特開2017-13764(P2017-13764A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 今林 忠勝の特許一覧

<>
  • 特開2017013764-車内換気用金具 図000003
  • 特開2017013764-車内換気用金具 図000004
  • 特開2017013764-車内換気用金具 図000005
  • 特開2017013764-車内換気用金具 図000006
  • 特開2017013764-車内換気用金具 図000007
  • 特開2017013764-車内換気用金具 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-13764(P2017-13764A)
(43)【公開日】2017年1月19日
(54)【発明の名称】車内換気用金具
(51)【国際特許分類】
   B60J 5/10 20060101AFI20161222BHJP
【FI】
   B60J5/10 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-135713(P2015-135713)
(22)【出願日】2015年7月7日
(71)【出願人】
【識別番号】515185670
【氏名又は名称】今林 忠勝
(74)【代理人】
【識別番号】100158827
【弁理士】
【氏名又は名称】田代 茂夫
(72)【発明者】
【氏名】今林 忠勝
(57)【要約】
【課題】車両のバックドアを、換気に必要な隙間を空けた状態で保持可能とし、安全に車内の温度を下げることを可能とする車内換気用金具を提供すること。
【解決手段】車内換気用金具1は、ボディ110の後部に開閉自在のバックドア120が設けられた車両100に装着可能であって、軸部10と、車両100のバックドア120に設けられたラッチ125と係合し、軸部10の一端側に設けられ、軸部10が延びる方向と直交する所定方向に突出する係合部20と、ラッチ125と係合し車両100のボディ110に設けられたストライカ115に引っ掛け可能であり、軸部10の他端側に設けられ、軸部10が延びる方向と直交する方向であって、所定方向と直交する方向に突出するフック部30と、を備え、係合部20の端部からフック部30の端部までの寸法が、10cm以上30cm以下である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボディの後部に開閉自在のバックドアが設けられた車両に装着可能な車内換気用金具であって、
軸部と、
前記車両の前記バックドア又は前記ボディの一方に設けられたラッチと係合し、前記軸部の一端側に設けられ、前記軸部が延びる方向と直交する所定方向に突出する係合部と、
前記ラッチと係合する前記車両の前記バックドア又は前記ボディの他方に設けられたストライカに引っ掛け可能であり、前記軸部の他端側に設けられ、前記軸部が延びる方向と直交する方向であって、前記所定方向と直交する方向に突出するフック部と、を備え、
前記係合部の端部から前記フック部の端部までの寸法が、10cm以上30cm以下である車内換気用金具。
【請求項2】
前記フック部は、
前記軸部の他端に、その基端が接続され、前記所定方向と直交する方向において、その先端側に向かって、前記軸部の一端側に傾斜しながら延びる横部材と、
前記横部材の先端から、前記軸部が延びる方向に延びる返し部材と、を備え、
前記返し部材は、前記車両の前記ストライカが有する環形状の開口の内法より長い寸法で形成されている請求項1に記載の車内換気用金具。




【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車内換気用金具に関し、特にボディの後部に開閉自在のバックドアが設けられた車両に装着可能な車内換気用金具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の車内の換気は、車両に設けられたエア・コンディショナや、ドアに設けられた窓を開けることで、行われている。例えば、窓を開け、外気を車内に入れることで、車内の気温を下げることができる。
【0003】
ところで、車両には、ボディの後部に開閉自在のバックドアが設けられているものがある。バックドアが設けられている車両であれば、例えば、ボディの側面に設けられたドアの窓を開き、バックドアを開くことで、窓から流入した外気が後方に抜けるので、換気効率が向上する。
