【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の開閉機構は、バックドアが閉じた状態又は全開の状態を保持することができても、ボディとバックドアとの間に、換気に必要な所定の隙間だけを空けた状態で、バックドアを保持することはできない。
【0007】
例えば、バックドアを全開にした状態で、車両を走行させた場合、換気により車内の温度を下げることができたとしても、車両に積載した荷物等が、ボディの後方から落下する虞もあり、安全性に問題がある。
【0008】
本発明は、車両のバックドアを、換気に必要な隙間を空けた状態で保持可能とし、安全に車内の温度を下げることを可能とする車内換気用金具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1) ボディの後部に開閉自在のバックドアが設けられた車両に装着可能な車内換気用金具であって、
軸部と、
前記車両の前記バックドア又は前記ボディの一方に設けられたラッチと係合し、前記軸部の一端側に設けられ、前記軸部が延びる方向と直交する所定方向に突出する係合部と、
前記ラッチと係合する前記車両の前記バックドア又は前記ボディの他方に設けられたストライカに引っ掛け可能であり、前記軸部の他端側に設けられ、前記軸部が延びる方向と直交する方向であって、前記所定方向と直交する方向に突出するフック部と、を備え、
前記係合部の端部から前記フック部の端部までの寸法が、10cm以上30cm以下である車内換気用金具。
【0010】
(1)に記載の発明によれば、車内換気用金具は、軸部と、係合部と、フック部と、を備え、ボディの後部に開閉自在のバックドアが設けられた車両に装着可能である。
係合部は、車両のバックドア又はボディの一方に設けられたラッチと係合し、軸部の一端側に設けられ、軸部が延びる方向と直交する所定方向に突出する。
フック部は、ラッチと係合する車両のバックドア又はボディの他方に設けられたストライカに引っ掛け可能であり、軸部の他端側に設けられ、軸部が延びる方向と直交する方向であって、所定方向と直交する方向に突出する。
そして、車内換気用金具は、係合部の端部からフック部の端部までの寸法が、10cm以上30cm以下である。
【0011】
これにより、使用者は、例えば、車両のバックドアを全開した状態で、まず、車内換気用金具のフック部を、例えば、車両のボディに設けられたストライカに引っ掛ける。そして、使用者は、バックドアを閉じながら、車内換気用金具の係合部を、例えば、バックドアに設けられたラッチと係合させる。すると、バックドアは、換気に必要な隙間である、ストライカとラッチとの間が10cm以上30cm以下となる隙間を保持した状態で保持される。
このため、例えば、ボディの側面に設けられたドアの窓を開けて車両内部に外気を入れることで、窓から流入した外気がバックドアとボディとの隙間から抜け、換気効率が向上し、効率的に車内の温度を下げることができる。また、この状態において、ボディとバックドアとの隙間は、ストライカとラッチとの間が10cm以上30cm以下なので、例えば、車両の走行中に、後方に積載した比較的大きい荷物が落下するのを防止することも可能となる。
したがって、車両のバックドアを、換気に必要な隙間を空けた状態で保持可能とし、安全に車内の温度を下げることを可能となる。
【0012】
(2) 前記フック部は、
前記軸部の他端に、その基端が接続され、前記所定方向と直交する方向において、その先端側に向かって、前記軸部の一端側に傾斜しながら延びる横部材と、
前記横部材の先端から、前記軸部が延びる方向に延びる返し部材と、を備え、
前記返し部材は、前記車両の前記ストライカが有する環形状の開口の内法より長い寸法で形成されている(1)に記載の車内換気用金具。
【0013】
(2)に記載の発明によれば、フック部は、横部材と、返し部材と、を備える。
横部材は、軸部の他端に、その基端が接続され、所定方向と直交する方向において、その先端側に向かって、軸部の一端側に傾斜しながら延びる。
返し部材は、横部材の先端から、軸部が延びる方向に延びる。
そして、返し部材は、車両のストライカが有する環形状の開口の内法より長い寸法で形成されている。
【0014】
返し部材を、車両のストライカが有する環形状の開口の内法より長い寸法で形成したので、ストライカに引っ掛けたフック部が、車両の走行中の加速や減速により、ストライカから抜けるのを防止できる。
また、横部材を、その先端側に向かって、軸部の一端側に傾斜させたので、フック部とストライカとが、軸部と横部材とが接続された位置で係合する。
ここで、軸部は、バックドアの開こうとする力を、係合部を介して、引っ張り力として受けている。この引っ張り力が掛かった軸部に近い位置で、フック部とストライカとを係合させることで、車両のバックドアを、換気に必要な隙間を空けた状態でより安定して保持可能となる。