2の態様において、「指先」は、少なくとも爪の全体を含めばよい。例えば、爪先から爪の根元までの部分であってもよいし、爪先から第1関節までの部分であってもよい。また、第2の態様において、「切り取り線」は、具体的には例えば、ミシン目(連続した小孔)、折り目、厚み方向の途中まで入った切れ目、切り込み、他の部分よりも厚みを薄くした薄肉部、等によって実現することができる。
【0009】
第1の態様および第2の態様に係る各ハンドマスクにおいては、液体(例えば、美容効果や薬用効果等を有する液体(具体的には例えば、美容料、化粧料、薬剤、等))を手袋部に染みこませて、これを手にはめておくことで、手肌に当該液体を接触させてスキンケア効果等を期待できる。
特に、第1の態様では、手袋部が指先を露出させる形状となっている。また、第2の態様では、手袋部に切り取り線が形成されており、これに沿って指先を包む部分を切り取ることによって、指先を露出させることができる。したがって、これらの構成によると、液体が染みこんだ手袋部を手にはめた状態の待ち時間において、使用者は指先を自由に使うことができる。例えば、使用者は、当該待ち時間に、爪につけ爪やマニキュア等を施したり、携帯情報端末のタッチパネル等を操作することができる。このように、このハンドマスクによると、使用者が、当該待ち時間を有効に利用することができる。これによって、使用者が、ストレスを感じること無く手肌のスキンケア等を行うことができる。
【0010】
好ましくは、第1の態様、あるいは、第2の態様に係るハンドマスクにおいて、
前記手袋部に液体が染みこんでいる。
【0011】
ここで、手袋部に染みこむ「液体」は、例えば、美容効果や薬用効果等を有する各種の液体(具体的には例えば、美容料、化粧料、薬剤)等である。
この構成によると、手袋部に液体が染みこんでいるので、使用者が手袋部に液体を染みこませる作業を行う必要がない。
【0012】
好ましくは、第1の態様、あるいは、第2の態様に係るハンドマスクにおいて、
前記手袋部の外側に配設された、防液性を有する素材によって形成された外装部、
をさらに備える。
【0013】
ここで、「防液性を有する素材」は、液体が染み通るのを防ぐことができる素材であり、具体的には例えば、ビニル等により形成することができる。
この構成によると、手袋部の外側に、防液性を有する素材によって形成された外装部が配設されているので、手袋部に染みこませた液体が揮発しにくい。したがって、当該液体を手肌に十分に接触させることが可能となり、特に高いスキンケア効果等を期待できる。
【0014】
好ましくは、第1の態様、あるいは、第2の態様に係るハンドマスクにおいて、
前記手袋部における指を覆う部分に形成された蛇腹部、
をさらに備える。
【0015】
この構成によると、蛇腹部を伸縮させることにより、手袋部から指先をどれだけ露出させるかを、使用者が自由に調整することができる。また、この構成によると、指の長さが異なる様々な使用者に対応することができる。
【0016】
好ましくは、第1の態様、あるいは、第2の態様に係るハンドマスクにおいて、
前記手袋部において、手首側から指先側に亘って形成された、取り外し用切り取り線、
をさらに備える。
【0017】
ここにおいて、「取り外し用切り取り線」は、具体的には例えば、ミシン目(連続した小孔)、折り目、厚み方向の途中まで入った切れ目、切り込み、他の部分よりも厚みを薄くした薄肉部、等によって実現することができる。
この構成によると、取り外し用切り取り線に沿って手袋部を切ることによって、手袋部を手から取り外すことができる。したがって、液体が染みこんだ手袋部を手にはめた状態の待ち時間に、爪につけ爪やマニキュア等を施した場合に、つけ爪やマニキュアに手袋部を触れさせることなく、手袋部を外すことができる。
【0018】
好ましくは、第1の態様、あるいは、第2の態様に係るハンドマスクにおいて、
前記手袋部における、手の平、あるいは、手の甲を覆う部分に形成された開口部、
をさらに備える。
【0019】
この構成によると、使用者は、例えば、手袋部を、開口部が手の平に配置されるような格好で手にはめて、液体を手の平に取って手を揉むことによって、当該液体を、開口部を介して手肌の全体に接触させるとともに、手袋部に染みこませることができる。
【0020】
好ましくは、第1の態様、あるいは、第2の態様に係るハンドマスクにおいて、