【0004】
このようなバックドアは、第一、第二、第三及び第四の節体が四角形を画成するように配置され四角形の各頂点で回動可能に連結されるとともに第一の節体がバックドアを保持する四節リンク機構と、車体によって回動可能に枢支されるとともに、第一の節体に向かい合った第三の節体を備える回動主軸と、回動主軸の回動に伴い第一、第二、第三及び第四の節体の配置を変位させるリンク駆動手段と、を備える車両バックドアの開閉機構(特許文献1参照)により、開閉可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−247253号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の開閉機構は、バックドアが閉じた状態又は全開の状態を保持することができても、ボディとバックドアとの間に、換気に必要な所定の隙間だけを空けた状態で、バックドアを保持することはできない。
【0007】
例えば、バックドアを全開にした状態で、車両を走行させた場合、換気により車内の温度を下げることができたとしても、車両に積載した荷物等が、ボディの後方から落下する虞もあり、安全性に問題がある。
【0008】
本発明は、車両のバックドアを、換気に必要な隙間を空けた状態で保持可能とし、安全に車内の温度を下げることを可能とする車内換気用金具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1) ボディの後部に開閉自在のバックドアが設けられた車両に装着可能な車内換気用金具であって、
軸部と、
前記車両の前記バックドア又は前記ボディの一方に設けられたラッチと係合し、前記軸部の一端側に設けられ、前記軸部が延びる方向と直交する所定方向に突出する係合部と、
前記ラッチと係合する前記車両の前記バックドア又は前記ボディの他方に設けられたストライカに引っ掛け可能であり、前記軸部の他端側に設けられ、前記軸部が延びる方向と直交する方向であって、前記所定方向と直交する方向に突出するフック部と、を備え、
前記係合部の端部から前記フック部の端部までの寸法が、10cm以上30cm以下である車内換気用金具。
【0010】
(1)に記載の発明によれば、車内換気用金具は、軸部と、係合部と、フック部と、を備え、ボディの後部に開閉自在のバックドアが設けられた車両に装着可能である。
係合部は、車両のバックドア又はボディの一方に設けられたラッチと係合し、軸部の一端側に設けられ、軸部が延びる方向と直交する所定方向に突出する。
フック部は、ラッチと係合する車両のバックドア又はボディの他方に設けられたストライカに引っ掛け可能であり、軸部の他端側に設けられ、軸部が延びる方向と直交する方向であって、所定方向と直交する方向に突出する。
そして、車内換気用金具は、係合部の端部からフック部の端部までの寸法が、10cm以上30cm以下である。
【0011】
これにより、使用者は、例えば、車両のバックドアを全開した状態で、まず、車内換気用金具のフック部を、例えば、車両のボディに設けられたストライカに引っ掛ける。そして、使用者は、バックドアを閉じながら、車内換気用金具の係合部を、例えば、バックドアに設けられたラッチと係合させる。すると、バックドアは、換気に必要な隙間である、ストライカとラッチとの間が10cm以上30cm以下となる隙間を保持した状態で保持される。
このため、例えば、ボディの側面に設けられたドアの窓を開けて車両内部に外気を入れることで、窓から流入した外気がバックドアとボディとの隙間から抜け、換気効率が向上し、効率的に車内の温度を下げることができる。また、この状態において、ボディとバックドアとの隙間は、ストライカとラッチとの間が10cm以上30cm以下なので、例えば、車両の走行中に、後方に積載した比較的大きい荷物が落下するのを防止することも可能となる。
したがって、車両のバックドアを、換気に必要な隙間を空けた状態で保持可能とし、安全に車内の温度を下げることを可能となる。
【0012】
(2) 前記フック部は、
前記軸部の他端に、その基端が接続され、前記所定方向と直交する方向において、その先端側に向かって、前記軸部の一端側に傾斜しながら延びる横部材と、
前記横部材の先端から、前記軸部が延びる方向に延びる返し部材と、を備え、
前記返し部材は、前記車両の前記ストライカが有する環形状の開口の内法より長い寸法で形成されている(1)に記載の車内換気用金具。
