(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-137864(P2017-137864A)
(43)【公開日】2017年8月10日
(54)【発明の名称】燃料分配レース及びその製造のための方法
(51)【国際特許分類】
F02M 55/02 20060101AFI20170714BHJP
【FI】
F02M55/02 320Z
F02M55/02 330D
F02M55/02 330B
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-15296(P2017-15296)
(22)【出願日】2017年1月31日
(31)【優先権主張番号】16153634.7
(32)【優先日】2016年2月1日
(33)【優先権主張国】EP
(71)【出願人】
【識別番号】504117534
【氏名又は名称】テーイー・アウトモティーフェ(ハイデルベルク)ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100173521
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100153419
【弁理士】
【氏名又は名称】清田 栄章
(72)【発明者】
【氏名】マヌシェール・カンバクシュ
(72)【発明者】
【氏名】ウーヴェ・フィードラー
【テーマコード(参考)】
3G066
【Fターム(参考)】
3G066AC09
3G066AD05
3G066BA61
3G066CB05
(57)【要約】
【課題】製造コストを低減する燃料分配レールを提供すること。
【解決手段】原動機付き車両における内燃機関のための燃料噴射のための燃料分配レールであって、基本配管1を含んでおり、該基本配管1が、該基本配管1の長手方向に延在する燃料通路を備えており、基本配管1が少なくとも2つの流出開口部を含んでおり、該流出開口部が燃料通路から分岐しており、基本配管1に接続要素が配置されており、該接続要素4が、基本配管1に接触する接触壁5を備えており、接続要素4が基本配管1に材料結合式に結合されており、接続要素4が少なくとも2つの接続パイプ6を備えており、該接続パイプ6が、各噴射ノズルとの各流出開口部の流体連通のためにそれぞれ1つの接続通路7を備えている
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原動機付き車両における内燃機関、特にガソリンエンジンのための燃料噴射のための燃料分配レールであって、基本配管(1)を含んでおり、該基本配管(1)が、該基本配管(1)の長手方向に延在する燃料通路(2)を備えており、前記基本配管(1)が少なくとも2つの流出開口部(3)を含んでおり、該流出開口部(3)が前記燃料通路(2)から分岐しており、前記基本配管(1)に接続要素(4)が配置されており、該接続要素(4)が、前記基本配管(1)に接触する接触壁(5)を備えており、前記接続要素(4)が前記基本配管(1)に材料結合式に結合されており、前記接続要素(4)が少なくとも2つの接続パイプ(6)を備えており、該接続パイプ(6)が、各噴射ノズルとの前記各流出開口部(3)の流体連通のためにそれぞれ1つの接続通路(7)を備えていることを特徴とする燃料分配レール。
【請求項2】
前記接続要素(4)が鋼を備えていることを特徴とする請求項1に記載の燃料分配レール。
【請求項3】
前記基本配管(1)が鋼を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料分配レール。
【請求項4】
前記接続要素(4)が、ろう付けによって前記基本配管(1)に固定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料分配レール。
【請求項5】
前記接続要素(4)が、前記基本配管(1)を少なくとも長手部分において部分的にのみ包囲していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料分配レール。
【請求項6】
前記接続パイプ(6)のうち少なくとも1つの長手軸線が、前記燃料通路(2)の長手軸線と共に1つの平面内に位置していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の燃料分配レール。
【請求項7】
前記接続パイプ(6)のうち少なくとも1つが前記接続通路(7)を形成する内壁を備えており、該内壁が、少なくとも1つの前記接続パイプ(6)と統合して形成されており、前記内壁が最も内方の壁であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の燃料分配レール。