前記手袋部の外側に配設された、防液性を有する素材によって形成された外装部と、
前記外装部における、手の平、あるいは、手の甲を覆う部分に形成された外装側開口部と、
をさらに備える。
【0021】
この構成によると、液体を外装側開口部から注入することによって、当該液体を、開口部を介して手袋部の全体に速やかに染みこませることができる。具体的には例えば、使用者は、外側に外装部が配設された手袋部を、外装側開口部が手の平に配置されるような格好で手にはめて、液体を手の平に取って手を揉むことによって、当該液体を、開口部を介して手袋部に染みこませることができる。
【0022】
好ましくは、第1の態様、あるいは、第2の態様に係るハンドマスクにおいて、
前記手袋部に、液体が染みこんでおり、
前記手袋部の外側に配設された、防液性を有する素材によって形成された外装部と、
前記外装部の開口端部を閉じる閉鎖部と、
をさらに備える。
【0023】
この構成によると、手袋部を覆う外装部において開口端部(具体的には例えば、外装部における手首側の開口端部、また、外装部における指先側の端部が開口している場合は、当該指先側の開口端部)が閉鎖部によって閉じられており、使用者が、ハンドマスクを使用する際に、閉鎖部を破って手袋部を着用する。この構成によると、使用者がハンドマスクを使用するまでに手袋部に染みこんだ液体が揮発してしまうことがない。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係るハンドマスクによると、手袋部から指先を露出させることができるようになっているので、ハンドマスクを手にはめた状態の待ち時間を、使用者が有効に利用することができる。これによって、使用者が、ストレスを感じること無く手肌のスキンケア等を行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0027】
<1.第1実施形態>
図1には、第1実施形態に係るハンドマスク100の概略図が示されている。このハンドマスク100は、手袋部1を備える。
【0028】
手袋部1は、五指の指先(少なくとも爪の全体を含む。例えば、爪先から爪の根元までの部分であってもよいし、爪先から第1関節までの部分であってもよい。)を除く部分と手の甲と手の平とを包む形状から成る。また、手袋部1は、保液性を有する素材(具体的には例えば、不織布、紙、脱脂綿、等)によって形成されており、液体Lを染みこませることができるようになっている。手袋部1に染みこませる液体Lは、例えば、美容効果や薬用効果を有する各種の液体(具体的には例えば、美容料、化粧料、薬剤)等である。
【0029】
ハンドマスク100は、手袋部1に液体Lが染みこんだ状態で販売されてもよいし、手袋部1に液体Lが染みこんでいない状態で販売されてもよい。前者の場合、使用者が手袋部1に液体Lを染みこませる作業を行う必要がないという利点がある。一方、後者の場合は、ハンドマスク100の使用時に使用者が当該作業を行う必要があるが、この場合は、使用者が自分の好きな液体Lを手袋部1に染みこませることができるという利点がある。
【0030】
ハンドマスク100の使用者は、美容効果や薬用効果等を有する液体Lが染みこんだ手袋部1を手にはめて、手袋部1に染みこんだ液体Lを手肌に接触させ、その状態をしばらく維持する。これによって、高いスキンケア効果等を期待できる。
特に、ハンドマスク100においては、手袋部1が、指先を露出させる形状となっている。したがって、液体Lが染みこんだ手袋部1を手にはめた状態の待ち時間において、使用者は指先を自由に使うことができる。例えば、使用者は、当該待ち時間に、爪につけ爪やマニキュア等を施したり、携帯情報端末のタッチパネル等を操作することができる。このように、ハンドマスク100によると、使用者が、当該待ち時間を有効に利用することができる。これによって、使用者が、ストレスを感じること無く手肌のスキンケア等を行うことができる。
【0031】
<2.第2実施形態>
図2には、第2実施形態に係るハンドマスク200の概略図が示されている。このハンドマスク200は、手袋部2を備える。
【0032】