【0013】
(2)に記載の発明によれば、フック部は、横部材と、返し部材と、を備える。
横部材は、軸部の他端に、その基端が接続され、所定方向と直交する方向において、その先端側に向かって、軸部の一端側に傾斜しながら延びる。
返し部材は、横部材の先端から、軸部が延びる方向に延びる。
そして、返し部材は、車両のストライカが有する環形状の開口の内法より長い寸法で形成されている。
【0014】
返し部材を、車両のストライカが有する環形状の開口の内法より長い寸法で形成したので、ストライカに引っ掛けたフック部が、車両の走行中の加速や減速により、ストライカから抜けるのを防止できる。
また、横部材を、その先端側に向かって、軸部の一端側に傾斜させたので、フック部とストライカとが、軸部と横部材とが接続された位置で係合する。
ここで、軸部は、バックドアの開こうとする力を、係合部を介して、引っ張り力として受けている。この引っ張り力が掛かった軸部に近い位置で、フック部とストライカとを係合させることで、車両のバックドアを、換気に必要な隙間を空けた状態でより安定して保持可能となる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、車両のバックドアを、換気に必要な隙間を空けた状態で保持可能とし、安全に車内の温度を下げることを可能とする車内換気用金具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態に係る車内換気用金具1を車両100に適用した状態を示す図である。
図2】前記実施形態に係る車内換気用金具1の斜視図である。
図3】前記実施形態に係る車内換気用金具1の背面図である。
図4】前記実施形態に係る車内換気用金具1の右側面図である。
図5】前記実施形態に係る車内換気用金具1の使用方法を説明する図である。
図6】前記実施形態に係る車内換気用金具1の使用方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態に係る車内換気用金具1の構成を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る車内換気用金具1を車両100に適用した状態を示す図である。
車内換気用金具1は、ボディ110の後部に開閉自在のバックドア120が設けられた車両100に装着される。
本実施形態における車両100は、ボディ110の中央後部にストライカが設けられ、バックドア120の中央下部にラッチが設けられ、ボディ110のストライカとバックドア120のラッチが係合することで、バックドア120が閉じた状態となり、ボディ110のストライカとバックドア120のラッチとの係合が解除されることで、バックドア120が上端を軸として後方側に回動し開いた状態となる。なお、本実施形態における車両100、ボディ110、バックドア120、ストライカ及びラッチは、公知の技術で構成されている。また、本実施形態に係る車内換気用金具1は、ボディ110にラッチが設けられ、バックドア120にストライカが設けられている車両にも適用することができる。
【0018】
車内換気用金具1は、1本の棒状体が屈曲されて形成され、全長(後述する係合部20の端部からフック部30の端部までの寸法)が、10cm以上30cm以下(本実施形態の例では、25cm)に形成されている。
これにより、車内換気用金具1は、一端がバックドア120のラッチと係合し、他端がボディ110のストライカに引っ掛けられることで、図1に示すように、バックドア120を、換気に必要な隙間である、ボディ110に設けられたストライカとバックドア120に設けられたラッチとの間が10cm以上30cm以下となる隙間を保持した状態で保持する。
【0019】
図2は、前記実施形態に係る車内換気用金具1の斜視図である。
図3は、前記実施形態に係る車内換気用金具1の背面図である。
図4は、前記実施形態に係る車内換気用金具1の右側面図である。
車内換気用金具1は、軸部10と、係合部20と、フック部30と、を備える。
【0020】
軸部10は、軸方向(図2に示す例では上下方向)に延びる棒状体が直線形状に形成されている。
【0021】
係合部20は、車両100のバックドア120(図1参照)に設けられたラッチと係合し、軸部10の一端側(図3に示す例では上端側)に設けられ、軸部10が延びる方向(図3に示す例では上下方向)と直交する所定方向(図3に示す例では右方向)に突出する。
