特開2017-138295(P2017-138295A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-138295(P2017-138295A)
(43)【公開日】2017年8月10日
(54)【発明の名称】3軸半導体加速度センサ
(51)【国際特許分類】
   G01P 15/18 20130101AFI20170714BHJP
   G01P 15/12 20060101ALI20170714BHJP
   H01L 29/84 20060101ALI20170714BHJP
   G01P 15/08 20060101ALI20170714BHJP
【FI】
   G01P15/18
   G01P15/12 D
   H01L29/84 A
   G01P15/08 101C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】書面
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-32457(P2016-32457)
(22)【出願日】2016年2月5日
(71)【出願人】
【識別番号】514220392
【氏名又は名称】H&Tテクノロジー株式会社
(72)【発明者】
【氏名】長峰 孝有
【テーマコード(参考)】
4M112
【Fターム(参考)】
4M112AA02
4M112BA01
4M112CA24
4M112CA28
4M112CA29
4M112EA03
4M112FA01
(57)【要約】
【課題】小型で高感度の、かつ、ブリッジ回路のオフセット電圧が小さい3軸加速度センサを提供する。
【解決手段】 Z軸の加速度の検出を、X軸用の4個のピエゾ抵抗素子、あるいはY軸用の4個のピエゾ抵抗素子のうち、2個のピエゾ抵抗素子をブリッジ回路内で入れ替えるように接続を切り換える。また外部接続端子は、X軸の延長線上、あるいはY軸の延長線に直角な線上に一列に配意する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコン単結晶基板の周縁部に形成された支持枠部と、中央に形成された錘部と、前記錘部と前記支持枠部を接続する前記シリコン単結晶基板の薄肉部からなる2対の互いに直交する梁状の可撓部と、前記錘部を挟んでX軸上で相対向する可撓部に配置されたX軸用の4個のピエゾ抵抗素子と、前記錘部を挟んでY軸上で相対向する可撓部に配置されたY軸用の4個のピエゾ抵抗素子からなり、前記各軸4個のピエゾ抵抗素子はブリッジ回路を構成するように薄膜の引き出し電極で外部接続端子に接続されてなる半導体加速度センサであって、
X軸およびY軸に垂直なZ軸の加速度の検出は、前記X軸上で対抗する可撓部に配置されたX軸用の4個のピエゾ抵抗素子、あるいは前記Y軸上で対抗する可撓部に配置されたY軸用の4個のピエゾ抵抗素子のうち、一方の可撓部上に配置された2個のピエゾ抵抗素子をブリッジ回路内で入れ替えるように接続を切り換えて検出するように形成されていることを特徴とする3軸半導体加速度センサ。
【請求項2】
請求項1記載の3軸半導体加速度センサにおいて、
前記Z軸の加速度を検出するための切り換え回路は、前記X軸用のブリッジ回路あるいは前記Y軸用のブリッジ回路において、電源の負極と2個の差動電圧検出端子間に接続された2個のピエゾ抵抗素子、あるいは電源の正極と2個の差動電圧検出端子間に接続された2個のピエゾ抵抗素子を入れ替えるように接続を切り換えるように形成されていることを特徴とする3軸半導体加速度センサ。
【請求項3】
請求項1記載の3軸半導体加速度センサにおいて、
前記Z軸の加速度を検出するための切り換え回路は、前記X軸用のブリッジ回路あるいは前記Y軸用のブリッジ回路において、電源の正極と一方の差動電圧検出端子間に接続されたピエゾ抵抗素子と前記差動電圧検出端子と電源の負極間に接続されたピエゾ抵抗素子を入れ替えるように接続を切り換えるように形成されていることを特徴とする3軸半導体加速度センサ。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の3軸半導体センサにおいて、