手袋部2は、五指の指先までの全体と手の甲と手の平とを包む形状から成る。この手袋部2においては、指を覆う部分の途中に、該指を覆う部分の周方向に沿って形成された、該指の指先(少なくとも爪の全体を含む。例えば、爪先から爪の根元までの部分であってもよいし、爪先から第1関節までの部分であってもよい。)を包む部分を切り取るための切り取り線201が形成されている。切り取り線201は、具体的には例えば、ミシン目(連続した小孔)、折り目、厚み方向の途中まで入った切れ目、切り込み、他の部分よりも厚みを薄くした薄肉部、等によって実現される。また、手袋部2は、上述した手袋部1と同様、保液性を有する素材によって形成されており、液体Lを染みこませることができるようになっている。
【0033】
ハンドマスク200は、上述したハンドマスク200と同様、手袋部2に液体Lが染みこんだ状態で販売されてもよいし、手袋部2に液体Lが染みこんでいない状態で販売されてもよい。
【0034】
ハンドマスク200の使用者は、美容効果や薬用効果等を有する液体Lが染みこんだ手袋部2を手にはめて、手袋部2に染みこんだ液体Lを手肌に接触させ、その状態をしばらく維持する。これによって、高いスキンケア効果等を期待できる。
特に、ハンドマスク200においては、手袋部2に切り取り線201が形成されており、使用者が、手袋部2に液体Lを染みこませた後、あるいは、手袋部2に液体Lを染みこませる前に、切り取り線201に沿って指先を包む部分を切り取ることによって、指先を露出させることができる。したがって、液体Lが染みこんだ手袋部2を手にはめた状態の待ち時間において、使用者は指先を自由に使うことができ、当該待ち時間を有効に利用することができる。これによって、使用者が、ストレスを感じること無く手肌のスキンケア等を行うことができる。
【0035】
<3.第3実施形態>
図3には、第3実施形態に係るハンドマスク100a,200aの概略図が示されている。
図3(a)に示されるハンドマスク100aは、手袋部1と外装部11とを備える。また、
図3(b)に示されるハンドマスク200aは、手袋部2と外装部21とを備える。手袋部1,2の各構成は、上述した通りである。
【0036】
外装部11は、手袋部1の外側に配設され、手袋部1と略同一の形状(すなわち、五指の指先を除く部分と手の甲と手の平とを包む形状)から成る。また、外装部11は、防液性を有する素材(具体的には、例えば、ビニル等)によって形成されている。
【0037】
外装部21は、手袋部2の外側に配設され、手袋部2と略同一の形状(すなわち、五指の指先までの全体と手の甲と手の平とを包む形状)から成る。また、外装部21においては、手袋部2の切り取り線201と重なる位置に、切り取り線(外装側切り取り線)211が形成されている。外装側切り取り線211も、上述した切り取り線201と同様、ミシン目、折り目、厚み方向の途中まで入った切れ目、切り込み、他の部分よりも厚みを薄くした薄肉部、等によって実現される。また、外装部21も、外装部11と同様、防液性を有する素材によって形成されている。
【0038】
ハンドマスク100a,200aにおいては、手袋部1,2の外側に、防液性を有する素材によって形成された外装部11,21が配設されるので、手袋部1,2に染みこませた液体Lが揮発し難くい。したがって、当該液体Lを手肌に十分に接触させることが可能となり、特に高いスキンケア効果等を期待できる。
【0039】
<4.第4実施形態>
図4には、第4実施形態に係るハンドマスク100b,200bの概略図が示されている。
図4(a)に示されるハンドマスク100bは、手袋部1bと外装部11bとを備える。また、
図4(b)に示されるハンドマスク200bは、手袋部2bと外装部21bとを備える。
【0040】
手袋部1b,2bは、以下の点において上述した手袋部1,2と相違する。すなわち、手袋部1b,2bには、指を覆う部分(ただし、手袋部2bにおいては、切り取り線201よりも指の根元側)に、蛇腹部3が形成されている。この蛇腹部3は、具体的には、これを最大に伸ばすと比較的長い指の使用者の爪先までを覆う長さになり、これを最大に縮めると比較的短い指の使用者の指先を露出させる長さになることが好ましい。
【0041】
外装部11b,21bは、以下の点において上述した外装部11,21と相違する。すなわち、外装部11b、21bには、手袋部1b,2bと同様、指を覆う部分(ただし、外装部21bにおいては、外装側切り取り線211よりも指の根元側)に、蛇腹部(外装側蛇腹部)31が形成されている。外装側蛇腹部31の山部および谷部は、手袋部1b,2bの蛇腹部3の山部および谷部と重なる位置に形成されていて、重なり合った蛇腹部3,31が一体に伸縮できるようになっている。