【請求項8】
少なくとも1つの前記接続パイプ(6)に少なくとも1つの結合パイプ(8)が割り当てられており、該結合パイプ(8)が、少なくとも部分的に、少なくとも1つの前記接続パイプ(6)に対して平行に延びていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の燃料分配レール。
【請求項9】
前記基本配管(1)が、少なくとも1.0mm、好ましくは少なくとも1.5mm、特に好ましくは少なくとも2.0mmの壁厚を備えていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の燃料分配レール。
【請求項10】
前記接続要素(4)が鍛造部分を含んでいることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の燃料分配レール。
【請求項11】
前記接触壁(5)が少なくとも1つの窓状の開口部(9)を含んでいることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の燃料分配レール。
【請求項12】
前記接続通路(7)のうち1つの内径が、割り当てられた前記流出開口部(3)の直径よりも少なくとも係数1.2、好ましくは係数1.5、特に好ましくは係数2.0だけ大きいことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の燃料分配レール。
【請求項13】
前記接続パイプ(6)あるいは前記接続通路(7)がそれぞれ1つのみの長手軸線を備えていることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の燃料分配レール。
【請求項14】
当該燃料分配レールが、最大で1500bar、好ましくは最大で1000bar、特に好ましくは最大で700barの圧力で負荷され得るように形成されていることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の燃料分配レール。
【請求項15】
燃料分配レール、特に請求項1〜14のいずれか1項に記載の燃料分配レールの製造のための方法であって、当該基本配管(1)の長手方向に延在する燃料通路(2)を有する基本配管(1)が準備され、該基本配管(1)に少なくとも2つの流出開口部(3)が穿孔され、その結果、該流出開口部(3)が前記燃料通路(2)から分岐し、前記基本配管(1)に接続要素(4)が配置され、その結果、該接続要素(4)の接触壁(5)が前記基本配管(1)に接触し、前記接続要素(4)が前記基本配管(1)に材料結合式に結合され、前記接続要素(4)が少なくとも2つの接続パイプ(6)を備え、該接続パイプ(6)が、各燃料噴射ノズルと前記各流出開口部(3)の流体連通のためにそれぞれ1つの接続通路(7)を備えることを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原動機付き車両における内燃機関、特にガソリンエンジンのための燃料噴射のための燃料分配レールに関するものである。また、本発明は、燃料分配レールの製造のための方法に関するものでもある。
【背景技術】
【0002】
ガソリンの直接噴射のための燃料分配レールは、基本的に実務において知られている。これら燃料分配レールは燃料通路を有するパイプ状の要素を含んでおり、燃料通路から通常は3つ、4つ又はそれより多くの流出開口部が分岐している。流出開口部は、それぞれ1つの噴射ノズルと流体連通している。燃料分配レールは、燃料を燃料分配レールへ供給するために、更に入口通路を含んでいる。
【0003】
ここで、各噴射ノズルとの流出開口部の流体連通は、複雑なものとして具体化されている。したがって、実務においては、燃料通路を形成する基本配管を準備し、次いで、基本配管に沿って穿孔によって流出開口部を形成することがまずは知られている。そして、これら流出開口部には、それぞれ接続通路を有する個々の接続パイプが接続され、接続通路は噴射ノズルの流体連通に寄与するものである。実務において知られたこの従来技術によれば、基本配管も、また接続パイプも、鋼で構成されている。
【0004】