前記外部接続端子は、Z軸の加速度の検出をX軸のピエゾ抵抗素子からなるブリッジ検出回路の接続を切り換えて得る場合はY軸の一方の延長線に直角な線上に一列に配置され、Z軸の加速度の検出をY軸のピエゾ抵抗素子からなるブリッジ検出回路の接続を切り換えて得る場合はX軸の一方の延長線に直角な線上に一列に配置されることを特徴とする3軸半導体加速度センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は3軸半導体加速度に係り、特に可撓部に形成したピエゾ抵抗素子の抵抗変化を検出して3軸の加速度を検出するのに好適な半導体加速度センサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の3軸の半導体化速度センサにおけるピエゾ抵抗素子の配置について説明する。特許文献2に記載されている第3図は加速度センサのピエゾ抵抗素子の配置を示す図である。同従来例では、X軸上のピエゾ抵抗素子からX軸方向の加速度が検出され、Y軸上のピエゾ抵抗素子からY軸方向の加速度が検出され、Z軸方向の加速度はZ軸用のピエゾ抵抗素子と平行に配置されたZ軸用のピエゾ抵抗素子により検出される。
【0003】
3軸の半導体加速度センサにおけるZ軸方向の加速度を検出する他の従来例を説明する。特許文献2に記載されている第1図は加速度センサのピエゾ抵抗素子の配置を示す図である。同従来例では、X軸上のピエゾ抵抗素子からX軸方向の加速度が検出され、Y軸上のピエゾ抵抗素子からY軸方向の加速度が検出され、Z軸方向の加速度は、X軸上のピエゾ抵抗素子およびY軸上のピエゾ抵抗素子が形成するブリッジ回路の出力信号の和、あるいはその平均を検出することにより、Z軸方向に受ける力に応じた電気信号を得ることができると記載されている。
【0004】
特許文献1と特許文献2に記載されているように、3軸の半導体加速度センサにおけるZ軸方向の加速度を検出する手段には2通りあるが、Z軸用のピエゾ抵抗素子が必要(特許文献1)、または、X軸上のピエゾ抵抗素子およびY軸上のピエゾ抵抗素子が形成するブリッジ回路の出力信号の和、あるいはその平均を検出する回路が必要(特許文献2)で、加速度センサの小型化を困難にしていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭63−266359号公報
【特許文献2】特開昭63−169078号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
加速度センサも一層の小型化と高感度化が求められてきている。
加速度検出感度は下記の式で求められる。
【数1】
【数2】
ここでKxおよびKyはX軸およびY軸方向の検出感度、KzはZ軸方向の検出感度、Lは可撓部の長さ、Wは可撓部の幅、Tは可撓部の厚さ、Sは錘部の面積、Hは錘部の厚さ、Dは相対向する支持枠部の間隔である。
【0007】
前記の式でわかるように、可撓部の幅を狭くすることは高感度化に有効である。したがって、特許文献1記載されているようなX軸用のピエゾ抵抗素子とZ軸用のピエゾ抵抗素子を可撓部上に平行に配置する方式に比べ、特許文献2に記載されているようなZ軸用のピエゾ抵抗素子をX軸用のピエゾ抵抗素子、あるいはY軸用のピエゾ抵抗素子と兼用する方が可撓部の幅を狭くでき、したがって、高感度化できることが容易に推察できる。また、感度が同じであればより小型化できることがわかる。
【0008】
しかしながら、特許文献2に記載されているようにZ軸用のピエゾ抵抗素子をX軸用、もしくはY軸用のピエゾ抵抗素子と兼用してZ軸方向の加速度を検出するためには、ブリッジ回路の出力信号の和、あるいはその平均を検出する回路が必要で、加速度センサの小型化を困難にしていた。
【0009】