【0042】
このハンドマスク100b,200bにおいては、手袋部1b,2bおよび外装部11b,21bに蛇腹部3,31が形成されるので、手袋部1b,2bおよび外装部11b,21bが指を覆う部分の長さ(すなわち、指先を露出させる長さ)を、使用者が自由に調整することができる。また、このハンドマスク100b,200bによると、指の長さが異なる様々な使用者に対応することができる。
【0043】
なお、ハンドマスク100b,200bにおいては、外装部11b,21bは必須ではなく、ハンドマスク100b,200bは手袋部1b,2bのみから構成されてもよい。
【0044】
<5.第5実施形態>
図5には、第5実施形態に係るハンドマスク100c、200cの概略図が示されている。
図5(a)に示されるハンドマスク100cは、手袋部1cと外装部11cとを備える。また、
図5(b)に示されるハンドマスク200cは、手袋部2cと外装部21cとを備える。
【0045】
手袋部1c,2cは、以下の点において上述した手袋部1,2と相違する。すなわち、手袋部1c,2cには、手首側から指先側に亘って、取り外し用切り取り線4が形成されている。取り外し用切り取り線4は、具体的には例えば、ミシン目(連続した小孔)、折り目、厚み方向の途中まで入った切れ目、切り込み、他の部分よりも厚みを薄くした薄肉部、等によって実現される。なお、図示の例では、取り外し用切り取り線4は、小指を覆う部分に沿って形成されているが、取り外し用切り取り線4の形成位置は、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば親指を覆う部分に沿って形成されてもよい。また、取り外し用切り取り線4は複数本形成されてもよい。例えば、小指を覆う部分に沿って第1の取り外し用切り取り線4が形成されるとともに、親指を覆う部分に沿って第2の取り外し用切り取り線4が形成されてもよい。
【0046】
外装部11c,21cは、以下の点において上述した外装部11,21と相違する。すなわち、外装部11c,21cには、手袋部1c,2cの取り外し用切り取り線4と重なる位置に、取り外し用切り取り線(外装側取り外し用切り取り線)41が形成されている。外装側取り外し用切り取り線41も、取り外し用切り取り線4と同様、ミシン目、折り目、厚み方向の途中まで入った切れ目、切り込み、他の部分よりも厚みを薄くした薄肉部、等によって実現される。
【0047】
ハンドマスク100c,200cにおいては、取り外し用切り取り線4,41に沿って手袋部1c,2cおよび外装部11c,21cをそれぞれ切ることによって、手袋部1c,2cおよび外装部11c,21cを手から取り外すことができる。したがって、液体Lが染みこんだ手袋部1c,2cを手にはめた状態の待ち時間に、爪につけ爪やマニキュア等を施した場合に、つけ爪やマニキュアに手袋部1c,2cおよび外装部11c,21cを触れさせることなく、これらを外すことができる。
【0048】
なお、ハンドマスク100c,200cにおいては、外装部11c,21cは必須ではなく、ハンドマスク100c,200cは手袋部1c,2cのみから構成されてもよい。
【0049】
<6.第6実施形態>
図6には、第6実施形態に係るハンドマスク100d,200dの概略図が示されている。
図6(a)に示されるハンドマスク100dは、手袋部1dを備える。また、
図6(b)に示されるハンドマスク200dは、手袋部2dを備える。
【0050】
手袋部1d,2dは、以下の点において上述した手袋部1,2と相違する。すなわち、手袋部1d,2dにおいては、手の平、あるいは、手の甲を覆う部分の例えば中央に、例えば円形の開口部5が形成されている。なお、開口部5の形成位置は、必ずしも手の平、あるいは、手の甲を覆う部分である必要はなく、例えば指を覆う部分であってもよい。また、開口部5の個数は1個に限らず、複数個であってもよい。また、開口部5は、1つの孔により形成されてもよいし、複数の孔(例えば、無数の微小孔)の集合により形成されてもよい。
【0051】