実務において知られた従来技術の他の実施形態によれば、燃料分配レールは鍛造部分である。しかし、このことは、製造プロセスにおいて、接続通路の形成のために接続パイプごとに少なくとも1つの穿孔を前提とするものである。これにより、接続パイプの必要な最小長さに基づき、手間のかかる深い穿孔が必要となってしまう。これら深い穿孔は、とりわけ、位置及び直径についての高い公差要求に基づき手間がかかり、これにより、対応して製造プロセスがより高価となってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】独国特許出願公開第10322769号明細書
【特許文献2】独国特許発明第102006010244号明細書
【特許文献3】特許第5622826号公報
【特許文献4】独国特許出願公開第102009004773号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このため、本発明の基礎をなす課題は、上述の欠点が回避される燃料分配レールを提供することにある。特に本発明の基礎をなす課題は、製造コストを低減する燃料分配レールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、原動機付き車両における内燃機関、特にガソリンエンジンのための燃料噴射のための燃料分配レールであって、基本配管を含んでおり、該基本配管が、該基本配管の長手方向に延在する燃料通路を備えており、基本配管が少なくとも2つの流出開口部を含んでおり、該流出開口部が燃料通路から分岐しており、基本配管に接続要素が配置されており、該接続要素が、基本配管に接触する接触壁を備えており、接続要素が基本配管に材料結合式に結合されており、接続要素が少なくとも2つの接続パイプを備えており、該接続パイプが、各噴射ノズルとの各流出開口部の流体連通のためにそれぞれ1つの接続通路を備えていることを特徴としている。
【0008】
本発明は、製造プロセスの開始時における燃料通路と接続パイプの分離が非常に有利であるという認識を基礎とするものである。この分離は、燃料通路を基本配管によって形成し、接続パイプを後の製造ステップにおいて初めて基本配管に固定することで行われる。接続パイプは接続要素に配置されており、この接続要素は、材料結合式に、好ましくはろう付けによって基本配管に固定される。この分離は、まずは流出開口部のみが穿孔によって基本配管に形成されるという利点を有している。これら穿孔は基本配管の壁厚のみを貫通すればよいため、ここでは深い穿孔プロセスが不要である。結果として、流出開口部の位置及び直径についての非常に大きな公差要求は大幅により安価である。接続通路は、例えば深い穿孔によって形成されることができるが、その場合、合目的には接続通路が対応して大きな直径を有し、その結果、これに関連してわずかな公差要求のみが満たされれば足りる。したがって、製造コストが大幅に削減される。
【0009】
特に好ましい実施形態によれば、接続要素は、鋼、有利にはオーステナイト系の鋼を含んでいる。接続要素の鋼は、好ましくはオーステナイト系の組織構成要素を有するとともに、混粒鋼である。合目的には、接続要素及び/又は基本配管は、燃料に対して耐食性を有する鋼を含んでいる。基本配管は、シームレスに、又は二重壁若しくは多重壁で形成されることが可能である。
【0010】
特に好ましくは、接続要素は、材料結合式に、及び好ましくはろう付けによって、特に好ましくは硬ろう付けによって、更に特に好ましくは高温硬ろう付けによって基本配管に固定されている。接続要素を溶接によって基本配管に固定することが可能である。
【0011】
好ましい実施形態によれば、接続要素は、鍛造部分と、有利にはスウェージング部分とを含んでいる。合目的には、接続要素は、1つあるいは複数のばり又はばり取りされた箇所を備えている。接続要素が少なくとも主として、好ましくは完全に統合して形成されていることが好ましい。「統合」という表現は、特に鍛造部材又は鋳物から製造されることを意図するものである。特に好ましい実施形態によれば、接続パイプは、統合して接触壁に結合されている。1つの実施形態によれば、接続要素は、1つ、好ましくは1つのみの鋳造部分を含んでいる。この鋳造部分は、好ましくは鋳鉄を含んでいる。
【0012】
接続要素が、基本配管を少なくとも長手部において、好ましくは基本配管の全長に沿って部分的にのみ、好ましくは最大で350°だけ、有利には最大で270°だけ、特に有利には最大で190°だけ包囲していることが好ましい。特別な実施形態では、接続要素の部分的のみの包囲により基本配管が接続要素へ嵌合可能であるように基本配管及び接続要素が形成されている。非常に有利には、接続要素は、基本配管の長手軸線に対して平行に延び、周方向においてここでは接続要素の一端を形成し、好ましくは接触壁の一部を形成する2つのエッジ部を備えている。両エッジ部が流出開口部によって拡げられた長さの少なくとも50%あるいは75%あるいは100%に沿って延在していることが好ましい。有利には、両エッジに沿ってそれぞれ1つの溶接継ぎ目が配置されている。接続要素が基本配管に割り当てられたその固有の端部においてそれぞれ1つの弓状に延びるエッジ部を備えていることが合目的であり、合目的には、この弓状のエッジ部に沿って、それぞれ1つの溶接継ぎ目が配置されている。