また、ピエゾ抵抗素子から外部接続端子までを薄膜の引き出し電極で繋ぐ場合、引き出し電極の抵抗値の差を最小にして、ブリッジ回路のオフセット電圧を最小にすることが求められる。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、小型であっても高感度の、かつ、ブリッジ回路のオフセット電圧が小さい3軸半導体加速度センサを提供することを目的とする。なお、本発明はシリコン以外の半導体結晶基板でも実現できることは言うまでもない。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成する本発明の第1の態様は、
シリコン単結晶基板の周縁部に形成された支持枠部と、中央に形成された錘部と、錘部と前記支持枠部を接続するシリコン単結晶基板の薄肉部からなる2対の互いに直交する梁状の可撓部と、錘部を挟んでX軸上で相対向する可撓部に配置されたX軸用の4個のピエゾ抵抗素子と、錘部を挟んでY軸上で相対向する可撓部に配置されたY軸用の4個のピエゾ抵抗素子からなり、前記各軸4個のピエゾ抵抗素子はブリッジ回路を構成するように薄膜の引き出し電極で外部接続端子に接続されてなる半導体加速度センサであって、
Z軸の加速度の検出は、X軸上で対抗する可撓部に配置されたX軸用の4個のピエゾ抵抗素子、あるいはY軸上で対抗する可撓部に配置されたY軸用の4個のピエゾ抵抗素子のうち、一方の可撓部上に配置された2個のピエゾ抵抗素子をブリッジ回路内で入れ替えるように接続を切り換えるように形成されていることを特徴とする3軸半導体加速度センサにある。
【0012】
本態様によれば、Z軸方向の加速度検出を、X軸用のピエゾ抵抗素子、あるいはY軸用ピエゾ抵抗素子と兼用することにより梁部の幅を狭くして高感度化を図ることができる。またX軸あるいはY軸上の2個のピエゾ抵抗素子の接続を切り換えるのみでよいので、X軸用のブリッジ回路の出力信号とY軸用のブリッジ回路の出力信号の和や平均を取る回路が不要になることにより小型化を図ることができる。すなわち、小型であっても高感度の3軸半導体加速度センサを得ることができる。
【0013】
本発明の第2の態様は、
第1の態様に記載する切り換え回路において、
前記切り換え回路はX軸用のブリッジ回路あるいはY軸用のブリッジ回路において、電源の負極と2個の差動電圧検出端子間に接続された2個のピエゾ抵抗素子、あるいは電源の正極と2個の差動電圧検出端子間に接続された2個のピエゾ抵抗素子を入れ替えるように接続を切り換えることを特徴とすることにある。
【0014】
本態様によれば、Z軸方向の加速度検出を8個のCMOSトランジスタでからなる簡単な切り換え回路で実現できる。したがって、小型の3軸半導体加速度センサを得ることができる。
【0015】
本発明の第3の態様は、
第1の態様に記載する切り換え回路において、
前記切り換え回路は、X軸用のブリッジ回路あるいはY軸用のブリッジ回路において、電源の正極と一方の差動電圧検出端子間に接続されたピエゾ抵抗素子と前期差動電圧検出端子と電源の負極間に接続されたピエゾ抵抗素子を入れ替えるように接続を切り換えることを特徴とすることにある。
【0016】
本態様によれば、Z軸方向の加速度検出を4個のCMOSトランジスタのみで構成することができる。また第2の態様よりオン抵抗を低くすることができるため、より確実な切り換え回路を実現することができる。
【0017】
本発明の第4の態様は、
第1の態様に記載する3軸半導体加速度センサにおいて、
外部の信号処理ICと効率的に接続するために、外部接続端子を一列に配列するとき、Z軸の加速度の検出をX軸のピエゾ抵抗素子からなるブリッジ回路の接続を切り換えて得る場合は、外部接続端子はY軸の一方の延長線に直角な線上に一列に配置され、Z軸の加速度の検出をY軸のピエゾ抵抗素子からなるブリッジ回路の接続を切り換えて得る場合は、外部接続端子はX軸の一方の延長線に直角な線上に一列に配置されることを特徴とする3軸半導体加速度センサにある。
【0018】