ハンドマスク100d,200dにおいては、手袋部1d,2dにおける、手の平、あるいは、手の甲を覆う部分に開口部5が形成されている。したがって、使用者は、例えば、手袋部1d,2dを、開口部5が手の平の側にくるような格好で手にはめて、液体Lを手の平に取って手を揉むことによって、当該液体Lを、開口部5を介して手肌の全体に接触させるとともに、手袋部1d,2dに染み渡らせることができる。
【0052】
<7.第7実施形態>
図7には、第7実施形態に係るハンドマスク100e,200eの概略図が示されている。
図7(a)に示されるハンドマスク100eは、手袋部1eを備える。また、
図7(b)に示されるハンドマスク200eは、手袋部2eを備える。
【0053】
手袋部1e,2eは、以下の点において上述した手袋部1,2と相違する。すなわち、手袋部1e,2eにおいては、L字状、あるいは、U字状の切り込み6が形成されている。切り込み6は、好ましくは、手の平を覆う部分の中央を部分的に囲むように形成されている。図では、手首側から真っ直ぐのびて、手の平を覆う部分の中央を部分的に囲むように曲がって、小指側に到達するような、L字状の切り込み6が例示されている。
【0054】
ハンドマスク100e,200eにおいては、手袋部1e,2eに切り込み6が形成されている。したがって、使用者は、例えば、手袋部1e,2eを手にはめて切り込み6で囲まれた部分をめくることによって、手肌を部分的に手袋部1e,2eから露出させることができ、そこから液体Lを注入して、当該液体Lを手肌の全体に接触させるとともに、手袋部1e,2eに染み渡らせることができる。特に、切り込み6が、手の平を覆う部分の中央を部分的に囲むように形成されている場合、手の平の中央部分を露出させることができるので、液体Lを手の平に取って手を揉むことによって、当該液体Lを手肌の全体に接触させるとともに、手袋部1e,2eに染み渡らせることができる。また、液体Lを手袋部1e,2eに染みこませた後は、めくった部分を再び元の位置に戻すことで、露出した手肌の部分を再び手袋部1e,2eで覆うことができる。
【0055】
なお、この構成に係る手袋部1e,2eにおいては、切り込み6によってめくり上げられる部分の端部付近に、係止用切り込み601を形成しておくことも好ましい。この構成によると、液体Lを手袋部1e,2eに染みこませた後、めくった部分を再び元の位置に戻し、さらに、当該めくった部分を伸ばして係止用切り込み601を指(図示の例では、親指)に引っ掛けておくことによって、切り込み6からのめくれ上がりを防止できる(図の一点鎖線)。
【0056】
<8.第8実施形態>
図8には、第8実施形態に係るハンドマスク100f,200fの概略図が示されている。
図8(a)に示されるハンドマスク100fは、手袋部1と外装部11fとを備える。また、
図8(b)に示されるハンドマスク200fは、手袋部2と外装部21fとを備える。手袋部1,2の各構成は、上述した通りである。
【0057】
外装部11d,21dは、以下の点において上述した外装部11,21と相違する。すなわち、外装部11d,21dにおいては、手の平、あるいは、手の甲を覆う部分の例えば中央に、例えば円形の開口部(外装側開口部)51が形成されている。なお、外装側開口部51の形成位置は、必ずしも手の平、あるいは、手の甲を覆う部分である必要はなく、例えば指を覆う部分であってもよい。また、外装側開口部51の個数は1個に限らず、複数個であってもよい。また、外装側開口部51は、1つの孔により形成されてもよいし、複数の孔(例えば、無数の微小孔)の集合により形成されてもよい。
【0058】
ハンドマスク100f,200fにおいては、外装部11f,21fにおける、手の平、あるいは、手の甲を覆う部分に外装側開口部51が形成されている。したがって、使用者は、例えば、外装部11f、21fが外側に配設された手袋部1,2を、外装側開口部51が手の平の側にくるような格好で手にはめて、液体Lを手の平に取って手を揉むことによって、当該液体Lを、外装側開口部51を介して手袋部1,2に染みませることができる。あるいは、使用者は、例えば、当該手袋部1,2を手にはめずに、液体Lを外装側開口部51から注入することによって、当該液体Lを、外装開口部51を介して手袋部1,2に染みこませることもできる。
【0059】
<9.第9実施形態>
図9には、第9実施形態に係るハンドマスク100g,200gの概略図が示されている。
図9(a)に示されるハンドマスク100gは、手袋部1と外装部11gとを備える。また、