【0013】
少なくとも1つの接続パイプあるいは接続通路の長手軸線が燃料通路の長手軸線と交差することが本発明の範囲内にある。換言すれば、少なくとも1つの接続通路あるいは接続パイプの長手軸線が燃料通路の長手軸線を有する1つの平面内に位置していることが合目的である。接続通路あるいは接続パイプの長手軸線が燃料通路の基本配管の内径の±10%を超えないだけ長手軸線を通り過ぎる場合に、この条件が満たされているとみなされる。燃料通路の長手軸線及び少なくとも1つの接続パイプあるいは接続通路の長手軸線が1つの平面内に位置し、互いに対して本質的に直角な角度をなせば特に好ましい。
【0014】
接続パイプのうち少なくとも1つが接続通路を形成する内壁を備えており、この内壁が、少なくとも1つの接続パイプと統合して形成されており、内壁が最も内方の壁であることが本発明の範囲内にある。内壁が燃料と接触可能であることが好ましい。合目的には、接続パイプは統合して形成されている。特に、接続パイプは、内方に位置するスリーブを備えるように形成されている。
【0015】
好ましい実施形態によれば、少なくとも1つの接続パイプに少なくとも1つの結合パイプが割り当てられており、この結合パイプは、少なくとも部分的に、少なくとも1つの接続パイプに対して平行に延びている。好ましくは、結合パイプは、その主要な長さに沿って接続パイプに対して平行に延びている。合目的には、少なくとも1つの結合パイプは、接続要素の一部であり、好ましくは鍛造部分あるいは鋳造部分である。特に好ましくは、結合パイプが接続要素に統合して形成されている。接続パイプ及び結合パイプが共通の壁を分かち合うことが合目的である。合目的には、基本配管とは反対の少なくとも1つの結合パイプの端部は、基本配管とは反対の接続パイプの端部と面一となっている。結合パイプの長手軸線が基本配管と交差しないことが合目的である。基本配管に向いた結合パイプの端部が燃料通路の長手軸線に対して平行に延在する接続要素のエッジ部と面一であることが好ましい。結合パイプは、実質上その長手軸線に沿った貫通開口部を備えている。
【0016】
基本配管は、少なくとも1.0mm、好ましくは少なくとも1.5mm、特に好ましくは少なくとも2.0mmの壁厚を備えていることが有利である。合目的には、基本配管の壁厚は、最大で15mm、好ましくは最大で10mm、特に好ましくは最大で7mmである。基本配管の内径は、有利には少なくとも8mm、好ましくは少なくとも12mm、特に好ましくは15mmである。基本配管は、好ましくは最大で60mm、好ましくは最大で50mm、特に好ましくは最大で40mmの内径を有している。
【0017】
好ましい実施形態によれば、接触壁が少なくとも1つの窓状の開口部を含んでいる。合目的には、接続要素が少なくとも2つの接続パイプの間に中間範囲を備えている。この中間範囲は、好ましくは接触壁の一部のみを含んでいる。特に好ましくは、中間範囲は、部分シェル状に形成されているとともに、合目的には2つの接続パイプを結合する。好ましい実施形態によれば、空間範囲は少なくとも2つの窓状の開口部を備えており、合目的には、これら窓状の開口部はウェブによって互いに分離されている。
【0018】
特に好ましい実施形態によれば、接続通路の直径のうち少なくとも1つが、割り当てられた流出開口部の直径よりも少なくとも係数1.2だけ、好ましくは1.5だけ、特に好ましくは2.0だけ大きい。複数の流出開口部あるいは全ての流出開口部のうち少なくとも1つの直径は、合目的には少なくとも1.0mm、好ましくは少なくとも1.5mm、特に好ましくは2.0mmである。複数の流出開口部あるいは全ての流出開口部の少なくとも1つは、合目的には最大で20mmの直径、好ましくは最大で15mmの直径、特に好ましくは最大で10mmの直径を有している。接続通路の直径は、合目的には少なくとも4mm、好ましくは少なくとも6mm、特に好ましくは少なくとも8mmである。接続通路は、合目的には最大で50mmの直径、好ましくは最大で35mmの直径、特に好ましくは最大で25mmの直径を有している。
【0019】