本態様によれば、外付けの信号処理ICと効率的な接続をすることができるとともに、ピエゾ抵抗素子から外部接続端子までを繋ぐ薄膜の引き出し電極の抵抗値の差によるブリッジ回路のオフセット電圧を最小にすることができる。したがって、引き出し電極の幅や長さを変えることによる余計な面積を抑えることができ、小型の3軸半導体加速度センサを得ることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、Z軸用のピエゾ抵抗素子をX軸用あるいはY軸用のピエゾ抵抗素子と兼用することができ、その結果、梁部の幅を狭くすることによって高感度の3軸半導体加速度センサを得ることができる。
【0020】
また、Z軸方向の加速度検出は、X軸用のピエゾ抵抗素子、あるいはY軸用のピエゾ抵抗素子からなるブリッジ回路内の2個のピエゾ抵抗素子を入れ替えるだけでよく、その切り換え回路は4個あるいは8個のCMOSトランジスタのみで実現することができるので、小型の3軸半導体加速度センサを得ることができる。
【0021】
外部接続端子を一列に配列すると、外部の信号処理ICと効率的に接続することができるが、Z軸の加速度の検出をX軸のピエゾ抵抗素子からなるブリッジ回路の接続を切り換えて得る場合は、外部接続端子をY軸の一方の延長線に直角な線上に一列に配置し、Z軸の加速度の検出をY軸のピエゾ抵抗素子からなるブリッジ回路の接続を切り換えて得る場合は、外部接続端子をX軸の一方の延長線に直角な線上に一列に配置すれば、ピエゾ抵抗素子から外部接続端子までを繋ぐ薄膜の引き出し電極の抵抗値の差によるブリッジ回路のオフセット電圧を最小にすることができる。また引き出し電極の幅や長さを変えることによる余計な面積を抑えることができ、小型の3軸半導体加速度センサを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】第1の発明による実施例を示す正面図。
図2】(1)(2)加速度センサにY軸およびZ軸方向の加速度が加わった場合の状態を示す断面図。
図3】(1)(2)第2の発明によるY軸およびZ軸用のブリッジ検出回路。
図4】第2の発明による切り換え回路。
図5】(1)(2)第3の発明によるY軸およびZ軸用のブリッジ検出回路。
図6】第3の発明による切り替え回路。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。図1は第1の発明による実施例で、シリコン単結晶基板の周縁部に形成された支持枠部1と、中央に形成された錘部2と、錘部2と支持枠部1を接続するシリコン単結晶基板の薄肉部からなる2対の互いに直交する梁状の可撓部31、32、33、34と、錘部2を挟んでX軸上で相対向する可撓部31と32に配置されたX軸用の4個のピエゾ抵抗素子X1、X2、X3、X4と、錘部2を挟んでY軸上で相対向する可撓部33と34に配置されたY軸用の4個のピエゾ抵抗素子Y1、Y2、Y3、Y4からなり、各軸4個のピエゾ抵抗素子(X1、X2、X3、X4およびY1、Y2、Y3、Y4)はブリッジ回路を構成するように薄膜の引き出し電極6で外部接続端子41〜46および51〜56に接続されてなる半導体加速度センサを示す。
【0024】
図2(1)(2)は半導体加速度センサにY軸およびZ軸方向の加速度が加わった場合の状態を示す断面図である。Y軸方向に加速度が加わった場合は、図2(1)のように錘部2が動き、ピエゾ抵抗素子Y1とY3は伸長されて抵抗値が大きくなり、ピエゾ抵抗素子Y2とY4は圧縮されて抵抗値が小さくなる。また、Z軸方向に加速度が加わった場合は、図2(2)のように錘部2が動き、ピエゾ抵抗素子Y1とY4は圧縮されて抵抗値が小さくなり、ピエゾ抵抗素子Y2とY3は伸長されて抵抗値が大きくなる。
【0025】
図3(1)(2)はピエゾ抵抗素子Y1、Y2、Y3、Y4からなるブリッジ回路を示す回路図である。図3(1)はY軸方向の加速度を検出する場合の接続図で、図2(1)のようなY軸方向の加速度が加わった場合は、外部接続端子42と43を接続した一方の差動電圧検出端子の電圧は降下し、外部接続端子45と46を接続した他方の差動電圧検出端子の電圧は上昇するので、Y軸方向の加速度を検出することができる。また、図3(2)はZ軸方向の加速度を検出する場合の接続図で、図2(2)のようなZ軸方向の加速度が加わった場合は、外部接続端子42と43を接続した一方の差動電圧検出端子の電圧は上昇し、外部接続端子45と46を接続した他方の差動電圧検出端子の電圧は降下するので、Z軸方向の加速度を検出することができる。