図9(b)に示されるハンドマスク200gは、手袋部2と外装部21gとを備える。手袋部1,2の各構成は、上述した通りである。
【0060】
外装部11g,21gは、以下の点において上述した外装部11,21と相違する。すなわち、外装部11g,21gにおいては、L字状、あるいは、U字状の切り込み(外装側切り込み)61が形成されている。外装側切り込み61は、好ましくは、手の平を覆う部分の中央を部分的に囲むように形成されている。図では、手首側から真っ直ぐのびて、手の平を覆う部分の中央を部分的に囲むように曲がって、小指側に到達するような、L字状の外装側切り込み61が例示されている。
【0061】
ハンドマスク100g,200gにおいては、外装部11g,21gに外装側切り込み61が形成されている。したがって、使用者は、例えば、外装部11g,21gが外側に配設された手袋部1,2を手にはめて外装側切り込み61で囲まれた部分をめくることによって、手袋部1,2を部分的に外装部11g,21gから露出させることができ、そこから液体Lを手袋部1,2に染みこませることができる。特に、外装側切り込み61が、手の平を覆う部分の中央を部分的に囲むように形成されている場合、手袋部1,2における当該中央部分を露出させることができるので、当該液体Lを手の平に取って手を揉むことによって、当該液体Lを手袋部1,2に染みこませることができる。また、液体Lを手袋部1,2に染みこませた後は、めくった部分を再び元の位置に戻すことで、手袋部1,2に染みこませた液体Lが揮発することを防止できる。
【0062】
なお、この構成に係る外装部11g,21gにおいては、外装側切り込み61の周縁であって、好ましくは、外装側切り込み61によってめくり上げられる部分の端部付近に、係止帯611の両端が固着されていることも好ましい。この係止帯611は、例えば、伸縮性のある紐やゴム等により形成することができる。この構成によると、液体Lを手袋部1,2に染みこませた後、めくった部分を再び元の位置に戻し、さらに、当該係止帯611を指(図示の例では、親指)に引っ掛けておくことによって、外装側切り込み611からのめくれ上がりを防止できる。
【0063】
<10.第10実施形態>
図10には、第10実施形態に係るハンドマスク100h,200hの概略図が示されている。
図10(a)に示されるハンドマスク100hは、手袋部1と外装部11hとを備える。また、
図9(b)に示されるハンドマスク200hは、手袋部2と外装部21hとを備える。手袋部1,2の各構成は、上述した通りである。ただし、この実施形態では、ハンドマスク100h,200hの製造者が、その製造時に、手袋部1,2に液体Lを染みこませる。つまり、ハンドマスク100h,200hは、手袋部1,2に液体Lが染みこんだ状態で販売される。
【0064】
外装部11h,21hは、以下の点において上述した外装部11,21と相違する。すなわち、外装部11h,21hには、その開口端部を閉じる閉鎖部(具体的には、外装部11h,21hにおける手首側の開口端部を閉じる閉鎖部7、および、外装部11hにおける指先側の開口端部を閉じる閉鎖部71)が形成されている。各閉鎖部7,71は、具体的には例えば、外装部11h,21hに手袋部1,2(液体Lを染みこませた手袋部1,2)が内挿された状態で、当該開口端部を接着することによって形成される。接着の態様はどのようなものであってもよく、例えば、溶着、圧着、接着剤や粘着剤等を用いた接着等を採用できる。なお、閉鎖部7,71の傍であって、手の平を覆う側の領域には、閉鎖部7,71を切り取るための切り取り線70が形成されることが好ましい。
【0065】
ハンドマスク100h,200hにおいては、手袋部1,2を覆う外装部11h,21hにおいて、開口端部が閉鎖部7によって閉じられており、使用者が、ハンドマスク100h,200hを使用する際に、閉鎖部7,71を破って(閉鎖部7の傍に切り取り線70が形成されている場合は、これに沿って閉鎖部7,71を切り取って)、手袋部1,2(すなわち、外装部11h,21hgが外側に配設された手袋部1,2)を手にはめる。この構成によると、使用者がハンドマスク100h,200hを使用するまでに手袋部1,2に染みこませた液体Lが揮発してしまうことがない。
【0066】
<11.第11実施形態>
図11には、第11実施形態に係るハンドマスク100i,200iの概略図が示されている。