接続パイプあるいは接続通路がそれぞれ1つのみの長手軸線を備えていることが好ましい。接続通路のうちいずれも、湾曲されて又は曲げて構成されていないことが好ましい。接続パイプあるいは接続通路がそれぞれ1つのみの長手軸線を備えていれば、これにより、湾曲されて又は曲げて構成された各接続パイプあるいは各接続通路が排除される。
【0020】
燃料分配レールは、最大で1500bar、好ましくは最大で1000bar、特に好ましくは最大で700barの圧力で負荷され得るように形成されている。合目的には、燃料分配レールは、ガソリンエンジンに対してのみ用いることが可能に形成されている。燃料分配レールがガソリンエンジンにおいて通常の圧力に問題なく耐え得るがディーゼルエンジンにおいて通常の圧力には耐え得ないことが好ましい。
【0021】
また、本発明の対象は、燃料分配レール、特に本発明による燃料分配レールの製造のための方法であって、当該基本配管の長手方向に延在する燃料通路を有する基本配管が準備され、該基本配管に少なくとも2つの流出開口部が穿孔され、その結果、該流出開口部が燃料通路から分岐し、基本配管に接続要素が配置され、その結果、該接続要素の接触壁が基本配管に接触し、接続要素が基本配管に材料結合式に結合され、接続要素が少なくとも2つの接続パイプを備え、該接続パイプが、各燃料噴射ノズルと各流出開口部の流体連通のためにそれぞれ1つの接続通路を備えることを特徴とする方法である。
【0022】
好ましい実施形態によれば、接続要素は、鍛造によって、特に好ましくはスウェージングによって製造される。1つの実施形態によれば、接続要素は、鋳造によって製造される。特に好ましくは、接続要素はろう付けによって材料結合式に基本配管に結合される。好ましくは、接続要素は、硬ろう付けによって、特に好ましくは高温硬ろう付けによって基本配管に結合される。しかし、接続要素は、溶接によっても基本配管に固定されることが可能である。
【0023】
以下に、1つのみの実施例を示す図面に基づいて本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明による燃料分配レールの基本配管の斜視図である。
【
図3】
図1に基づく基本配管と
図2に基づく接続要素を含む、組み立てられた燃料分配レールの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1には、本発明による燃料分配レールの基本配管1が図示されている。基本配管1は、この基本配管1の長手方向へ延在する燃料通路2を備えている。例えば4mmの直径を有する全部で4つの流出開口部3がこの燃料通路2から分岐している。斜視図であるため、基本配管1の背側に流入開口部が配置されていることは視認できない。基本配管1は、オーステナイト系の鋼で構成されているとともに、例えば3mmの壁厚及び例えば20mmの内径を備えている。
【0026】
図2では、
図1に基づく基本配管1へ載置される接続要素4が見て取れる。ここで、基本配管1の各流出開口部3には、1つの接続パイプ6が割り当てられている。接続パイプ6は、流出開口部3と、これに伴い燃料通路2とを接続通路7を介して不図示の各噴射ノズルに流体連通させる。接続パイプ6にはそれぞれ1つの結合パイプ8が割り当てられており、結合パイプ8の長手軸線は、接続パイプ6の長手軸線に対して平行に延在している。各結合パイプ8は、この結合パイプに割り当てられた接続パイプ6に接触するため、これら結合パイプ及び接続パイプは、共通の壁を分かち合う。接続パイプ6の内径あるいは接続通路7の直径は、例えば12mmである。
【0027】
接続要素4は、基本配管1に接触することができ、そのために接触壁5を備えている。この実施例では、接触壁5は、4つの接続パイプ6の間にそれぞれ1つの中間範囲12を備えており、この中間範囲は比較的薄く形成されている。中間範囲12における接触壁5の厚さは、例えば3mmである。また、3つの中間範囲12のそれぞれが2つの窓部9を備えており、これら窓部は、それぞれウェブ13によって互いに分離されている。理想的には、接続要素4は、完全にオーストナイト系の鋼で構成されている。したがって、特に接続パイプ6及び結合パイプ8も、統合して接触壁5に結合されている。この実施例の接続要素は、スウェージングによって製造されている。後続のステップでは、接続通路7が穿孔あるいは部分穿孔によって製造される。
【0028】
基本配管1及び接続要素4は、ろう付けによって組み合わされる。このように製造された燃料分配レールが
図3に図示されている。基本配管1は、端部において、栓10によって閉鎖されている。また、入口接続パイプ11が基本配管1にろう付けされており、その結果、不図示の燃料管路との流入開口部の流体連通が可能である。
【外国語明細書】