【0026】
図3(2)は図3(1)のピエゾ抵抗素子Y3とY4をそれぞれ入れ替えたものである。したがって、ピエゾ抵抗素子Y3とY4を入れ替えるように接続を切り換えれば、Y軸用のピエゾ抵抗素子をZ軸用のピエゾ抵抗素子として兼用できることがわかる。
【0027】
図4は第2の発明による実施例で、ピエゾ抵抗素子Y3とY4を入れ替える切り換え回路を示す。SW1、SW2、SW3、SW4はCMOSトランジスタで構成されたトランスファースイッチである。SW1とSW4をオン、SW2とSW3をオフにすればY軸方向の加速度を検出することができる。また、SW1をSW4をオフ、SW2とSW3をオンにすればZ軸方向の加速度を検出することができる。
【0028】
ピエゾ抵抗素子Y1、Y2、Y3、Y4からなるブリッジ回路は、図5(1)(2)のように接続しても加速度を検出することができる。図5(1)はY軸方向の加速度を検出する場合の接続図で、図2(1)のようなY軸方向の加速度が加わった場合は差動電圧検出端子41の電圧は降下し、差動電圧検出端子44の電圧は上昇するので、Y軸方向の加速度を検出することができる。また、図5(2)はZ軸方向の加速度を検出する場合の接続図で、図2(2)のようなZ軸方向の加速度が加わった場合は、差動電圧検出端子41の電圧は上昇し、差動電圧検出端子44の電圧は降下するので、Z軸方向の加速度を検出することができる。
【0029】
図5(2)は図5(1)のピエゾ抵抗素子Y3とY4をそれぞれ入れ替えたものである。したがって、ピエゾ抵抗素子Y3とY4を入れ替えるように接続を切り換えれば、X軸用のピエゾ抵抗素子をZ軸用のピエゾ抵抗素子として兼用できることがわかる。
【0030】
図6は第3の発明による実施例で、ピエゾ抵抗素子Y3とY4を入れ替える切り換え回路を示す。SW5、SW6、SW7、SW8はCMOSトランジスタのスイッチである。SW5とSW7をオン、SW6をSW8をオフにすればY軸方向の加速度を検出することができる。また、SW5とSW7をオフ、SW6とSW8をオンにすればZ軸方向の加速度を検出することができる。また、SW5、SW6、SW7、SW8のドレイン・ソース間には電圧が印加されているので、図4のトランスファースイッチよりオン抵抗が低くなり、より確実なスイッチを実現することができる。
【0031】
図1を使って第4の発明を説明する。同図はY軸用のピエゾ抵抗素子1、Y2、Y3、Y4をZ軸用と兼用する場合を示す。同図から、ピエゾ抵抗素子X1、X2と外部接続端子51〜53を繋ぐ薄膜の引出電極6とピエゾ抵抗素子X3、X4と外部接続端子54〜56を繋ぐ薄膜の引出電極6の長さは大きく異なることがわかる。一方、ピエゾ抵抗素子Y1、Y2と外部接続端子41〜43を繋ぐ薄膜の引出電極6とピエゾ抵抗素子Y3、Y4と外部接続端子44〜46を繋ぐ薄膜の引出電極6の長さはほぼ均等である。したがって、ピエゾ抵抗素子を入れ替えてZ軸方向の加速度を検出する場合、ピエゾ抵抗素子Y1、Y2、Y3、Y4を使って切り換えたほうがブリッジ回路のオフセット電圧が少ないことがわかる。X軸用のピエゾ抵抗素子X1、X2、X3、X4をZ軸用と兼用する場合は、前記と同じ考え方で、外部接続端子は図1に示す位置から90度回転した位置に配置すればよい。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明は小型で高感度の3軸半導体加速度センサを必要とする産業分野において有効に利用することができる。
【符号の説明】
【0033】
1 支持枠部
2 錘部
31〜34 可撓部
41〜46 外部接続端子(Y軸)
51〜56 外部接続端子(X軸)
6 引き出し電極
SW1〜SW4 COMSトランジスタ トランスファースイッチ
SW5〜SW8 COMSトランジスタ スイッチ
図1
図2
図3
図4
図5
図6