図11(a)に示されるハンドマスク100iは、手袋部1iを備える。また、
図11(b)に示されるハンドマスク200iは、手袋部2iを備える。
【0067】
手袋部1i,2iは、以下の点において上述した手袋部1,2と相違する。すなわち、手袋部1i,2iは、液体Lを染みこませる前の段階(乾燥状態)において、圧縮成形されて、例えばタブレット状になっている。この手袋部1i,2iは、液体Lの浸透により圧縮回復して、定められた形状(すなわち、手袋部1iの場合は五指の指先を除く部分と手の甲と手の平とを包む形状、手袋部2iの場合は五指の指先までの全体と手の甲と手の平とを包む形状)となる。
【0068】
このハンドマスク100i,200iにおいては、手袋部1i,2iが乾燥状態において、タブレット状に圧縮成形されているので、持ち運びに便利である。
【0069】
<12.その他の実施形態>
上記の各実施形態に係るハンドマスク100,100a〜i,200,200a〜iにおいては、手袋部1,1b〜e,1i,2,2b〜e,2i(および、これを覆う外装部11,11b〜c,11f〜h,21,21b〜c,21f〜h)が、5本の指のそれぞれを別個に包む形状であったが、複数本の指をまとめて包む形状であってもよい。例えば、親指以外の4本の指をまとめて包む形状(所謂、ミトン状)であってもよい。
【0070】
また、第3実施形態に係るハンドマスク100a,200aにおいて、手袋部1,2の外側面と外装部11,21の内側面とが、全体的に(あるいは、部分的に)接着されることにより、手袋部1,2と外装部11,21とが一体化されていてもよい。例えば、保液性を有する素材によって形成された層と防液性を有する素材によって形成された層が互いに接着された二層構造のシート(例えば、ユニ・チャーム株式会社製の、ポリオレフィンとパルプの二層構造シート(商品名「フレッシュマスター 魚・肉のための保鮮シート」)を、所定の形状(五指の指先を除く部分と手の甲と手の平とを包む形状、あるいは、五指の指先までの全体と手の甲と手の平とを包む形状)に成形してもよい。第4〜第5,第8〜第10の各実施形態に係るハンドマスク100b〜c,200b〜c,100f〜i,200f〜iにおいても同様である。
【0071】
また、第5実施形態に係るハンドマスク100c,200cにおいて、5本の指のそれぞれに沿うような取り外し用切り取り線4,41がさらに形成されてもよい。具体的には、手首側から親指の指先側(あるいは、小指の指先側、あるいは、親指および小指の各指先側)に亘って取り外し用切り取り線4,41が形成されるとともに、各指の指先から当該指の側面に沿い、指と指の間の谷の部分を通って、隣の指の側面に沿って当該指の指先に至るような取り外し用切り取り線4,41が形成されてもよい。
この構成によると、取り外し用切り取り線4,41に沿って手袋部1c,2cおよび外装部11c,21cをそれぞれ切ることによって、手袋部1c,2cおよび外装部11c,21cのそれぞれを一枚の平面状に開く(あるいは、手の表側を覆う部分と手の裏側を覆う部分とに分離させる)ことができる。したがって、指先に手袋部1c,2cおよび外装部11c,21cを一切触れさせることなく、これらを外すことができる。
【0072】
また、第5実施形態に係るハンドマスク100c,200cにおいて、手首側からいずれかの指(例えば、中指)の指先側に亘って、平行に延在する二本の取り外し用切り取り線4,41が形成されてもよい。この場合、当該二本の取り外し用切り取り線4,41の間隔はあまり広くない(好ましくは、0.5cm〜3.0cm程度である)ことが好ましい。
この構成によると、二本の取り外し用切り取り線4,41に囲まれる帯状部分をその延在方向に沿って引っ張って、二本の取り外し用切り取り線4,41に沿って当該帯状部分を切り取ることによって、手袋部1c,2cおよび外装部11c,21cを簡単に外すことができる。なお、このような平行に延在する二本の取り外し用切り取り線4,41は、手首側から5本の指全ての各指先側に亘って形成されてもよい。
【0073】
また、第3〜第11の実施形態に係る各ハンドマスク200a〜iにおいて、切り取り線201,211は必須ではない。
【0074】
また、上記の各実施形態に係るハンドマスク100,100a〜i,200,200a〜iは、適宜に組み合わされて構成されてもよい。