係合部20は、軸部10に連なる棒状体が屈曲され、所定の方向(図2に示す例では正面方向)から視て略コの字形状(図3に示す例では、コの字を左右方向に反転した形状)に形成されている。
なお、係合部20は、ラッチと係合可能であれば、軸部10に連なる棒状体を、例えば、所定の方向(図2に示す例では正面方向)から視て略Uの字を逆さにした形状等の任意の形状に形成してもよい。
【0022】
フック部30は、車両100のボディ110(図1参照)に設けられたラッチと係合するストライカに引っ掛け可能であり、軸部10の他端側(図4に示す例では下端側)に設けられ、軸部10が延びる方向(図4に示す例では上下方向)と直交する方向(図4に示す例では背面方向)であって、所定方向(図1に示す左右方向)と直交する方向(図1に示す背面方向)に突出する。
【0023】
また、図4に示すように、フック部30は、横部材31と、返し部材32と、を備える。
横部材31は、軸部10の他端(図4に示す例では下端)に、その基端が接続され、フック部30が突出する所定方向(図1に示す左右方向)と直交する方向(図1に示す背面方向)において、その先端側(図4に示す例では背面側)に向かって、軸部10の一端側(図4に示す例では上側)に傾斜しながら延びている。
返し部材32は、横部材31の先端から、軸部10が延びる方向(図4に示す例では上方)に延びている。そして、返し部材32は、車両100のストライカが有する環形状の開口116(後述する図5参照)の内法より長い寸法(例えば、4cm)で形成されている。
【0024】
次に、図5及び図6を参照して、車内換気用金具1の使用方法について説明する。
図5及び図6は、前記実施形態に係る車内換気用金具1の使用方法を説明する図である。
使用者は、車両100のバックドア120(図1参照)を全開した状態で、まず、図5に示すように、車内換気用金具1のフック部30を、車両100のボディ110に設けられたストライカ115に引っ掛ける。
【0025】
次に、使用者は、図6に示すように、バックドア120を閉じながら、車内換気用金具1の係合部20をバックドア120に設けられたラッチ125と係合させる。
すると、バックドア120は、換気に必要な隙間である、ストライカ115(図5参照)とラッチ125との間が10cm以上30cm以下(本実施形態の例では、25cm)となる隙間を保持した状態で保持され、図1に示す状態となる。
【0026】
次に、本実施形態に係る車内換気用金具1の作用効果について説明する。
車内換気用金具1によれば、例えば、ボディ110の側面に設けられたドアの窓を開けて車両内部に外気を入れることで、窓から流入した外気がバックドア120とボディ110との隙間から抜け、換気効率が向上し、効率的に車内の温度を下げることができる。また、この状態において、ボディ110とバックドア120との隙間は、ストライカ115とラッチ125との間が10cm以上30cm以下なので、例えば、車両100の走行中に、後方に積載した比較的大きい荷物が落下するのを防止することも可能となる。
したがって、車両100のバックドア120を、換気に必要な隙間を空けた状態で保持可能とし、安全に車内の温度を下げることを可能となる。
【0027】
また、車内換気用金具1によれば、車両100のストライカ115が有する環形状の開口116の内法より長い寸法で形成したので、ストライカ115に引っ掛けたフック部30が、車両100の走行中の加速や減速により、ストライカ115から抜けるのを防止できる。
また、横部材31を、その先端側に向かって、軸部10の一端側に傾斜させたので、フック部30とストライカ115とが、軸部10と横部材31とが接続された位置(軸部10に横部材31が連なる位置、又は、軸部10及び横部材31を形成する棒状体が屈曲された位置)で係合する。即ち、バックドア120の開こうとする力を、係合部20を介して、引っ張り力として受けている軸部10に近い位置で、フック部30とストライカ115とを係合させることで、車両100のバックドア120を、換気に必要な隙間を空けた状態でより安定して保持可能となる。
【0028】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0029】
1 車内換気用金具
10 軸部
20 係合部
30 フック部
100 車両
110 ボディ
115 ストライカ
120 バックドア
125 ラッチ
図1
図2
図3
図4
図5
図6